(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133421
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】Bピラーおよびそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
B62D 25/04 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
B62D25/04 B
【請求項の数】8
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-524223(P2015-524223)
(86)(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公表番号】特表2015-522483(P2015-522483A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】SE2013000085
(87)【国際公開番号】WO2014017961
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2016年3月14日
(31)【優先権主張番号】1200459-4
(32)【優先日】2012年7月25日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】501426943
【氏名又は名称】イェスタムプ・ハードテック・アクチエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】エミル・オロフソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ラーション
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ボダン
【審査官】
須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−006837(JP,A)
【文献】
特開2010−047165(JP,A)
【文献】
特開2010−018254(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0133515(US,A1)
【文献】
特表2011−502881(JP,A)
【文献】
特開2007−083828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートブランク(20、21)によって、中央フランジ(12)、2つの側部(13、14)、および2つの側部フランジ(15、16)を有する帽子型プロファイルに形成され、その長さの一部の上に補強プレート(21)を有し、2重プレートBピラーを形成するBピラーであって、
補強プレート(21)が、その長さの少なくとも1/4にわたって側部フランジ(15、16)の上に延び、その端部の両方で細くなり、その結果、側部フランジの上で、その長さの一部にわたって延出せず、そして
補強プレート(21)の端部が、中央フランジ(12)だけを覆うことを特徴とするBピラー。
【請求項2】
補強プレート(21)は、側部フランジ(15、16)の上で、その長さの少なくとも半分にわたって延出することを特徴とする請求項1に記載のBピラー。
【請求項3】
補強プレート(21)は、側部フランジの縁部から両方向で、共に補強プレートの長さの少なくとも1/3である長さにわたって細くなることを特徴とする請求項1または2に記載のBピラー。
【請求項4】
補強プレートが側部フランジの上で延出する帽子型プロファイルの部分にある上部ドアヒンジ用の締結穴(24)を特徴とする請求項1に記載のBピラー。
【請求項5】
補強プレートが側部フランジの上で延出しない部分にある下部ドアヒンジ用の締結穴(25)を特徴とする請求項1または2に記載のBピラー。
【請求項6】
補強プレート(21)は、その表面全体にわたって点によって溶接されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のBピラー。
【請求項7】
平面のプレートにおけるブランクを形成し、該ブランクを補強プレート(21)と共に配置し、該補強プレートを速く溶接することによって請求項1〜6のいずれか1項に記載のBピラーを製造する方法であって、その長さの少なくとも1/4にわたってブランクの
幅全体を覆い、その両端がブランクの縁部から共にブランクの長さの少なくとも1/3にわたって細くなる補強プレート(21)が選択されることを特徴とする前記方法。
【請求項8】
ブランクは、オーステナイト温度に加熱され、冷却工具対内で形成されること、および形成される製品は、成形工具対内で硬化されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートブランク(plate blank)によって、中央フランジ、2つの側部、および2つの側部フランジを有する帽子型(hat)プロファイルに形成され、その長さの一部の上に補強プレートを有し、2重プレートBピラーを形成するBピラーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、このタイプのBピラーを示している。
【0003】
特許文献2は、重ね合わせて共に溶接され、プレス硬化(press hardening)で形成および硬化される2部からなるブランクによって形成されたBピラーを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP0953495
【特許文献2】WO2008/024042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、良好な衝突性能を有し、重量が軽減されたBピラーを使用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、補強プレートが、その長さの少なくとも1/4にわたって側部フランジの上に延び、その端部の両方で細くなり、その結果、側部フランジの上で、その長さの一部にわたって延出しないとき達成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】車両の内側から見た本発明によるBピラーを一例として示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
これらの図は、Bピラーの荷重受けユニット11、すなわち実際のBピラーを示す。これは、中央フランジ12と、2つのリブ13、14と、2つの側部フランジ15、16とを有する帽子型プロファイルからなる。このプロファイルの端部は、2つの締結部17、18に広がり、これらのうち上部の締結部17は、長手方向に走るルーフビームに溶接されるように適合され、下部の締結部は、長手方向に走るフロアビームに溶接されるように適合される。必ずではないが通常、キャップが側部フランジに溶接される。さらに、車両の外側パネルがフランジの他方の側に溶接される。
【0009】
Bピラーは、プレス硬化技術で平面のプレートブランクから熱成形および硬化される。すなわち、平面のプレートブランクがオーステナイト温度に加熱され、冷却工具対(cooled−down tool pair)内で形成され、冷却工具対内では、形成される製品が寝かされ、その工具を固定具(fixture)として硬化される。この平面のブランクは、通常「パッチ」と呼ばれる補強プレート21を有するプレート20からなる。これらの2つのプレートは、たとえば表面全体にわたって分布する点によって共に溶接され、共に形成および硬化される。補強プレート21は、ブランクの幅全体にわたって、その長さの半分以上、またはその長さの少なくとも4分の1以上にわたって延び、両端は細くなる。したがって、仕上げ後のBピラーは、側部フランジの一部上で2重プレートを形成するが、補強プレートは、その端部が中央フランジを覆うだけになるように細くなる。ブランクの縁部からの細くなった区間は、共に補強プレートの長さの少なくとも3分の1を占める。補強プレート21の縁部は、成形および硬化の前後に、
図3における23で示されているように、少なくともプレート20の縁部と一致する縁部の一部においてシーム溶接される。
【0010】
補強プレートがブランクの幅全体を覆う上部ドアヒンジを締結するために、穴24がブランク内に作られる。下部ドアヒンジを締結するための穴25は、補強プレートが中央フランジだけを覆うブランクの下端に作られる。また、ケーブルを通すために穴26が作られ、おそらくは他の穴も作られる。したがって、これらの穴は、未硬化のプレートに作られるが、いくつかの穴は、仕上げ後の製品にレーザで切ることができる。補強プレートは、その重量を削減するために凹部または穴を有することができ、次いで、これらの穴または凹部は、ピラーに所望の変形特性を与えるために適合される。