(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記手術領域を複数個の施術領域に区画し、区画された施術領域の各々に対して、N個(Nは2より大きい整数)の危険度レベルのうち何れか1つの危険度レベルを設定する危険度レベル設定部をさらに含み、
前記危険度レベル設定部は、前記施術領域の各々が危険物から離隔した距離と、前記施術領域の各々に対して予め設定された距離以内に存在する危険物の危険等級とのうち少なくとも1つを用いて、前記施術領域の各々に対して危険度レベルを設定することを特徴とする、請求項1に記載の手術ロボットシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る手術ロボットシステムの好ましい実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1から
図3を参考すると、本発明に係る手術ロボットシステム1は手術ロボット100を用いて手術を遂行するためのものである。例えば、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ロボット100を用いて患部などによって腹腔鏡手術を含む最小浸湿手術、関節置換手術、前立腺切除術などの多様な手術を遂行することができる。
【0015】
このために、本発明に係る手術ロボットシステム1は、手術領域10を区画する複数個の施術領域20の各々に対して手術を遂行するための手術ツール110、上記手術ツール110が装着されるロボットアーム120、及び上記手術ツール110により手術が遂行されるように上記ロボットアーム120を動作させるための駆動部130を含む。上記手術領域10は、患部が属した領域を意味する。上記手術領域10は、上記手術ツール110及び上記ロボットアーム120が手術を遂行するために移動する範囲が含まれた領域であって、患部を囲むように患部に比べて大きいサイズを有するように設定された領域でありうる。
【0016】
上記駆動部130は、上記手術ツール110が位置する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節する。上記危険度レベル(DL)は、上記手術領域10に存在する大動脈、心臓、肺などのように患者の生命に大きい影響を及ぼす血管、臓器などの危険物30に基づいて設定できる。
【0017】
例えば、
図3に示すように、上記危険物30が存在する第1施術領域21は、上記危険物30から離隔した第2施術領域22及び上記第3施術領域23に比べて高い第1危険度レベル(DL1)に設定できる。そして、上記第1施術領域21の次に上記危険物30に近く位置した第2施術領域22は、上記第1危険度レベル(DL1)に比べて低い第2危険度レベル(DL2)に設定できる。この場合、上記駆動部130は上記手術ツール110が上記第2施術領域22で手術を遂行する場合に比べて上記第1施術領域21で手術を遂行する場合、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を減少させることができる。上記駆動部130は、上記手術ツール110が上記第1施術領域21で手術を遂行する場合に比べて上記第2施術領域22で手術を遂行する場合、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を増加させることができる。
【0018】
これによって、本発明に係る手術ロボットシステム1は次のような作用効果を図ることができる。
【0019】
第1に、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)が高いほど上記手術ツール110が移動する速度を減少させることによって、該当施術領域20に対する手術の正確性、精巧性、及び精密性を向上させることができる。したがって、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が危険度レベル(DL)の高い施術領域20で手術を遂行する過程で、上記手術ツール110が上記危険物30に接触されるなど、医療事故が発生する危険を減少させることができ、これによって、手術に対する安定性を向上させることができる。
【0020】
第2に、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が危険度レベル(DL)の高い施術領域20で移動する速度を減少させることによって、応急状況が発生するにつれて上記手術ロボット100を緊急停止させた以後に、上記手術ツール110が慣性などにより移動される距離を減少させることができる。したがって、本発明に係る手術ロボットシステム1は、応急状況発生時、上記手術ロボット100が緊急停止される場合、上記手術ツール110が上記危険物30に接触されるなどの医療事故が発生することを防止することができる。
【0021】
第3に、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)が高いほど、上記手術ツール110が移動する速度を増加させることによって、手術の完了時までかかる時間を減らすことができる。したがって、本発明に係る手術ロボットシステム1は、手術に対する安定性を向上させることができるだけでなく、これによって手術が遅れる程度を減らすことによって、施術者及び患者に加えられる苦痛と不便を減少させることができる。
【0022】
以下、上記手術ツール110、上記ロボットアーム120、上記駆動部130に対して添付した図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
図1から
図3を参考すると、上記手術ツール110は上記施術領域20の各々に対して手術を遂行するためのものである。上記手術ツール110は患者の身体内に挿入された状態で上記ロボットアーム120により作動することによって、手術を遂行することができる。上記手術ツール110は、上記ロボットアーム120に装着される。上記ロボットアーム120には手術の種類に応じて相異する手術ツール110が装着できる。例えば、上記ロボットアーム120には手術の種類に応じて、ドリル(Drill)、ミーリング(Milling)、鉗子(Forcep)、はさみ(Scissor)、グラスパー(Grasper)などを有する手術ツール110が装着できる。
【0024】
図1から
図3を参考すると、上記ロボットアーム120は上記駆動部130により動作する。上記ロボットアーム120が上記駆動部130により動作することによって、上記手術ツール110は上記施術領域20の各々に対して手術を遂行することができる。上記ロボットアーム120は水平方向及び垂直方向のうち、少なくとも1つの方向に移動するように動作することによって、上記手術ツール110を上記水平方向及び上記垂直方向のうち、少なくとも1つの方向に移動させることができる。上記ロボットアーム120は、互いに異なる軸を中心に回転する複数個の関節部を含むこともできる。
【0025】
図1から
図3を参考すると、上記駆動部130は上記ロボットアーム130を動作させる。これによって、上記手術ツール110は上記施術領域20の各々に対して手術を遂行することができる。上記駆動部130は、上記手術ツール110が位置する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することができる。
【0026】
これによって、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて上記手術ツール110が移動する速度を調節することによって、上記手術ロボット100を用いて遂行する手術に対する安定性を向上させることができるだけでなく、これによって手術が遅れる程度を減らすことによって、施術者及び患者に加えられる苦痛と不便を減少させることができる。
【0027】
上記駆動部130は、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)が高いほど上記手術ツール110が移動する速度を減少させ、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)が低いほど上記手術ツール110が移動する速度を増加させることができる。
【0028】
例えば、上記施術領域20が3個の危険度レベル(DL)に区分されて設定された場合、上記駆動部130は次のように上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することができる。
【0029】
まず、上記駆動部130は上記手術ツール110が上記第1施術領域21で手術を遂行する場合、上記ロボットアーム120を最低動作速度である第1動作速度で動作させることができる。上記第1施術領域21は最も危険度の高い第1危険度レベル(DL1)に設定された領域である。これによって、上記手術ツール110は上記第1施術領域21において最低速度で移動しながら上記第1施術領域21に対する手術を遂行することができる。
【0030】
次に、上記駆動部130は上記手術ツール110が上記第2施術領域22で手術を遂行する場合、上記ロボットアーム120を上記第1動作速度に比べて速い第2動作速度で動作させることができる。上記第2施術領域22は、上記第1危険度レベル(DL1)に比べて危険度の低い第2危険度レベル(DL2)に設定された領域である。これによって、上記手術ツール110は上記第2施術領域21で最低速度に比べて速い速度で移動しながら上記第2施術領域22に対する手術を遂行することができる。
【0031】
次に、上記駆動部130は上記手術ツール110が上記第3施術領域23で手術を遂行する場合、上記ロボットアーム120を最高動作速度である第3動作速度で動作させることができる。上記第3施術領域23は上記第2危険度レベル(DL2)に比べて危険度の低い第3危険度レベル(DL3)に設定された領域である。これによって、上記手術ツール110は上記第3施術領域23において最高速度で移動しながら上記第3施術領域23に対する手術を遂行することができる。
【0032】
図1から
図3を参考すると、本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ロボット100を制御するための制御部200を含むことができる。
【0033】
上記制御部200は、上記駆動部130を制御することによって、上記手術ツール110が上記施術領域20の各々に対して手術が遂行できるように上記ロボットアーム120を動作させることができる。上記制御部200は有線通信及び無線通信のうちの少なくとも1つを用いて上記手術ロボット100に制御信号を提供することによって、上記手術ロボット100を制御することができる。上記制御部200は、上記手術ロボット100から所定距離離隔した位置に設置できる。上記制御部200は、上記手術ロボット100の内部に内蔵されるように設置されることもできる。
【0034】
上記制御部200は、危険度レベル設定部210を含むことができる。
【0035】
上記危険度レベル設定部210は、上記手術領域10を複数個の施術領域20に区画し、上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定する。上記危険度レベル設定部210は、上記施術領域20の各々に対してN個(Nは2より大きい整数)の危険度レベル(DL)のうち、いずれか1つの危険度レベル(DL)を設定することができる。上記では、上記危険度レベル設定部210が上記施術領域20の各々を3個の危険度レベル(DL1、DL2、DL3)に区分して設定すると例示したが、これに限定されず、上記危険度レベル設定部210は上記施術領域20の各々に対して4個以上の危険度レベル(DL)に区分して設定することもできる。
【0036】
上記危険度レベル設定部210は、上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)を上記駆動部130に提供することができる。上記駆動部130は、有線通信及び無線通信のうちの少なくとも1つを用いて上記危険度レベル設定部210から上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)を受信すれば、受信された危険度レベル(DL)に基づいて、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することができる。
【0037】
上記危険度レベル設定部210は、上記施術領域20の各々が上記危険物30から離隔した距離に基づいて、上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定することができる。例えば、上記施術領域20を3個の危険度レベル(DL)に区分して設定する場合、上記危険度レベル設定部210は、上記危険物30が存在するか、または上記危険物30から離隔した距離が0.5cm以下の第1施術領域21を最も危険度の高い第1危険度レベル(DL1)に設定することができる。上記危険度レベル設定部210は、上記危険物30から離隔した距離が0.5cm超過、1.0cm以下の第2施術領域22を上記第1危険度レベル(DL1)に比べて低い第2危険度レベル(DL2)に設定することができる。上記危険度レベル設定部210は、上記危険物30から離隔した距離が1.5cm超過の第3施術領域23を最も危険度の低い第3危険度レベル(DL3)に設定することができる。
【0038】
上記危険度レベル設定部210は、上記施術領域20の各々に対して予め設定された距離以内に存在する危険物30の危険等級に基づいて、上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定することができる。予め設定された距離は施術者または製造者により予め設定できる。例えば、上記施術領域20を3個の危険度レベル(DL)に区分して設定する場合、上記危険度レベル設定部210は最も危険等級の高い第1危険物が予め設定された距離以内に存在する施術領域20を最も危険度の高い第1危険度レベル(DL1)に設定することができる。上記危険度レベル設定部210は、上記第1危険物に比べて危険等級の低い第2危険物が予め設定された距離以内に存在する施術領域20を上記第1危険度レベル(DL1)に比べて低い第2危険度レベル(DL2)に設定することができる。例えば、上記第1危険物は上記手術ツール110が接触されてはならない大動脈であり、上記第2危険物は上記手術ツール110がある程度接触可能な肝でありうる。上記危険度レベル設定部210は、最も危険等級の低い第3危険物が予め設定された距離以内に存在する施術領域20を最も危険度の低い第3危険度レベル(DL3)に設定することができる。
【0039】
上記危険度レベル設定部210は、上記施術領域20の各々が上記危険物30から離隔した距離及び上記施術領域20の各々に対して予め設定された距離以内に存在する危険物30の危険等級全てを用いて上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定することもできる。この場合、上記危険度レベル設定部210は、上記危険物30から最も遠く位置して第3危険度レベル(DL3)に該当する施術領域20であっても、該当危険物30の危険等級が高い場合、該当施術領域20を第2危険度レベル(DL2)または第1危険度レベル(DL1)に危険度レベル(DL)を高めて設定することができる。また、上記危険度レベル設定部210は、上記危険物30から最も近く位置して第1危険度レベル(DL1)に該当する施術領域20であっても、該当危険物30の危険等級が低い場合、該当施術領域20を第2危険度レベル(DL2)に危険度レベル(DL)を低めて設定することができる。
【0040】
図示してはいないが、上記制御部200は上記危険度レベル設定部210により上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)を表示するためのディスプレイ部を含むことができる。この場合、上記ディスプレイ部は上記施術領域20を危険度レベル(DL)に基づいて色彩を異にして表示することができる。これによって、施術者はディスプレイ部を肉眼で確認して上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認することができる。
【0041】
図示してはいないが、上記制御部200は患部を撮影したイメージを格納する格納部を含むことができる。上記危険度レベル設定部210は、上記格納部に格納されたイメージを用いて上記手術領域10を複数個の施術領域20に区画し、上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定する。上記イメージは、CT、MRIなどの映像装置により獲得されたものでありうる。上記イメージは、2次元または3次元映像に対するものでありうる。上記格納部は、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD−ROMなどの不揮発性メモリでありうる。上記ディスプレイ部は、上記イメージに上記施術領域20を危険度レベル(DL)に基づいて色彩を異にして表示することができる。
【0042】
図1から
図3を参考すると、上記制御部200は手術経路設定部220を含むことができる。
【0043】
上記手術経路設定部220は、上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて手術経路を設定する。上記手術経路設定部220は、有線通信及び無線通信のうちの少なくとも1つを用いて上記危険度レベル設定部210から上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)を受信し、受信された危険度レベル(DL)に基づいて上記手術経路を設定することができる。
【0044】
上記手術経路設定部220は、危険度レベル(DL)の低い施術領域20から危険度レベル(DL)の高い施術領域に手術が遂行されるように手術経路を設定することができる。これによって、本発明に係る手術ロボットシステム1は上記手術ロボット100が危険度レベル(DL)の低い施術領域20に対して、先に手術を完了した後に、危険度レベル(DL)の高い施術領域20に対して手術を遂行するようにすることによって、妨害になる要素が最大限除去された状態で危険度レベル(DL)の高い施術領域20に対して手術が遂行されるように具現できる。したがって、本発明に係る手術ロボットシステム1は、危険度レベル(DL)の高い施術領域20に対して手術を遂行する時に相対的な手術難易度を低めることができる。
【0045】
図示してはいないが、上記格納部は手術経路設定部220により設定された手術経路を格納することができる。上記ディスプレイ部は、施術者が上記手術経路設定部220により設定された手術経路が適合するか否かが確認できるように、上記手術経路設定部220により設定された手術経路を表示することができる。この場合、上記ディスプレイ部は上記手術経路設定部220により設定された手術経路に従って手術をシミュレーションする形態に表示することもできる。施術者が上記手術経路設定部220により設定された手術経路を変更した場合、上記格納部は変更された手術経路を格納することができる。上記手術ロボット100は、上記格納部に格納された手術経路に従って手術を自動で遂行することができる。
【0046】
図1から
図3を参考すると、上記制御部200は変更部230を含むことができる。
【0047】
上記変更部230は自動モード及び協業モード間に手術モードを変更することができる。上記自動モードは、上記手術ロボット100が上記施術領域20に対して自動で手術を遂行する手術モードである。本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が位置した施術領域20に対して自動モードで手術を遂行する場合、上記手術ロボット100が施術者による操作無しで上記設定された手術経路に従って自動で手術を遂行するように具現される。上記協業モードは、施術者及び上記手術ロボット100が協業して手術を遂行する遂行モードである。本発明に係る手術ロボットシステム1は、上記手術ツール110が位置した施術領域20に対して協業モードで手術を遂行する場合、上記手術ロボット100が施術者の操作に従って動作して手術を遂行するように具現される。この場合、上記駆動部130は施術者が加える力の強さ及び力の方向に対応するようにロボットアーム120が動作するように上記ロボットアーム120を動作させることができる。
【0048】
上記変更部230は、上記施術領域20の各々に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて、手術モードを自動モード及び協業モード間に自動で変更することができる。例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22において自動モードで手術を遂行してから上記第1危険度レベル(DL1)に設定された第1施術領域21に移動すれば、上記変更部230は上記手術モードを自動モードから協業モードに自動で変更することができる。
【0049】
上記変更部230は、施術者から提供される入力信号に従って手術モードを自動モード及び協業モード間に自動で変更することもできる。この場合、上記変更部230は上記手術ツール110が位置する施術領域20が以前に比べて危険度レベル(DL)が相異する施術領域20に変更された場合、上記施術者に手術モードを変更するか否かを確認するメッセージを上記ディスプレイ部に表示することができる。
【0050】
例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22において自動モードで手術を遂行してから上記第1危険度レベル(DL1)に設定された第1施術領域21に移動すれば、上記変更部230は施術者に手術モードを自動モードから協業モードに変更するか否かを確認するメッセージを上記ディスプレイ部に表示することができる。この場合、施術者が上記ディスプレイ部を通じて手術モードを変更するための入力信号を入力すれば、上記変更部230は手術モードを自動モードから協業モードに変更することができる。
【0051】
図1から
図3を参考すると、本発明に係る手術ロボットシステム1が上記変更部230を含む場合、上記駆動部130は駆動機構131及び負荷機構132を含むことができる。
【0052】
上記駆動機構131は、上記手術モードが自動モードの場合、上記ロボットアーム120を動作させるための駆動速度を調節することができる。これによって、上記駆動部130は上記手術ツール110が位置する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することができる。
【0053】
例えば、上記手術ツール110が上記第3危険度レベル(DL3)に設定された第3施術領域23から上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22に移動した場合、上記手術モードが自動モードであれば、上記駆動機構131は上記ロボットアーム120を移動させるモータの回転速度を減少させることによって、上記ロボットアーム120を動作させるための駆動速度を減少させることができる。
【0054】
上記負荷機構132は、上記手術モードが協業モードの場合、施術者が上記ロボットアームを動作させる過程で作用する負荷を調節することができる。これによって、上記駆動部130は上記手術ツール110が位置する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することができる。
【0055】
例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22から上記第1危険度レベル(DL1)に設定された第1施術領域21に移動した場合、上記手術モードが協業モードであれば、上記負荷機構132は上記ロボットアーム120を移動させるモータに連結される減速ギアを変更させることによって、施術者が上記ロボットアームを動作させる過程で作用する負荷を増加させることができる。これによって、上記負荷機構132は施術者が加える力の強さ及び力の方向に比べて上記ロボットアーム120が移動する距離が短く、上記ロボットアーム120が移動する速度が遅いように負荷を増加させることができる。即ち、上記負荷機構132は施術者が上記ロボットアーム120を移動させる過程で感じる重さを増加させることができる。上記負荷機構132は、上記ロボットアーム120に装着された油圧ダンパーを用いて施術者が上記ロボットアームを動作させる過程で作用する負荷を増加させることもできる。
【0056】
以下、本発明に係る手術ロボット制御方法の好ましい実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0057】
図1から
図4を参考すると、本発明に係る手術ロボット制御方法は、手術ロボット100を用いて手術を遂行するためのものである。本発明に係る手術ロボット制御方法は、前述した本発明に係る手術ロボットシステム1を通じて遂行できる。本発明に係る手術ロボット制御方法は、次のような構成を含む。
【0058】
まず、施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認する(S10)。このような工程(S10)は、上記手術ロボット100が位置する施術領域20が変更された場合に、上記手術ロボットシステム1が、変更された施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認することによりなされることができる。上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)は、上記危険度レベル設定部210により設定されたものでありうる。上記制御部200は、上記手術ツール110が手術を遂行するために移動する過程で施術領域20が変更された場合に、上記格納部から変更された施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認することができる。
【0059】
次に、施術領域20が変更されるにつれて、危険度レベル(DL)が変更されるか否かを判断する(S20)。このような工程(S20)は、上記手術ロボットシステム1が変更の以前の施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)、及び変更の以後の施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を相互比較することによりなされることができる。上記危険度レベルが変更されるか否かを判断する工程(S20)は、上記制御部200が、上記手術ツール110が変更の以前に位置していた施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)、及び上記手術ツール110が変更の以後に位置する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を相互比較することによって遂行できる。
【0060】
次に、危険度レベル(DL)が変更されるか否かが判断された場合、危険度レベル(DL)に基づいて上記手術ロボット100を制御する(S30)。このような工程(S30)は、上記手術ロボットシステム1が変更された施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて上記手術ロボット100が動作する速度が調節されるように、上記手術ロボット100を制御することによりなされることができる。上記手術ロボット100を制御する工程(S30)は、上記駆動部130が変更された施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて上記ロボットアーム120が動作する動作速度を調節することによって遂行できる。
【0061】
したがって、本発明に係る手術ロボット制御方法は、上記手術ツール110が手術を遂行する施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)に基づいて上記手術ツール110が移動する速度を調節することによって、上記手術ロボット100を用いて遂行する手術に対する安定性を向上させることができるだけでなく、これによって手術が遅れる程度を減らすことによって、施術者及び患者に加えられる苦痛と不便を減少させることができる。
【0062】
図1から
図4を参考すると、上記手術ロボット100を制御する工程(S30)は、次のような工程をさらに含むことができる。
【0063】
まず、危険度レベル(DL)が変更されるか否かを判断した結果、危険度レベル(DL)が高まった場合、上記手術ロボット100が動作する動作速度を減少させる(S31)。このような工程(S31)は、上記手術ロボットシステム1が、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を減少させることによりなされることができる。上記手術ロボット100が動作する動作速度を減少させる工程(S31)は、上記駆動部130により遂行できる。例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22から上記第1危険度レベル(DL1)に設定された第1施術領域21に移動した場合、上記駆動部130は上記ロボットアーム120が動作する動作速度を減少させることができる。
【0064】
次に、危険度レベル(DL)が変更されるか否かを判断した結果、危険度レベル(DL)が維持された場合、上記手術ロボット100が動作する動作速度を維持させる(S32)。このような工程(S32)は、上記手術ロボットシステム1が、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を維持させることによりなされることができる。上記手術ロボット100が動作する動作速度を維持させる工程(S32)は、上記駆動部130により遂行できる。例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22から上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22に移動した場合、上記駆動部130は上記ロボットアーム120が動作する動作速度を維持させることができる。
【0065】
次に、危険度レベル(DL)が変更されるか否かを判断した結果、危険度レベル(DL)が低まった場合、上記手術ロボット100が動作する動作速度を増加させる(S33)。このような工程(S33)は、上記手術ロボットシステム1が、上記ロボットアーム120が動作する動作速度を増加させることによりなされることができる。上記手術ロボット100が動作する動作速度を増加させる工程(S33)は、上記駆動部130により遂行できる。例えば、上記手術ツール110が上記第2危険度レベル(DL2)に設定された第2施術領域22から上記第3危険度レベル(DL3)に設定された第3施術領域23に移動した場合、上記駆動部130は上記ロボットアーム120が動作する動作速度を増加させることができる。
【0066】
図1から
図5を参考すると、上記手術ロボット100を制御する工程(S30)は、次のような工程をさらに含むことができる。
【0067】
まず、危険度レベル(DL)が変更されるか否かを判断した結果、危険度レベル(DL)が高まった場合、手術モードが変更されるか否かを判断する(S311)。このような工程(S311)は、上記手術ロボットシステム1が、手術モードが自動モードから協業モードに変更されるか否かを判断することによりなされることができる。上記手術モードが自動モードから協業モードに変更されるか否かを判断する工程(S311)は、上記変更部230により遂行できる。
【0068】
次に、上記手術モードが上記協業モードに変更された場合、負荷を増加させる(S312)。このような工程(S312)は、上記手術ロボットシステム1が、上記手術ロボット100が動作する動作速度が減少するように施術者が上記手術ロボット100を動作させる過程で作用する負荷を増加させることによりなされることができる。上記負荷を増加させる工程(S312)は、上記駆動機構131により遂行できる。
【0069】
次に、上記手術モードが上記自動モードに維持された場合、上記駆動速度を減少させる(S313)。このような工程(S313)は、上記手術ロボットシステム1が、上記手術ロボット100が動作する動作速度が減少するように上記駆動部133の駆動速度を減少させることによりなされることができる。上記駆動速度を減少させる工程(S313)は、上記駆動機構131により遂行できる。
【0070】
図1から
図4を参考すると、本発明に係る手術ロボット制御方法は、危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)をさらに含むことができる。上記危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)は、上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認する工程(S10)が遂行される以前に遂行できる。
【0071】
上記危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)は、上記手術ロボットシステム1が上記手術領域10を複数個の施術領域20に区画し、区画された施術領域20の各々に対して危険物30から離隔した距離に基づいて、N個の危険度レベル(DL)のうち何れか1つの危険度レベル(DL)を設定することによりなされることができる。このような工程(S40)は上記危険度レベル設定部210により遂行できる。
【0072】
上記危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)は、上記手術ロボットシステム1が区画された施術領域20の各々に対して予め設定された距離以内に存在する危険物30の危険等級に基づいて、N個の危険度レベル(DL)のうち何れか1つの危険度レベル(DL)を設定することによりなされることができる。このような工程(S40)は上記危険度レベル設定部210により遂行できる。
【0073】
上記危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)は、上記手術ロボットシステム1が上記施術領域20の各々が上記危険物30から離隔した距離及び上記施術領域20の各々に対して予め設定された距離以内に存在する危険物30の危険等級全てを用いて上記施術領域20の各々に対して危険度レベル(DL)を設定することによりなされることができる。このような工程(S40)は、上記危険度レベル設定部210により遂行できる。
【0074】
図1から
図4を参考すると、本発明に係る手術ロボット制御方法は、手術経路を設定する工程(S50)をさらに含むことができる。
【0075】
上記手術経路を設定する工程(S50)は、上記手術ロボットシステム1が危険度レベル(DL)の低い施術領域20から危険度レベル(DL)の高い施術領域20に手術が遂行されるように手術経路を設定することによりなされることができる。このような工程(S50)は、上記手術経路設定部220により遂行できる。上記手術経路を設定する工程(S50)は、上記危険度レベル(DL)を設定する工程(S40)が遂行された以後に遂行できる。上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認する工程(S10)は、上記手術経路を設定する工程(S50)が遂行された以後に遂行できる。上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認する工程(S10)は、設定された手術経路に従って上記手術ロボットシステム1が上記手術ロボット100を用いて手術を始めた以後に遂行できる。上記施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認する工程(S10)は、上記制御部20が、上記手術ロボット100が設定された手術経路に従って手術を遂行する過程で施術領域20が変更された場合、変更された施術領域20に対して設定された危険度レベル(DL)を確認することによって遂行できる。
【0076】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付した図面に限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の置換、変形、及び変更が可能であるということは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にあって明らかである。