特許第6133021号(P6133021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133021
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】オゾナイザ
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   C01B13/11 B
   C01B13/11 G
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-155885(P2012-155885)
(22)【出願日】2012年7月11日
(65)【公開番号】特開2014-15376(P2014-15376A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198330
【氏名又は名称】株式会社IHIシバウラ
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】釜瀬 幸広
(72)【発明者】
【氏名】早矢仕 文男
(72)【発明者】
【氏名】菊池 正浩
【審査官】 大城 公孝
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−149722(JP,U)
【文献】 特開2002−137907(JP,A)
【文献】 特開昭55−015962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/10−13/11
H01T 19/00
H01T 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側電極の外側に、筒状の外側電極が配置され、前記外側電極の内面に、誘電体が設けられ、前記内側電極と外側電極との間の放電空間に原料ガスを供給しながら電圧を印加して放電を発生させることにより、オゾンを生成するように構成されるオゾナイザであって、
前記オゾナイザの内側電極は、金属線により構成され、
前記内側電極を構成する金属線は、前記誘電体の内部で、オゾンまたは原料ガスの流通方向である外側電極の軸心方向に沿って、前記外側電極の全長内にて複数箇所を折り曲げた状態で延設し、
前記金属線により構成された内側電極は、前記誘電体に近接するように配置される部分と、前記誘電体に近接しないように配置される部分とを、繰り返し連続するように構成し
記誘電体の近傍における、前記オゾンまたは原料ガスの流通経路の途中に、放電が発生しない空間を構成した、
ことを特徴とするオゾナイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾナイザの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酸素が含まれる原料ガスからオゾン(オゾンガス)を生成するオゾナイザ(オゾン生成装置)に関する技術は、種々知られている。
【0003】
前記オゾナイザには、二個の電極のうちいずれか一方に誘電体が設けられ、誘電体の近傍における二個の電極間の放電空間に原料ガスを供給しながら電圧を印加して放電を発生させることによってオゾンを生成するように構成されるものが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。前記オゾナイザは、例えば、二個の電極のうち一方の電極が円筒状の外側電極(接地電極)とされ、二個の電極のうち他方の電極が金属線の内側電極(高電圧電極)とされ、一方の電極の内面(内周面)に誘電体が設けられ、誘電体の近傍において誘電体の内側全体に亘って放電空間が配置されて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−62276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記オゾナイザでは、誘電体の近傍の放電空間において放電を発生させてオゾンを生成する動作を行うと、放電空間の温度が上昇していくこととなる。そして、前記オゾナイザでは、オゾンを生成する動作を行ったときに放電空間で温度上昇が起こると、生成されたオゾンの一部が放電空間の熱によって分解される(酸素に還元される)こととなる。このように、前記オゾナイザでは、一度生成された放電空間においてオゾンが分解されるため、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができるオゾナイザを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
請求項1においては、内側電極の外側に、筒状の外側電極が配置され、前記外側電極の内面に、誘電体が設けられ、前記内側電極と外側電極との間の放電空間に原料ガスを供給しながら電圧を印加して放電を発生させることにより、オゾンを生成するように構成されるオゾナイザであって、前記オゾナイザの内側電極は、金属線により構成され、前記内側電極を構成する金属線は、前記誘電体の内部で、オゾンまたは原料ガスの流通方向である外側電極の軸心方向に沿って、前記外側電極の全長内にて複数箇所を折り曲げた状態で延設し、前記金属線により構成された内側電極は、前記誘電体に近接するように配置される部分と、前記誘電体に近接しないように配置される部分とを、繰り返し連続するように構成し、前記誘電体の近傍における、前記オゾンまたは原料ガスの流通経路の途中に、放電が発生しない空間を構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
即ち、本発明によれば、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施形態に係るオゾナイザの内部構造を示した模式図。
図2】本発明の第一実施形態に係る別実施例のオゾナイザの内部構造を示した模式図。
図3】本発明の第二実施形態に係るオゾナイザを示した模式図。
図4】本発明の第二実施形態に係るオゾナイザの内部構造を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の第一実施形態に係るオゾナイザ1について、図1および図2を用いて説する。
【0013】
オゾナイザ1は、原料ガス(酸素が含まれるもの(例えば、酸素濃度99.9%以上の高純度酸素ガス))からオゾン(オゾンガス)を生成するものである。オゾナイザ1は、図1に示すように、二個の電極2・3と、誘電体4と、電源(交流電源)5と、放電空間6と、を備える。
【0014】
オゾナイザ1の二個の電極2・3は、金属電極であり、互いに間隔を空けるようにして配置される。オゾナイザ1の二個の電極2・3のうち、一方の電極2は接地電極として構成され、他方の電極3は高電圧電極として構成される。オゾナイザ1の誘電体4は、一方の電極2に設けられる。オゾナイザ1の誘電体4は、一方の電極2における他方の電極3と対向する側の面に配置される。オゾナイザ1は、誘電体4の近傍における一方の電極2と他方の電極3との間(誘電体4と他方の電極3との間)に電源5からの電圧(交流電圧)が印加されることによって、一方の電極2と他方の電極3との間の空間に放電するように構成される。オゾナイザ1の誘電体4の近傍における一方の電極2と他方の電極3との間(誘電体4と他方の電極3との間)の空間は、放電空間6として構成される。オゾナイザ1の放電空間6は、誘電体4の近傍に配置される。
【0015】
このようなオゾナイザ1は、原料ガスがオゾナイザ1内に供給され、当該オゾナイザ1内に供給された原料ガスが放電空間6に至った状態で、電源5からの電圧が印加されて放電空間6で放電されることによって、放電空間6内における原料ガス中の酸素分子から酸素原子が解離し、前記解離した酸素原子と酸素分子とが結合してオゾン(O3)が生成され、当該生成されたオゾンがオゾナイザ1内から流出するように構成される。このようにして、オゾナイザ1は、一方の電極2と他方の電極3との間(二個の電極2・3)の放電空間6に、原料ガスを供給しながら電圧を印加して放電を発生させることによって、オゾンを生成するように構成される。またこのようにして、オゾナイザ1は、オゾナイザ1内において原料ガスまたはオゾンが流通するように構成される。
【0016】
また、オゾナイザ1は、放電が発生しない空間7を備える。オゾナイザ1の放電が発生しない空間7は、誘電体4の近傍に配置される。オゾナイザ1の放電が発生しない空間7とは、誘電体4の近傍で、前記電源5からの電圧が印加されることによって放電空間6に放電されたときにおいても、放電が発生しない空間7を示す。
【0017】
オゾナイザ1は、放電空間6において原料ガスを供給しながら電圧を印加して放電を発生させても、放電が発生しない空間7では、放電が発生しないように構成される。そして、オゾナイザ1は、誘電体4に沿って放電空間6と放電が発生しない空間7とが配置されて構成される。オゾナイザ1は、誘電体4に沿って放電空間6(放電する箇所)と放電が発生しない空間7とを備えて構成される。オゾナイザ1は、誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において、放電が発生しない空間7が配置されて構成される。
【0018】
このように構成されるオゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときにおいても、放電が発生しない空間7においては、放電が発生しないため放電の発生による温度上昇が起こらない。そして、オゾナイザ1では、誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において放電が発生しない空間7が配置されるため、放電が発生しない空間7での放電の発生による温度上昇が起こらないことに影響を受けて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6での温度上昇が抑制されることとなる。このようにして、オゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるもの(誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において放電が発生しない空間7が配置されないもの)に比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇を抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されること(酸素に還元されること)を抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができる。また、オゾナイザ1によれば、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇が抑制されるため、高温環境(例えば、60℃以上)に設置されている場合においても、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、より高い濃度のオゾンを効率良く生成することができる。
【0019】
オゾナイザ1は、その放電が発生しない空間7が複数箇所に配置されて構成される。オゾナイザ1は、誘電体4の近傍において放電空間6と放電が発生しない空間7とが繰り返し(複数回)連続するように構成される。このため、オゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇をより確実に抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されることをより確実に抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンをより効率良く生成することができる。
【0020】
次に、オゾナイザ1のより具体的な構成について説明する。オゾナイザ1の一方の電極2は、外側電極として構成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、筒状に構成される。オゾナイザ1の他方の電極3は、内側電極として構成される。オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、金属線で構成される。オゾナイザ1の誘電体4は、例えば、ガラス素材からなる部材で構成される。オゾナイザ1は、一方の電極2の内面(内周面)の全体に亘って誘電体4が設けられて構成される。オゾナイザ1は、放電空間6が形成されるように、一方の電極2(誘電体4)の内側に他方の電極3が配置されて構成される。オゾナイザ1は、放電空間6が形成されるように、一方の電極2(誘電体4)が他方の電極3の外側に配置されて構成される。
【0021】
図中白色矢印は、原料ガスがオゾナイザ1内に供給されてオゾナイザ1内において生成されたオゾンがオゾナイザ1内から流出する、オゾナイザ1内における原料ガスまたはオゾンの流通方向を示す。オゾナイザ1は、一方の電極2の軸心方向に沿って、原料ガスまたはオゾンが流通するように構成される。オゾナイザ1は、一方の電極2における一方の開口部から原料ガスがオゾナイザ1内に供給されるように構成される。オゾナイザ1は、原料ガスがオゾナイザ1内に供給されて放電空間6に至った状態で、放電空間6で放電を発生させることによって、オゾナイザ1内においてオゾンを生成するように構成される。オゾナイザ1は、オゾナイザ1内において生成されたオゾンが一方の電極2における他方の開口部から流出されるように構成される。オゾナイザ1は、例えば、一方の電極2における一方の開口部または他方の開口部にファンが設けられて、当該ファンが駆動することによって原料ガスがオゾナイザ1内に供給され、または、オゾンがオゾナイザ1内から流出するように構成される。オゾナイザ1は、このような原料ガスまたはオゾンの流通経路を有して構成される。
【0022】
オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、誘電体4に近接するように配置される部分と、誘電体4に近接しないように配置される部分と、を有して構成される。オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、誘電体4に近接するように配置される部分と、前記誘電体4に近接するように配置される部分の直下流側において一方の電極2の軸心と正面視で交差して誘電体4に近接しないように配置される部分と、を有して構成される。そして、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、誘電体4に近接しないように配置される部分の直下流側において、一方の電極2の軸心を中心にして前記誘電体4に近接するように配置される部分と対向する側で誘電体4に近接するように配置される部分と、を有して構成される。
【0023】
このようにして、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)が、オゾン(または原料ガス)の流通方向(一方の電極2の軸心方向)に沿って、誘電体4に近接するように配置される部分と、誘電体4に近接しないように配置される部分と、が交互に配置されるように構成される。オゾナイザ1における他方の電極3(内側電極)の誘電体4に近接するように配置される部分は、オゾナイザ1の放電空間6として構成される。オゾナイザ1における他方の電極3(内側電極)の誘電体4に近接しないように配置される部分は、オゾナイザ1の放電が発生しない空間7として構成される。つまり、オゾナイザ1は、他方の電極3(内側電極)が誘電体4に近接するように配置される部分と誘電体4に近接しないように配置される部分とを有して構成されて、誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において、放電が発生しない空間7が配置されて構成される。
【0024】
このように構成されるオゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるもの(誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において放電が発生しない空間7が配置されないもの)に比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇を抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されること(酸素に還元されること)を抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができる。
【0025】
また、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、複数箇所(本実施形態では二箇所)の誘電体4に近接しないように配置される部分を有して構成される。オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、オゾン(または原料ガス)の流通方向(一方の電極2の軸心方向)に沿って、誘電体4に近接するように配置される部分と、誘電体4に近接しないように配置される部分とが繰り返し連続するように構成される。つまり、オゾナイザ1は、誘電体4の近傍において放電が発生しない空間7が複数箇所に配置されて構成される。オゾナイザ1は、誘電体4の近傍において放電が発生しない空間7と放電空間6とが繰り返し連続するように配置されて構成される。このため、オゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇をより確実に抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されることをより確実に抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンをより効率良く生成することができる。
【0026】
また、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、金属線で構成される。したがって、オゾナイザ1によれば、前記高い濃度のオゾンを効率良く生成することができるものを単純な構造で実現することができる。
【0027】
また、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、図2に示すように、オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、誘電体4に近接しないように配置される部分の直下流側において、一方の電極2の軸心を中心にして前記誘電体4に近接するように配置される部分と対向する側で誘電体4に近接するように配置される部分を有さない構成としても良い。
【0028】
次に、本発明の第二実施形態に係るオゾナイザ1について、図3および図4を用いて説明する。なお、第二実施形態に係るオゾナイザ1の説明は、第一実施形態に係るオゾナイザ1と同様の構成の部分については適宜省略し、第一実施形態に係るオゾナイザ1の構成と異なる部分を中心に説明する。
【0029】
オゾナイザ1の他方の電極3(内側電極)は、図3または図4に示すように、外側電極2および誘電体4の内経よりも小さい外径を有する円柱状に構成される。オゾナイザ1の他方の電極3は、その軸心と外側電極2の軸心とが一致するように、外側電極2(誘電体4)の内側に配置される。
【0030】
オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、欠落部2aを有して構成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)の欠落部2aは、一方の電極2における周面が環状に欠落するように形成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)の欠落部2aは、一方の電極2の外面から内面に貫通するように形成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)の欠落部2aは、一方の電極2における軸心方向の中途部に形成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)の欠落部2aは、二個の欠落部2aが形成されない部分の間(欠落部2aが形成されない部分と欠落部2aが形成されない部分との間)に配置される。このようにして、オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、欠落部2aを有することにより、その一部が欠落するように構成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、オゾン(または原料ガス)の流通方向(一方の電極2の軸心方向)に沿って、欠落部2aは、欠落部2aと、欠落部2aが形成されない部分と、が交互に配置されるように構成される。
【0031】
オゾナイザ1における一方の電極2(外側電極)の欠落部2aが形成されない部分(一方の電極2の内面)と他方の電極3との間の空間は、オゾナイザ1の放電空間6として構成される。オゾナイザ1における一方の電極2(外側電極)の欠落部2aと他方の電極3との間の空間は、オゾナイザ1の放電が発生しない空間7として構成される。つまり、オゾナイザ1は、一方の電極2(外側電極)の一部が欠落するように構成されて、誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において、放電が発生しない空間7が配置されて構成される。
【0032】
このように構成されるオゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるもの(誘電体4の近傍における原料ガスまたはオゾンの流通経路の途中において放電が発生しない空間7が配置されないもの)に比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇を抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されること(酸素に還元されること)を抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンを効率良く生成することができる。
【0033】
また、オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、複数個(本実施形態では二個)の欠落部2aを有して構成される。オゾナイザ1の一方の電極2(外側電極)は、オゾン(または原料ガス)の流通方向(一方の電極2の軸心方向)に沿って、欠落部2aが形成されない部分と欠落部2aとが繰り返し連続するように構成される。つまり、オゾナイザ1は、誘電体4の近傍において放電が発生しない空間7が複数箇所に配置されて構成される。オゾナイザ1は、誘電体4の近傍において放電が発生しない空間7と放電空間6とが繰り返し連続するように配置されて構成される。このため、オゾナイザ1では、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、オゾンを生成する動作を行ったときの放電空間6の温度上昇をより確実に抑制することができる。したがって、オゾナイザ1では、オゾンを生成する動作を行ったときに、生成されたオゾンが熱によって分解されることをより確実に抑制することができる。よって、オゾナイザ1によれば、誘電体4の内側全体に放電空間6が配置されて構成されるものに比べて、高い濃度のオゾンをより効率良く生成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 オゾナイザ
2 一方の電極
3 他方の電極
4 誘電体
5 電源
6 放電空間
7 放電が発生しない空間
図1
図2
図3
図4