特許第6132959号(P6132959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6132959
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】トンネル照明システム及び電力供給装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170515BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170515BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170515BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H05B37/02 D
   F21S2/00 630
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-104420(P2016-104420)
(22)【出願日】2016年5月25日
【審査請求日】2016年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲二
(72)【発明者】
【氏名】原 賢二
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−142026(JP,A)
【文献】 特開2011−77009(JP,A)
【文献】 特開2014−137867(JP,A)
【文献】 特開2012−175751(JP,A)
【文献】 特開2012−9350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に設置される複数の照明器具と、該複数の照明器具に電力を供給する電力供給装置とを備えるトンネル照明システムにおいて、
前記電力供給装置は、
交流を直流に変換する交直変換部と、
該交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、
該定電流出力部に設けられた正端子及び負端子と
を備え、
前記正端子及び負端子に接続され、トンネルに沿って配設された直流給電線をさらに備え、
複数の前記照明器具それぞれは、
複数のLEDを備え、
所要間隔で前記直流給電線に直列に接続してあることを特徴とするトンネル照明システム。
【請求項2】
前記電力供給装置は、
前記定電流出力部を複数備え、
各定電流出力部の前記正端子及び負端子に接続された各系統の直流給電線をさらに備え、
各系統の直流給電線それぞれに複数の前記照明器具を直列に接続してあることを特徴とする請求項1に記載のトンネル照明システム。
【請求項3】
前記電力供給装置は、
前記直流給電線に直列に接続される前記照明器具の数に応じて、前記定電流出力部の出力電圧を調整する電圧調整部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネル照明システム。
【請求項4】
トンネルの野外輝度又は野外照度を検出する検出部を備え、
前記電力供給装置は、
前記検出部で検出した輝度又は照度の大小に応じて、一の直流給電線を介して一の定電流出力部がトンネルの入口付近に設置された複数の前記照明器具へ出力する出力電流の大小を調整する電流調整部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のトンネル照明システム。
【請求項5】
前記電力供給装置は、
前記交直変換部により充電される蓄電池と、
交流の遮断の有無を検出する遮断検出部と、
該遮断検出部で交流の遮断を検出した場合、前記定電流出力部への接続を前記交直変換部から前記蓄電池に切り替える切替部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のトンネル照明システム。
【請求項6】
トンネル内に設置される複数の照明器具に電力を供給する電力供給装置において、
交流を直流に変換する交直変換部と、
該交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、
該定電流出力部に設けられ、トンネルに沿って配設された直流給電線が接続される正端子及び負端子と
をそれぞれ系統毎に備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項7】
前記交直変換部及び/又は前記定電流出力部は、
系統毎にユニット化され、交換取り外しが可能であることを特徴とする請求項6に記載の電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置される複数の照明器具と、複数の照明器具に電力を供給する電力供給装置とを備えるトンネル照明システム及び前記電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトンネル照明システムでは、例えば、三相交流を照明器具に伝送するための交流給電線をトンネル内に沿って配線し、交流給電線から電源線を分岐させて、適長離隔してトンネル内に設置された各照明器具へ交流電源を供給する。各照明器具は、入力される交流電圧を直流に変換する整流回路、整流回路の出力側に設けられたDC/DCコンバータ、該DC/DCコンバータにより所要の直流電流が供給されるLED光源などを備える(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−142026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のトンネル照明システムにあっては、各照明器具内に、AC/DC変換回路及びDC/DCコンバータなど含む電源回路部を設ける必要があり、照明器具に内蔵する電源回路部の熱により、LED光源の周囲温度が上昇し、照明器具の寿命への悪影響が生じ、トンネル照明システムの信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、信頼性を向上させることができるトンネル照明システム及び電力供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態に係るトンネル照明システムは、トンネル内に設置される複数の照明器具と、該複数の照明器具に電力を供給する電力供給装置とを備えるトンネル照明システムにおいて、前記電力供給装置は、交流を直流に変換する交直変換部と、該交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、該定電流出力部に設けられた正端子及び負端子とを備え、前記正端子及び負端子に接続され、トンネルに沿って配設された直流給電線をさらに備え、複数の前記照明器具それぞれは、複数のLEDを備え、所要間隔で前記直流給電線に直列に接続してあることを特徴とする。
【0007】
本発明の実施の形態に係る電力供給装置は、トンネル内に設置される複数の照明器具に電力を供給する電力供給装置において、交流を直流に変換する交直変換部と、該交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、該定電流出力部に設けられ、トンネルに沿って配設された直流給電線が接続される正端子及び負端子とをそれぞれ系統毎に備えることを特徴とする。
【0008】
本実施の形態にあっては、電力供給装置は、交流を直流に変換する交直変換部と、交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、定電流出力部に設けられた正端子及び負端子とを備える。さらに、正端子及び負端子に接続され、トンネルに沿って配設された直流給電線を備える。複数の照明器具それぞれは、複数のLEDを備える。そして、複数の照明器具それぞれは、所要間隔で直流給電線に直列に接続してある。
【0009】
すなわち、トンネル内に設置される各照明器具は、電力供給装置の定電流出力部から、直流の定電流が供給され、照明器具内には、AC/DC変換回路及びDC/DCコンバータなどの電源回路部を内蔵しない。これにより、照明器具内のLEDが、電源回路部の熱の影響を受けないので、LEDの温度上昇を抑制することができ、照明器具及びトンネル照明システムの信頼性を向上させることができる。
【0010】
本発明の実施の形態に係るトンネル照明システムにおいて、前記電力供給装置は、前記定電流出力部を複数備え、各定電流出力部の前記正端子及び負端子に接続された各系統の直流給電線をさらに備え、各系統の直流給電線それぞれに複数の前記照明器具を直列に接続してあることを特徴とする。
【0011】
本実施の形態にあっては、電力供給装置は、定電流出力部を複数備え、各定電流出力部の正端子及び負端子に接続された各系統の直流給電線をさらに備える。そして、各系統の直流給電線それぞれに複数の照明器具を直列に接続してある。
【0012】
例えば、トンネル内の複数の照明器具を複数の系統に区分し、系統毎に定電流出力部を設ける。すなわち、系統毎に、一つの定電流出力部と、当該定電流出力部の正端子及び負端子に接続された直流給電線と、当該直流給電線に直列に接続された複数の照明器具を設けることができる。これにより、トンネル内の照明器具を複数の系統毎に区分することができ、区分毎に個別に直流の定電流を供給することができるので、照明器具の設置、増設、保守点検などを容易に実施することができる。
【0013】
本発明の実施の形態に係るトンネル照明システムにおいて、前記電力供給装置は、前記直流給電線に直列に接続される前記照明器具の数に応じて、前記定電流出力部の出力電圧を調整する電圧調整部を備えることを特徴とする。
【0014】
本実施の形態にあっては、電力供給装置は、直流給電線に直列に接続される照明器具の数に応じて、定電流出力部の出力電圧を調整する電圧調整部を備える。例えば、照明器具が複数のLEDを直列に接続した光源部を備え、1台の照明器具当たりの順方向電圧をVとし、直流給電線に直列に接続される照明器具の数をNとすると、電圧調整部は、出力電圧をV×N+V0に調整することができる。ここで、V0は、照明器具の順方向電圧のバラツキ及び直流給電線での電圧降下を考慮した余裕電圧である。これにより、トンネル内の複数の照明器具を複数の系統に区分した場合、系統毎に照明器具の設置台数を変えることができ、照明器具の設置、増設などを容易に実施することができる。
【0015】
本発明の実施の形態に係るトンネル照明システムは、トンネルの野外輝度又は野外照度を検出する検出部を備え、前記電力供給装置は、前記検出部で検出した輝度又は照度の大小に応じて、一の直流給電線を介して一の定電流出力部がトンネルの入口付近に設置された複数の前記照明器具へ出力する出力電流の大小を調整する電流調整部を備えることを特徴とする。
【0016】
本実施の形態にあっては、トンネルの野外輝度又は野外照度を検出する検出部を備える。電力供給装置は、検出部で検出した輝度又は照度の大小に応じて、一の直流給電線を介して一の定電流出力部がトンネルの入口付近に設置された複数の照明器具へ出力する出力電流の大小を調整する電流調整部を備える。
【0017】
トンネルの入口付近に設置された複数の照明器具を纏めて入口照明器具(入口照明)と称する。一の定電流出力部が入口照明器具へ出力電流を供給するとする。電流調整部は、トンネルの野外輝度又は野外照度が大きくなった場合、一の定電流出力部が入口照明器具へ出力する出力電流を大きくする。また、電流調整部は、トンネルの野外輝度又は野外照
度が小さくなった場合、一の定電流出力部が入口照明器具へ出力する出力電流を小さくする。
【0018】
上述のように、トンネルの外が明るい場合には、定電流出力部が出力する出力電流を大きくしてトンネルの入口付近の明るさを明るくして、運転者がトンネルに入った直後に暗く感じることを防止することができる。また、定電流出力部が出力する出力電流を調整するだけで、各照明器具のLEDに流れる電流を調整して照明器具の明るさを調整することができるので、従来のシステムのように、照明器具毎に配線された調光制御線を必要とせず、省配線、省施工、コストダウン等を図ることができる。
【0019】
本発明の実施の形態に係るトンネル照明システムにおいて、前記電力供給装置は、前記交直変換部により充電される蓄電池と、交流の遮断の有無を検出する遮断検出部と、該遮断検出部で交流の遮断を検出した場合、前記定電流出力部への接続を前記交直変換部から前記蓄電池に切り替える切替部とを備えることを特徴とする。
【0020】
本実施の形態にあっては、電力供給装置は、交直変換部により充電される蓄電池と、交流の遮断の有無を検出する遮断検出部と、遮断検出部で交流の遮断を検出した場合、定電流出力部への接続を交直変換部から蓄電池に切り替える切替部とを備える。
【0021】
停電補償が必要な複数の照明器具に対して、交流が遮断した場合(停電が発生した場合)、バッテリからの直流が定電流出力部へ供給され、バッテリにより複数の照明器具を点灯させることができるので、従来のシステムのように、照明器具毎にバッテリを内蔵する必要がない。このため、照明器具の大型化、重量化及びコストアップを抑制することができるとともに、トンネル内の照明器具に内蔵したバッテリの交換が不要なので、保守、点検が容易になる。
【0022】
本発明の実施の形態に係る電力供給装置において、前記交直変換部及び/又は前記定電流出力部は、系統毎にユニット化され、交換取り外しが可能であることを特徴とする。
【0023】
本実施の形態にあっては、交直変換部及び定電流出力部のいずれか一方、あるいは両方が、系統毎にユニット化され、交換取り外しが可能である。これにより、電力供給装置の保守や点検が容易になる。また、一つの系統における交直変換部又は定電流出力部を保守、点検する場合に、系統毎にユニット化されているので、他の系統の運転に影響を与えることを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施の形態のトンネル照明システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】本実施の形態の電力供給装置の構成の一例を示す説明図である。
図3】本実施の形態の照明器具の構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のトンネル照明システムの構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態のトンネル照明システムは、トンネル2内に設置される複数の照明器具50a、50b、50c、50d、複数の照明器具50a、50b、50c、50dに電力を供給する電力供給装置100などを備える。トンネル2には、一方の矢印で示す上り車線と、他方の矢印で示す下り車線とからなる道路が貫通している。照明器具50a、50bは、上り車線側
を照らし、照明器具50c、50dは、下り車線側を照らす。また、車線の数は、片側1車線に限定されない。
【0027】
電力供給装置100には、4つの系統の直流給電線1a、1b、1c、1dが接続されている。直流給電線1aには、所要間隔で4個の照明器具50aが直列に接続されている。直流給電線1bには、所要間隔で8個の照明器具50bが直列に接続されている。直流給電線1cには、所要間隔で8個の照明器具50cが直列に接続されている。また、直流給電線1dには、所要間隔で4個の照明器具50dが直列に接続されている。
【0028】
ここで、照明器具50a、50dは、トンネルの入口(出口)付近を照明する入口照明(及び出口照明)であり、照明器具50b、50cは、トンネル全線に亘って一定の間隔で配置される基本照明である。なお、図1では、簡便のため、系統の数、照明器具の数は少ないが、実際のトンネルでは、トンネルの長さに応じて、さらに多くの照明器具が設置され、照明器具の数に応じて多くの系統が割り当てられる。
【0029】
図2は本実施の形態の電力供給装置100の構成の一例を示す説明図である。図2に示すように、電力供給装置100は、AC/DCコンバータ10、切替部13、リレー14、バッテリ15、遮断検出部16、調光制御部18、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dなどを備える。また、符号17は、トンネル2の野外輝度又は野外照度を検出する検出部17である。なお、図2の例では、簡便のため、電力供給装置100は、DC/DCコンバータを4個備える構成であるが、DC/DCコンバータの数は4個に限定されるものではない。
【0030】
AC/DCコンバータ10には、交流電源3(例えば、商用電源など)からの電源線4が接続されている。交流電源3は、例えば、AC100V〜265V程度の交流電圧を供給する。AC/DCコンバータ10は、交直変換部としての機能を有し、交流を直流に変換し、変換した直流をDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ出力する。すなわち、AC/DCコンバータ10には、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dが接続されている。
【0031】
また、AC/DCコンバータ10は、変換した直流をバッテリ15に供給することにより、蓄電池としてのバッテリ15を充電する。不図示の充電制御部が、リレー14を開閉することにより、バッテリ15への充電を制御する。
【0032】
遮断検出部16は、例えば、電圧センサ又は電流センサで構成することができ、電源線4上の交流が遮断されたか(停電となったか)否かを検出する。
【0033】
切替部13は、遮断検出部16で交流の遮断を検出した場合、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへの接続をAC/DCコンバータ10からバッテリ15に切り替える。すなわち、停電が発生していない場合には、AC/DCコンバータ10が直流をDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ供給し、停電が発生した場合には、バッテリ15が直流をDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ供給する。
【0034】
DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dは、定電流出力部としての機能を有し、所要の定電流を出力する。DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dは、正端子201、負端子202を有する。より具体的には、DC/DCコンバータ20aの正端子201及び負端子202には、多芯(例えば、電線11a及び12aなど)ケーブルとしての直流給電線1aが接続される。同様に、DC/DCコンバータ20bの正端子201及び負端子202には、多芯(例えば、電線11b及び12bなど)ケーブ
ルとしての直流給電線1bが接続され、DC/DCコンバータ20cの正端子201及び負端子202には、多芯(例えば、電線11c及び12cなど)ケーブルとしての直流給電線1cが接続され、DC/DCコンバータ20dの正端子201及び負端子202には、多芯(例えば、電線11d及び12dなど)ケーブルとしての直流給電線1dが接続される。なお、本実施の形態では、簡便のため、各直流給電線が、2本の電線を有する構成として図示しているが、直流給電線が、2本より多くの電線を有する構成としてもよい。
【0035】
DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dそれぞれは、電圧調整部21、電流調整部22などを備える。
【0036】
電圧調整部21は、直流給電線に直列に接続される照明器具の数に応じて、定電流出力部の出力電圧を調整する。例えば、照明器具が複数のLEDを直列に接続した光源部を備え、1台の照明器具当たりの順方向電圧をVとし、直流給電線に直列に接続される照明器具の数をNとすると、電圧調整部21は、出力電圧をV×N+V0に調整することができる。ここで、V0は、照明器具の順方向電圧のバラツキ及び直流給電線での電圧降下を考慮した余裕電圧である。なお、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dの出力電圧は、例えば、600V以下とすることができ、出力電流は、例えば、3A以下とすることができるが、これらの数値に限定されるものではない。
【0037】
例えば、照明器具50a、50bの1台当たりの順方向電圧をVとすると、直流給電線1aには、4台の照明器具50aが直列に接続されているので、DC/DCコンバータ20aの電圧調整部21は、出力電圧を4×V+V0に調整する。また、直流給電線1bには、8台の照明器具50bが直列に接続されているので、DC/DCコンバータ20bの電圧調整部21は、出力電圧を8×V+V0に調整する。これにより、トンネル内の複数の照明器具を複数の系統に区分した場合、系統毎に照明器具の設置台数を変えることができ、照明器具の設置、増設などを容易に実施することができる。
【0038】
調光部18は、検出部17で検出したトンネル2の野外輝度又は野外照度に応じた調光信号をDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ出力する。なお、調光部18を検出部17内に設けてもよく、あるいは調光部18をDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20d内に設けてもよい。
【0039】
なお、以下の例では、入口照明の照明器具50a、50dをトンネル2の野外輝度又は野外照度に応じて調光する例を説明するが、基本照明の照明器具50b、50cを調光するようにしてもよい。
【0040】
DC/DCコンバータ20aの電流調整部22は、検出部17で検出した輝度又は照度の大小に応じて、直流給電線1aを介してDC/DCコンバータ20aがトンネル2の入口付近に設置された複数の照明器具50aへ出力する出力電流の大小を調整する。
【0041】
同様に、DC/DCコンバータ20dの電流調整部22は、検出部17で検出した輝度又は照度の大小に応じて、直流給電線1dを介してDC/DCコンバータ20dがトンネル2の入口付近に設置された複数の照明器具50dへ出力する出力電流の大小を調整する。
【0042】
電流調整部22は、トンネル2の野外輝度又は野外照度が大きくなった場合、DC/DCコンバータ20a、20dが入口照明器具(照明器具50a、50d)へ出力する出力電流を大きくする。また、電流調整部22は、トンネル2の野外輝度又は野外照度が小さくなった場合、DC/DCコンバータ20a、20dが入口照明器具へ出力する出力電流を小さくする。
【0043】
上述のように、トンネル2の外が明るい場合には、DC/DCコンバータ20a、20dが出力する出力電流を大きくしてトンネル2の入口付近の明るさを明るくして、運転者がトンネル2に入った直後に暗く感じることを防止することができる。また、DC/DCコンバータ20a、20dが出力する出力電流を調整するだけで、各照明器具50a、50dのLEDに流れる電流を調整して照明器具50a、50dの明るさを調整することができるので、従来のシステムのように、照明器具毎に配線された調光制御線を必要とせず、省配線、省施工、コストダウン等を図ることができる。
【0044】
図3は本実施の形態の照明器具50aの構成の一例を示す説明図である。図3の例では、簡便のため、直流給電線1aに直列に接続された4個の照明器具50aのうち、2個だけを例示している。なお、他の照明器具50b、50c、50dも同様の構成を備えるので、説明は省略する。また、系統毎に直列に接続する照明器具の数を変えてもよく、系統毎に照明器具内のLEDの数又は構成(直並列の構成)を変えてもよい。すなわち、同じ系統内の照明器具それぞれのLEDの数又は構成は同一にすればよい。
【0045】
照明器具50aは、入力側端子52、54、出力側端子53、55を備える。入力側端子54と出力側端子55とは、所定の配線で接続されている。また、照明器具50aは、複数のLED51を備える。図3の例では、7個のLED(例えば、白色LEDなど)が直列に接続されて光源部を構成しているが、LED51の数は7個に限定されるものではない。また、直列の接続されたLED群をそれぞれ並列に接続した構成とすることもできる。最高圧側のLED51のアノードは、入力側端子52に接続され、最低圧側のLED51のカソードは、出力側端子53に接続されている。なお、図示していないが、終端の(最も遠方の)照明器具50aの出力側端子53、55同士は、短絡してあり、照明器具50aを流れる電流がDC/DCコンバータ20aへ帰還するようにしてある。
【0046】
図3に示すように、照明器具50a間は、所要の長さの送り配線を接続するだけで、電力供給装置100から、それぞれの系統の複数の照明器具に対して一括直流給電を行うことができる。
【0047】
上述のように、トンネル2内に設置される各照明器具50a、50b、50c、50dは、電力供給装置100のDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dから、直流の定電流が供給され、照明器具50a、50b、50c、50d内には、AC/DC変換回路及びDC/DCコンバータなどの電源回路部を内蔵しない。これにより、照明器具50a、50b、50c、50d内のLED51が、電源回路部の熱の影響を受けないので、LED51の温度上昇を抑制することができ、照明器具及びトンネル照明システムの信頼性を向上させることができる。
【0048】
また、電力供給装置100は、複数のDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dを備え、各DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dの正端子201及び負端子202に接続された各系統の直流給電線1a、1b、1c、1dをさらに備える。そして、直流給電線1aの系統に複数の照明器具50aを直列に接続し、直流給電線1bの系統に複数の照明器具50bを直列に接続し、直流給電線1cの系統に複数の照明器具50cを直列に接続し、直流給電線1dの系統に複数の照明器具50dを直列に接続してある。
【0049】
例えば、トンネル2内の複数の照明器具を複数の系統に区分し、系統毎にDC/DCコンバータを設ける。すなわち、系統毎に、一つのDC/DCコンバータ(例えば、DC/DCコンバータ20a)と、当該DC/DCコンバータの正端子201及び負端子202に接続された直流給電線(例えば、直流給電線1a)と、当該直流給電線に直列に接続さ
れた複数の照明器具(例えば、照明器具50a)を設けることができる。これにより、トンネル2内の照明器具を複数の系統毎に区分することができ、区分毎に個別に直流の定電流を供給することができるので、照明器具の設置、増設、保守点検などを容易に実施することができる。
【0050】
また、図2の例では、AC/DCコンバータ10を1つ備える構成であるが、これに限定されない。例えば、AC/DCコンバータ10を系統毎に備える構成とすることもできる。すなわち、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dそれぞれに対応させてAC/DCコンバータ(合計4個)を設ける。そして、AC/DCコンバータ及び/又はDC/DCコンバータは、系統毎にユニット化され、交換取り外しが可能とすることができる。
【0051】
これにより、電力供給装置100の保守や点検が容易になる。また、一つの系統におけるAC/DCコンバータ又はDC/DCコンバータを保守、点検する場合に、系統毎にユニット化されているので、他の系統の運転に影響を与えることを防止することができる。
【0052】
本実施の形態によれば、電力給電装置100を、トンネル2抗口付近の電源盤又は電気室に一括して収容すれば、各照明器具50a、50b、50c、50dは、LED51で構成される光源部だけとなり、電源回路部を内蔵しないので、照明器具を軽量化、小型化、薄型化、低コスト化することができる。また、トンネル2内への照明器具の設置にあたっては、取り付け金具の経年劣化で重量物の落下事故も考えられるので、軽量化、薄型化は安全性の向上にも資することになる。さらに、照明器具が軽量化されれば、照明器具の設置作業が容易になり、作業性も向上し、作業工数も削減することができる。また、照明器具内の部品点数を削減することができるので、照明器具の故障率を低減することができ、保守・点検のための作業を削減して省メンテナンスを実現することができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、電力供給装置100が、一括して照明器具へ給電するので、各照明器具に電源回路部を設ける場合に比べて、電源回路部で発生する損失(分割損)を削減することができ、システム全体としての高効率化を図ることができる。
【0054】
また、従来の交流給電方式では、トンネル内に電源幹線を敷設し、照明器具毎に電源幹線から支線を分岐させるので、照明器具の台数分の負荷及び電圧降下が生じる。このため、電源幹線は、電源供給点に近いほど太いケーブルを設ける必要がある。しかし、本実施の形態によれば、電力供給装置100から高電圧(例えば、600Vなど)の直流を定電流(例えば、3Aなど)で照明器具へ供給し、直流給電線に複数の照明器具を直列に接続するので、直流給電線に流れる電流を小さくすることができ、比較的安価で細いケーブルを用いることができる。これにより、トンネル照明システムの省配線、省施工、低コスト化を図ることができる。特に、トンネル長が、長くなるほど給電線に必要な銅量が従来の場合より少なくなるので有利となる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、電力供給装置100が、一括して照明器具へ所要の電流を供給することができ、トンネル内で必要となる明るさに応じて、電力供給装置100が出力する電流を調整するだけで、照明器具の明るさを調整することができる。これにより、従来のように、電源線とは別に調光用の制御線をトンネル内の各照明器具に配線する必要がないので、省配線、省施工、低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、停電補償が必要な複数の照明器具に対して、交流が遮断した場合(停電が発生した場合)、バッテリ15からの直流がDC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ供給され、バッテリ15により複数の照明器具を点灯させることができるので、従来のシステムのように、照明器具毎にバッテリを内蔵する必要が
ない。このため、照明器具の大型化、重量化及びコストアップを抑制することができるとともに、トンネル内の照明器具に内蔵したバッテリの交換が不要なので、保守、点検が容易になる。
【0057】
また、停電時照明の電源補償、将来の拡張機能のため又は将来の電源供給用として、例えば、太陽電池などを有するソーラ発電装置を設け、DC/DCコンバータ20a、20b、20c、20dへ直流を供給するようにしてもよい。
【0058】
以上に開示された実施の形態及び実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではない。
【符号の説明】
【0059】
1a、1b、1c、1d 直流給電線
2 トンネル
10 AC/DCコンバータ
13 切替部
14 リレー
15 バッテリ
16 遮断検出部
17 検出部
18 調光部
20a、20b、20c、20d DC/DCコンバータ
21 電圧調整部
22 電流調整部
50a、50b、50c、50d 照明器具
51 LED
100 電力供給装置
201 正端子
202 負端子
【要約】
【課題】信頼性を向上させることができるトンネル照明システム及び電力供給装置を提供する。
【解決手段】電力供給装置は、交流を直流に変換する交直変換部と、交直変換部に接続され、所要の定電流を出力する定電流出力部と、定電流出力部に設けられた正端子及び負端子とを備え、正端子及び負端子に接続され、トンネルに沿って配設された直流給電線をさらに備え、複数の前記照明器具それぞれは、複数のLEDを備え、所要間隔で前記直流給電線に直列に接続してある。
【選択図】図1
図1
図2
図3