(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6132940
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】収納したアイテムの位置を追跡する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20170515BHJP
H04W 4/04 20090101ALI20170515BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
G06Q10/10
H04W4/04 170
H04M1/00 R
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-5196(P2016-5196)
(22)【出願日】2016年1月14日
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】14/965,916
(32)【優先日】2015年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513077298
【氏名又は名称】▲れい▼達科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEADOT INNOVATION, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】王 鏗又
【審査官】
塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−228178(JP,A)
【文献】
特表2009−532955(JP,A)
【文献】
特開2006−338059(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/015466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
H04M 1/00
H04W 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納したアイテムの位置を追跡する方法であって、当該方法は:
モバイルコンピュータ装置のカメラを使用して第1の部屋の画像を撮影して、第1の部屋内に収納したアイテムの内容及び第1の部屋内に収納したアイテムの相対的な位置を表す第1の対応画像を形成するステップと;
第1の対応画像に示された第1の選択したアイテムをタップするステップと;
第1の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;
第1の対応画像に示された第2の選択したアイテムをタップするステップと;
第2の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;
第1の部屋の画像、第1の選択したアイテムの詳細な画像、及び第2の選択したアイテムの詳細な画像を、前記モバイルコンピュータ装置の記憶装置に保存するステップであって、各画像は階層化されたフォルダに保存され、第1の部屋の画像が第1の部屋に対応する第1のフォルダに保存され、第1及び第2の選択したアイテムの詳細な画像が第1のフォルダの直下の第1のサブフォルダに保存される、保存するステップと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記モバイルコンピュータ装置のカメラを使用して第1の部屋の画像を撮影して、第1の対応画像を形成するステップは、前記モバイルコンピュータ装置のカメラで第1の部屋の複数の画像を撮影し、該複数の画像を一緒にステッチして、パノラマ画像である第1の対応画像を形成するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の部屋にラベルを付けるステップと;
第1の選択したアイテムにラベルを付けるステップと;
第2の選択したアイテムにラベルを付けるステップと;
第1の部屋のラベル、第1の選択したアイテムのラベル、及び第2の選択したアイテムのラベルを、前記モバイルコンピュータ装置の前記記憶装置に保存するステップと;をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の選択したアイテムは、前記モバイルコンピュータ装置のユーザによって手動でラベル付けされる、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の選択したアイテムは、クラウドを介してアクセスされた識別サービスを使用して自動的にラベル付けされる、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
見当たらないアイテムに対応するラベルの全部又は一部を前記モバイルコンピュータ装置に入力することにより、見当たらないアイテムを探し出すステップをさらに含み、
前記モバイルコンピュータ装置は、見当たらないアイテムの位置を示す、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
無線周波数識別(RFID)タグを第1の部屋内に収納したアイテムに付加するステップと;
見当たらないアイテムに対応するラベルの全部又は一部を前記モバイルコンピュータ装置に入力して、見当たらないアイテムを探し出すステップであって、前記見当たらないアイテムは、対応するRFIDタグを有する、探し出すステップと;
前記見当たらないアイテムを探し出すためにRFIDスキャナを使用するステップと;
前記見当たらないアイテムに対応するRFIDタグを見つけたときに、前記モバイルコンピュータ装置のユーザに警告するステップと;をさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
第2の選択したアイテムは、他のアイテムを第2の選択したアイテム内に収納する収納ユニットである、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2の選択したアイテム内の収納スペースの詳細な画像を撮影するステップと;
前記収納スペース内に収納された個々のアイテムをタップするステップと;
前記収納スペース内に収納された個々のアイテムのそれぞれの詳細な画像を撮影するステップと;をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の選択したアイテム内の前記収納スペースにラベルを付けるステップと;
前記収納スペース内に収納された個々のアイテムにラベルを付けるステップと;をさらに含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1選択したアイテム及び第2の選択したアイテムのそれぞれについて製品タイプを識別するために、第1の選択したアイテム及び第2の選択したアイテムには、それぞれ、識別(ID)コードが割り当てられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の選択したアイテム及び第2の選択したアイテムのそれぞれについて、位置、ユーザコード、製品タイプ、及びシリアル番号を識別するために、第1の選択したアイテム及び第2の選択したアイテムには、それぞれ、固有の識別(UID)コードが割り当てられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1の部屋は、住宅内に位置しており、該住宅には、前記住宅に対応する固有のメディアアクセス制御(MAC)アドレス又は固定のインターネットプロトコル(IP)アドレスに基づいたコードが割り当てられる、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記モバイルコンピュータ装置のカメラを使用して第2の部屋の画像を撮影して、第2の部屋内に収納したアイテムの内容及び第2の部屋内に収納したアイテムの相対的な位置を表す第2の対応画像を形成するステップと;
第2の対応画像に示された第3の選択したアイテムをタップするステップと;
第3の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第3の選択したアイテムにラベル付けするステップをさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納したアイテムを追跡するための整理する方法、より具体的には、収納したアイテムの詳細な記録を保持するための、モバイルコンピュータ装置のアプリケーションを使用して収納したアイテムを追跡する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用品が次第に増えるにつれて、これらのアイテムの収納がより重要になってくる。これらのアイテムをどこに収納し且つどのように収納するかが重要になる。非常に多くのアイテムがある場合に、必要なアイテムを探し出すために多大な時間を要する。従って、整理された状態でアイテムを収納することは、長期に亘って多くの必要な時間を節約することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許請求の範囲に記載された発明の主な目的の1つは、直感的な整理システムを含むアプリケーションを使用して、収納したアイテムの位置を追跡する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特許請求の範囲に記載された本発明の例示的な実施形態によれば、収納したアイテムの位置を追跡する方法が開示される。この方法は、モバイルコンピュータ装置のカメラを使用して第1の部屋の画像を撮影して、第1の部屋内に収納したアイテムの内容及び第1の部屋内に収納されたアイテムの相対的な位置を表す第1の対応画像を形成するステップと;第1の対応画像に示された第1の選択したアイテムをタップするステップと;第1の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;を含む。この方法は、第1の対応画像に示された第2の選択したアイテムをタップするステップと;第2の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;第1の部屋の画像、第1の選択したアイテムの詳細な画像、及び第2の選択したアイテムの詳細な画像を、モバイルコンピュータ装置の記憶装置に保存するステップと;を含む。
【0005】
本発明は、アイテムを階層システムに直感的に整理するための方法を提供するという利点を有する。アイテム及びこれらアイテムの位置が記録されるだけでなく、収納されたアイテムの相対的な位置をグラフィカルに示すために画像も使用される。この方法は、新しいアイテムを追加するときに又は以前に収納したアイテムを探し出すときに、ユーザフレンドリーな操作方法を提供する。
本発明のこれらの目的及び他の目的は、様々な図及び図面に示されるような好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を理解した後に、当業者には明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】アイテムの位置及び説明を階層的な方法で記録するためのアプリケーション(アプリ)を実行するために使用されるモバイルコンピュータ装置の機能ブロック図である。
【
図2】スマート発見アプリを使用してアイテムを整理するための階層的なアプローチを示すようなサンプルのフォルダ構造を示す図である。
【
図3】モバイルコンピュータ装置を使用して、部屋の画像を撮影することを示す図である。
【
図4】スマート発見アプリを使用して、ドレッサーの詳細な画像を撮影することを示す図である。
【
図5】スマート発見アプリを使用して、引き出しの詳細な画像を撮影することを示す図である。
【
図6】本発明に係るスマート発見アプリケーションを使用して、アイテムを階層的な方法で整理する方法を説明するフローチャートである。
【
図7A】ネットワークを介したモバイルコンピュータ装置とクラウド・データベースとの間の相互作用及び識別サービスを示す機能ブロック図である。
【
図7B】アイテムの複数の画像を撮影することにより、クラウド・データベースに新しいエントリを追加することを示す図である。
【
図8】アイテムに対応するファイルをクラウド・データベースに追加した後にアイテムが認識されたことを示す図である。
【
図9】IDコードのフィールドを含むテーブルを示す図である。
【
図10】UID番号のフィールドを含むテーブルを示す図である。
【
図11】IPアドレス又はMACアドレスのいずれかを使用して、個々の住宅を特定する方法を示す図である。
【
図12】RFIDスキャナを使用して、カメラを探し出すことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1を参照されたい。
図1は、アイテムの位置及び説明を階層的な方法で記録するためのアプリケーション(アプリ)22を実行するために使用されるようなモバイルコンピュータ装置10の機能ブロック図である。このアプリによって、ユーザが、以前にこのアプリを使用して保存及び記録したアイテムを探し出すことが可能になる。このアプリに適格な名前を提供するために、このアプリは、以下、スマート発見アプリとして参照される。
【0008】
モバイルコンピュータ装置10は、好ましくはタッチスクリーンであるディスプレイ12、カメラ14、プロセッサ16、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)トランシーバ等の無線トランシーバ18、及び記憶装置20を含む。記憶装置20は、スマート発見アプリ22だけでなく、スマート発見アプリ22と共に使用されるアプリデータ24を格納する。記憶装置20は、好ましくは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。モバイルコンピュータ装置10は、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の、ディスプレイ及びカメラの両方を有する任意のモバイル装置であってもよいが、ノートパソコン等の他の装置も同様に使用することができる。
【0009】
図2を参照されたい。
図2は、スマート発見アプリ22を使用してアイテムを整理するための階層的なアプローチを示すようなサンプルのフォルダ構造である。家(ホーム)、建物、又は建物のグループであっても、階層的な構造を使用して整理することができる。例えば、
図2に示されるように、スミスさんの家庭に属する家(ホーム)が、上位レベルで示されており、「スミスさんのホーム」に対応するフォルダ100によって示されている。フォルダ100は、3つのフォルダ:「リビングルーム」に対応するフォルダ102、「マスターベッドルーム」に対応するフォルダ104、「ゲスト用ベッドルーム」に対応するフォルダ106を含むものとして示されている。当然のことながら、3つのフォルダより多い又は少ないフォルダが、フォルダ100内に存在してもよいが、3つのフォルダは、単純化のために示されている。
【0010】
一例としてフォルダ106を取り上げると、フォルダ106は、2つのフォルダ:「クローゼット」に対応するフォルダ110と、「デスク」に対応するフォルダ120とを含むものとして示されている。つまり、「ゲスト用ベッドルーム」には、「クローゼット」と「デスク」との両方が含まれる。次に、フォルダ120には、「ランプ」に対応するファイル122が含まれる。つまり、「デスク」には、「ランプ」が含まれる。追加のフォルダレベルによって、「クローゼット」又は「デスク」の個々の引き出しを示すことができ、アイテムを分類するようなネスト化されたレベルの数には制限がない。
【0011】
スマート発見アプリ22は、典型的な現代のコンピュータ・オペレーティング・システムにおいてファイル管理システムのように動作する。住宅、建物、部屋等であっても、ファイル構造を用いて表すことができる。例えば、住宅内の各部屋について、各部屋は、住宅についてのファイル構造内のフォルダによって表すことができる。収納キャビネット又は本棚は、部屋に対応するフォルダ内のサブフォルダによって表すことができる。各家庭用品は、フォルダ内のファイルに相当する。上述したように、「ランプ」に対応するファイル122は、「デスク」に対応するフォルダ120内に含まれる。ファイルは、家庭用品の少なくとも1つの画像を撮影し、その後、必要に応じて各アイテムにラベル付けすることによって作成される。オプションのラベル付けを手動で行うことができ、又は「クラウド」を介してアクセスされた識別サービスを使用して、自動的に各アイテムを識別し、各アイテムにラベル付けすることができる。一旦アイテムが適切にラベル付けされると、ユーザが後でアイテムを見つける必要がある場合に、ユーザは、スマート発見アプリ22を使用してアイテムを探し出すことができる。
【0012】
スマート発見アプリ22の使用方法について以下に示す。
図3を参照されたい。
図3は、モバイルコンピュータ装置10を使用して、部屋50の画像を撮影することを示す。部屋50に対応するフォルダを作成するために、モバイルコンピュータ装置10のカメラ14によって、部屋50の画像を撮影する。部屋50についてのフォルダ構造は、
図2に示したサンプルのフォルダ構造と同様にすることができる。部屋50の単一の画像又はパノラマ画像として一緒にステッチされた一連の画像が、撮影される。部屋50のこの画像記録は、次に、部屋50内の家庭用品の配置の記録とするために、分析され且つ保存される。
図3に示されるように、部屋50には、複数の引き出しを含むドレッサー52が含まれる。ドレッサー52の上部引き出し54について後述する。
【0013】
図4を参照されたい。
図4は、スマート発見アプリ22を使用して、ドレッサー52の詳細な画像を撮影することを示す。撮影した部屋50の画像において、ユーザは、モバイルコンピュータ装置10を使用して、
図4の左上に示されるような部屋50のズームイン画像51を生成するためにズームインする。部屋50のズームイン画像51を用いて、ユーザは、ドレッサー52をより良く確認することができる。スマート発見アプリ22で分類するべくドレッサー52をアイテムとして追加するには、ユーザは、モバイルコンピュータ装置10のディスプレイ12を用いてドレッサー52を単にタップすればよい。その後、ドレッサー52が選択されたことを示すために、必要に応じて、サークル(円)53を表示させることができる。次に、ユーザは、ドレッサー52のより詳細なビューを提供するために、ドレッサー52の詳細な画像55を撮影する。次に、ドレッサー52は、必要に応じて、手動で又はクラウドを介してアクセスされた識別サービスを使用してラベル付けすることができる。
図2に示したサンプルのフォルダ構造に示される概念を使用して、部屋50は、フォルダに対応し、このフォルダには、ドレッサー52に対応するサブフォルダが含まれる。ドレッサー52は、ドレッサー52の引き出し54及び他の引き出し等の他のサブフォルダを含むフォルダに対応するだろう。引き出し54(同様に他の各引き出し)は、引出し54内に他のアイテムを含むフォルダとして考えることもできる。一般に、収納ユニットは、フォルダとして考えることができ、収納ユニットではない他のアイテムは、フォルダ内のファイルとして考えることができる。多数のフォルダレベルが存在しても、ネスト化レベルに制限はない。ユーザがカタログ作成を望む全てのアイテムがカタログ化されるまで、アイテムをタップし、アイテムの詳細な画像を撮影し、及び必要に応じてアイテムにラベル付けするプロセスを繰り返すことができる。
【0014】
図4と一緒に
図5を参照されたい。
図4において、引き出し54をタップして、この引き出し54を選択することができる。その後、引き出し54の詳細な画像を撮影することができる。
図5は、スマート発見アプリ22を使用して、引き出し54の詳細な画像57を撮影することを示す。引き出し54には、デジタルカメラ60、ペン62、腕時計64、ポケットナイフ66、及び眼鏡68が含まれる。これらのアイテムのそれぞれは、順番に、アイテムを選択するためにタップされ、続いて各アイテムの詳細な画像を撮影し、及び必要に応じてアイテムにラベル付けすることができる。再び、
図2に示したサンプルのフォルダ構造に示される概念を使用して、引き出し54は、ドレッサー52に対応するフォルダ内のフォルダとなる。引き出し54の内側は、デジタルカメラ60、ペン62、腕時計64、ポケットナイフ66、及び眼鏡68に対応する(複数の)ファイルとなる。各アイテムは、必要に応じて、手動で又はクラウドを介してアクセスされた識別サービスを使用してラベル付けされるであろう。
【0015】
なお、一旦ドレッサー52等の収納ユニット及びその全ての内容物が完全にカタログ作成されると、家具を住宅内で再配置する場合には、住宅内である部屋から別の部屋に収納ユニットを移動することは、容易に行われる。この状況では、ユーザは、以前収納ユニットがあった部屋の画像を単に撮影し、その後、今その収納ユニットが配置された部屋の画像を撮影する。移動した収納ユニットは、クラウドを介してアクセスされた識別サービスによって自動的に識別され、収納ユニット内に以前に配置されていた全てのアイテムは、ユーザが特に指定しない限り、収納ユニットをある部屋から別の部屋に移動したときに、依然として保存されることになる。
【0016】
図6を参照されたい。
図6は、本発明に係るスマート発見アプリ22を使用して、アイテムを階層的な方法で整理する方法を説明するフローチャートである。この方法の一般的なステップが説明されており、この方法は、ネスト化された階層レベルに拡張可能である。新しいアイテムは、フローチャートのステップを繰り返して行われる方法で実行することによって追加することができる。フローチャートの各ステップについて、以下で説明する。
【0017】
ステップ150:開始する。
ステップ152:主なアイテムの画像を撮影し、必要に応じて主なアイテムにラベルを付ける。例えば、この場合の主なアイテムは、
図3に示される部屋50であってもよい。
ステップ154:主なアイテムの画像内の下位レベルのアイテムをタップする。例えば、ユーザは、
図4のドレッサー52をタップする。
ステップ156:下位レベルのアイテムの詳細な画像を撮影し、必要に応じて下位レベルのアイテムにラベル付けする。例えば、ユーザは、
図4のドレッサー52の詳細な画像を撮影し、その後必要に応じて、手動で又はクラウドを介してアクセスされた識別サービスを使用してドレッサー52にラベルを付ける。
ステップ158:主なアイテムの画像内の他の下位レベルのアイテムをタップする。例えば、ユーザは、
図3に示される部屋50内の他のアイテムについてもカタログ作成できる。
【0018】
ステップ160:他の下位レベルのアイテムの詳細な画像を撮影し、必要に応じてこの他の下位レベルのアイテムにラベルを付ける。
ステップ162:他の下位レベルのアイテム内に追加の整理(組織化)レベルがあるか否かを確認する。もし追加の整理(組織化)レベルがあるならば、ステップ164に進む。もし追加の整理(組織化)レベルがないならば、ステップ168に進む。例えば、他の下位レベルのアイテムがキャビネットであり、このキャビネット内に他のアイテムが含まれる場合に、その後、ステップ164に続く。
ステップ164:他の下位レベルのアイテムの画像内のさらに下位レベルのアイテムをタップする。例えば、このステップは、キャビネット内に含まれるアイテムを選択する場合に、継続されることになる。
【0019】
ステップ166:さらに下位レベルのアイテムの詳細な画像を撮影し、必要に応じてさらに下位レベルのアイテムにラベルを付ける。例えば、このステップは、キャビネット内に含まれるアイテムをカタログ作成する場合に、継続することになる。ステップ162に戻る。
ステップ168:主なアイテムの画像内により下位レベルのアイテムがあるか否かを確認する。例えば、
図3に示される部屋50内に他のアイテムがあるか否かを確認する。他のアイテムがある場合に、ステップ158に戻り、追加のアイテムを選択する。他のアイテムがない場合に、ステップ170に進む。
ステップ170:終了する。
【0020】
手動でアイテムにラベル付けする場合に、スマート発見アプリ22のユーザは、アイテムの種類、メーカー、モデル番号等の情報を手動で入力することができる。クラウドを介してアクセスされた識別サービスを使用する場合に、識別サービスは、クラウド・データベースを使用して、ユーザによって撮影されたアイテムの画像を既にクラウド・データベースに保存された画像と比較する。次に、ユーザが撮影した画像と一致するクラウド・データベース内のエントリを、見つけることができる。また、ユーザが入力したデータを使用して、クラウド・データベースの内容をさらに拡張することができる。つまり、そのアイテムの詳細な画像を提供するために、ユーザが撮影した追加の画像が、一致するアイテムとさらに関連付けることができる。ユーザが新しいアイテムをクラウド・データベースに追加する場合に、次に、ユーザが入力したデータによって、クラウド・データベースに新しいエントリが追加される。一般的には、アイテムに関連付けられたクラウド・データベース内に存在する画像が多くなればなる程、ユーザが撮影した対象物の新しい画像と、既にクラウド・データベースに含まれる画像とを一致させることは容易になる。クラウド・データベース内に保存されたコンテンツがより充実するので、クラウド・データベースは、ユーザが撮影した画像のアイテムを正確に識別することができるであろう。
【0021】
図7Aを参照されたい。
図7Aは、ネットワーク90を介したモバイルコンピュータ装置10とクラウド・データベース92との間の相互作用及び識別サービス94を示す機能ブロック図である。モバイルコンピュータ装置10は、好ましくは、無線でネットワーク90に接続され、無線トランシーバ18を使用してこの無線接続を確立することができる。クラウド・データベース92を使用して、ユーザが収納したアイテムを識別するのに役立つように使用される情報を格納する。識別サービス94は、ユーザが撮影した画像に含まれるアイテムを識別するのに役立つように、クラウド・データベース92と共に動作する。
【0022】
図7Bを参照されたい。
図7Bは、アイテム200の複数の画像202、204、206、208、210、212を撮影することにより、クラウド・データベース92に新しいエントリを追加することを示す。この例では、アイテム200は、プロジェクタである。ユーザのアイテム200がクラウド・データベース92内に見つからない場合は、スマート発見アプリ22は、アイテム200用のファイルを作成する機会をユーザに提供することができる。ユーザは、アイテム200の6つの異なる側面等の各側面から画像を撮影して、複数の画像202、204、206、208、210、212を作成することができる。その後、スマート発見アプリ22は、そのアイテム200について単純な3次元モデルを作成するために、アイテム200のこれらの複数の画像202、204、206、208、210、212を一緒に組み合わせることができる。アイテム200について撮影した複数の画像を撮影することは、クラウド・データベース92及び識別サービス94を使用して実行される、画像認識での将来の試みに役立てることができる。次に、ユーザは、アイテム200についての識別情報及びカテゴリ情報を提供することができ、アイテム200は、その後、クラウド・データベース92に追加される。作成されたアイテム200に対応するファイルは、アイテム200を識別するためにユーザが使用することができる。このファイルは、クラウド・データベース92を介して他のユーザと共有することもできる。クラウド・データベース92を使用するこの共有システムによって、他のユーザが寄与したファイルも、識別プロセスの精度を高めるために使用することができる。
図8を参照されたい。
図8は、アイテム200に対応するファイルがクラウド・データベース92に追加された後にアイテム200を認識することを示す。この例では、モバイルコンピュータ装置10のカメラ14によって、アイテム200の画像を撮影し、スマート発見アプリ22がこの画像をクラウド・データベース92に送信した後で、クラウド・データベース92は、アイテム200がプロジェクタであるという結果を返す。
【0023】
各アイテムについてファイルを作成する場合に、アイテムには、提供された情報に従って識別(ID)コードが割り当てられる。IDコード内の各フィールドは、ユーザがこのアイテムを将来探し出したい場合に、独立して探し出すことができる。
図9を参照されたい。
図9は、IDコードのフィールドを含むテーブルを示す。このテーブルには、アイテムのカテゴリタイプを「A0001」として識別する「アイテム種別コード」、「ABCDEFG」であるアイテムのブランドに対応する「銘柄コード」、及びアイテム「HIJKLMNO」のモデルを示す製品IDに対応する「製品IDコード」が含まれる。このIDコードは、所定のモデルアイテムについて同じである。例えば、ユーザがベッドの両側に、一致するエンドテーブルを有する場合に、両方のエンドテーブルは、同じIDコードを有するであろう。
【0024】
IDコードが割り当てられていることに加えて、スマート発見アプリ22の各アイテムには、独自の固有の識別(UID)番号が割り当てられる。
図10を参照された。
図10は、UID番号のフィールドを含むテーブルを示す。各UID番号には、アイテムの位置及び種類に応じた一連のコードが含まれる。例えば、
図9に示したIDコードを有するアイテムには、以下のコードを割り当てることができる。UID番号には、次の情報:アイテムが位置する国に対応する「国コード(886である)」、アイテムをカタログ作成するユーザに対応する「ユーザコード(ABCDEFGHIJである)」、アイテムが配置された部屋に対応する「部屋コード(001である)」、アイテムが配置された収納ユニットに対応する「コンテナコード(00Aである)」、アイテムのカテゴリタイプを識別する「アイテム種別コード(A0001である)」、アイテムのブランドに対応する「銘柄コード(ABCDEFGである)」、アイテムのモデルを示す製品IDに対応する「製品IDコード(HIJKLMNOである)」、固有のシリアル番号を使用してアイテムを識別する「アイテムシリアル番号(0001である)」、UIDでの残りのコードについてチェックサムとして使用される「チェックコード(9である)」が含まれる。スマート発見アプリ22では、各固有のアイテムには、UID番号が与えられる。アイテムのシリアル番号が各エンドテーブルについて異なることになるので、2つの同一のエンドテーブルであっても、異なるUID番号を有することになる。見当たらないアイテムを探し出す場合に、UID番号内の任意のフィールドを検索することができ、それにより探しているアイテムを見つけるのが非常に容易になる。
【0025】
上述したように、各アイテムを配置し、各アイテムにUID番号を割り当てることができる。
図9に示されるように、(例えば、住宅等の)領域内の各アイテムには、IDコードを割り当てることができ、且つアイテムの位置及び固有のシリアル番号を、
図10に示したUID番号を生成するために追加することができる。各領域について、異なる領域内の全てのアイテムを関連付けし且つ接続するために追加の識別子を使用することができる。
【0026】
複数の領域を互いに関連付けるために、既存の技術を使用することができる。例えば、住宅にインターネット接続がある場合に、この住宅には、この住宅を正確に特定するために、固定のインターネットプロトコル(IP)アドレス又は固有のメディアアクセス制御(MAC)アドレスを割り当てることができる。これらの技術を用いて、異なる領域を、互いに明確に区別することができる。
図11を参照されたい。
図11は、IPアドレス又はMACアドレスのいずれかを使用して、個々の住宅を特定する方法を示す。世界300中に、多数の住宅302、304が存在しており、例として住宅304を用いる。住宅304には、部屋310及び320が含まれる。部屋320には、アイテム330及び340が含まれる。アイテム340は、収納ユニットであり、この収納ユニットは、アイテム342及び344をさらに含む。ある領域内の各アイテムは、独自のUID番号を有することになり、各アイテムのUID番号は、アイテムの対応する領域に割り当てられた位置コードの拡張として見ることができる。より大きな領域の位置コードを、より小さな領域の位置コードに追加することができ、その後、より大きな領域内の全ての領域を正確に特定することができる。従って、
図11に示されるアイテム344は、アイテム304のUID番号と共に、住宅304のIPアドレス又はMACアドレスのいずれかを使用して特定することができる。
【0027】
スマート発見アプリ22を使用してアイテムをカタログ作成する利点の1つは、ユーザが後でアイテムの位置を見つけるのを助けることである。ユーザが固定した位置の又は頻繁に移動されないような見当たらないアイテムを探している場合であって、ユーザが見当たらないアイテムがある場所を単に忘れてしまった場合に、ユーザは、
図9に示したIDコードのフィールドを使用して又は
図10に示したUID番号のフィールドを使用して、その見当たらないアイテムを探し出すことができる。次に、スマート発見アプリ22は、見当たらないアイテムがカタログ作成されたときの位置に応じて、その見当たらないアイテムがどこにあるかをユーザに通知することができる。これは、固定された又は比較的固定された位置のアイテムについて十分に機能する。しかしながら、カメラや携帯電話等の頻繁に移動されるいくつかのアイテムについては、それらのアイテムの保管位置を頻繁に更新する必要があるため、このような方法で見つけるのには適していない。従って、これらの種類のアイテムを追跡するために、無線周波数識別(RFID)タグを使用することができる。頻繁に移動されるこれらのアイテムについて、固有のRFIDタグを、これらのアイテムのそれぞれに付加することができる。RFIDタグが取り付けられたアイテムをユーザが見つけることができない場合に、このユーザは、RFIDスキャナを使用して、ある領域内で見当たらないアイテムを探し出すことができる。
【0028】
図12を参照されたい。
図12は、RFIDスキャナ352を使用して、カメラ354を探し出すことを示す。この例では、ユーザは、カメラ354がこの部屋にあるかもしれないという考えを有し得るが、ユーザは、カメラ354がその部屋のどの場所にあるかを正確に分からない。カメラ354がドレッサー350の引き出し内にある場合に、ユーザは、ドレッサー350の全ての引き出しを調べることなしには、カメラ354を見つけることができない。従って、ユーザは、RFIDスキャナ352を使用して、領域をより迅速にスキャンすることができる。これを行うために、ユーザは、どのアイテムを探し出そうとしているかをスマート発見アプリ22に最初に入力するだろう。ユーザは、
図9に示されるようなIDコードのフィールド又は
図10に示されるUID番号のフィールドのデータを入力することによって、これを行うことができる。次に、スマート発見アプリ22は、どのアイテムについてユーザが探しているかだけでなく対応する無線タグ情報も知ることができる。次に、見当たらないアイテムを探し出すためにRFIDスキャナ352が使用されたときに、スマート発見アプリ22は、見当たらないアイテムに対応するRFIDタグを検出したときに、RFIDスキャナ352が、見当たらないアイテムの近い範囲内に入ったときに、ユーザに警告する。好ましくは、RFIDスキャナ352は、手持ち式RFIDスキャナである。非限定的な例として、
図12に示したRFIDスキャナ352は、ラケット形状のRFIDスキャナとして示される。RFIDスキャナ352は、現在のクラウド・データベース92の一部ではないアイテムをスキャンするためにも使用することができることに留意されたい。クラウド・データベース92内にカタログ作成されていないアイテムを、RFIDスキャナ352を用いてスキャンした場合に、ユーザには、スマート発見アプリ22を使用して、このアイテムを追加する機会が与えられる。
【0029】
要約すると、本発明のスマート発見アプリ22は、(複数の)アイテムを階層システムに直感的に整理するための方法を提供する。アイテム及びこれらのアイテムの位置が記録されるだけでなく、画像が、収納されたアイテムの相対的な位置をグラフィカルに示すためにも使用される。新しいアイテムを追加するときに又は以前に収納したアイテムを探し出すときに、本発明は、ユーザフレンドリーな操作方法を提供する。ユーザは、見当たらないアイテムについて記憶にある最後の位置を調べることにより、又はRFIDタグが取り付けられた見当たらないアイテムを探し出すためにRFIDスキャナを使用することにより、その見当たらないアイテムを探し出すことができる。
【0030】
当業者は、本発明の教示を維持しながら、装置及び方法の多数の修正及び変更がなされ得ることを難なく気付くだろう。従って、上記開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されるものとして解釈すべきである。
【要約】
【課題】 収納したアイテムの位置を追跡すること。
【解決手段】
この方法は、モバイルコンピュータ装置のカメラを使用して第1の部屋の画像を撮影して、第1の部屋内に収納したアイテムの内容及び第1の部屋内に収納したアイテムの相対的な位置を表す第1の対応画像を形成するステップと;第1の対応画像に示される第1の選択したアイテムをタップするステップと;第1の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;を含む。この方法は、第1の対応画像に示された第2の選択したアイテムをタップするステップと;第2の選択したアイテムの詳細な画像を撮影するステップと;をさらに含む。この方法は、第1の部屋の画像、第1の選択したアイテムの詳細な画像、及び第2の選択したアイテムの詳細な画像を、モバイルコンピュータ装置の記憶装置に保存するステップも含む。
【選択図】
図6