(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記カーソル指示手段による任意の方向へのカーソル移動指示操作があった際は、前記カーソル表示位置を前記移動指示された任意の方向へ移動表示するように表示制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る実施形態について説明する。まず、本実施形態の投影装置の概要について説明する。投影装置には、マイクロミラー素子と、マイクロミラー素子に対して光を照射することで、マイクロミラー素子上の画像を投影する投影部と、マイクロミラー素子を画面として当該画面上に画像を表示する表示装置とが備えられている。表示装置には、画面上に画像を表示する表示部と、上下左右それぞれの移動方向を指示する移動方向キー及びズームを指示するズームキーを有するとともに、移動方向キーに対する操作に基づいて画像をスクロールさせるためのスクロールモード及び移動方向キーに対する操作に基づいて画像上のカーソルを移動させるためのカーソルモードとを切り替える切替キーを少なくとも有する操作部と、操作部からの指示に基づいて表示部を制御する制御部とが備えられている。制御部は、切替キーによってカーソルモードに切り替えられている状態でズームキーが操作されると、カーソルの現在位置をズーム中心として画像がズームされるように表示部を制御する。また、切替キーによってスクロールモードに切り替えられている状態でズームキーが操作されると、制御部は、画面の中心をズーム中心として画像がズームされるように表示部を制御する。これにより、カーソルモードやスクロールモードを一度解除しなくとも画像をズームすることが可能となる。
【0023】
以下、具体的に本実施形態の投影装置について説明する。
図1は投影装置としてのプロジェクタ装置の外観構成を示すものであり、(a)はプロジェクタ装置の上側を表す斜視図であり、(b)はプロジェクタ装置の下側を表す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、プロジェクタ装置10は、直方体状の本体ケーシング11の前面に、投影レンズ12、2対の測距レンズ13a,13b,13c,13d及びIr送受信部14が配設されている。
【0025】
投影レンズ12は、後述するマイクロミラー素子等の空間的光学変調素子で形成された光像を投影するためのものであり、ここでは合焦位置およびズーム位置(投影画角)を任意に可変できるものとする。
【0026】
2対の測距レンズ13a,13b,13c,13dのうち、一対の測距レンズ13a,13bは上下方向に沿って配設されていて、他の一対の測距レンズ13c,13dは水平方向に沿って配設されている。これらの測距レンズ13a,13b,13c,13dは、それぞれ後述する位相差センサ131,132の一部を構成するものであり、被写体像に対するこれら両レンズでの視差から三角測距の原理の基づいて被写体までの距離、具体的には投影画像面までの距離を測距する。
【0027】
Ir送受信部14は、後述するリモートコントローラ40からのキー操作信号が重畳された赤外線光を受信するとともに、リモートコントローラ40に対して指示信号を送信する。
【0028】
また、本体ケーシング11の上面には、カバー17及びインジケータ15が配設されている。
カバー17は、ここでは図示しない本体サブキーを操作する際に開閉されるようになっている。本体サブキーは、リモートコントローラ40を使用せずにインジケータ15のキーでは設定指示できない詳細な各種動作等が操作できるようになっている。
【0029】
本体ケーシング11の背面には、入力部18、Ir送受信部19及びACアダプタ接続部20が配設されている。
【0030】
入力部18は、例えばパーソナルコンピュータ等の外部機器との映像入出力の接続のためのUSB端子、映像入力用のミニD−SUB端子、S端子及びRCA端子と、音声入力用のステレオミニ端子等からなる。この入力部18には、PCなどの外部機器と接続されていて、外部機器により作成された画像データが入力されるようになっている。
【0031】
Ir送受信部19は、上記Ir送受信部14と同様にリモートコントローラ40からのキー操作信号が重畳された赤外光を受信するとともに、リモートコントローラ40に対して指示信号を送信する。
【0032】
ACアダプタ接続部20には、電源となるACアダプタ(図示省略)からのケーブルが接続される。
【0033】
また、本体ケーシング11の下面には、背面側に一対の固定脚部21,21が取り付けられるとともに、前面側に高さ調節が可能な調整脚部22が取り付けられている。
調整脚部22は、そのネジ回転位置を手動で操作することにより、正確には上記投影レンズ12の投影方向の垂直方向成分、すなわち仰角を調整するようになっている。
【0034】
次に、インジケータ15について
図3を参照にして説明する。
図3は、インジケータ15のキー配列等を表す説明図である。
図3に示すように、インジケータ15には、電源キー15a、ズーム(Zoom)キー15b、フォーカス(Focus)キー15c、「AFK」キー15d、「Input」キー15e、「Auto」キー15f、「menu」キー15g、「Change」キー15h、「HELP」キー15i、「Esc」キー15j、「アップ(↑)」キー15k、「ダウン(↓)」キー15l、「レフト(←)」キー15m、「ライト(→)」キー15n、及び「Enter」キー15oと、電源/待機(power/standby)インジケータ15p、温度(TEMP)インジケータ15qが備えられている。
【0035】
電源キー15aは、電源のオン/オフを指示する。
ズームキー15bは、「△」「▽」の操作によりズームイン(tele)及びズームアウト(wide)を指示する。
【0036】
フォーカスキー15cは、「△」「▽」の操作により合焦位置の前方向及び後方向への移動を指示する。
「AFK」キー15dは、自動合焦(Automatic Focus)等の各種処理の即時実行を指示する。
【0037】
「Input」キー15eは、上記入力部18のいずれかに入力される画像信号の手動切り替えを指示し、「Auto」キー15fは、同入力部18のいずれかに入力される画像信号の自動切り替えを指示する。
【0038】
「menu」キー15gは、投影動作に関する各種メニュー項目の表示を指示する。
「Change」キー15hは、本発明に係る切替キーであり、スクロールモードとズームモードとの切り替えを指示する。
「HELP」キー15iは、指示操作が不明な場合の各種ヘルプ情報の表示を指示し、「Esc」キー15jはその時点での操作の解除を指示する。
【0039】
「アップ」キー15k、「ダウン」キー15l、「レフト」キー15m及び「ライト」キー15nは、メニュー項目、ポインタやカーソル等その時点で選択または移動方向を指示する場合に応じて操作される。このように、これらの「アップ」キー15k、「ダウン」キー15l、「レフト」キー15m及び「ライト」キー15nが、上下左右のそれぞれの移動方向を指示する本発明に係る移動方向キーである。
【0040】
電源/待機インジケータ15pは、電源のオン/オフ状態と画像信号の入力がない状態を例えば緑色と赤色のLEDの点灯/消灯あるいは点滅により表示する。
温度インジケータ15qは、画像投影の光源となるランプの温度が投影に適した状態となっているか否かを例えば緑色と赤色のLEDの点灯/消灯あるいは点滅により表示する。
【0041】
次に、リモートコントローラ40について説明する。
図4はリモートコントローラ40のキー配列等を表す説明図である。
図4に示すように、リモートコントローラ40には、インジケータ15と同様に電源キー40a、ズーム(Zoom)キー40b、フォーカス(Focus)キー40c、「AFK」キー40d、「Input」キー40e、「Auto」キー40f、「menu」キー40g、「Change」キー40h、「HELP」キー40i、「Esc」キー40j、「アップ(↑)」キー40k、「ダウン(↓)」キー40l、「レフト(←)」キー40m、「ライト(→)」キー40n及び「Enter」キー40oとが備えられている。
これら各キーは、それぞれ対応するインジケータ15の各キーと同様の指示を出力するようになっている。
【0042】
図4は、プロジェクタ装置10の電子回路の機能構成を表すブロック図である。この
図4に示すように、プロジェクタ装置10には、画像を表示する表示装置50と、表示装置50の画面となるマイクロミラー素子36と、マイクロミラー素子36に光を照射することで、マイクロミラー素子36上の画像を投影する投影部51とが設けられている。
【0043】
表示装置50には、マイクロミラー素子36上に画像を表示するための表示部52と、上述のインジケータ15やリモートコントローラ40などの本発明に係る操作部と、制御部39とが設けられている。
【0044】
表示部52には、表示エンコーダ33、ビデオRAM34、表示駆動部35が備えられている。
また、投影部51には、光源部37、投影レンズ12、レンズモータ(M)38が備えられている。
【0045】
図5は、表示装置50、マイクロミラー素子36及び投影部51の具体的な概略構成を表すブロック図である。
光源部37には、光源ランプ61と、当該光源ランプ61からの出射光を前方に集光する方向に反射するリフレクタ62と、リフレクタ62の前方に出射した光の輝度分布を均一にするための導光部材63とが設けられている。
【0046】
導光部材63はガラス等からなる透明な角棒体からなっており、その一端が光の入射端とされ、他端が入射端から入射した光の出射端とされている。導光部材63は、その入射端をリフレクタ62の出射面に対向させて配置されており、リフレクタ62の前方に出射した光を入射端から入射させ、その光を内部で反射しながら導いて、均一な輝度分布の光を出射端から出射する。
【0047】
また光源部37の出射側に配置されたカラーホイール64は、モータ65により低速回転される中心部材67の周囲にその周方向に並べて複数色のカラーフィルタと当該カラーフィルタのない少なくとも1つの空間部とを設けたものである。カラーホイール64は、そのホイール面を光源部37からの出射光の集光点に合わせて、複数の色のカラーフィルタ及び空間部が並ぶ円周の一部が光源部37から出射光の光路と交差するように配置されている。
【0048】
マイクロミラー素子36は、縦横の幅がそれぞれ10〜20μmの極薄金属片からなる表示素子である。マイクロミラー素子はCOMSをベースとするミラー駆動素子により一方の方向と他方の方向とに傾動されるマイクロミラーにより形成された複数の画素が行方向及び列方向に配列した表示エリアを有しており、正面方向に対して一方の方向に傾いた入射方向から所定の入射角で入射した光を、マイクロミラーの傾き方向の切り替えにより表示の観察方向と他の方向のいずれかに反射し、複数の画素から観察方向への光の出射を制御して画像を表示する。
【0049】
マイクロミラー素子36と光源部37との間には、光源部37からの出射光を平行に補正してマイクロミラー素子36に入射させる光源側レンズ71が配置されている。投影レンズ12は、マイクロミラー素子36からの観察方向への出射光をその光束を拡大してスクリーン等の投影面に投影するようになっている。
なお、本実施形態では、光源側レンズ71と投影レンズ12とをそれぞれ1枚のレンズで例示しているが、光源側レンズ71及び投影レンズ12はそれぞれレンズ収差を小さくするために複数枚のレンズを組み合わせて構成されている。
【0050】
また、マイクロミラー素子36を制御する表示駆動部35は、カラーホイール64の回転に同期して当該カラーホイールの各色のカラーフィルタが光源部37からの出射光の光路を通過するときにそのカラーフィルタの色にそれぞれ対応した色成分の単色画像をマイクロミラー素子36に表示させ、カラーホイール64の空間部が光源部37からの出射光の光路を通過するときにマイクロミラー素子36の複数の画素からの光の出射時間を調整する。
この表示駆動部35は、カラーホイール制御部68と、時分割駆動回路69と、カラーシーケンス制御回路70とにより構成されている。
【0051】
カラーホイール制御部68は、カラーホイール64を回転させるモータ65を、時分割駆動回路69から与えられるタイミング信号に同期して制御するものであり、モータ65は、カラーホイール制御部68により制御され、カラーホイール64を定速回転させる。
【0052】
時分割駆動回路69は、カラーシーケンス制御回路70から送られてくる表示モード信号に従い、カラーホイール制御部68にタイミング信号を与えるとともに、図示しない外部回路から与えられる赤,緑,青の各色成分の単色画像信号R,G,Bに基づいてマトリックス演算により白黒画像信号Wを生成し、カラーホイール64の回転に同期して、前記赤,緑,青の各色成分の単色画像信号R,G,Bと白黒画像信号Wとを順次マイクロミラー素子36に供給する。
【0053】
すなわち、この時分割駆動回路69は、カラーホイール64の回転に同期して、カラーホイール64のカラーフィルタが光源部37からの出射光の光路を通過するときに、そのカラーフィルタの色に対応した色成分の単色画像信号R,G,Bをマイクロミラー素子36に供給して単色画像を表示させ、カラーホイール64の空間部が光源部37からの出射光の光路を通過するときに、白黒画像信号Wをマイクロミラー素子36に供給し、マイクロミラー素子36の複数の画素からの光の出射を制御する。
【0054】
さらに、この時分割駆動回路69は、カラーシーケンス制御回路70からの表示モード信号に応じてマイクロミラー素子36への白黒画像信号Wの供給時間を調整し、前記画像信号Wの供給時間中、マイクロミラー素子36に前記白黒画像信号Wに対応する白黒画像を表示させる。
【0055】
つまり、時分割駆動回路69は、カラーホイール64の空間部が光源部37からの出射光の光路を通過するときに、マイクロミラー素子36の複数の画素からの光の出射時間を白黒画像信号Wの供給時間により調整する。
【0056】
なお、この実施形態では上述したように、光源部37からの出射光を、カラーホイール64が1回転する間に、緑色光、青色光、赤色光、非着色光の順で変化させるようにしており、したがって時分割駆動回路69は、マイクロミラー素子36に対して、緑の単色画像信号、青の単色画像信号、赤の単色画像信号、白黒画像信号を順に供給する。
【0057】
また、前記カラーシーケンス制御回路70は、投影型表示装置の使用者により選択される投影画像の明るさを指定するための表示モード信号を時分割駆動回路69に送出する。
【0058】
そして、
図4に示すように、プロジェクタ装置10の入力部18より入力された各種規格の画像信号や、記憶部60内の資料データによる画像信号は、入出力インタフェース(I/F)31、システムバスSBを介して画像変替部32で所定のフォーマットの画像信号に統一された後に、表示エンコーダ33へ送られる。
【0059】
表示エンコーダ33は、送られてきた画像信号をビデオRAM34に展開記憶させた上でこのビデオRAM34の記憶内容からビデオ信号を発生して表示駆動部35に出力する。
【0060】
表示駆動部35は、送られてきた画像信号に対応して適宜フレームレート、例えば30[フレーム/秒]で上記したようにマイクロミラー素子36を制御する。
【0061】
上記投影レンズ12はレンズモータ(M)38に駆動されることでズーム位置及びフォーカス位置を適宜移動する。上記各回路のすべての動作制御を司るのが制御部39である。この制御部39は、CPUと、動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。
【0062】
制御部39には、システムバスSBを介して記憶部60、音声処理部41、加速度センサ42及び測距処理部43が接続されている。
記憶部60は、例えばフラッシュメモリ等でなり、プレゼンテーション用の資料の資料データなどの画像データや登録された発表時間などを記憶するもので、制御部39に指示された画像データを適宜読出して上記表示エンコーダ33へ送出し、それらの画像を投影レンズ12により投影表示させる。
【0063】
音声処理部41は、PCM音源等の音源回路を備え、投影表示動作時に与えられる音声データをアナログ化し、上記スピーカ16を駆動して拡声放音させる。
加速度センサ42は、このプロジェクタ装置10が設置されている状態から移動された場合にその振動を検知して検知信号を制御部39へ出力する。
【0064】
測距処理部43は、測距レンズ13a,13bを有する位相差センサ131及び測距レンズ13c,13dを有する位相差センサ132をそれぞれ駆動して、投影された画像中の任意のポイント位置までの距離を測定する。
【0065】
なお、上記インジケータ15やリモートコントローラ40により、キー操作信号が制御部39に入力されると、当該信号に基づいて制御部39は各駆動部を制御する。
【0066】
例えば、「Change」キー15h,40hからの操作によってカーソルモードに切り替わった場合には、制御部39は、表示部52を制御して、例えば
図6(a)に示すようなカーソルK1を画像中に表示させる。そして、カーソルモード時に、「アップ」キー15k,40k、「ダウン」キー15l,40l、「レフト」キー15m,40m及び「ライト」キー15n,40nが操作されると、当該操作方向に対応してカーソルが画像中を移動するように、制御部39は表示部52を制御する。
【0067】
また、カーソルモード時においては、ズームキー15b,40bが操作されると、制御部39は、カーソルの現在位置をズーム中心として画像がズームされるように、表示部52を制御する。この際、制御部39は、画像がスクロールしてカーソルの現在位置が画面の中心となってから画像がズームされるように、表示部52を制御している。
【0068】
そして、制御部39は、カーソルモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてスクロールモードに切り替えられた際のカーソルが位置する画面上の座標を記憶し、スクロールモード時に「Change」キー15h、40hが操作されてカーソルモードに切り替えられると、記憶している座標上にカーソルが表示されるように、表示部52を制御する。
【0069】
一方、「Change」キー15h,40hからの操作によってスクロールモードに切り替わった場合には、制御部39は、表示部52を制御して、カーソルK1を非表示にさせてから、
図6(b)に示すようなスクロールポインタK2を表示させる。そして、スクロールモード時に、「アップ」キー15k,40k、「ダウン」キー15l,40l、「レフト」キー15m,40m及び「ライト」キー15n,40nが操作されると、当該操作方向に対応して画像がスクロールするように、制御部39は表示部52を制御する。この際、制御部39は、
図6(c)に示すスクロールポインタK3〜K6のうち、スクロール方向に対応する方向の矢印キーK3〜K6が表示されるように、表示部52を制御する。
【0070】
そして、スクロールモード時においては、ズームキー15b,40bが操作されると、制御部39は、画面の中心をズーム中心として画像がズームされるように、表示部52を制御する。
【0071】
ここで、制御部39は、スクロールモード時にズームキー15b,40bが操作された直前に、移動方向キー(「アップ」キー15k,40k、「ダウン」キー15l,40l、「レフト」キー15m,40m及び「ライト」キー15n,40n)が操作されていた場合には、画面の中心から移動方向キーの操作に対応する方向にずらした位置をズーム中心として画像がズームされるように表示部52を制御する。
【0072】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図7は、本実施形態のプロジェクタ装置10で実行される本発明に係るプログラムの一例を表すフローチャートである。このプログラムが実行されることにより、本発明に係る投影方法が実現されることになる。
【0073】
ステップS1では、制御部39は表示部52を制御して、初期画像を表示する。
【0074】
ステップS2では、制御部39は「Change」キー15h,40hが操作されたか否かを判断し、操作されている場合には切替指示が入力されたとしてステップS3に移行して(操作工程、操作ステップ)、操作されていない場合にはステップS40に移行する。
【0075】
ステップS3では、制御部39は切替前のモードがカーソルモードであるかスクロールモードであるかを判断し、カーソルモードであった場合にはステップS4に移行して、スクロールモードであった場合にはステップS20に移行する。
【0076】
ステップS4では、制御部39はスクロールモードに切り替える。この際、制御部39は、カーソルが位置する画面上の座標を記憶する。
【0077】
ステップS5では、制御部39は表示部52を制御してカーソルK1を非表示にさせるとともに、スクロールポインタK2を表示させる。
【0078】
ステップS6では、制御部39は、移動方向キー(「アップ」キー15k,40k、「ダウン」キー15l,40l、「レフト」キー15m,40m及び「ライト」キー15n,40n)が操作されたか否かを判断し、操作されている場合にはステップS7に移行して、操作されていない場合にはステップS8に移行する。
【0079】
ステップS7では、制御部39は、操作された移動方向に向けて画像がスクロールするように表示部52を制御する(表示工程、表示ステップ)。
【0080】
ステップS8では、制御部39は、ズームキー15b,40bが操作されたか否かを判断し、操作されている場合にはズーム指示が入力されたとしてステップS9に移行して(操作工程)、操作されていない場合にはステップS2に移行する。
【0081】
ステップS9では、制御部39は、ズーム中心を決定する。ここで、ズームキー15b,40bが操作される前に、移動方向キーが操作されていない場合には画面中心をズーム中心として決定し、移動方向キーが操作されていた場合には画面の中心から移動方向キーの操作に対応する方向にずらした位置をズーム中心として決定する。
【0082】
ステップS10では、制御部39はズーム指示がズームインである場合にはステップS11に移行して、ズームアウトである場合にはステップS12に移行する。
【0083】
ステップS11では、制御部39は、ステップS9で決定したズーム中心から画像がズームインされるように表示部52を制御して、ステップS2に移行する。
ステップS12では、制御部39は、ステップS9で決定したズーム中心から画像がズームアウトされるように表示部52を制御して、ステップS2に移行する。
これらステップS11,S12が本発明に係る第2ズーム工程、第2ズームステップである。
【0084】
ステップS20では、制御部39はカーソルモードに切り替える。
【0085】
ステップS21では、制御部39は表示部52を制御してカーソルK1を表示させるとともに、スクロールポインタK2を非表示とする。このとき、制御部39がステップS4で予め画面上の座標を記憶している場合にはその座標上にカーソルK1を表示させて、記憶していない場合には画面中心にカーソルK1を表示させる。
【0086】
ステップS22では、制御部39は、移動方向キー(「アップ」キー15k,40k、「ダウン」キー15l,40l、「レフト」キー15m,40m及び「ライト」キー15n,40n)が操作されたか否かを判断し、操作されている場合にはステップS23に移行して、操作されていない場合にはステップS24に移行する。
【0087】
ステップS23では、制御部39は、操作された移動方向に向けてカーソルK1が移動するように表示部52を制御する(表示工程、表示ステップ)。
【0088】
ステップS24では、制御部39は、ズームキー15b,40bが操作されたか否かを判断し、操作されている場合にはズーム指示が入力されたとしてステップS25に移行して(操作工程、操作ステップ)、操作されていない場合にはステップS2に移行する。
【0089】
ステップS25では、制御部39は、カーソルの現在位置をズーム中心として決定する。
【0090】
ステップS26では、制御部39はズーム指示がズームインであるかズームアウトであるかを判断して、ズームインである場合にはステップS27に移行して、ズームアウトである場合にはステップS28に移行する。
【0091】
ステップS27では、制御部39は、ステップS25で決定したズーム中心から画像がズームインされるように表示部52を制御して、ステップS2に移行する。
ステップS28では、制御部39は、ステップS25で決定したズーム中心から画像がズームアウトされるように表示部52を制御して、ステップS2に移行する。
これらステップS27,S28が本発明に係る第1ズーム工程、第1ズームステップである。
【0092】
ステップS40では、制御部39は、現在のモードがカーソルモードであるかスクロールモードであるかを判断し、カーソルモードである場合にはステップS22に移行して、スクロールモードである場合にはステップS6に移行する。
【0093】
以上のように、本実施形態によれば、カーソルモード時にズームキー15b、40bが操作されるとカーソルK1の現在位置をズーム中心として画像がズームされるとともに、スクロールモード時にズームキー15b,40bが操作されると、画面の中心をズーム中心として画像がズームされるので、カーソルモードやスクロールモードを一度解除しなくとも画像をズームすることが可能となる。これにより、カーソルの移動や、ズーム、スクロールをよりスムーズに実行することができ、画像閲覧時の操作効率が高められることになる。
【0094】
また、スクロールモード時にはカーソルK1が非表示となるとともにスクロールポインタK2が表示されて、カーソルモード時にはカーソルK1が表示されてスクロールポインタK2が非表示となるので、画面上を視認すれば現在のモードを認識することができる。
【0095】
また、カーソルモード時にズームキー15b,40bが操作されると、画像がスクロールしてカーソルの現在位置が画面の中心となってから画像がズームされるので、ズーム後においてもズーム中心が画面の中心に配置することになって、ズーム後の画像を見えやすくすることができる。
【0096】
そして、制御部39は、カーソルモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてスクロールモードに切り替えられた際のカーソルが位置する画面上の座標を記憶し、スクロールモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてカーソルモードに切り替えられると、記憶している座標上にカーソルが表示されるように、表示部を制御するので、従前のカーソルモード時との関連性を印象付けることができる。
【0097】
また、スクロールモード時にズームキー15b,40bが操作された直前に移動方向キーが操作されていた場合には、画面の中心から移動方向キーの操作に対応する方向にずらした位置をズーム中心として画像がズームされるので、スクロール後のズームを見た目上違和感なく実現することが可能となる。
【0098】
ズームキー15b,40bは、ズームイン及びズームアウトの指示が入力可能であるので、画像の拡大、縮小に対してもスムーズに実行することができる。
【0099】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、フロントプロジェクタとしてのプロジェクタ装置を例示して説明しているが、リアプロジェクタに対しても適用可能である。
また、本実施形態では、投影装置としてのプロジェクタ装置を本発明の表示装置として例示しているが、本発明の構成は、PDAや、携帯電話、デジタルカメラなどの画像表示可能な装置に対しても適用可能であることはもちろんである。
【0100】
また、本実施形態では、インジケータ15やリモートコントローラ40の各操作キーが押下式のボタンである場合を例示して説明したが、これらの操作キーは例えばレバー式、スライド式のキーであっても適用可能である。
【0101】
また、制御部39は、カーソルモード時には画面上の画像表示領域以外にカーソルK1が移動しようとすると、当該移動に基づいて画像がスクロールするように、表示部を制御するようにしてもよい。これにより、カーソルK1を移動させることによって画像をスクロールすることが可能となる。
【0102】
さらに、制御部39は、カーソルモード時にズームキー15b,40bが複数回操作されると、各操作毎に画像がズームされるとともに当該ズーム毎に徐々に画像がスクロールしてカーソルK1の現在位置が画面の中心となるように、表示部52を制御するようにしてもよい。これにより、カーソルの現在位置を画面の中心と移動させる際の見た目上違和感を抑制することが可能となる。
【0103】
また、制御部39は、カーソルモード時にズームキー15b,40bが操作されると、画像のスクロール及びカーソルK1の移動を禁止してから画像がズームされるように、表示部を制御してもよい。これにより、制御処理を極力省略化することができ、制御効率を高めることができる。
【0104】
そして、制御部39は、スクロールモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてカーソルモードに切り替えられると、カーソルK1が画面の中心に表示されるように表示部52を制御してもよい。これにより、カーソルモードの切替後においては常に画面の中心にカーソルK1が表示されるためにカーソルの視認性を高めることができる。
【0105】
また、制御部39は、カーソルモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてスクロールモードに切り替えられた際のカーソルが位置する画像上の座標を記憶し、スクロールモード時に「Change」キー15h,40hが操作されてカーソルモードに切り替えられると、記憶している画像上の座標が画面内に収まっているか否かを判断し、収まっている場合には前記座標上に、収まっていない場合には、画面内で前記座標に最も近い座標上に、カーソルが表示されるように表示部を制御してもよい。これにより、切替前のカーソル位置に最も近い座標にカーソルを表示させることが可能となる。
【0106】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形させることが可能である。また、前述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよい。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。