【文献】
STEM CELLS AND DEVELOPMENT,2009年,Vol.18, No.1,pp.161−172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
本出願は、以下の段階を含む、薬物誘導性不整脈のリスクを判定する方法を提供する:
a)心筋細胞を用意する段階;
b)該心筋細胞を薬物と接触させる段階;
c)細胞収縮または電場電位のいずれかをモニタリングすることにより、拍動率の不規則性を検出する段階。
【0022】
本出願は、心筋細胞が、イヌ、サル、ラット、ウサギ、またはヒト起源のものである、上記の方法を提供する。
【0023】
本出願は、心筋細胞がヒト起源のものである、上記の方法を提供する。
【0024】
本出願は、心筋細胞が幹細胞源から産生される、上記の方法を提供する。
【0025】
本出願は、幹細胞源が胚性幹細胞源である、上記の方法を提供する。
【0026】
本出願は、心筋細胞が多能性幹細胞源から産生される、上記の方法を提供する。
【0027】
本出願は、幹細胞源が人工多能性幹細胞源である、上記の方法を提供する。
【0028】
本出願は、不整脈の発生率が、細胞電場電位における変化をモニタリングすることにより検出される、上記の方法を提供する。
【0029】
本出願は、細胞収縮が、インピーダンスを測定することによりモニタリングされる、上記の方法を提供する。
【0030】
本出願は、細胞収縮が、収縮中の心筋細胞の動きを同定可能なデータ捕捉率頻度でインピーダンスを測定することによりモニタリングされる、上記の方法を提供する。
【0031】
本出願は、不整脈の検出が、拍動率リズムの増加、減少、または不規則性をモニタリングすることを含む、上記の方法を提供する。
【0032】
本出願は、拍動率リズムの不規則性がトルサード・ド・ポワントを示す、上記の方法を提供する。
【0033】
本出願は、拍動率リズムの不規則性がQTの延長を示す、上記の方法を提供する。
【0034】
本出願は、拍動率リズムの不規則性が心臓イオンチャンネルの破壊のためである、上記の方法を提供する。
【0035】
本出願は、インピーダンスが約12.9ミリ秒毎のサンプリングレートで測定される、上記の方法を提供する。
【0036】
本出願は、以下の段階をさらに含む、上記の方法を提供する:
d)IB
20を計算する段階。
【0037】
本出願は、0.2に等しいまたはそれ未満のIBRが、不整脈の低リスクを表すために使用される、上記の方法を提供する。
【0038】
本出願は、以下の段階をさらに含む、上記の方法を提供する:
e)結果としてPPSを生じる、C
maxに対するIB
20の比を計算する段階、または結果としてPPSを生じる、C
maxに対するIB
20の比を計算する段階。
【0039】
本出願は、以下の段階をさらに含む、上記の方法を提供する:
e)結果としてPPSを生じる、IB
20に対するC
maxの比を計算する段階。
【0040】
本出願は、100に等しいまたはそれ未満の、C
maxに対するIB
20の比が、不整脈の低リスクを表すために使用される、上記の方法を提供する。
【0041】
本出願は、以下の段階をさらに含む、上記の方法を提供する:
f)段階e)の結果を、公知の不整脈誘導薬物の結果と比較する段階。
【0042】
本出願は、心臓イオンチャンネルがカリウムチャンネルである、上記の方法を提供する。
【0043】
本出願は、カリウムチャンネルがhERGチャンネルである、上記の方法を提供する。
【0044】
本出願は、心臓イオンチャンネルがカルシウムチャンネルである、上記の方法を提供する。
【0045】
本出願は、心臓イオンチャンネルがナトリウムチャンネルである、上記の方法を提供する。
【0046】
本出願は、ハイスループットフォーマットで実施される、薬物誘導性不整脈のリスクを判定する上記の方法を提供する。
【0047】
本出願は、薬物開発状況において分子をスクリーニングするために実施される、薬物誘導性不整脈のリスクを判定する上記の方法を提供する。
【0048】
本明細書において提供される方法は、インビトロの方法であり、すなわち、ヒトまたは動物の身体に対して行われないことが、理解される。
【0049】
拍動する成熟した心筋細胞への多能性幹細胞(PSC)の分化を管理できることにより、インビトロで心臓血管生物学を研究するための新規の道がもたらされる(Trends in Pharmacological Sciences 30: 536-545, 2009)。さらに、ヒトPSCベースの予測的毒性アッセイは、開発過程の初期に将来有望な薬物候補の潜在的安全性の論点を較正することを助け、かつ、薬物誘導性器官毒性の機構への洞察を提供することができ、すべてが一方で、生きている動物の試験に対する依存を減少させ、洗練し、かつ置換する。伝統的なアプローチは、ヒトの応答をわずかに予測し、かつ偽陽性に異議を唱える限定された能力を提供する動物モデルに、大幅に依拠するため、核型が正常なヒトPSC由来の組織を用いることは、前臨床安全性評価の適切性および予測値を増加させ得る(Regul. Toxicol. Pharmacol. 32: 56-67, 2000)。さらに、規定されたヒト対立遺伝子変異を有するPSCのパネルは、様々な薬物応答を呈する患者の亜集団を同定することを助け、臨床治験の設計の成功の鍵となる算入基準および除外基準の最適化を支援すると考えられる。
【0050】
本明細書において記載されるアプローチは、インピーダンスの迅速なサンプリングが可能である互いに組み合わされた電極センサーアレイを有する96ウェル組織培養プレートを使用する。細胞培養におけるインピーダンス測定の以前に刊行された使用は、より緩徐なサンプリングレートに依拠し、かつ一般的に、細胞傷害性または運動性などの一般的な細胞効果を測定することに限定されていた(Nature 366: 591-592, 1993、Biotechnology Journal 3: 484-495, 2008)。サンプリングレートを12.9ミリ秒に増加させることにより、収縮する心筋細胞の物理的な動きを観察することができる。これにより、ヒトiPSC由来の生存心筋細胞のリズム性収縮の、リアルタイムの標識を用いないモニタリングが可能になる。ヒト心筋細胞の機能的収縮の直接の測定は、新規分子実体の催不整脈の可能性のハイスループットインビトロスクリーニングを可能にする。
【0051】
迅速なインピーダンスサンプリングの使用は、自発的な心筋細胞拍動を検出するために適用されたことがないため、本発明者らは、最初に、システムを完全に特徴決定することを試みた。処置されていないiPSC-CMの拍動率は、MEAおよびインピーダンスの両方により測定された際、個々のウェルおよびプレートにわたり、一貫して、1分間当たり平均約40の拍動(BMP)であった。迅速なインピーダンス読み取り値が、電気的変化とは対照的に細胞の物理的収縮を反映することを確証するために、ミオシンII阻害剤であるブレビスタチン(blebbistatin)の効果を検討した。ブレビスタチンでの処置後に、インピーダンスを用いて心筋細胞拍動は観察されなかったが、MEAにより検出される心筋細胞の電気生理は変化しないままであり、インピーダンスが、収縮中の心筋細胞の物理的な動きを実際に直接測定しており、かつ、電位依存的な心臓の活動電位の電場に関連した人工産物を測定していないことを確認した。
【0052】
次に、本発明者らは、様々なクラスの心臓作用性薬物の効果を系統的に検討することを試みた(表I〜II)。
【0053】
IBRは、「不規則拍動比」を意味し、1分間での全拍動で割った不規則拍動の数(=不規則拍動/全拍動)として計算される。IBRは、0〜1(または、単位として%を使用する場合は0〜100%)の間の値となる。IB
20は、0.2以上のIBR値(1分間での20%以上の不規則拍動)を生じる最低濃度に相当する。本出願において、PPSは、以下の2種の異なる方法により計算される。
【0054】
1)C
max/IB
20、すなわちIB
20に対するC
maxの比であり、懸念すべきレベルとしてのカットオフは>100である(表I)。
【0056】
2)IB
20/C
max、すなわちC
maxに対するIB
20の比であり、懸念すべきレベルとして<10のカットオフを有する(表II)。
【0058】
計算の第二の方法(IB
20/C
max)は、安全性評価の分野で一般的に使用され、「安全域」と呼ばれ、診療所における治療有効性の濃度に対して安全性の懸念をもたらす濃度がどれほど近接しているかを示す。安全域が広いほど、薬物毒性についてのリスクはより低い。逆に、第一の比(C
max/IB
20)を使用して、PPS値が大きいほど、薬物毒性についてのリスクはより高い。
【0059】
フグ毒から単離された純粋なNa
+チャンネル遮断薬であるテトロドトキシン、およびペースマーカー電流(I
f)の遮断薬であるZD7288は、両方とも、予測されたように拍動率における減少を呈した。β-アドレナリン作動性受容体のアゴニストであるイソプロテレノールは、インピーダンスの拍動率および振幅の両方、ならびにMEAにおける拍動率を増加させた。K
+/Na
+-ATPアーゼを遮断して細胞内Na
+およびCa
2+を上昇させる陽性変力剤であるウアバインは、MEAおよびインピーダンスの測定値両方の振幅を増加させた。L型Ca
2+チャンネルの特異的遮断薬であるニフェジピンでの処置は、拍動率の増加と連結された、インピーダンスにおける各拍動の振幅およびMEAにおけるCa
2+ピークの振幅の期待された減少を、結果として生じた。陰性対照として、インビボで心臓血管性副作用を有さない、アスピリン、アモキシシリン、およびカプトプリルなどの化合物は、ヒトiPSC-CM内の拍動パターンにおいていかなる変化も示さなかった。まとめると、これらの結果は、iPSC-CMの迅速なインピーダンス測定が、受容体/輸送体調節およびイオンチャンネル阻害についての適切なかつ期待された応答を検出できることを実証する。
【0060】
hERG阻害剤であるE4031での処置後に、後脱分極および不整脈に似ている、拍動率の用量依存性の減少、ならびに一定しないインピーダンス変化の実例が観察された(
図1)。心室性不整拍動は、早期後脱分極(EAD、不活性化されたL型Ca
2+チャンネルの再活性化により媒介される)または遅延後脱分極(DAD、増加したNa
+/Ca
2+交換電流により媒介される)のいずれかを通して、心筋細胞における変化したCa
2+循環により開始されると考えられるため、本発明者らは、Ca
2+輸送の変化が、真性薬物誘導性不整脈を救助するであろうと仮定した。E4031誘導性不整脈の機構的特性を確認するために、Ca
2+チャンネル阻害剤であるニフェジピンでの同時投与実験を実施した。MEAおよびインピーダンスの両方により観察される、ニフェジピンがE4031誘導性不整脈を救助できるという観察は、一定しないインピーダンス痕跡が真性薬物誘導性の後脱分極型不整脈を反映することを示唆する。iPSC-CMがインビトロで不整脈を概括する能力を確認するために、シサプリド、エリスロマイシン、フレカイニド、ウアバイン、キニジン、ソタロール、およびチオリダジンを含む、TdPと臨床的に関連する広範なパネルの化合物を検討した。各化合物について用量および時間依存性の様式で、不規則な拍動パターンが観察された。比較すると、ウアバインにより引き起こされる不整拍動は、拍動および振幅の不規則性を欠如し、その代わりに心室細動様の不整な「線維束性攣縮」を誘導した。TdP誘導のために市場から回収されたテルフェナジンは、複数の心臓イオンチャンネル(hERG、Na
+およびCa
2+)を遮断するが、QT延長のインビトロでの検出は捉えられにくい。テルフェナジンのhERG阻害は、実質的にそのトルサード・ド・ポワントを誘導する(torsadogenic)傾向に貢献する可能性が高いが、電気生理学的効果は、Ca
2+およびNa
+チャンネル阻害により遮蔽され、かつしたがって、短期電気生理モデルにおいては容易に明らかではない。不整脈効果は、長時間にわたる薬物処置(12時間より長い)の後にのみ観察された。別の複数イオンチャンネル遮断薬であるチオリダジンもまた、不整脈を観察するためにより長期の処置を必要とする。注目すべきことに、MEA実験の短い持続時間のために、チオリダジンの催不整脈応答は、MEA装置を用いて以前には実証されておらず、不整脈リスクのより長い持続時間の評価の重要性を強調する。さらに、非ヒト霊長類においてTdPを引き起こした内部の後期化合物を、MEAおよびインピーダンスにより検討した。この化合物は、E4031と同様に、iPSC-CMにおいて不整脈の用量および時間依存性の発症を引き起こした。誘導された不整脈はまた、ニフェジピン処置により逆転され、これらのインビトロの観察を真性不整脈として再び支持した。陰性対照として、インビボで心臓血管性副作用を有さない、アモキシシリン、アスピリン、およびカプトプリルなどの化合物は、ヒトiPSC-CMにおいて、いかなる拍動パターンにおける変化または不整拍動も示さなかった。
【0061】
単離物においてhERGを阻害するが、臨床的にTdPを誘導しない化合物を識別する能力を、ベラパミルおよびアルフゾシンなどの化合物を用いて検討した。これらの化合物は、QT延長を含むが、TdPを含まない、臨床経験に類似したインビトロの結果を呈した。しかしながら、アルフゾシンは、インビボで使用されるよりも実質的に高い濃度で、他のhERG遮断薬のものに類似した、拍動率の減少および不整拍動の出現を引き起こした。したがって、ヒトiPSC-CMの迅速なインピーダンス測定は、基本的なhERG親和性を超える、TdP予測の実質的な改善を提供し、かつ、パイプラインにおいて非常に初期にインビトロでヒト関連TdPを発見するための新規のパラダイムを提供する。
【0062】
品質管理されている市販のヒトiPSC-CMを用いて、本明細書において記載されるハイスループットシステムによって不整脈を検出する能力は、インビトロでヒト心臓血管生物学を研究するための新たな機会を切り開き得る。しかしながら、そのようなシステムが、バイオテクノロジーおよび製薬産業の薬物発見パイプライン内で最大の有用性を達成する場合には、心臓不整脈を引き起こす予測リスクにより新たな薬物候補をランク付けするために使用され得る、定量的データを提供できなければならない。したがって、薬物誘導性不整脈のインピーダンス測定が、催不整脈リスクの定量的測定値を提供し得るか否かを判定する最初の努力として、本発明者らは、「予測催不整脈スコア」(PPS)を計算する方法を考案した。第一に、1分間での20%を上回る不整拍動を結果として生じる薬物の最低濃度(IB
20)を測定した。この閾値を、感度および特異性を最適化するために経験的に選択した。次に、IB
20を、薬物の臨床的有効最大血漿中濃度C
maxについて公表された値で割り、PPSを得た。したがって、PPSは、薬物の有効な曝露に対してインピーダンスで検出される不整脈を定量化する試みである。PPSは、表IにおけるようにIB
20/C
maxにより計算することができる。この計算値を用いると、PPS<10が、誘導性不整脈のリスクについて懸念すべきレベルを示すと考えられる。
【0063】
あるいは、PPSは、不規則拍動比(IBR)をC
maxで割ることにより計算され得る。この比を用いて、かつ臨床的なTdP発生率および本発明者らのデータに基づいて、PPS>100が、催不整脈について懸念すべき閾値として経験的に選択された。フレカイニド、ウアバイン、テルフェナジン、アコニチン、およびキニジンのような心臓作用性化合物は、有効濃度より低い濃度で不整脈を示し、かつしたがって高いPPSを生じる。高いPPSを有する他の化合物はすべて、有効な曝露の5倍以内の濃度でTdPと関連し、および/または不整脈を誘導した。低リスクの化合物は、低いPPS(<100)を有する。これらは、QT延長およびTdP傾向を有さない化合物(アモキシシリン、アスピリン、カプトプリル、ニフェジピン、ロフェコキシブ、ベラパミル)、QT持続時間を延長するがTdPは無い化合物(アルフゾシンおよびラノラジン)、またはTdPの非常に低いリスクと関連する化合物(フルオキセチンおよびアミオダロン、Cardiovascular Research 58: 32-45, 2003.)を含む。本明細書において記載されるモデルシステムは、hERGスクリーニングおよびQT延長のいずれかと比較した際に、改善された正確性、とりわけ偽陽性の欠如を実証する。具体的には、ラノラジン、ベラパミル、およびモキシフロキサシンは、hERGを阻害し、かつ、アルフゾシン、ラノラジン、およびモキシフロキサシンは、QT延長を誘導するが、本発明者らのモデルまたはヒトにおいて、トルサード・ド・ポワントを誘導しない。したがって、公知の心臓作用性化合物の催不整脈発生率およびリスクを定量化(効果対有効性に基づく)することにより、潜在的な臨床効果を予測するための手段が明らかになる。微小電極バイオセンシングおよびヒトiPSC-CMにおける進歩した技術を共に組み合わせることにより、心臓機能に対する薬物候補の効果をハイスループットで評価するための、およびヒト心臓血管生物学の研究のための、独自の機会が生み出される。高速サンプリングレートのインピーダンス解析は、心筋層の心臓収縮および弛緩をiPSC-CMが概括することを明らかにし、かつ、公知の心臓作用性薬物の期待される効果を確認する。催不整脈性薬物は、臨床的有効曝露に関連した濃度で、頑健にかつ再現性良く不整脈のインピーダンスフィンガープリントを誘導した。TdPおよび他の重症不整脈を誘導しない薬物は、化合物がhERGを阻害するかまたはインビボでQTを延長するかにかかわらず、その最大臨床曝露の10倍までいかなる不整脈も誘発せず、代用としてhERG阻害またはQT延長を使用する現在の戦略と比較して、薬物候補の催不整脈リスクを予測するためのヒトiPSC-CMの増加した正確性を実証した。ヒトiPSC-CMにおける不整脈変化についての薬物候補のスクリーニングは、心臓安全性評価の完全なプロファイリングを促進すると考えられ、かつ、心臓安全性評定:催不整脈性検出の主要な焦点を改善すると考えられる。
【0064】
定義
本明細書において使用される「一つの(a)」または「一つの(an)」実体という句は、一つまたは複数のその実体を指し;例えば、一つの化合物とは、一つもしくは複数の化合物、または少なくとも一つの化合物を指す。そのように、「一つの」、「一つまたは複数の」、および「少なくとも一つの」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。
【0065】
本明細書において使用される際、移行句においてであろうと、または添付の特許請求の範囲の本文においてであろうと、「含む(comprise)」および「含んでいる(comprising)」という用語は、非限定の意味を有するように解釈されるべきである。すなわち、用語は、「少なくとも有する」または「少なくとも含む」という句と同義と解釈されるべきである。過程の文脈において使用される時、「含む」という用語は、過程が、少なくとも列挙された段階を含むが、追加的な段階を含んでもよいことを意味する。化合物または組成物の文脈において使用される時、「含む」という用語は、化合物または組成物が、少なくとも列挙された特徴または成分を含むが、追加的な特徴または成分もまた含んでもよいことを意味する。
【0066】
本明細書において使用される際、別途具体的に示されない限り、「または」という単語は、「および/または」の「包含的」意味で使用され、「いずれか/または」の「排他的」意味では使用されない。
【0067】
本明細書において使用される「任意の」または「任意で」という用語は、続いて記載される事象または状況が起きてもよいが起きる必要はないこと、ならびに、記載が事象または状況が起きる場合および起きない場合を含むことを意味する。
【0068】
「約」という用語は、およそ、ほぼ、大まかに、または、辺りを意味するように本明細書において使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用される時、これは、示される数値の上下の境界を拡張することにより、その範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、示された値の上下の数値を20%の変動まで変更するように本明細書において使用される。
【0069】
本明細書において使用される「不整脈」という用語は、一般的に、心臓を速すぎるようにまたは遅すぎるように拍動させる心臓中の異常な電気活性が存在し、心拍が規則性または不規則性であり得る状態を指す。いくつかの不整脈は、生命を脅かし、かつ、心停止および突然死を結果として生じ得るが、他の不整脈は、軽症であり、かつ、正常亜型(normal variant)とみなされ得る。不整脈は、比率により、例えば、正常、頻脈(100拍動/分より多い)、および徐脈(60拍動/分より少ない)に、または、機構により、例えば、自動性、リエントリー、および細動に分類され得る。心室性不整拍動は、早期後脱分極(EAD、不活性化されたL型Ca
2+チャンネルの再活性化により媒介される)または遅延後脱分極(DAD、増加したNa
+/Ca
2+交換電流により媒介される)のいずれかを通して、心筋細胞における変化したCa
2+循環により開始されると考えられる。
【0070】
本明細書において使用される「催不整脈」という用語は、既存の不整脈の新たなまたはより頻繁な発生を指し、抗不整脈治療により促進される。すなわち、例えば、強心配糖体での抗不整脈治療の副作用であり得る。
【0071】
本明細書において使用される「薬物誘導性不整脈」という用語は、薬物もしくは投薬により引き起こされるか、誘導されるか、もしくは促進される不整脈、または、薬物もしくは投薬により引き起こされるか、誘導されるか、もしくは促進されると確信される不整脈を意味する。
【0072】
本明細書において使用される「心筋細胞」という用語は、心臓の一つまたは複数の筋肉細胞を広く指す。心筋細胞という用語は、心臓の平滑筋細胞、ならびに、横紋筋細胞、および心臓の自発的に拍動する筋肉細胞もまた含む、心臓筋肉細胞を含む。
【0073】
「電場電位」という用語は、収縮および弛緩周期中に一群の心筋細胞の「膜電位」の変化から生じる電極のペア間の電位差の測定値を意味する。「膜電位」は、時々、細胞電位と互換的に使用されるが、任意の脂質二重層または膜に適用可能である。膜電位(膜内外電位、または膜内外電位差、または膜内外電位勾配とも呼ばれる)は、細胞の原形質膜を横切る電気的電位差(電圧により測定される)である。膜電位は、細胞内部に生存に適したイオン濃度を維持する、膜に埋め込まれたイオン輸送体の作用から生じる。細胞の典型的な膜電位は、細胞の膜を横切って、細胞内の不動の陰イオンからナトリウムイオンが分離することにより生じる。この分離は、ポンプまた輸送体によるカリウムイオンの濃度勾配に起因する。電荷分離のために膜を横切る電位が存在するが、膜を横切って陽イオンおよび陰イオンの全体的な濃度に、実際に測定可能な差は無い。したがって、いずれの側にも測定可能な電荷過剰は無い。細胞膜は、典型的に、カリウムイオン、塩化物イオン、重炭酸イオン、および他のものを含むがそれらに限定されない、イオン種のサブセットのみを透過可能である。
【0074】
本明細書において使用される「多能性幹細胞」という用語は、3種の系統または胚葉(すなわち、内胚葉、外胚葉、および中胚葉)のすべての細胞型に分化する細胞の能力を意味し、かつ含む。多分化能という用語は、当技術分野において理解される意味を有し、かつ、複数の細胞型に分化する細胞の能力を含む。多分化能細胞は、分化する能力において多能性細胞よりも制限されている可能性があることもまた、理解される。本明細書において使用される「iSC」という用語は、iPSC、または人工多分化能幹細胞(iMSC)を指す。時には、「iPS」または「iPS細胞」という用語が、「iPSC」の代わりに使用されてもよく;同様に、時には、「iMS」または「iMS細胞」という用語が、「iMSC」の代わりに使用されてもよい。iPSCに適用可能な本明細書において記載される方法および組成物はまた、人工幹細胞(iSC)およびiMSCにも適用可能である。
【0075】
「インピーダンス」という用語は、抵抗性および反応性成分の一つまたは両方を含み得る、任意の、収集され、測定され、および/または決定された値を示すように、広い意味で使用される。インピーダンスデータは、インピーダンスを決定するために使用され得る電気的パラメータ値(電流および/または電圧値など)を含んでもよい。
【0076】
本明細書において使用される「MEA」という用語は、多電極アレイまたは微小電極アレイを意味し、電場電位を測定するために、および、細胞の相同なかつ電気的に結合された集団を検討する時に、インビボの心電図を模倣するために使用され得る。MEAは、幹細胞由来心筋細胞の活動電位の一般特性を評価するために以前に使用されており、電気生理学的変化が、不整脈の代用測定値として使用され得る。
【0077】
本明細書において使用される「TdP」という用語は、トルサード・ド・ポワントを指す。
【0078】
本明細書において使用される「QT間隔」という用語は、心臓の電気周期におけるQ波の開始とT波の終了との間の時間の測定値を指す。したがって、QT間隔は、心拍に依存する(心拍が速ければ速いほど、QT間隔は短い)。異常に延長されるかまたは短縮されると、心室性不整脈を発症するリスクがある。QT間隔延長は、イオンチャンネルの破壊を測定するアッセイを利用して測定されてもよい。そのような型のアッセイの一例は、hERGチャンネルアッセイである。hERGチャンネルアッセイは、QT間隔延長の表れと関連するように本明細書において記載され、かつ、そのようなアッセイはまた、K
(+)チャンネル遮断の主要な指標である。hERG(「ヒトEther-a-go-go関連遺伝子」を意味する)は、心臓の活動電位においてl[laquo]
(r)電流を再分極することを担うカリウムイオンチャンネルをコードする。このチャンネルは、薬物結合に感受性であり、減少したチャンネル機能、およびいわゆる後天性QT延長症候群を結果として生じ得る。有害な心臓効果について他の潜在的な標的が存在するが、後天性QT延長と関連する薬物の大多数は、hERGカリウムチャンネルと相互作用することが公知である。この現象の主な理由の一つは、hERGチャンネルのより大きな内部前庭であり、したがって、多くの異なる薬物クラスがこのカリウムチャンネルに結合しかつ遮断するより多くの余地を提供する。
【0079】
本明細書において使用される、「臨床的有効濃度」または「C
max」という用語は、診療所において治療有効性を達成するための血漿中濃度を意味する。C
max、治療的最大血漿中濃度。
【0080】
本明細書において使用される「IBR」または「不規則拍動比」という用語は、不規則または不整な拍動の発生率を意味し、1分間における不規則拍動/全拍動の数として計算される。IBRは、0〜1(または、単位として%を使用する場合は0〜100%)の間の値となる。0.2以上のIBRである化合物の濃度を測定した(IB
20)。IB
20は、0.2以上のIBR値(1分間での20%以上の不規則拍動)を生じる最低濃度に相当する。この閾値を、感度および特異性を最適化するために経験的に選択した。有効性についての推定値が、最大臨床的有効濃度(C
max)である。本出願において、予測催不整脈スコア(PPS)は、以下の2種の異なる方法により計算される:1)全体的な催不整脈リスクを、C
maxをIB
20で割ることにより計算し、不整脈の観察される発生率に対するヒトインビボの曝露の比を与え、懸念すべきレベルとして使用される>100のカットオフを有する、PPSを生じた(表I)、および2)全体的な催不整脈リスクを、IB
20をC
maxで割ることにより計算し、ヒトインビボの曝露に対する不整脈の観察される発生率の比を与え、懸念すべきレベルとして使用される<10のカットオフを有する、PPSを生じた(表II)。C
max/IB
20を用いると、臨床的TdP発生率に基づき、PPS>100を有する化合物は、有意なインビボリスクの徴候であるはずである。例えば、ウアバインおよびキニジンのような心臓作用性化合物は、有効濃度より低い濃度で不整拍動を示し、かつしたがって、高いPPSを有する。計算の第二の方法(IB
20/C
max)は、安全性評価の分野で一般的に使用され、「安全域」と呼ばれ、診療所における治療有効性の濃度に対して安全性の懸念をもたらす濃度がどれほど近接しているかを示す。安全域が広いほど、薬物毒性についてのリスクはより低い。逆に、第一の方法(C
max/IB
20)を用いると、PPS値が大きいほど、薬物毒性についてのリスクはより高い。
【0081】
本明細書において使用される「ハイスループット」という用語は、複数試料の容易なスクリーニングを同時に可能にし、かつロボット操作の能力を可能にするアッセイ設計を意味する。ハイスループットアッセイの別の望ましい特徴は、望ましい解析を達成するための試薬使用量を減少させるか、または操作の回数を最小化するように最適化されるアッセイ設計である。アッセイフォーマットの例は、96ウェルまたは384ウェルプレートを含む。プラスチック鋳型および液体取扱い装置の小型化が進歩しているため、または改善されたアッセイ装置が設計されているために、より多数の試料が本発明の設計を用いて実施され得ることが、当技術分野において周知である。一つの態様において、96または386ウェルプレートなどの多数のウェルを含有するマイクロタイタープレート中で、細胞を培養し、かつ解析する。
【0082】
本明細書において使用される「薬物発見状況」という用語は、本明細書において記載される方法を使用する目的が薬学的に許容される薬物を同定するためである、任意の状況を意味する。例えば、本明細書において記載される方法が、薬物誘導性不整脈の発生率により測定されるような心毒性を誘導する低いリスクを有する、可能性のある薬物分子を同定するために使用される、任意の状況である。
【0083】
本明細書において使用される技術用語および科学用語は、別途定義されない限り、本発明が属する技術分野における当業者により一般的に理解される意味を有する。当業者に公知である種々の方法論および材料について、本明細書において参照がなされる。薬理学の一般原理を示す標準的な参照著作物は、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10
th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)を含む。当業者に公知である任意の適当な材料および/または方法が、本発明を行う際に利用され得る。しかしながら、好ましい材料および方法が記載される。以下の説明および実施例において参照がなされる材料、試薬などは、別途言及されない限り、商業的供給源から取得可能である。
【実施例】
【0084】
方法
化学物質
インビトロの試薬は、Sigma Chemical Co.(St Louis MO)から購入した。
【0085】
方法
細胞培養
Cellular Dynamics International(CDI)のhiPSC由来心筋細胞(iCell)を、プレーティング培地(CDI)において融解し、単一細胞として、0.1%ゼラチン(Sigma)でコーティングした6ウェル組織培養プレート(Corning)上に、ウェル当たり2.2〜2.7×10
6細胞の密度でプレーティングした。xCELLigence(登録商標)96ウェルcardio e-plate(ACEA/Roche Applied Sciences)または微小電極アレイ(MEA, Multichannel Systems)上に再プレーティングする前に、細胞を3〜5日間、37℃、7%CO
2で培養した。細胞への温度ショックを最小化するために37℃に余熱した維持培地(CDI)を用いて、プレーティング後2日毎に、培地を交換した。
【0086】
概説
新たなRTCA cardioシステムは、より長い時間枠にわたって細胞実験のモニタリングを可能にし、かつ、並行して細胞の収縮(拍動)を測定する。各測定時点で、細胞インデックスならびに基となる収縮の頻度および振幅が測定される。
【0087】
システム
xCELLigence(登録商標)RTCA Cardioステーションは、7%CO2に設定されたインキュベーター中に設置される。インキュベーターは、顧客の現場で利用可能である。以下のコンポーネントが試験される。
【0088】
xCELLigence(登録商標)cardio e-plateおよびMEAの再プレーティング
6ウェルプレートにおいて培養したiCellを、dPBS(GIBCO)中で2回洗浄し、その後、37℃、7%CO
2でインキュベーションしながら0.5%トリプシン-EDTA(GIBCO)で剥離させることによって採取した。トリプシンを維持培地で失活させ、細胞を集めて69gで5分間遠心分離し、目標密度を生じるように維持培地中に再懸濁した。cardio e-plateの再播種のために、80%の播種効率と見積もってウェル当たり5×10
4の目標密度で、細胞をプレーティングした。cardio e-plateは、0.1%ゼラチンで3時間、37℃でコーティングした。細胞を再播種する直前に、cardio e-plateについてのバックグラウンドインピーダンスの測定を、37℃に平衡化されているが細胞を含まない最終容積の培地で行った。実験を開始する前に、細胞を、xCELLigence(登録商標)RTCA cardioシステムによりその最大サンプリングレート(77 Hz)で、1時間毎に20秒の掃引持続時間によりモニタリングした。
【0089】
MEAは、製造業者の指針に従って調製した。簡潔には、6ウェルMEAディッシュ中の微小電極を、1:20で希釈した2μLフィブロネクチン(Sigma)でコーティングし、37℃で3時間インキュベーションした。各ウェルを維持培地で満たす前に、細胞を、微小電極への2μLの送達物中に3×10
4細胞の目標密度で再播種し、37℃、7%CO2で3時間インキュベーションした。cardio e-plateおよびMEAの培地を、37℃に余熱した維持培地を用いて、その後2日毎に交換した。cardio e-plateまたはMEAの実験を行う前に、細胞を3〜7日間培養した。
【0090】
xCELLigence(登録商標)およびMEA実験
化合物ストックを、DMSOまたはdH
2Oにおいて最高試験濃度の1000倍で調製した。xCELLigence(登録商標)実験のために、化合物ストックを、維持培地において別々の96ウェル組織培養プレート(Corning)中で目標濃度の2倍に、連続的に希釈した。細胞曝露の前に、希釈プレートをインキュベーションし、37℃に平衡化した。存在する培地容積の半分をcardio e-plateから除去し、それぞれ2倍高い化合物濃度の等容積と置換して、それぞれのウェルにおいて最終目標濃度を生じた。すべての化合物を、複数のcardio e-plate上でn≧3として試験した。xCELLigence(登録商標)は、77 Hzでの周期的な20秒の掃引持続時間について拍動の変化をモニタリングした。
【0091】
MEA実験のために、化合物ストックを、維持培地においてエッペンドルフチューブ中で目標濃度の20倍に、連続的に希釈した。xCELLigence(登録商標)実験のための培地置換と一致するように、実験の直前に、MEAのウェルの、各ウェルにおける容積の半分を、新鮮な温かい維持培地で置換した。化合物曝露の前に、MEAに、MEAレコーダーシステム(Multichannel Systems)内で15分間の平衡化期間を与えた。温度を37℃に維持し、95%O
2、5%CO
2の一定の気流をMEAの上にかん流させた。化合物の添加を、連続的に増加する添加において行い、各濃度で15分間記録した。すべての化合物を、n≧4ウェルとして試験した。各6ウェルMEAは、時間を一致させた媒体(DMSOまたはdH
2O)対照として少なくとも1個のウェルを有した。
【0092】
データ解析
データを最初に、xCELLigence(登録商標)およびMEAシステムの内蔵解析モジュールにより解析し、最初の結果を次に、さらなる半自動解析のために社内で開発されたMicrosoft Excelテンプレートにエクスポートした。xCELLigence(登録商標)およびMEA記録の両方において、大きく減少した振幅を伴い、かつ予想される規則的な収縮/拍動の前に早発に起きるものとして、不整収縮/拍動を定義した。本発明者らは、「予測催不整脈スコア」(PPS)を計算するために、最初に「不規則拍動比」(IBR)を決定した。IBRは、1分間での拍動の総数に対する不整拍動数の比として定義された。各選択された時点での各濃度についてのIBR値を、3〜5枚のe-plateから平均化した。0.2以上のIBR値を生じた薬物の最低濃度を測定し、「IB
20」と呼んだ。最後に、治療的最大血漿中濃度(C
max)をIB
20で割り、PPSを得た。PPS>100が、薬物誘導性不整脈について懸念すべきレベルである。
【0093】
IBR以外のパラメータにおける、処置に関連した変化を評価するために、処置後の測定値を、ベースライン(薬物前)レベルに正規化し、時間を一致させた媒体対照群から得られたものと比較した。データを平均値±S.E.として表現し、差の統計学的有意性を、二標本スチューデントt検定(Excel 2003 SP3)を用いて、同等の分散を想定し、p値<0.05で解析した。
【0094】
プロトコールおよび性能基準
プロトコール:
1. iCellを、プレーティング培地において6ウェルプレート上に付着させる。
2. 最初の培地交換を、付着の48時間後に行い、細胞をiCell維持培地で満たす。
3. 細胞を分離し、フィブロネクチンでコーティングしたe-plate上に50K細胞/ウェルでプレーティングする。細胞を、1測定/時間の測定率で3日間までモニタリングする。その後、細胞を洗浄し、再び、1測定/時間の測定率で2〜3日間モニタリングする。
4. 播種の24時間後またはそれより後に、安定な拍動がすべてのウェルで達して初めて、化合物を三連でウェルに適用する。
5. インピーダンス測定を、実験全体を通して30秒の測定間隔で、細胞播種の完了時に開始する。化合物添加後の測定率は、処置後最初の1時間は60測定/時間であり、処置後2時間および3時間は12測定/時間であり、その後24時間は2測定/時間である。処置後24〜72時間のモニタリングについては、測定率は1/時間である。
6. 化合物適用後、収縮および生存率を、72時間までモニタリングする。選択された例において、化合物をより長い期間にわたって研究してもよい。
【0095】
cardio-plateレイアウト:
ゼラチン上のiCell心筋細胞
1.1:濃度1における化合物1
2.1:濃度2における化合物2
x.y:濃度yにおける化合物x
D:DMSO
S:溶媒
N:陰性対照
【0096】
参照方法/機器:
RTCA Cardio実験に使用した化合物を、微小電極アレイ(MEA)でスクリーニングし、細胞傷害性について基準としてATPを用いてスクリーニングした。
【0097】
前述の発明が、明瞭さおよび理解の目的で、例証および実施例を介していくらか詳細に説明されてきた。添付の特許請求の範囲内で変化および変更が実施されてもよいことが、当業者に明白であろう。したがって、上記の説明は、例証となるように意図され、限定するようには意図されないことが、理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明に関して決定されるべきではないが、代わりに、添付の特許請求の範囲に関して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の完全な範囲と共に、決定されるべきである。
【0098】
本出願において引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、あたかも各個々の特許、特許出願、または刊行物がそのように個々に示されるのと同じ程度で、すべての目的で全体として参照により本明細書に組み入れられる。