特許第6133322号(P6133322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6133322自動車のための窓洗浄液を供給および/または分配するためのシステムのための樹脂の熱伝導性構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133322
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】自動車のための窓洗浄液を供給および/または分配するためのシステムのための樹脂の熱伝導性構成要素
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/48 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   B60S1/48 B
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-547837(P2014-547837)
(86)(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公表番号】特表2015-500769(P2015-500769A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】EP2012074908
(87)【国際公開番号】WO2013092266
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年11月6日
(31)【優先権主張番号】1161868
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル、ジャラソン
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−077762(JP,U)
【文献】 実開昭56−127041(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/032679(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/042319(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/48 − 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のためのワイピング設備において液体供給および/または分配を行うシステム(9)の構成要素(10)であって、
前記構成要素は、壁部(43、45、52、58、60〜62)によって画成された空間(44、46、53、54、59、63)を備え、当該空間の内部に液体が広がることが可能であり、
前記壁部(43、45、52、58、60〜62)は、熱伝導性樹脂材料から形成されており、
前記構成要素が、前記システム(9)において前記液体を循環するためのポンプ(12)を形成していることを特徴とする、構成要素。
【請求項2】
自動車のためのワイピング設備において液体の供給および/または分配を行うシステム(9)の構成要素(10)であって、
前記構成要素は、壁部(43、45、52、58、60〜62)によって画成された空間(44、46、53、54、59、63)を備え、当該空間の内部に液体が広がることが可能であり、
前記壁部(43、45、52、58、60〜62)は、熱伝導性樹脂材料から形成されており、
前記構成要素が、前記システム(9)において前記液体を循環するためのポンプ(12)と記システム(9)において液体を伝送および加熱する少なくとも1つのチューブ(18)と、の間の流体継ぎ手(13)を形成していることを特徴とする、構成要素。
【請求項3】
自動車のためのワイピング設備において液体の供給および/または分配を行うシステム(9)の構成要素(10)であって、
前記構成要素は、壁部(43、45、52、58、60〜62)によって画成された空間(44、46、53、54、59、63)を備え、当該空間の内部に液体が広がることが可能であり、
前記壁部(43、45、52、58、60〜62)は、熱伝導性樹脂材料から形成されており、
前記構成要素が、結合装置(14)を形成しており、当該結合装置内で前記空間(59)が少なくとも1つの液体入口(21、22)および少なくとも1つの液体出口(23、24、25、26)と連通しており、
前記空間(59)は、少なくとも1つの逆止弁を収容していることを特徴とする、構成要素。
【請求項4】
前記空間(59)は、少なくとも2つの液体出口と連通していることを特徴とする、請求項3記載の構成要素。
【請求項5】
前記構成要素が、前記結合装置(14、14a、14b)のための支持部(16)を形成しており、
前記支持部(16)は、前記供給および/または分配システム(9)の少なくとも1つの構成である加熱要素(27、28、29)の電力供給コネクタ(34、36)を固定するのに適切な少なくとも1つの固定装置(64)を有する
ことを特徴とする請求項に記載の構成要素。
【請求項6】
前記支持部(16)および少なくとも1つの結合装置(14、14a、14b)は、単一ピースの部分を形成している
ことを特徴とする請求項に記載の構成要素。
【請求項7】
自動車のためのワイピング設備において液体の供給および/または分配を行うシステム(9)の構成要素(10)であって、
前記構成要素は、壁部(43、45、52、58、60〜62)によって画成された空間(44、46、53、54、59、63)を備え、当該空間の内部に液体が広がることが可能であり、
前記壁部(43、45、52、58、60〜62)は、熱伝導性樹脂材料から形成されており、
前記構成要素が、前記システム(9)において液体を伝送および加熱するダクト(15、15a、15b)と前記ワイピング設備のワイパー(6)との間設置された流体コネクタ(17)を形成していることを特徴とする、構成要素。
【請求項8】
前記流体コネクタ(17)は、前記空間を画成する少なくとも1つの液体循環流路(53、54)と、加熱要素(27、28、29)を受けるのに適切な接触領域(65)とを有していることを特徴とする、請求項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記流体コネクタは、少なくとも2つの液体循環流路を有することを特徴とする、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記樹脂材料は、0.00019m/s以上の熱拡散率を示すことを特徴とする、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項11】
前記熱伝導性樹脂材料は、
− 充填されたポリエチレン、例えばナノファイバーで充填されたポリエチレン、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、グラスファイバーが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS FV 40)、
− 少なくとも0.00020m/sに等しい熱拡散率を有するポリオキシメチレン、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、グラスファイバーおよびセラミックスが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、
− 少なくとも0.00033m/sに等しい熱拡散率を有するポリエチレンイミン(PEI)、
− 少なくとも0.00037m/sに等しい熱拡散率を有する、長繊維が充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、および、
− 少なくとも0.00052m/sに等しい熱拡散率を有する、65%の無機充填物を有するフェニレンポリ硫化物(PPS M65)
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10記載の構成要素。
【請求項12】
自動車のためのワイピング設備において液体の供給および/または分配を行うシステム(9)の構成要素(10)であって、
前記構成要素は、壁部(43、45、52、58、60〜62)によって画成された空間(44、46、53、54、59、63)を備え、当該空間の内部に液体が広がることが可能であり、
前記壁部(43、45、52、58、60〜62)は、熱伝導性樹脂材料から形成されており、
前記構成要素が、液体保持タンク(11)を形成しており、
前記壁部(45)は、液体で前記空間(46)を満たすための少なくとも1つの開口部(47)と、前記システム(9)において前記液体を循環するためのポンプ(12)を受けるのに適切な少なくとも1つの穴部(50)と、を有しており、
前記熱伝導性樹脂材料は、
− 充填されたポリエチレン、例えばナノファイバーで充填されたポリエチレン、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、グラスファイバーが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS FV 40)、
− 少なくとも0.00020m/sに等しい熱拡散率を有するポリオキシメチレン、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、グラスファイバーおよびセラミックスが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、
− 少なくとも0.00033m/sに等しい熱拡散率を有するポリエチレンイミン(PEI)、
− 少なくとも0.00037m/sに等しい熱拡散率を有する、長繊維が充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、および、
− 少なくとも0.00052m/sに等しい熱拡散率を有する、65%の無機充填物を有するフェニレンポリ硫化物(PPS M65)
からなる群から選択されることを特徴とする、構成要素。
【請求項13】
自動車のためのワイピング設備において液体供給および/または分配を行うシステム(9)であって、請求項1から12のういちのいずれか一項に記載の少なくとも1つの構成要素(10)を備えたことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、自動車のための窓洗浄液供給および/または分配システムの技術分野である。そのようなシステムは、車両の風防ワイピング設備を伴う。
【背景技術】
【0002】
自動車には、通常、風防のワイピングおよび洗浄に対処するとともに運転者が有する彼または彼女の周囲の視界が妨げられることを防止するためのワインピング設備および洗浄システムが設けられている。これらのワインピング設備は、それらの端部に適合された細長ワイパーと一緒に角度往復移動を行う複数のアームを有しており、それは、同様に、樹脂材料のスクレイパーブレードを支持している。これらのブレードは、風防に対して擦れるともに水を払いのけて当該水を運転者の視野の外側に連れて行く。ワイパーは、機械的コネクタとアダプタとから構成されたアセンブリによって、風防の回転アームに取り付けられている。コネクタは、ワイパーの構造に直接固定される部分であり、アダプタは、コネクタが風防ワイパーのアームに固定されることを可能にする中間部分である。これら2つの部分は、それらの相対的な回転を可能にする横断軸によって互いにリンクされている。
【0003】
洗浄システムは、車両に位置決めされたタンクから送られるとともに液体の良好な分配のために通常ボンネット上、風防ベイグリル(bay grill)上、または風防ワイパー自身上に位置決めされたノズルによって風防に向けて噴出される風防洗浄液を供給するための装置を有している。ワイパー上に配置されたノズルの場合には、風防洗浄液は、それらの間で分配される前に、風防ワイパーのアーム上に固定されるとともにコネクタレベルにおいてワイパー分配システムに結合されたパイプによって、送られる。したがって、コネクタは、漏れ止めリンクを介して、前記パイプの端部ピースを受けるのに適切な開口部を含んでいる。
【0004】
風防洗浄液の温度が低すぎる時、例えば、5℃未満の時、風防洗浄液は加熱される。このために、風防洗浄制御部が、通常ハンドルの傍に配置された制御レバーによって駆動されるとともに他の事の間に風防ワイパーの作動を制御する時、伝送ダクトは、ポンプによってタンクから取り出される風防洗浄液を再加熱する。
【0005】
結合要素は、液体伝送ダクト部分の間に適合されている。そのような結合要素は、加熱されず、したがって、冷たい領域を形成する可能性があり、そこでは、液体が凍結する。この状況は、この凍結が、液体供給および/または分配システムのアクセスにとって困難である別々の点において、洗浄機能を全体的に利用不能にし得るため、不都合である。
【0006】
文献WO2001/032679は、電気加熱手段を結合要素に設置することにより、この問題に対する解決策を提案している。ここで、この加熱手段の設置は、技術的問題を満足に解決しない。実際、加熱手段が解凍されるべきダクトから離れている距離は、相対的に大きく、これにより、結合要素の流路を解凍するために必要な時間は、特に車両が高性能車両の時、車両のユーザによって期待されるサービスのレベルに適合しない。これは、第1の欠点を示している。
【0007】
さらに、加熱要素の点設置は、流路の解凍に成功するために大きな電力を要求する。そのような電力は、それがそのような電力のために寸法決められた電気ネットワークを必要とするため、問題がある。これは、第2の欠点を形成する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、当該状況を改善することを提案する。
【0009】
したがって、本発明の目的は、特に熱量を伝導するとともにそれを構成要素に形成された領域に存在する液体へ伝送する樹脂材料で、主にダクトの上流、ダクトの下流、またはダクトの間に位置決めされた液体供給および/または分配システムの構成要素を製造することにより、前記された欠点を解決することであり、この領域は、特に液体が包含可能または循環可能である保存領域または循環領域を形成する。
【0010】
したがって、本発明の主題は、自動車のためのワイピング設備の液体供給および/または分配システムの構成要素であって、その内部に液体が広がることが可能である、壁部によって画成された空間を備え、前記壁部は、熱伝導性樹脂材料から形成されている。「樹脂材料」は、合成高分子材料を意味すると理解されるべきである。
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、前記樹脂材料は、0.00019m/s以上の熱拡散率を示す。
【0012】
本発明の第2の特徴によれば、前記樹脂材料は、特にナノファイバーが充填された、充填ポリエチレンである。
【0013】
任意には、熱伝導性樹脂材料は、また、電気的に絶縁性である。
【0014】
本発明の第1の変形例によれば、前記構成要素は、液体保持タンクであり、当該タンクの前記壁部は、液体で前記空間を満たすための少なくとも1つの開口部と、前記供給および/または分配システムにおいて前記液体を循環するためのポンプを受けるのに適切な少なくとも1つの穴部と、を有する。そのようなタンクは、風防洗浄機能の複数の使用において使用される大量の液体を保持する容器である。このタンクは、凍結する可能性があるため、本発明は、タンク内に存在する液体のストックを構成する容積全体に熱量を分散させるように熱伝導性樹脂でこのタンクの壁部を製造することを提案する。
【0015】
第2の代わりのまたは補完する変形例によれば、前記構成要素は、前記供給および/または分配システムにおいて前記液体を循環するためのポンプである。そのようなポンプは、電気モータまたはタービンを収容する本体を有し、そして、ポンプの本体は、熱伝導性樹脂材料から形成されている。有利には、タービンを囲む本体の部分のみがそのような材料から形成されている。
【0016】
先行する変形例の代わりのまたはそれを補完する、第3の変形例によれば、前記構成要素は、前記液体を循環するためのポンプと前記液体供給および/または分配システムの少なくとも1つの構成である液体伝送および加熱チューブとの間の流体継ぎ手である。そのようなチューブは、少なくとも1つの加熱要素を有し、この加熱要素は、そこから流体継ぎ手が継ぎ手の壁部により画成される単一の空間へ流出される熱量を引き出す熱源を形成しており、この空間は、液体循環流路を形成している。
【0017】
本発明の先行する変形例の代わりのまたはそれを補完する、第4の変形例によれば、前記構成要素は、そこで前記空間が少なくとも1つの液体入口および少なくとも1つの液体出口と連通している結合装置を形成しており、前記空間は、少なくとも1つの逆止弁を収容している。有利には、前記空間は、チューブまたはダクトに形成された2つのパイプを供給するように少なくとも2つの液体出口と連通している。そのような結合装置は、循環ポンプに結合されたチューブとワイパーに結合された少なくとも1つの液体伝送および加熱ダクトとの間に位置決めされた中間部分である。したがって、そのような結合装置は、車両のボンネットの下に位置決めされたシステムの第1部分と車両の外側に位置決めされた第2部分との間の移行を保証し、第2部分は、ワイピング設備のアームを収容している。
【0018】
先行する変形例の代わりのまたはそれを補完する、第5の変形例によれば、前記構成要素は、前記結合装置のための支持部であり、前記支持部は、前記供給および/または分配システムの構成である加熱要素の電力供給コネクタを固定するのに適切な少なくとも1つの固定装置を有する。実際、結合装置の内部流路を取り囲む表面領域より大きい表面領域にわたって熱量を分散させることが有利であり得る。このような理由で、本発明は、液体供給および/または分配システムのまたはワイピング設備のある構成の構成要素を受ける支持部をカバーしており、この支持部は、熱伝導性樹脂材料から形成されている。
【0019】
有利には、前記支持部および少なくとも1つの結合装置は、単一ピースの部分を形成しており、固定装置は、例えば、支持部と同じ材料から形成されている。また、有利には、結合装置は、支持部と同じ材料から形成されている。
【0020】
先行する変形例の代わりのまたはそれを補完する、第6の変形例によれば、前記構成要素は、前記供給および/または分配装置の少なくとも1つの構成である液体伝送および加熱ダクトと前記ワインピングシステムのワイパーとの間の設置された流体コネクタを形成している。そのような流体コネクタは、ワイパー取り付け部分に装着されており、流体コネクタの端部に漏れ止め方式で適合された1つまたは2つ以上のダクトを介して液体を受ける。
【0021】
有利には、前記流体コネクタは、前記空間と加熱要素を受けるのに適切な接触領域とを形成している少なくとも1つの液体循環流路を有している。1つの例によれば、前記流体コネクタは、前記空間を形成する少なくとも2つの液体循環流路を有しており、ワイパーの両側上の窓部へ液体を噴射するようになっている。
【0022】
また、本発明は、自動車のためのワイピング設備の液体供給および/または分配システムであって、前記に挙げられた構成要素のような少なくとも1つの構成要素を備えたことを特徴とするシステムをカバーする。したがって、本発明は、特に、タンク、結合装置、または液体コネクタのような熱伝導性材料から形成された単一の構成要素を備えた液体供給および/または分配システムをカバーする。
【0023】
また、本発明は、加熱要素を有する液体伝送および加熱チューブおよびダクトと、タンク、ポンプ、流体継ぎ手、結合装置、および流体コネクタを含む熱伝導性樹脂材料から形成された複数の構成要素と、を備えた供給および/または分配システムをカバーする、ということは言うまでも無い。
【0024】
本発明による1つの主要な利点は、前記空間の周縁全体が熱量を伝送する壁部によって形成されているため、氷が形成される冷却領域をより効果的に加熱することの可能性にある。
【0025】
別の利点は、この構成要素の加熱は液体を含有する前記空間全体により良く分配されるため、この構成要素の加熱を保証するために必要とされる電力を低減することの可能性にある。
【0026】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、図面との関連で示唆として以下に与えられる説明を読むことで、より明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明による少なくとも1つの構成要素を有する、液体供給および/または分配システムおよびワイピング設備の概略図である。
図2図2は、本発明による結合装置に設置された支持部を示す斜視図である。
図3図3は、ポンプの形状における、本発明による構成要素の斜視図である。
図4図4は、流体継ぎ手の形状における、本発明による構成要素を示す斜視図である。
図5図5は、タンクの形状における、本発明による構成要素の斜視図である。
図6図6は、流体コネクタの形状における、本発明による構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、ワイピング設備2によって拭われることを意図された自動車の風防1を示す図である。ワイピング設備2は、例えば回転軸5にそれぞれリンクされた第1アーム3と第2アーム4とを有している。これら2つのアームは、統合された往復動作または反対の往復動作において風防1にわたって移動する。
【0029】
第1アーム3および第2アーム4に対して軸5とは反対の端部には、その機能が風防の上に存在する水を視界を妨げない風防の領域へ押し戻すように風防を擦ることであるワイパー6がある。これらのワイパー6は、ワイパーが摩耗した時にワイパーの置換を可能にする取り外し可能なコネクタによって各アームにリンクされている。
【0030】
ワイパーは、特に風防洗浄液を噴射するための、少なくとも1つの液体噴射ブーム(boom)を有している。有利には、1つ且つ同一のワイパーが、延伸する長手軸の両側に分けられた2つの噴射ブームを有している。これらのブームは、ワイパー6の長手軸と同軸に長手方向に延伸している。これらのブームは、ワイパーが矢印7によって示された第1の移動方向および矢印8によって示された第2の移動方向に移動する時、ワイパーの前方に風防洗浄液を噴射するように、ワイパーの長手軸に沿って、ワイパーの両側に配置されている。
【0031】
また、この図1は、車両に備え付けられた風防洗浄液供給および/または分配システム9の存在を示している。この液体を噴射するためのブームにとって、風防洗浄液のストックと、当該ストックとブームとの間でこの液体を伝送するための手段と、このストックからブームまでこの液体を循環させるための手段と、を有することが必要である。
【0032】
液体供給および/または分配システム9は、熱伝導性樹脂材料から形成された少なくとも1つの構成要素10を有している。当該材料の樹脂の性質は、自動車分野の経済的制約に適合するコスト価格を維持しながら、例えば成型により、この構成要素を容易に作製することを可能にする。構成要素の熱伝導性の性質は、当該構成要素が熱源に接触している時、当該構成要素が再加熱され、当該構成要素内に広がる液体が凍結することを防止する温度でこの構成要素が維持される、ということを保証する。
【0033】
したがって、本発明による構成要素10は、その内部に液体が広がる少なくとも1つの空間を有しており、この空間は、壁部により縁取られている、または、画成されている。このことから、この空間が液体を保持するために使用可能であるが、また、液体供給および/または分配システム9が作動される時にこの空間が液体によって通過可能である、ということが理解されよう。この空間は、壁部によって画成された空洞を形成しており、壁部は、熱伝導性樹脂材料から形成されている。
【0034】
この構成要素10は、特に、以下のものであり得る、すなわち、
− 液体保持タンク11、
− 供給および/または分配システム9において液体を循環させるためのポンプ12、
− ポンプ12を液体伝送および加熱チューブ18にリンクさせることを意図された流体継ぎ手13、
− ポンプ12にリンクされたチューブ18と、ワイパー16にリンクされた液体伝送および加熱ダクト15と、の間に設置された結合装置14、
− 結合装置14と、チューブ18および/またはダクト15の内側に埋め込まれた加熱要素ならびにワイパーに組み込まれた加熱要素を電気的に供給する1つまたは2つ以上の電気コネクタと、を機械的に結合するのに適切な支持部16、
− 少なくとも液体供給および加熱ダクト15とワイパーとの間に設置された流体コネクタ17。
【0035】
液体供給および/または分配システム9は、チューブ18と、ダクト15と、を有している。チューブ18は、ポンプ12を結合装置14にリンクする。ダクト15は、ワイパーのワイパーアームへの固定において、結合装置14を流体コネクタ17にリンクする。
【0036】
これら2つの液体伝送手段にとって、その内側で液体が循環可能である2つの流路189および20を画成するものは、パイプ、例えば柔軟なパイプ、である。また、このチューブ18またはこれらのダクト15は、パイプの構成材料に埋め込まれることにより、あるいは、チューブまたはダクトに対して周囲において延びることにより、流路に沿って延びる加熱要素(図1において不図示)を有している。そのような加熱要素は、抵抗性要素であり、それは、例えば電流によって通過される時に熱量を発する2つの電線ストランドの形状をとる。
【0037】
チューブ18またはダクト15のこの加熱要素は、そこから構成要素10がエネルギーを引き出すとともに液体を含有するのに適切な空間全体に当該エネルギーを分散させる熱源の一例を形成する、ということに注意されよう。
【0038】
その代わりに、またはこの第1の変形例の熱源を補完するものとして、構成要素は、特に、各構成要素に充てられるとともにチューブ18またはダクト15のために使用されるものとは異なる熱源を有することが可能であり、構成要素10の熱伝導性樹脂材料は、専用の熱源によって生成された熱量を流出させることが可能である。
【0039】
図2は、本発明による1つまたは2つ以上の構成要素の例示的な実施形態を示している。
【0040】
この構成要素は、特に、第1結合装置14aである。第1結合装置14aは、その内部で広がる液体が第1の入口21に連通している空間59をシールする壁部58によって画成されている。第1の入口21は、チューブ18の第1の構成流路19の一端部を受けており、第1の入口21は、この第1の流路に貫入している。また、この空間は、第1ダクト15aの第1パイプ55および第2ダクト15bの第1パイプ67にそれぞれ結合された第1の出口23および第2の出口24と連通しており、第1ダクト15aおよび第2ダクト15bは、ワイパーへの液体を伝送するとともに加熱することを意図されている。
【0041】
有利には、第1の結合装置14aと同一に製造された、第2の結合装置14bが設けられている。第2の結合装置14bの内側の空間は、第2の入口22と連通している。第2の入口22は、チューブ18の第1の流路19と一緒に第2の構造流路の一端部を受けており、第2の入口22は、第2の流路に貫入している。また、この空間は、第1ダクト15aの第2パイプ58および第2ダクト15bの第2パイプ69にそれぞれ結合された第3の出口25および第4の出口26と連通している。
【0042】
本発明の一変形例によれば、第1の結合装置14aは、第2の結合装置14bをまたいでいる。第2の結合装置14bに機械的にリンクされているけれど、第1の結合装置14aは、第2の結合装置14bとは異なる部分であることが可能である。それらは、固定要素によって、特に支持部16によってまたは支持部16とは異なる部分によって、互いに機械的に結合可能である。
【0043】
本発明によれば、第1結合装置14aおよび/または第2結合装置14bを作製するために使用される材料は、樹脂且つ熱伝導性であり、第1ダクト15aおよび第2ダクト15bに存在する加熱要素27および/または28によって生成される熱量を流出させる。同様に、チューブ18の内部または周りに延びる加熱要素29は、これらの結合装置の内部空間における氷の形成を防止するために結合装置によって有効に使われる熱源を形成する。
【0044】
第1の結合装置14aおよび/または第2の結合装置14bは、それぞれ、前記空間に、すなわちその入口およびその出口の間に、配置された逆止弁を有している。そのような弁は、供給および/または分配システムが使用されない時に、第1流路および第2流路66〜69がタンクに流入することを防止する。したがって、ダクト15aおよび/または15bが満たされることを待たずに、風防洗浄機能の迅速な利用可能性が保証される。
【0045】
代わりのまたは補完する変形例によれば、構成要素10は、熱伝導性樹脂から形成された支持部16によって製造される。熱伝導性に加えて、この支持部16は、前述された結合装置のための、および、少なくとも1つの電気コネクタのための、機械的な固定機能を有する。
【0046】
一変形例によれば、熱源は、例えば支持部16の下に配置されるとともにそれに接触している、専用の源30により実装可能である。その変わりにまたは補完するものとして、熱源は、加熱要素27、28または29によって実装可能であり、ストランドの経路は、支持部16に接触する少なくとも1つの加熱要素のために整理される。
【0047】
支持部16は、その内部に結合装置14aおよび14bが収容される第1空洞31を有しており、結合装置14aおよび14bは、爪部32によって支持部16上に保持される。また、支持部16は、その内部に第1電気コネクタ34が収容される第2空洞33と、その内部に第2電気コネクタ36が導入される第3空洞35と、を有している。
【0048】
支持部16は、各電気コネクタのために、電気コネクタのための固定装置64を有している。支持部16は、例えば、第2空洞33内または第3空洞35内に閉じ込められた各電気コネクタ34、36を保持する支持部16と同じ材料から形成されたフックである。実例として、固定手段64は、4つのフックを有している。
【0049】
これらのコネクタの各々は、4つの経路を有しており、これらの経路の2つは、ケーブル70を介してワイパー上に導入された抵抗性加熱要素を供給することを意図されており、その他の2つの経路は、第1ダクト15aまたは第2ダクト15b内で延びる加熱要素27または28を電気的に供給する。
【0050】
本発明の一変形例によれば、支持部16および結合装置14a、14bは、1つ且つ同一の部分を形成している。このことから、支持部16および結合装置14a、14bが同一材料から形成されているとともに1つ且つ同一の成型作業の間に作製される、ということが理解されよう。したがって、これら2つの部分は、単一ピースの全体を形成している。
【0051】
図3は、本発明による構成要素10の一変形を示している。この構成要素は、ここでは、その機能が供給および/または分配システムにおける液体の循環を保証することであるポンプ12の形状をとっている。
【0052】
このポンプ12は、電気コネクタ38によって供給される電気モータを収容するチューブ状本体37を有している。また、この本体37は、タービンを収容するとともに、流体分配器39で終端しており、流体分配器39は、第1出口40および第2出口41を有している。本発明による構成要素の熱伝導性壁部は、ここでは、少なくとも、チューブ状分配器39の壁部60によって、タービンを取り囲むチューブ状本体37の第1部分61によって、および場合によっては電気モータを取り囲むチューブ状本体37の第2部分62によって、形成されている。その部分にとって、液体を受ける空間は、液体がポンプ12内で広がる領域63によって形成されており、この空間は、タービンを取り囲む第1部分61まで、および/または、流体分配器39の内側に、延びている。
【0053】
したがって、前記本体37の少なくとも一部分およびポンプの流体分配器39は、熱伝導性樹脂で作製されており、それは、当該本体37または分配器39内に存在する液体を解凍し、この流体分配器39内に存在する液体が例えばポンプ12を取り囲む温度が負になる時に凍結することを防止する、ということを可能にする。
【0054】
ここではまた、熱源は、符号30が付された専用の源であり得るが、この源は、有利には、液体伝送および加熱チューブ18と協働する加熱要素29によって提供され得る。
【0055】
図4は、構成要素10の別の変形例の実施形態を図示している。構成要素10は、ポンプ40または41の出口の一方または他方と、液体伝送および加熱チューブ18の構成流路19または20と、の間における流体リンクを保証する流体継ぎ手13の形状をとる。
【0056】
流体継ぎ手13は、その内部で液体が循環する空間44を取り囲む壁部43によって形成されている。流体継ぎ手は、特に直角における方向に延伸する2つの部分を有しており、第1部分は、チューブ18の少なくとも1つの流路19、20内に装着されており、第2部分は、その上に当該第2部分が取り付けられるポンプの出口をカバーする壁部43によって形成されている。明らかに、流体継ぎ手の2つの部分は、1つ且つ同一の軸上に揃えられ得る。
【0057】
そのような流体継ぎ手は、熱伝導性樹脂材料から作製されている。専用の熱源30が、流体継ぎ手と物理的に接触可能であるが、この源は、有利には、液体伝送および加熱チューブと協働する加熱要素29によって製造可能である。そのような加熱要素29は、流体継ぎ手13に熱量を供給するようなやり方で、流体継ぎ手13に取り付けられている。この図では、加熱要素29が、流体継ぎ手の前記部分の少なくとも一方の周り、および、特に壁部43の周りに、巻かれている、ということが見られ得る。
【0058】
最後に、この流体継ぎ手13は、ポンプの第1出口または第2出口によって形成された端部ピース上の迅速な接続手段を有している、ということに注意されよう。
【0059】
図5は、構成要素10が風防洗浄液保持タンク11の形状をとる一変形における構成要素10を示している。そのような場合、壁部45は、その内部で液体がその使用に鑑みて保持または保存される空間46を規定している。
【0060】
そのようなタンク11は、前記空間46を液体で満たすための開口部47を有している。この開口部47は、ストッパー48によってシールされている。また、このタンクは、特にネジを介して、車両にタンクを機械的に固定するのに適切な、少なくとも1つの固定装置49を有している。
【0061】
また、タンク11は、供給および/または分配システムにおいて液体を循環させるためのポンプを受けるのに適切な第1穴部50を有している。タンクは、特に車両のヘッドライト上または車両の後部窓上へ窓洗浄液を噴射するために使用される第2ポンプを受けることを意図された第2穴部51を有している。これらの穴部の各々の延伸部には、前述されたポンプの本体を受ける凹部が存在する。
【0062】
専用の熱源30は、特にタンク11の壁部45の外側表面上を延びる抵抗性および加熱トラックの形状で、この壁部45と物理的に接触可能である。その代わりにまたは補完するものとして、この熱源は、液体伝送および加熱チューブ18から出ている加熱要素29によって実装可能である。
【0063】
タンク11の壁部45は、熱伝導性樹脂材料から作製または成型されており、それは、熱源によって生成される熱量を空間46の周りに均一に分配して、これにより、タンク内における氷の形成を防止することを可能にする。
【0064】
また、図6は、本発明による構成要素の別の変形例の実施形態を示している。構成要素は、ワイパーアームとワイパーとの間のリンクに設置するのに適切な流体コネクタ17の形状をとっている。したがって、ワイピングシステムのために、2つの流体コネクタが存在し、各々がワイパーアームとワイパーとにより形成されるペアリングに充てられている。
【0065】
そのようなコネクタは、その内部で液体が広がることが可能または循環可能である第1空間および第2空間を画成する壁部52を有している。これらの空間は、ワイパーアームに充てられた第1ダクト15a、15bとワイパーに固定的に取り付けられる取付部分との間で液体を導く役割を持つ参照符号53および54を付された流路である。
【0066】
また、流体コネクタ17は、流路53および54を画成する壁部52の間をそれぞれ延伸する第1ブリッジ55および第2ブリッジ56を有している。
【0067】
流体コネクタ17の構成材料は、熱伝導性樹脂であり、それは、熱源によって生成された熱量を流出させることを可能にする。例示的な実施形態によれば、そのような熱源は、ワイパーアームに固定的に取り付けられた第1ダクト15a内を延びる加熱要素27によって実装されている。この加熱要素は、特に流体コネクタ17の壁部52上に形成された平面によって形成された接触領域65において流体コネクタ17上に物理的に支持されている。
【0068】
加熱要素は、接触領域65において、第1ダクト15a、15bとは逆の流路の一方の一端部まで、壁部52上を延びていて、第1ブリッジ55上を延びることにより他方の流路まで通り過ぎている。そして、加熱要素27を形成する抵抗性ストランドは、第1ダクト15a、15bとは逆の第2流路の端部に向けられている。したがって、抵抗性コネクタ17が2つの流路53および54によって形成された空間に分配する熱量の供給が、保証される。
【0069】
流体コネクタ17は、特に流体コネクタ17と同じ材料で形成された、ワイパーに組み込まれた加熱装置を供給することを意図された電気コネクタの受け手段を有し得る、ということに注意されよう。これは、例えば、その内部で電気コネクタが延伸する容積を画成するループ(loop)またはフープ(hoop)である。
【0070】
例示的な実施形態によれば、構成要素10上を延びる加熱要素27は、樹脂57によってそこに固定的に取り付けられたまま保たれており、樹脂57は、特に接触領域65に沿って、流体コネクタの上面にわたって延伸している。
【0071】
そのような樹脂は、熱源と本発明による構成要素10との間の物理的な接触を保証するとともに加熱要素を外部の衝撃から保護して、車両のユーザが構成要素10に触れることにより火傷することを防止する。
【0072】
前述された変形例による構成要素を作製するために使用される樹脂材料は、その熱拡散率が0.00019m/sを超える時に熱伝導性であると考えられる。例えば、そのような樹脂材料は、例えばナノファイバーが充填された、充填ポリエチレンである。
【0073】
別の例によれば、前記材料は、以下のものである、すなわち、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、特に40%までの、グラスファイバーが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS FV 40)、
− 少なくとも0.00020m/sに等しい熱拡散率を有するポリオキシメチレン、
− 少なくとも0.00019m/sに等しい熱拡散率を有する、特に40%までの、グラスファイバーが充填され、且つ、セラミックスが充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、
− 少なくとも0.00033m/sに等しい熱拡散率を有するポリエチレンイミン(PEI)、
− 少なくとも0.00037m/sに等しい熱拡散率を有する長繊維が充填されたフェニレンポリ硫化物(PPS)、
− 少なくとも0.00052m/sに等しい熱拡散率を有する65%の無機充填物を有するフェニレンポリ硫化物(PPS M65)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6