(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理ガスの濃度を制御する際は、前記外周面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量を、前記中央面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量よりも多くする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
前記処理ガスの濃度を制御する際は、前記中央面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量を、前記外周面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量よりも多くする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1を用いて、半導体装置の製造工程の一工程を説明する。
【0010】
(第一の絶縁膜形成工程S101)
第一の絶縁膜形成工程S101に関し、
図2、
図3を用いてウエハ200を説明する。
図2は絶縁膜が形成される前の段階の状態である。
【0011】
ウエハ200にはソースもしくはドレインとして構成されるソース・ドレイン領域2001が形成されている。ソース・ドレイン領域2001の間にはチャネル領域2002が形成されている。ウエハ200の表面200aのうち
、各チャネル領域2002上にはゲート電極2003が形成されている。ゲート電極2003の周囲には、ゲート電極側壁から電流を抑制する等の役割を有する外壁2004が形成されている。ソース・ドレイン領域2001、ゲート電極2003は、半導体装置の回路構成の一部として用いられる。
【0012】
続いて
図3を用いて、第一の絶縁膜形成工程S101を説明する。ウエハ200が第一の絶縁膜を形成する基板処理装置(第一の絶縁膜形成装置)に搬入されたら、基板処理装置の処理室内にシリコン含有ガス及び酸素含有ガスを供給する。供給されたガスは処理室内で反応し、隣接する回路や電極との間を絶縁する第一の層間絶縁膜2005(単に絶縁膜2005とも呼ぶ。)を形成する。絶縁膜2005は、例えばシリコン酸化膜(SiO2膜)で形成される。シリコン含有ガスは例えばTEOS(Tetraethyl orthosilicate、Si(OC2H5)4)ガスであり、酸素含有ガスは例えば酸素ガス(O2)である。
【0013】
所望の時間経過後絶縁膜2005が形成されたら、ウエハ200を基板処理装置(第一の絶縁膜形成装置)から搬出する。絶縁膜2005は層間絶縁膜として用いられる。
【0014】
ここで、第一の絶縁膜形成装置で形成された絶縁膜2005について
図3を用いて説明する。既に説明したように、ウエハ200には凸状のゲート電極2003が複数形成されている。このような状態のウエハ200に膜を形成する場合、
図3のように基板表面200aから絶縁膜2005の上端までの高さが揃わない状態となる。従って、ウエハ200面内においては、基板表面200aから絶縁膜2005の上端までの高さが異なってしまう。例えば、ゲート電極2003の間に形成された絶縁膜の高さは、ゲート電極2003上に形成された絶縁膜と比べて低くなる。従って、へこみ2006が形成される。絶縁膜2005を形成後、ウエハ200を搬出する。
【0015】
ところで、後述するパターニング工程S108や第一の金属膜形成工程S110、第二の金属膜形成工程S111とのいずれかまたは両方の関係から、へこみ2006の無い状態が求められている。そこで、へこみ2006を無くすべく、次の研磨工程S102にて絶縁膜2005を研磨する。
【0016】
(絶縁膜研磨工程S102)
続いて、絶縁膜2005を研磨する絶縁膜研磨工程S102を説明する。研磨工程は、CMP(Cheamical Mechanical Polishing)工程とも呼ぶ。第一の層間絶縁膜形成装置から搬出されたウエハ200は、研磨装置400に搬入される。
【0017】
以下に、研磨工程の具体的な内容について説明する。第一の層間絶縁膜形成装置からウエハ200を搬出後、
図4に記載の研磨装置300にウエハ200を搬入する。
【0018】
図4において、401は研磨盤であり、402はウエハ200を研磨する研磨布である。研磨盤401は図示しない回転機構に接続され、ウエハ200を研磨する際は、矢印406方向に回転される。
【0019】
403は研磨ヘッドであり、研磨ヘッド403の上面には、軸404が接続される。軸404は図示しない回転機構・上下駆動機構に接続される。ウエハ200を研磨する間、矢印407方向に回転される。
【0020】
405はスラリー(研磨剤)を供給する供給管である。ウエハ200を研磨する間、供給管405から研磨布402に向かってスラリーが供給される。
【0021】
続いて、
図5を用いて、研磨ヘッド403とその周辺構造の詳細を説明する。
図5は研磨ヘッド403の断面図を中心に、その周辺構造を説明する説明図である。研磨ヘッド403は、トップリング403a、リテナーリング403b、弾性マット403cを有する。研磨する間、ウエハ200の外側はリテナーリング403bによって囲まれると共に、弾性マット403cによって研磨布402に抑えつけられる。リテナーリング403bには、リテナーリング403bの外側から内側にかけてスラリーが通過するための溝403dが形成されている。溝403dはリテナーリング403bの形状に合わせて、円周状に複数設けられている。溝403dを介して、未使用の新鮮なスラリーと、使用済みのスラリーが入れ替わるように構成されている。
【0022】
続いて、本工程における動作を説明する。
研磨ヘッド403内にウエハ200を搬入したら、供給管405からスラリーを供給すると共に、研磨盤401及び研磨ヘッド403を回転させる。スラリーはリテナーリング403b内に流れ込み、ウエハ200の表面を研磨する。このように研磨することで、
図6に記載のように、絶縁膜2005の高さを揃えることができる。所定の時間研磨したら、研磨装置400からウエハ200を搬出する。ここでいう高さとは、ウエハ表面200aから絶縁膜2005までの上端、言い換えれば絶縁膜2005の表面までの高さを言う。
【0023】
ここで、絶縁膜2005の高さを整えるようCMP装置400で研磨しても、
図7のように、ウエハ200の面内では絶縁膜の高さが揃わない場合があることがわかった。例えば、ウエハ200の外周面の膜厚が中央面に比べて小さい分布Aや、ウエハ200の中央面の膜厚が外周面に比べて多きい分布Bが見受けられることがわかった。
【0024】
膜厚分布に偏りがあると、後述するパターニング工程ではパターンの幅のばらつきが発生するという問題がある。同様に、後述する第一の金属膜形成工程では、ウエハ表面200aから金属膜表面までの高さにばらつきが発生するという問題がある。それらに起因して金属膜の特性にばらつきが起きるため、その結果歩留まりの低下を引き起こす。
【0025】
この問題に対して発明者による鋭意研究の結果、分布A、分布Bそれぞれに原因があることがわかった。以下にその原因を説明する。
【0026】
分布Aの原因はウエハ200に対するスラリーの供給方法である。前述のように、研磨布402に供給されたスラリーはリテナーリング403bを介して、ウエハ200の周囲から供給される。そのため、ウエハ200の中央面にはウエハ200の外周面を研磨した後のスラリーが流れ込み、一方ウエハ200の外周面には新鮮なスラリーが流れ込む。新鮮なスラリーは研磨効率が高いため、ウエハ200の外周面は中央面よりも研磨されてしまう。以上のことから、絶縁膜2005の膜厚は分布Aのようになることがわかった。
【0027】
分布Bになる原因はリテナーリング403bの摩耗である。研磨装置400にて多くのウエハ200を研磨すると、研磨布402に押し付けられたリテナーリング403bの先端が摩耗し、溝403dや研磨布402との接触面が変形したりする。そのため、本来供給されるべきスラリーがリテナーリング403bの内周に供給されない場合がある。このような場合、ウエハ200の外周面にスラリーが供給されないので、ウエハ200の中央面が研磨され、ウエハ200の外周面が研磨されない状態になる。従って、絶縁膜2005の膜厚は分布Bのようになることがわかった。
【0028】
そこで本実施形態では、後述するように、研磨装置400にてウエハ200上の絶縁膜2005を研磨した後に、基板面内における積層絶縁膜の高さを揃える工程を構成する。ここでいう積層絶縁膜とは、絶縁膜2005に後述する絶縁膜2007を重ねた膜を言う。言い換えれば、積層絶縁膜の一部として絶縁膜2005を有し、更に他の一部として、絶縁膜2007を有する。
【0029】
高さを揃える具体的な方法としては、研磨工程S102の後に膜厚測定工程S103で絶縁膜2005の膜厚分布を測定し、その測定データに応じて第二の絶縁膜形成工程S104を実行する。このようにすることで、後述するパターニング工程ではパターンの幅のばらつきを抑制する。同様に、後述する第一の金属膜形成工程では、ウエハ表面200aから金属膜表面までの高さのばらつきを抑制する。
【0030】
(膜厚測定工程S103)
次に、膜厚測定工程S103を説明する。
膜厚測定工程S103では、測定装置を用いて研磨後の絶縁膜2005の膜厚を測定する。測定装置は一般的な装置が使用可能であるため、具体的な説明を省略する。ここでいう膜厚とは、例えばウエハ表面200aから絶縁膜2005表面までの高さを言う。
【0031】
研磨工程S102の後、ウエハ200は測定装置に搬入される。測定装置は、研磨装置400の影響を受けやすいウエハ200の中央面とその外周面のうち、少なくとも数か所を測定し、絶縁膜2005の膜厚(高さ)分布を測定する。測定されたデータは、上位装置を介して後述する基板処理装置900に送られる。測定後、ウエハ200は測定装置から搬出される。
【0032】
(第二の絶縁膜形成工程S105)
続いて、第二の絶縁膜形成工程を説明する。第二の絶縁膜は第一の絶縁膜2005と同様の成分組成である。本工程では、
図8もしくは
図10に記載のように、第二の層間絶縁膜2007(絶縁膜2007もしくは補正膜とも呼ぶ。)を、研磨後の第一の絶縁膜2005上に形成する。ここでは、第一の絶縁膜2005と第二の絶縁膜2007を重ね合わせた層を積層絶縁膜と呼ぶ。
【0033】
形成する際は、研磨後の第一の層間絶縁膜2005の膜厚分布を補正するように、第二の層間絶縁膜2007を形成する。より好ましくは、絶縁膜2007の表面の高さを揃えるように絶縁膜2007を形成する。ここでいう高さとは、絶縁膜2007の表面の高さを言い、言い換えればウエハ表面200aから絶縁膜2007の表面までの距離をいう。
【0034】
以下に
図8から
図16を用いて本工程を説明する。
図8は、第一の絶縁膜2005が分布Aとなった場合に、本工程で形成した絶縁膜2007を説明する図である。
図9は膜厚分布Aと、その補正分布A’を説明する説明図である。
図10は、第一の絶縁膜2005が分布Bとなった場合となった場合に、本工程で形成した絶縁膜2007を説明する図である。
図11は膜厚分布Bと、その補正分布B’を説明する説明図である。
図12から
図16は本工程を実現するための基板処理装置を説明する図である。
【0035】
図8において、(A)は絶縁膜2007を形成した後のウエハ200を上方から見た図である。
図8(B)は、膜厚分布Aにおいて、
図8(A)のα-α’の断面のうち、ウエハ200の中央とその外周を抜粋した図である。
【0036】
図10において、(A)は絶縁膜2007を形成した後のウエハ200を上方から見た図である。
図10(B)は、膜厚分布Bにおいて、
図8(A)のα-α’の断面のうち、ウエハ200の中央とその外周を抜粋した図である。
【0037】
ここでは、ウエハ200中央面の第一の絶縁膜を絶縁膜2005a、第二の絶縁膜を絶縁膜2007aと呼び、ウエハ200の外周面の第一の絶縁膜を絶縁膜2005b、第二の絶縁膜を絶縁膜2007bと呼ぶ。
【0038】
測定器から搬出されたウエハ200は、
図12に記載の第二の絶縁膜を形成する装置である基板処理装置900に搬入される。
【0039】
基板処理装置900は、膜厚測定工程S103で測定したデータに基づいて絶縁膜2007の膜厚を基板面内において制御する。例えば、上位装置から受信したデータが分布Aを示すデータであれば、ウエハ200外周面の絶縁膜2007bを厚くし、中央面の絶縁膜2007aが外周面の絶縁膜2007bよりも薄くなるよう、膜厚を制御する。また、上位装置から受信したデータが分布Bを示すデータであれば、ウエハ200中央面の絶縁膜2007aを厚くし、外周面の絶縁膜2007bを絶縁膜2007aよりも薄くなるよう、膜厚を制御する
【0040】
より好ましくは、第一の絶縁膜2005と第二の絶縁膜2007とを重ね合わせた積層絶縁膜の高さを、ウエハ面内で所定の範囲にするよう、第二の絶縁膜2007の厚みを制御する。言い換えれば、基板の面内における前記第二の層間絶縁膜2007の高さの分布が所定の範囲内となるよう第二の層間絶縁膜2007の膜厚分布を制御し、高さを整える。即ち、
図8、
図10に記載のように、ウエハ200中央面における基板表面200aから第二の絶縁膜2007a上端までの高さH1aと、ウエハ200外周面における基板表面200aから第二の絶縁膜2007bの上端までの高さH1bとを揃えることができる。
【0041】
次に、絶縁膜2007a、2007bそれぞれの膜厚を制御可能な基板処理装置900について、具体的に説明する。
【0042】
本実施形態に係る処理装置900について説明する。基板処理装置900は、
図12に示されているように、枚葉式基板処理装置として構成されている。
【0043】
図12に示すとおり、基板処理装置900は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料または、石英により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200を処理する処理空間(処理室)201、搬送空間203が形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板204が設けられる。上部処理容器202aに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも上方の空間を処理空間(処理室ともいう)201と呼び、下部容器202bに囲まれた空間であって、仕切り板よりも下方の空間を搬送空間203と呼ぶ。
【0044】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ205に隣接した基板搬入出口206が設けられており、ウエハ200は基板搬入出口206を介して図示しない搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。
【0045】
処理室201内には、ウエハ200を支持する基板支持部210が設けられている。基板支持部210は、ウエハ200を載置する載置面211と、載置面211を表面に持つ基板載置台212とを有する。好ましくは、加熱部としてのヒータ213を設ける。加熱部を設けることにより、基板を加熱させ、基板上に形成される膜の品質を向上させることができる。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられていても良い。
【0046】
基板載置台212はシャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、更には処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、基板載置面211上に載置されるウエハ200を昇降させることが可能に構成される。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
【0047】
基板載置台212は、ウエハ200の搬送時には、基板載置面211が基板搬入出口206の位置(ウエハ搬送位置)となるように下降し、ウエハ200の処理時には
図12で示されるように、ウエハ200が処理室201内の処理位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。
【0048】
具体的には、基板載置台212をウエハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン207の上端部が基板載置面211の上面から突出して、リフトピン207がウエハ200を下方から支持するようになっている。また、基板載置台212をウエハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン207は基板載置面211の上面から埋没して、基板載置面211がウエハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン207は、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。なお、リフトピン207に昇降機構を設けて、基板載置台212とリフトピン207が相対的に動くように構成してもよい。
【0049】
ヒータ213は、ウエハ200の中心である中心面と、その中心面の外周である外周面をそれぞれ個別に加熱制御可能な構成である。例えば、基板載置面211の中心に設けられ、上方から見て周状のセンターゾーンヒータ213aと、同じく周状であり、センターゾーンヒータ213aの外周に設けられたアウトゾーンヒータ213bを有する。センターゾーンヒータ213aはウエハの中心面を加熱し、アウトゾーンヒータ213bはウエハの外周面を加熱する。
【0050】
センターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bは、それぞれヒータ電力供給線を介してヒータ温度制御部215に接続される。ヒータ温度制御部215は各ヒータへの電力供給を制御することで、ウエハ200の中心面、外周面の温度を制御する。
【0051】
基板載置台213には、ウエハ200の温度を測定する温度測定器216aと温度測定器216bが内包される。温度測定器216aはセンターゾーンヒータ213a近傍の温度を測定するよう、基板載置台212の中心部に設けられる。温度測定器216bはアウトゾーンヒータ213b近傍の温度を測定するよう、基板載置台212の外周面に設けられる。温度測定器216a、温度測定器216bは温度情報受信部216cに接続される。各温度測定器で測定した温度は、温度情報受信部216cに送信される。温度情報受信部216cは受信した温度情報を後述するコントローラ260に温度情報を送信する。コントローラ260は受信した温度情報や上位装置から受信する膜厚情報に基づきヒータ温度を制御する。なお、温度測定器216a、温度測定器216b、温度情報受信部216cをまとめて温度検出部216とする。
【0052】
(排気系)
処理室201(上部容器202a)の内壁上面には、処理室201の雰囲気を排気する排気口221が設けられている。排気口221には第1排気管としての排気管224が接続されており、排気管224には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器222、真空ポンプ223が順に直列に接続されている。主に、排気口221、排気管224、圧力調整器222により、第1の排気部(排気ライン)が構成される。なお、真空ポンプ223を第1の排気部に含めるように構成しても良い。
【0053】
(バッファ室)
処理室201の上方には、バッファ室232が設けられている。バッファ室232は、側壁232a、天井232bにより構成されている。バッファ室232は、シャワーヘッド234を内包する。バッファ室232の内壁232aとシャワーヘッド234との間には、ガス供給経路235が構成される。即ち、ガス供給経路235はシャワーヘッド234の外壁234bを囲むように設けられる。
【0054】
シャワーヘッド234と処理室201を区画する壁には、分散板234aが設けられる。分散板234aは例えば円盤状に構成される。処理室201側から見ると、
図13のようにガス供給経路235はシャワーヘッド側壁234bと側壁232aの間であって、分散板234の水平方向周囲に設けられた構造となる。
【0055】
バッファ室232の天井232bには、ガス導入管234、ガス導入管237が貫通されている。更に、ガス導入管238、ガス導入管239が接続されている。ガス導入管234、ガス導入管237はシャワーヘッド234に接続される。ガス導入管236、ガス導入管238は後述する第一ガス供給系に接続される。ガス導入管237、ガス導入管239は後述する第二ガス供給系に接続される。
【0056】
ガス導入管236、ガス導入管237から導入されたガスはシャワーヘッド234を介して処理室201に供給される。ガス導入管238、ガス導入管239から導入されたガスはガス供給経路235を介して処理室201に供給される。
【0057】
シャワーヘッド234から供給されたガスはウエハ200の中心に供給される。ガス供給経路235から供給されたガスはウエハ200のエッジに供給される。ウエハの外周面(エッジ)とは、前述のウエハ中心に対して、その外周を言う。
シャワーヘッド234は、例えば、石英、アルミナ、ステンレス、アルミなどの材料で構成される。
【0058】
(ガス供給系)
(第一ガス供給系)
続いて、
図14を用いて第一のガス供給系を説明する。
図14のA1は
図12のA1に接続され、A2は
図12のA2に接続される。即ち、ガス供給管241aはガス導入管236に接続され、ガス供給管242aはガス導入管238に接続される。
【0059】
ガス供給管241aには、上流から合流管240b、マスフローコントローラ241b、バルブ241cが設けられる。マスフローコントローラ241b、バルブ241cによって、ガス供給管241aを通過するガスの流量が制御される。合流管240bの上流には第一の処理ガスのガス源240aが設けられる。第一の処理ガスはシリコン含有ガスである。例えばジシラン(Si
2H
6)ガスを用いる。
【0060】
好ましくは、バルブ241cの下流側に、不活性ガスを供給するための第一の不活性ガス供給管243aが接続される。不活性ガス供給管243aには、上流から不活性ガス源243b、マスフローコントローラ243c、バルブ243dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管241aを流れるガスに添加され、希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ243c、バルブ243dを制御することで、ガス導入管236、シャワーヘッド234を介して供給する処理ガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0061】
ガス導入管238と接続されるガス供給管242aには、上流から合流管240b、マスフローコントローラ242b、バルブ242cが設けられる。マスフローコントローラ242b、バルブ242cによって、ガス供給管242aを通過するガスの流量が制御される。合流管240bの上流には第一の処理ガスのガス源240aが設けられる。
【0062】
好ましくは、バルブ242cの下流側に、不活性ガスを供給するための第二の不活性ガス供給管244aが接続される。不活性ガス供給管244aには、上流から不活性ガス源244b、マスフローコントローラ244c、バルブ244dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管242aを流れるガスに添加され、希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ244c、バルブ244dを制御することで、ガス導入管238、ガス供給経路235を流れるガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0063】
ガス供給管241a、マスフローコントローラ241b、バルブ241c、ガス供給管242a、マスフローコントローラ242b、バルブ242c、合流管240bをまとめて第一ガス供給系と呼ぶ。なお、ガス源240a、ガス導入管236、ガス導入管238を第一ガス供給系に含めても良い。
【0064】
第一の不活性ガス供給管243a、マスフローコントローラ243c、バルブ243d、第二の不活性ガス供給管244a、マスフローコントローラ244c、バルブ244dをまとめて第一不活性ガス供給系と呼ぶ。なお、不活性ガス源243b、不活性ガス源244bを第一不活性ガス供給系に含めても良い。
更には、第一ガス供給系に第一不活性ガス供給系を含めても良い。
【0065】
(第二ガス供給系)
続いて、
図15を用いて第二ガス供給系を説明する。
図15のB1は
図12のB1に接続され、B2は
図12のB2に接続される。即ち、ガス供給管251aはガス導入管237に接続され、ガス供給管252aはガス導入管239に接続される。
【0066】
ガス供給管251aには、上流から合流管250b、マスフローコントローラ251b、バルブ251cが設けられる。マスフローコントローラ251b、バルブ251cによって、ガス供給管241aを通過するガスの流量が制御される。合流管250bの上流には第二の処理ガスのガス源250aが設けられる。第二の処理ガスは酸素含有ガスである。例えば酸素ガス(O
2)を用いる。
【0067】
好ましくは、バルブ251cの下流側に、不活性ガスを供給するための第三の不活性ガス供給管253aが設けられる。不活性ガス供給管253aには、上流から不活性ガス源253b、マスフローコントローラ253c、バルブ253dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管251aを流れるガスの希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ253c、バルブ253dを制御することで、ガス導入管237、シャワーヘッド234を介して供給するガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0068】
ガス供給管252aには、上流から合流管250b、マスフローコントローラ252b、バルブ252cが設けられる。マスフローコントローラ252b、バルブ252cによって、ガス供給管252aを通過するガスの流量が制御される。合流管250bの上流には第二の処理ガスのガス源250aが設けられる。第二の処理ガスは酸素含有ガスである。例えば酸素ガス(O
2)を用いる。
【0069】
好ましくは、バルブ252cの下流側に、不活性ガスを供給するための第四の不活性ガス供給管254aが設けられる。不活性ガス供給管254aには、上流から不活性ガス源254b、マスフローコントローラ254c、バルブ254dが設けられる。不活性ガスは例えばヘリウム(He)ガスが用いられる。不活性ガスは、ガス供給管252aを流れるガスの希釈ガスとして使用される。マスフローコントローラ254c、バルブ254dを制御することで、ガス導入管239、ガス供給経路235を流れるガスの濃度や流量を、より最適にチューニングすることができる。
【0070】
ガス供給管251a、マスフローコントローラ251b、バルブ251c、ガス供給管252a、マスフローコントローラ252b、バルブ252c、合流管250bをまとめて第二ガス供給系と呼ぶ。なお、ガス源250a、ガス導入管237、ガス導入管239を第二ガス供給系に含めても良い。
【0071】
第三の不活性ガス供給管253a、マスフローコントローラ253c、バルブ253d、第四の不活性ガス供給管254a、マスフローコントローラ254c、バルブ254dをまとめて第二不活性ガス供給系と呼ぶ。なお、不活性ガス源253b、不活性ガス源254bを第二不活性ガス供給系に含めても良い。
更には、第二ガス供給系に第二不活性ガス供給系を含めても良い。また第一ガス供給系、第二ガス供給系をまとめてガス供給系と呼ぶ。
【0072】
以上のように、第一ガス供給系及び第二ガス供給系それぞれにマスフローコントローラ、バルブを設けているので、個別にガスの量を制御することができる。また、第一の不活性ガス供給系、第二の不活性ガス供給系のそれぞれにマスフローコントローラ、バルブを設けているので、個別にガスの濃度を制御することができる。
【0073】
(制御部)
基板処理装置900は、基板処理装置900の各部の動作を制御するコントローラ260を有している。
【0074】
コントローラ260の概略を
図16に示す。制御部(制御手段)であるコントローラ260は、CPU(Central Processing Unit)260a、RAM(Random Access Memory)260b、記憶装置260c、I/Oポート260dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM260b、記憶装置260c、I/Oポート260dは、内部バス260eを介して、CPU260aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ260には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置261や、外部記憶装置262が接続可能に構成されている。更に、上位装置270にネットワークを介して接続される受信部263が設けられる。受信部260は、上位装置から他の装置の情報を受信することが可能である。
【0075】
記憶装置260cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置260c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプログラムレシピ等が読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ260に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プログラムレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM260bは、CPU260aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0076】
I/Oポート260dは、ゲートバルブ205、昇降機構218、ヒータ213、圧力調整器222、真空ポンプ223等に接続されている。また、MFC241b、242b、243c、244c、251b、252b、253c、254c、バルブ241c,242c、243d、244d、251c,252c、253d、254d等にも接続されていても良い。
【0077】
CPU260aは、記憶装置260cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置261からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置260cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU260aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、ゲートバルブ205の開閉動作、昇降機構218の昇降動作、ヒータ213への電力供給動作、圧力調整器222の圧力調整動作、真空ポンプ223のオンオフ制御、マスフローコントローラの流量調整動作、バルブ等を制御可能に構成されている。
【0078】
なお、コントローラ260は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていても良い。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)262を用意し、係る外部記憶装置262を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ260を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置262を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置262を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置260cや外部記憶装置262は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置260c単体のみを含む場合、外部記憶装置262単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合が有る。
【0079】
続いて、基板処理装置900を用いた膜の形成方法について説明する。
膜厚測定工程S103の後、測定されたウエハ200は基板処理装置900に搬入される。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ260により制御される。
【0080】
(基板搬入工程)
膜厚測定工程S105で第一の絶縁膜2005の膜厚が測定されたら、ウエハ200を基板処理装置900に搬入させる。具体的には、基板支持部210を昇降機構218によって下降させ、リフトピン207が貫通孔214から基板支持部210の上面側に突出させた状態にする。また、処理室201内を所定の圧力に調圧した後、ゲートバルブ205を開放し、ゲートバルブ205からリフトピン207上にウエハ200を載置させる。ウエハ200をリフトピン207上に載置させた後、昇降218によって基板支持部210を所定の位置まで上昇させることによって、ウエハ200が、リフトピン207から基板支持部210へ載置されるようになる。
【0081】
(減圧・昇温工程)
続いて、処理室201内が所定の圧力(真空度)となるように、排気管224を介して処理室201内を排気する。この際、圧力センサが測定した圧力値に基づき、圧力調整器222としてのAPCバルブの弁の開度をフィードバック制御する。また、温度センサ216が検出した温度値に基づき、処理室201内が所定の温度となるようにヒータ213への通電量をフィードバック制御する。具体的には、基板支持部210をヒータ213により予め加熱しておき、ウエハ200又は基板支持部210の温度変化が無くなってから所定時間置く。この間、処理室201内に残留している水分あるいは部材からの脱ガス等が有る場合は、真空排気や不活性ガス供給によるパージによって除去しても良い。これで成膜プロセス前の準備が完了することになる。なお、処理室201内を所定の圧力に排気する際に、一度、到達可能な真空度まで真空排気しても良い。
【0082】
ウエハ200が基板支持部210に載置され、処理室201内の雰囲気が安定した後、マスフローコントローラ241b、マスフローコントローラ242b、マスフローコントローラ251b、マスフローコントローラ252b、を稼働させると共に、バルブ241c、バルブ242c、バルブ251c、バルブ252cの開度を調整する。このとき、マスフローコントローラ243c、マスフローコントローラ244c、マスフローコントローラ253c、マスフローコントローラ254cを稼働させると共に、バルブ243d、バルブ244d、バルブ253d、バルブ254dの開度を調整しても良い。
【0083】
(ガス供給工程)
ガス供給工程では、第一ガス供給系及び第二ガス供給系から処理室201にガスを供給する。
【0084】
ガスを供給する際は、上位装置270から受信した絶縁膜2005の膜厚測定データに応じて第一ガス供給系、第二ガス供給系のマスフローコントローラやバルブを制御し、ウエハ200の中央面に供給するガスの量(もしくは濃度)と外周面に供給する処理ガスの量(もしくは濃度)をそれぞれ制御する。より良くは、上位装置270から受信した測定データに応じて、センターゾーンヒータ213aとアウターゾーンヒータ213bを制御して、ウエハ200の面内の温度勾配を制御する。
【0085】
処理室201内に供給されたガスは処理室201内で分解され、研磨後の第一の絶縁膜2005上に第二の絶縁膜2007を形成する。
【0086】
所定の時間経過後、各バルブを閉じて、ガスの供給を停止する。
【0087】
このときのヒータ213の温度は、ゲート電極203等の既に形成されている構成に悪影響の無い温度とする。例えば、ウエハ200が200〜500℃、好ましくは300〜450℃の範囲内の所定の温度となるように設定する。不活性ガスとしては、Heガスの他、膜に悪影響の無いガスであれば良く、例えばAr,N2、Ne,Xe等の希ガスを用いても良い。
【0088】
(基板搬出工程)
成膜工程が終わった後、基板支持部210を昇降機構218によって下降させ、リフトピン207が貫通孔214から基板支持部210の上面側に突出させた状態にする。また、処理室201内を所定の圧力に調圧した後、ゲートバルブ205を解放し、ウエハ200をリフトピン207上からゲートバルブ205外へ搬送する。
【0089】
続いて、本装置を用いて第二の層間絶縁膜の膜厚を制御する方法を説明する。
前述のように、研磨工程S102終了後、第一のpoly-Si膜2005は、ウエハ200の中央面と外周面とで膜厚が異なってしまう。測定工程S104ではその膜厚分布を測定する。測定結果は上位装置270を通して、RAM260bに格納される。格納されたデータは記憶装置260c内のレシピと比較され、そのレシピに基づいた装置制御が成される。
【0090】
次に、RAM260bに格納されたデータが分布Aである場合を説明する。分布Aの場合とは、
図7に記載のように、絶縁膜2005aが絶縁膜2005bよりも厚い場合を言う。
【0091】
分布Aの場合、本工程では、ウエハ200外周面に形成する絶縁膜2007bを厚くし、ウエハ200中央面に形成する絶縁膜2007aの膜厚を絶縁膜2007bよりも薄くなるよう制御する。具体的には、ガスを供給する際、ウエハ200の外周面に供給するシリコン含有ガスを、ウエハ200中央面よりも多くするよう制御する。このようにすることで、本半導体装置における絶縁膜の高さ、即ち絶縁膜2005に絶縁膜2007を重ねた積層絶縁膜の膜厚を、
図9に記載のターゲット膜厚分布A’のように補正することができる。即ち、積層絶縁膜の膜厚を膜厚分布A’のように補正することができる。
【0092】
このとき第一ガス供給系では、マスフローコントローラ241bを制御すると共に、バルブ241cの開度を制御し、シャワーヘッド234から処理室201に供給するシリコン含有ガスの量を制御する。更に、マスフローコントローラ242bを制御すると共に、バルブ242cの開度を制御し、ガス供給経路235から処理室201にシリコン含有ガスを供給する。ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、ガス供給経路235から供給されるガスの暴露量がシャワーヘッドから供給されるガスの暴露量よりも多くなるよう制御される。ここでいう暴露量とは、処理ガスの主成分の暴露量を言う。本実施形態においては、処理ガスがシリコン含有ガスであり、主成分はシリコンである。
【0093】
更に、第二ガス供給系では、マスフローコントローラ251bを制御すると共に、バルブ251cの開度を制御し、シャワーヘッド234から供給する酸素含有ガスの量を制御する。ガス供給管251aにおける酸素含有ガスの量は、ガス供給管241aにおけるシリコン含有ガスの量に対応した量とする。更に、マスフローコントローラ252bを制御すると共に、バルブ252cの開度を制御し、ガス供給経路235から酸素含有ガスを供給する。ガス供給管252aにおける酸素含有ガスの量は、ガス供給管242aにおけるシリコン含有ガスの量に対応した量とする。
【0094】
このとき、ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、ガス供給経路235から供給されるガスの暴露量がシャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量よりも多くなるよう制御される。ここでいう暴露量とは、処理ガスの主成分の暴露量を言う。本実施形態においては、処理ガスがシリコン含有ガスであり、主成分はシリコンである。
【0095】
シャワーヘッド234を介して供給されたシリコン含有ガスと酸素含有ガスは、ウエハ200の中央面に形成された絶縁膜2005a上に供給される。供給されたガスは、
図8に記載のように、絶縁膜2005a上に絶縁膜2007aを形成する。
【0096】
ガス供給経路235を介して供給されたシリコン含有ガスと酸素含有ガスはウエハ200の外周面に形成された絶縁膜2005b上に供給される。供給されたガスは、
図8に記載のように、絶縁膜2005b上に絶縁膜2007bを形成する。
【0097】
前述のように、ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、絶縁膜2005b上が絶縁膜2005a上よりも多くなるので、絶縁膜2007bの膜厚を絶縁膜2007aよりも厚くすることが可能となる。
【0098】
このとき、
図8に記載のように、絶縁膜2005bに絶縁膜2007bを重ねた厚さH1bと、絶縁膜2005aに絶縁膜2007aを重ねた厚さH1aが実質的に等しくなるよう、絶縁膜2007の厚みを制御する。より良くは、基板表面200aから絶縁膜2007bの上端までの距離と、基板表面200aから絶縁膜2007aの上端までの距離の差が所定範囲内となるよう制御する。またより良くは、前記基板の面内における絶縁膜2007の高さ(第二の層間絶縁膜の上端)の分布が所定の範囲内となるよう第二の絶縁膜2007の膜厚分布を制御する。
【0099】
また、別の方法として、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を同じとし、替わりにガス供給管241aとガス供給管242aそれぞれのシリコン含有ガスの濃度を制御しても良い。シリコン含有ガスの濃度を制御する際は、第一不活性ガス供給系を制御することで、ガス供給管241a、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を制御する。分布Aの場合、ガス供給管241aを通過するシリコン含有ガスの濃度を低くすると共に、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を、ガス供給管241aを通過するガスの濃度よりも高くする。
【0100】
このようにすることで、ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量に関し、ガス供給経路235から供給されるガス量がシャワーヘッド234から供給されるガス量よりも多くなるよう、より緻密に制御できる。このように制御することで、より確実に絶縁膜2007bの膜厚を絶縁膜2007aよりも厚くすることが可能となる。
【0101】
より良くは、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を異ならせると共に、濃度を異ならせても良い。このような制御をすることで、単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量をより大きい差分で供給することができる。即ち、絶縁膜2007aと絶縁膜2007bとでより大きい膜厚差とすることができる。従って、絶縁膜研磨工程S102で絶縁膜2005aと絶縁膜2005bの高さの差が大きくなってしまったとしても、高さを揃えることが可能となる。
【0102】
更により良くは、上記のように処理ガスを制御することと並行して、センターゾーンヒータ213aとアウトゾーンヒータ213bを制御しても良い。形成される膜厚は温度に比例するので、分布Aの場合、アウターゾーンヒータ213bの温度をセンターゾーンヒータ213aよりも高くする。例えばジシランガスのような、温度条件が膜生成効率に大きく寄与するガスを用いて絶縁膜2007を形成する場合に有効である。
【0103】
このように、処理ガス供給量(濃度)と温度を並行して制御すると、より緻密な膜厚制御が可能となる。
【0104】
次に、RAM260bに格納されたデータが分布Bである場合を説明する。分布Bの場合とは、
図7に記載のように、絶縁膜2005bが絶縁膜2005aよりも厚い場合を言う。
【0105】
分布Bの場合、本工程では、ウエハ200中央面に形成する絶縁膜2007aを厚くし、ウエハ200外周面に形成する絶縁膜2007bの膜厚を絶縁膜2007aよりも小さくするよう制御する。具体的には、ガスを供給する際、ウエハ200中央面に供給するシリコン含有ガスを、ウエハ200外周面よりも多くするよう制御する。このようにすることで、本半導体装置における絶縁膜の高さ、即ち絶縁膜2005に絶縁膜2007を重ねた高さを、
図11に記載のターゲット膜厚分布B’のように補正することができる。即ち、積層絶縁膜の膜厚を膜厚分布A’のように補正することができる。
【0106】
このとき、第一ガス供給系ではマスフローコントローラ241bを制御すると共に、バルブ241cの開度を制御し、シャワーヘッド234から処理室201に供給するシリコン含有ガスの量を制御する。更に、マスフローコントローラ242bを制御すると共に、バルブ242cの開度を制御し、ガス供給経路235から処理室201にシリコン含有ガスを供給する。ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量がガス供給経路235から供給されるガスの暴露量よりも多くなるよう制御される。
【0107】
更に、第二ガス供給系では、マスフローコントローラ251bを制御すると共に、バルブ251cの開度を制御し、シャワーヘッド234から供給する酸素含有ガスの量を制御する。ガス供給管251aにおける酸素含有ガスの量は、ガス供給管241aにおけるシリコン含有ガスの量に対応した量とする。更に、マスフローコントローラ252bを制御すると共に、バルブ252cの開度を制御し、ガス供給経路235から酸素含有ガスを供給する。ガス供給管252aにおける酸素含有ガスの量は、ガス供給管242aにおけるシリコン含有ガスの量に対応した量とする。
【0108】
このとき、ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガスの暴露量がガス供給経路235から供給されるガスの暴露量よりも多くなるよう制御される。
【0109】
シャワーヘッド234を介して供給されたシリコン含有ガスと酸素含有ガスは、ウエハ200の中央面に形成された絶縁膜2005a上に供給される。供給されたガスは、
図10に記載のように、絶縁膜2005a上に絶縁膜2007aを形成する。
【0110】
ガス供給経路235を介して供給されたシリコン含有ガスと酸素含有ガスはウエハ200の外周面に形成された絶縁膜2005b上に供給される。供給されたガスは、
図10に記載のように、絶縁膜2005b上に絶縁膜2007bを形成する。
【0111】
前述のように、ウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、絶縁膜2005a上が絶縁膜2005b上よりも多くなるので、絶縁膜2007aの膜厚を絶縁膜2007bよりも厚くすることが可能となる。
【0112】
このとき、
図10に記載のように、絶縁膜2005bに絶縁膜2007bを重ねた厚さH1bと、絶縁膜2005aに絶縁膜2007aを重ねた厚さH1aが実質的に等しくなるよう、絶縁膜2007の厚みを制御する。より良くは、基板表面200aから絶縁膜2007bの上端までの距離と、基板表面200aから絶縁膜2007aの上端までの距離の差が所定範囲内となるよう制御する。またより良くは、前記基板の面内における絶縁膜2007の高さ(第二の層間絶縁膜の上端)の分布が所定の範囲内となるよう第二の絶縁膜2007の膜厚分布を制御する。
【0113】
また、別の方法として、ガス供給管241aとガス供給管242aのシリコン含有ガスの供給量を同じとし、替わりにガス供給管241aとガス供給管242aそれぞれのシリコン含有ガスの濃度を制御しても良い。シリコン含有ガスの濃度を制御する際は、第一不活性ガス供給系を制御することで、ガス供給管241a、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を制御する。分布Bの場合、ガス供給管242aを通過するシリコン含有ガスの濃度を小さくすると共に、ガス供給管241aを通過するシリコン含有ガスの濃度を、ガス供給管242aを通過するガスの濃度よりも高くする。
【0114】
このようにすることで、より確実にウエハ200の処理面における単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量は、シャワーヘッド234から供給されるガス量がガス供給経路235から供給されるガス量よりも多くなるよう制御できる。このように制御することで、より確実に絶縁膜2007aの膜厚を絶縁膜2007bよりも厚くすることが可能となる。
【0115】
より良くは、ガス供給管251aとガス供給管252aのシリコン含有ガスの供給量を異ならせると共に、濃度を異ならせても良い。このような制御をすることで、単位面積当たりのシリコン含有ガスの暴露量をより大きい差分で供給することができる。即ち、絶縁膜2007aと絶縁膜2007bとでより大きい膜厚差とすることができる。従って、絶縁膜研磨工程S102で絶縁膜2005aと絶縁膜2005bの高さの差が大きくなってしまったとしても、高さを揃えることが可能となる。
【0116】
更により良くは、上記のように処理ガスを制御することと並行して、センターゾーンヒータ213aとアウトゾーンヒータ213bを制御しても良い。形成される膜厚は温度に比例するので、分布Bの場合、センターゾーンヒータ213aの温度をアウターゾーンヒータ213bよりも高くする。例えばジシランガスのような、温度条件が膜生成効率に大きく寄与するガスを用いて絶縁膜2007を形成する場合に有効である。
【0117】
このように、処理ガス供給量(濃度)と温度を並行して制御すると、より緻密な膜厚制御が可能となる。
【0118】
以上説明したように、ウエハ200の処理面の単位面積当たりのシリコン含有ガスの量をチューニングすることで、ウエハ200の中央とその外周それぞれで第二の絶縁膜2007の厚み制御することができる。
【0119】
このとき、絶縁膜2005bに絶縁膜2007bを重ねた厚さを、絶縁膜2005aに絶縁膜2007aを重ねた厚さが等しくなるよう、絶縁膜2007の厚みを制御する。
【0120】
(膜厚測定工程S105)
続いて、膜厚測定工程S105を説明する。膜厚測定工程S105では、第一の絶縁膜2005と第二の絶縁膜2007を重ね合わせた層の高さを測定する。具体的には、重ね合わせた層の高さが揃っているか否か、つまり積層絶縁膜の膜厚がターゲットの膜厚分布のように補正されているか否かを確認する。ここで「高さが揃う」とは、完全に高さが一致しているものに限らず、高さに差があっても良い。例えば、高さの差は、後のパターニング工程や金属膜形成工程で影響の無い範囲であれば良い。
【0121】
第二の絶縁膜形成工程S104の後、ウエハ200は測定装置に搬入される。測定装置は、研磨装置400の影響を受けやすいウエハ200の中央面とその外周面のうち、少なくとも数か所を測定し、絶縁膜2007の膜厚(高さ)分布を測定する。測定されたデータは、上位装置に送られる。測定後、ウエハ200は搬出される。
ウエハ200の面内おける高さの分布が所定範囲内、具体的には後のパターニング工程や金属膜形成工程で影響の無い範囲内であれば窒化膜形成工程S106に移行する。なお、膜厚分布が所定の分布になることが予めわかっている場合には、膜厚測定工程S106は省略しても良い。
【0122】
(窒化膜形成工程S106)
続いて、窒化膜形成工程106を説明する。
膜厚測定後、ウエハ200を窒化膜形成装置に搬入する。窒化膜形成装置は、一般的な枚葉装置であるため説明を省略する。
【0123】
本工程では、
図17のように、第二の絶縁膜2007上にシリコン窒化膜2008を形成する。このシリコン窒化膜は、後述するパターニング工程の中のエッチング工程において、ハードマスクの役割を有する。なお、
図17では分布Aを例にしているが、それに限るものではなく、分布Bにおいても同様であることは言うまでもない。
【0124】
窒化膜形成装置では処理室内にシリコン含有ガスと窒素含有ガスを供給し、ウエハ200上にシリコン窒化膜2008を形成する。シリコン含有ガスは例えばジシラン(Si
2H
4)ガスであり、窒素含有ガスは例えばアンモニア(NH
3)ガスである。
【0125】
第二の絶縁膜形成工程S106で高さが揃えられた絶縁膜2007上にシリコン窒化膜2008が形成されるので、シリコン窒化膜2008の高さも基板面内で所定の範囲の高さ分布となる。即ち、ウエハ200の面内において、ウエハ表面200aからシリコン窒化膜2008表面までの距離は、ウエハ200の面内において所定の範囲内となる。
【0126】
(膜厚測定工程S107)
続いて、膜厚測定工程108について説明する。膜厚測定工程S107では、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜、シリコン窒化膜を重ね合わせた層の高さを測定する。ここで「高さが揃う」とは、完全に高さが一致しているものに限らず、高さに差があっても良い。例えば、高さの差は、後の工程であるエッチング工程や金属膜形成工程で影響の無い範囲であれば良い。
【0127】
窒化膜形成工程S106の後、ウエハ200は測定装置に搬入される。測定装置は、研磨装置400の影響を受けやすいウエハの中央面とその外周面のうち、少なくとも数か所を測定し、窒化膜2008の膜厚(高さ)分布を測定する。測定されたデータは、上位装置に送られる。測定後、ウエハ200は搬出される。
ウエハ200の面内における高さの分布が所定範囲内、具体的には後のパターニング工程や金属膜形成工程で影響の無い範囲内であればパターニング工程S108に移行する。
【0128】
(パターニング工程S108)
続いて、パターニング工程S108を説明する。
図18は露光工程におけるウエハ200の状態を説明する図であり、
図19はエッチング後のウエハ200の状態を説明した図である。
【0129】
以下に具体的な内容を説明する。
シリコン窒化膜形成後、レジスト形成装置にてシリコン窒化膜上にレジスト膜2009を塗布する。その後、
図13のように、露光装置にて、ランプ501から光を発して露光する。露光装置ではマスク502を介してレジスト2009上に光503を照射し、レジスト膜2009の一部を変質させる。ここでは、ウエハ200中央面における変質したレジスト膜をレジスト2009a、ウエハ200外周面における変質したレジスト膜をレジスト2009bと呼ぶ。
【0130】
前述のように、ウエハ表面200aからシリコン窒化膜2008の表面までの高さ分布は、基板面内で所定の範囲内にある。従って、ウエハ表面200aからレジスト膜2009の表面までの高さを揃えることができる。露光工程においてはランプ501からレジスト2009までの距離、即ち光503の移動距離がウエハ200の面内において等しくなる。従って焦点深度の面内分布を等しくすることができる。
【0131】
焦点深度を等しくすることができるため、レジスト膜2009a、レジスト膜2009bの幅を、基板面内において一定にすることができる。従って、パターン幅のばらつきをなくすことができる。
【0132】
続いて、
図19を用いてエッチング処理後のウエハ200の状態を説明する。前述のようにレジスト膜2009aとレジスト膜2009bの幅が一定であるので、ウエハ200の面内におけるエッチング幅を一定にすることが可能となる。従って、ウエハ200の中央面や外周面において、エッチングガスを均一に供給でき、エッチング後の溝2010の幅を、ウエハ200中央面における溝2010aとウエハ200外周面における溝2010bの幅を一定にすることができる。溝2010がウエハ200の面内で一定となるので、回路の特性を基板面内で一定とすることができるので、歩留まりを向上させることができる。
【0133】
(第一の金属膜形成工程S109)
続いて、金属膜形成工程S110を説明する。
図20は第一の金属膜である金属膜2011を形成したウエハ200を説明した図である。金属膜形成装置は既存のCVD装置等の薄膜装置であるため説明を省略する。
【0134】
エッチング処理終了後、ウエハ200は金属膜形成装置に搬入される。金属膜形成装置の処理室に、金属含有ガスを供給し、金属膜2011を形成する。金属は導電性の性質を有し、例えばタングステン(W)が用いられる。金属含有ガスは、例えばタングステン含有ガスである。
【0135】
金属含有ガスは溝2010等に供給され、
図16のように溝2010に金属成分を充填し、金属膜2011を形成する。金属膜2011は、上の層に形成される回路とソース・ドレイン領域2001を接続されるための導電性配線として用いられる。
【0136】
(金属膜研磨工程S110)
金属膜2011が形成されたら、金属膜形成装置からウエハ200を搬出し、その後研磨装置に移載する。研磨装置では余分な金属膜を研磨する。余分な金属膜とは、例えば溝2010からはみ出した膜を言う。
【0137】
(第二の金属膜形成工程S111)
金属膜研磨工程S111の後、第一の金属膜2011上への成膜、パターニング工程等を介して
図21のように第二の金属膜2012を形成する。第二の金属膜2012は、第一の金属膜2011と同じ組成としても良いし、回路の特性によっては異なる組成としても良い。
【0138】
前述のように、第二の絶縁膜形成工程S104を含めた基板処理工程を行うことで、基板表面200aから金属膜2012の下端までの距離を、ウエハ200の面内で一定にすることができる。即ち、ウエハ200中央面における基板表面200aから第二の金属膜2012aの下端までの高さH2aと、ウエハ200外周面における基板表面200aから第二の金属膜2012bの下端までの高さH2bとを揃えることができる。従って、ドレイン・ソース領域201と第二の金属膜2012を結ぶ第一の金属膜2011の特性を、ウエハ200の面内で均一にすることができる。このようにして、ウエハ200から生産する多くの半導体装置に関し、特性を一定とすることができる。
【0139】
尚、ここでいう特性とは、金属膜の高さに比例する特性を言い、例えば電気的な容量を言う。
【0140】
本実施形態においては、ドレイン・ソース領域201と第二の金属膜2012間の導電性配線を例にして説明したがそれに限るものではない。例えば、ドレイン・ソース領域を金属配線に置き換えても良い。この場合、一方が第一の金属配線であり、他方が第一の金属配線よりも上方の層に配された第二の金属配線であり、その間を本実施形態における導電層で構成するようにしても良い。
【0141】
また、本実施形態においては重力方向下層と上層を接続することを例に説明したが、それに限るものではなく、例えば3次元積層回路に応用しても良いことは言うまでもない。
【0142】
次に、
図22から
図24を用いて比較例を説明する。
比較例は、第二の絶縁膜形成工程S104を実施しない場合である。したがってウエハ200の中央面とその外周面とで高さが異なる。
【0143】
まず
図22を用いて第一の比較例を説明する。
図22は
図18と比較した図である。
図22の場合、絶縁膜2005の高さがウエハ200中央面とウエハ200外周面とで異なる、即ち絶縁膜2005aと絶縁膜2005bの高さが異なるため、光503の距離がウエハ200中央面とウエハ200外周面とで異なってしまう。従って、焦点距離がウエハ200中央面と外周面とで異なり、その結果レジスト膜2009aの幅とレジスト膜2009bの幅が異なってしまう。このようなレジスト膜2009で処理を進めると、
図23に記載のように、ウエハ200中央面側の溝Laとウエハ200外周面側の溝Lbとで幅が異なってしまう。従って、ウエハ200中央面とウエハ200外周面とで半導体装置の特性にばらつきが起きる。
【0144】
これに対して、本実施形態は第二の絶縁膜形成工程S104を行うので、面内において溝2010の幅を一定とすることができる。従って、比較例に比べ、均一な特性の半導体装置を形成でき、歩留まりの向上に著しく貢献することができる。
【0145】
続いて第二の比較例を説明する。
図24は
図21と比較した図である。
図24は、仮にレジスト膜2009aとレジスト膜2009bの幅にばらつきがなかった場合を想定している。
【0146】
前述のように、パターニング工程の後、第一の金属膜形成工程S110、金属膜研磨工程S111、第二の金属膜形成工程を行い、第一の金属膜2011と第二の金属膜2012を形成する。
【0147】
ところが、第一の絶縁膜2005の厚みがウエハ200の中央面と外周面とで異なる、即ち絶縁膜2005aと絶縁膜2005bの高さが異なるため、
図24に記載のように、ウエハ200中央面における第一の金属膜2011(a)の高さH2a’とウエハ200外周面における第二の金属膜2011(b)の高さH2b’が異なってしまう。
【0148】
ここで、前述のように第一の金属膜2011の電気的容量は金属膜の高さに依存することがわかっている。即ち、
図20のような状況の場合、ウエハ200中央面とウエハ200外周面で電気的容量が異なってしまう。
【0149】
これに対して、本実施形態は第二の絶縁膜形成工程S104を行うので、ウエハ200の面内において第一の金属膜の高さを一定とすることができる。従って、比較例に比べ、均一な特性の半導体装置を形成でき、歩留まりの向上に著しく貢献することができる。
【0150】
尚、本実施形態では、第一の絶縁膜工程S101から第二の金属膜形成工程までを個別の装置で実施するよう説明したが、それに限らず、
図25のように一つの基板処理システムとして実施しても良い。ここでは、システム600として、システムをコントロールする上位装置601を有する。基板を処理する基板処理装置や基板処理システムとして、第一の絶縁膜形成工程S101を実施する絶縁膜形成装置602、絶縁膜研磨工程S102を実施する研磨装置603(本実施形態の研磨装置400に相当)、膜厚測定工程S103を実施する膜厚測定装置604、第二の絶縁膜形成工程S104を実施する絶縁膜形成装置605(本実施形態の基板処理装置900に相当)、膜厚測定工程S105を実施する膜厚測定装置606、窒化膜形成工程S106を実施する窒化膜形成装置607、膜厚測定工程S107を実施する測定装置608、パターニング工程S108を実施するパターニングシステムS609、第一の金属膜形成工程S109を実施する金属膜形成装置610、金属膜研磨工程S110を実施する研磨装置611、第二の金属膜形成工程S111を実施する金属膜形成システム612を有する。更には、各装置やシステム間で情報をやりとりするためのネットワーク613を有する。
【0151】
上位装置601は、各基板処理装置や基板処理システムの情報伝達を制御するコントローラ6001を有している。
【0152】
制御部(制御手段)であるコントローラ6001は、CPU(Central Processing Unit)6001a、RAM(Random Access Memory)6001b、記憶装置6001c、I/Oポート6001dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM6001b、記憶装置6001c、I/Oポート6001dは、内部バスを介して、CPU6001aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ601には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置6002や、外部記憶装置6003が接続可能に構成されている。更に、他の装置やシステとネットワークを介して情報を送受信する送受信部6004が設けられる。
【0153】
記憶装置6001cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置6001c内には、基板処理装置に動作命令するためのプログラム等が読み出し可能に格納されている。また、RAM6001bは、CPU6001aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0154】
CPU6001aは、記憶装置6001cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置6002からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置6003cからプログラムを読み出すように構成されている。そして、CPU6001aは、読み出されたプログラムの内容に沿うように各装置の情報伝達動作を制御可能に構成されている。
【0155】
なお、コントローラ6001は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていても良い。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)6003を用意し、係る外部記憶装置6003を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ6001を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置6003を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置6003を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置6001cや外部記憶装置6003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置6001c単体のみを含む場合、外部記憶装置6003単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合が有る。
【0156】
システム600が有する装置は適宜選択可能であり、機能が冗長する装置であれば一つの装置に集約しても良い。更には、本システム600内で管理せずに、他のシステムで管理しても良い。この場合、より上位のネットワーク614を介して他のシステムと情報伝達を行うようにしても良い。
【0157】
また、ウエハ200の中央、外周面に分けて説明したが、それに限るものではなく、径方向に対してより細分化した領域で絶縁膜の膜厚を制御しても良い。例えば、基板中央、外周面、中央と外周の間の面等、3つ以上の領域に分けても良い。
【0158】
また、本実施形態では窒化膜形成工程S106を行ったが、それに限るものでなく、行わなくても良い。この場合、絶縁膜2005上に絶縁膜2007を重ね合わせた高さが、第一の金属膜の特性のばらつきの無い範囲で揃っていれば良い。
【0159】
また、本実施形態では、膜厚測定工程S105を行ったが、それに限るものでなく、行わなくても良い。この場合、絶縁膜2005上に絶縁膜2007を重ね合わせた高さが、第一の金属膜の特性のばらつきの無い範囲で揃っていれば良い。
【0160】
また、本実施形態では、膜厚測定工程S108を行ったが、それに限るものでなく、行わなくても良い。この場合、絶縁膜2005上に絶縁膜2007を重ね合わせた高さが、第一の金属膜の特性のばらつきの無い範囲で揃っていれば良い。更には、窒化膜形成工程S106で形成された窒化膜を、絶縁膜2005と絶縁膜2007に重ね合わせた高さが、第一の金属膜の特性のばらつきの無い範囲で揃っていれば良い。
【0161】
また、ここではハードマスクとして、シリコン窒化膜を例に説明したが、それに限るものではなく、例えばシリコン酸化膜でも良い。
【0162】
また、膜を形成する工程においては、CVDの様な成膜処理や、ガスを交互に供給して薄膜を形成する際クリック処理、膜を改質する酸化処理、窒化処理、酸窒化処理を行っても良い。この様な処理によれば、マイグレーションやスパッタによって、凹凸を低減できない場合であっても、補正を行うことができる。
【0163】
なお、スパッタ処理や成膜処理を行う場合には、異方性の処理や等方性の処理を組み合わせるように構成しても良い。異方性処理や等方性処理を組み合わせることによって、より精密な補正を行うことができることがある。
【0164】
また、絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いたが、その目的が達成できればよく、他の元素を含有する、酸化膜,窒化膜,炭化膜,酸窒化膜等、それぞれを複合した膜でパターンが形成されている場合であっても良い。
【0165】
また、上述では、半導体デバイスの製造工程の一工程の処理について記したが、これに限らず、液晶パネルの製造工程のパターニング処理、太陽電池の製造工程のパターニング処理や、パワーデバイスの製造工程のパターニング処理などの、基板を処理する技術にも適用可能である。
【0166】
また、上述では、第一の絶縁膜の分布に応じてガス、単位面積当たりの暴露量が異なるよう第一ガス供給系と第二ガス供給系を制御し、更にセンターゾーンヒータ213a、アウターゾーンヒータ213bを制御したが、それに限るものではない。例えば、ガス供給部にてガスの量や濃度を変更しにくい場合は、第一ガス供給系、第二ガス供給系の供給量を等しくすると共に、センターゾーンヒータ213a、アウターゾーンヒータ213bの温度が異なるよう制御してもよい。
【0167】
また、上述では、第一の絶縁膜形成工程と第二の絶縁膜形成工程で異なる装置を用いたがそれに限るものではない。例えば、第一の絶縁膜形成工程を基板処理装置900で実施しても良い。
【0168】
また、上述では、300mmウエハを用いて説明したが、それに限るものではない。例えば、450mmウエハ等の大型基板であればより効果的である。大型基板の場合、絶縁膜研磨工程S102の影響がより顕著になる。即ち、絶縁膜2005aと絶縁膜2005bの膜厚差がより大きくなる。第二の絶縁膜形成工程を実施することで、大型基板においても面内の特性のばらつきを抑制することができる。
【0169】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0170】
<付記1>
本発明の一態様によれば、
回路構成が複数形成された基板に対して、積層絶縁膜の一部として構成される第一の絶縁膜を形成する工程と、
前記第一の絶縁膜を研磨する工程と、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布を測定する工程と、
研磨後の前記第一の絶縁膜上に、前記膜厚分布とは異なる膜厚分布で、前記積層絶縁膜の一部として構成される第二の絶縁膜を形成し、前記積層絶縁膜の膜厚を補正する工程とを有する半導体装置の製造方法、もしくは基板処理方法が提供される。
【0171】
<付記2>
付記1に記載の方法であって、好ましくは
前記回路構成はゲート電極である。
【0172】
<付記3>
付記1または付記2に記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜を形成する工程では、前記基板の面内における前記第二の絶縁膜の高さの分布が所定の範囲内とする。
【0173】
<付記4>
付記1から付記3に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
更に、前記第二の絶縁膜を形成する工程の後、前記基板に対してをパターニングして前記基板に溝を形成する工程と、前記パターニングの工程の後、前記溝に第一の金属膜を形成する工程と、を有する。
【0174】
<付記5>
付記1から付記4に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第一の金属膜を形成する工程の後、前記第一の金属膜に電気的に接続される第二の金属膜を形成する工程を有する。
【0175】
<付記6>
付記1から付記5に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜を形成する工程では、前記基板表面から前記第二の絶縁膜の上端までの距離が所定範囲内とする。
【0176】
<付記7>
付記1から付記6に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が大きい場合には、
前記外周面における前記基板の単位面積当たりの処理ガスの主成分の暴露量を前記中央面よりも少なくする。
【0177】
<付記8>
付記1から付記7に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が大きい場合には
前記外周面に供給する処理ガスの量を前記中央面よりも少なくする。
【0178】
<付記9>
付記1から付記8に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が大きい場合には
前記外周面に供給する処理ガスの主成分の濃度を前記中央面よりも小さくする。
【0179】
<付記10>
付記9に記載の方法であって、好ましくは
前記処理ガスの濃度を制御する際は、前記外周面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量を、前記中央面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量よりも多くする。
【0180】
<付記11>
付記1から付記10に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が大きい場合には、
前記基板の中央面の温度を前記外周面の温度よりも高くする。
【0181】
<付記12>
付記7から付記11に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記処理ガスはシリコン含有ガスである。
【0182】
<付記13>
付記1から付記6に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の前記膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が大きい場合には、
前記外周面における前記基板の単位面積当たりの処理ガスの主成分の暴露量を前記中央面よりも大きくする。
【0183】
<付記14>
付記1から付記6、もしくは付記13に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の前記膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が小さい場合には、
前記外周面に供給する処理ガスの量を前記中央面よりも多くする。
【0184】
<付記15>
付記1から付記6、もしくは付記13から付記14に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の前記膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が小さい場合には、
前記外周面に供給する処理ガスの主成分の濃度を前記中央面よりも大きくする。
【0185】
<付記16>
付記15に記載の方法であって、好ましくは
前記処理ガスの濃度を制御する際は、前記中央面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量を、前記外周面に供給する処理ガスに添加する不活性ガスの供給量よりも多くする。
【0186】
<付記17>
付記1から付記6、もしくは付記13から付記16に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記第二の絶縁膜形成工程では、
前記第一の絶縁膜の前記膜厚分布が、前記基板の中央面よりもその外周面の膜厚が小さい場合には、
前記基板の外周面の温度を前記中央面の温度よりも高くする。
【0187】
<付記18>
付記13から付記17に記載のうち、いずれか一つに記載の方法であって、好ましくは
前記処理ガスはシリコン含有ガスである。
【0188】
<付記19>
更に他の態様によれば、
回路構成が複数形成された基板に対して、積層絶縁膜の一部として構成される第一の絶縁膜を形成する第一の装置と、
前記第一の絶縁膜を研磨する第二の装置と、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布を測定する第三の装置と、
研磨後の前記第一の絶縁膜上に、前記膜厚分布とは異なる膜厚分布で、前記積層絶縁膜の一部として構成される第二の絶縁膜を形成し、前記積層絶縁膜の膜厚を補正する第四の装置と
を有する基板処理システムが提供される。
【0189】
<付記20>
更に他の態様によれば、
処理室に内包され、複数の回路構成と、積層絶縁膜の一部であって、研磨された状態の第一の絶縁膜とを有する基板を載置する基板載置部と、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布データを受信する受信部と、
前記第一の絶縁膜上に、前記膜厚分布とは異なる膜厚分布で、前記積層絶縁膜の一部として構成される第二の絶縁膜を形成し、前記積層絶縁膜の膜厚を補正するようガスを供給するガス供給部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0190】
<付記21>
更に他の態様によれば、
処理室に内包され、第一の構成と、第一の構成上に形成された第一の絶縁膜とを有する基板が載置される基板載置部と、
上位装置から前記第一の絶縁膜の膜厚分布データを受信する受信部と、
前記受信部で受信した膜厚分布のデータに応じて、前記基板の単位面積当たりのガスの暴露量の分布を制御して前記第一のシリコン含有膜上に第二の絶縁膜を形成するガス供給部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0191】
<付記22>
更に他の態様によれば、
回路構成が複数形成された基板に対して、積層絶縁膜の一部である第一の絶縁膜を形成する手段と、
前記第一の絶縁膜を研磨する手順と、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布を測定する手順と、
研磨後の前記第一の絶縁膜上に、前記膜厚分布とは異なる膜厚分布で、前記積層絶縁膜の一部として構成される第二の絶縁膜を形成し、前記積層絶縁膜の膜厚を補正する手順と
をコンピュータに実行させるプラグラムが提供される。
【0192】
<付記23>
更に他の態様によれば、
回路構成が複数形成された基板に対して、積層絶縁膜の一部である第一の絶縁膜を形成する手段と、
前記第一の絶縁膜を研磨する手順と、
前記第一の絶縁膜の膜厚分布を測定する手順と、
研磨後の前記第一の絶縁膜上に、前記膜厚分布とは異なる膜厚分布で、前記積層絶縁膜の一部として構成される第二の絶縁膜を形成し、前記積層絶縁膜の膜厚を補正する手順と
をコンピュータに実行させるプラグラムが記録される記録媒体提供される。