特許第6133225号(P6133225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133225
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】カード処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/00 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   G06K7/00 069
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-44745(P2014-44745)
(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2015-170149(P2015-170149A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 和人
(72)【発明者】
【氏名】塩見 寿朗
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−245108(JP,A)
【文献】 特開2010−160666(JP,A)
【文献】 特開平03−171277(JP,A)
【文献】 特開2007−108980(JP,A)
【文献】 特開2001−202480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに記録されたデータの読取および前記カードへのデータの記録の少なくともいずれか一方を行うカードリーダが搭載されたカード処理システムであって、
前記カード処理システムを制御する上位制御部を備え、
前記カードリーダは、前記カードが挿入される挿入口が形成されるカード挿入部と、前記カードリーダを制御する制御部とを備え、
前記カード挿入部は、複数色で発光可能な発光部と、正規の前記カードが正しい向きで前記挿入口から挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構とを備え、
前記制御部は、前記上位制御部に接続されるとともに、前記発光部の発光色および発光方法を制御する発光制御を行い、
前記上位制御部には、前記発光部の発光色と発光方法との組合せを規定するとともに前記発光制御を行うための上位側発光用プログラムが記憶され、
前記上位制御部は、前記上位側発光用プログラムに基づく発光用プログラムを前記制御部に予め設定し、
非正規の前記カードが前記挿入口から挿入されること、および、正規の前記カードが間違った向きで前記挿入口から挿入されることを不適切な前記カードの挿入とし、前記カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切な前記カードの挿入が検知されたときの前記発光制御を行うための前記上位側発光用プログラムを上位側異常時発光用プログラムとし、前記上位側異常時発光用プログラムに基づいて前記制御部に予め設定される前記発光用プログラムを異常時発光用プログラムとすると、
前記上位制御部には、前記上位側異常時発光用プログラムが記憶され、
前記上位制御部は、前記上位側異常時発光用プログラムに基づく前記異常時発光用プログラムを前記制御部に予め設定し、
前記制御部は、前記カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切な前記カードの挿入が検知されると、予め設定された前記異常時発光用プログラムに基づいて前記発光制御を行うことを特徴とするカード処理システム。
【請求項2】
前記カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切な前記カードの挿入が検知される直前の前記発光制御を行うための前記発光用プログラムを正常時発光用プログラムとすると、
前記制御部は、前記カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切な前記カードの挿入が検知されると、前記正常時発光用プログラムを記憶した後に、予め設定された前記異常時発光用プログラムに基づいて前記発光制御を行うとともに、非正規の前記カードまたは間違った向きで挿入された正規の前記カードが抜き取られて、不適切な前記カードの挿入が検知されなくなると、記憶された前記正常時発光用プログラムに読み出し、読み出された前記正常時発光用プログラムに基づいて前記発光制御を行うことを特徴とする請求項記載のカード処理システム。
【請求項3】
前記カード挿入検知機構は、前記カードの厚みを検知するための厚み検知機構と、前記カードの挿入方向に直交する方向における前記カードの幅を検知するための幅検知機構とを備えることを特徴とする請求項または記載のカード処理システム。
【請求項4】
前記カードは、略長方形状に形成され、
前記カードリーダは、前記カードの短手方向が前記カードの挿入方向となるように挿入された前記カードに対するデータの読取およびデータの記録の少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする請求項からのいずれかに記載のカード処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダが搭載されたカード処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲート口から挿入されたカードをカード搬送機構によって内部に取り込んで所定の処理を行うカードリーダが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカードリーダでは、カードリーダの内部へカードを案内するカード挿入ガイド体がゲート口に取り付けられている。カード挿入ガイド体は、光透過性材料からなるケースと、ケース内に収容される光源とを備えている。このカードリーダでは、カードが挿入されるゲート口が光るため、ゲート口の視認性を高めることが可能になる。
【0003】
また、従来、特許文献1に記載されたカードリーダのようにゲート口が光るカードリーダとして、ゲート口から正規のカードが正しい向きで挿入されたことを検知するための検知機構を備えるカードリーダが利用されている。このカードリーダでは、非正規のカードが挿入されたり、正規のカードが間違った向きで挿入されたりすると、正規のカードが正しい向きで挿入されたときの発光色および発光方法と異なる発光色および発光方法で光源が光るようになっている。たとえば、正規のカードが正しい向きで挿入されたときには、光源が青色に点灯し、非正規のカードが挿入されたり、正規のカードが間違った向きで挿入されたりすると、光源が赤色に点滅する。このように、このカードリーダでは、非正規のカードが挿入されたり、正規のカードが間違った向きで挿入されたりしたときに、光源の発光色や発光方法を変えることで、ユーザに、正規のカードの正しい向きでの挿入を促している。
【0004】
なお、この種のカードリーダでは、一般に、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェア中の所定のプログラムに基づいて、光源の発光色や発光方法が制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−185513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、特許文献1に記載されたカードリーダのようにゲート口が光るカードリーダに、多色多諧調で発光させることが可能な光源が使用されることがある。しかしながら、従来のカードリーダでは、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェア中のプログラムに基づいて、光源の発光色や発光方法が制御されているため、多色多諧調で発光させることが可能な光源がカードリーダに使用されたとしても、光源の発光色や発光方法は、カードリーダごとに固定されてしまう。すなわち、従来のカードリーダでは、カードリーダを設置する銀行等の顧客ごとのニーズに応じた多様な発光色および発光方法で光源を光らせることが困難である。
【0007】
一方、顧客のニーズに応じた発光色および発光方法で光源が光るように、ファームウェア中のプログラムを顧客ごとに作成すれば、顧客ごとのニーズに応じた多様な発光色および発光方法で光源を光らせることは可能である。しかしながら、この場合には、顧客ごとにファームウェアを作成しなければならず、ファームウェアの設計が煩雑になるとともに、カードリーダの製造管理や在庫管理も煩雑になる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通でも、顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法でカードリーダの発光部を光らせることが可能なカード処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のカード処理システムは、カードに記録されたデータの読取およびカードへのデータの記録の少なくともいずれか一方を行うカードリーダが搭載されたカード処理システムであって、カード処理システムを制御する上位制御部を備え、カードリーダは、カードが挿入される挿入口が形成されるカード挿入部と、カードリーダを制御する制御部とを備え、カード挿入部は、複数色で発光可能な発光部と、正規のカードが正しい向きで挿入口から挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構とを備え、制御部は、上位制御部に接続されるとともに、発光部の発光色および発光方法を制御する発光制御を行い、上位制御部には、発光部の発光色と発光方法との組合せを規定するとともに発光制御を行うための上位側発光用プログラムが記憶され、上位制御部は、上位側発光用プログラムに基づく発光用プログラムを制御部に予め設定し、非正規のカードが挿入口から挿入されること、および、正規のカードが間違った向きで挿入口から挿入されることを不適切なカードの挿入とし、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されたときの発光制御を行うための上位側発光用プログラムを上位側異常時発光用プログラムとし、上位側異常時発光用プログラムに基づいて制御部に予め設定される発光用プログラムを異常時発光用プログラムとすると、上位制御部には、上位側異常時発光用プログラムが記憶され、上位制御部は、上位側異常時発光用プログラムに基づく異常時発光用プログラムを制御部に予め設定し、制御部は、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されると、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光制御を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明のカード処理システムでは、上位制御部は、上位制御部に記憶された上位側発光用プログラムに基づく発光用プログラムをカードリーダの制御部に予め設定し、制御部は、予め設定された発光用プログラムに基づいて発光制御を行っている。そのため、本発明では、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通でも、制御部は、上位制御部によって設定された発光用プログラムに基づいて、カードリーダの発光部を様々な発光色や発光方法で光らせることが可能になる。すなわち、本発明では、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通でも、カード処理システムが設置される銀行等の顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法で発光部を光らせることが可能になる。
【0011】
なお、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通であっても、上位制御部と制御部との間で都度通信を行って、カードリーダの発光部を様々な発光色や発光方法で光らせることで、顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法で発光部を光らせることが可能になるが、この場合には、発光部が光るまでの時間が長くなる。すなわち、この場合には、発光部の応答性が低下する。これに対して本発明では、制御部に予め設定された発光用プログラムに基づいて制御部が発光制御を行っているため、発光部の応答性を高めることが可能になる。
【0012】
また、本発明では、カード挿入部は、正規のカードが正しい向きで挿入口から挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構を備え、非正規のカードが挿入口から挿入されること、および、正規のカードが間違った向きで挿入口から挿入されることを不適切なカードの挿入とし、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されたときの発光制御を行うための上位側発光用プログラムを上位側異常時発光用プログラムとし、上位側異常時発光用プログラムに基づいて制御部に予め設定される発光用プログラムを異常時発光用プログラムとすると、上位制御部には、上位側異常時発光用プログラムが記憶され、上位制御部は、上位側異常時発光用プログラムに基づく異常時発光用プログラムを制御部に予め設定し、制御部は、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されると、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光制御を行う。
【0013】
そのため、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通でも、不適切なカードの挿入が検知されたときに、顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法で発光部を光らせることが可能になる。また、異常時発光用プログラムが制御部に予め設定されておらず、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されたときに、上位制御部が発光部の発光制御を行うとすると、遅延時間が長くなり、異常時発光用プログラムに基づく発光制御を直ちに開始することができないが、本発明では、異常時発光用プログラムが制御部に予め設定されており、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されたときに、制御部が異常時発光用プログラムに基づく発光制御を行うため、異常時発光用プログラムに基づく発光制御を直ちに開始することが可能になる。したがって、カードリーダにカードを挿入する利用者のカード操作に同期した発光制御を行うことが可能になる。
【0014】
本発明において、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知される直前の発光制御を行うための発光用プログラムを正常時発光用プログラムとすると、制御部は、カード挿入検知機構での検知結果に基づいて不適切なカードの挿入が検知されると、正常時発光用プログラムを記憶した後に、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光制御を行うとともに、非正規のカードまたは間違った向きで挿入された正規のカードが抜き取られて、不適切なカードの挿入が検知されなくなると、記憶された正常時発光用プログラムに読み出し、読み出された正常時発光用プログラムに基づいて発光制御を行うことが好ましい。このように構成すると、非正規のカードまたは間違った向きで挿入された正規のカードが抜き取られた後、正常時発光用プログラムに基づく発光制御を直ちに開始することが可能になる。したがって、カードリーダにカードを挿入する利用者のカード操作に同期した発光制御を行うことが可能になる。
【0015】
本発明において、カード挿入検知機構は、たとえば、カードの厚みを検知するための厚み検知機構と、カードの挿入方向に直交する方向におけるカードの幅を検知するための幅検知機構とを備えている。
【0016】
本発明において、たとえば、カードは、略長方形状に形成され、カードリーダは、カードの短手方向がカードの挿入方向となるように挿入されたカードに対するデータの読取およびデータの記録の少なくともいずれか一方を行う。この場合には、カードの長手方向がカードの挿入方向となるように挿入口からカードを挿入することが可能であるため、間違った向きでカードが挿入口から挿入されるおそれが高くなるが、間違った向きでカードが挿入口から挿入されても、発光部を光らせて、間違った向きでカードが挿入されたことをカードリーダの利用者に知らせることが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のカード処理システムでは、カードリーダの制御部に記憶されるファームウェアが共通でも、顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法でカードリーダの発光部を光らせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態にかかるカード処理システムの概略構成を説明するためのブロック図である。
図2図1に示すカード処理システムを構成するカードリーダの斜視図である。
図3図2に示すカードの平面図である。
図4図1に示す発光部の発光制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(カード処理システムの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード処理システム10の概略構成を説明するためのブロック図である。図2は、図1に示すカード処理システム10を構成するカードリーダ1の斜視図である。図3は、図2に示すカード2の平面図である。
【0021】
本形態のカード処理システム10は、カード2に記録されたデータの読取およびカード2へのデータの記録の少なくとも一方を行うカードリーダ1が搭載されたシステムであり、たとえば、銀行等に設置されて使用されるATM(Automated Teller Machine)である。このカード処理システム10は、カードリーダ1に加えて、カード処理システム10を制御する上位制御部11を備えている。
【0022】
カードリーダ1は、カードリーダ1を制御する制御部3を備えている。制御部3は、上位制御部11に接続されている。また、カードリーダ1は、カード2が挿入される挿入口4が形成されるカード挿入部5を備えている。カードリーダ1の内部には、カード2が搬送されるカード搬送路が挿入口4に繋がるように形成されている。さらに、カードリーダ1は、カード2を搬送するカード搬送機構と、カード2に当接してカード2に記録された磁気データの読取やカード2への磁気データの記録を行う磁気ヘッドと、カード2の搬送方向に直交する方向へ磁気ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、カード2に形成される後述の端子部2bに接触してデータの通信を行うためのIC接点ブロックと、IC接点ブロックを移動させる接点ブロック移動機構とを備えている。
【0023】
カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードである。本形態のカード2は、国際規格(たとえば、ISO/IEC7811)やJIS規格(たとえば、JISX6302)に準拠した磁気ストライプ付きのカードであり、四隅に丸みを持った略長方形状に形成されている。カード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2は、接触式のICカードである。すなわち、カード2には、ICチップ(図示省略)が内蔵され、カード2のおもて面には、8個の外部接続端子からなる端子部2bが形成されている。なお、カード2には、磁気ストライプ2aが形成されていなくても良い。また、カード2には、ICチップ(図示省略)が内蔵されていなくても良い。すなわち、カード2に端子部2bが形成されていなくても良い。
【0024】
磁気ストライプ2aは、略長方形状に形成されるカード2の長手方向(図3のU方向)に平行な細長い帯状に形成されている。この磁気ストライプ2aは、カード2の長手方向の全域に形成されている。また、磁気ストライプ2aは、カード2の短手方向(図3のV方向)において、カード2の短手方向における一端2d側に形成されている。具体的には、国際規格やJIS規格に基づいて、磁気ストライプ2aは、カード2の短手方向において、カード2の一端2dを基準とする所定の範囲内に形成されている。
【0025】
端子部2bは、カード2の長手方向における一端側、かつ、カード2の短手方向における略中間位置に形成されている。端子部2bを構成する8個の外部接続端子は、カード2の短手方向において4行、かつ、カード2の長手方向において2列に配列されている。
【0026】
本形態では、図2に示すX方向でカード2が搬送される。具体的には、X1方向にカード2が挿入されて取り込まれ、X2方向にカード2が排出される。すなわち、X方向は、カード2の搬送方向であり、X1方向は、カード2の挿入方向であり、X2方向は、カード2の排出方向である。また、本形態では、カード2の短手方向とX方向とが一致するように、カードリーダ1にカード2が取り込まれる。また、カード2の短手方向とX方向とが一致するように、カードリーダ1内でカード2が搬送される。すなわち、カードリーダ1は、カード2の短手方向がカード2の挿入方向となるように挿入されたカード2に対するデータの読取や記録を行う。
【0027】
また、X方向に直交するY方向は、カード搬送路の幅方向であり、カードリーダ1内に正しい方向で取り込まれたカード2の長手方向である。また、X方向とY方向とに直交するZ方向は、カード搬送路の高さ方向であり、カードリーダ1内に取り込まれたカード2の厚さ方向である。本形態では、Z方向と鉛直方向とが一致するようにカードリーダ1が配置されている。以下の説明では、X方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。なお、本形態では、磁気ヘッドは、カード搬送路の下側に配置されており、カード2の下側から磁気ストライプ2aに当接する。また、IC接点ブロックは、カード搬送路の上側に配置されており、カード2の上側から端子部2bに接触する。
【0028】
(カード挿入部の構成)
カード挿入部5は、カードリーダ1の前面側部分を構成している。このカード挿入部5は、複数色で発光可能な発光部15を備えている。また、カード挿入部5は、挿入口4から挿入されるカード2の厚みを検知するための厚み検知機構16と、左右方向におけるカード2の幅を検知するための幅検知機構17と、カード2に磁気ストライプ2aが形成されていることを検知するための磁気ヘッド(プリヘッド)18と、カード2にICチップの外部接続端子が固定されていること(すなわち、端子部2bが固定されていること)を検知するための金属検知機構19とを備えている(図1参照)。
【0029】
発光部15は、図2に示すように、上下方向における挿入口4の両側に配置されている。また、発光部15は、カードリーダ1の前面の一部を構成している。すなわち、発光部15は、挿入口4の近傍に配置されている。この発光部15は、光透過性材料からなるケース体21と、ケース体21の内部に収容される光源22(図1参照)と、ケース体21の内部に収容され光源22の光を拡散させる導光板(図示省略)とを備えている。なお、発光部15は、後述の発光用プログラムに応じた多色多諧調での発光、および、点灯点滅等の多様な発光が可能となっている。
【0030】
光源22は、LED光源であり、図示を省略する基板に実装されている。この光源22は、制御部3に接続されており、制御部3は、点灯点滅等の光源22の発光方法および光源22の発光色を制御する発光制御を行う。具体的には、発光部15には、光源22として赤色のLED光源、緑色のLED光源および青色のLED光源の3色のLED光源が複数配設されており、制御部3は、この3色のLED光源の点灯の組合せを変えることで色調を変化させている。また、本形態では、ケース体21の内部の右端側および/または左端側に光源22が配置され、左右方向におけるケース体21の内部の略全域に導光板が配置されている。そのため、光源22が光ると、左右方向における発光部15の全体が光る。なお、左右方向におけるケース体21の内部の略全域に複数の光源22が所定の間隔で配置されても良い。この場合には、導光板が不要になる。また、光源22は、LED光源以外の光源でも良い。
【0031】
厚み検知機構16は、たとえば、カード搬送路に配置されてカード搬送路を閉鎖する閉鎖位置と、カード搬送路を通過するカード2が接触するとカード搬送路の下側に退避してカード搬送路を開放する開放位置との間で移動可能な可動部材と、可動部材を閉鎖位置に向かって付勢する付勢部材と、可動部材の動きを検知するセンサとを備えている。この厚み検知機構16では、正規の厚みを有するカード2が挿入口4から挿入されると、センサによって可動部材の動きが検知されるが、正規の厚みよりも薄いカード2が挿入口4から挿入されても、センサによって可動部材の動きが検知されない。そのため、センサでの検知結果に基づいて、正規の厚みを有するカード2が挿入口4から挿入されたか否かを検知することができる。
【0032】
幅検知機構17は、たとえば、カード挿入部5の左右の両端側に配置されカード搬送路に出没可能な2個の検知レバーと、2個の検知レバーのそれぞれの動きを検知する2個のセンサとを備えている。カードリーダ1にカード2が挿入される前の待機時には、検知レバーの一部がカード搬送路内に配置されている。この状態で、カード2の短手方向が前後方向と一致するようにカード2が挿入口4から挿入されると、2個の検知レバーのそれぞれにカード2の左右両端のそれぞれが接触して、検知レバーが回動し、センサによって検知レバーの回動が検知される。一方、カード2の長手方向が前後方向と一致するようにカード2が挿入口4から挿入されても、あるいは、短手方向の幅が正規の幅よりも狭いカード2が挿入口4から挿入されても、少なくとも一方の検知レバーの回動がセンサによって検知されない。そのため、2個のセンサでの検知結果に基づいて、短手方向の幅が正規の幅となっているカード2が、その短手方向と前後方向とが一致するように挿入口4から挿入されたか否かを検知することができる。すなわち、2個のセンサでの検知結果に基づいて、短手方向の幅が正規の幅となっているカード2が正しい向きで挿入されたか否かを検知することができる。
【0033】
本形態では、厚み検知機構16と幅検知機構17とによって、正規のカード2が正しい向きで挿入口4から挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構が構成されている。
【0034】
磁気ヘッド18の出力信号は、磁気ストライプ2aが形成されたカード2が挿入口4から挿入され、磁気ストライプ2aが磁気ヘッド18に接触するようにカード2が搬送されると変動する。そのため、磁気ヘッド18での検知結果に基づいて、カード2に磁気ストライプ2aが形成されているか否かを検知することが可能である。
【0035】
金属検知機構19は、励磁用コイルと、検出用コイルと、励磁用コイルおよび検出用コイルが巻回されるコアとを備える磁気式のセンサである。金属検知機構19は、左右方向において、正しい向きで挿入されたカード2の端子部2bが通過する位置に配置されている。金属検知機構19の出力信号は、端子部2bが形成されたカード2が挿入口4から挿入されると変動する。そのため、金属検知機構19での検知結果に基づいて、カード2に端子部2bが形成されているか否かを検知することが可能である。
【0036】
(発光部の発光制御)
図4は、図1に示す発光部15の発光制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【0037】
カード処理システム10では、上位制御部11に、発光部15の発光色および発光方法との組合せを規定するとともに制御部3による発光部15の発光制御を行うための上位側発光用プログラムが記憶されている。非正規のカード2が挿入口4から挿入されること、および、正規のカード2が間違った向きで挿入口4から挿入されることを「不適切なカード2の挿入」とし、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて不適切なカード2の挿入が検知されたときの発光部15の発光制御を行うための上位側発光用プログラムを「上位側異常時発光用プログラム」とすると、本形態では、上位側異常時発光用プログラムが上位制御部11に記憶されている。また、不適切なカード2の挿入が検知されていないときの発光部15の発光制御を行うための上位側発光用プログラムを「上位側正常時発光用プログラム」とすると、上位側正常時発光用プログラムが上位制御部11に記憶されている。一方で、初期状態の制御部3には、発光部15の発光制御を行うためのプログラムは設定されていない。
【0038】
上位制御部11は、カード2の処理が開始される前の所定のタイミングで、設定コマンドによって、上位側異常時発光用プログラムに基づく異常時発光用プログラムを制御部3に設定する(ステップS1)。すなわち、上位制御部11は、異常時発光用プログラムを制御部3に予め設定する。この状態で、厚み検知機構16および/または幅検知機構17によってカード2の挿入が検知されると(ステップS2において“Yes”になると)、制御部3は、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて、正規のカード2が正しい向きで挿入口4から挿入されたか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、制御部3は、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて、不適切なカード2の挿入が検知されたか否かを判断する。
【0039】
なお、本形態では、上位制御部11は、ステップS1よりも前の所定のタイミングで、設定コマンドによって、上位側正常時発光用プログラムに基づく正常時発光用プログラムを制御部3に設定している(ステップS0)。厚み検知機構16および/または幅検知機構17によってカード2の挿入が検知される前の待機時には、制御部3は、正常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行っている。たとえば、制御部3は、待機時において、発光部15を青色で連続的に点灯させている。
【0040】
ステップS3において、不適切なカード2の挿入が検知された場合には、制御部3は、正常時発光用プログラムを記憶する(ステップS4)。すなわち、ステップS3において、不適切なカード2の挿入が検知された場合には、制御部3は、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて不適切なカード2の挿入が検知される直前の正常時発光用プログラムを記憶する。
【0041】
その後、制御部3は、ステップS1で予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行う(ステップS5)。すなわち、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて不適切なカード2の挿入が検知されると、制御部3は、正常時発光用プログラムを記憶した後に、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行う。たとえば、制御部3は、発光部15を赤色で断続的に点滅させる。
【0042】
その後、非正規のカード2または間違った向きで挿入された正規のカード2が挿入口4から抜き取られて、不適切なカード2の挿入が検知されなくなると(ステップS6において“Yes”になると)、制御部3は、ステップS4において記憶した不適切なカード2の挿入が検知される直前の正常時発光用プログラムを読み出し、読み出した正常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行う(ステップS7)。すなわち、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて、非正規のカード2または間違った向きで挿入された正規のカード2が挿入口4から抜き取られたことが検知されると、制御部3は、発光部15の発光制御を、異常時発光用プログラムに基づく発光制御から、ステップS4において記憶した不適切なカード2の挿入が検知される直前の正常時発光用プログラムに基づく発光制御へ復帰させる。発光部15の発光制御が正常時発光用プログラムに基づく発光制御に復帰すると、その後、ステップS2へ戻る。
【0043】
一方、ステップS3において、正規のカード2が正しい向きで挿入口4から挿入された場合には、制御部3は、磁気ヘッド18および金属検知機構19での検知結果に基づいて、挿入されたカード2の磁気ストライプ2aの有無およびIC接点の有無が、カードリーダ1で処理されるべきカード2の条件と合致しているか否かを判断する(ステップS8)。たとえば、カードリーダ1で処理されるべきカード2が、磁気ストライプ2aおよびIC接点を有するカード2である場合には、ステップS8において、制御部3は、磁気ヘッド18および金属検知機構19での検知結果に基づいて、挿入されたカード2が磁気ストライプ2aおよびIC接点を備えているか否かを判断する。
【0044】
ステップS8において、挿入されたカード2の磁気ストライプ2aの有無およびIC接点の有無が、カードリーダ1で処理されるべきカード2の条件と合致している場合には、制御部3は、カードリーダ1におけるカード2の処理を継続する(ステップS9)。具体的には、ステップS9では、カードリーダ1の内部にカード2を搬送して、磁気ヘッドやIC接点ブロックによるデータの読取や記録等を行う。なお、ステップS9では、制御部3は、正常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行っている。
【0045】
一方、ステップS8において、挿入されたカード2の磁気ストライプ2aの有無およびIC接点の有無が、カードリーダ1で処理されるべきカード2の条件と合致していない場合には、ステップS6へ進み、制御部3は、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて、非正規のカード2または間違った向きで挿入された正規のカード2が挿入口4から抜き取られたか否かを判断する。
【0046】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、上位制御部11は、上位制御部11に記憶された上位側異常時発光用プログラムに基づく異常時発光用プログラムおよび上位制御部11に記憶された上位側正常時発光用プログラム基づく正常時発光用プログラムを制御部3に予め設定し、制御部3は、予め設定された異常時発光用プログラムや正常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行っている。そのため、本形態では、制御部3に記憶されるファームウェアが共通でも、制御部3は、上位制御部11によって設定された異常時発光用プログラムや正常時発光用プログラムに基づいて、発光部15を様々な発光色や発光方法で光らせることが可能になる。すなわち、本形態では、制御部3に記憶されるファームウェアが共通でも、カード処理システム10が設置される銀行等の顧客のニーズに応じた多様な発光色および発光方法で発光部15を光らせることが可能になる。
【0047】
本形態では、異常時発光用プログラムが制御部3に予め設定されており、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて不適切なカード2の挿入が検知されると、制御部3が異常時発光用プログラムに基づく発光部15の発光制御を行う。そのため、本形態では、異常時発光用プログラムに基づく発光制御を直ちに開始することが可能になる。すなわち、異常時発光用プログラムが制御部3に予め設定されておらず、不適切なカード2の挿入が検知されたときに、上位制御部11が発光部15の発光制御を行う場合には、遅延時間が長くなり、異常時発光用プログラムに基づく発光部15の発光制御を直ちに開始することができないが、本形態では、制御部3が異常時発光用プログラムに基づく発光部15の発光制御を行うため、異常時発光用プログラムに基づく発光制御を直ちに開始することが可能になる。したがって、本形態では、カードリーダ1へカード2を挿入する利用者のカード操作に同期した発光部15の発光制御を行うことが可能になる。
【0048】
本形態では、制御部3は、厚み検知機構16および幅検知機構17での検知結果に基づいて不適切なカード2の挿入が検知されると、正常時発光用プログラムを記憶した後に、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行うとともに、非正規のカード2または間違った向きで挿入された正規のカード2が挿入口4から抜き取られると、不適切なカード2の挿入が検知される直前に記憶した正常時発光用プログラムを読み出し、読み出した正常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行う。そのため、本形態では、非正規のカード2または間違った向きで挿入された正規のカード2が挿入口4から抜き取られた後、正常時発光用プログラムに基づく発光部15の発光制御を直ちに開始することが可能になる。したがって、カードリーダ1へカード2を挿入する利用者のカード操作に同期した発光部15の発光制御を行うことが可能になる。
【0049】
なお、本形態において、たとえば、厚み検知機構16および/または幅検知機構17によってカード2の挿入が検知される前の待機時に、発光部15を点灯させなくても良いし、発光部15を緑色で連続的に点灯させても良い。本形態では、不適切なカード2の挿入が検知された場合、制御部3が、不適切なカード2の挿入が検知される直前の、発光部15の発光制御の状態(正常時発光用プログラム)を記憶した後に、予め設定された異常時発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行うため、顧客毎に正常時発光用プログラムが異なる場合であっても、複雑な発光プログラムを設定せずに不適切なカード2が検知される直前の発光制御の状態に戻すことが可能となる。すなわち、ファームウェアを共通にすることが可能になるとともに、顧客のニーズに応じたカードリーダ1の発光部15の発光制御が可能になる。
【0050】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0051】
上述した形態では、上位制御部11に、上位側異常時発光用プログラムが記憶され、ステップS1において、上位制御部11は、上位側異常時発光用プログラムに基づく異常時発光用プログラムを制御部3に設定している。この他にもたとえば、不適切なカード2の挿入が検知されたとき以外の所定の状況において、発光部15の発光制御を行うための上位側発光用プログラムが上位制御部11に記憶され、ステップS1において、上位制御部11がこの上位側発光用プログラムに基づく発光用プログラムを制御部3に設定しても良い。たとえば、カードリーダ1の内部にカード2が取り込まれて所定の処理が行われている状態で別のカード2が挿入口4から差し込まれたときの発光部15の発光制御を行うための上位側発光用プログラムが上位制御部11に記憶され、ステップS1において、上位制御部11がこの上位側発光用プログラムに基づく発光用プログラムを制御部3に設定しても良い。この場合には、カードリーダ1の内部にカード2が取り込まれて所定の処理が行われている状態で別のカード2が挿入口4から差し込まれると、制御部3は予め設定されたこの発光用プログラムに基づいて発光部15の発光制御を行う。
【0052】
上述した形態では、上位制御部11は、ステップS1よりも前の所定のタイミングで、設定コマンドによって、上位側正常時発光用プログラムに基づく正常時発光用プログラムを制御部3に設定している。この他にもたとえば、制御部3に記憶されたファームウェアの中に正常時発光用プログラムが最初から設定されていても良い。
【0053】
上述した形態において、磁気ヘッド18がカード搬送路の下面側のみに配置されている場合には、カード2がその裏面を下側に向けた状態で挿入口4から挿入されたのか、それとも、カード2がそのおもて面を下側に向けた状態で挿入口4から挿入されたのかを検知することが可能になる。また、金属検知機構19が図2におけるカード搬送路の左端側に配置されている場合には、カード2が裏面を下側に向けた状態で、カード2の短手方向における一端2d側から挿入されると、金属検知機構19によってカード2の端子部2bが検知されるとともに、カード2がおもて面を下側に向けた状態で、カード2の短手方向における他端2e側(図3参照)から挿入されると、金属検知機構19によってカード2の端子部2bが検知される。そのため、磁気ヘッド18での検知結果と金属検知機構19での検知結果に基づいて、カード2の一端2d側からカード2が挿入されたのか、それとも、カード2の他端2e側からカード2が挿入されたのかを検知することが可能である。
【0054】
したがって、幅検知機構17を用いて、カード2の短手方向が前後方向と一致するようにカード2が挿入口4から挿入されたか否かを検知することに加えて、磁気ヘッド18および金属検知機構19を用いて、カード2が裏面を下側に向けた状態で挿入口4から挿入されたか否か、および、一端2d側からカード2が挿入されたか否かを検知することで、カード2が正しい向きで挿入口4から挿入されたか否かを検知しても良い。この場合には、厚み検知機構16、幅検知機構17、磁気ヘッド18および金属検知機構19によって、正規のカード2が正しい向きで挿入口4から挿入されたことを検知するためのカード挿入検知機構が構成される。また、この場合には、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS3で、正規のカード2が正しい向きで挿入口4から挿入されると、ステップS9へ進む。
【0055】
上述した形態では、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。この他にもたとえば、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。また、上述した形態では、カードリーダ1は、カード2の短手方向がカード2の挿入方向となるように挿入されたカード2に対するデータの読取や記録を行っているが、カードリーダ1は、カード2の長手方向がカード2の挿入方向となるように挿入されたカード2に対するデータの読取や記録を行っても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 カードリーダ
2 カード
3 制御部
4 挿入口
5 カード挿入部
10 カード処理システム
11 上位制御部
15 発光部
16 厚み検知機構(カード挿入検知機構の一部)
17 幅検知機構(カード挿入検知機構の一部)
X1 カードの挿入方向
V カードの短手方向
図1
図2
図3
図4