(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
充電制御手段は、二次電池の充電中に制御手段が冷却モードとなったときに前記二次電池の充電を中断し、温度検出手段により検出された前記二次電池の温度が所定温度未満に低下して前記冷却モードが終了すると前記二次電池の充電を再開する
ことを特徴とした請求項2記載の電気掃除機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0014】
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
【0015】
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、設定操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
【0016】
また、掃除機本体13は、例えば合成樹脂などにより形成された本体ケース25と、この本体ケース25に着脱可能に配置された集塵部としての集塵装置である集塵カップ26とを備えている。そして、掃除機本体13(本体ケース25)は、被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、前後方向は、掃除機本体13(本体ケース25)の移動方向を基準とする。
【0017】
本体ケース25の前部には、管部12の基端側である下流端側、すなわち接続管部15が着脱可能に挿入接続される本体吸込口28が開口されている。そして、この本体ケース25の内部には、電動送風機31、この電動送風機31に給電する充電池である二次電池32、および、電動送風機31の動作などを制御する例えばマイコンなどの本体制御部33などが収容されている。さらに、この本体ケース25には、図示しないが、二次電池32の残量、あるいは二次電池32の充電が必要かどうかなどを報知するランプなどの報知部が設けられている。
【0018】
集塵カップ26は、二次電池32からの給電による電動送風機31の動作によって生じた負圧により床ブラシ19などを介して空気とともに吸い込まれた塵埃を分離して捕集するものであり、本体ケース25に装着した状態で本体吸込口28および電動送風機31の吸込側とそれぞれ気密に接続される。また、この集塵カップ26と電動送風機31との間には、濾過フィルタ34が配置されている。なお、この集塵カップ26は、本実施形態では本体ケース25に対して着脱可能な構成としたが、本体ケース25に内蔵した構成としてもよい。
【0019】
また、電動送風機31は、吸込側が集塵カップ26と気密に接続されるとともに、排気側が複数、例えば2つの(一方および他方の)排気経路35,36と連通している。これら排気経路35,36は、それぞれ本体ケース25の内部に形成されており、この本体ケース25の後部などに開口された排気孔37と連通している。そして、これら排気経路35,36には、切換手段としての切換弁であるダンパ38が配置されており、このダンパ38により、排気経路35,36の少なくともいずれか一方が電動送風機31の排気側と連通するように切り換えられる。すなわち、このダンパ38は、排気経路36のみを電動送風機31の排気側と連通する第1の位置(
図3(b))と、排気経路35のみを電動送風機31の排気側と連通する第2の位置(
図3(c))と、排気経路35,36のそれぞれを電動送風機31の排気側と連通する中立位置(
図3(a))とのいずれかに切り換え可能となっている。
【0020】
また、二次電池32は、複数本の電池部を直列または並列に接続した電池パックであり、例えば40V程度の直流電圧を出力可能となっている。さらに、この二次電池32は、排気経路36内に配置されており、この排気経路36を通過する電動送風機31の排気風によって冷却可能となっている。さらに、この二次電池32は、電動送風機31および本体制御部33のそれぞれに給電可能となっている。また、この二次電池32には、保護回路40が内蔵されている。この保護回路40は、二次電池32の温度が所定温度以上である場合に二次電池32の放電を遮断するなどの保護動作をするようになっている。そして、この二次電池32は、掃除機本体13(本体ケース25)を充電装置としての充電台41に装着することで充電可能である。
【0021】
ここで、充電台41は、充電電源回路である充電回路43を備えており、この充電回路43が外部電源である商用交流電源eと電源コード44を介して電気的に接続可能となっている。また、この充電台41には、充電回路43と電気的に接続された充電台側接続部としてのコネクタ45が設けられている。このコネクタ45には、掃除機本体13の本体ケース25に設けられた本体側接続部としてのコネクタ46が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13(本体ケース25)を充電台41に装着することで、コネクタ45,46が電気的および機械的に接続されて、充電回路43によって二次電池32が充電可能となる。
【0022】
そして、本体制御部33は、例えば排気経路35内に配置されており、この排気経路35内を通過する電動送風機31の排気風によって冷却可能となっている。この本体制御部33は、電動送風機31の動作を制御する制御手段としてのモータ制御部51、二次電池32の温度を検出する温度検出手段としての電池温度検出部52、本体制御部33の温度を検出する制御温度検出手段としての制御温度検出部53、電動送風機31の排気風の温度を検出する排気風温度検出手段としての排気風温度検出部54、二次電池32の残量Wを検出する残量検出手段としての残量検出部55、二次電池32の放電を制御する放電制御手段としての放電制御部56、二次電池32の充電を制御する充電制御手段としての充電制御部57、および、ダンパ38の動作を制御する切換制御手段としてのダンパ切換部58などをそれぞれ備えている。なお、これらの各部は、本体制御部33に一体的に内蔵されていてもよいし、それぞれ別個の回路でもよく、また、任意のいずれかを組み合わせた回路などとしてもよい。
【0023】
モータ制御部51は、電圧波形制御部61を備えており、この電圧波形制御部61により、電動送風機31に二次電池32から印加される電圧(電動送風機31の入力)を制御することで電動送風機31の動作を制御するようになっている。また、このモータ制御部51には、電動送風機31の動作について、集塵カップ26に塵埃を捕集する、すなわち掃除動作をするように電動送風機31を動作させる掃除モードと、電動送風機31を停止させる停止モードと、電動送風機31の排気風を用いて二次電池32を冷却するための冷却モードと、電動送風機31の排気風を用いて本体制御部33、特に充電制御部57を冷却する充電冷却モードとがそれぞれ別個に設定されている。さらに、このモータ制御部51には、例えば電動送風機31の電源を二次電池32と商用交流電源e、すなわち充電回路43とで選択的に切り換える電源選択部62が設けられている。
【0024】
掃除モードとしては、任意に設定できるが、例えば本実施形態では、電動送風機31を最大の回転速度(パワー)で動作させる強モード、この強モードよりも小さい回転速度で電動送風機31を動作させる弱モード、および、これら強モードと弱モードとの中間の回転速度で、かつ、床面の種類や汚れ状態などに応じて可変する回転速度で電動送風機31を駆動させる出力可変モード(オートモード)などが設定されている。これら掃除モードは、設定ボタン22の操作によって切り換えられ、この設定ボタン22の設定操作に応じて、電圧波形制御部61が二次電池32から電動送風機31に印加される電圧を昇圧制御している。
【0025】
また、停止モードは、掃除モード、冷却モードあるいは充電冷却モードにおいて電動送風機31を動作させた状態から、電圧波形制御部61が二次電池32から電動送風機31に印加される電圧(入力)を0に設定することで、電動送風機31を停止させるモードである。この停止モードは、掃除モード時には、設定ボタン22の操作によって切り換えられ、冷却モードおよび充電冷却モード時には、各検出部52,53,54により検出した温度TB,TC,TWに対応して切り換えられる。
【0026】
一方、冷却モードおよび充電冷却モードは、電圧波形制御部61が、モータ制御部51に二次電池32、あるいは充電回路43から供給された電圧を、電動送風機31に対して間欠的に(パルス状に)印加してこの電動送風機31を動作させる(
図5(a))、あるいは電動送風機31に対して降下させて印加してこの電動送風機31を動作させる(
図5(b))ことにより、掃除モード時の電動送風機31の最小の回転速度(弱モードの回転速度)よりも低速で電動送風機31を回転させるように電動送風機31に印加される電圧を制御している。すなわち、電動送風機31は、冷却モードにおいて、二次電池32、あるいは充電回路43からの供給可能電力以内の低出力で駆動する。
【0027】
ここで、冷却モードは、主として二次電池32を電動送風機31の排気風により冷却するために設定されている。すなわち、二次電池32は、充電する際の温度が高すぎると、化学的な劣化が生じるとともに充電効率が低下するため、充分に冷却した状態で充電を開始する必要があるので、二次電池32を電動送風機31の排気風によって強制的に冷却することで、充電を早期に開始できるようにするためにこの冷却モードが設定されている。
【0028】
また、充電冷却モードは、主として本体制御部33、特に充電制御部57を電動送風機31の排気風により冷却するために設定されている。すなわち、本体制御部33(充電制御部57)を構成する電子部品は、高温により劣化するため、本体制御部33(充電制御部57)を電動送風機31の排気風によって強制的に冷却することで、長寿命化を図るようにこの充電冷却モードが設定されている。
【0029】
なお、これら冷却モードおよび充電冷却モードにおいて、二次電池32の充電は中断(停止)しても継続してもよいが、本実施形態では例えば中断するものとする。
【0030】
また、電池温度検出部52は、例えば二次電池32の表面などに配置されたセンサ部を介して二次電池32の温度TBを検出し、モータ制御部51、放電制御部56、充電制御部57およびダンパ切換部58などに出力するように構成されている。
【0031】
また、制御温度検出部53は、本体制御部33の表面などに配置されたセンサ部を介して本体制御部33の温度、特に充電制御部57の温度TCを検出し、モータ制御部51、放電制御部56、充電制御部57およびダンパ切換部58などに出力するように構成されている。
【0032】
また、排気風温度検出部54は、例えば電動送風機31の排気口などに配置されたセンサ部を介して排気風の温度TWを検出し、モータ制御部51、放電制御部56、充電制御部57およびダンパ切換部58などに出力するように構成されている。
【0033】
また、残量検出部55は、二次電池32の放電状態などに基づいて残量Wを検出し、モータ制御部51、放電制御部56および充電制御部57などに出力するように構成されている。
【0034】
また、放電制御部56は、例えば、二次電池32の電池電圧などを検出し、この電池電圧が所定の放電終止電圧以下となったときに二次電池32の放電を停止させるなど、二次電池32の放電を制御する。
【0035】
また、充電制御部57は、例えば、二次電池32に流す充電電流の大きさを制御するとともに、電池温度検出部52で検出した二次電池32の温度TBや残量検出部55で検出した二次電池32の残量Wに応じて二次電池32の充電を停止(中断、終了)させるなど、二次電池32の充電を制御する。この充電制御部57は、二次電池32の残量Wが充分にある場合、すなわち二次電池32が充電しなくても電動送風機31を動作させる残量Wを有している場合には、この二次電池32により給電され、掃除機本体13(本体ケース25)を充電台41に装着した場合には、充電回路43から給電されるように構成されている。
【0036】
また、ダンパ切換部58は、電池温度検出部52、制御温度検出部53および排気風温度検出部54によりそれぞれ検出された各温度TB,TC,TWに基づき、ダンパ38の位置を第1の位置、第2の位置、あるいは中立位置に設定する。
【0037】
次に、上記一実施形態の動作を、
図6に示すフローチャートも参照しながら説明する。
【0038】
掃除の際には、使用者は、集塵カップ26を本体ケース25に予め装着しておき、把持部21を把持して所望の設定ボタン22を操作することにより、この設定ボタン22の設定操作によって設定された掃除モードでモータ制御部51が電動送風機31を動作させる。
【0039】
電動送風機31の駆動により生じた負圧は、集塵カップ26および本体吸込口28を介して管部12へと作用する。そして、管部12では、ホース体16、延長管18および床ブラシ19と負圧が作用して、被掃除面に載置した床ブラシ19の先端などから、塵埃を空気とともに吸い込む。
【0040】
含塵空気は、床ブラシ19、延長管18およびホース体16を介して、本体吸込口28から集塵カップ26の内部へと吸い込まれ、塵埃が分離されて捕集される。塵埃が捕集された空気は、濾過フィルタ34を通過した後、電動送風機31へと吸い込まれ、この電動送風機31を冷却しつつ排気されて排気風となり、排気孔37から掃除機本体13の本体ケース25の外部へと排気される。なお、ダンパ切換部58は、排気経路35,36のいずれを選択するようにダンパ38を各位置に切り換えても構わないが、例えば制御温度検出部53により検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度T1以上であれば、少なくとも排気経路35に排気風が流れるようにし、電池温度検出部52により検出した二次電池32の温度TBが所定温度T2以上であれば、少なくとも排気経路36に排気風が流れるようにするなどの制御が可能である。これらの所定温度T1,T2は、等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0041】
掃除が終了すると、使用者が設定ボタン22を操作することで、掃除モードが終了する(ステップ1)。このとき、モータ制御部51は、電池温度検出部52により検出した二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上(TB1≦TB)であるかどうかを判断する(ステップ2)。この所定温度TB1は、二次電池32を充電開始可能な温度に設定されている。そして、このステップ2において、二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上でない(二次電池32の温度TBが所定温度TB1未満)と判断した場合には、停止モードを選択して電動送風機31を停止させる(ステップ3)。一方、ステップ2において、二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上であると判断した場合には、ステップ3をスキップしてステップ4に進む。
【0042】
次いで、モータ制御部51は、残量検出部55により検出した二次電池32の残量Wが所定値W1以上(W1≦W)であるかどうかを判断し(ステップ4)、二次電池32の残量Wが所定値W1以上であると判断した場合には、モータ制御部51は、電動送風機31を掃除モード時よりも低速で回転させる、冷却モード、あるいは充電冷却モードを選択する(ステップ5)。
【0043】
このとき、モータ制御部51の電圧波形制御部61は、例えば
図5(a)に示すように、モータ制御部51への二次電池32からの供給電圧V1を間欠的に電動送風機31に供給、または、例えば
図5(b)に示すように、モータ制御部51への二次電池32からの供給電圧V1を降下させて電動送風機31に供給する。
【0044】
ここで、電動送風機31の駆動特性として、一定以上の電圧を印加しないと始動しないため、
図5(a)に示すようにモータ制御部51への二次電池32からの供給電圧V1(例えば40V程度)を間欠的に電動送風機31に供給する場合には、電圧波形制御部61は、まず、電動送風機31の始動時に、供給電圧のパルス幅を、電動送風機31を始動可能な最低の幅とし、電動送風機31を始動させた後、電動送風機31の回転を維持できる幅に短くすることで、電動送風機31を低速で安定して動作させることができる。また、
図5(b)に示すようにモータ制御部51への二次電池32からの供給電圧V1を下げて電動送風機31に供給する場合には、電圧波形制御部61は、まず、電動送風機31の始動時に、この電動送風機31を始動可能な最低限の電圧値V2とし、電動送風機31を始動させた後、電動送風機31の回転を維持できる電圧値V3(例えば10V程度)にさらに降下させることで、電動送風機31を低速で安定して動作させることができる。
【0045】
そして、モータ制御部51は、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが電池温度検出部52で検出した二次電池32の温度TB以上(TB≦TW)であるかどうかを判断し(ステップ6)、排気風の温度TWが二次電池32の温度TB以上でない(排気風の温度TWが二次電池32の温度TB未満である)と判断した場合には、続いて制御温度検出部53により検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上(TC1≦TC)であるかどうかを判断する(ステップ7)。さらに、このステップ7において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上であると判断した場合には、さらに、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが制御温度検出部53で検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上(TC≦TW)であるかどうかを判断する(ステップ8)。そして、このステップ8において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上でない(排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC未満である)と判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路35,36のそれぞれを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を中立位置に動作させ(ステップ9)、ステップ15に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32および本体制御部33(モータ制御部51および充電制御部57)のそれぞれが冷却される、冷却モード(充電冷却モード)となる(
図3(a))。
【0046】
また、ステップ8において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上であると判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路36のみを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を第1の位置へと動作させ(ステップ10)、ステップ15に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32が冷却される冷却モードとなる(
図3(b))。
【0047】
また、ステップ7において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上でない(本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1未満)と判断した場合には、ステップ10に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32が冷却される冷却モードとなる(
図3(b))。
【0048】
さらに、ステップ6において、排気風の温度TWが二次電池32の温度TB以上であると判断した場合には、モータ制御部51は、続いて制御温度検出部53により検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上(TC1≦TC)であるかどうかを判断する(ステップ11)。さらに、このステップ11において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上であると判断した場合には、さらに、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが制御温度検出部53で検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上(TC≦TW)であるかどうかを判断する(ステップ12)。そして、このステップ12において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上でない(排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC未満である)と判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路35のみを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を第2の位置に動作させ(ステップ13)、ステップ15に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、本体制御部33(充電制御部57)が冷却される充電冷却モードとなる(
図3(c))。
【0049】
また、ステップ12において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上であると判断した場合には、モータ制御部51は停止モードを選択して電動送風機31を停止させる(ステップ14)。
【0050】
さらに、ステップ11において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上でない(本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1未満)と判断した場合には、ステップ14に進む。
【0051】
次いで、モータ制御部51は、掃除機本体13(本体ケース25)が、電源コード44が商用交流電源eに接続された充電台41に装着されたかどうかを判断する(ステップ15)。ここで、掃除機本体13(本体ケース25)が充電台41に装着されたかどうかは、例えばコネクタ46の電圧値を測定する、あるいは、掃除機本体13(本体ケース25)を充電台41に着脱することでオンオフが切り換わる図示しないスイッチなどを用いることで容易に判断できる。そして、掃除機本体13(本体ケース25)が充電台41に装着されていないと判断した場合には、ステップ2に戻り、掃除機本体13(本体ケース25)が充電台41に装着されていると判断した場合には、以下の充電制御に進む。
【0052】
なお、ステップ5ないしステップ14の間に、使用者が設定ボタン22により掃除モードを選択した場合には、上記の掃除制御に進む。
【0053】
また、ステップ4において、二次電池32の残量Wが所定値W1以上でないと判断した場合には、報知部によって使用者に二次電池32の充電を促し(ステップ16)、ステップ15に進む。
【0054】
次に、上記一実施形態の充電制御を
図7に示すフローチャートも参照しながら説明する。
【0055】
掃除機本体13(本体ケース25)を充電台41に装着すると、コネクタ45,46が接続され、充電回路43がモータ制御部51、充電制御部57および二次電池32などと電気的に接続される。モータ制御部51では、電源選択部62が電動送風機31の電源を二次電池32から充電回路43に切り換える(ステップ21)。
【0056】
次いで、モータ制御部51は、電池温度検出部52により検出した二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上(TB1≦TB)であるかどうかを判断し(ステップ22)、二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上でない(二次電池32の温度TBが所定温度TB1未満)と判断した場合には、充電を開始、あるいは充電中であれば充電を継続する(ステップ23)。この後、モータ制御部51は、残量検出部55により検出した二次電池32の残量Wが所定値W1よりも大きい所定値W2以上(W2≦W)であるかどうかを判断し(ステップ24)、二次電池32の残量Wが所定値W2以上でない(二次電池32の残量Wが所定値W2未満である)と判断した場合には、ステップ22に戻り、二次電池32の残量Wが所定値W2以上であると判断した場合には充電を終了する(ステップ25)。
【0057】
一方、ステップ22において、二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上であると判断した場合には、モータ制御部51は、電動送風機31を掃除モード時よりも低速で回転させる、冷却モードあるいは充電冷却モードを選択する(ステップ26)。このとき、モータ制御部51の電圧波形制御部61は、上記ステップ5と同様に、例えばモータ制御部51への充電回路43からの供給電圧V1を間欠的に電動送風機31に供給(
図5(a))、または、例えばモータ制御部51への充電回路43からの供給電圧V1を降下させて電動送風機31に供給(
図5(b))する。このときの電圧波形制御部61の制御は、上記のステップ5と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
そして、モータ制御部51は、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが電池温度検出部52で検出した二次電池32の温度TB以上(TB≦TW)であるかどうかを判断し(ステップ27)、排気風の温度TWが二次電池32の温度TB以上でない(排気風の温度TWが二次電池32の温度TB未満である)と判断した場合には、続いて制御温度検出部53により検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上(TC1≦TC)であるかどうかを判断する(ステップ28)。さらに、このステップ28において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上であると判断した場合には、さらに、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが制御温度検出部53で検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上(TC≦TW)であるかどうかを判断する(ステップ29)。そして、このステップ29において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上でない(排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC未満である)と判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路35,36のそれぞれを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を中立位置に動作させ(ステップ30)、ステップ15に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32および本体制御部33(充電制御部57)のそれぞれが冷却される、冷却モード(充電冷却モード)となる(
図3(a))。
【0059】
また、ステップ29において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上であると判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路36のみを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を第1の位置に動作させ(ステップ31)、ステップ22に戻る。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32が冷却される冷却モードとなる(
図3(b))。
【0060】
また、ステップ28において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上でない(本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1未満)と判断した場合には、ステップ31に進む。この結果、電動送風機31の排気風によって、二次電池32が冷却される冷却モードとなる(
図3(b))。
【0061】
さらに、ステップ27において、排気風の温度TWが二次電池32の温度TB以上であると判断した場合には、モータ制御部51は、続いて制御温度検出部53により検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上(TC1≦TC)であるかどうかを判断する(ステップ32)。さらに、このステップ32において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上であると判断した場合には、さらに、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが制御温度検出部53で検出した本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上(TC≦TW)であるかどうかを判断する(ステップ33)。そして、このステップ33において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上でない(排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC未満である)と判断した場合には、モータ制御部51はダンパ切換部58に信号を出力し、このダンパ切換部58が排気経路35のみを電動送風機31の排気側と連通するようにダンパ38を第2の位置に動作させ(ステップ34)、ステップ22に戻る。この結果、電動送風機31の排気風によって、本体制御部33(充電制御部57)が冷却される充電冷却モードとなる(
図3(c))。
【0062】
また、ステップ33において、排気風の温度TWが本体制御部33(充電制御部57)の温度TC以上であると判断した場合には、モータ制御部51は停止モードを選択して電動送風機31を停止させ(ステップ35)、ステップ22に戻る。
【0063】
さらに、ステップ32において、本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1以上でない(本体制御部33(充電制御部57)の温度TCが所定温度TC1未満)と判断した場合には、ステップ35に進む。
【0064】
上記の制御を、具体的に
図8を参照して説明すると、掃除モードが終了した後、時刻TM1で掃除機本体13(本体ケース25)を充電台41に装着すると、二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上である間、モータ制御部51が冷却モードで電動送風機31を動作させて少なくとも二次電池32を冷却する。そして、二次電池32の温度TBが所定温度TB1未満となった時刻TM2から充電が開始される。ここで、充電電流によって二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上となった場合(時刻TM3)には、一旦充電を停止し、モータ制御部51が冷却モードで電動送風機31を動作させて少なくとも二次電池32を冷却する。そして、二次電池32の温度TBが所定温度TB1未満となった時刻TM4から充電が再開される。
【0065】
以上説明した一実施形態では、モータ制御部51に、集塵カップ26に塵埃を捕集するように電動送風機31を動作させる掃除モードと、この掃除モードと別個に、充電制御部57に通電されている状態、すなわち充電制御部57に二次電池32、あるいは充電台41の充電回路43から給電されている状態で掃除モード時よりも低速で電動送風機31を動作させ、この電動送風機31の排気風により少なくとも二次電池32を冷却させる冷却モードとを少なくとも設定している。
【0066】
このため、充電制御部57の通電中、すなわち二次電池32の充電準備中(充電待機中)、充電中、あるいは充電後待機中などに電動送風機31を低速で駆動して、その排気風によって二次電池32を冷却することで、二次電池32を充電許可温度まで迅速に低下させ、充電待機時間を短縮できる。
【0067】
ここで、電動送風機31を回転させるときの駆動音が大きいと、掃除していない状態にもかかわらず騒音が発生することになり、使い勝手が劣るため、電動送風機31を掃除モード時よりも低速で回転させることで、従来の外付けの冷却ファンなどを駆動させる程度の騒音値に抑えることができ、静音化が可能で、使い勝手のよい製品となるとともに、従来の充電台のファンで冷却や、追加ファンによる冷却と比較して、構造簡素化で小型化が可能となる。すなわち、別途のファンが不要であるだけでなく、二次電池32の冷却経路を別途構成する必要がない。
【0068】
この結果、簡単な構成で二次電池32を確実に冷却できるとともに、この冷却時の静音性を確保できる電気掃除機11を提供できる。
【0069】
また、冷却モード時に、電動送風機31に対して充電回路43から給電可能とすることにより、二次電池32の残量Wに拘らず、電動送風機31を駆動できるとともに、二次電池32からの放電を抑制することで不必要な二次電池32の発熱を抑制することができるとともに、二次電池32の充放電サイクル回数を増やすことがないので、二次電池32の寿命を伸延できる。
【0070】
さらに、二次電池32の残量Wが充分にある場合には、電動送風機31の低速運転(冷却モードおよび充電冷却モード)のために、二次電池32から電動送風機31へと給電することで、掃除機本体13(本体ケース25)が充電台41に装着されていない状態においても、二次電池32を冷却できるため、充電台41に装着するまでの間にも冷却効果を得ることができ、二次電池32の充電時間をより短縮できる。
【0071】
また、冷却モード時に、モータ制御部51(電圧波形制御部61)が電動送風機31に対して間欠的に電圧を印加してこの電動送風機31を動作させる場合には、電動送風機31の回転速度を容易に制御できるとともに、安定した低速回転を実施できる。
【0072】
さらに、冷却モード時、モータ制御部51(電圧波形制御部61)が電動送風機31に対して電圧を降下させて印加してこの電動送風機31を動作させる場合には、簡単な制御で電動送風機31を安定して低速回転させることができる。
【0073】
また、モータ制御部51が、電池温度検出部52により検出された二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上である場合に冷却モードとする。すなわち、二次電池32の温度TBが高いときは、二次電池32の保護の観点から充電を待機する一方で、二次電池32は通常、熱容量が大きく自然放熱では温度TBの低下が遅い傾向があるため、二次電池32の温度TBが高いときには電動送風機31の排気風を利用して強制冷却することで、二次電池32が充電開始可能な温度になるまでの時間短縮を図ることができる。
【0074】
同様に、モータ制御部51が、二次電池32の充電中に電池温度検出部52により検出された二次電池32の温度TBが所定温度TB1以上である場合に冷却モードとすることにより、二次電池32の温度TBが充電中に上昇した場合は、二次電池32の冷却期間を設け、従来の自然冷却に比べて、時間短縮を図ることができる、特に、充電中において二次電池32は充電電流により発熱するため、このような制御により、高温状態での充電動作を回避でき、二次電池32の劣化を抑制でき、必要最低限の電動送風機31の駆動にて、最適な充電制御を行なうことができる。
【0075】
また、二次電池32を、排気経路35,36のうち、排気経路36に配置し、モータ制御部51が、排気風温度検出部54により検出した電動送風機31の排気風の温度TWが電池温度検出部52により検出した二次電池32の温度よりも高い場合には、ダンパ38により、二次電池32が配置されていない排気経路35のみを電動送風機31の排気側と連通させるように切り換える。すなわち、例えば掃除モードの終了直後などにおいては、電動送風機31の自己発熱により排気風の温度TWが高い場合があり、このような場合、電動送風機31の排気風を二次電池32に当てると、逆に二次電池32を加熱してしまうため、二次電池32(排気経路36)を電動送風機31の排気風から遮断することで、排気風による二次電池32の加熱を防止でき、効率よく二次電池32を冷却できる。
【0076】
そして、モータ制御部51が、制御温度検出部53により検出した充電制御部57の温度TCが所定温度以上である場合に充電冷却モードとする。特に、充電中においては、充電制御部57の発熱は放熱板などに依存する自然放熱しかできず、温度上昇が抑制できないので、電動送風機31の排気風を利用して充電制御部57(本体制御部33)を冷却することにより、充電制御部57の温度上昇を抑制することができ、充電制御部57などを構成する電子部品の温度上昇の抑制と長寿命化を図ることができる。
【0077】
しかも、冷却モードまたは充電冷却モードでは、二次電池32の温度TBまたは充電制御部57の温度TCよりも排気風の温度TWが高い場合はダンパ38により排気経路35,36のいずれかを閉塞して、電動送風機31を低速で回転させることで、低温の吸気空気によって徐々に電動送風機31自身の温度が低下し、排気風の温度TWを低下させることができる。
【0078】
なお、上記一実施形態において、冷却モード、あるいは充電冷却モードでは、例えば
図5(a)および
図5(b)に示す制御を組み合わせてもよい。すなわち、モータ制御部51への二次電池32、あるいは充電回路43からの供給電圧V1を降圧し、さらに間欠的に(パルス状)に電動送風機31に供給してこの電動送風機31を低速回転させてもよい。この場合には、電動送風機31のよりきめ細かい低速回転運転を実施できる。
【0079】
また、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、例えば上下方向に長手状の掃除機本体13(本体ケース25)の下部に床ブラシ19が接続された、いわゆるアップライト型、掃除機本体13(本体ケース25)を直接持ち運んで掃除するハンディ型、あるいは自律走行式の電気掃除機11(ロボットクリーナ)などでも対応して用いることができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。