(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アパーチャのアレイの前記湾曲した上面は、荷電粒子源に向かって前記上面の上方に突出している高くなったドーム形状領域を形成している請求項5又は6のアパーチャアレイ要素。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は、単に例によって、図面を参照して与えられる、本発明のさまざまな実施の形態の説明である。図面は、スケール合わせして描かれておらず、単に例示することを意図している。
【0016】
図1は、荷電粒子マルチ小ビームリソグラフィシステム1の一実施の形態の簡略化された概略図である。このようなリソグラフィシステムは、例えば、本出願の出願人に譲渡された米国特許第6,897,458号、米国特許第6,958,804号、米国特許第7,084,414号並びに米国特許第7,129,502号に開示されており、これらの内容全体が参照としてここに組み込まれる。
【0017】
このようなリソグラフィシステム1は、適切には、複数の小ビームを発生させる小ビームジェネレータと、変調された小ビームを形成するようにこれら小ビームをパターニングする小ビームモジュレータと、ターゲットの表面上に変調された小ビームを投影する小ビームプロジェクタとを有する。小ビームジェネレータは、代表的には、発生源と、少なくとも1つのビームスプリッタとを有する。
図1の発生源は、ほぼ均質な、拡大する電子ビーム4を生成するように配置された電子源3である。電子ビーム4のビームエネルギは、好ましくは、約1ないし10keVの範囲で比較的低く維持される。これを達成するために、加速電圧は、好ましくは、低く、電子源3は、接地電位でターゲットに対して約−1〜−10kVの電圧で保たれることができるが、他の設定もまた使用されることができる。
【0018】
図1では、電子源3からの電子ビーム4は、電子ビーム4をコリメートするように、コリメータレンズ5を通過する。コリメータレンズ5は、コリメータ光学系のタイプであることができる。コリメーションの前に、電子ビーム4は、2つのオクタポール(図示されない)を通過することができる。続いて、電子ビーム4が、ビームスプリッタに、
図1の実施の形態では、第1のアパーチャアレイ6に衝突する(が、アレイ6の前に他のアパーチャアレイがあってもよい)。第1のアパーチャアレイ6は、好ましくは、貫通孔を備えたプレートを有する。アパーチャアレイ6は、ビーム4の一部を遮断するように配置されている。さらに、アレイ6は、複数の平行な電子小ビーム7を生成するように、複数の小ビーム7を通過させる。
【0019】
図1のリソグラフィシステム1は、多くの小ビーム7を、好ましくは約10,000ないし1,000,000の小ビームを発生させるが、もちろん、これ以上又はこれ以下の小ビームが発生されることも可能である。また、コリメートされた小ビームを発生させるために他の既知の方法が使用されてもよいことに注意する。第2のアパーチャアレイは、電子ビーム4から複数のサブビームを生成して、これらサブビームから電子小ビーム7を生成するように、システムに追加されることができる。これは、さらなる下流側でのサブビームの操作を可能にし、システムの動作にとって、特に、システム中の小ビームの数が5,000以上であるとき、有益であることがわかっている。
【0020】
モジュレーションシステム8として
図1に示される小ビームモジュレータは、代表的には、複数のブランカの構成を有する小ビームブランカアレイ9と、小ビーム停止アレイ10とを有する。これらブランカは、電子小ビーム7の少なくとも1つを偏向することが可能である。本発明のいくつかの実施の形態では、これらブランカは、特に、第1の電極と、第2の電極と、アパーチャとが設けられた静電デフレクタである。そして、これら電極は、アパーチャを横切る電場を発生させるために、アパーチャの対向側に位置されている。一般的に、第2の電極は、接地電極、即ち、接地電位に接続された電極である。
【0021】
ブランカアレイ9の平面内に電子小ビーム7を集束させるために、リソグラフィシステムは、コンデンサレンズアレイ(図示されない)をさらに有することができる。
【0022】
図1の実施の形態では、小ビーム停止アレイ10は、小ビームを通過させるアパーチャアレイを有する。小ビーム停止アレイ10は、その基本形態において、貫通孔が設けられた基板を有し、貫通孔は、代表的には円形の孔であるが、他の形状もまた使用されることができる。いくつかの実施の形態では、小ビーム停止アレイ10の基板は、規則的に離間された貫通孔のアレイを備えたシリコンウェーハにより形成されており、表面の帯電を防ぐために金属の表層で覆われていることができる。さらなるいくつかの実施の形態では、金属は、CrMoのような、自然酸化膜を形成しないタイプである。
【0023】
小ビームブランカアレイ9及び小ビーム停止アレイ10は、協働して小ビーム7を遮断する又は通過させるように動作する。いくつかの実施の形態では、小ビーム停止アレイ10のアパーチャは、小ビームブランカアレイ9の静電デフレクタのアパーチャとアライメントされている。小ビームブランカアレイ9が小ビームを偏向したならば、偏向されたビームは小ビーム停止アレイ10の対応するアパーチャを通過しない。代わって、小ビームは、小ビームブロックアレイ10の基板によって遮断される。小ビームブランカアレイ9が小ビームを偏向しなければ、小ビームは、小ビーム停止アレイ10の対応するアパーチャを通過する。いくつかの代わりの実施の形態では、小ビームブランカアレイ9と小ビーム停止アレイ10との間の協働は、ブランカアレイ9のデフレクタによる小ビームの偏向が、小ビーム停止アレイ10の対応するアパーチャを小ビームが通過するようにし、一方、非偏向は、小ビーム停止アレイ10の基板による遮断をもたらす。
【0024】
モジュレーションシステム8は、制御ユニット60によって与えられる入力の基礎に基づいて小ビーム7にパターンを追加するように構成されている。制御ユニット60は、データ記憶ユニット61と、読み出しユニット62と、データ変換部63とを有することができる。制御ユニット60は、システムの残りの部分から離れて、例えば、クリーンルームの内部の外に位置されることができる。パターンデータを保持している変調された光束14は、光ファイバ64を使用してプロジェクタに伝達されることができ、プロジェクタは、ファイバアレイ(プレート15として概略的に図示される)内のファイバの端部からの光を、破線の箱により概略的に示され参照符号18が付された、リソグラフィシステム1の電子光学部分に投影する。
【0025】
図1の実施の形態では、変調された光束は、小ビームブランカアレイ9に投影される。特に、光ファイバ端部からの変調された光束14は、小ビームブランカアレイ9に位置された対応する感光性要素に投影される。感光性要素は、光信号を異なるタイプの信号、例えば、電気信号に変換するように構成されている。変調された光束14は、対応する感光性要素と結合された少なくとも1つのブランカを制御するためにパターンデータの一部を伝達する。適切には、光束14を対応する感光性要素に投影するために、プロジェクタ65のような光学素子が使用されることができる。さらに、適切な入射角で光束14を投影するために、鏡が包含され、例えば、プロジェクタ65と小ビームブランカアレイ9との間に適切な位置に配置されることができる。
【0026】
プロジェクタ65は、制御ユニット60の制御の下で、プロジェクタ位置決め装置17によってプレート15と適切にアライメントされることができる。結果として、小ビームブランカアレイ9内のプロジェクタ65と感光性要素との間の距離は、同様に変化することができる。
【0027】
いくつかの実施の形態では、光束は、少なくとも部分的に、光導波路によって感光性要素に向かってプレートから伝達されることができる。光導波路は、感光性要素に非常に近い位置に、適切には、1センチメートル未満、好ましくは、ミリメートルのオーダのところに光を案内することができる。光導波路と対応する感光性要素との間の距離が短いことにより、光の損失が減少される。一方では、荷電粒子小ビームによって占有されうる空間から離れて位置されたプレート15及びプロジェクタ65の使用が、小ビームの妨害を最小にし、小ビームブランカアレイ9の構造がより複雑でなくなるという効果を有する。
【0028】
小ビームモジュレータから出る変調された小ビームは、小ビームプロジェクタによって、ターゲット24のターゲット面13にスポットとして投影される。小ビームプロジェクタは、代表的には、ターゲット面13で変調された小ビームを走査するための走査デフレクタと、変調された小ビームをターゲット面13に集束させるための投影レンズ系とを有する。これら構成要素は、単一のエンドモジュール内にあることができる。
【0029】
このようなエンドモジュールは、好ましくは、挿入可能な、交換可能なユニットとして構成されている。かくして、エンドモジュールは、デフレクタアレイ11と、投影レンズ構成体12とを有することができる。挿入可能な、交換可能なユニットはまた、小ビームモジュレータとして参照され上で説明されたような小ビーム停止アレイ10を含むことができる。エンドモジュールを通った後、これら小ビーム7は、ターゲット平面に位置されたターゲット面13に衝突する。リソグラフィアプリケーションに関して、ターゲットは、通常、荷電粒子感知層、即ちレジスト層が設けられたウェーハを有する。
【0030】
デフレクタアレイ11は、小ビーム停止アレイ10を通過された各小ビーム7を偏向するように配置された走査デフレクタアレイの形態を取ることができる。デフレクタアレイ11は、比較的小さな駆動電圧の印加を可能にする複数の静電デフレクタを有することができる。デフレクタアレイ11が投影レンズ構成体12の上流側に描かれているが、デフレクタアレイ11もまた、投影レンズ構成体12とターゲット面13との間に位置決めされることができる。
【0031】
投影レンズ構成体12は、デフレクタアレイ11による偏向の前に、又は後に、小ビーム7を集束させるように配置されている。好ましくは、集束は、約10ないし30ナノメートルの直径のスポットサイズを与える。このような好ましい実施の形態では、投影レンズ構成体12は、好ましくは、約100ないし500倍の縮小(demagnification)、より好ましくは、できるだけ大きな、例えば、300ないし500倍の範囲の縮小を与えるように配置されている。この好ましい実施の形態では、投影レンズ構成体12は、効果的には、ターゲット面13の近くに位置されることができる。
【0032】
いくつかの実施の形態では、ビームプロジェクタは、ターゲット面13と投影レンズ構成体12との間に位置されることができる。ビームプロジェクタは、適切に位置決めされた複数のアパーチャが設けられたフォイル又はプレートであることができる。ビームプロジェクタは、リソグラフィシステム1の感光性要素に到達することができる前に、放出されたレジスト粒子を吸収するように構成されている。
【0033】
かくして、投影レンズ構成体12は、ターゲット面13上の単一画素のスポットサイズが正確であることを確実にすることができ、一方、デフレクタアレイ11が、適切な走査動作によって、ターゲット面13上の画素の位置がマイクロスケールで正確であることを確実にすることができる。特に、デフレクタアレイ11の動作は、画素が画素のグリッドに適合し、最終的にターゲット面13にパターンを構成するようにする。ターゲット面13上の画素のマクロスケールの位置決めは、適切には、ターゲット24の下にあるウェーハ位置決めシステムによって与えられることが理解される。
【0034】
一般的に、ターゲット面13は、基板の上面にレジスト膜を有する。レジスト膜の部分は、荷電粒子、例えば、電子の小ビームの適用によって化学的に変化される。この結果として、膜の照射された部分は、ディベロッパで多かれ少なかれ溶解され、ウェーハ上にレジストパターンをもたらす。ウェーハ上のレジストパターンは、基層に、即ち、半導体製造の分野で周知であるような、インプリメンテーション、エッチング、堆積工程によって、連続的に転写されることができる。必然的に、照射が均一でなければ、レジストは、均一であるようにして現像されず、パターンのミスにつながる。それ故、高品質の投影が、再生可能な結果を与えるリソグラフィシステムを得ることに関係している。照射の違いは、偏向工程からもたらされるものではない。
【0035】
図2は、
図1のリソグラフィシステムの小ビームブランカアレイ9の一実施の形態の動作を概略的に示す図である。特に、
図2は、小ビームブランカアレイ9と小ビーム停止アレイ10とを有する小ビームモジュレータの一部の横断面を概略的に示す図である。小ビームブランカアレイ9には、複数のアパーチャ35が設けられている。参照として、ターゲット24もまた示される。図面は、スケール合わせされていない。
【0036】
小ビームモジュレータの図示される部分は、3つの小ビーム7a、7b、7cを変調するように配置されている。これら小ビーム7a、7b、7cは、単一源又は単一サブビームを起源とするビームから発生されることができる単一のグループの小ビームの部分を形成することができる。
図2の小ビームモジュレータは、各グループに対して共通の収束点Pに向かって小ビームのグループを収束させるように配置されている。この共通の収束点Pは、好ましくは、小ビームのグループに対する光軸Oに位置されている。
【0037】
図3aは、小ビームブランカアレイ内の電極の構成を概略的に示す上面図であり、小ビームブランカアレイは、共通の収束点に向かって小ビームのグループを収束させるように配置されている。この実施の形態では、小ビームブランカは、静電モジュレータ30の形態を取り、各モジュレータ30は、第1の電極32と、第2の電極34と、小ビームブランカアレイの本体を通って延びているアパーチャ35とを有する。これら電極32、34は、アパーチャ35を横切る電場を発生させるために、アパーチャ35の対向側に位置されている。個々のモジュレータ30は、中心に位置された光軸Oを中心とした径方向の構成を取る。
図3aに示される実施の形態では、両電極32、34は、凹形状を有し、電極32、34の形状が円柱状のアパーチャ35に適合する。この円柱状のアパーチャの形状は、それ自身、非点収差のような、所定の光学収差の導入を防ぐのに適している。
【0038】
図3bは、小ビームブランカアレイ内の代わりの電極の構成を示す図であり、小ビームブランカアレイは、共通の収束点に向かって小ビームのグループを収束させるように配置されている。この構成では、個々のモジュレータ30は、再び、中心に位置された光軸Oを中心とした径方向の構成を取る。しかし、個々のモジュレータ30は、光軸を中心として同心円に配置されていないが、オリエンテーションを備えた複数の行及び列(カラム)によって形成されたアレイでは、互いにほぼ垂直である。同時に、個々のモジュレータ30の電極32、34は、これらが、光軸Oから延びている径方向の線に沿って小ビームを偏向させることができるようなオリエンテーションを有する。
【0039】
図4は、小ビームブランカアレイ内の電極の他の実施の形態を概略的に示す上面図である。この実施の形態では、これら電極32、34は、再び、アパーチャ35のまわりに位置されているが、いくつかのモジュレータ30の第2の電極34は、単一のストリップに組み込まれている。モジュレータ30は、列(row)をなして配置されている。絶縁ゾーン39が、適切には、モジュレータ30の第1の列37とモジュレータ30の第2の列38との間にある。絶縁ゾーン39は、好ましくない放電を避けることを意図されている。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態に係る小ビームブランカアレイ9で使用されることができる構成要素の表面上の構成を概略的に示す上面図である。小ビームブランカアレイは、ビーム領域51と非ビーム領域52とに分割される。ビーム領域51は、小ビームを受けて変調するように構成された領域である。非ビーム領域52は、ビーム領域51内の構成要素を支持するために必要とされる構成要素のための領域を与えるように構成された領域である。
【0041】
ビーム領域51内にある構成要素は、モジュレータ30を含む。モジュレータ30は、
図2ないし
図4を参照して説明されるような静電デフレクタの形態を取ることができる。
【0042】
非ビーム領域52内の構成要素は、例えば、
図1を参照して説明されるようにして、変調された光信号を受信するように構成された感光性要素40を有することができる。感光性要素40の適切な例は、限定的ではないが、フォトダイオード及びフォトトランジスタである。
図5に示される実施の形態の非ビーム領域は、さらに、デマルチプレクサ41を含む。感光性要素40によって受信された光信号は、少なくとも1つのモジュレータ30に対する情報を含むように、信号を多重送信させることができる。それ故、感光性要素40により光信号を受信した後、光信号は、デマルチプレクサ41に伝達されて、信号が多重送信される。多重送信した後、多重送信された信号が、専用の電気接続42を介して正しいモジュレータ30に転送される。
【0043】
多重送信光信号、及び感光性要素40とデマルチプレクサ41との構成体の使用の結果として、感光性要素40の数は、モジュレータ30の数よりも少ない。感光性要素40の数を制限することにより、非ビーム領域52の寸法を小さくすることが可能である。そして、ビーム領域51が、ブランカアレイの単位面積当たりのモジュレータ30の数を増加させるために、互いにより近接して配置されることができる。多重送信でない実施の形態と比較して、同じ数のモジュレータが使用されたとき、小ビームブランカアレイのレイアウトは、よりコンパクトになる。ブランカアレイの寸法は、ほぼ同じにとどまるならば、より多くのモジュレータが使用されることができる。代わって、非ビーム領域52のサイズを減少させる代わりに、多重送信の実施の形態を使用することにより、より多くの受光領域で感光性要素40の使用が可能になる。感光性要素40当たりのより多くの受光領域の使用は、正しい感光性要素40に向かって光信号を向けるために必要とされる光学の複雑さを低減させ、より強固な受光構造を与える。
【0044】
モジュレータ30は、
図6に示されるように、ワードライン56、ビットライン57及び記憶要素58を介してアドレスするように、行及び列で適切に配置されることができる。このようなアレイのようなアドレスにより、デマルチプレクサ41からモジュレータ30に延びている接続の数が減少する。例えば、
図6には10の接続ラインのみがあるが、個々のアドレスは、25のモジュレータ30をアドレスするために、25の接続ラインをもたらす。デマルチプレクサ41とモジュレータ30との間の接続がうまく機能しないことによる失敗を受けにくくなるので、接続ラインのこのような減少は、小ビームブランカアレイ9の信頼性を改良する。さらに、このようなアレイのようなアドレスの構成体を置くことにより、接続の占有するスペースが小さくなることができる。
【0045】
図7の(A)並びに(B)は、ビーム領域と非ビーム領域とに分割されたカラムを備えたリソグラフィ装置を概略的に示す図であり、装置の構成要素のいくつかをより詳細に示している。
図7の(A)は、カソード70aと銃装着プレート70bとが設けられた電子銃70を有する荷電粒子源を示す図である。また、コリメータ電極72と、アパーチャアレイ6を含む1連のアレイ要素と、コンデンサレンズアレイ74と、マルチアパーチャアレイ75と、小ビームブランカアレイ9と、ビーム停止アレイ10と、投影レンズアレイ12とが示される。
【0046】
図7の(B)は、これらアパーチャアレイ要素を通る横断面を概略的に示す拡大図である。図示される実施の形態では、第1のアパーチャアレイ6は、コリメータアパーチャアレイ6aと、電流制限アレイ6bとを有する。このシステムはまた、コンデンサレンズアレイ74と、マルチアパーチャアレイ75と、小ビームブランカアレイ9と、ビーム停止アレイ10と、3つの投影レンズアレイ12とを有する。各アパーチャアレイ要素は、複数のアパーチャを有するビーム領域と小ビームを通すアパーチャを有さない非ビーム領域とを有し、ビーム領域では、対応するグループの小ビームが発生源からこれらアパーチャを通ってターゲットへとこれらの経路を通過する。ビーム領域は、小ビームを伝達し操作するための別個の分離された領域であり、また、非ビーム領域は、さまざまなアパーチャアレイ要素の機能の支持のための構成要素及び電気回路を収容する別個の分離された領域である。
【0047】
図7の(B)に示される実施の形態では、ビーム領域は、さまざまなアパーチャアレイ要素上の対応する垂直位置に位置されているので、小ビームの垂直なカラムが、小ビームの軌道に沿って各アパーチャアレイ要素の単一の対応するビーム領域のアパーチャを通過する。図示される実施の形態では、複数の小ビームのカラムがあり、各カラムは、ほぼ平行な小ビームと、互いにほぼ平行な異なる小ビームのカラムとを有し、小ビームの各グループが、各アパーチャアレイ要素の単一のビーム領域を通過する。他の実施の形態では、カラム内の小ビームは、平行でない、例えば、収束する又は発散する、あるいは、小ビームのカラムが平行でないことができる。非ビーム領域は、同様に、さまざまなアパーチャアレイ要素に対応する垂直位置に位置されている。結果として生じる構造は、リソグラフィ装置の投影カラムの垂直高さの実質的な部分内に垂直なシャフトを生じ、これらシャフトは、荷電粒子ビームによって占有されたシャフトと小ビームがないシャフトとが交互になっている。アパーチャアレイ要素及び投影カラムは、通常、例えば、
図8A並びに
図8Bに概略的に示されるように、真空チャンバ中に位置される。複数のアパーチャアレイ要素が、メイン真空チャンバ内の中間チャンバ中に図示されるが、代わって、第1のアパーチャアレイ要素は、中間真空チャンバの下方かつ外側の残りのアパーチャアレイ要素を備えた中間チャンバ中に位置されてもよい。
【0048】
図7の(B)の実施の形態では、交互の小ビームのシャフト及び非小ビームのシャフトが、投影カラムにおいて第1のアパーチャアレイ要素6aから始まっている。第1のアパーチャアレイ要素6aは、そのアパーチャの構成により、初めに、シャフトを生じる。第1のアパーチャアレイ要素6aは、コリメータ電極の一部であることができるか、
図7の(A)に示されるように、コリメータ電極に近接して位置されることができる。コリメータアパーチャアレイ要素6aは、アライメントされた複数のアパーチャを有する電流制限アパーチャアレイ6b、又はアパーチャアレイ6aのアパーチャの一部と一体化されることができる。これら2つのアパーチャアレイ要素には、共通の冷却ダクト77が設けられることができ、これら冷却ダクトは、
図7の(B)に示されるような水のような冷却媒体を通過させるように、アパーチャアレイ要素の非ビーム領域に位置される。各アパーチャアレイ要素、又はアパーチャアレイ要素の一体部は、これら自身の冷却ダクトを有することができ、冷却の設定点は異なる温度に設定し、例えば、冷却媒体の流量によって設定する。
【0049】
図7の(A)並びに(B)の投影カラムでは、カラムは、続いて、コンデンサレンズアレイ74を有し、この実施の形態では、1組の3つのコンデンサレンズ電極を有する。コンデンサレンズ電極74の下流側には、マルチアパーチャアレイ要素75と、小ビームモジュレータ又はブランカ要素9とがある。これら要素のさらに下流側には、光学系及びセンサを収容するための十分な介入スペース79が設けられ、ビーム停止アレイ10が含まれ、さらに下流側には、投影レンズアセンブリ12がある。小ビームデフレクタアレイは、
図7の(A)並びに(B)から省かれているが、小ビームデフレクタアレイは小ビーム停止アレイの上方又は下方に位置されることができる。
【0050】
投影カラムは、かくして、システムは、ビーム及び非ビームのシャフトに部分的に細分される(subdivide)ことによって改良される。
図9に示される発生源からターゲットへの投影カラムの簡略化された図は、各サブビームから、(アパーチャアレイ6による)複数のサブビーム7a及び(マルチアパーチャアレイ75による)複数の小ビーム7bを形成しているリソグラフィ装置を示しており、これらサブビーム及び小ビームは、非ビームと交互のシャフトで投影カラム内に配置されている。
【0051】
小ビームブランカ要素9の位置でのビームのシャフト及び非ビームのシャフトへのこのような分割は、光学系、光学センサ、その非ビーム領域の関連する、及びさらに必要な電気回路の効率的な空間的結合を与える。光学系は、自由空間光学系と、光ファイバと、パターンストリーミングシステムから小ビームブランカ要素に光信号を案内することと、特に、ブランカ要素に位置された感光性要素とを有する。
【0052】
ビームのシャフト及び非ビームのシャフトは、第1のアパーチャアレイ要素6から投影レンズアレイ要素12まで延びていることができる。この延長は、カラムのスペース及び上流側及び下流側でこれに含まれる要素に関する。全ての場合において、特に、アパーチャアレイ要素6a、6b、マルチアパーチャアレイ75、ブランカアレイ9、ビーム停止アレイ10で、非ビーム領域には、好ましくは、構造支持部材が設けられており、剛性を、それ故、アパーチャアレイ要素の機能上の品質を高める。
図7の(B)で理解されることができるように、支持部材は、投影カラムの2つの連続するアパーチャアレイ要素に共通することができる。構造部材はまた、構造冷却部材として、例えば、冷却媒体のための冷却ダクトの形態で、機能するように構成されることができる。これに関して、少なくとも、カラムの第1のアパーチャアレイ要素6には、非ビーム領域に冷却ダクト77が設けられている。
【0053】
図10は、小ビームが投影カラムのさまざまなアパーチャアレイ要素を通過するときの荷電粒子リソグラフィ装置の小ビームの電流及び加熱の影響の一例を示す図である。小ビームの電流のレベルがミリアンペア(mA)で、電力のレベルがワット(W)で示されている。熱の形態で生じる最大の電力は、カラムの第1のアパーチャアレイ要素6aのところに集まる。それ故、少なくとも、第1のアパーチャアレイ要素6aには、この要素の非ビーム領域に位置された冷却部材が設けられている。アパーチャアレイ要素6aの下流側に、又はアパーチャアレイ要素6aと一体化されて、カラムには、好ましくは、第2の、機能的な電流制限アパーチャアレイ6bが設けられ、アライメントされたアパーチャアレイ要素は、アパーチャアレイ要素6aよりも小さな直径のアパーチャを有する。コンデンサレンズ要素5、74には、先述の電流制限アパーチャアレイ要素のアパーチャよりも大きな直径のアパーチャが設けられ、従って、これらコンデンサレンズ要素は小ビームからの熱を負荷されず、冷却設備が設けられていない。(
図10に示される実施の形態において単一ユニットに一体化された)マルチアパーチャアレイ要素75及びブランカアレイ9は、相対的に、ほとんど熱で負荷されないこともまた明らかであろう。しかし、マルチアパーチャアレイ要素75によって生じる小ビームの品質を改良するために、この要素及びブランカ要素9にもまた、各々、ここでは1組の冷却媒体ダクトの形態である冷却部が設けられることができ、冷却部は、同様に、強固な支持構造と一体化されていることができる。好ましくは、マルチアパーチャアレイ要素75及びブランカ要素9には、共通の冷却システムが設けられる。ビーム停止アレイ10にもまた、好ましくはその上流側に、一体化された冷却設備が設けられることができる。
【0054】
図12は、ビーム/アパーチャ領域84と、非ビーム/非アパーチャ領域85とを示す、アパーチャアレイ要素を通る横断面を示す図である。支持部材として組み込まれた冷却ダクト77は、複数の内部サブチャネル77aを有し、冷却媒体がこれらサブチャネルを通って流れる。各冷却ダクト/支持部材77が、隣接しているアパーチャ領域84の間に位置された非アパーチャ領域85に位置されている。
【0055】
図13ないし
図15は、湾曲した上面を備えたモノリシックプレート90を有するアパーチャアレイ要素6の一実施の形態を示す図である。アパーチャアレイ要素6のこの実施の形態は、ここに説明されるリソグラフィシステムの実施の形態のいくつかで、ここに説明される他のアレイ要素と共に使用されることができる。アパーチャアレイ要素6は、一体ユニットとして形成されたコリメータアパーチャアレイ6a及び電流制限アパーチャアレイ6bを有することができる。また、アパーチャアレイ要素6は、アライメントされた交互のビーム領域と非ビーム領域とを有することができ、シャフトを形成していることがここに説明される。
【0056】
アパーチャアレイの上面は、高くなったドーム形状部分91を形成するように、単純な凸形状で上向きに(荷電粒子源の方向に)湾曲している。この湾曲の中心は、例えば50mmの周囲に関して、湾曲した部分の縁よりも約3mm高いことができる。アパーチャ領域84は、荷電粒子ビームを受けるように構成された領域であり、各アパーチャ領域84は、貫通孔の形態である複数のアパーチャを有する。この実施の形態では、アパーチャ領域84は、
図11に示されるブランカアレイ9のような他の要素の矩形のビーム領域に適合するように、矩形である(5つの矩形領域が示されているが、異なる数が使用されてもよい)。非アパーチャ領域85は、アパーチャ無しの領域であり、アパーチャ領域84との間に、アパーチャ領域84と交互に、矩形領域を形成している。
【0057】
アパーチャアレイの上面のドーム形状部分は、システムの光軸を中心として余弦関数に従って上向きに湾曲していることができる。この余弦形状は、ビームの収差のよりよい減少を与えることがわかっている。ドーム形状部分91の半径は、好ましくは、荷電粒子ビームの直径よりも大きく、ビームは、アパーチャアレイの表面と交差する。他の実施の形態では、ドーム形状部分91はまた、アパーチャアレイの上面にドーム形状の窪みとして形成されることができる。
【0058】
アパーチャアレイのプレート90は、プレートの内部に形成された冷却チャネル77aを有し、冷却媒体がこれら冷却チャネルを通って流れることができる。これら冷却チャネルは、非アパーチャ領域85を通って延び、各非アパーチャ領域の長さに沿って延びている。
【0059】
冷却媒体は、好ましくは水であるが、他の適切な流体もまた使用されることができる。冷却媒体は、好ましくは、チャネル内に乱流を与えるように、チャネル77aを通って流される。乱流は、代表的には、かなり高いヌセルト数を有する。これは、流れの境界層で乱流混合が生じるという事実により、チャネル壁から流れの内部への熱伝達を高める。層流では、チャネル壁に垂直な流れ成分がないので、ある方向への熱伝達が、もっぱら、冷却流体のかなり効率的でない伝導によって生じる。乱流に対してヌセルト数を決定するためのいくつかの関係が存在するが、一般的に、ヌセルト数は、主に、流れのレイノルズ数に依存している。3mmのチャネル及び10m/sの流れ速度に関して、20℃の水の流れに対してRe=30000であり、関連するヌセルト数は190であり、熱伝達係数、流体の壁の温度差は、40Kでまずまずである。この評価は、乱流の対流熱伝達が、アパーチャアレイのための適切な熱伝達メカニズムであることができることを示している。
【0060】
収容される配置の制限を考慮すると、アパーチャアレイから離れた効率的な熱伝達の最も実用的な方法は、対流によるものである。伝達による熱伝達は、アパーチャアレイの表面からヒートシンク(例えば、冷媒チャネル)への熱の移動の際、常にある程度生じるが、対流熱伝達は、ある点で引き継がれるべきである。層流の対流熱伝達は、不十分でありえるが、数十度の穏当な流体チャネルデルタTで熱の入力を吸収することができる。二相(沸騰)対流流れもまた使用されることができるが、かなり複雑であり、乱流の対流以上の効果を与えるものではない。
【0061】
通常の水は、冷媒として好ましい。水は、最もよい振る舞いをする慣例的な流体の1つである。アンモニアを使用するのが簡単であるが、アンモニアの使用は、高圧システムを必要とし、より大規模な安全手段を必要とする。液体金属と比較すると、ガリウムのみがよい振る舞いをするが、温度が上昇した水は、ガリウムの振る舞いと同様の振る舞いをすることができ、必要であれば、水は、可能な流速の範囲がガリウムよりもかなり大きく、ガリウムの使用は、凝固、コスト、腐食、拡散のような他の複雑さをもたらす。
【0062】
アパーチャアレイは、モノリシック冷却ブロックとして構成されることができるので、アパーチャアレイは、単一ユニットとして冷却ブロックと一体化されている。冷却チャネル、アパーチャ及び支持構造は、全て、同じ材料でできたモノリシックブロックから製造されることができる。この設計の大きな効果は、(荷電粒子源に面している)湾曲したアパーチャアレイの上面を可能にするということである。この湾曲は、コリメータの球面収差を著しく改良する。
【0063】
第1のアパーチャアレイ6は、湾曲した上面(例えば、3mmの突出部、又はドーム形状部分91)、及びまっすぐな冷媒チャネル77aを備えるものとして構成されることができ、このような構成により、冷媒チャネルとアパーチャアレイ要素の湾曲した上面との間の距離が変化する。この配置は、球面収差の改良の効果を与えるが、ビーム領域から冷媒チャネルへの熱経路長をかなり大きく変化させる。他の実施の形態では、冷却チャネルは、熱経路長の変化を低減させるように、上面と同様にドーム形状部分で湾曲している。
【0064】
アパーチャアレイは、好ましくは、金属材料、特に、銅、モリブデン又はタングステンでできている。銅は、その高い熱伝導性に関して好ましく、モリブデン及びタングステンは、これらの良い熱伝導性/膨張比に関して好ましい。
【0065】
ディスク90及び冷媒チャネル77aは、従来の方法を使用して製造されることができる。湾曲した上面は、必要とされる表面及び形状の公差に応じて、従来の技術を使用して製造されることができる。アパーチャアレイのアパーチャは、レーザであけられることができるか、レーザマイクロ機械加工が使用されることができる。オックスフォードレーザが、例えば、レーザ穴あけシステム及び副請負を提供する。シリコン、銅、モリブデン、タングステン及び他の材料でできた平板プレートでは、100マイクロメートルの直径の孔の製造が可能である。湾曲した表面をエッチングするのは、レジストのスピニング、リソグラフィの露光及びエッチングの深さの困難性により、好ましくない。しかし、あけられた非常に多くの孔(例えば、非アパーチャの領域の盲孔を含む約100,000のアパーチャ)及び500マイクロメートルのあけた孔の深さが、さらに考慮すべきことであり、各アレイを製造するのには長い時間を必要とし、タングステンの使用が好ましい。
【0066】
孔をあける技術を使用して冷却チャネルを製造することにより、まっすぐなチャネルをとなり、冷却チャネルとアパーチャアレイ要素の湾曲した上面との間の距離を変化させる。モノリシック要素が、いわゆる3D印刷技術を使用して製造されることができ、湾曲した冷媒チャネルを備えた構成を可能にする。これにより、冷媒チャネルが、アパーチャアレイ要素の上面の湾曲に従うこととなり、アパーチャアレイの上面と冷媒チャネルとの間の熱経路長が一定になり、アパーチャアレイ要素のビーム領域の範囲にわたって冷媒チャネルにより一定の熱伝達をもたらす。
【0067】
動作の際、アパーチャアレイが加熱されたとき、z方向(即ち、リソグラフィカラムの軸に平行な方向)への大きなスケールの変形が、軸対称な反りの効果により支配される。非対称な変形の特性は、湾曲したアレイの表面の温度勾配を径方向に変化させることによるものであることができる。(中心40mmの直径に関する)z方向の変形の代表的な変化は、銅に関して約30μmであり、モリブデンに関して20μmであり、タングステンに関して15μmである。
【0068】
このz方向の変形は、相対的に高いが、アパーチャアレイの上面の球形状は、リソグラフィのカラムのいくつかの形態で望ましく、表面形状の球状の構成要素は、変形から差し引かれることができる。
図13ないし
図15のアパーチャアレイに関する計算は、このアパーチャアレイが、3マイクロメートルの平坦さ及び200℃未満の平均温度を維持しながら、3400Wの加熱負荷を分散させることができることを示している。X−Y方向(即ち、リソグラフィカラムの軸に垂直な方向)の変形により、アパーチャ位置、即ちアパーチャアレイのアパーチャの位置のある程度のプレ補正が望ましく、動作中、アパーチャアレイが加熱されたとき、その温度上昇によるアパーチャアレイの変形が、これらの所望のX―Y方向の位置を仮定するアパーチャをもたらす。
【0069】
図13ないし
図15のアパーチャアレイの2つの主要な効果は、アレイのモノリシックなデザイン及び冷却構造である。これは、熱的な振る舞いに関して効果的であり、配置及び内部応力に関して、より一貫した部品の品質を確実にする。熱機械特性を変化させる材料間の結合を含む他のデザインは、製造中、予測できない内部応力を生じうる。
【0070】
本発明が、上述の所定の実施の形態を参照することにより説明されてきた。これらの実施の形態には、本発明の意図並びに範囲を逸脱することなく、当業者にとって明らかなさまざまな変更並びに変形がなされることができる。従って、特定の実施の形態が説明されてきたが、これらは単なる例であり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により規定される。
以下に、本出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ターゲットの表面上にパターンを転写する荷電粒子リソグラフィシステムであって、カラムを規定している複数の荷電粒子を発生させるビームジェネレータと、第1のアパーチャアレイと、ブランカアレイと、ビーム停止アレイと、投影レンズアレイとを有する複数のアパーチャアレイ要素とを具備し、各アパーチャアレイ要素は、複数のグループで配置された複数のアパーチャを有し、前記アパーチャは、前記小ビームを前記アパーチャアレイ要素を通過させ、各アパーチャアレイ要素のアパーチャの前記グループは、複数のビーム領域を形成し、これらビーム領域は、これらビーム領域間に形成された複数の非ビーム領域とは異なりこれら非ビーム領域から分離され、前記非ビーム領域は、前記小ビームを通過させるアパーチャを含まず、前記アパーチャアレイ要素の前記ビーム領域は、ビームのシャフトを形成するようにアライメントされ、各々が、複数の小ビームを有し、前記アパーチャアレイ要素の前記非ビーム領域は、その中に小ビームを有さない非ビームのシャフトを形成するようにアライメントされ、前記第1のアパーチャアレイ要素には、前記第1のアパーチャアレイ要素を冷却する冷却媒体を透過させるように構成された冷却チャネルが設けられ、前記冷却チャネルは、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記非ビーム領域に設けられている荷電粒子リソグラフィシステム。
[2]前記第1のアパーチャアレイ要素は、前記カラムの軸の方向に厚さを、及び前記カラムの軸に垂直な方向に幅を有するプレートを有し、前記アパーチャは、前記プレートの前記非ビーム領域に前記プレートの厚さにわたって形成され、前記冷却チャネルは、前記プレートの前記非ビーム領域の内部に形成され、前記プレートの幅の方向に延びている[1]のシステム。
[3]前記第1のアパーチャアレイ要素は、前記カラムの軸の方向に厚さを、及び前記カラムの軸に垂直な方向に幅を有するプレートを有し、前記アパーチャは、前記プレートの前記非ビーム領域に前記プレートの厚さにわたって形成され、前記冷却チャネルは、前記非ビーム領域で前記プレートに取着された外部要素に形成され、前記プレートの幅の方向に延び、前記冷却チャネルは、前記第1のアパーチャアレイ要素に構造支持を与えるように構成されている[1]のシステム。
[4]前記冷却媒体は、水である[1]ないし[3]のいずれか1のシステム。
[5]前記冷却チャネルを通して前記冷却媒体を流す冷媒システムをさらに具備し、前記冷媒システムは、前記冷却チャネルを通る前記冷却媒体の乱流を生成するように構成されている[1]ないし[4]のいずれか1のシステム。
[6]前記第1のアパーチャアレイは、前記アパーチャ及び冷却チャネルが形成された材料でできたモノリシックプレートの材料でできている[1]ないし[5]のいずれか1のシステム。
[7]前記第1のアパーチャアレイは、タングステンでできたプレートにより形成されている[1]ないし[6]のいずれか1のシステム。
[8]前記第1のアパーチャアレイは、銅又はモリブデンでできたプレートにより形成されている[1]ないし[6]のいずれか1のシステム。
[9]前記複数のアパーチャアレイ要素は、電流制限アパーチャアレイとコンデンサレンズアレイとをさらに具備し、各々が、複数のグループで配置された複数のアパーチャを有し、前記アパーチャは、前記小ビームを前記アパーチャアレイ要素を通過させ、各アパーチャアレイ要素のアパーチャの前記グループは、複数のビーム領域を形成し、これらビーム領域は、これらビーム領域間に形成された複数の非ビーム領域とは異なりこれら非ビーム領域から分離され、前記非ビーム領域は、前記小ビームを通過させるアパーチャを含まず、前記アパーチャアレイ要素の前記ビーム領域は、ビームのシャフトを形成するようにアライメントされ、各々が、複数の小ビームを有し、前記アパーチャアレイ要素の前記非ビーム領域は、その中に小ビームを有さない非ビームのシャフトを形成するようにアライメントされている[1]ないし[8]のいずれか1のシステム。
[10]前記第1のアパーチャアレイ要素は、一体的な電流制限アパーチャアレイを有し、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記アパーチャは、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記上面の下方に窪んだ最狭小部分を有する[1]ないし[9]のいずれか1のシステム。
[11]前記第1のアパーチャアレイ要素には、前記ビームジェネレータに面している湾曲した上面が設けられている[1]ないし[10]のいずれか1のシステム。
[12]前記第1のアパーチャアレイ要素は、アパーチャ無し領域及びアパーチャ領域に交互に細分され、各アパーチャ領域は、複数のアパーチャを有し、前記湾曲した上面は、複数の前記アパーチャ無し領域及びアパーチャ領域を囲んでいる[11]のシステム。
[13]前記第1のアパーチャアレイ要素の前記湾曲した上面は、前記ビームジェネレータに向かって前記上面の上方に突出している高くなったドーム形状領域を形成している[11]又は[12]のシステム。
[14]前記第1のアパーチャアレイ要素の前記湾曲した上面は、前記ビームジェネレータに面している前記上面の領域にドーム形状の窪みを形成している[11]又は[12]のシステム。
[15]このシステムは、光軸を有し、前記湾曲した上面は、前記光軸を中心とした余弦関数に従う形状である[11]ないし[14]のいずれか1のシステム。
[16]前記湾曲した上面の周囲は、前記湾曲した上面の高さよりも実質的に高い[11]ないし[15]のいずれか1のシステム。
[17]ターゲットの表面上にパターンを転写するために複数の小ビームを発生させる荷電粒子リソグラフィシステムで使用するように構成されたアパーチャアレイ要素であって、アパーチャアレイは、複数のグループで配置された複数のアパーチャを具備し、前記アパーチャは、前記小ビームを前記アパーチャアレイ要素を通過させ、前記アパーチャのグループは、複数のビーム領域を形成し、これらビーム領域は、これらビーム領域間に形成された複数の非ビーム領域とは異なりこれら非ビーム領域から分離され、前記非ビーム領域は、前記小ビームを通過させるアパーチャを含まず、第1のアパーチャアレイ要素には、前記第1のアパーチャアレイ要素を冷却する冷却媒体を透過させるように構成された冷却チャネルが設けられ、前記冷却チャネルは、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記非ビーム領域に設けられているアパーチャアレイ要素。
[18]前記第1のアパーチャアレイ要素は、厚さ及び幅を有するプレートを有し、前記アパーチャは、前記プレートの前記非ビーム領域に前記プレートの厚さにわたって形成され、前記冷却チャネルは、前記プレートの前記非ビーム領域の内部に形成され、前記プレートの幅の方向に延びている[17]のアパーチャアレイ要素。
[19]前記第1のアパーチャアレイ要素は、厚さ及び幅を有するプレートを有し、前記アパーチャは、前記プレートの前記非ビーム領域に前記プレートの厚さにわたって形成され、前記冷却チャネルは、前記非ビーム領域で前記プレートに取着された外部要素に形成され、前記プレートの幅の方向に延び、前記冷却チャネルは、前記第1のアパーチャアレイ要素に構造支持を与えるように構成されている[17]のアパーチャアレイ要素。
[20]前記冷却媒体は、水である[17]ないし[19]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[21]前記冷却チャネルを通して前記冷却媒体を流す冷媒システムをさらに具備し、前記冷媒システムは、前記冷却チャネルを通る前記冷却媒体の乱流を生成するように構成されている[17]ないし[20]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[22]前記第1のアパーチャアレイは、前記アパーチャ及び冷却チャネルが形成された材料でできたモノリシックプレートの材料でできている[17]ないし[21]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[23]前記第1のアパーチャアレイは、タングステンでできたプレートにより形成されている[17]ないし[21]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[24]前記第1のアパーチャアレイは、銅又はモリブデンでできたプレートにより形成されている[17]ないし[22]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[25]前記第1のアパーチャアレイ要素は、一体的な電流制限アパーチャアレイを有し、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記アパーチャは、前記第1のアパーチャアレイ要素の前記上面の下方に窪んだ最狭小部分を有する[17]ないし[24]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[26]前記アパーチャアレイ要素は、プレートを有し、前記プレートには、ビームの方向に面している湾曲した上面が設けられている[17]ないし[25]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[27]前記アパーチャアレイ要素は、アパーチャ無し領域及びアパーチャ領域に交互に細分され、各アパーチャ領域は、複数のアパーチャを有し、前記湾曲した上面は、複数の前記アパーチャ無し領域及び前記アパーチャ領域を囲んでいる[26]のアパーチャアレイ要素。
[28]前記アパーチャアレイの前記湾曲した上面は、前記荷電粒子源に向かって前記上面の上方に突出している高くなったドーム形状領域を形成している[26]又は[27]のアパーチャアレイ要素。
[29]前記アパーチャアレイの前記湾曲した上面は、前記荷電粒子源に面している前記上面の領域にドーム形状の窪みを形成している[26]又は[27]のアパーチャアレイ要素。
[30]このシステムは、光軸を有し、前記湾曲した上面は、前記光軸を中心とした余弦関数に従う形状である[26]ないし[29]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[31]前記上面の周囲は、前記湾曲した上面の高さよりも実質的に高い[26]ないし[30]のいずれか1のアパーチャアレイ要素。
[32]発散する荷電粒子ビームを発生させるように構成された荷電粒子源と、第1の電極を有し、前記発散する荷電粒子ビームを屈折させるコリメートシステムと、[17]ないし[31]のいずれか1のアパーチャアレイ要素とを具備し、前記アパーチャアレイ要素は、第2の電極を形成し、前記システムは、前記第1の電極と前記第2の電極との間に加速電場を生成するように構成されている荷電粒子ビームジェネレータ。