(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133428
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】配布ポイントからの動的な不連続な動作の方法
(51)【国際特許分類】
H04L 29/08 20060101AFI20170515BHJP
H04L 29/06 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
H04L13/00 307Z
H04L13/00 305C
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-536179(P2015-536179)
(86)(22)【出願日】2013年10月14日
(65)【公表番号】特表2015-531576(P2015-531576A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】EP2013071440
(87)【国際公開番号】WO2014057137
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年6月2日
(31)【優先権主張番号】61/713,523
(32)【優先日】2012年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515067099
【氏名又は名称】ランティック ドイチュラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】オクスマン,ヴラッディマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ショップマイアー,ディートマール
(72)【発明者】
【氏名】ブライ,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウーレマン,シュテファン
【審査官】
森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−178727(JP,A)
【文献】
特開2008−177793(JP,A)
【文献】
特開2005−286745(JP,A)
【文献】
特開2012−134800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/08
H04L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信に用いられる方法であって、
送信機から受信機へデータを送信するために構成されたシステムにおけるデータ送信のための複数の送信機会を与えるステップであって、上記複数の送信機会には、上記データのうちペイロードデータを送信するためのペイロード部分の送信機会が含まれるステップと、
上記ペイロード部分の送信機会において上記ペイロード部分が始まる開始部分と、当該送信機会において当該ペイロード部分が終わる完了部分とを含む上記ペイロード部分を送信するステップと、
上記開始部分より後に、かつ、上記完了部分より前に、上記ペイロード部分の完了を示す制御情報を送信するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
上記ペイロードデータは、複数のシンボルによって表され、
上記制御情報は、少なくとも1つの上記シンボルの位置において送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記少なくとも1つのシンボルの位置は、設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記送信機会は、データ送信のためのタイムスロットとして与えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記制御情報は、上記ペイロード部分の送信の完了までの残りの量を知らせるメッセージとして与えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記制御情報は、意味と関連付けられたフラグとして与えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記送信機および上記受信機の少なくとも何れかが第1の動作状態である状態において、上記フラグは、アイドル動作と関連付けられており、
さらに、上記送信機および上記受信機の少なくとも何れかが第2の動作状態である状態において、上記フラグは、上記ペイロード部分の送信が完了するまでに送信すべきペイロードデータが存在していることと関連付けられていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記ペイロード部分の送信が、互いに必要とする電力が異なる、第1のモードと、第2のモードとで行われる場合、
上記第1のモードにおいて送信される上記フラグは、上記第2のモードによる上記ペイロード部分の将来の送信と関連付けられていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記ペイロード部分を送信するにあたり、複数のキャリアを使用し、
上記フラグを送信するにあたり、上記複数のキャリアのサブセットを使用することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
上記ペイロード部分の送信の完了時点で上記受信機に動作状態を変更させるために、
上記制御情報は、上記ペイロード部分の送信中における、上記完了時点で上記受信機が動作状態を変更することが可能なタイミングで送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
上記送信機会の範囲内において、上記制御情報を反復的に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2012年10月13日に出願された特許仮出願US61/713,523の利益を主張し、その利益が与えられている。
【0002】
隣接する装置は、電話線、同軸ケーブル、光ファイバ、衛星といった通信回線によって物理的に接続されることが可能である。理論上、これらの物理リンクは、データのビットが、送信されたのと正確に同じ順番で配送されることを含意している。物理リンクは、固有の記憶容量を有しないので、含まれている遅延は、当該リンクに亘る伝搬遅延である。リンク間のデータの送信は、もしエラーが全く起きなければ、確かにとても単純であろう。現実の物理リンク中では、上記の状況とは異なることがある。ノイズまたは混信等の自然現象が、リンク内に導かれ、データを検出する時にエラーを引き起こすためである。リンク内に伝播遅延が存在する。送信局と受信局とによって必要とされる有限のデータ処理時間が存在する。従って、データ接続プロトコルはエラーフリーの転送を保証するために設計される必要があり、そしてまた、可能な限り高いデータ送信効率を達成するために設計される必要がある。
【0003】
デジタル加入者回線(DSL)の技術は、その歴史に亘って、顧客により良いブロードバンドサービスを供給することを目指して、ビット率を向上させることを試みてきた。不運にも、中央局(CO)から顧客構内(CPE)へ配設される銅回線はかなり長く、数Mb/s以上のビット率でデータを送信することができなかった。ビット率を増やすために、現代のアクセスネットワークは、ストリートキャビネット、MDU−キャビネット、および類似する構成を使用している。キャビネットは、高速のバックボーン通信回線によって、COと接続されている。こうした高速のバックボーン通信回線は、マルチギガビットの受動光ネットワーク(GPON)等であり、顧客構内の近くに設置される。これらのキャビネットから、Very-High-Bit-Rate DSL(VDSL)等の高速DSLシステムが展開されてよい。現在のVDSLシステム(ITU-Recommendation G.993.2)は、約1kmの動作範囲を有しており、数十Mb/sのビット率を提供する。キャビネットから展開されるVDSLシステムのビット率を増加させるために、最近のITU-T Recommendation G.993.5は、方向毎に100Mb/sまでビット率を増加させることが可能なベクトル伝送を規定している。
【0004】
しかしながら、アクセスネットワーク市場の最近の傾向は、100Mb/sでさえも十分ではないことを示しており、1.0GB/sまでビット率を向上させることが要求されている。このようなビット率は、CPEを接続する銅のペアが50〜100mぐらい短い場合にしか達成できないであろう。このように短いループを利用した動作は、配布ポイント(DP)と呼ばれる多くの小さいストリート/MDUキャビネットの装置を必要とする。近年の分析によって示されているように、DPは、8〜16人等の非常に少人数の顧客にサービスを提供することを意図している。あるソースは、例えば24人または32人という、サービス提供の対象となるより多くのユーザの数を報告している。それゆえ、DPは、非常に柔軟性の高い装置の設置方法を許容すべきである。DPは、空調装置なしで、柱、家の壁、または建物の基礎部に、手軽かつ容易に設置されるべきである。このような柔軟性の高い接続プランにとって、最も困難な問題は、DPに電力を供給することである。唯一の見出された解決策は、DPの装置が接続された顧客によって電力を供給されている時の、いわゆる“逆給電”である。
【0005】
これらの、そしてまた、他のいくつかの要求は、DPの消費電力にかなりの制限をもたらす。よって、消費電力を低減するための特別な手段が開発されている。
【0006】
スリープモード、転送電力の減縮、沈黙時間(短時間のスリープモード)などを含むDPの消費電力を低減させるための多数の方法がある。ある方法では、伝送すべきデータがない時に、短期間で送信(対応する受信)を停止することもある。この動作方法は、説明された他の方法とともに、DPに取り付けられた最近のDSLシステムに使用されることを意図している。類似する方法は、有線ホームネットワークまたはいくつかのワイヤレスシステムにおいて同様に使用される。
【0007】
いわゆる“不連続な動作”の典型的な方法は、送信すべきデータがない時に、符号の送信を行わないことである。この方式は、高信号対雑音比(SNR)によって動作する低いビット率の狭周波数帯域システムにおいて簡単に実装できる。このタイプのシステムの一例としては、受信機が受信した信号の電力を単に監視することである。電力の損失は信号の送信が無いことを示し、そして、受信機はスリープモードへ移ることもできる。
【0008】
最近のDSL(特にこれらはDPから展開されている。これらは100〜200MHzまでの非常に広い周波数帯で動作するからである)は、非常に低いSNRによって動作し、時には負のSNRによってさえ動作する。従って、受信した電力の直接的な物理的測定はほぼ不可能である。
【0009】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、消費電力をさらに低減させることができる解決策を提供している。このため、DP装置を実際に柔軟かつ安価にすることができる。
【0010】
消費電力をさらに低減させるための方法の1つとしては、どれだけ多くの符号が送信されるかを受信機に通知することである。この情報によれば、伝送フォーマットの最後の符号が受信された直後に、受信機が電源を切る準備をすることができるからである。
【0011】
比較的多量の転送に適応するために、例えば以前のスーパーフレームごとに、以前の伝送期間を設定しておくという方法がある。従って、伝送期間がひとたび通信されると、当該伝送期間は受信機によって格納され、比較的多量の送信の全体に亘って利用される。しかし、これをもってしても、現在の通信システムは全般的に複雑であるため、最近の通信パターンでは、ほぼ追いつくことはない。例えば、量がスーパーフレーム1つの場合では、スーパーフレームより小さなフレームへの送信に適応させる必要があるので、1つのスーパーフレームの断片毎の送信される符号の数を変更することは不可能である。このため、効率が低下し、応答時間が長くなってしまう。
【0012】
時分割多重(TDD)の方法を使用するシステムにおいて、他の方法では、各TDDの同じフレーム中に送信されたデータのペイロードの実際の長さおよび他の制御情報が、必要に応じて伝送される。問題は、長さの識別子を伝送するフレームのビットが消去され得るということである。さらなる問題は、情報の長さを受信および符号化するために、受信機にとっての時間が不十分である場合があるということである。フレームの送信期間において、新しいパケットが到達する時に問題は生じる。なぜなら、TDDフレームの開始時に送信される長さの識別子は、TDDフレームの送信期間に入力される新しいパケットを考慮することができないからである。
【0013】
〔概要〕
以下、本発明の1つまたは複数の態様を基本的に理解するための概要を提示する。この概要は、本発明の拡張された全体像ではない。また、この概要は本発明の重要点または要点となる要素を特定する意図もないし、本発明の範囲を描写する意図もない。逆に、この概要の主要な目的は、後で提示されるさらに詳細な記述に先立ち、簡略化された形式で、本発明のいくつかの概念を提示することである。
【0014】
1つの態様において、方法の独立請求項において規定された方法が提示される。別態様において、装置の独立請求項において規定された装置が提示される。さらに別の態様において、コンピュータ読み取り可能な媒体の独立請求項において規定されたコンピュータ読み取り可能な媒体が提示される。従属請求項は、1つまたは複数の態様に係る実施形態を規定している。これらの実施形態の構成は、組み合わせられないと明記されている場合を除いては、互いに組み合わせられてよいことに留意されたい。例えば、方法の実施形態の構成は、装置の実施形態によって実現されてよい。例えば、装置の実施形態の構成は、方法の実施形態のステップを実行するために使用されてよい。
【0015】
本発明はデジタル加入者回線(DSL)のアクセスネットワークに適用される。特に本発明は、配布ポイント(DP)から展開される時、DSLを通じての音声電話(VOIP)、データ送信、ビデオストリーミング等を含む様々なサービスを提供する他のネットワークに適用される。本発明は、低電力状態を提供することによりDSLモデムおよび関連装置の消費電力を低減させるシステムおよび方法を含んでいる。低電力状態において、DSLモデム等のネットワーク装置は、消費電力がゼロの状態またはそれに近い状態となる。本明細書では、いくつかの実施形態に係る態様において、通信に用いられる方法について述べている。
【0016】
説明された実施形態は、通信に有益である。従来の解決策と比較すれば、少なくとも1つの効果は消費電力の低減である。
【0017】
この概要は、クレームの範囲または意味を解釈または制限するために用いられるものではないという理解に伴って提示されている。この概要は、クレームされた対象物の主要な構成または必須の構成を特定することを意図していない。他の方法、装置、または媒体も開示されている。当業者であれば、下記の詳細な説明を読み、かつ、添付の図面を見ることにより、付加的な構成および利点を認識することができるであろう。
【0018】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明の一実施形態に係るデータ送信方法を利用するシステムを説明するブロック図である。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係るマルチレイヤプロトコル構造の例を説明する概略図である。
【0020】
図3は、本発明の一実施形態に係るデータ送信フレームを示すブロック図である。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態に係る例示的な送信スキームを示すダイアグラムである。
【0022】
図5は、本発明の一実施形態に係るマルチレイヤプロトコル中のデータ送信フレームに関するタイムラインを示す時間ダイアグラムである。
【0023】
図6は、本発明の一実施形態に係る多重送信を示す時間ダイアグラムである。
【0024】
図7は、本発明の複数の実施形態に係る多数の通信線における送信を示す時間ダイアグラムである。
【0025】
〔発明の詳細な説明〕
第1の態様において、本発明は、データを送信するための方法を包含している。本発明の第1の態様に係る実施形態は、データを送信するための送信機会を与えるステップを包含している。実施態様では、送信機会は、ペイロードデータのためのペイロード部を送信するためのものであることを包含する。本方法は、ペイロード部を送信するステップを包含する。実施形態で、ペイロード部は、ペイロード部が始まる開始部分と、ペイロード部が終わる完了部分とを包含する。実施形態は、開始部分が送信された後、かつ、ペイロード部の完了部分が送信される前に、制御情報を送信するステップを包含する。実施形態において、制御情報は、ペイロード部の送信が完了する見込みを示している。いくつかの実施形態において、制御情報は、ペイロード部を送信する間において、ペイロード部を送信するための異なる送信モードを将来的に使用することを示している。実施形態において、ペイロード部を送信するための送信機会は、複数の他の送信機会の内の1つである。いくつかの実施形態において、複数の送信機会(すなわち、1つおよび他の送信機会)は、伝送媒体において同時に2つ以上の送信機会による送信が行われないように、順番に与えられる。
【0026】
第1の態様の変形例において、データ送信に利用するために、本発明は、データを送信する複数の送信機会を与えるステップを包含している。複数の送信機会の内のある送信機会は、ペイロードデータのためのペイロード部を包含する。そして、本発明は、ペイロード部を送信するステップを包含する。ペイロード部を送信することは、開始部分、ペイロード部の完了を示す制御情報、および完了部分をこの順番で送信するステップを包含する。開始部分と完了部分との両方は、ペイロードデータを送信するために利用されてよい。
【0027】
少なくとも1つの効果は、送信されたペイロード部を受信する受信機は、ペイロード部を受信している最中に、ペイロード部の送信完了後のための時間を準備することができるという点である。例えば、この準備によって、受信機は、ペイロードを受信した直後に、所定の機能を実行することができる。所定の機能は、例えば次に予想されるペイロードデータの部分まで、受信機を停止させる機能等である。この効果により、電力消費が低減される。
【0028】
実施形態において、ペイロードは符号として送信される。そして、制御情報は少なくとも1つの符号の位置に与えられる。実施形態において、少なくとも1つの符号の位置は、設定可能な状態であらかじめ定められている。ある実施形態において、設定は初期化中に規定されてよい。ある実施形態において、設定はデータ送信中に規定されてよい。他の実施形態において、設定は媒体のアクセスプランに応じて規定されてよい。少なくとも1つの効果は、制御情報が少なくとも1つの符号のあらかじめ定められた位置において受信されたか否かを識別することを目的として、受信機が、入力信号の監視を、少なくとも1つの符号のあらかじめ定められた位置における信号の監視に制限することができるという点である。
【0029】
1つまたは複数の実施形態において、送信機会は、送信機から受信機へのデータ送信のためにあらかじめ決定されたタイムスロットとして与えられる。
【0030】
実施形態において、制御情報は、ペイロードの送信の完了までの残りの量を知らせるメッセージとして与えられる。実施形態において、この量は時間であってよい。別の実施形態において、メッセージは、期間、符号の数、およびパケット(特にデータパケット)から成るグループのうちの1つである。
【0031】
他の実施形態において、制御情報はフラグによって示される。少なくとも1つの効果は、情報をあらかじめ決定することができ、フラグは、あらかじめ決定された情報を示すように、当該あらかじめ決定された情報と関連付けられ得るという点である。対照的に、従来のメッセージは、上述の情報を含んでいる。実施形態において、フラグは、異なる動作モード内において異なる意味に関連付けられる。少なくとも1つの効果は、フラグが受信ユニットの動作状態に応じて異なって解釈され得るという点である。例えば、高電力状態またはフル動作モードにおいて、フラグ(例えば、使用されていない符号)は、ペイロード部の送信が完了する見込みを示してよい。他の例では、現在のところ送信に利用可能なあらゆるペイロードデータがすでに送信された後に、フラグが送信されてよい。ペイロード部は当面の間は送信され続けるが、フラグは送信モードの将来的な変化を示している。
【0032】
いくつかの実施形態において、ペイロード部の第1の送信モードにおいて送信されたフラグは、ペイロード部の第2の送信モードにおけるペイロード部の将来の送信と関連付けられる。実施形態において、フラグは、符号、あらかじめ決定された管理メッセージ、およびデータのパターンから成るグループのうちの1つであってよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、送信機および/または受信機の第1の動作状態において、フラグは、アイドル動作と関連付けられる。さらに、送信機および/または受信機の第2の動作状態において、フラグは、ペイロード部の送信が完了するまで送信されるペイロードが存在していることと関連付けられる。例えば、第2の動作状態が高電力状態もしくはフル動作モードであれば、第1の動作状態は、低電力状態であってよい。さらに、動作状態は実行されることができるので、フラグは、さらなる意味と関連づけられてもよいし、または、ペイロード部を送信するために使用される送信モードのさらなる変化を示すものであってもよい。
【0034】
実現例において、例えば、複数の通信リンクを利用するシステム中で、ペイロード部を送信する第1のモードは、通信リンクの第1のセット内でペイロードを送信するために利用されてよい。通信リンクの第1のセットは、全ての通信リンクを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、一旦、基準が満たされると、フラグは、ペイロード部を送信する第2のモードの将来的な利用を示すために利用されてよい。例えば、基準は、通信リンクの第1のセット内における、少なくとも1つの通信リンクに対するペイロード送信の完了であってよい。ペイロード送信の完了以外の基準が実装されてもよい。
【0036】
実現例において、ペイロード部を送信する第2のモードは、ペイロード部を送信する第1のモードより少ない電力しか必要としなくてよい。ペイロード部を送信する第2のモードは、通信リンクの第2のセットをペイロード送信するために利用されてよい。通信リンクの第2のセットは、通信リンクの第1のセットと同じであってよい。または、第2のセットは、通信リンクの第1のセットの一部を形成してもよい。実現例において、通信リンクの第2のセットは、ペイロードの送信が完了された通信リンクを除いた第1のセットであってよい。
【0037】
通信リンクはそれぞれ、送信機、伝送媒体、および受信機を含んでいてよい。この伝送媒体は、デジタル加入者回線に利用されるツイストペア(ここでは通信線)等であるが。伝送媒体が結合され得るため、ある伝送媒体から他の伝送媒体への混信が生じ得る。特に、複数の通信線は、1つのバインダに包含されている。
【0038】
ペイロード部の送信モードは、例えば、ビット割り当て、パワースペクトル密度、または他の送信パラメータに関して異なり得る。さらに別の送信モードが実現されてもよい。
【0039】
従って、ペイロード部の送信の第1のモードにおいて送信されるフラグは、特に現在の送信機会において、第2の送信モードにおけるペイロード部の将来の送信と関連付けられる。少なくとも1つの効果は、例えば連続的な受信モードにおいてフラグが受信されるまで、受信の第1モードによって受信機を動作させることができるという点であってよい。フラグを受信すると、それ以降、受信機は、受信の第2のモード(例えば、不連続な受信モード)によって動作してよい。この第2のモードにおいて、さらに受信されたフラグは、例えば、ペイロード部の送信の完了を示すものと解釈されてよい。送信機、伝送媒体、および受信機をそれぞれ有する複数の通信リンクを備えたシステムにおいて、送信モードがフラグに従って変化するため、フラグは通信リンク毎にタイムラインを実行する。
【0040】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、ペイロード部の送信は、複数のキャリアを利用する。実施態様において、フラグの送信は、複数のキャリアのサブセットを利用する。少なくとも1つの効果は、制御情報を送信するために複数のキャリアのサブセットを利用しつつ、キャリアのサブセットを利用することにより、複数のキャリア内の少なくとも1つの他のキャリアにペイロード部の送信を継続させることができるという点であってよい。これにより、伝送の改善と制御情報の信号の品質との間のトレードオフを可能にする。
【0041】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、ペイロード部は、ゼロ個のペイロードを送信する。少なくとも1つの効果は、送信機会がペイロード部においてペイロードを送信する機会を与える間、その機会は、送信されるペイロードを必ずしも必要とせず、従って、ユーザによって必要とされる柔軟性が高いペイロード送信を与えることができるという点である。
【0042】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、制御情報は、送信されるペイロードデータの一部を形成する。ペイロードデータから制御情報が抽出されると、制御情報は受信機によって処理されてよい。このため、少なくとも1つの効果は、特定のプロトコルを必要としないという点である。実施形態において、ペイロードデータの送信が完了した時点において受信機に動作モードを変化させるために、制御情報は、ペイロードデータの送信中における、十分に早い時間に送信される。実施形態において、最適化の検討は、制御情報をいつ送信すべきかを決定するために用いられてよい。最適化の検討は、マルチレイヤ送信モデル/マルチレイヤ通信プロトコル中で、より高位のレイヤに到達するパケットについての情報を考慮に入れてよい。最適化は、将来の送信要求を考慮に入れてもよい。少なくとも1つの効果は、特に、エラーと、それに応じて、ペイロードデータの送信が完了するまでにペイロードデータを再送信する試行を考慮に入れることにより、期間予測の精度が十分なものとなる点である。同時に、ペイロードデータ送信の完了後すぐに、受信機を電力セーフモードに切り替える時の消費電力を低減することができる。
【0043】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、制御情報は、アナログ信号によって表される。実施形態において、アナログ信号は物理媒体に応じて与えられてよい。少なくとも1つの効果は、アナログ信号は、デジタル信号に比べて、検知のためにより少ない処理リソースしか必要としないという点である。従って、ペイロード部の送信が完了間近であり、それゆえ終了に至ることを判定する制御情報の検知は、高速となり得る。よって、制御情報の送信をペイロード部の送信完了時に近づけられるほど、送信機会を利用して送信されるデータの残量についての不確定性(例えば、ペイロードデータの再送信に起因する不確定性)は、低減され得る。実施形態において、アナログ信号は、物理媒体依存(PMD)のサブレイヤ信号である。ここで、サブレイヤは、マルチレイヤ通信プロトコル中のサブレイヤである。
【0044】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、単一のフレームにおいて、異なる時間において複数の制御情報を送信するステップを包含している。実施形態において、複数の制御情報は、期間を示す。この期間は、例えば、送信が続く間、または、別のペイロード部が送信される前にペイロード部の送信が完了する間の、時間、符号、またはパケットに関する期間である。少なくとも1つの効果は、受信機は、ペイロードデータを受信している最中に、低電力の動作モードに適時に切り替わる準備をすることができるという点である。
【0045】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、少なくともペイロード部の送信の完了後に、時間を示す別の制御情報を送信するステップを包含している。少なくとも1つの効果は、ペイロードの送信が完了しても、受信機側で計時することができるという点である。実施形態において、別の制御情報は、同期符号もしくはパイロットトーンによって示される。実施形態において、同期符号の送信は周期的である。
【0046】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、所定の量を示す固有の信号パターンを規定するステップを包含する。一実施形態は、所定の量を示す固有のトーンパターンを規定するステップを包含する。複数の実施形態において、上記の量は、期間、時間、および周期のうちの1つである。複数の実施形態において、上記の量は符号である。当該符号は、ある長さの時間によって送信されるために、あらかじめ規定されている。
【0047】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、方法のステップを実行するためのプロトコルを規定するステップを包含する。一実施形態において、上記プロトコルはマルチレイヤ送信方式を用いたデータ送信の実行に適合している。
【0048】
第2の態様において、本発明は、通信装置を含んでいる。当該通信装置は、複数の符号を生成することに適合した送信生成ユニットを備える。複数の符号のうちの少なくとも1つの符号は、例えば、低電力状態に移行するために、受信機が状態の変化を許容することを識別するための特定のデータパターンを含んでいる。実施形態において、少なくとも1つの符号は、特定のデータパターンを含む複数の符号の内の少なくとも1つに先行する。そして、少なくとも1つの符号は、特定のデータパターンを含む複数の符号の内の少なくとも1つに後続する。
【0049】
他の態様において、本発明は方法を含んでいる。当該方法は、通信装置を利用して、複数の符号を生成するステップを含んでいる。複数の符号のうちの少なくとも1つは、受信機が低電力状態への移行を許容することを識別するための特定のデータパターンを含む。ここで、電力状態はまた、より一般的に動作状態と呼ばれてもよい。しかし、動作状態は、電力レベルよって、他の動作状態に対して、区別される必要はない。低電力状態はまた、動作の低電力モードと呼ばれてもよい。
【0050】
通信装置の実現例において、少なくとも1つの符号は、特定のデータパターンを含む複数の符号のうちの少なくとも1つに先行する。そして、少なくとも1つの符号は、特定のデータパターンを含む複数の符号のうちの少なくとも1つに後続する。
【0051】
第3の態様において、本発明はコンピュータの読み取り可能な媒体を含んでおり、当該媒体は命令コードを記憶することができる。その命令コードは、実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、本発明の第2の態様に係る装置)に、本発明の第1の態様に係る方法の一部または全てのステップを実行させる。
【0052】
実施形態において、送信機会はフレームとして与えられる。実施形態において、フレームは時分割多重(TDD)フレームであってよい。従って、本発明の1つまたは複数の実施形態は、各TDDフレーム中の送信符号の数を選定する時の柔軟性を実現する送信方法を提供する。当該方法は、信頼性が高く、サービス品質(QoS)を提供する。また、当該方法は、配布ポイント(DP)および顧客構内機器(CPE)の両方における効率的な電力の節約を提供する。
【0053】
本発明の第1の態様に係る1つまたは複数の実施形態は、不連続な動作の方式を実行できる。この不連続な動作は、TDDフレームにおいて送信される必要がある全てのユーザのデータ送信ユニット(DTU)(“データ転送ユニット”とも称される)が送信された後、符号の送信を停止するものである。
【0054】
〔詳細に図示された実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態に係るデータ送信方法を利用する通信リンク100を図示するブロック図であり、下記に詳細を示す。
【0055】
通信リンク100は、配布ポイント(DP)108、送信機102、送信機112、複数の顧客構内ユニット(CPU)118a・118b、および受信機104・114をそれぞれ有する。配布ポイント108は、送信ユニットである送信機102・112を有する。顧客構内ユニット118a・118bは、それぞれ受信ユニットである受信機104・114を有する。実施形態において、送信機102と受信機104とは、ツイストペア(さらに、“通信線”と呼ばれる)106によって、データ送信のために接続されている。同様に、送信機112と受信機114とは、通信線116によって接続されている。
【0056】
通信線106の一部と通信線116の一部とは、1つのバインダ110によって保持されている。バインダ110において、通信線106と、通信線116と、もしあれば他の部材との複数の間で、混信が生じ得る。上述のように、混信は、送信されているペイロードの終端を通常に検出するための妨げとなり得る。例えば、もし、ペイロードの送信が通信線116上で継続している一方で、通信線106においてペイロード送信が完了している場合、通信線116に送信された信号は、通信線106に混信信号を与えるであろう。従って、通信線116に送信された信号が受信機104によって受信された場合もまた、同様である。その結果、受信機104は、通信線106によって信号を受信するが、受信した混信信号の強度次第では、おそらく、この信号が無視すべきものと気付くことはできない。
【0057】
図1に示される例において、送信機102および受信機104は、データを処理し、かつ、データの送信のための信号を通信線106に与えるための処理回路を含んでいる。しかしながら、他の実施形態において、通信リンク100は、データ送信のために通信線106以外の伝送媒体を利用することができる。例えば、別の伝送媒体はワイヤレスであってよい。さらに別の伝送媒体は、例えば光ファイバであってよい。
【0058】
実施形態において、送信機102および/または受信機104はそれぞれ、別の受信機または別の送信機と連結されてよい。いくつかの実施形態において、送信機102と別の受信機とが、第1の送受信機を構成してもよい。同様に、受信機104と他の送信機とが、第2の送受信機を構成してもよい。同様のことが、別の送信機112および/または受信機114にも当てはまる。ここで、例示のために、2つの送信機/受信機が、配布ポイントにおいて図示されている。同様に、2つの対応する顧客構内ユニット、および、配布ポイントに接続された2つの対応する送信機/受信機が図示されている。しかし、その数は2つ以外であってもよい。特に、その数は、より大きくてもよい。
【0059】
ここで、送信機102についての言及は、第1の送受信機についての言及をも意味している。実施形態において、第1の送受信機は配布ポイント(DP)に設置されてよい。従って、ここで、第1の送受信機は、DPU(DP−unit)とも呼ばれる。さらに、ここで、受信機104についての言及は、第2の送受信機についての言及をも意味している。実施形態において、第2の送受信機は顧客側に設置される。従って、第2の送受信機は、CPU(Customer premises unit)とも呼ばれる。DPUからCPUへの送信方向は“ダウンストリーム(DS)”と呼ばれ、一方で、CPUからDPUへの反対の送信方向は“アップストリーム(US)”と呼ばれる。配布ポイント(DP)108(それゆえ、通信線106および116のネットワーク側)に設置された送信機102および112は、FTU−Oと称されてもよい。一方で、通信線106および116の顧客構内におけるネットワークの終端(NT)に配置された受信機104および114は、FTU−Rと称されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、通信線106を有する通信リンク100に関して、通信リンク100は、デジタル加入者回線(DSL)の規格に基づいて、データを送信するように構成される。多数の可能な実現例の中の単なる一例として、通信リンク100は、プロトコルを使用するように構成され、International Telecommunication Union(ITU)の勧告において規定された方法を実行する。多数の可能な推奨された実現例、またはその他の規格に基づく実現例以外の例を一つだけ挙げるとすれば、‘G.fast’として知られる勧告に基づくデータ送信を実行するように、実施形態は実装および構成されてもよい。実際、明細書では、送信機会を利用して、送信機から受信機へデータを送信するために構成されたシステムにおいて、多数の他の実現例が可能であることが示されている。
【0061】
ある実現例において、通信リンク100は、特に送信機102と受信機104において、
図2の概略図に図示された多層通信モデル200に基づくデータ通信のために構成されている。
【0062】
図2に示されるいくつかの実施形態において、多層通信モデル200は、特定用途部202と不変用途部204とを含んでいる。
図2に示された実施形態において、特定用途部202は、インターフェース(“γ−参照点”)220を横断して上位レイヤ210と接続する。そして、特定用途部202は、トランスポートプロトコル特有の伝送収束サブレイヤである(TPS−TCサブレイヤ)230を含んでいる。インターフェース(送信機102内では“α参照点”、受信機104内では“β参照点”)240によって、特定用途部202は、不変用途部204に接続されている。不変用途部204は、物理媒体特有の伝送収束サブレイヤ(PMS−TC)250を備える。さらに、インターフェース260(“δ参照点”)を横断して接続された不変用途部204は、物理媒体依存(PMD)サブレイヤ270を備える。さらに、多層通信モデル200は、インターフェース280(“U参照点”)を横断して、物理媒体依存(PMD)サブレイヤ270へ接続される物理媒体290を含んでいる。
【0063】
いくつかの実施形態において、参照点は1つまたは複数の論理的な(非物理的な)情報送信インターフェース、および1つまたは複数の物理的な信号送信インターフェースを備える。いくつかの実現例において、α、β、γの参照点のインターフェースは、論理的にのみ分離しており、基本的な機能のセットとして定義されている。これらは、物理的にアクセス可能であることは求められていない。
【0064】
いくつかの実施形態において、伝送収束サブレイヤ(TPS−TC)230は、適当なデータ送信プロトコルを、α(場合によってはβ)参照点インターフェース240において要求される統一されたフォーマットに変換するために与えられる。また、伝送収束サブレイヤ(TPS−TC)230は、ユーザデータと送信機102により確立されたデータリンクとの間におけるビット率の適応を実現するために与えられる。伝送収束サブレイヤは、フレーム(時に、データ送信ユニットまたはデータ転送ユニット(DTU)と呼ばれる)を与えてもよい。このフレームは、データビットによって構成され、同等の送受信機のα−参照点間のこれらのデータビットを、ユーザに意識させずに送信するためのコンテナとして使用される。言い換えると、データはセットとして同等の送受信機間を伝送される。また、各セットは、単一のDTUに包含される。従って、DTUは、TPS−TCとPMS−TCサブレイヤとの間のα参照点を超えて交換される。
【0065】
そして、PMS−TCサブレイヤ250は、順方向誤り訂正(FEC)、エラー検出、インターリービング、デインターリービング、スクランブリング、およびデスクランブリングの機能と同様に、フレーミング機能とフレームの同期機能とを含んでいる。実施形態において、PMS−TCサブレイヤ250は、送信管理データ(制御メッセージ)として使用され得るオーバーヘッドチャネルを提供する。管理プロトコルMPS−TC等の他の機能が、通信モデル200に設けられてもよい。MPS−TCは、サブレイヤPMS−TC250へ多重送信するために、入力される管理データを、α参照点インターフェースにおいて要求される統一フォーマットに変換する。管理情報は、異常、欠陥、実行をモニタリングするカウンタのインジケーションを含んでいてもよい。また、管理情報は、より高位のレイヤによって(特に試験を目的として)使用されるために規定された処理を促進する、管理コマンド/レスポンスのインジケーションを含んでいてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、物理媒体依存(PMD)サブレイヤ270は、2つの隣り合った装置間のエラーがなく、データのブロックを送信するためのデータリンクレイヤを形成する。データリンクレイヤは、ネットワークエンティティ間においてデータを送信するための機能的な手段および手続的な手段を提供する。また、データリンクレイヤは、物理レイヤに生じ得るエラーを検出し、可能であれば当該エラーを訂正する手段を提供してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、PMDサブレイヤ270の機能は、符号のタイミング生成、復旧、符号化、復号化、変調、および復調である。PMDサブレイヤ270は、またエコー消去またはライン等化を含んでいてもよい。実施形態において、PMDの機能は、データ符号を含むデータ送信フレームを提供する。
【0068】
図3は、本発明に係る一実施形態を示すブロック図である。当該実施形態において、データ送信ユニット300は、データ送信ユニットのヘッダ(DTU−ヘッダ)部310と、データ送信ユニットペイロード(DTU−ペイロード)部320とを含んでいる。ペイロード部320は、複数のフレーム330、340、および350から成る。これらのフレームはそれぞれ、ヘッダセクション331およびペイロードセクション332を含んでいる。実施形態において、DTU−ヘッダ部320は、ユニット300のタイプを示してもよいし、ペイロード部320の長さを示してもよい。いくつかの実施形態において、ヘッダ部310の長さおよびユニットペイロード部320の最大の長さは、ユニットタイプ300に依存する。使用されていないユニットタイプ以外の全てのユニットタイプのために、ヘッダの長さは、より長いペイロードを表すために延長される。
【0069】
いくつかの実施形態において、送信機102(第1の送受信機)と受信機104(第2の送受信機)とは、時分割のデータ通信を実行するために構成されている。
図4は、本発明のいくつかの実現例に係る送信スキームを図示するダイアグラムである。ここで、通信システム100は、同期時分割多重(STDD)通信を用いて動作する。
【0070】
いくつかの実現例によると、STDD通信を利用する送信期間は、同じ時間長の時分割(TDD)フレーム(
図4において400,410,420という数字で示されている)に分割されてよい。本発明に関して、例えば、フレーム400は、第1の送受信装置102から第2の送受信装置104へデータのダウンストリームを送信するために、第1の機会401を与えてよい。同様に、フレーム400は、第2の送受信装置104から第1の送受信装置102にデータのアップストリームを送信するために、第2の機会を与えてよい。
【0071】
いくつかの実現例において、フレーム400を送信している間に、送信の各方向に割り当てられたある転送機会の時間または期間が存在していてよい。例えば、第1の期間は、フレーム400の期間において継続する、第1の送信機会401に割り当てられてもよい。いくつかの実現例において、第1の期間は、フレーム400の長さと同じ長さであってよい。一実現例において、第1の期間の長さは、前もって決められていてよい。同様に、第2の期間は、第1の送信機会401が有効でない時間間隔においてフレーム400の期間に亘り継続する、第2の送信機会402に割り換えてられてもよい。必要に応じて、第1の期間と第2の期間とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、ダウンストリーム方向の大容量のデータ通信要求は、アップストリーム方向の低容量のデータ通信要求と同時に起こり得る。よって、ダウンストリーム方向のデータ送信に利用される第1の期間は、アップストリーム方向のデータ送信に利用される第2の周期よりも長くてもよい。
【0072】
いくつかの実現例において、ペイロードデータの送信は、それぞれ同じ長さの符号(シンボルピリオドとも称される)で与えられる。ここで、例えば、フレーム400が40個のシンボルピリオドを含んでいる場合には、送信機会の配分は、(i)ダウンストリーム方向に30個のピリオドシンボル、(ii)アップストリーム方向に9個のシンボル、(iii)アップストリームとダウンストリームとの間の送信のガードタイムを促進するための1個のシンボル、とすることができる。ダウンストリーム送信機会401とアップストリーム送信機会402との間において、フレーム400を使用するにあたっての他の割り振りが可能である。
【0073】
ある実施形態において、送信機会は、特定の送信方向への送信が許容されているフレーム400における符号の位置のセットを示すこと、またはマークすることが可能である。フレーム400の送信期間において、全ての送信機会が利用される必要はない。
【0074】
上述したように、フレームにおいて送信される符号の実際の数が示される前に、他方に送信を行うことは、待ち時間と信頼性との両方に関連する問題を有する。本発明の1つまたは複数の実施形態は、自身の長さ識別子等の送信情報の代わりの情報を示すクロージングフラグ等の制御情報を送信することを提案している。少なくとも1つの効果は、システムの性能向上であってよい。例えば、当該システムは、受信機104側におけるデータ処理システムであり、送信機102から受信された信号などの受信信号から、データを抽出および処理するために利用される。また、このケースでは、情報を含むメッセージより低位のレイヤにおいてフラグが提供されるので、システム構成はより単純となり得る。また、例えば、フラグを処理するか否かを受信機104に任せることができるため、データ処理システムはより柔軟性が高いものとなり得る。受信機104がフラグを処理しない場合には、このような受信機104において、情報に対する識別子としてのフラグに関する利益を失う可能性がある。しかし、それ故に、データ送信は、フラグを利用することができず、それ故に、上述の利益を無視するレガシー装置として提供されている受信機104によって実行されてよい。
【0075】
1つの解決策において、データ符号は、フレーム500において送信されてよい。ここで、各フレーム500内のデータ符号の数は、フレームごとに変化してよい。
図5は、時間フレーム500の送信の実施形態を図示する時間ダイアグラムである。例えば、
図2に示されたマルチレイヤ通信モデル200を参照して説明されたマルチレイヤプロトコルによって、送信機102から受信機104に、ダウンストリーム方向に送信が行われる。
【0076】
ここで、実施形態の動作は、
図4を参照して説明される。例えば、送信機会401は、フレーム400の送信機会において、あらかじめ決められているバイト数(25000バイトのユーザデータ)を、送信機102から受信機104へダウンストリームに送信することができる。この数は、例えば、特に変調パラメータのセットおよびフレーム400のユーザデータに依存してよい。ここで、送信機102が送信のために有しているユーザデータが25000バイトよりも少ない場合には、一実現例によれば、送信機102は、不連続な動作を使用することができる。不連続な動作において、送信機102がフレーム400間に送信することが必要である実際のユーザーデータバイト数のみを送信する。この実際の数が、25000バイトよりも少ない(例えば12500バイトである)場合には、送信機会の時間のほぼ半分だけが、送信のために使われる。よって、不連続な動作を使用しないシステムと比べて、半分の符号のみが送信される。ここで、不連続な動作において、送信機102は、送信のために準備されているデータバイトがなくなった後に、使用されていないバイトを送信することで送信機会の割り当てを完全に行う。
【0077】
不連続な動作は、各送信方向が異なり得るそれぞれのTDDフレーム期間において、複数のデータ符号を送信させる。送信機102が送信できる最大の符号の数は、特定の方向に対して割り当てられた送信機会401によって決定される。一方で、符号の最小の数は、より小さくてもよく、データが特定のフレーム400に対して送信される準備がされた、使用されるデータが無い場合には、ゼロであってもよい。
【0078】
いくつかの解決策は、管理情報を通信するためのメッセージを送信する前に、フレームに実際に送信される符号の数を受信機102に知らせることである。ここで、管理情報は、例えば媒体アクセスプラン(MAP)管理メッセージであってよい。また、管理情報は例えば配布ポイント内の送信機102から、例えばCPE内の受信機104に通信される、ロバスト管理チャンネル符号であってよい。MAP管理メッセージは、フレーム400毎に送信されてもよい。また、MAP管理メッセージは、スーパーフレーム毎に一度のように複数のフレーム毎に送信されてもよい。ここで、スーパーフレームは、複数のDTU300を含んでいてよい。スーパーフレームは、その長さが与えられると、標準的には複数のフレーム400をカバーする。さらに、図示された実施形態において、1つのフレーム400は、ダウンストリーム(DS)符号の第1のブロックと、アップストリーム(US)の符号の第2のブロックとを含んでいる。場合によっては、符号は1つのDTU、多数のDTU、または1つのDTUの一部分を搬送してもよい。
【0079】
さらに、いくつかの実施形態における動作に関して、
図5に示されるように、時間フレーム500はt2において開始して、t1まで継続する。フレーム500は、t2からt7まで継続する送信機会501を含んでいる。
【0080】
はじめに、アプリケーション上位レイヤ210について述べる。
図5は、時刻t3において第1のデータパケット510を、時刻t5において第2のデータパケット520を送信する例を示している。例えば、t1での第1のデータパケット510は、γ−参照点インターフェース220を横断するアプリケーションレイヤ210からの入力と称されてもよい。
【0081】
図5の例において、第1のデータパケット510と第2のデータパケット520とは、時間フレーム500の送信によって送信される。より具体的には、第1のデータパケットは、第1のDTUにおいて、時刻t4において送信される。第1のDTU530は、フレーム500において送信されるべき最初のDTUである。第2のデータパケット520は、第2のDTU540において、時刻t6において送信される。第2のDTU540は、フレーム500の送信機会501において送信されるべき最後のDTUである。送信経路中の全ての必要な動作を実行すべく、送信機102において処理を行うために、時間が必要とされる。従って、
図5に示されるように、第1の遅延550は、第1のデータパケット510がアプリケーションレイヤ210から、γ−参照点と他のインターフェースとを横断して、例えば、上述した通信線106上の物理レイヤ290に送信される時に生じる。同様に、第2の遅延560は、第2のデータパケット520が、アプリケーションレイヤ210から物理レイヤ290に送信される時に生じる。
【0082】
図1に示された例において、フレーム500において送信される実際の符号の数についての長さ情報が与えられる。この制御情報は、フレーム500の開始時において送信される。
図5に示される例において、長さ情報は、DSの送信機会の開始時に特別な符号によって送信される。ここで、'特別’とは、他の符号とは別の特別な符号をセットする特有性の程度を意味しており、従って、いくつかの予め決定された情報を関連づけられた特別な符号を検出するための分析に好適である。長さ情報を提供するために、DTU送信機102は、どれくらい多くのパケットが、t2に先立ちγ−インターフェース220から到達するのかを知る必要がある。なお、t2において、フレーム500の送信が開始され、長さ情報が送信される。長さ情報の送信が開始された後には、γ−インターフェース220に到達するどんなパケットも、送信されたフレーム500に存在するとみなされず、次の送信機会に考慮されるのみである。従って、第2のパケット520は、後続するフレーム(
図5において不図示)において送信される。このように、長さ識別子を使用することにより、パケットを送信するための長い付加的な遅延が生じる。
【0083】
本発明に係るいくつかの実施形態において、送信機102は、DTU300が送信された後に、送信のためのフラグ580(ここではマーカとも称される)を提供してもよい。一実施形態において、全てのDTU300が送信された後に、フラグ580が送信される。いくつかの実施形態において、大多数のDTU300が送信された後に、フラグ580が送信される。いくつかの実施形態において、予め決められたDTUの数だけが、フレーム500において与えられる現在の送信機会を利用して送信されるために残されている場合に、フラグ480が送信される。
【0084】
一実施形態において、フラグ580は、特別な符号、特別な管理メッセージ、または専用のトーンによって送信される特別なデータパターンとして与えられる。ユーザデータの一部としてフラグ580を送信することも可能である。いくつかの実施形態において、フラグ580の抽出は、送信機102および/または受信機104において付加的な処理を必要とする。
【0085】
フレーム500において送信機会501を受けると、受信機106はフラグ580を検知する。いくつかの実現例において、受信機106はペイロードデータの送信完了が目前であることを示す制御情報として、フラグ580を解釈することができる。ここで‘目前である’とは、送信機102から受信機104へのペイロードの送信完了前に、所定の数のDTU300がすでに受信されるであろうという意味である。少なくとも1つの効果は、t7におけるDTU送信の終了時と受信機104側での送信開始時との間のタイムギャップに亘り、受信機104が運転停止するか、さもなくば低電力モードへ移行するという点である。
【0086】
図6は、通信線106を用いた実施形態における多重伝送を示している。上記の送信は、例えばデジタル送信ユニット(DTU)に設けられる送信機102から、例えば顧客構内ユニット(CPU)に設けられる受信機104への送信であってよい。実施形態において、第1の送信は、時分割多重(TDD)フレーム600が時刻t0から時刻t1まで送信される第1の時間に行われる。そして、時刻t1から、第2のTDDフレーム700が送信される。
【0087】
第1のTDDフレーム600の送信間において、送信機102から受信機104へのダウンストリーム送信のための第1の送信機会601が与えられる。第1の送信機会601は、時刻t0から時刻t2まで継続する。さらに、第1のTDDフレーム600の送信間において、受信機104側の他の送信機から、送信側102側の他の受信機へのアップストリーム送信のための第2の送信機会602が与えられる。第2の送信機会602は、時刻t3から時刻t4まで続く。第2の時間フレーム700の送信間において、ダウンストリーム方向における第1の送信機会701と、アップストリーム方向における別の第2の送信機会(不図示)が与えられてよい。
【0088】
第1の送信機会601の送信間において、少なくとも1つのDTU(ここではDTU610,…,620、および640)が、送信される。さらに、DTU620が送信された後、かつDTU640が送信される前に、クロージングフラグ630が送信される。クロージングフラグ630は、現在の送信機会601の利用可能なDTUが無くなる前に、別のDTU640が送信されることを示す。
【0089】
時刻t5においてクロージングフラグ630が送信されてから、時刻t6におけるダウンストリーム送信の終了までの時間は、受信機104が最後の送信符号640を受信した時刻t6の直後に、顧客構内ユニットがクロージングフラグ630を受信し、かつ受信機104を停止させるために十分な時間を有するように選択されるべきである。これにより、第2のダウンストリームの送信機会701の開始(次のTDDフレーム700内における)まで、最後のDTUから継続する期間、または、符号640がダウンストリームの送信機会701間において送信される期間において、顧客構内ユニットに受信機104を停止させることができる。同様のことが、アップストリームにも当てはまる。
【0090】
クロージングフラグ630および730の少なくとも1つの効果は、クロージングフラグ630および730は任意の時間において与えられ、レイヤ2またはその上の送信列のある大よその将来の状態の評価を必要としない。送信機会601および701の開始後であっても、送信に利用可能と思われるパケットはそれぞれ、現在のフレーム600および700に含まれるように、なお送信され得る。従って、いくつかの遅延は回避できる。
【0091】
ここで、クロージングフラグ630を形成する表現に関して、いくつかの実施形態において、クロージングフラグ630は、物理媒体依存(PMD)信号であってよい。少なくとも1つの効果は、例えばマルチレイヤ通信200において、より高位に構成された他の信号と比較して、検出に短い時間しか必要とされない点であってよい。マルチキャリア送信システムのいくつかの実施形態は、特有のトーンによって送信される特別なデータパターンを使用してよい。いくつかの実施形態において、クロージングフラグ630の検出に要求される時間は、1つの符号よりも短くてもよい。単純な実現例として、クロージングフラグ630は、最後の符号640の前に送られてよい。1つの効果は、クロージングフラグを検出するために要求される時間に起因する、受信機を切り替える時の遅延を回避することができるという点であってよい。フレーム600内のクロージングフラグの特別な位置は、あらかじめ決められていてよい。当該位置により、受信機の動作特性の向上が実現され得る。
【0092】
クロージングフラグ630によって本発明に係る様々な実施形態に関連する効果を実現するために、クロージングフラグ630の信頼性が望まれる。しかし、送信時にクロージングフラグ630を喪失することは、動作に対する決定的な影響を有しない場合がある。もし、クロージングフラグ630が喪失したとするならば、受信されたデータが完全に間違っているのに、受信機104は、受信された信号が送信機会601の最後まで続くと想定する。それ故に、クロージングフラグ630と最後の符号640とが送信された後に送信される実データがないので、受信機104は、送信機102が無視できるNACKを送信する。
【0093】
いくつかの実施形態において、クロージングフラグは、次の特性を有する。クロージングフラグは、送信の事実上の終了に先立ち、ある程度の時間に亘って送信されてもよい。これにより、受信機104におけるクロージングフラグの処理時間は、受信機104自身が電源を切るための追加の待機時間を発生させない。いくつかの実施形において、クロージングフラグのフォーマットは、ノイズに対するある程度の耐性を与えるように選択されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、クロージングフラグのフォーマットは、簡単に検出されるように選択されてよい。少なくとも1つの効果は、データの検出よりも速く、クロージングフラグが検出可能となる点であってよい。
【0094】
一実施形態において、クロージングフラグは、例えば、高速な管理情報および/またはACK信号とともに、管理レイテンシ経路によって通信される特別なビットパターンであってよい。マルチキャリア環境内で実行されるいくつかの実施形態において、クロージングフラグは、使用されていない符号のビットパターン等の特別なビットパターンとして通信されてよい。いくつかの実施形態において、クロージングフラグのビットパターンは、多数の専用のトーンの内の、1つまたは複数を変調してもよい。いくつかの実施形態において、クロージングフラグのビットパターンによって変調されるべきこれらのトーンは、受信機104からの推奨(もしくは要求)による初期設定(例えば、高いSNR、低い減衰)の間に選択されてよい。他の実施形態において、クロージングフラグに使用されるビットパターンは、エラーのロバスト性を増加させる目的で符号化されてよい。符号化の方法は、例えば、反復符号化を含んでいてよい。反復符号化は、送信の終了に先立ち、パターンが1つよりも多い符号によって送信される場合に有益となり得る。これにより、送信が停止する時に、同一符号における各符号点において送信されるパターンは、現在の送信機会における最後の符号となる。他の実施形態において、クロージングフラグは、送信の終了時または送信の終了前(すなわち、送信の終了前のあらかじめ決められた時間)において送信され得る特別な符号として与えられてよい。時に、このタイプの動作は、特別な符号の境界を有するデータユニット境界間における配置を要求してもよい。
【0095】
他の実施形態において、複数のクロージングフラグは、送信におけるタイムギャップを示すために、送信機会間に使用されてよい。一実施形態において、各クロージングフラグは、送信の停止を引き起こす位置、または、この停止の期間(同じ送信機会における)についての情報を搬送する。送信は、停止の後継続してもよいし、次のフラグによって再び停止されてもよい。
【0096】
図7は、いくつかの実施形態に関して、通信線106、116等の多数の通信線を使用しているデータ送信を図示している。上述の実施形態のように、送信は、多重モードである。さらに、例示の目的として、
図7は、ダウンストリーム送信のための3つのタイムライン740a、740b、740cを示している。いくつかの実施形態において、各タイムライン740a、740b、740cは、ビットローディングテーブルの変化を示し、および/または、PSDテーブルを送信し、および/または、各タイムラインに後続する符号に対するテーブルを得る。1つのタイムライン750のみが、アップストリーム送信に対して図示されている。他の実施形態において、ダウンストリーム送信に関する全ての動作モードとここで説明された詳細な事項とは、アップストリーム送信に対して同様に実行されてよい。アップストリーム送信については、これ以上説明しない。
【0097】
図7に示された実施形態において、第1のTDDフレーム700は、時刻t1から時刻t3まで続く第1のダウンストリーム送信機会701と、時刻t4から始まる第2のダウンストリーム送信機会711とを与える。時刻t3から時刻t4まで、アップストリーム送信機会702が与えられている。さらに、いくつかの実施形態に関して、第1の送信機会は、時刻t1から時刻t2まで続く第1の送信モードのセクション781と、時刻t2から時刻t3まで続く第2の送信モードのセクション782とを有する。第1の送信モードにおいてペイロード部を送信する間に、受信機104は、第1の送信機会701の最後以外のデータ送信のどのような最後も“予測”しない。しかしながら、第1のタイムライン740aに関して示したように、有用なペイロードを搬送する3つの符号731を送信すると、もはやペイロードは送信される必要がない。いくつかの実施形態に関して、送信ユニット102は、自身の判断で、“ペイロード部の終端”として示される実際の数の符号が送信された後、1つまたは複数のダミー/使用されていない符号732を付加してもよい。いくつかの実施形態において、管理者は、送信機102に使用されていない符号732を送信するように指令を与えてもよい。例えば、5つの符号を送信して、送信すべき他の有益なコンテンツの不足のために、少なくとも1つの使用されていない符号732を送信すると、送信機102は、時刻t2において、“連続的な送信”の第1の送信モードから“不連続な送信”の第2の送信モードに変化する。このため、
図7に示されるように、他のタイムラインは各ペイロード部の送信を継続し、そして、例えば、所定の数の使用されていない符号732を送信することによって、ペイロード送信の完了が示される。
【0098】
他の実施形態において、不連続な動作を容易化にするために、使用されていない符号もしくは同様の符号732を利用することによって、アクティブで不連続な通信線の不便な組合せは、低減または完全に除去されてもよい。本実施形態において、中央制御装置(VCE)は、1つのフレーム700において送信されるデータ符号の実際の数(フレーム700の実際のペイロードサイズに対応する)を、送信機102および112の一部または全体から収集してもよい。中央制御装置は、どれくらい多くの使用されていない符号732が、データ符号731の送信後(ペイロードの送信後)に付加されるべきかを、送信機102および112のそれぞれに知らせてもよい。
【0099】
送信機会701の第1の送信モードのセクション781において、第2の送信モードのセクション782において不連続な動作を用いて、異なるビットローディングの設定、および、フレーム700における送信機会の第2の送信モードのセクション782の利得と組み合わせて、いくつかの実施形態に係る中央制御装置は、最適化されてよい。
【0100】
ここで、
図7は、2つのパワースペクトル密度(PSD)の設定と2つのビットローディングテーブルとが使用される場合を示している。第1の送信モードのセクション781において、“完全な動作”におけるPSDの設定とビットアロケーションテーブル(BAT)とが用いられる(それぞれ、“FP−PSD”および“FP−BAT”と称されてもよい)。第2の送信モードのセクション782において、“不連続な動作”におけるPSDの設定とBATとが用いられる(それぞれ、“DO−PSD”および“DO−BAT”と称されてもよい)。不連続な動作におけるPSDの設定とBATとは、電力の節約と性能の損失との間のバランスを提供するために最適化されてよい。使用されていない符号は、アクティブな通信線/不連続な通信線の組合せを避けるために用いられてよく、それゆえ、高い性能の損失を避けることの一助となるように用いられてよい。一実施形態において、データ符号731の数(実際のペイロードサイズ)は、受信機104に示される。従って、受信機104は、全てのデータが送信された後にシャットダウンされ、これにより電力を節約することができる。
【0101】
示されたいくつかの実施形態において、TDDフレーム700のそれぞれに対して、“フルパフォーマンス”におけるPSDの設定とBATとは、TDDフレーム700の時刻t1において開始する“通常”の動作をサポートするために用いられてよい。そして、タイムライン740aの後、時刻t2において、不連続な動作におけるPSDの設定とBATとは、不連続な動作をサポートするために用いられてよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、制御パラメータは、ここに開示された動作を制御するために用いられてよい。一例として、制御パラメータは、ペイロードが受信された後、例えば高電力の動作モードから低電力の動作モードへと受信機104の動作モードを変化させるために、TDDフレーム700ごとに送信されるデータ符号731の数(実際のペイロードサイズ)であってよい。別の制御パラメータは、第2の送信モードの不連続な動作の開始を示すための、時間上の点(時刻t2)であってよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、使用されていない符号を利用する少なくとも1つの効果は、使用されていない符号が、あるTDDフレーム700から別のTDDフレーム710まで移行するタイムライン740aを、安定的に保持することの一助となり得るという点であってよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、タイムライン740a、740b、740cは、アップデートの対象であってよい。いくつかの実施形態において、アップデートは、周期的に計画される。アップデートは、TDDフレーム毎、スーパーフレーム毎、または他の期間において行われてよい。アップデートを容易化するために、例えば、VCEによりあらかじめ計算されたスケジュールに従って、CPU104,114は、例えばビットアンドゲイン(b&g)テーブルを切り替えてよい。
【0105】
他の実施形態において、複数のタイムライン、および、“不連続な動作”におけるPSDの設定とBATとが使用されてよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、伝送中にダミーの情報を搬送する一部または全ての符号は、0の電力によって送信されてよい(つまり、送信されない)。受信機104は、これらの符号の間に送られたデータユニットを、破損したものとして解釈する。しかしながら、ダミーデータユニットのシーケンス識別子(ID)は、所定の方法によって割り当てられる。いくつかの実施形態において、受信機104は、継続したシーケンスIDを有する同一のTDDフレーム内において、さらなるデータ送信ユニットの受信を避けるために、どのような再送信の要求も発しない。従って、見落とされたフレームがなく、または、見受けられないように思われる。一実現例において、データユニットの境界は、符号の境界と揃えられる。1つの効果は、不連続な動作の効率を増加させる点であってよい。
【0107】
不連続な動作は、同期の潜在的な損失の影響を受ける場合がある。なぜなら、いくつかのフレームは、送信すべき非常に少数の符号しか有していないか、または、送信すべき符号を1つも有していないためである。このため、CPUにおける位相同期ループ(PLL)がアップデートされない期間が長くなり、ループタイミング(すなわち、CPUをDPUと同一のクロックによって動作させる場合)が欠如し得る。ループタイミングの欠如を避けるため、本発明の1つまたは複数の実施形態は、1つのアクティブな符号も送信されない、または、非常に少数のアクティブな符号のみしか送信されないTDDフレームにおいて、いわゆる“パイロット符号”を使用することを提案している。
【0108】
いくつかの実施形態において、システムは、以下の同期コンポーネント1〜5を用いてもよい。
1.複数のパイロットトーンを含む、周期的に送信された符号。ここで、いくつかの実施形態は、TDDフレームの周期を有していてよい。
2.パイロットトーン(所定の専用のビットパターンを送信する、データではない)として割り当てられた、送信された各データ符号内のトーンの数。
3.データ符号のパイロットトーンをも含む同期符号。
4.パイロットトーンを含む符号であるパイロット符号。または、いくつかの実施形態内では、他のトーンがマスクされている一方で、データ符号と同様である得るパイロットトーンのみ。
5.1つも同期信号が存在していないフレーム内、あるいは、全くデータ符号が存在していない、またはごくわずかしかデータ符号が存在していないTDDフレーム内において、同期を維持するために送信される1つまたは複数のパイロット符号。
【0109】
もし、このTDDフレームにおいて、同期符号の位置で送信されるデータ符号が1つもないならば、パイロット符号はこの位置で送信されるであろう。(同期符号が、m個のTDDフレーム毎に送信される)。いくつかの実施形態において、パイロット符号は、各フレームの同一の時間位置において送信されるであろう。
【0110】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、特別な信号(スーパーフレーム、同期符号、MAP等)、および、これらの信号の送信および受信に関連するプロトコルを導入する。一つの実施形態において、方法、装置、およびシステムは、ITU規格、G.fast規格に合致して使用できるように構成される。
【0111】
ここで述べた具体的な実現例/実施形態は、連結された様々な要素を有していてよい。しかしながら、配置の構成は、1つまたは複数の装置内に結合されてもよいと理解される。
【0112】
1つまたは複数の実現例に関して、開示がなされ説明が行われているが、当業者であれば、この明細書および添付図面を一読して理解することに基づき、同等の変形例または修正例を想到するであろう。上記の開示された内容の順番または組み合わせはまた、開示の範囲内に含まれるとして考えられてよい。
【0113】
本開示は、全ての修正と変更とを含んでおり、また、後述する特許請求の範囲によってのみ制限される。特に、上述の構成要素(例えば、送信機および/または受信機)によって実行される様々な機能に関して、これらの構成要素を説明するために使用される用語は、そのように示されていない限りは、説明された構成要素の特定の機能を実行する任意の構成要素(例えば、機能的に等価である構成要素)に対応することが意図されている。このことは、当該構成要素が、本開示の具体的な実現例において説明された機能を実行する開示された構造と、構造的に等価でない場合であっても該当する。加えて、本開示の特別な構成は、いくつかの実現例のうちの1つのみに関して開示されている場合があるが、これらの構成は、任意の用途または特定の用途において望まれる他の実現例の1つまたは複数の他の構成と結合されてもよい。
【0114】
加えて、本出願および添付の特許請求の範囲において用いられる冠詞‘a’および‘an’は、‘1つまたは複数’を意味するものとして解釈されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【
図1】本発明の一実施形態に係るデータ送信方法を利用するシステムを説明するブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るマルチレイヤプロトコル構造の例を説明する概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るデータ送信フレームを示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る例示的な送信スキームを示すダイアグラムである。
【
図5】本発明の一実施形態に係るマルチレイヤプロトコル中のデータ送信フレームに関するタイムラインを示す時間ダイアグラムである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る多重送信を示す時間ダイアグラムである。
【
図7】本発明の複数の実施形態に係る多数の通信線における送信を示す時間ダイアグラムである。