【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト/低コスト分解処理技術実証/ホットナイフ分離法によるガラスと金属の完全リサイクル技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持具が含む前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とは、それぞれ回動可能に支持され、回動することで前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とが対向する前記空間部の大きさが変化し、
前記把持金具移動機構は、前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とをそれぞれ回動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの枠分離装置。
前記把持具が含む前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とは、同一の回転軸を中心として相対的に逆向きに回動可能に支持され、前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とが回動して対向する前記空間部の大きさが変化し、
前記把持具は、前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とに連結され、直線運動を与えられて前記第1の把持金具と前記第2の把持金具とを回動させるクランク機構をさらに含み、
前記把持金具移動機構は、前記クランク機構に前記直線運動を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの枠分離装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態による太陽電池パネルの枠分離装置について、図面を参照して説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0013】
図1に、本実施の形態による太陽電池パネルの枠分離装置の全体の構成を、上面から見た平面図として概略的に示す。
【0014】
この枠分離装置は、分離除去部1、搬入部2、搬出部3、制御部4を備えている。
【0015】
分離除去部1は、図中、矢印Aで示されたように、左側から右側への搬入進行方向に対して平行に両側に対向するように設置された一対の把持具を備える。搬入された太陽電池パネル11を、後述する昇降部により所定の位置に持ち上げ、後述するクランプに太陽電池パネル11を当接して固定する。
【0016】
そして、太陽電池パネル11の両側の枠を把持具により把持し、両側の把持具が枠を引っ張って、一方の一対2辺の枠を引き剥がす。その後、太陽電池パネル11を、矢印A0で示されたように90度回転させて、他方の一対2辺の枠を同様に引き剥がす。これにより、2対4辺の枠を除去する。
【0017】
搬入部2は、太陽電池パネル11を、搬送ローラ2aを用いて分離除去部1へ向って搬入する。
【0018】
搬出部3は、分離除去部1により枠が分離された太陽電池モジュールを、搬送ローラ3aを用いて装置外部へ搬出する。
【0019】
制御部4は、搬入部2による搬入処理、分離除去部1による枠の分離、除去処理、搬出部3による搬出処理における各動作の制御を行う。
【0020】
図2に、一般的な太陽電池パネル11の概略構成を示す。
【0021】
アルミ等から成り、略F字状の縦断面形状を有し、太陽電池モジュールを保持する内側部分がコの字状の枠12が設けられ、コの字形状の上端と下端との間に太陽電池モジュール21が把持されている。
【0022】
太陽電池モジュール21において、複数の太陽電池セル14が配列され、相互に配線材15により電気的に接続され、全体が透明な封止材16で封止され、上面にガラス基板13、下面にバックシート17が配置されて挟持されている。端部の太陽電池セル14は出力端子18に接続され、出力端子18はバックシート17の表面に配置された端子箱19まで延在されている。このような太陽電池パネル11から枠12を分離することで、太陽電池モジュール21のリサイクルが可能となる。
【0023】
図1に示された分離除去部1の構成を拡大して、
図3の平面図に示す。
【0024】
分離除去部1は、複数の把持具31、LM(Linear Motion Guide)ガイド32、ねじ軸33A、33B、支柱台部35、台座部36、サーボモータ37、減速機38、柱材支持部39、LMガイド40、ねじ軸41を備える。
【0025】
搬入部2により、搬入された太陽電池パネル11が所定の高さ位置に固定された後、両側に一対ずつ配置された複数の把持具31によって把持される。
【0026】
把持具31は、支持台に取り付けられている。この支持台は、把持具31が、図中左側のねじ軸33A、右側のねじ軸33Bに螺合され、図中左右に把持具31を移動させるためのLMガイド32を介して取り付けられた柱材から成る柱材支持部39と、柱材支持部39を両側で支柱支持する支柱台部35とを有する。
【0027】
把持具31は、例えば
図3では5個一対、対全体で10個取り付けられている。
【0028】
中央に位置する片側1個は、柱材支持部39に直接取り付けられ固定されている。図中左右の両端から2番目に位置する2個一対の把持具31、及び図中左右の最も両端に位置する2個一対の把持具31を、螺合されたねじ軸33A、33Bを正回転、逆回転させて、矢印A2で示されたようにLMガイド32上を摺動させることによって、相互の間隔を広げたり狭めたりすることができる。
【0029】
なお、ねじ軸33A、33Bは、ハンドル42を手動により回転させてもよく、あるいは電動により回転させてもよい。
【0030】
柱材支持部39と支柱台部35とを有する支持台は、両側の支柱台部35の台座部36が連動して、LMガイド40上を、螺合されたねじ軸41が正回転、逆回転することで、搬入進行方向と直行する方向、即ち、図中上下に前進、後退する機構となっている。ねじ軸41の回転は、減速機38を介して、サーボモータ37の正転又は逆転により回転の向き及び回転速度が変わる。
【0031】
図1に示された分離除去部1の構成を拡大し、かつ把持具31が4個一対、対全体で8個の場合を例にとり
図4の平面図に示す。
【0032】
このように、把持具31の数には限定されない。また、把持具31は2個一対、対全体で4個、あるいはまた3個一対、対全体で6個等、他の数であってもよい。
【0033】
なお、把持具31が2個一対、対全体で4個、4個一対、対全体で8個の場合等は、図中左右方向において把持具31が偶数個配置されるため、中央に位置する把持具31が存在しない。そこで、全ての把持具31が、柱材支持部39に取り付けられることなく、ねじ軸33A、33Bの回転によりLMガイド32上を摺動する。具体的には、太陽電池パネル11の枠12の間隔に応じて、2個一対、4個一対等の把持具31が、図中左右方向の相対位置を変える。把持具31が3個一対、対全体で6個の場合は、5個一対、対全体で10個の場合と同様に中央の対の把持具31が固定される。そして、左右の1対ずつの把持具31が太陽電池パネル11の枠12の間隔に応じて、図中左右方向の相対位置を変える。他の構成及び動作は、
図3に示された把持具31が5個一対、対全体で10個の場合と同様であり、説明を省略する。
【0034】
分離除去部1の詳細な構成を、
図5に示す。この
図5は、搬出側から見た構成を示しており、太陽電池パネル11は、紙面に垂直な方向に沿って搬入、搬出される。
【0035】
分離除去部1はさらに、上述したクランプ51、搬送部52A及び52B、クランプ緩衝材53、昇降部55、枠投棄箱64を備えている。
【0036】
昇降部55は、シリンダ56、モータ57、回転板58を有し、太陽電池パネル11を、矢印A0で示されたように90度回転させる。
【0037】
クランプ51は、所定高さに設置された太陽電池パネル11を押さえて設置固定する。
【0038】
把持具31は、後述するように、クランプ51により設置固定された太陽電池パネル11の枠12の高さに応じて上下に位置を変え、上下方向に対向配置された第1、第2の把持金具により枠12を挟み込んで把持する。
【0039】
把持具31は、上述したようにLMガイド40に沿って、把持具31が取り付けられ、柱材支持部39と支柱台部35とを有する支持台ごと、矢印A11で示された方向に移動する。
【0040】
搬入され所定の位置に配置された太陽電池パネル11は、ストップセンサ付きのシリンダ56により矢印A12の方向に上昇し、回転板58上に具備された図示されていない吸着パットにより吸着保持され、クランプ51の下面のクランプ緩衝材53に押し当てられ固定されるまでさらに上昇する。
【0041】
一対の把持具31の引っ張りにより、一方の2辺一対の枠12が除去された太陽電池パネル11は、クランプ51から外れて90度回転されて再び上昇し、クランプ51に押し当てられ固定される。さらに他方の2辺一対の枠12が除去されて、合計4辺2対の枠12が除去された太陽電池パネル11は、太陽電池モジュール21のみとなり、搬送部52A、52Bの搬送ローラ位置まで下されて、搬送部52A、52B上を搬出される。
【0042】
ここで、太陽電池パネル11を上部より固定するクランプ51は、装置フレームに取り付けられた固定タイプであるが、固定タイプには限定されず上下可動タイプでもよい。
【0043】
このように本実施の形態によれば、搬入進行方向に平行に両側に、特に制限はないが、実施する場合の例として、2個一対、3個一対、4個一対又は5個一対等の把持具31を設置し、昇降部55により所定の位置まで持ち上げた太陽電池パネル11をクランプ51により固定し、把持具31により把持し、両端一対の把持具31が引っ張って一方の一対の枠12を引き剥がし、90度回転させて他方の一対の枠12を引き剥がすことで、2対4辺の枠12を引き剥がす。
【0044】
この枠12を引き剥がす工程において、柱材支持部39と支柱台部35とを有する支持台、台座部36ごと所定位置まで後退する。この後退する過程で、所定の枠投棄位置において枠12の保持状態を開放し、装置下部に設けられた枠投棄箱64に落下させる。
【0045】
以下、把持具31の具体的な例として、第1〜第4の実施例による把持具31A〜31Dについて、図面を用いて説明する。
【0046】
(1)第1の実施例による把持具
図6(a)の平面図、並びに
図6(b)の縦断面図に、第1の実施例による把持具31Aの構成を拡大して示す。
【0047】
この把持具31Aは、上側の第1の把持金具72、下側の第2の把持金具73、把持金具移動機構として、ストップセンサ付きの把持用油圧シリンダ71、ストップセンサ付きの空圧によるエアバランサ用エアシリンダ74を有している。ストップセンサ付きの把持用油圧シリンダ71、ストップセンサ付きの空圧によるエアバランサ用エアシリンダ74は、その動作を制御部4により制御される。
【0048】
エアバランサ用エアシリンダ74は、エアバランサ用エアシリンダレギュレータ75により上下に動作する。
【0049】
また、エアバランサ用エアシリンダ74は、柱材支持部39と支柱台部35とを有する支持台に固定されており、エアバランサ用エアシリンダ74が有するエアシリンダロッドに、把持用油圧シリンダ71及び第2の把持金具73が固定されて、同時に上下に移動が可能である。そして、第1の把持金具72は、把持用油圧シリンダ71の油圧シリンダロッドに固定されて上下に移動が可能である。
【0050】
図7に、第1の把持金具72と第2の把持金具73との間の空間部に配置された太陽電池パネル11を示す。太陽電池パネル11における枠12は、高さ方向の寸法に複数種類が存在する。ここでは、実線で示した小さい寸法の枠12Aを有する太陽電池パネル11Aと、一点鎖線で示した大きい寸法の枠12Bを有する太陽電池パネル11Bとを示す。
【0051】
なお、第1の把持金具72の接触面72aと、第2の把持金具73の接触面73aには、それぞれ滑り止め加工が施されている。
【0052】
図8(a)〜(c)に、高さ方向の寸法が小さい枠12Aを有する太陽電池パネル11Aを把持固定する工程を示し、
図9(a)〜(c)に、高さ方向の寸法が大きい枠12Bを有する太陽電池パネル11Bを把持固定する工程を示す。
【0053】
a)待機時
エアバランサ用エアシリンダレギュレータ75によって、太陽電池パネル11A、11Bの枠12A、12Bが変形しない程度の把持力として、例えば5kgに設定する。
【0054】
図8(a)、
図9(a)に示されたように、上側の第1の把持金具72と下側の第2の把持金具73との間に、太陽電池パネル11A、11Bの枠12A、12Bが入る程度の適当な空間部を設ける。
【0055】
エアバランサ用エアシリンダ74のエアシリンダロッドの上下の動作、即ち空間位置の上下の動作と、把持具31Aの前進動作により、第1の把持金具72と第2の把持金具73とが対向する空間部における適当な位置に、太陽電池パネル11A、11Bの枠12A、12Bを位置させる。
【0056】
b)枠の上面に接触
図8(b)、
図9(b)に示されたように、把持用油圧シリンダ71の油圧シリンダロッドを下げて、第1の把持金具72の接触面72aに、太陽電池パネル11A、11Bの枠12A、12Bの上面を当接させる。
【0057】
c)枠の下面に接触して把持完了
図8(c)、
図9(c)に示されたように、把持用油圧シリンダ71の油圧シリンダロッドに固定された第1の把持金具72を、エアバランサ用エアシリンダ74のエアシリンダロッドを引き上げる速度以下で繰り出しつつ、第1の把持金具72が枠12A、12Bの上面に軽く当接したまま、あるいは枠12A、12Bの上面に向かって動きつつ、エアシリンダロッドを上げる。これにより、第2の把持金具73と把持用油圧シリンダ71が連結して上昇する。枠12A、12Bの下面に第2の把持金具73が当接すると、油圧が作用して第1の把持金具72が当接し、さらに押圧して枠12A、12Bを把持固定する。
【0058】
但し、第1の把持金具72、第2の把持具73の動作は上記例には限定されず、同時に移動して、第1の把持金具72と第2の把持金具73とに枠12が当接して挟持してもよい。
【0059】
(2)第2の実施例による把持具
図10(a)〜(c)の縦断面図に、第2の実施例による把持具31Bの構成を拡大して示す。
【0060】
この把持具31Bは、上側の第1の把持金具81、下側の第2の把持金具82、把持金具移動機構として上側の初期把持力発生用エアシリンダ83及び下側の初期把持力発生用エアシリンダ84を有する。初期把持力発生用エアシリンダ83、84は、その動作を制御部4により制御される。
【0061】
回動可能に取り付けられた第1の把持金具81、第2の把持金具82に対して、
図10(c)に示されたように、初期把持力発生用エアシリンダ83、84による矢印A21、A22で示された方向への引っ張りにより、矢印A23、A24の方向に回動させる。これにより、第1の把持金具81、第2の把持金具82の膨らみ部81a、82aで、太陽電池パネル11の枠12を挟持固定する。
【0062】
ここで、初期把持力発生用エアシリンダ83、84のロッドに、把持のための工具を取り付けた上下動する図示されない機構を用いて、
図10(a)において矢印A25で示されたように、第1の把持金具81、第2の把持金具82が対向する空間中心に枠12が位置するようにさせる必要がある。
【0063】
第2の実施例による把持具31Bでは、油圧ポンプや油圧シリンダ等の高額で油漏れの危険性のある機器を用いることなく、初期把持力発生用エアシリンダ83、84の安価な機器を用いることで、初期把持力を発生させることができる。
【0064】
そして、初期把持力を発生させた状態で、
図10(c)において矢印A26で示された方向に、第1の把持金具81、第2の把持金具82を共に引っ張ることにより、枠12を必要な把持力で把持する。
【0065】
第1の把持金具81、第2の把持金具82は、カム式で駆動される。これにより、第1の把持金具81、第2の把持金具82で枠12を把持する力は、A26の方向に第1の把持金具81及び第2の把持金具82を移動させて引っ張る力よりも、強い把持力を発生させることが可能である。
【0066】
太陽電池パネル11は、上述したように、枠12とガラス基板13とが密封用接着剤として封止材16により固着されている。太陽電池パネル11の寸法や固着の程度により、枠12の除去には相応の把持力が必要である。第2の実施例によれば、カム式で駆動される第1の把持金具81、第2の把持金具82の初期把持力、並びにA26の方向に第1の把持金具81及び第2の把持金具82を移動させて引っ張る力を組み合わせることにより、それぞれの太陽電池パネル11に応じた把持力を発生させて確実に枠12を除去することができる。
【0067】
(3)第3の実施例による把持具
図11(a)〜(c)の縦断面図に、第3の実施例による把持具31Cの構成を拡大して示す。
【0068】
この把持具31Cは、膨らみ部91aを有する第1の把持金具91、平板固定金具92、把持金具移動機構として初期把持力発生用エアシリンダ93を備える。初期把持力発生用エアシリンダ93は、その動作を制御部4により制御される。
【0069】
このように、第3の実施例による把持具31Cは、回動可能な挟持金具が1個設けられ、他方の把持金具は平板状の固定された金具である。
【0070】
そして、回動可能に取り付けられた第1の把持金具91に対して、
図11(c)に示されたように、初期把持力発生用エアシリンダ93による矢印A31の方向への引っ張りにより、矢印A32の方向に回動させる。これにより、第1の把持金具91の膨らみ部91a、平板固定金具92で、太陽電池パネル11の枠12を挟持固定する。
【0071】
ここで、初期把持力発生用エアシリンダ93のロッドに、把持のための工具を取り付けた上下動する図示されない機構を用いて、
図11(a)において矢印A33で示されたように、第1の把持金具91、平板固定金具92が対向する空間中心に枠12が位置するようにさせる必要がある。
【0072】
第3の実施例において、上記第2の実施例と同様にエアシリンダ等の安価な機器を用いることで、初期把持力を発生させることができる。
【0073】
そして、初期把持力を発生させた状態で、
図11(c)において矢印A34で示された方向に、第1の把持金具91、平板固定金具92を共に、図中左側に引っ張ることにより、枠12を必要な把持力で把持する。
【0074】
第1の把持金具91は、カム式で駆動される。このため、第1の把持金具91、平板固定金具92で枠12を把持する力は、A34の方向に第1の把持金具91及び平板固定金具92を移動させて引っ張る力よりも、強い把持力を発生させることが可能である。
【0075】
第3の実施例によれば、カム式で駆動される第1の把持金具91、平板固定金具92の初期把持力、並びにA34の方向に第1の把持金具91及び平板固定金具92を移動させて引っ張る力を組み合わせることにより、それぞれの太陽電池パネル11に応じた把持力を発生させて確実に枠12を除去することができる。
【0076】
(4)第4の実施例による把持具
図12(a)〜(c)の縦断面図に、第4の実施例による把持具31Dの構成を拡大して示す。
【0077】
この把持具31Dは、第1の把持金具101、第2の把持金具102、クランク機構103、さらに図示されていない把持金具移動機構を有する。把持金具移動機構は、その動作を制御部4により制御される。
【0078】
第1の把持金具101の接触面101a、第2の把持金具102の接触面102aには、滑り止め加工が施されている。第1の把持金具101と第2の把持金具102とは、同一の回転軸104を中心とし、矢印A41、A42で示されたように相対的に逆向きに回動するように支持されている。そして、第1の把持金具101と第2の把持金具102とが回動することによって、対向する空間部の大きさが変化し、相互間の間隔が変化して太陽電池パネル11の枠12を挟持することができる。
【0079】
第1の把持金具101と前記第2の把持金具102とは、クランク機構103に連結されている。このクランク機構103は、矢印A44で示された方向に直線運動を与えられて、第1の把持金具101と前記第2の把持金具102とを回動させる。
【0080】
図示されていない把持金具移動機構として、例えばシリンダ機構等が設けられ、クランク機構103に直線運動を与える。把持金具移動機構は、その動作を制御部4により制御される。
【0081】
上記第2の実施例、第3の実施例と同様に、
図12(a)において矢印A43で示された方向に、第1の把持金具101、第2の把持金具102全体を移動させて、第1の把持金具101と第2の把持金具102とが対向する空間の中心に枠12を位置させる必要がある。
【0082】
第4の実施例においても、クランク機構103等の安価な機構を用いることで、初期把持力を発生させることができる。
【0083】
そして、初期把持力を発生させた状態で、
図12(c)において矢印A44で示された方向に、第1の把持金具101、第2の把持金具102を共に、図中左側に引っ張ることにより、枠12を必要な把持力で把持する。
【0084】
第1の把持金具101、第2の把持金具102は、クランク機構103により駆動される。このため、第1の把持金具101、第2の把持金具102で枠12を把持する力は、A44の方向に第1の把持金具101、第2の把持金具102を移動させて引っ張る力よりも、強い把持力を発生させることが可能である。
【0085】
第4の実施例によれば、クランク機構103で駆動される第1の把持金具101、第2の把持金具102の初期把持力、並びにA44の方向に第1の把持金具101、第2の把持金具102を移動させて引っ張る力を組み合わせることにより、それぞれの太陽電池パネル11に応じた把持力を発生させて確実に枠12を除去することができる。
【0086】
本実施の形態による太陽電池パネルの枠分離装置、第1〜第4の実施例による把持具31によれば、形状及び寸法が異なる枠12、あるいは形状又は寸法が異なる枠12に対応して確実に把持し、分離することが可能であると共に、搬入部2、搬出部3、分離除去部1のそれぞれの動作を制御部4により制御することで自動化が可能であり、コスト低減を実現することができる。
【0087】
上述した実施の形態、実施例はいずれも一例として提示したものであり、発明の技術的範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態、実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態、実施例は、発明の技術的範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0088】
例えば、本実施の形態では、把持具31が複数設けられており、枠12の長さ、必要な枠12の引き剥がし力、枠12の引き剥がし方法等に応じてLMガイド32上を摺動して位置決めを行っている。ここで、把持具31の個数や配置箇所等については限定されず、枠12の長さや必要な引っ張り力に応じて、適宜任意に設定することができる。
【0089】
枠12の引き剥がし方法についても、枠12の全体を把持して一工程で引き剥がしてもよいが、これに限定されない。例えば、ガラス基板13の割れを防ぐため、あるいは引き剥がしに必要な力等に応じて、封止材16に亀裂を入れる程度に、枠12全体、あるいは枠12の端部のみを引く工程を入れた後、枠12全体を引き剥がす方法を用いてもよく、引き剥がし方法や工程には限定されない。
【課題】多様な枠の形状や寸法に対応して確実に把持することが可能であると共に、太陽電池パネルの搬入及び搬出、枠の分離、除去処理の自動化が可能であり、コスト低減を実現することができる太陽電池パネルの枠分離装置を提供する。
【解決手段】太陽電池パネルから枠を分離除去する分離除去部1が、太陽電池パネルを対向するように把持し引っ張って枠を引き剥がすため対向配置された一対の把持具31を有し、把持具は対向配置された把持金具72、73、把持金具が対向する空間部の大きさを変化させる把持金具移動機構を含み、把持金具移動機構により枠が空間部に入るように把持金具の位置を設定し、把持金具72が移動して把持金具72に枠が当接した後、把持金具73が移動して把持金具73に枠が当接することで挟持し、あるいは把持金具72、73が同時に移動して枠が当接して挟持することで形状、寸法が異なる枠を挟持することが可能である。