【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、特許文献1に開示されているコネクタ組立体(
図14参照)のガイドレールは、プラグコネクタの逆嵌合を防止すると共にプラグコネクタを正しい方向からのみ挿入させることとしている。このようなコネクタ組立体に対して、逆嵌合をも行うことができる機能(構造)を付加しようとすると、既にガイドレールが設けられている面(上面)の向かい側の面(下面)にも新しくガイドレールを設けなければならない。しかし、このような構成では、
図14に示されるプラグコネクタと新しく設けたガイドレールとが干渉し、嵌合させることができなくなる。また、干渉を回避するために、プラグコネクタのうち、既に溝が設けられている面(上面)の反対側の面(下面)に新しく溝を単純に設けることのみでは特許文献1のコネクタ構造では逆嵌合はできない。特許文献1のコネクタ構造を逆嵌合可能な構造に変更して、上述のガイドレールと溝の構造を適用すれば、正嵌合及び逆嵌合の両方を行うことが可能であるコネクタ組立体は実現できるものの、正嵌合及び逆嵌合のいずれか一方のみが可能であるコネクタ組立体は実現できない。
【0008】
また、特許文献2に開示されているレセプタクル側USBコネクタ(
図15及び
図16参照)に対して、逆嵌合を防止する機能(構造)を付加しようとすると板状部の上部又は下部のいずれかを埋める構成が考えられる。しかし、このような構成では、正嵌合及び逆嵌合のいずれか一方のみが可能であるコネクタ組立体は実現できるが、正嵌合及び逆嵌合の両方を行うことが可能であるコネクタ組立体は実現できない。
【0009】
このように、「正嵌合及び逆嵌合の両方を行うことが可能であるコネクタ組立体」及び「正嵌合及び逆嵌合のいずれか一方のみが可能であるコネクタ組立体」の両方を同時に実現しようとすると(一方の機能を他方に付加しようとすると)、元々備わっていた機能を実現することができなくなってしまう。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づき、互いに相容れない機能を1つのコネクタ組立体にまとめたものである。
【0011】
即ち、本発明によれば、第1のコネクタ組立体として、
第1コネクタと;前記第1コネクタと前後方向において嵌合可能な第2コネクタであって、前記前後方向と直交する上下方向において、前記第1コネクタに対して上部を上方に向けて嵌合する正嵌合及び下部を上方に向けて嵌合する逆嵌合の両方の嵌合が可能な第2コネクタと;を備えたコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記前後方向及び前記上下方向の双方と直交する左右方向に延びる板状部と、前記板状部の上部に設けられた第1上側コンタクト及び下部に設けられた第1下側コンタクトと、前記左右方向において離れて位置する第1ガイド部及び第2ガイド部とを備えており、
前記第2コネクタは、前記板状部を受容する受容部と、前記受容部内の上側面に設けられた第2上側コンタクト及び下側面に設けられた第2下側コンタクトと、前記左右方向において離れて位置する第1正嵌合用被ガイド部及び第2正嵌合用被ガイド部と、前記左右方向において離れて位置する第1逆嵌合用被ガイド部及び第2逆嵌合用被ガイド部とを備えており、
前記第1正嵌合用被ガイド部及び前記第2正嵌合用被ガイド部が前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部の夫々にガイドされることによって前記正嵌合が可能になると共に、前記第1上側コンタクト及び前記第2上側コンタクト同士と前記第1下側コンタクト及び前記第2下側コンタクト同士とが夫々接続され、
前記第1逆嵌合用被ガイド部及び前記第2逆嵌合用被ガイド部が前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部の夫々にガイドされることによって前記逆嵌合が可能になると共に、前記第1上側コンタクト及び前記第2下側コンタクト同士と前記第1下側コンタクト及び前記第2上側コンタクト同士とが夫々接続される
コネクタ組立体が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記正嵌合時及び前記逆嵌合時に少なくとも前記第2コネクタの前記受容部を収容する収容空間を有しており、
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、前記収容空間内において前記第1コネクタの上部から下方に突出し且つ前記前後方向に延びる凸部であり、
前記第1正嵌合用被ガイド部及び前記第2正嵌合用被ガイド部は、前記第2コネクタの前記受容部の上部に形成され且つ前記前後方向に延びる凹部であり、
前記第1逆嵌合用被ガイド部及び前記第2逆嵌合用被ガイド部は、前記第2コネクタの前記受容部の下部に形成され且つ前記前後方向に延びる凹部である
コネクタ組立体が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第3のコネクタ組立体として、第1又は第2のコネクタ組立体であって、
前記第1正嵌合用被ガイド部と前記第1逆嵌合用被ガイド部とを結ぶ直線の中点は、前記第2正嵌合用被ガイド部と前記第2逆嵌合用被ガイド部とを結ぶ直線の中点に一致する
コネクタ組立体が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第4のコネクタ組立体として、第1乃至第3のいずれかのコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記板状部を覆うように設けられているシェルを更に備えており、
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は、前記シェルの一部を下方へ折り曲げてなるコネクタ組立体が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第5のコネクタ組立体として、
第1乃至第4のいずれかの第1コネクタと;前記第1コネクタと前記前後方向において嵌合可能な第3コネクタであって、前記第1コネクタに対して、前記正嵌合は可能であり且つ前記逆嵌合は不可能である第3コネクタと;を備えたコネクタ組立体であって、
前記第3コネクタは、前記板状部を受容する受容部と、前記受容部内の上側面に設けられた第3上側コンタクト及び下側面に設けられた第3下側コンタクトと、前記左右方向において離れて位置する第3正嵌合用被ガイド部及び第4正嵌合用被ガイド部と、前記左右方向において離れて位置する第3逆嵌合防止部及び第4逆嵌合防止部とを備えており、
前記第3正嵌合用被ガイド部及び第4正嵌合用被ガイド部が前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部の夫々にガイドされることによって前記正嵌合を行うことが可能になると共に、前記第1上側コンタクト及び前記第3上側コンタクト同士と、前記第1下側コンタクト及び前記第3下側コンタクト同士とが夫々接続され、
前記第3逆嵌合防止部及び前記第4逆嵌合防止部は、前記第3コネクタの前記逆嵌合を防止する
コネクタ組立体が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、第6のコネクタ組立体として、第1乃至第4のいずれかのコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記収容空間内において前記第1コネクタの下部から上方に突出し且つ前記前後方向に延びる凸部である第3ガイド部を更に備えており、
前記第2コネクタは、前記第1逆嵌合用被ガイド部又は前記第2逆嵌合用被ガイド部のいずれかが前記第3ガイド部にガイドされることによって前記第1コネクタと前記正嵌合が可能となる一方、前記第1正嵌合用被ガイド部又は前記第2正嵌合用被ガイド部のいずれかが前記第3ガイド部にガイドされることによって前記第1コネクタと前記逆嵌合が可能となる
コネクタ組立体が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第7のコネクタ組立体として、第5のコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、前記収容空間内において前記第1コネクタの下部から上方に突出し且つ前記前後方向に延びる凸部である第3ガイド部を更に備えており、
前記第3コネクタは、前記第3ガイド部にガイドされることにより前記第1コネクタと前記正嵌合が可能となる第5正嵌合用被ガイド部を前記第4逆嵌合防止部の代わりに備えている
コネクタ組立体が得られる。