(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フェース、前記フェースに対向する後方部、ヒール、前記ヒールに対向するトウ、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するクラウン表面を有するクラウン、および前記クラウンに対向し、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するソール表面を有するソールであって、前記クラウンの前記表面上の最高点が頂点を画定する、前記ソールと、
前記クラウンの前記表面から突出する複数のクラウン乱流部であって、各隣接対のクラウン乱流部は、それぞれ独立し相互に離間されることにより、前記隣接対のクラウン乱流部間にスペースを画定し、各クラウン乱流部は、前記ヒールと前記トウとの間において延在して幅を画定し、前記フェースと前記後方部との間において延在して長さを画定する、前記複数のクラウン乱流部と、を備え、
前記長さは、前記幅よりも実質的に大きく、
前記複数のクラウン乱流部は、前記フェースと前記頂点との間に位置し、
各隣接する一対のクラウン乱流部間の前記スペースは、前記スペースを画定する前記隣接する一対のクラウン乱流部のそれぞれの前記幅よりも実質的に大きい、ゴルフクラブヘッド。
各乱流部は、前記フェースに対して、ほぼ第1の方向に配向され、隣接する乱流部は、前記フェースに対して前記第1の方向とは異なるほぼ第2の方向に配向される、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記ソール乱流部の中の少なくとも1つは、前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配置される、請求項8又は9に記載のゴルフクラブヘッド。
前記ソール乱流部の中の少なくとも1つは、前記トウと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配置される、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
前記少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近に位置し、ほぼ前記トウの方向に第2の端部まで延在する、第1の端部を有する、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
フェース、前記フェースに対向する後方部、ヒール、前記ヒールに対向するトウ、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間において延在するクラウン表面を有するクラウン、および前記クラウンに対向し、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するソール表面を有するソールと、
前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部まで延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝により画定される、第1の複数のソール乱流部であって、前記第1の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記ヒールの付近からほぼ前記トウに向かう方向に延在する、前記第1の複数のソール乱流部と、
前記トウと前記ソール表面上の正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝により画定される、第2の複数のソール乱流部であって、前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近からほぼ前記後方部に向かう方向に延在する、前記第2の複数のソール乱流部と、
を備え、
前記第1の複数のソール乱流部または前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部の幅は、前記少なくとも1つのソール乱流部の長さに沿って変化する、ゴルフクラブヘッド。
少なくとも1つのクラウン乱流部の少なくとも一部分が、前記フェースと前記クラウンの前記表面上の最高点により画定される頂点との間に配置される、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
各隣接対のクラウン乱流部が、それぞれ独立し相互に離間されることにより、前記隣接対のクラウン乱流部間にスペースを画定し、各スペースは、前記スペースを画定する前記隣接対のクラウン乱流部のそれぞれの幅よりも実質的に大きい、請求項15又は16に記載のゴルフクラブヘッド。
前記複数の第1のソール乱流部のそれぞれは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第1の端部及び第2の端部は、前記ヒールと同一の一般的方向に延在する線を画定する、請求項14から17のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
前記第1の複数のソール乱流部または前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部の前記長さが異なる、請求項14から18のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
前記複数の第1のソール乱流部または前記複数の第2のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部は、ほぼ平行である、請求項14から19のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
前記複数の第1のソール乱流部または前記複数の第2のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部は、ほぼ非平行である、請求項14から20のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
前記ソール上に、第1の複数のソール乱流部を形成するステップをさらに含み、前記第1の複数のソール乱流部は、前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝によって画定され、前記第1の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記ヒールの付近からほぼ前記トウに向かう方向に延在する、請求項24から26のいずれか一項に記載の方法。
前記ソール上に、第2の複数のソール乱流部を形成するステップをさらに含み、前記第2の複数のソール乱流部は、前記トウと前記ソール表面上の前記正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝によって画定され、前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近からほぼ前記後方部に向かう方向に延在する、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1を参照すると、ヒール端部104からトウ端部106にかけて水平に、およびソール108からクラウン110にかけて垂直に延在するフェース102を備える、クラブヘッドゴルフクラブヘッド100が示される。フェース102とクラウン110との間の移行領域は、前縁112を画定する。クラウン110上の最高点は、頂点111を画定する。また、クラブヘッド100は、シャフト(図示せず)を受けるためのホーゼル114を備える。クラブヘッド100は、ウッドタイプのクラブヘッドである。しかし、本開示は、ウッドタイプのクラブヘッドに限定されず、任意のタイプのクラブヘッドゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバタイプクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプクラブヘッド、ハイブリッドタイプクラブヘッド、アイアンタイプクラブヘッド、ウェッジタイプクラブヘッド、またはパタータイプクラブヘッドなど)に対して適用される。本明細書において説明される装置、方法、および製品は、この点において限定されない。
【0029】
図1は、流線116によりクラブヘッド100上における例示的な空気流パターンを示す。矢印117の方向に流れる空気は、前縁112からクラウン110の後方セクションに向かってクラウン110を越えて流れる。空気流は、前縁112から、前縁112からある離間距離121をおいて位置する剥離領域120にかけては、クラウン110に対して付着した状態に留まり得る。剥離は、クラウン110の幅狭帯状部において発生し得る。したがって、剥離領域120は、本明細書においては剥離ライン120と呼ばれる場合もある。
図1に示すように、距離121は、クラブヘッド100の物理的特徴に応じてヒール端部104からトウ端部106にかけて非一定であってもよい。剥離領域120において、空気流は、クラウン110から剥離し、乱流となるまたは自由流領域において渦を形成する空気流によって画定される伴流領域122を形成する。クラウン110上の伴流領域122と付着流領域との間における圧力差により、クラブヘッド100上に圧力抗力が発生する。この圧力抗力は、クラブヘッド100の速度を低下させ、したがってクラブヘッド100により打撃されるボールの速度に影響を及ぼす。より長い距離121にわたって空気流をクラウン110に付着した状態に維持するためには、剥離領域120前の境界層において空気流にエネルギー付与することにより、空気流の分離を遅延させるか、またはクラウン110上の剥離領域120をさらに後方へと移動させることが可能である。剥離領域120の上流側における層流であり得る境界層に対してエネルギー付与するためには、剥離領域120の上流側において境界層を乱流化する(またはその流れが乱流である場合には、さらに乱流化する)ことが可能である。
【0030】
上述のような空気流剥離または分離を遅延させるために、クラブヘッドゴルフクラブヘッド100は、以下で詳細に説明されるようなクラウン110上に位置決めされた乱流部を備える。
図2を参照すると、これらの乱流部は、クラウン110の前方領域124におよび剥離領域120の前に配置されることにより、空気流剥離を遅延させるか、またはクラウン110の後方領域126に向けて剥離領域120を移動させることができる。
図3においては、例示的な乱流部200の概略図が断面で示される。乱流部200は、境界層203内部に位置するような高さ201で、クラウン110から上方に突出する。乱流部200は、流線216により示されるように、クラウン110を越えて流れる空気を妨害することにより、境界層203内部に乱流205を発生させる。この乱流は、境界層203に対してエネルギー付与して、クラウン110上における空気流の剥離を遅延させ、クラウン110の後方領域126の方向に剥離領域120を移動させる。換言すれば、本開示による乱流部は、
図1に示す距離121を増大させる。
【0031】
乱流部300の一例を
図4に示す。乱流部300は、境界層中に乱流を発生させることにより、クラウン110上の境界層に対してエネルギー付与する。乱流部300は、前縁112の下流側に一定のまたは可変の距離301をおいてクラウン110上に配置され、ホーゼル114またはヒール端部104からトウ端部106にかけて延在し得る。乱流部300は、クラウン110の表面上に断続的または連続的な形態で、ある高さ(
図4〜
図8には図示せず、しかし
図3に参照番号201で概略的に図示)の複数の突出表面を形成する。クラウン110を越えて流れる空気が、乱流部300の突出表面に直面すると、この空気は、妨害され、境界層内部の乱流となって、境界層に対してエネルギー付与する。
【0032】
図4の例において示す乱流部300は、ジグザグパターンを有するストリップにより形成される。
図5を参照すると、このジグザグパターンは、ピーク302と、後退角表面304とを形成する。ピーク302および後退角表面304は、乱流部300の幅303にわたって空気流の連続的な妨害をもたらす。ピーク302同士は、距離305だけ相互に離間され、乱流部300は、空気流に影響を及ぼし得る厚さ307、高さ(
図4〜
図8には図示せず)、および表面特徴を有する。ピーク302は、ピーク角度309により画定され、2つの隣接し合うピーク302間の角度は、谷角度311により画定される。
図6〜
図8を参照すると、幅303、距離305、厚さ307、高さ、および/または角度309および311は、クラウン110上においてある特定の流れパターンを実現するために、用途ごとに異なってもよい。また、乱流部300の各表面特徴は、クラウン110上においてある特定の流れパターンを実現するように異なってもよい。乱流部300の表面特徴は、乱流部300の上部表面の粗度または平滑度を指す場合がある。
図6〜
図8の例においては、
図7に示す乱流部300は、
図6の乱流部300よりも大きな乱流を境界層内にもたらし得る。したがって、
図7の乱流部300は、クラブヘッド100の物理的特徴に応じたある特定の用途において適したものとなり得る。しかし、
図6の乱流部300は、別のタイプのクラブヘッド100に適したものとなり得る。したがって、
図6〜
図8の例示的な乱流部300は、それぞれ異なるクラブヘッド100に対して適したものとなり得る。
【0033】
例えば、乱流部300は、0.5インチ(1.27cm)を超過しない高さを有してもよい。一実施形態においては、乱流部300は、0.02インチ(0.05cm)超かつ0.2インチ(0.51cm)未満の高さを有してもよい。一実施形態においては、乱流部の幅303は、0.75インチ(1.91cm)未満であってもよい。乱流部300は、空気流剥離の遅延に寄与するピーク間距離305を有してもよい。乱流部300の位置は、クラブヘッド100の物理的特徴およびクラウン110の流れパターンに応じて変更されてもよい。乱流部300は、
図4に示すように、クラブフェース102に対して斜角をなしてクラウン110上に配置されてもよく、またはクラブフェース102から0.25インチ(0.64cm)〜4.5インチ(11.43cm)の間においてクラブフェース102に対して平行であってもよい。乱流部300は、ある特定のクラブヘッド100の剥離領域120に基づき、クラウン110上に曲線状に配置されてもよい。一実施形態においては、乱流部300は、クラブフェース102とクラウン110の頂点111との間に配置される。したがって、乱流部300は、クラウン110の前縁112と頂点111との間に配置されてもよい。乱流部300は、後退角表面304がクラブヘッド100の正中線127(
図2に図示)に対して20°〜70°の角度を形成するように、クラウン110上に配置されてもよい。
【0034】
図4を参照すると、例えば、乱流部300は、ヒール端部104からトウ端部106にかけて延在するストリップであってもよい。さらに、距離301は、ヒール端部104からトウ端部106にかけて増大する。距離301のこの増大により、乱流部は、
図1に示す剥離領域120の形状に近似的に倣って配置される。代替的には、乱流部300は、剥離領域120の形状に実質的に倣う曲線ストリップ(図示せず)であってもよい。
【0035】
幅303、距離305、厚さ307、高さ、および/または角度309および311は、
図6〜
図8に示すように、乱流部の長さに沿って一定であってもよい。しかし、上記パラメータのいずれか1つまたは全ては、ある特定の空気流効果を実現するために、ヒール端部104からトウ端部106にかけて乱流部300に沿って非一定であってもよい。さらに、乱流部300の表面特徴が、ヒール端部104からトウ端部106にかけて乱流部300に沿って一定であってもまたは非一定であってもよい。乱流部300は、上述のジグザグパターンと同様の任意のパターンを、または上述の境界層エネルギー付与機能を実現し得る他のパターンを有してもよい。かかるパターンは、正方形、矩形、三角形、曲線系、円形、多角形、または他の形状などの様々な幾何学形状を、断続的構成または連続的構成で備えてもよい。本明細書において説明する装置、方法、および製品は、この点において限定されない。
【0036】
乱流部300は、
図4においては連続ストリップとして図示される。しかし、乱流部300は、相互に対して整列状態、オフセット状態、および/または直列状態などの様々な構成でクラウン110上に位置決めされた、複数の乱流部部分により形成されてもよい。例えば、乱流部300は、クラウン110上においてそれぞれ異なる距離301をおいて位置決めされた3つの断続的なジグザグストリップを備えてもよい。これらの断続ストリップはそれぞれ、同様のまたは異なる高さ、幅303、距離305、厚さ307、角度309および/または311などの、同様のまたは異なる特性を有してもよい。
【0037】
乱流部300は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、様々な他の金属もしくは合金、複合材料、木材もしくは石材などの天然材料、またはプラスチックなどの人工材料など、任意のタイプの材料から作製されてもよい。乱流部300が、金属から作製される場合には、乱流部300は、クラブヘッド100上に形成されるか、あるいは、スタンプ加工(すなわちマシンプレスもしくはスタンププレスを使用したパンチ加工、ブランク加工、エンボス加工、曲げ加工、フランジ加工、または圧印加工、鋳造)、射出成形、鍛造、機械加工、もしくはそれらの組合せ、または金属パーツの製造に利用される他のプロセスにより、クラブヘッド100と共に同時に形成され得る。金属材料またはプラスチック材料の射出成形により、クラブヘッド100の上述のパーツおよび/または乱流部300に対応する空洞部が組み込まれた単体のまたは複数片からなる型を作製することが可能である。溶融された金属材料またはプラスチック材料が、この型内に注入され、次いで冷却される。次いで、クラブヘッド100および/または乱流部300が、型から取り出されて、その表面上の不整部を平滑化するためにまたは残留部を除去するために機械加工され得る。乱流部300が、クラブヘッド100とは別個に製造される場合には、乱流部300は、固定具、接着剤、溶接、はんだ付け、あるいは他の固定方法および/または固定デバイスにより、クラウン110に対して固定的にまたは着脱自在に装着され得る。一例においては、乱流部300は、接着剤バッキングを有する材料のストリップから形成されてもよい。したがって、乱流部300は、この接着剤バッキングにより、クラウン上の任意の位置においてクラブヘッド100に対して装着されてもよい。
【0038】
図9および
図10を参照すると、別の例示的な乱流部400が示される。乱流部400は、前縁112の下流側におよび剥離領域120の少なくとも部分的に前に位置決めされた、複数のリッジ401〜408を備える。各リッジ401〜408は、別のリッジと同一の距離409をおいて、または別のリッジとは異なる距離409を置いて、前縁112から離間されてもよい。
図9および
図10は、ある特定個数のリッジを示し得るが、本明細書において説明される装置、方法、および製品は、より多数のまたはより少数のリッジを備えてもよい。リッジ404のみの例を示す
図11〜
図14を参照すると、各リッジ401〜408は、長さ411、ベース幅413、高さ415(
図12に図示)、およびクラブヘッド100の前縁112に対する角度417を有する。各リッジ401〜408は、リッジ同士が平行でない場合にリッジ401〜408の前縁410から測定される距離419(
図9および
図10に図示)だけ、隣接するリッジから離間されてもよい。
【0039】
図11は、リッジ404についての例示的な形状を示すが、決してリッジ401〜408の形状を限定するものではない。リッジ401〜408は、任意の断面形状を有し得る。
図12〜
図14においては、リッジ401〜408の3つの例示的な断面形状が示される。長さ411は、ベース幅413よりも実質的に大きくてもよい。リッジ401〜408は、クラウン110上に形成された境界層に対してエネルギー付与するための渦発生器として機能し、したがってクラウン110上においてさらに後方へと剥離領域120を移動させる。したがって、各リッジ401〜408は、乱流部として機能する。各リッジ401〜408の高さ415は、各リッジ402の頂部412(
図12に図示)が境界層内部に留まるような高さであってもよい。しかし、これらのリッジの任意の1つまたは複数が、境界層を越えて上方に延在してもよい。
【0040】
各リッジの角度417は、各リッジ401〜408が前縁112に対しておよび/または相互に対してほぼ垂直に、平行に、または斜めに配向されるように、設定されてもよい。一実施形態においては、角度417は、20°〜70°の間であってもよい。
図9および
図10の例においては、乱流部400は、クラブヘッド100のトウ端部側に、ほぼ約60°〜70°の角度417におよび相互に対して平行に配向された4つのリッジ401〜404を備える。さらに、乱流部400は、リッジ401〜404に対して、クラブヘッド100の正中線127を中心とした角度417に関して対称的な4つのリッジ405〜408を備える。
【0041】
各リッジ401〜408は、線形として図示される。しかし、各リッジ401〜408は、曲線状である、長さ411に沿って可変ベース幅413を有する、可変断面形状を有する、長さ411および/またはベース幅413に沿って可変高さ415を有する、鋭角または鈍角の前縁410または後縁414を有する、鋭角または鈍角の頂部412を有する、種々の表面テクスチャを有する、および/または長さ411、ベース幅413、および/または高さ415に沿って他の物理的多様性を有することが可能である。距離409は、クラウン110上の剥離線120の位置に近似的に対応するように、各リッジ401〜408について、ヒール端部104からトウ端部106にかけて増大してもよい。しかし、
図9および
図10におけるように、各リッジ401〜408は、前縁112から実質的に同一距離409をおいてクラウン110上に配置されてもよい。さらに、各リッジ401〜408は、本明細書において説明される境界層効果を実現するためにクラウン110上の任意の位置に配置されてもよい。リッジの位置は、クラブヘッド100の物理的特徴およびクラウン110上における空気流パターンに応じて変更されてもよい。各リッジ401〜408は、クラブフェース110から0.25インチ(0.64cm)〜4.5インチ(11.43cm)の間の位置に、クラウン110上に直線または曲線に沿って配置されてもよい。各リッジ401〜408は、0.5インチ(1.27cm)を超過しない高さ415を有してもよい。一実施形態においては、少なくとも1つのリッジ401〜408が、0.02インチ(0.05cm)超かつ0.2インチ(0.51cm)未満の高さ415を有してもよい。リッジ401〜408は、空気流剥離の遅延に寄与する距離419を有してもよい。リッジ401〜408は、各クラブヘッド100の剥離領域120の位置に基づき曲線状でクラウン110の上に配置されてもよい。一実施形態においては、リッジ401〜408は、フェース102とクラウン110の頂点111との間に配置される。したがって、リッジ402は、前縁112とクラウン110の頂点111との間に配置されてもよい。
【0042】
図10を参照すると、各リッジ401〜408が、リッジ上を流れる空気を妨害することにより、エリア421(リッジ404のみに関して図示)内のリッジ401〜408の下流側の境界層に対してエネルギー付与する小さな渦が、長さ411に沿って形成される。したがって、剥離領域120は、クラウン110上においてさらに後方に移動される。各リッジ401〜408の間の距離419、長さ411、ベース幅413、高さ415、および/または角度417は、エリア421同士が若干または大幅に重畳するようにまたは重畳しないように、設定されてもよい。
図10に示すように、各リッジ401〜408の距離419、長さ411、および角度417は、各リッジ401〜408の前縁410が、隣接するリッジ401〜408の後縁414と空気流方向に沿ってほぼ整列されるように、設定される。したがって、
図9および
図10に示すようなクラウン110上のリッジ401〜408の配置は、境界層乱流の重畳エリア421をもたらす。しかし、リッジ401〜408は、任意の物理的特徴を有するように構成することが可能であり、任意の距離419をおいて離間され得る。例えば、これらのリッジが、
図9および
図10に示すリッジ401〜408の長さ411よりも短い長さを有する場合には、距離419は、リッジ401〜408の下流側において領域421同士が確実に重畳するように、縮小され得る。別の例においては、クラブフェース100に対するリッジ401〜408の角度417が、
図9および
図10に示す角度417とは異なる場合には、これに応じて、リッジ401〜408の下流側におけるエリア421同士の重畳を確保するために、リッジ401〜408の距離419または長さ411を変更することが可能である。さらに別の例においては、複数列のリッジを、クラウン110上において相互に対して直列状またはオフセット状に設けることが可能である。したがって、それぞれが任意の物理的特徴および隣接するリッジに対する距離409を有する任意の個数のリッジを、クラウン110上に設けることが可能である。例えば、特定の用途においては、エリア421同士の重畳が適切ではない場合がある。したがって、リッジ401〜408は、エリア421同士の重畳を軽減する、最小限に抑える、または防止するように構成することが可能である。
【0043】
図10を参照すると、リッジ401〜404は、正中線127の方向を向くように配置され、リッジ405〜408は、やはり正中線127の方向を向くように配置される。したがって、リッジ401〜408は、プレーヤがクラブフェース102をボールに位置合わせするための位置合わせ補助部として機能し得る。アドレスポジションで立つ人は、リッジ401〜408の補助を用いて正中線127に対してボール(図示せず)の位置を視覚的に決定することができる。
【0044】
図15および
図16を参照すると、別の例示的な乱流部500が図示される。乱流部500は、前縁112の下流側におよび剥離領域120の少なくとも部分的に前に位置決めされた、複数のリッジ501〜507を備える。各リッジ501〜507は、別のリッジと同一の距離509、または、別のリッジとは異なる距離509をおいて、前縁112から離間され得る。
図15および
図16は、ある特定個数のリッジを示し得るが、本明細書において説明される装置、方法、および製品は、より多数のまたはより少数のリッジを備えてもよい。リッジ504のみの例を示す
図17〜
図20を参照すると、各リッジ501〜507は、長さ511、ベース幅513、高さ515(
図18に図示)、およびクラブヘッド100の前縁112に対する角度517を有する。各リッジ501〜507は、リッジ同士が平行でない場合に、リッジ501〜507の前縁504から測定される距離519(
図15および
図16に図示)だけ、隣接するリッジから離間される。
【0045】
図17は、リッジ504の例示的な形状を示すが、リッジ501〜507の形状を限定するものではない。リッジ501〜507は、任意の断面形状を有し得る。
図18〜
図20においては、リッジ501〜507の3つの例示的な断面形状が示される。長さ511は、ベース幅513よりも実質的に大きくてもよい。リッジ501〜507は、クラウン110上に形成された境界層に対してエネルギー付与するための渦発生器として機能し、したがって、クラウン110上において、さらに後方へと剥離領域120を移動させる。したがって、各リッジ501〜507は、乱流部として機能する。各リッジ501〜507の高さ515は、各リッジ501〜507の頂部512(
図18に図示)が境界層内部に留まるような高さであってもよい。しかし、これらのリッジの任意の1つまたは複数が、境界層を越えて上方に延在してもよい。
【0046】
各リッジの角度517は、各リッジ501〜507が前縁112に対して、および/または、相互に対してほぼ垂直に、平行に、または斜めに配向されるように、設定されてもよい。一実施形態においては、角度517は、20°〜70°の間であってもよい。
図15および
図16の例においては、乱流部500は、ほぼ約60°〜70°の角度517におよび相互に対して平行に配向された7つのリッジ501〜507を備える。
【0047】
各リッジ501〜507は、線形のものとして図示される。しかし、各リッジ501〜507は、曲線状であってもよく、長さ511に沿って変化するベース幅513を有していてもよく、変化する断面形状を有していてもよく、長さ511および/またはベース幅513に沿って、変化する高さ515を有していてもよく、鋭角または鈍角の前縁510または後縁514を有していてもよく、鋭角または鈍角の頂部512を有していてもよく、種々の表面テクスチャを有していてもよく、および/または長さ511、ベース幅513、および/または高さ515に沿って他の物理的多様性を有していてもよい。距離509は、クラウン110上の剥離線120の位置に近似的に対応するように、各リッジ501〜507について、ヒール端部104からトウ端部106にかけて増大してもよい。しかし、
図15および
図16に示すように、各リッジ501〜507は、前縁112から実質的に同一距離509をおいて配置されてもよい。さらに、各リッジ501〜507は、本明細書において説明される境界層効果を実現するために、クラウン110上の任意の位置に配置されてもよい。リッジの位置は、クラブヘッド100の物理的特徴およびクラウン110上における空気流パターンに応じて変更されてもよい。各リッジ501〜507は、クラブフェース110から0.25インチ(0.64cm)〜4.5インチ(11.43cm)の間の位置に、クラウン110上に直線または曲線に沿って配置されてもよい。各リッジ501〜507は、0.5インチ(1.27cm)を超過しない高さ515を有してもよい。一実施形態においては、少なくとも1つのリッジ501〜507は、0.02インチ(0.05cm)超かつ0.2インチ(0.51cm)未満の高さ515を有してもよい。リッジ501〜507は、空気流剥離の遅延に寄与する距離519を有してもよい。リッジ501〜507は、各クラブヘッド100の剥離領域120の位置に基づき、曲線状でクラウン110の上に配置されてもよい。一実施形態においては、リッジ501〜507は、クラウン110の頂点111の前に配置される。したがって、リッジ501〜507は、前縁112とクラウン110の頂点111との間に配置されてもよい。
【0048】
図16を参照すると、各リッジ501〜507が、リッジ上を流れる空気を妨害することにより、エリア521(リッジ504のみに関して図示)内のリッジ501〜507の下流側の境界層に対して、エネルギー付与する小さな渦が、長さ511に沿って形成される。したがって、剥離領域120は、クラウン110上においてさらに後方に移動される。各リッジ501〜507の間の距離519、長さ511、ベース幅513、高さ515、および/または角度517は、エリア521同士が若干または大幅に重畳するように、または、重畳しないように、設定されてもよい。
図16に示すように、各リッジ501〜507の距離519、長さ511、および角度517は、各リッジ501〜507の前縁510が、隣接するリッジ501〜507の後縁514と空気流方向に沿ってほぼ整列されるように、設定される。したがって、
図15および
図16に示すようなクラウン110上のリッジ501〜507の配置は、境界層乱流の重畳エリア521をもたらす。しかし、リッジ501〜507は、任意の物理的特徴を有するように構成することが可能であり、任意の距離519をおいて離間され得る。例えば、これらのリッジが、
図15および
図16に示すリッジ501〜507の長さ511よりも短い長さを有する場合には、距離519は、リッジ501〜507の下流側において領域521同士が確実に重畳するように、縮小され得る。別の例においては、クラブフェース100に対するリッジ501〜507の角度517が、
図15および
図16に示す角度517とは異なる場合には、これに応じて、リッジ501〜507の下流側におけるエリア521同士の重畳を確保するために、リッジ501〜507の距離519または長さ511を変更することが可能である。さらに別の例においては、複数列のリッジを、相互に対して直列状態またはオフセット状態でクラウン110上に設けることが可能である。したがって、それぞれが任意の物理的特徴および隣接するリッジに対する距離509を有する任意の個数のリッジを、クラウン110上に設けることが可能である。例えば、特定の用途においては、エリア521同士の重畳が適切ではない場合がある。したがって、リッジ501〜507は、エリア521同士の重畳を軽減する、最小限に抑える、または防止するように構成することが可能である。
【0049】
図21および
図22を参照すると、別の例示的な乱流部600が示される。この乱流部600は、前縁112の下流側におよび剥離領域120の少なくとも部分的に前に位置決めされた、複数のリッジ601〜608を備える。各リッジ601〜608は、別のリッジと同一の距離609、または、別のリッジとは異なる距離609をおいて、前縁112から離間され得る。
図21および
図22は、ある特定個数のリッジを示し得るが、本明細書において説明される装置、方法、および製品は、より多数のまたはより少数のリッジを備えてもよい。リッジ604のみの例を示す
図22〜
図26を参照すると、各リッジ601〜608は、長さ611、ベース幅613、高さ615(
図24に図示)、およびクラブヘッド100の前縁112に対する角度617を有する。各リッジ601〜608は、第1のピーク間距離623または第2のピーク間距離625(
図21および
図22に図示)だけ隣接するリッジから離間され、623および625は隣接し合うリッジ601〜608の前縁604から測定された距離である。
【0050】
図23は、リッジ604の例示的な形状を示すが、リッジ601〜608の形状を限定するものではない。リッジ601〜608は、任意の断面形状を有し得る。
図24〜
図26においては、リッジ601〜608の3つの例示的な断面形状が示される。長さ611は、ベース幅613よりも実質的に大きくてもよい。リッジ601〜608は、クラウン110上に形成された境界層に対してエネルギー付与するための渦発生器として機能し、したがってクラウン110上においてさらに後方へと剥離領域120を移動させる。したがって、各リッジ601〜608は、乱流部として機能する。各リッジ601〜608の高さ615は、各リッジ601〜608の頂部612(
図24に図示)が境界層内部に留まるような高さであってもよい。
【0051】
各リッジの角度617は、各リッジ601〜608が前縁112に対しておよび/または相互に対してほぼ垂直に、平行に、または斜めに配向されるように、設定されてもよい。一実施形態においては、角度617は、20°〜70°の間の絶対値であってもよい。
図21および
図22の例においては、乱流部600は、8つのリッジ601〜608を備える。リッジ601、603、605、および607は、ほぼ約−60°〜−70°の角度617にて(リッジの正の角度については
図17を参照)および相互に対して平行に配向される。また、乱流部600は、約60°〜70°の角度617で配向された4つのリッジ602、604、606、および608を備える。したがって、隣接し合うリッジ601および602、603および604、605および606、ならびに606および608の各対は、V字型、三角形、または同様の形状に類似するように構成される。
【0052】
リッジ604および605は、正中線127をまたいで対称的に位置し、正中線127の方向をほぼ向く。したがって、リッジ604および605は、ボールを正中線127にほぼ位置合わせするプレーヤを支援するための位置合わせデバイスとして機能し得る。
【0053】
各リッジ601〜608は、線形のものとして図示される。しかし、各リッジ601〜608は、曲線状であってもよく、長さ611に沿って変化するベース幅613を有していてもよく、変化する断面形状を有していてもよく、長さ611および/またはベース幅613に沿って変化する高さ615を有していてもよく、鋭角または鈍角の前縁610または後縁614を有していてもよく、鋭角または鈍角の頂部612を有していてもよく、種々の表面テクスチャを有していてもよく、および/または長さ611、ベース幅613、および/または高さ615に沿って他の物理的多様性を有していてもよい。距離609は、クラウン110上の剥離線120の位置に近似的に対応するように、各リッジ601〜608について、ヒール端部104からトウ端部106にかけて増大してもよい。しかし、
図21および
図22に示すように、各リッジ601〜608は、前縁112から実質的に同一距離609をおいて配置されてもよい。さらに、各リッジ601〜608は、本明細書において説明される境界層効果を実現するために、クラウン110上の任意の位置に配置されてもよい。リッジの位置は、クラブヘッド100の物理的特徴およびクラウン110上における空気流パターンに応じて変更されてもよい。各リッジ601〜608は、クラブフェース110から0.25インチ(0.64cm)〜4.5インチ(11.43cm)の間の位置に、クラウン110上に直線または曲線に沿って配置されてもよい。各リッジ601〜608は、0.5インチ(1.27cm)を超過しない高さ615を有してもよい。一実施形態においては、少なくとも1つのリッジ601〜608が、0.02インチ(0.05cm)超かつ0.2インチ(0.51cm)未満の高さ615を有してもよい。リッジ601〜608は、空気流剥離の遅延に寄与する距離623または625を有してもよい。リッジ601〜608は、各クラブヘッド100の剥離領域120の位置に基づき、曲線状でクラウン110の上に配置されてもよい。一実施形態においては、リッジ601〜608は、クラウン110の頂点111(クラウン上の最高点)の前に配置される。したがって、リッジ601〜608は、前縁112とクラウン110の頂点111との間に配置されてもよい。
【0054】
図22を参照すると、各リッジ601〜608が、リッジ上を流れる空気を妨害することにより、エリア621(リッジ604のみに関して図示)内のリッジ601〜608の下流側の境界層に対してエネルギー付与する小さな渦が、長さ611に沿って形成される。したがって、剥離領域120は、クラウン110上においてさらに後方に移動される。各リッジ601〜608の間の距離623または625、長さ611、ベース幅613、高さ615、および/または角度617は、エリア621同士が若干または大幅に重畳するようにまたは重畳しないように、設定されてもよい。
図21および
図22に示すように、クラウン110上におけるリッジ601〜608の配置は、境界層乱流の重畳エリア621をもたらす。しかし、リッジ601〜608は、任意の物理的特徴を有するように構成され、任意の距離623または625をおいて離間され得る。例えば、リッジが、
図21および
図22に示すリッジ601〜608の長さ611よりも短い長さを有する場合には、距離623または625は、リッジ601〜608の下流側におけるエリア621同士の重畳を確保するために縮小され得る。別の例においては、クラブフェース100に対するリッジ601〜608の角度617が、
図21および
図22に示す角度617とは異なる場合には、リッジ601〜608の距離623もしくは625または長さ611は、リッジ601〜608の下流側におけるエリア621同士の重畳を確保するために、これに応じて変更され得る。さらに別の例においては、複数列のリッジを、クラウン110上において相互に対して直列状またはオフセット状に設けることが可能である。したがって、それぞれが任意の物理的特徴および隣接するリッジに対する距離609を有する任意の個数のリッジを、クラウン110上に設けることが可能である。例えば、特定の用途においては、エリア621同士の重畳が適切ではない場合がある。したがって、リッジ601〜608は、エリア621同士の重畳を軽減する、最小限に抑える、または防止するように構成することが可能である。
【0055】
乱流部400、500、または600は、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、様々な他の金属もしくは合金、複合材料、木材もしくは石材などの天然材料、またはプラスチックなどの人工材料など、任意のタイプの材料から作製されてもよい。乱流部400、500、または600が、金属から作製される場合には、乱流部400、500、または600は、クラブヘッド100上に形成されるか、あるいは、スタンプ加工(すなわちマシンプレスもしくはスタンププレスを使用したパンチ加工、ブランク加工、エンボス加工、曲げ加工、フランジ加工、または圧印加工、鋳造)、射出成形、鍛造、機械加工、もしくはそれらの組合せ、または金属パーツの製造に利用される他のプロセスにより、クラブヘッド100と共に同時に形成され得る。金属材料またはプラスチック材料の射出成形により、クラブヘッド100の上述のパーツおよび/または乱流部400、500、もしくは600に対応する空洞部が組み込まれた単体のまたは複数片からなる型を作製することが可能である。溶融された金属材料またはプラスチック材料が、この型内に注入され、次いで冷却される。次いで、クラブヘッド100および/または乱流部400、500、もしくは600が、型から取り出されて、その表面上の不整部を平滑化するためにまたは残留部を除去するために機械加工され得る。乱流部400、500、または600が、クラブヘッド100とは別個に製造される場合には、乱流部400、500、または600は、固定具、接着剤、溶接、はんだ付け、あるいは他の固定方法および/または固定デバイスにより、クラウン110に対して、固定的にまたは着脱自在に装着され得る。一例においては、乱流部400、500、または600は、金属材料から形成されてもよい。この場合には、乱流部400、500、または600は、接着剤によりクラウン110に対して装着することが可能である。別の例においては、乱流部400は、クラウン110に対して乱流部400、500、または600を着脱自在に装着するために、クラウン110上の対応するサイズ設定がなされたスロットに摺入する、細長突出部を備えてもよい。したがって、乱流部400、500、または600は、各乱流部400、500、または600をクラブヘッド100との間において選択的に連結または取外しし得るようにするための着脱自在連結機構を備えてもよい。クラウン110上の乱流部は、リッジにより画定されるものとして上述される。しかし、乱流部の中の任意の1つまたは複数が、クラウン110中に形成された溝によって画定されてもよい。乱流部は、機械加工またはレーザ切断等々の様々な方法によりクラウン110中に溝を切削することによって形成され得る。
【0056】
図27に示す一例によれば、様々な実施形態による乱流部を有するクラブヘッドゴルフクラブヘッドを製造する方法700は、702で、クラブヘッドを有するゴルフクラブを準備することと、704で、クラブヘッドのクラウン上に1つまたは複数の乱流部を装着することとを含む。
図28に示す別の例によれば、様々な実施形態による乱流部を有するクラブヘッドゴルフクラブヘッドを製造する方法800は、802で、クラブヘッドゴルフクラブヘッドおよび1つまたは複数の乱流部に対応する空洞部を有する型を準備することと、804で、この型を用いてクラブヘッドおよび乱流部を形成することとを含む。
【0057】
図29は、乱流部を有さないクラブヘッド100を越える空気流の実空気流視覚化実験に基づく概略図を示し、
図30は、乱流部400を備える同一のクラブヘッドを越える空気流の実空気流視覚化実験に基づく概略図を示す。
図29においては、空気流を表す流線は、クラブヘッド100に接近し、クラブフェース上で方向転換して前縁に向かう。流線は、前縁112を越え、クラウン110を越えて流れる。しかし、空気流は、剥離領域120においてクラウン110から剥離した状態になり、クラウン110の大部分において乱流伴流122を生じさせる。この乱流伴流122は、抗力を増大させ、それにより、クラブヘッド100の速度を低下させる。
図30を参照すると、リッジ401〜408が、前縁112の下流側に、および
図29の剥離領域120の上流側に位置決めされる。したがって、流れは、
図30で流線により示すように、クラウン110の大部分にわたって付着した状態に留まる。したがって、剥離領域120は、クラウン110上においてさらに後方へと移動される。
【0058】
上述のように、乱流部400、500、もしくは600の物理的特徴;クラウン上における乱流部400、500、もしくは600の位置;および/またはクラウン、正中線127、および/または前縁112の任意の部分に対する乱流部400、500、もしくは600の配向の中の任意のものが、ある特定の境界層効果を実現するように設定されてもよい。一実施形態によれば、乱流部は、以下の関係、すなわち、Q>0.05DAにしたがって、前縁112から距離Qをおいて配置され得る。
【0059】
ここで、DAは、前縁112からクラウンの頂点111(すなわちクラウン上の最高点)までの距離である。別の実施形態によれば、前縁112に対する各リッジの角度である角度γは、以下の関係、すなわち、γ>Loftにしたがったものとなり得る。
【0060】
ここで、Loftは、クラブヘッド100のロフト角である。別の実施形態によれば、各リッジ間の距離である距離Pは、以下の関係、すなわち、2Lcos(γ)>P>0.8Lcos(γ)にしたがったものとなり得る。
【0062】
表1および表2は、乱流部を有さない、乱流部300を備える、および乱流部400を備える、各クラブヘッドゴルフクラブヘッド100についての実験結果を示す。表1は、クラブヘッド100の種々の配向角度について測定した空力抵抗値を、lbsで表したものを示す。クラブヘッド100の速度は、配向角度により直接的に影響される。配向角度が増加すると、クラブヘッド100の速度が結果的に上昇する。
【0063】
【表1】
表1:抗力(lbs)対配向角度(度)
【0064】
【表2】
表2:揚力(lbs)対配向角度(度)
【0065】
表1に示すように、クラブヘッド100が、60°超の配向角度を有する場合には、クラブヘッド100に対する空力抵抗力は、乱流部300または乱流部400を有するクラブヘッド100については低下する。抗力低下は、90°の配向角度の場合にははるかに大きくなる。表1のデータをグラフ表示した
図31を参照すると、60°超の配向角度の場合の上記の抗力低下が、視覚的に示される。さらに、乱流部400(1つまたは複数のリッジ401〜408を備える)は、クラブヘッド100に対する抗力低下が乱流部300よりも大きいことが分かる。
【0066】
表2は、クラブヘッドの種々の配向角度について測定した揚力値を、lbsで表したものを示す。クラブヘッド100が、60°超の配向角度を有する場合には、クラブヘッドにより発生する揚力は、乱流部300または乱流部400を有するクラブヘッド100の場合には、乱流部を有さないクラブヘッド100の場合に比べて急激な低下はない。表2のデータをグラフ表示した
図32を参照すると、乱流部を有さないクラブヘッド100の上記の揚力低下が、視覚的に示される。上記の揚力低下は、乱流部300または乱流部400を有するクラブヘッド100の場合に比べて、乱流部を有さないクラブヘッド100の場合には、クラウン上における境界層剥離がより早いことによって引き起こされる、より高い圧力差に起因する。したがって、表1および表2ならびに
図31および
図32は、乱流部を有さないクラブヘッドゴルフクラブヘッドの場合のクラウン上における早期境界層剥離の悪影響と、クラブヘッドゴルフクラブヘッドに対してかかる抗力に対する境界層剥離遅延の効果とを示す。
【0067】
図33および
図34は、乱流部を有さないクラブヘッドゴルフクラブヘッドおよび乱流部400を有するクラブヘッドゴルフクラブヘッドについて測定したボール速度およびクラブヘッド速度をグラフで示す。
図33は、クラブヘッドゴルフクラブヘッドが乱流部400を備える場合には、ボール速度がより高くなることを示す。ボール速度のこの上昇は、乱流部400による
図34に示すようなより高いクラブヘッド速度が、クラウン上における境界層剥離を遅延させることにより、クラブヘッドに対する抗力が低下することに起因する。
【0068】
図35〜
図38を参照すると、ヒール端部1004からトウ端部1006にかけて水平に、およびソール1008からクラウン1010にかけて垂直に延在するフェース1002を備える、別の例示的なクラブヘッドゴルフクラブヘッド1000を示す。ヒール端部1004およびトウ端部1006は、クラブヘッド1000のフェース1002から後方部1009にかけて延在する。フェース1002とクラウン1010との間の移行領域が、上方前縁1012を画定し、フェース1002とソールとの間の移行領域が、下方前縁1013を画定する。また、クラブヘッド1000は、シャフト(図示せず)を受けるためのホーゼル1014を備える。クラブヘッド1000は、ウッドタイプのクラブヘッドとして図示される。しかし、本開示は、ウッドタイプのクラブヘッドに限定されず、任意のタイプのクラブヘッドゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバタイプクラブヘッド、フェアウェイウッドタイプクラブヘッド、ハイブリッドタイプクラブヘッド、アイアンタイプクラブヘッド、ウェッジタイプクラブヘッド、またはパタータイプクラブヘッドなど)に対して適用される。
【0069】
クラブヘッド1000は、ソール1008上の複数の乱流部1201〜1204および1301〜1304を備える。本明細書においては、これらは、それぞれ乱流部1200および1300と全体的に呼ばれる場合がある。乱流部1200および1300は、ゴルフスイングのダウンスイング段階、インパクトポジション段階、およびフォロースルー段階の際に、ソール1008上の境界層に対してエネルギー付与する。ダウンスイングの初期パートの際に、クラブヘッド1000の上流側の空気は、ほぼヒール1004を越えてソール1008およびクラウン1010上に流れる。ダウンスイングの中間パートの際には、この空気は、ほぼヒール1004とフェース1002との間の移行領域を越えて、ソール1008およびクラウン1010上に流れる。インパクトポジションの直前のダウンスイングの最終パートの際には、空気は、ほぼフェース1002を越えてソール1008およびクラウン1010の上に流れる。
図36および
図38の矢印1210は、ゴルフスイングのダウンスイングパートの際の1つの例示的な空気流方向を表す。ソール1008上を流れる空気は、ソール上において境界層を形成する。乱流部1200は、この境界層に対してエネルギー付与することにより、乱流部1200の下流側における流れの分離を遅延させる。したがって、クラブヘッド1000の抗力が低下し、それによりダウンスイング時のクラブ速度が上昇する。
【0070】
フェース1002が、インパクトポジションにおいてボールを打撃した後に、クラブヘッド1000は、フォロースルー時に回転される。クラブヘッド1000の上流側の空気は、フォロースルーの初期パートの際には、ほぼフェース1002を越えてソール1008およびクラウン1010上に流れる。フォロースルーの中間パートの際には、この空気は、ほぼトウ1006とフェース1002との間の移行領域を越えてソール1008およびクラウン1010上に流れる。フォロースルーの最終パートの際には、この空気は、ほぼトウ1006を越えてソール1008およびクラウン1010上に流れ得る。
図36および
図38に示すように、矢印1310は、ゴルフスイングのフォロースルーパートの際の1つの例示的な空気流方向を表す。
【0071】
図37は、乱流部1200および1300の寸法、ソール1008上における位置、およびフェース1002に対する配向を説明するためのx座標軸およびy座標軸を示す。x座標軸およびy座標軸は、フェース1002の中心点を画定し得る原点1240(すなわちx=0、y=0)を有する。したがって、y軸は、クラブヘッド1000の正中線を画定し得る。以下で詳細に説明するように、ソール1009上における各乱流部1200および1300の位置は、x位置およびy位置によって表すことが可能である。さらに、乱流部1200および1300の配向は、x軸に対する角度1242により表すことが可能である。
【0072】
乱流部1201〜1204は、ヒール端部1004付近からトウ端部1006に向かう方向にほぼ延在する溝によって画定され得る。各乱流部1201〜1204は、第1の端部1211〜1214および第2の端部1215〜1218をそれぞれ有する。第1の端部1211〜1214は、ヒール端部1004付近に位置し、ヒール端部1004の輪郭にほぼ倣い得る。したがって、乱流部1201〜1204の第1の端部1211〜1214は、ヒール端部1004からほぼ同一の距離を有し得る。しかし、第1の端部1211〜1214は、ソール1008上における空気流剥離を遅延させるために、ソール1008上の任意の位置に配置され得る。
【0073】
乱流部1201〜1204は、同一寸法を有し、相互に対して平行に延在してもよく、または、それぞれ異なる寸法を有し、相互に対して非平行に延在してもよい。
図38で線1250により例として示されるダウンスイング時の空気流剥離領域の位置に応じて、乱流部1200の構成を、剥離領域1250の上流側において空気流にエネルギー付与するように変更することが可能である。例えば、乱流部1201〜1204は、フェース1002から後方部1009の方向において長さが漸増する。したがって、第2の端部1215〜1218は、y軸に対して徐々により近くなる。したがって、乱流部1201〜1204の漸増的な長さの増大は、剥離領域1250の輪郭に倣うことにより、乱流部1201〜1204の下流側のソール1008上において流れの剥離をもたらし得る。同様に、各乱流部1201〜1204の深さ、幅、および/または角度1242が、ある特定の流れパターンを実現するために変更されてもよい。
図37に示すように、角度1242は、フェース1002から後方部1009への方向において漸増する。各乱流部1201〜1204についての角度1242は、ダウンスイング時のクラブヘッド1000のある特定の回転位置に対応してもよい。したがって、フェース1002から後方部1009への方向において角度1242を変更することにより、乱流部1201〜1204は、ダウンスイング時のクラブヘッド1000のほぼ全ての回転角度について、剥離領域S1の上流側の流れにエネルギー付与することができる。角度1242は、乱流部上の任意の基準線とx軸またはy軸との間で測定され得る。本開示においては、角度1242は、x軸と乱流部の端部同士を接続する線との間の角度として測定される。
【0074】
乱流部1201〜1204を画定する溝は、それぞれ、第1の端部1211〜1214においてはより幅広であり、第2の端部1215〜1218においてはより幅狭であってもよい。また、これらの溝の深さは、それぞれ、第1の端部1211〜1214から第2の端部1215〜1218にかけて漸減してもよい。溝は、ソール1008上に任意の形状で形成されてもよい。例えば、溝は、第1の端部1211〜1214および第2の端部1215〜1218においては幅狭であり、溝1201〜1204の中心に向かって徐々にまたは急激に幅広になることが可能である。対照的に、溝は、第1の端部1211〜1214および第2の端部1215〜1218においてはより幅広であり、溝1201〜1204の中心に向かって徐々にまたは急激に幅狭になることが可能である。また、溝の深さは、溝の幅の変化に応じてなど、任意の様式で変化してもよい。
【0075】
乱流部1200を画定する溝の幅、長さ、深さ、位置(すなわちx位置およびy位置)、角度1242、および形状は、ダウンスイング時のクラブヘッド1000のほぼ全ての回転角度に対して、特定の流れパターンを実現するために、フェース1002から後方部1009にかけて非一定であってもよい。さらに、乱流部1200の個数もまた、ソール1008上においてある特定の流れパターンを実現するために変更することが可能である。例えば、5つ、6つ、またはより多数の乱流部1200を、ソール1008上に設けることが可能である。乱流部1200は、ソール1008上において、フェース1002から後方部1009への方向に、それぞれの隣に配置されてもよく、および/または直列で配置されてもよい。
【0076】
以下の表3は、乱流部1201〜1204についての例示的な構成を示す。x位置およびy位置は、第2の端部1215〜1218のx位置およびy位置を指す。表3内の全ての寸法は、インチで表される。さらに、乱流部1201〜1204を画定する溝の深さおよび幅は、それぞれ乱流部1201〜1204の第1の端部1211〜1214において測定される。表3は、乱流部1201〜1204の一例を表すに過ぎず、決して乱流部1200の特性を限定しない。
【0078】
乱流部1301〜1304は、ほぼトウ端部1006に対して近いフェースの部分の付近から後方部1009に向かって延在する溝によって画定され得る。また、これらの溝は、ほぼフェース1002とトウ端部1006との間の移行領域付近から後方部1009の方向に延在してもよい。さらに、溝は、トウ端部1006の付近から後方部1009の方向に延在してもよい。各乱流部1301〜1304は、それぞれ、第1の端部1311〜1314および第2の端部1315〜1318を有する。第1の端部1311〜1314は、フェース1002またはトウ端部1006の付近に位置し、フェース1002から後方部1009に向かう方向に延在するか、またはトウ端部1006の輪郭にほぼ倣ってもよい。しかし、第1の端部1311〜1314は、ソール1008上における空気流剥離を遅延させるために、ソール1008上の任意の位置に配置されてもよい。
【0079】
乱流部1301〜1304は、同一寸法を有し、相互に対して平行に延在してもよく、または、それぞれ異なる寸法を有し、相互に対して非平行に延在してもよい。
図38で線1350により例として示される空気流剥離領域の位置に応じて、乱流部1300の寸法特徴を、剥離領域1350の上流側において空気流にエネルギー付与するように変更することが可能である。例えば、乱流部1301〜1304は、フェース1002からトウ端部1006に向かう、およびトウ端部1006から後方部1009に向かう方向において、長さが漸増する。したがって、第2の端部1315〜1318は、x軸およびy軸から徐々により遠くなる。乱流部1301〜1304の漸増的な長さの増大は、剥離領域1350の輪郭に倣うことにより、乱流部1301〜1304の下流側における空気流の付着をもたらし得る。同様に、各乱流部1301〜1304の深さ、幅、および/または角度1242が、ある特定の流れパターンを実現するために変更されてもよい。
図37に示すように、角度1242は、フェース1002からトウ端部1006に向かう、およびトウ端部から後方部1009に向かう方向において漸減する。各乱流部1301〜1304についての角度1242は、フォロースルー時のクラブヘッド1000のある特定の回転位置に対応してもよい。したがって、フェース1002からトウ端部1006に向かう、およびトウ端部1006から後方部1009に向かう方向における角度1242を変更することにより、乱流部1301〜1304は、フォロースルー時のクラブヘッド100のほぼ全ての回転角度について、剥離領域1350の上流側の流れにエネルギー付与することができる。さらに、各乱流部1301〜1304は、トウ端部1006の湾曲にほぼ対応する湾曲を有してもよく、インパクトポジションおよびフォロースルーの際のソール1008上における空気流の一般的な方向に相当するものであってもよい。角度1242は、乱流部上の任意の基準線とx軸またはy軸との間で測定され得る。本開示においては、角度1242は、x軸と乱流部の端部同士を接続する線との間の角度として測定される。
【0080】
乱流部1301〜1304を画定する溝は、それぞれ、第1の端部1311〜1314においてはより幅広であり、第2の端部1315〜1318においてはより幅狭であってもよい。また、これらの溝の深さは、それぞれ、第1の端部1311〜1314から第2の端部1315〜1318にかけて漸減してもよい。溝は、ソール1008上に任意の形状で形成されてもよい。例えば、溝は、第1の端部1311〜1314および第2の端部1315〜1318においては幅狭であり、溝1301〜1304の中心に向かって徐々にまたは急激に幅広になることが可能である。対照的に、溝は、第1の端部1311〜1314および第2の端部1315〜1318においてはより幅広であり、溝1301〜1304の中心に向かって徐々にまたは急激に幅狭になることが可能である。また、溝の深さは、溝の幅の変化に応じてなど、任意の様式で変化してもよい。
【0081】
乱流部1300を画定する溝の幅、長さ、深さ、位置(すなわちx位置およびy位置)、角度1242、および形状は、フォロースルー時のクラブヘッド1000のほぼ全ての回転角度に対して特定の流れパターンを実現するために、フェース1002からトウ端部1006にかけて、およびトウ端部1006から後方部1009にかけて非一定であることが可能である。さらに、乱流部1300の個数もまた、ソール1008上においてある特定の流れパターンを実現するために変更することが可能である。例えば、5つ、6つ、またはより多数の乱流部1300をソール1008上に設けることが可能である。乱流部1300は、ソール1008上において相互に隣接しておよび/または直列で配置されてもよい。
【0082】
以下の表4は、乱流部1301〜1304についての例示的な構成を示す。x位置およびy位置は、第2の端部1315〜1318のx位置およびy位置を指す。表4内の全ての寸法は、インチで表される。さらに、乱流部1301〜1304を画定する溝の深さおよび幅は、それぞれ乱流部1301〜1304の第1の端部1311〜1314において測定される。表3は、乱流部1301〜1304の例示的な構成を表すに過ぎず、決して乱流部1300の特性を限定しない。
【0084】
乱流部1200および1300は、ソール1008中の溝により画定されるものとして上述される。したがって、乱流部1200および1300は、機械加工またはレーザ切断等々の様々な方法によりゴルフクラブ1000のソール1008中に溝を切削することによって形成され得る。あるいは、乱流部1200および/または乱流部1300の中の任意の1つまたは複数が、ソール1008上のリッジまたは突出部により画定されてもよい。かかる溝またはリッジは、スタンプ加工(すなわちマシンプレスもしくはスタンププレスを使用したパンチ加工、ブランク加工、エンボス加工、曲げ加工、フランジ加工、または圧印加工、鋳造)、射出成形、鍛造、機械加工、もしくはそれらの組合せ、または金属パーツの製造に利用される他のプロセスにより、クラブヘッド1000と共に同時に形成され得る。金属材料またはプラスチック材料の射出成形により、クラブヘッド1000の上述のパーツおよび/または乱流部1200および1300に対応する空洞部が組み込まれた単体のまたは複数片からなる型を作製することが可能である。溶融された金属材料またはプラスチック材料が、この型内に注入され、次いで冷却される。次いで、クラブヘッド100および/または乱流部1200および1300が、型から取り出されて、その表面上の不整部を平滑化するためにまたは残留部を除去するために機械加工され得る。乱流部1200および1300が、リッジの形態であり、クラブヘッド1000とは別個に製造される場合には、乱流部300は、固定具、接着剤、溶接、はんだ付け、あるいは他の固定方法および/または固定デバイスにより、ソール1008に対して固定的にまたは着脱自在に装着され得る。一例においては、乱流部1200または1300は、接着剤バッキングを有する材料のストリップから形成されてもよい。したがって、乱流部1200または1300は、この接着剤バッキングにより、ソール1008上の任意の位置においてクラブヘッド1000に対して装着されてもよい。
【0085】
クラブヘッドが、乱流部300、400、500、600、1200、および/または1300の中の1つまたは組合せを備えてもよい。例えば、クラブヘッドが、クラウン上に乱流部400を、およびソール上に乱流部1200を備えてもよい。別の例においては、クラブヘッドが、クラウン上に乱流部500を、ならびにソール上に乱流部1200および1300を備えてもよい。したがって、本開示による任意の乱流部の組合せが、クラブヘッド上においてある特定の流れパターンを実現するために、クラウンおよび/またはソール上に設けられてもよい。
【0086】
乱流部あるいは乱流部を有するクラブヘッドを製造するために、上記では、特定の順序の動作が説明されているが、これらの動作は、他の時間的順序で実行されてもよい。例えば、上記の2つ以上の動作が、連続的に、並行して、または同時に実行されてもよい。あるいは、2つ以上の動作を逆の順序で実施してもよい。さらに、1つ以上の動作を全く実施しなくてもよい。本明細書中に記載される装置、方法および製造物品はこの点に関して限定されない。
【0087】
本発明が種々の態様と関連付けて記載されているが、本発明はさらに変形可能であることが理解されよう。本出願は、一般に本発明の原理に従い、本発明が関連する技術において公知であり、かつ慣行であるような、本開示からの逸脱を含む、本発明のいかなる変形形態、使用、あるいは改変形態も包含することを意図するものである。
以下に、本実施例の特徴を列挙する。
(特徴1)
フェース、前記フェースに対向する後方部、ヒール、前記ヒールに対向するトウ、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するクラウン表面を有するクラウン、および前記クラウンに対向し、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するソール表面を有するソールであって、前記クラウンの前記表面上の最高点が頂点を画定する、前記ソールと、
前記クラウンの前記表面から突出する複数のクラウン乱流部であって、各隣接対のクラウン乱流部は、それぞれ独立し相互に離間されることにより、前記隣接対のクラウン乱流部間にスペースを画定し、各クラウン乱流部は、前記ヒールと前記トウとの間において延在して幅を画定し、前記フェースと前記後方部との間において延在して長さを画定する、前記複数のクラウン乱流部と、を備え、
前記長さは、前記幅よりも実質的に大きく、
少なくとも1つのクラウン乱流部の少なくとも一部分は、前記フェースと前記頂点との間に位置し、
各隣接する一対のクラウン乱流部間の前記スペースは、前記スペースを画定する前記隣接する一対のクラウン乱流部のそれぞれの前記幅よりも実質的に大きい、クラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴2)
前記複数の乱流部は、フェースに対して、ほぼ第1の方向に配向された第1の複数の乱流部と、前記フェースに対して前記第1の方向とは異なるほぼ第2の方向に配向された第2の複数の乱流部とを備える、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴3)
前記複数の乱流部は、前記フェースに対してほぼ同一方向に配向される、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴4)
各乱流部は、前記フェースに対して、ほぼ第1の方向に配向され、隣接する乱流部は、前記フェースに対して前記第1の方向とは異なるほぼ第2の方向に配向される、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴5)
各乱流部の前記長さは、前記フェースに対して0°超かつ90°未満の角度で配向される、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴6)
各乱流部の前記長さは、前記フェースに対して約20°〜約70°の角度で配向される、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴7)
各隣接対の乱流部間の前記スペースは、前記クラウンの前記表面の一部により画定される、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴8)
前記ソール表面上に配設された複数のソール乱流部をさらに備える、特徴1に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴9)
前記ソール乱流部はそれぞれ、幅および前記幅よりも実質的に大きな長さを有する前記ソール表面中の溝によって画定される、特徴8に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴10)
前記ソール乱流部の中の少なくとも1つは、前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配置される、特徴8に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴11)
前記少なくとも1つのソール乱流部は、前記ヒールの付近に位置し、ほぼ前記トウの方向に第2の端部まで延在する、第1の端部を有する、特徴10に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴12)
前記ソール乱流部の中の少なくとも1つは、前記トウと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配置される、特徴8に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴13)
前記少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近に位置し、ほぼ前記トウの方向に第2の端部まで延在する、第1の端部を有する、特徴12に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴14)
フェース、前記フェースに対向する後方部、ヒール、前記ヒールに対向するトウ、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間において延在するクラウン表面を有するクラウン、および前記クラウンに対向し、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するソール表面を有するソールと、
前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部まで延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝により画定される、第1の複数のソール乱流部であって、前記第1の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記ヒールの付近からほぼ前記トウに向かう方向に延在する、前記第1の複数のソール乱流部と、
前記トウと前記ソール表面上の正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝により画定される、第2の複数のソール乱流部であって、前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近からほぼ前記後方部に向かう方向に延在する、前記第2の複数のソール乱流部と
を備える、クラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴15)
前記クラウン上に配設された複数のクラウン乱流部をさらに備える、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴16)
少なくとも1つのクラウン乱流部の少なくとも一部分が、前記フェースと前記クラウンの前記表面上の最高点により画定される頂点との間に配置される、特徴15に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴17)
各隣接対のクラウン乱流部が、それぞれ独立し相互に離間されることにより、前記隣接対のクラウン乱流部間にスペースを画定し、各スペースは、前記スペースを画定する前記隣接対のクラウン乱流部のそれぞれの幅よりも実質的に大きい、特徴15に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴18)
前記複数の第1のソール乱流部のそれぞれは、第1の端部および第2の端部を備え、前記第1の端部は、前記ヒールと同一の一般的方向に延在する線を画定する、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴19)
前記第1の複数のソール乱流部または前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部の幅は、前記少なくとも1つのソール乱流部の長さに沿って変化する、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴20)
前記第1の複数のソール乱流部または前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部の長さが異なる、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴21)
前記複数の第1のソール乱流部または前記複数の第2のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部は、ほぼ平行である、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴22)
前記複数の第1のソール乱流部または前記複数の第2のソール乱流部の中の少なくとも2つのソール乱流部は、ほぼ非平行である、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴23)
前記複数の第1のソール乱流部の長さは、前記ヒールから前記トウにかけて延在する方向に漸増する、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴24)
前記複数の第2のソール乱流部の長さは、前記フェースまたは前記トウから前記後方部にかけて延在する方向に漸増する、特徴14に記載のクラブヘッドゴルフクラブヘッド。
(特徴25)
クラブヘッド上に乱流部を設けるための方法であって、
フェース、前記フェースに対向する後方部、ヒール、前記ヒールに対向するトウ、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間において延在するクラウン表面を有するクラウン、および前記クラウンに対向し、前記フェースと前記後方部と前記ヒールと前記トウとの間に延在するソール表面を有するソールを備えるクラブヘッドを準備するステップであって、前記クラウンの前記表面上の最高点が頂点を画定する、ステップと、
前記クラウンの前記表面から突出する複数のクラウン乱流部を形成するステップであって、各隣接する一対のクラウン乱流部が、それぞれ独立し相互に離間されることにより、前記隣接対のクラウン乱流部間にスペースを画定し、各クラウン乱流部は、前記ヒールと前記トウとの間において延在して幅を画定し、前記フェースと前記後方部との間において延在して長さを画定する、ステップと、を含み、
前記長さは、前記幅よりも実質的に大きく、
少なくとも1つのクラウン乱流部の少なくとも一部分が、前記フェースと前記頂点との間に位置し、
各隣接する一対のクラウン乱流部間の前記スペースは、前記スペースを画定する前記隣接する一対のクラウン乱流部のそれぞれの前記幅よりも実質的に大きい、方法。
(特徴26)
前記複数のクラウン乱流部を形成する前記ステップは、前記クラブヘッドおよび前記複数の乱流部を共に形成するステップを含む、特徴25に記載の方法。
(特徴27)
前記複数のクラウン乱流部を形成する前記ステップは、前記クラウン上の前記複数のクラウン乱流部を装着するステップを含む、特徴25に記載の方法。
(特徴28)
前記ソール上に、第1の複数のソール乱流部を形成するステップをさらに含み、前記第1の複数のソール乱流部は、前記ヒールと前記フェースの中心から前記後方部にかけて延在する正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝によって画定され、前記第1の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記ヒールの付近からほぼ前記トウに向かう方向に延在する、特徴25に記載の方法。
(特徴29)
前記ソール上に、第2の複数のソール乱流部を形成するステップをさらに含み、前記第2の複数のソール乱流部は、前記トウと前記ソール表面上の前記正中線との間の前記ソール表面の一部分に配設された溝によって画定され、前記第2の複数のソール乱流部の中の少なくとも1つのソール乱流部は、前記フェースまたは前記トウの付近からほぼ前記後方部に向かう方向に延在する、特徴25に記載の方法。