【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における評価は下記の方法で行った。
【0034】
(1)編地の伸長荷重測定
測定は、同時2軸引張伸張試験機(STRIP BIAXIAL TENSILE TESTER KES-G2-SB1 カトーテック社製)において、行った。同時2軸引張伸張試験機においては、X軸方向及びY軸方向の2方向に編地を伸長可能であり、衣料を着用した際の多方向に伸長される編地の再現が可能となる。また、本試験機では、X軸方向及びY軸方向にて伸長量を変えることが可能であり、X軸及びY軸方向に異なった伸長率(例えば、X軸方向に80%伸長しながらY軸方向に30%伸長する)にて編地を伸長できる。また、同時2軸引張伸張試験機における編地の測定時においては、装置のX軸方向を編地の経とし、Y軸方向を編地の緯として測定してもよく、また、装置のX軸方向を編地の緯とし、Y軸方向を編地の経として測定してもよい。
編地を9.0cm×9.0cm ( X軸側×Y軸側)に編み方向に垂直及び平衡に裁断し、同時2軸引張伸張試験機に取り付ける。このとき、荷重がかかる編地の有効寸法は7.2cm×7.2cmであり、伸度を換算する有効長は7.2cmである。引張速度300mm/分で定荷重伸張を行い、X軸方向30%、Y軸方向0%に伸長した時のX軸方向の伸長荷重(cN)とY軸方向の伸長荷重(cN)の平均値A(cN)、及びX軸方向100%、Y軸方向40%に伸長した時のX軸方向の伸長荷重(cN)とY軸方向の伸長荷重(cN)の平均値B(cN)を、それぞれ、求めた。また、N=2の平均値を求めた。
【0035】
(2)カバーリング糸の非弾性糸と弾性糸の長さ比の測定
編地中から抜き出した一定の長さのカバーリング糸を解撚し、弾性糸と非弾性糸に分割した後、弾性糸には繊度(dtex)の0.001倍、非弾性糸には繊度繊度(dtex)の0.1倍の荷重を糸の端にかけ、荷重をかけていない側を持ち、糸を宙吊りにして、たるみのない状態にした後の、弾性糸の長さ(Ccm)、及び非弾性糸の長さ(Dcm)を測定した。その後、カバーリング糸の非弾性糸と弾性糸の長さ比D/Cを算出した。
なお、弾性糸及び非弾性糸の繊度については、編地中からカバーリング糸を抜出し、解撚し、弾性糸と非弾性糸に分割した後、長さと重量を測定すればよい。もしくは、編地の非弾性糸を溶解して弾性糸のみとして、弾性糸を解き、長さと重量を測定すればよい。
【0036】
(3)弾性糸の伸長荷重比測定
次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ10cm(把持部除く)
引っ張り試験機:定速伸長型引張り試験機(RTG−1210 株式会社エー・アンド・デイ社製)
初荷重:0.1mN
引っ張り、戻し速度:300mm/min
引っ張り長:10cm(100%伸長)
引っ張り回数:3回伸長を繰り返す。
測定:上記条件で繰り返し、3回目の伸長時の200%伸長時荷重E(cN)及び回復時の200%伸長時応力荷重F(cN)を求め、次式により伸長荷重比F/Eを求めた。
伸長荷重比F/E(−)=(回復時の200%伸長時応力荷重F(cN))/(伸長時の200%伸長時荷重E(cN))
【0037】
(4)弾性糸の100%伸長応力測定
次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ10cm(把持部除く)
引っ張り試験機:定速伸長型引張り試験機(RTG−1210 株式会社エー・アンド・デイ社製)
初荷重:0.1mN
引っ張り、戻し速度:300mm/min
引っ張り長:10cm(100%伸長)
引っ張り回数:3回伸長を繰り返す。
測定:上記条件で繰り返し、3回目の100%伸長時応力G(cN/dtex)を求める。
なお、弾性糸の繊度については、編地中における弾性糸の長さと重量から測定できる。具体的には、編地中から弾性糸を抜き出し、弾性糸を解き、長さと重量を測定すればよい。
【0038】
(5)補整効果の評価
未着用時において、各被験者のウエスト・ヒップ・太腿にマーキングをしておき、周囲長を測定後、各被験者にガードルを着用させ、着用後の各被験者のウエスト・ヒップ・太腿の周囲長を測定した。その後、各部の補整量の合計値を算出した。補整率を以下の式により求めた。
補整率(%)=((未着用時の周囲長の(cm)−着用時の周囲長(cm)))/(未着用時の周囲長の(cm))×100
ウエスト、ヒップ、太腿の補整率を、それぞれ、算出し、その合計値を用いて、補整効果を以下の評価基準で評価した。点数が高いほど、補整効果が高いことを表している。
5(4.0%≦補整率の合計値):十分な補整効果あり
4(3.0%≦補整率の合計値<4.0%):補整効果あり
3(2.0%≦補整率の合計値<3.0%):やや補整効果が弱い
2(1.0%≦補整率の合計値<2.0%):補整効果が弱い
1(補整率の合計値<1.0%):補整効果が非常に弱い
【0039】
(6)ズレ計測
以下の実施例及び比較例で得られた編地を用いてガードルを作製し、各パネラーにて着用した。
着用直後にウエストバンドの上部の位置及び右脚及び左脚の裾部の端において、人体にマーキングをしておき、その後、トレッドミル上で速度4.0km/hの速度で3分間歩行及び、膝屈伸動作を伴う椅子からの立ち上がり、座りの動作を5回、立位の状態から膝を抱え込む状態までしゃがみ込んだ後立ち上がる動作を5回行った後、着用直後のマーキングの位置より、ガードルがどれだけずれているかを測定した。ウエストの前部、背部のズレの平均をウエスト部のズレ量、裾部の前部、背部のズレの平均を裾部のズレ量とした。その後、ウエスト部のズレ量及び裾部のズレ量の合計値を用いて、以下の評価基準で、評価した。
5(1.5cm≦ズレ量の合計値):ズレにくい
4(2.0cm≦ズレ量の合計値<1.5cm):ややズレにくい
3(2.5cm≦ズレ量の合計値<2.0cm):ズレにくくも、ズレやすくもなく
2(3.0cm≦ズレ量の合計値<2.5cm):ややズレやすい
1(3.0cm<ズレ量の合計値):ズレやすい
【0040】
(7)着用における精神的なストレス評価
株式会社モンテシステム製のMPシステム(MP150)及び、ワイヤレス生体センサー(RF−ECG)を用い、ワイヤレス生体センサーを各パネラーの胸部に設置した。その後、各パネラーに実施例及び比較例にて得られた編地を用いて作製したガードルを着用させた直後に5分間安静にした。その後、5分間心電図を測定した。この時の測定値をA1とする。その後、ガードルを着用した状態で、6時間日常生活を送った後、再度5分間の安静の後、5分間心電図を測定した。この時の測定値をA2とする。その後、検出した信号から抽出した心拍信号及び呼吸信号から自律神経成分の交感神経成分及び副交感神経成分の活動(LF)と副交感神経成分(HF)を算出し、交感神経成分及び副交感神経成分の活動(LF)と副交感神経成分(HF)から導出したパラメータ(LF/HF)をストレス値とし、それぞれ、A1から算出したLF/HF値、A2から算出したLF/HF値において、6時間後のストレス変化値=(A2から算出したLF/HF値/A1から算出したLF/HF値)とし、着用直後のストレス値を基準としたストレスの経時変化として算出した。
【0041】
(8)着脱容易性評価
以下の実施例及び比較例で得られた編地を用いてガードルを作製し、各パネラーにて着用時及び着脱時に必要な時間を測定した。測定は、ストップウォッチを使用し、未着用の状態から着用し終わるまでの時間(着衣に要する時間)と着用の状態から完全に着脱するまでの時間(脱衣に要する時間)を測定し、両者の合計値(着脱にかかる時間)を算出し、平均値で示した。
着脱にかかった時間を以下の評価基準で評価した。点数が高いほど、着脱にかかる時間が短く、着脱が容易であることを表している。
5(着脱時間<26秒):着用しやすい
4(26秒≦着脱時間<29秒):やや着脱しやすい
3(29秒≦着脱時間<32秒):着脱しやすくもなく、着脱しにくくもない
2(32秒≦着脱時間<35秒):やや着脱しにくい
1(35秒≦着脱時間):着脱しにくい
【0042】
(9)動作感
以下の実施例及び比較例で得られた編地を用いてガードルを作製し、各パネラーにて着用した。その後、トレッドミル上で速度4.0km/hの速度で3分間歩行及び、膝屈伸動作を伴う椅子からの立ち上がり、座りの動作を5回、立位の状態から膝を抱え込む状態までしゃがみ込んだ後立ち上がる動作を5回行った後、アンケート調査を行った。アンケートは、着用時の動作感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に動きやすい
4:動きやすい
3:動きやすくもなく、動きづらくもない
2:やや動きにくい
1:動きづらい
【0043】
(10)快適感
前記の動作性の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、着用時の快適感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に快適である
4:快適である
3:快適でもないが、不快でもない
2:やや不快である
1:不快である
【0044】
以下の実施例及び比較例にて使用した各弾性糸は以下の方法にて製造した。
平均分子量1,800のポリテトラメチレンエーテルグリコール4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、窒素ガス気流下60℃において90分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得た。次いで、これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調製した。エチレンジアミン及びジエチルアミンを乾燥ジメチルアセトアミドに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温で添加して、粘度5,200ポイズ(25℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。このポリウレタン重合体溶液に、ポリウレタン固形分に対して、p−クレゾールとジシクロペンタジエンの重付加体のイソブチレン付加物を1.0重量%、Sumilizer GA−80(住友化学社製)を0.5重量%、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(2−フェニルプロパン−2−イル)フェノールを0.2重量%、ハイドロタルサイトを0.5重量%混合して、均一な溶液とした後、室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。この紡糸原液を紡糸速度800m/分及び熱風温度325℃で乾式紡糸して、78dtex/8フィラメント(PU1とする)の繊維を製造した。
【0045】
テトラメチレン基と2、2−ジメチルプロピレン基からなる平均分子量1,800で2、2−ジメチルプロピレン基の共重合率が10モル%である共重合ポリアルキレンエーテルジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、窒素ガス気流下60℃において90分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得た。次いで、これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調製した。エチレンジアミン及びジエチルアミンを乾燥ジメチルアセトアミドに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温で添加して、粘度4,500ポイズ(25℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。このポリウレタン重合体溶液に、ポリウレタン固形分に対して、p−クレゾールとジシクロペンタジエンの重付加体のイソブチレン付加物を1.0重量%、Sumilizer GA−80(住友化学社製)を1.8重量%、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(2−フェニルプロパン−2−イル)フェノールを0.2重量%、ハイドロタルサイトを0.5重量%混合して、均一な溶液とした後、室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。この紡糸原液を紡糸速度800m/分及び熱風温度325℃で乾式紡糸して、78dtex/8フィラメント(PU2とする)、及び、44dtex/4フィラメント(PU3とする)の繊維を製造した。
【0046】
テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基からなる平均分子量1,800で3−メチルテトラメチレン基の共重合率が10モル%である共重合ポリアルキレンエーテルジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、窒素ガス気流下60℃において90分間攪拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを得た。次いで、これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調製した。エチレンジアミン及びジエチルアミンを乾燥ジメチルアセトアミドに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温で添加して、粘度4,800ポイズ(25℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。
このポリウレタン重合体溶液に、ポリウレタン固形分に対して、p−クレゾールとジシクロペンタジエンの重付加体のイソブチレン付加物を1.0重量%、Sumilizer GA−80(住友化学社製)を1.8重量%、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(2−フェニルプロパン−2−イル)フェノールを0.2重量%、ハイドロタルサイトを0.5重量%混合して、均一な溶液とした後、室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。この紡糸原液を紡糸速度800m/分及び熱風温度325℃で乾式紡糸して、78dtex/8フィラメント(PU4とする)、及び44dtex/4フィラメント(PU5とする)の繊維を製造した。
【0047】
[実施例1]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU2に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU2の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0048】
[実施例2]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU2に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU2の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.0において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0049】
[実施例3]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU4に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU4の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0050】
[実施例4]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU2に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU2の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は340cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0051】
[実施例5]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU2に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU2の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は360cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0052】
[比較例1]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU1に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU1の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=3.0において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0053】
[比較例2]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU1に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU1の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=4.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は360cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0054】
[比較例3]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機((SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU1に、ナイロン加工糸22dtex/10fを撚り数1400T/mで、かつ、PU1の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後ドラフトローラー速度Iの比がI/H=3.6において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸78dtex/56fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は355cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0055】
[比較例4]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。得られた編地はパドル染色機を使用して、ナイロンの染色を行い、脱水、乾燥後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
編成では、PU3に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU3の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後のドラフトローラー速度Iの比がI/H=3.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、編み込み長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0056】
[比較例5]
同一の給糸口において任意に編み糸の変更が可能な釜径13インチ、28ゲージのコンピュータ制御丸編機(SANTONI社製 SM8−8 TOP1)を使用して編地を作製した。
編成では、PU5に、ナイロン加工糸22dtex/20fを撚り数1400T/mで、かつ、PU5の送り出し速度Hに対する、ナイロンにて被覆した後に巻き取るときの速度Iの比がI/H=3.5において、カバーリングした弾性糸を用いて、ナイロン加工糸56dtex/48fと天竺組織のプレーティング編みにより編成し、腹部を覆う部分では、編み組織をニットとミスとが混在するように編成し、編地を編成した。なお、ランナー長は350cm/周にて編成を行った。得られた編地はパドル染色機を使用して、染色を95℃で45分間行い、脱水後、ボディサイズに模した型枠にセットし、110℃、20秒でスチームセットした。
【0057】
実施例1〜5、及び比較例1〜5の編地の評価結果、及び、編地を使用し、ガードルを作製した後に着用試験を行った結果を、以下の表1に示す。また、ガードル作製時は、Y軸方向を身体の高さ方向、X軸方向を身体の横方向になるように編地を配した。
【0058】
実施例1〜5、及び比較例1〜5におけるガードルの作製においては、太腿部及び股部については、S、M、Lのレディース用マネキンにフィットするように、ガードルを縫製した。着用については、それぞれ、SはSサイズの被験者に、MはMサイズの被験者に、LはLサイズの被験者に対応したガードルを着用させた。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例1の編地においては、生地伸長荷重の平均値Aが138cNであり、Bが744cNであった。得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った結果、十分な体型補整効果が得られていながら、長時間の着用においても、ストレスを感じにくく、着脱性、動作性、快適性において良好な結果が得られた。
【0061】
実施例2〜5の編地においては、得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った結果、実施例1の編地に比べ、効果は弱いものの良好な結果が得られた。
【0062】
比較例1〜3の編地においては、編地のパワーが強すぎるため、補整効果は十分あるものの、着脱が困難であり、動作性及び快適性に劣る結果となった。
【0063】
比較例4と5の編地においては、編地のパワーが弱く、着脱性は良好なものの、補整性が弱く、動作性及び快適性に劣る結果となった。