(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記第1の検針値と前記第2の検針値との間の差を表示するようにさらに構成され、前記差が所定の値を上回る場合、前記差が強調表示されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本実施形態に係る検針システムを説明する。本実施形態では、集合住宅の管理員が、その集合住宅に居住する被検針者の水道使用量を検針する検針業務を行う例を説明する。
【0014】
<用語の定義>
本実施形態では、「被検針者」とは、水道、ガスまたは電気などを使用する者を意味する。「被検針メータ」とは、被検針者宅に設置され、水道、ガスまたは電気などの使用量を測定し、検針の対象となる測量メータを意味する。「検針員」とは、主に、集合住宅の管理人など、集合住宅における利用者の検針業務を行う者を意味するが、水道局の検針員なども含まれる。「利用者」とは、集合住宅における管理会社など、検針業務を行う上で、本実施形態に係る検針システムを利用して、検針サービスを受ける者を意味する。本実施形態に係る検針サービスを水道局、電力会社またはガス会社などが受ける場合、それらは利用者となる。「サービス事業者」とは、本実施形態に係る検針システムを実装し、検針サービスを提供する事業者を意味する。
【0015】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る検針システムを実現するコンピュータシステム全体の構成の例を示している。
【0016】
本実施形態に係る検針システムは、検針管理サーバ1、携帯端末2、および管理端末3を備えている。検針管理サーバ1、携帯端末2、および管理端末3は、ネットワーク4(3GおよびLTEなどの通信方式を使用した無線ネットワークおよびインターネットなどの公衆回線の組み合わせ)を介してそれぞれが相互に接続されている。
【0017】
検針管理サーバ1は、サービス事業者に設置され、本実施形態に係る検針システムのサービスを提供する主要なコンピューティングデバイスである。本実施形態に係る検針システムのサービスは、ASP(Application Service Provider)などの形式で提供され、検針員の携帯端末2および利用者の管理端末3に所定のプログラムをダウンロードする。検針管理サーバ1は、管理端末3によって入力された被検針メータデータなどを管理し、および、そのデータを携帯端末2に送信する。なお、検針管理サーバ1は単一のコンピュータデバイス、または、複数のコンピュータデバイスで実装されてもよい。
【0018】
携帯端末2は、検針員が保持し、本実施形態に係る検針業務を行うために使用する、タッチパネル操作が可能なコンピュータデバイスである。検針員は、携帯端末2を使用して、被検針者宅に設置された被検針メータ5を撮影することによって検針を行う。本実施形態では、携帯電話などに代表される携帯型情報端末機器を想定しているが、そのような構成に限定されず、通信機能およびカメラ機能を備える(またはカメラと接続された)タブレットコンピュータまたはPDAなどの情報端末機器であってもよい。
【0019】
管理端末3は、利用者が保持し、携帯端末2を使用して検針業務を行うために必要となる被検針メータデータなどを入力するために使用するコンピュータデバイスである。上記被検針メータデータなどは、管理端末3の表示部に表示された入力インタフェースを介して入力される。本実施形態では、パーソナルコンピュータなどを想定しているが、そのような構成に限定されず、携帯電話などの携帯型情報端末機器、通信機能を備えるPDAなどの情報端末機器であってもよい。
【0020】
被検針メータ5には、被検針メータを識別する被検針メータ番号がエンコードされたNFC(Near Field Communication)タグ(シール)が付されている。携帯端末2を被検針メータ5にかざすことによって、NFCタグが読み込まれ、被検針者の集合住宅、棟、部屋番号、および被検針メータ5などを特定することができる。なお、本実施形態では、被検針メータ5にNFCタグを付すことを例示しているが、このような形式に限定されず、例えば、被検針メータ5に二次元バーコード(被検針メータ番号がエンコードされる)を付して、携帯端末2のカメラが二次元バーコードを撮影することによって、上記と同様の処理を実行してもよい。
【0021】
上述したコンピューティングデバイスおよび情報端末機器は、中央処理装置(CPU)、メモリ、記憶装置などを備えるコンピューティングデバイスであって、メモリまたは記憶装置に格納されたコンピュータプログラムをCPUが処理することによって統括的に制御され、本実施形態に係る処理を実行し、その機能を実現することができる。なお、上述したシステム構成は、例示のためのものであり、本実施形態を実行することができるシステム構成を限定するものではない。
【0022】
次に、
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る検針システムを実現する各コンピューティングデバイスの詳細な例を説明する。
【0023】
検針管理サーバ1は、通信部11、制御部12、主記憶部13、および補助記憶部14を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0024】
通信部11は、ネットワーク4を介して接続された携帯端末2および管理端末3との間で制御情報およびデータを送受信するネットワークインタフェースである。
【0025】
制御部12は、中央処理装置(CPU)とも称され、上記各構成要素の制御やデータの演算を行う。また、制御部12は、本実施形態に係る各種処理を実行するための、補助記憶部14に格納されている各種プログラムを主記憶部13に読み取って実行する。
【0026】
主記憶部13は、メインメモリとも称され、検針管理サーバ1が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。
【0027】
補助記憶部14は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、制御部12に、本実施形態に係る各種処理を実行させるためのプログラム(図示せず)、ならびに携帯端末2および管理端末3にダウンロードするためのプログラムを記憶している。また、検針管理サーバ1は、DBMS(Database Management System)を実装しており、後述する被検針メータデータテーブルなどのデータを記憶したデータベーステーブル14aを記憶している。
【0028】
携帯端末2は、通信部21、制御部22、主記憶部23、補助記憶部24、表示部25、カメラ26、およびNFCリーダ27を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0029】
通信部21は、ネットワーク4を介して接続された検針管理サーバ1との間でデータを送受信するネットワークインタフェースである。
【0030】
制御部22は、中央処理装置であり、検針管理サーバ1からダウンロードした携帯端末実行プログラム(図示せず)を実行し、上記各構成要素の制御やデータの演算を行う。
【0031】
主記憶部23は、メインメモリであり、携帯端末2が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶している。
【0032】
補助記憶部24は、ハードディスクなどの記憶装置であり、検針管理サーバ1からダウンロードした携帯端末実行プログラムなどを格納している。
【0033】
表示部25は、携帯端末実行プログラムを実行することによって、後述する検針データ入力インタフェースなどを表示するディスプレイである。
【0034】
カメラ26は、被検針メータ5の表示部に表示された指針値を撮影する。撮影された指針値は、携帯端末2上で実装されたOCR(Optical Character Recognition)機能によって認識される。
【0035】
NFCリーダ27は、携帯端末2を被検針メータ5にかざすことによって、被検針メータ5に付されたNFCタグを読み取る。NFCタグには、各々の被検針メータ番号がエンコードされ、被検針メータ5の識別が可能となる。
【0036】
管理端末3は、通信部31、制御部32、主記憶部33、補助記憶部34、および表示部35を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0037】
通信部31は、ネットワーク4を介して接続された検針管理サーバ1との間データを送受信するネットワークインタフェースである。
【0038】
制御部32は、中央処理装置であり、検針管理サーバ1からダウンロードした管理端末実行プログラム(図示せず)を実行し、上記各構成要素の制御やデータの演算を行う。
【0039】
主記憶部33は、メインメモリであり、管理端末3が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶している。
【0040】
補助記憶部34は、ハードディスクなどの記憶装置であり、検針管理サーバ1からダウンロードした携帯端末実行プログラムなどを格納している。
【0041】
表示部25は、管理端末実行プログラムを実行することによって、後述する被検針メータデータなどを入力するための入力インタフェースを表示するディスプレイである。
【0042】
<データベーステーブル>
次に、
図3および4を参照して、本発明の一実施形態に係る集合住宅データテーブル300および被検針メータデータテーブル400を説明する。集合住宅データテーブル300および被検針メータデータテーブル400は、検針員が携帯端末2を使用して検針業務を行うために必要となる情報を記憶し、検針管理サーバ1上で実装されたデータベースデータテーブルである。
【0043】
図3に示す集合住宅データテーブル300は、本実施形態に係る検針システムに登録された全ての集合住宅の情報を記憶したデータテーブルである。集合住宅データテーブル300は、集合住宅番号、棟番号、集合住宅名、管理者番号、管理者名、および定期検針日を含む。集合住宅番号および棟番号は、各々の集合住宅を識別する値が設定される。管理者番号は、本実施形態に係る検針サービスの利用者に該当する管理会社の管理員(この管理員は、携帯端末2を使用して検針業務を行う検針者でもある)を識別するIDが設定される。定期検針日は、集合住宅ごとに定められた毎月の検針日が設定される。
【0044】
図4に示す被検針メータデータテーブル400は、本実施形態に係る検針システムに登録された集合住宅の各々の宅に設置された全ての被検針メータの情報を記憶したデータテーブルである。被検針メータデータテーブル400は、集合住宅番号、棟番号、部屋番号、被検針メータ番号、局番号、状態、口径、および減免有無を含む。
【0045】
被検針メータ番号は、各々の被検針メータ5を識別するIDが設定され、集合住宅番号、棟番号、および部屋番号と関連付けられる。
【0046】
局番号は、被検針者に水道サービスを供給する水道局を識別するための番号である。口径は、被検針者が供給される水道の蛇口の口径を示し、減免有無は、被検針者が水道サービスに対する料金の減免を受けているかを示す。水道局、口径、および減免有無によって、対象の被検針者が受ける水道サービスに対する料金体系を特定することができ、水道料金の計算をすることができる。
【0047】
状態は、被検針者の水道利用に関する状態を示し、例えば、「1:開栓」、「2:閉栓」、または「3:退去」などが設定される。なお、検針業務は、該当の部屋の水道が閉栓されており(例えば、長期に渡る不在によって被検針者から閉栓要求がされた場合など)、または被検針者が退去している場合でも行われる。
【0048】
集合住宅データテーブル300および被検針メータデータテーブル400は、携帯端末2または管理端末3から情報を入力することによって予め生成され、必要に応じて更新される。具体的には、管理端末3の制御部32が管理端末実行プログラムを実行することによって、表示部35に表示された入力インタフェース(図示せず)から該当の情報を入力することによって、対応するデータレコードが追加され、対応するレコードが更新される。なお、CSVファイルの形式でデータをインポートすることによって、集合住宅データテーブル300および被検針メータデータテーブル400にレコードを追加することができる。
【0049】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る検針システムが実行する検針処理を説明する。本実施形態に係る検針処理は、携帯端末2の制御部22が、携帯端末実行プログラムを実行し、通信部21が検針管理サーバ1と通信を行うことによって実行される。なお、本実施形態では、検針業務は、毎月の所定の時期に行われ(定期検針)、
図5の例では、2016年5月下旬に、集合住宅番号「A192848」かつ棟番号「A」の集合住宅に設置された被検針メータ5に対し、5月分(4月下旬から5月下旬までの期間)の水道使用量の検針に対する検針処理が実行されるものとする。
【0050】
<検針データ生成>
まず、検針管理サーバ1の制御部12は、被検針メータデータテーブル400から、集合住宅番号「A192848」かつ棟番号「A」の値を有するデータレコードを全て取得する(ステップS501)。
【0051】
次に、制御部12は、検針データテーブル600に、ステップS501で取得した被検針メータデータレコードに対応する、5月分の定期検針に対する検針データレコードを追加する(ステップS502)。
図6に、検針データテーブル600の例を示す。
【0052】
検針データテーブル600は、集合住宅の各部屋に設置された被検針メータ5に対し、水道料金の定期または非定期の検針業務が行われたか否かを管理するデータベーステーブルである。
【0053】
検針データテーブル600は、番号、集合住宅番号、棟番号、部屋番号、被検針メータ番号、対象年月、検針日、報告日、検針種別、検針値、前回検針値、撮影画像、およびコメントを含む。
【0054】
対象年月は、定期検針が行われる対象の年月が設定される。検針日および報告日はそれぞれ、検針員が検針を行った日付および検針員が検針を行い、水道局に報告を行った日付が設定される。検針種別は、対象の検針が定期検針または非定期検針であるかを示す値が設定され、例えば、「1:定期検針」、「2:開栓時検針」、「3:閉栓時検針」、「4:入居時検針」、または「5:退去時検針」などが設定される。検針値は、携帯端末2のカメラ26が被検針メータ5に表示された指針値を撮影し、OCR機能が認識した値が設定される。前回検針値は、前回(直近)の検針を行い、水道局に報告を行った検針値が設定される。
【0055】
撮影画像は、カメラ26が被検針メータ5の指針値を撮影すると、その撮影画像が検針管理サーバ1の補助記憶部14に保存されるが、その画像のファイル名を示している。コメントは、検針の際に検針員によって入力されるコメントが設定されるが、詳細は後述する。
【0056】
本実施形態では、5月分の定期検針が行われるので、
図5のステップS502では、
図6に示す番号1乃至5のレコードが追加される。番号6乃至9および11のレコードは、直近に行われた4月分の定期検針に対する検針データレコードであり、本実施形態での処理の1ヶ月前の同時期にレコードが追加されている(2016年4月分の定期検針を行うため)。
【0057】
No.10のレコードは、2016年4月分の定期検針が行われた後に、対象の被検針者が退去し、退去時に非定期検針が行われた際に追加された検針データレコードである。No.12および13のレコードはそれぞれ、2016年4月分の定期検針が行われた後に、対象の被検針者が水道の閉栓および開栓を行い、その閉栓時および開栓時に非定期検針が行われた際に追加された検針データレコードである。非定期検針に対する検針データレコードは、被検針者が入居などを申し込んだ際に、例えば、携帯端末2または管理端末3からの入力によって追加される。
【0058】
本実施形態では、ステップS502の処理において、No.1乃至5のレコードの対象年月に2016年5月が設定される。また、No.1乃至5のレコードの前回検針値はそれぞれ、前回の検針時のレコードであるNo.6乃至8、10、および13のレコードの検針値が設定される。
【0059】
ステップS501およびS502の処理は、対象の集合住宅の定期検針日から起算して、所定の日数前に月次で定期的に実行されるバッチ処理であるが、そのような形式の処理に限定されず、例えば、オンラインリアルタイムで実行されてもよい。
【0060】
<検針処理>
次に、検針員が、携帯端末2を使用して、対象の集合住宅の被検針者の部屋に設置された被検針メータ5を検針する。本実施形態では、
図6に示す検針データテーブル600のうち、No.2に示す被検針メータ(被検針メータ番号:A192848A002)の検針を行うものとする。
【0061】
まず、携帯端末2の制御部22が、携帯端末実行プログラムを実行すると、表示部25に検針データ入力インタフェースの初期画面が表示される。この状態で、携帯端末2を被検針メータ5にかざすことによって、NFCリーダ27がNFCタグを読み込む(ステップS503)。NFCタグが読み込まれると、NFCタグにエンコードされた被検針メータ番号が認識され、通信部21が、検針管理サーバ1に送信する(ステップS504)。
【0062】
検針管理サーバ1の通信部11が、ステップS504で送信された被検針メータ番号を受信すると、制御部12が、その被検針メータ番号に基づいて、被検針メータデータテーブル400から該当のレコードを取得する。本実施形態では、
図4に示す2番目のレコードが取得される。取得した被検針メータデータレコードは、通信部11によって携帯端末2に送信される(ステップS505)。
【0063】
また、制御部12は、被検針メータ番号に基づいて、検針データテーブル600から報告日が空白のレコードを取得する。ここで、検針データテーブル600において、報告日が空白のレコードとは、水道局に検針値の報告がいまだされていない定期検針のレコードを意味し、検針日が空白のレコードとは、検針がいまだされていない定期検針のレコードを意味する。本実施形態では、
図6に示すように、No.2のレコードが取得される。取得した検針データレコードは、通信部11によって携帯端末2に送信される(ステップS505)。
【0064】
携帯端末2の通信部21が、ステップS505で送信された被検針メータデータレコードおよび検針データレコードを受信すると、表示部25は、検針データ入力画面を表示する。
図7に検針データ入力画面の例を示す。
【0065】
図7に示すように、検針データ入力画面700Aでは、被検針者状態表示フィールド701に、ステップS505で送信された被検針メータデータレコードに基づいて、被検針者の状態が表示される(開栓状態、水道の口径など)。また、対象年月表示フィールド702および前回検針値表示フィールド703にはそれぞれ、ステップS505で送信された検針データレコードに基づいて、対象年月および前回検針値が表示される。
【0066】
このような状態で、検針員が、検針種別プルダウンリスト704で「定期検針」を選択し、指針値撮影画面705に被検針メータに表示された指針値を合わせるようにしてカメラボタン(図示せず)を押下すると、カメラ26が指針値を撮影する(ステップS506)。撮影した検針値は、OCR機能によって数値が認識され、制御部22に送信される。なお、携帯端末2のカメラ26を被検針メータに向けると、指針値に照準が自動的に合うようにし、自動的に撮影するように構成してもよい。
【0067】
指針値が撮影され、OCR認識されると、検針値表示フィールド706には、認識されて検針値が表示される。この検針値表示フィールド706上で所定の入力操作(タッチ操作、タップ操作など)によって、表示された検針値を修正することができる(例えば、OCR機能で誤った値が認識されて場合など)。また、差表示フィールド707には、前回検針値との差が自動計算された値が表示され、この差がプラスマイナスで所定の数値(例えば、1ヶ月検針で15以上)を上回る場合、強調表示される。コメント入力フィールド708には、上述した差が所定の数値を上回る場合に、例えば、「家族が増えたため」、「家族が減ったため」など、検針員がコメントを入力することができる。
【0068】
このように、被検針メータ5の指針値を撮影し、その撮影した画像が自動認識されるので、従来のような検針員が検針値を入力するような作業を簡易化することができる。また、検針値を入力する際に、誤った値を入力してしまうことを防止することができる。さらに、前回検針値と今回検針値との間に大きな差がある場合に(例えば、今回の検針で水道が全く使用していない)、被検針者に何らかの異常が発生したなど、被検針者の状態を検針員が把握することができる。
【0069】
検針員が検針値を確認し、保存ボタン709を押下すると、その状態で撮影した指針値の画像に撮影日時、集合住宅名、棟名、部屋番号、および検針員名などの情報が付加され(指針値画像にオーバーレイされる)、検針値などとともに保存される。具体的には、検針値、撮影した画像、およびコメント入力フィールド708から入力されたコメントなどを含む検針データ電文が検針管理サーバ1に送信される(ステップS507)。また、削除ボタン710を押下するとこによって、上述した検針値、入力したコメントなどを削除することができる。
【0070】
検針管理サーバ1の通信部11が、ステップS507で送信された検針データ電文を受信すると、制御部12は、受信した検針データ電文に基づいて、検針データテーブル600の該当の検針データレコードを更新する(ステップS508)。具体的には、検針データテーブル600の該当のレコードの検針値、検針日、撮影画像(撮影した画像が検針管理サーバ1に送信されると、補助記憶部14に記憶され、その際に(または、撮影した際に)一意なファイル名が割り当てられる)、およびコメントに該当の値が設定される。
【0071】
このような状態で、検針員は再度、同一の対象年月の検針を行うことによって検針値を修正することができる。検針員が、検針データ入力画面700Bにおいて報告ボタン711を押下すると、ステップS508では、検針データテーブル600の該当のレコードの報告日に該当の値が設定され、検針値の更新ができなくなる。
【0072】
以上のように、携帯端末2のカメラ26を使用して被検針メータ5の指針値を撮影することによって、従来のような検針員が訪問する検針形態を維持しつつ、検針員が容易に検針を行うことができる。また、前回検針値との差を容易に把握することができ、このことは、検針員が被検針者の異常などに気付くことにつながる。
【0073】
<リスト表示>
次に、
図8および
図9を参照して、検針員が検針を行う際に、未検針および検針済みの被検針メータを把握することを容易にするための、携帯端末2が備えるリスト表示機能を説明する。
【0074】
まず、携帯端末2の制御部22が、携帯端末実行プログラムを実行すると、表示部25に確認画面の初期値が表示される。この初期画面で、検針員が自身のIDおよびパスワードで認証すると、集合住宅データテーブル300から、管理者番号が入力されたIDと一致する集合住宅データレコードが取得される(つまり、対象の検針員が管理する集合住宅に対応する集合住宅データレコードが取得される)。また、被検針メータデータテーブル400および検針データテーブル600から、取得した集合住宅データの集合住宅番号および棟番号と一致する被検針メータデータレコードおよび検針データレコードがそれぞれ取得される(これらのレコードは、検針管理サーバ1の制御部により取得され、携帯端末2に送信される)。
【0075】
携帯端末2の表示部25は、それらの取得したレコードに対応する集合住宅をリスト表示する。この際に、そのリストを絞り込むための条件を入力するために、集合住宅選択条件入力画面(図示せず)に遷移することができる。
【0076】
集合住宅選択条件入力画面で、表1に示すような条件を検針員が入力すると、入力された集合住宅選択条件電文が通信部21によって検針管理サーバ1に送信される。検針管理サーバ1の通信部11が集合住宅選択条件電文を受信すると、制御部12が、集合住宅選択条件電文に基づいて、集合住宅データテーブル300および検針データテーブル600から該当のレコードを取得し、携帯端末2に送信する。携帯端末2の表示部25は、
図8に示すように、集合住宅選択画面800を表示する。
【0078】
図8に示すように、集合住宅選択画面800は、集合住宅選択条件で指定された集合住宅(集合住宅選択条件を指定しなかった場合、該当の検針員が管理する全ての集合住宅)をリスト表示する。
【0079】
図8に示す被検針メータ数表示フィールド801および定期検針数表示フィールド802はそれぞれ、対象の集合住宅の各部屋に設置された被検針メータの総数(取得した被検針メータデータレコードのうち検針種別に「1:定期検針」が設定されたレコードの総数)および対象年月の定期検針において検針業務が行われた被検針メータの総数(取得した検針データレコードの総数)を示している。定期検針数表示フィールド802に表示された総数が、被検針メータ数表示フィールド801に表示された総数に満たない場合、対象年月において未検針の被検針メータが存在することを意味し、この場合、定期検針数表示フィールド802が強調表示される。
【0080】
非定期検針数表示フィールド803は、対象年月において非定期検針が行われた被検針メータの総数(取得した被検針メータデータレコードのうち検針種別に「2:非定期検針」が設定されたレコードの総数)を示している。なお、上述した集合住宅選択条件において、非定期検針を指定する場合、非定期検針が必要な被検針メータの総数および非定期検針が行われた被検針メータの総数が表示され、同じように未検針の被検針メータが存在する場合に強調表示されるようにしてもよい。
【0081】
最終報告日時表示フィールド804および処理日時表示フィールド805はそれぞれ、締め処理が行われた日時および直近の処理(例えば、検針業務)が行われた日時を示している。締め処理とは、検針員が、被検針メータの検針を行い、被検針者に課金するためのデータを集計する業務を意味し、締め処理が行われると、検針データテーブル600において、該当の集合住宅に設置された全て被検針メータに対応する検針データレコードの報告日が更新される。なお、集合住宅単位での最終報告日時および処理日時は、年月ごとかつ集合住宅ごとの別途のデータベーステーブル(図示せず)で管理される。
【0082】
集合住宅選択画面800において特定の集合住宅を選択すると、
図9に示す被検針メータ選択画面900Aに遷移する。被検針メータ選択画面900Aでは、取得した被検針メータデータレコードおよび検針データレコードに基づいて、被検針メータの情報がリスト表示される。
【0083】
図9に示す被検針メータ選択画面900Aでは、各被検針メータごとの検針値が検針値表示フィールド901に表示される。検針済み表示インジケータ902は、検針が行われたことを示している。非定期検針表示インジケータ903は、非定期検針があることを示している。
【0084】
被検針メータ選択画面900Aでは、検針員がカメラ26によって撮影した画像のサムネイルを各々の被検針メータごとにリスト表示してもよい。このサムネイルを表示することによって、例えば、検針値表示フィールド901に表示された検針値と、実際に撮影した被検針メータに表示された指針値とが異なる場合に、容易に把握することができる。
【0085】
被検針メータ選択画面900Aで特定の被検針メータを選択すると、被検針メータ履歴表示画面900Bに遷移する。被検針メータ履歴表示画面900Bに遷移する際に、検針データテーブル600から、選択された被検針メータに対応する検針データレコードが取得される(これらのレコードは、検針管理サーバ1の制御部により取得され、携帯端末2に送信され、被検針メータ履歴表示画面900Bに表示される)。
【0086】
被検針メータ履歴表示画面900Bでは、対象の被検針メータの直近数ヶ月分の過去の検針結果が表示される。検針値表示フィールド904には検針値が表示され、差表示フィールド905には1ヶ月前の検針値との差が表示される。特定の被検針メータのフィールドにおいて、所定の入力操作(例えば、タップ操作など)を行うと、明細表示フィールド906がドロップダウン表示され、入力されたコメントなどが表示される。
【0087】
以上のように、検針員が携帯端末2を使用して、検針済みおよび/または未検針の被検針メータを確認することができる。特に、対象年月を指定して未検針のメータ数をリスト形式で参照することができるので、検針員の検針業務を補助することができる。
【0088】
最後に、検針員が対象の集合住宅に設置された被検針メータの全ての検針を終えると、水道局に報告をする必要があるが、その報告をする際のリスト出力について説明する。
【0089】
図8に戻り、締め処理実行ボタン807を押下すると、携帯端末2に接続されたモバイルプリンタ(図示せず)から、検針を終えた対象の被検針メータの全てに対する検針値などを含むCSV形式の報告リストが出力される。この際に、締め処理出力条件入力フィールド806において、定期検針または入居時検針など、検針種別を指定することができ、検針ス別が指定された場合、その検針種別に対応する被検針メータのリストのみが出力される。
【0090】
図10に示すように、モバイルプリンタから出力された報告リスト1000は、今回の報告対象の検針値、前回の検針値などを含む。本実施形態では、検針値のみが報告対象であるが、例えば、上述したように、被検針メータデータテーブルで被検針者が利用する水道の料金体系を特定することができるので、その料金体系に基づいて水道料金を算出し、算出した料金を報告リスト1000に含めてもよい。
【0091】
以上のように、本実施形態に係る検針システムの説明を詳述したが、実施形態で説明した、集合住宅データテーブル300などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。また、本実施形態に係る検針システムは、水道メータの検針のみに適用されるものではなく、電気およびガスの使用量の検針にも適用されてよい。
【解決手段】検針サーバ1に接続されたコンピュータデバイスであって、被検針メータ番号を検針サーバ1に送信し、送信した被検針メータ番号に対応する検針データを検針サーバ1から受信するように構成された通信部21と、被検針メータに表示された指針値を撮影して画像を生成するように構成されたカメラ26と、生成した画像を文字認識することによって第1の検針値を取得し、生成した画像および取得した検針値と、受信した検針データとを関連付けて、検針データ電文を生成するように構成された制御部22とを備え、通信部21は、生成した検針データ電文を検針サーバ1に送信するようにさらに構成される。