(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133488
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】電気器具の制御モジュール
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20170515BHJP
B60H 1/03 20060101ALI20170515BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20170515BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
H05K1/02 C
B60H1/03 C
H01L25/04 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-504593(P2016-504593)
(86)(22)【出願日】2014年3月21日
(65)【公表番号】特表2016-515761(P2016-515761A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】EP2014055700
(87)【国際公開番号】WO2014154581
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】1352738
(32)【優先日】2013年3月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン、プゼナ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー、エルバール
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−バティスト、オードイエ
(72)【発明者】
【氏名】アラン、レナール
【審査官】
原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−170090(JP,A)
【文献】
特開2009−023644(JP,A)
【文献】
特開2011−009426(JP,A)
【文献】
特開平10−256677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H01L 25/07
H01L 25/18
B60H 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(19)を備える、電気器具(10)の制御モジュール(13)であって、
電気電子コンポーネント(26)および少なくとも1つのパワートランジスタ(18)がプリント回路基板(19)に実装され、
前記少なくとも1つのパワートランジスタ(18)は、前記プリント回路基板(19)の第1の領域(20)に固定され、前記第1の領域(20)の第1の導電性トラック(22)に接続されたドレインと呼ばれる第1の端子(D)と、前記プリント回路基板(19)の第2の領域(21)の第2の導電性トラック(23)に接続されたソースと呼ばれる第2の端子(S)と、ゲートと呼ばれる第3の端子(G)とを備え、
前記プリント回路基板(19)は、前記プリント回路基板(19)の前記第1および第2の領域(20、21)の間に少なくとも部分的に材料の不連続性を形成する少なくとも1つの開口(27)を備え、
前記開口(27)は、前記第1および第2の導電性トラック(22、23)の間に位置する、ことを特徴とする制御モジュール(13)。
【請求項2】
前記パワートランジスタ(18)は、前記第1のトラック(22)と電気接触状態にある前記ドレイン(D)を形成する底プレートと、前記第2のトラック(23)に電気的に接続された前記ソース(S)を形成するピン(29)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の制御モジュール(13)。
【請求項3】
前記開口は、前記プリント回路基板(19)の前記第1の領域(20)を少なくとも部分的に囲むスリット(27)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の制御モジュール(13)。
【請求項4】
前記スリット(27)は、略U字状またはL字状であることを特徴とする、請求項3に記載の制御モジュール(13)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御モジュール(13)を備える、暖房装置(10)、特に、自動車用の暖房装置(10)。
【請求項6】
バッテリ(17)の第1の端子に電気的に接続された第1の端子と、第1の電気接続部材(28)を介して前記パワートランジスタ(18)の前記ドレイン(D)に電気的に接続された第2の端子とを備える少なくとも1つの加熱モジュール(12)を備え、
前記バッテリ(17)の第2の端子は、第2の電気接続部材(30)を介して、前記パワートランジスタ(18)の前記ソース(S)に電気的に接続され、
前記加熱モジュール(12)の前記第1の端子は、第3の電気接続部材(32)を介して前記バッテリ(17)の前記第1の端子に電気的に接続され、
前記3つの接続部材(28、30、32)は、電気絶縁取付具(33)を介して互いに機械的に接続されることを特徴とする、請求項5に記載の暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気器具の制御モジュールおよびこのような制御モジュールを備える暖房装置、特に、自動車用の暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、自動車の増設型の電気暖房装置の技術分野に適用される。このような暖房装置は、特に、自動車の始動時の最初の数分、車内に温風を供給できるほどにはエンジンが暖まっていない場合に使用される。このような暖気時間は、例えば、ディーゼルタイプのエンジンの場合、15〜20分である。
【0003】
このような増設型の暖房装置は、一般に、複数の加熱モジュールを並設して加熱対象の空気流が通過するように取り付けられた支持フレームを備える。
【0004】
各加熱モジュールは、2つの電極を備え、これらの2つの電極の間に、正の温度係数のタイプの抵抗素子が配置される。2つの対向するヒートシンクは、加熱対象の空気流と交換表面積が増大するように電極に固定される。ヒートシンクは、例えば、ひだ付きまたは波形の金属ストリップで形成される。
【0005】
このように、各加熱モジュールは、バッテリのプラス端子に電気的に接続されたプラス端子と、金属酸化膜ゲート電解効果トランジスタ、いわゆる、MOSFETなどのパワートランジスタを介して、バッテリのマイナス端子または接地に電気的に接続されたマイナス端子とを備える。
【0006】
より詳しく言えば、各MOSFETは、制御モジュール、いわゆる、ドライバのプリント回路基板にはんだ付けされる。制御モジュールは、支持フレームに固定されたケースに取り付けられる。
【0007】
各MOSFETは、対応する加熱モジュールのマイナス端子に接続されたドレインと呼ばれる第1の端子と、バッテリのマイナス端子または接地に接続されたソースと呼ばれる第2の端子と、MOSFETの開閉を制御可能にする制御モジュールの入力として作用するゲートと呼ばれる第3の端子とを備える。
【0008】
異なる電気リンクは、特に、プリント回路基板に固定された電気絶縁取付具によって機械的に接続された導体バーによって設けることができる。
【0009】
このような暖房装置は、特に、本願出願人と同一の出願人による仏国特許出願公開第2954606号から知られている。
【0010】
MOSFETが開いているとき、対応する抵抗素子には電流が流れない。一方で、MOSFETが閉じているのとき、抵抗素子に電流が流れ、電極およびヒートシンクの加熱を引き起こす。
【0011】
MOSFETが閉じているとき、すなわち、オン状態にあるとき、MOSFETは、例えば、およそ4mΩの値の抵抗Rdsonを有する。MOSFETおよび抵抗素子に流れる電流が比較的大きいため、通常の動作において、例えば、2W〜3Wの熱量がMOSFETによって消失する。
【0012】
また、MOSFETが動作中にダメージを受ける可能性も非常に低い。ほとんどの場合、このダメージは、結果的に、ドレインとソースとの間の妨げとなる短絡状態になる。言い換えれば、MOSFETは、MOSFET内部のインピーダンスが、ドレインとソースとの間に並列に取り付けられているように挙動する。このインピーダンスは、例えば、およそ40mΩの値を有する。このとき、MOSFETによって消失する熱は、例えば、およそ30Wである。
【0013】
この熱により、最終的には、プリント回路基板の材料の劣化が進み、このような劣化は、通常絶縁性の材料であるものを、比較的伝導性のある材料へ変えてしまう。
【0014】
このような劣化がドレインとソースとの間、特に、ドレインとソースとが電気的に接続された導電性トラック間に広がれば、プリント回路基板の劣化した材料がレジスタとして作用する。並行して、MOSFETは、加熱素子のマイナス端子が、プリント回路基板の劣化材料によって形成されたレジスタを介してバッテリのマイナス端子または接地に接続されるように最終的に完全に開いた状態になる。この場合、このレジスタは、例えば、およそ10Ωである。この抵抗によって消失する熱は、およそ10〜15Wである。
【0015】
このとき消失する熱量が著しい場合、この熱により、プリント回路基板および/または周辺素子に発火や発煙が生じる危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2954606号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、特に、この問題に対処するための単純で効果的な低コストの解決方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的を達成するために、電気電子コンポーネントおよび少なくとも1つのパワートランジスタが実装されたプリント回路基板を備え、少なくとも1つのパワートランジスタは、例えば、金属酸化膜ゲートを有する電解効果トランジスタであり、プリント回路基板の第1の領域に固定され、前記第1の領域の第1の導電性トラックに接続されたドレインと呼ばれる第1の端子と、プリント回路基板の第2の領域の第2の導電性トラックに接続されたソースと呼ばれる第2の端子と、ゲートと呼ばれる第3の端子とを備える、電気器具の制御モジュールであって、プリント回路基板は、プリント回路基板の第1および第2の領域の間に少なくとも部分的に材料の不連続性を形成する少なくとも1つの開口を備え、前記開口は、第1および第2の導電性トラックの間に位置することを特徴とする制御モジュールを提案する。
【0019】
このようにして、パワートランジスタにダメージが生じている場合、プリント回路基板の第1の領域の材料が劣化していても、開口は、プリント回路基板の第1および第2の領域間および関連する第1および第2の導電性トラックの間に材料の不連続性を生じさせる。
【0020】
上述した暖房装置の特定の場合において、MOSFETの劣化が生じている場合、暖房装置のマイナス端子が、劣化材料によって形成されたレジスタを介して、バッテリのマイナス端子または接地端子に接続されることがないように防止される。したがって、発火の危険性や、それに伴って煙が発生する危険性が回避される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、パワートランジスタは、第1のトラックと電気接触状態にあるドレインを形成する底プレートと、第2のトラックに電気的に接続されたソースを形成するピンとを備える。
【0022】
好ましくは、開口は、プリント回路基板の第1の領域を少なくとも部分的に囲むスリットである。
【0023】
この場合、スリットは、略U字状またはL字状でありえ、基部を備え、この基部から少なくとも1つのブランチが延伸する。
【0024】
本発明はまた、上述したタイプの制御モジュールを備える暖房装置、特に、自動車用の暖房装置に関する。暖房装置は、バッテリの第1の端子に電気的に接続された第1の端子と、第1の電気接続部材を介してパワートランジスタのドレインに電気的に接続された第2の端子とを備える少なくとも1つの加熱モジュールをさらに備え、バッテリの第2の端子は、第2の電気接続部材を介して、パワートランジスタのソースに電気的に接続され、加熱モジュールの第1の端子は、第3の電気接続部材を介してバッテリの第1の端子に電気的に接続され、3つの接続部材は、電気絶縁取付具を介して互いに機械的に接続される。
【0025】
接続部材は、例えば、導体バーである。
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、非制限的な例によって与えられる以下の記載を読むことで、本発明はさらに深く理解され、本発明の他の詳細、特徴および利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術によるMOSFETの通常動作の場合における加熱素子のマイナス端子とバッテリの接地との間に実装されたMOSFETを示す概略図。
【
図2】MOSFETの劣化状態、すなわち、ドレインとソースとの間の妨げとなる短絡状態を示す、
図1に対応する図。
【
図3】MOSFETの完全に開いた劣化状態とプリント回路基板の劣化状態とを示す、
図1に対応する図。
【
図4】
図3の場合を示す、プリント回路基板の一部の平面図。
【
図6】
図4の暖房装置を構成する、本発明による制御モジュールの平面図。
【
図7】本発明による制御モジュールを構成するプリント回路基板の底面図。
【
図8】異なる導電性トラックを示すプリント回路基板の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、プリント回路基板上に実装されるMOSFETと呼ばれる金属酸化膜ゲートを有する電解効果トランジスタなどのパワートランジスタ1の通常動作モードを示す。このようなトランジスタ1は、従来、ドレインと呼ばれる第1の端子Dと、ソースと呼ばれる第2の端子Sと、ゲートと呼ばれる第3の端子Gとを備え、MOSFETの開閉を制御することができる。
【0029】
ドレインDは、例えば、特に、第1の導電性トラック3(
図4)を介して、加熱モジュール2のマイナス端子に電気的に接続され、加熱モジュール2のプラス端子は、例えば、バッテリのプラス端子によって形成された電位に接続される。ソースSは、例えば、特に、第2の導電性トラック4を介して、バッテリのマイナス端子または接地に接続される。
【0030】
このように、通常動作において、MOSFET1が開いているとき、加熱モジュール2に電流は流れない。一方で、MOSFET1が閉じられているとき、電流が加熱モジュール2に流れる。
【0031】
MOSFET1が閉じているとき、すなわち、オン状態にあるとき、MOSFET1は、例えば、およそ4mΩの値の抵抗Rdsonを有する。MOSFET1に流れる電流が比較的大きいため、通常の動作において、例えば、2W〜3Wの熱量がMOSFET1によって消失する。
【0032】
また、MOSFET1が動作中にダメージを受ける可能性も非常に低い。ほとんどの場合、このダメージは、結果的に、ドレインDとソースSとの間の妨げとなる短絡状態になる。
図2に、このような劣化状態が示されている。
【0033】
言い換えれば、MOSFET1は、インピーダンス5(MOSFET1の内部)がドレインDとソースSとの間に並列に取り付けられているように挙動する。このインピーダンス5は、例えば、およそ40mΩの値を有する。このとき、MOSFET1によって消失する熱は、例えば、およそ30Wである。
【0034】
この熱により、最終的には、プリント回路基板(
図4)の材料の劣化が進み、このような劣化は、通常絶縁性の材料であるものを、比較的伝導性のある材料へ変えてしまう。
【0035】
このような劣化がドレインDとソースSとの間、特に、ドレインDとソースSとが電気的に接続された導電性トラック3、4間に広がれば、プリント回路基板の劣化した材料6が抵抗として作用する(
図5)。並行して、MOSFETは、加熱素子のマイナス端子が、プリント回路基板の劣化材料によって形成されたレジスタを介してバッテリのマイナス端子または接地に接続されるように最終的に完全に開いた状態になる。このとき、このレジスタ7は、例えば、およそ10Ωである。このレジスタ7によって消失する熱は、よそ10〜15Wである。
【0036】
このとき消失する熱量が著しい場合、この熱により、プリント回路基板および/または周辺素子に発火や発煙が生じる危険がある。
【0037】
図5は、自動車に装備するための、本発明による増設型の電気暖房装置10を示す。このような暖房装置10は、特に、自動車を使用する最初の数分、車内に温風を供給できるほどにはエンジンが暖まっていない場合に使用される。
【0038】
この暖房装置10は、加熱対象の空気流が通過するように配設された並列加熱モジュール12が取り付けられた平行六面体の支持フレーム11を備える。加熱モジュール12は、支持フレーム11に固定されたケース14に取り付けられた制御モジュール13(
図6)または駆動部を用いて制御される。
【0039】
各加熱モジュール12は、
図9の+および−を基準とする2つの電極または端子を備え、これらの間に正の温度係数(PTC)タイプの抵抗素子15(
図9)が配置される。2つの対向するヒートシンク16は、加熱対象の空気流と交換表面積が増大するように電極に固定される。ヒートシンク16は、例えば、ひだ付きまたは波形の金属ストリップから形成される。
【0040】
このように、各加熱モジュール12は、バッテリ17のプラス端子に電気的に接続されたプラス端子と、金属酸化膜ゲートを有する電解効果トランジスタ(MOSFET)などのパワートランジスタ18を介して、バッテリ17のマイナス端子に電気的に接続されたマイナス端子とを備える。
【0041】
制御モジュール13は、MOSFET18が実装された第1の領域20と、さまざまな電気電子コンポーネントが、特に、はんだ付けまたは実装された第2の領域21(
図7および
図8)とを備えるプリント回路基板19を備える。
【0042】
各第1の領域20は、略矩形状であり、上面に第1のトラック22(
図8)を備え、第1のトラック22は、第1の領域20のほとんどにわたって延伸し、対応するMOSFET18のドレインDに接続される。さらに詳細には、各MOSFET18は、第1のトラック22と電気的に接触したドレインDを形成し、第1のトラック22にはんだ付けされた底プレートを備える。
【0043】
電子基板19の第2の領域21は、対応する第1のトラック22と全体的に対面して配置された3つの第2の導電性トラック23および3つの第3の導電性トラック24と、バッテリ17のマイナス端子または接地に接続された第4の導電性トラック25とがそれぞれ形成された上面を備える。第4のトラック25は、以下にさらに詳細に記載するように、第2の領域のほとんどにわたって延伸し、接地面を形成する。各第2のトラック23は、レジスタまたは「シャント」26(
図6)を介して接地面25に接続され、電流測定の実行が可能になる。この「シャント」の値は非常に低く、およそ数ミリΩである。
【0044】
プリント回路基板19は、プリント回路基板19の各第1の領域20と第2の領域21との間にそれぞれ位置する3つのスリット27を備え、各スリット27は、プリント回路基板19の第1および第2の領域20、21の間に少なくとも部分的に材料の不連続性を形成し、前記スリット27は、特に、第1および第2の導電性トラック22、23の間に位置または挿入される。
【0045】
このスリット27は、略U字状であり(または用途やスリットの位置に応じてL字状)であり、基部を備え、この基部から2つのブランチが延伸する。
【0046】
図7にさらに良好に示されているように、各MOSFET18のドレインDは、対応する第1のトラック22および第1のトラック22にはんだ付けされた末端を有する第1の導体バー28を介して、対応する加熱モジュール12のマイナス端子に接続される。
【0047】
ソースSは、MOSFET18の第1のピン29によって形成され、プリント回路基板19の第2および第4のトラック23、25を介して、対応する「シャント」26を介して、第4のトラック25にはんだ付けされた末端を有する第2の導体バー30を介して、バッテリ17のマイナス端子または接地に接続される。以下、本明細書において、説明を簡略化するために、「シャント」26の存在は無視する。
【0048】
最後に、MOSFET18のゲートGは、MOSFET18の開閉を制御可能にする制御信号の入力として作用するピン31によって形成され、前記ピン31は、プリント回路基板19の対応する第3のトラック24にはんだ付けされる。
【0049】
バッテリ17および加熱モジュール2のプラス端子間の電気リンクは、第3の導体バー32によって与えられる。
【0050】
異なる導体バー28、30、32は、互いに機械的に接続され、合成材料で外側が被覆された取付具32によって互いに電気的に絶縁され、取付具32は、前記導体バー28、30、32および取付具33が一体化された組立体を形成するように支持体として作用する。取付具33は、プリント回路基板19に固定される。
【0051】
前述したように、MOSFET18が開いているとき、対応する抵抗素子15には電流が流れない。一方で、MOSFET18が閉じられているとき、抵抗素子18に電流が流れるため、対応する加熱モジュール12の温度が上昇する。
【0052】
各MOSFET18は、周期的に開閉でき、各加熱モジュール12によって達する温度は、MOSFET18の開閉のタイミングに応じたものとなる。
【0053】
スリット27が存在することで、プリント回路基板19の材料6が劣化により温度が急上昇しうる
図3に示す事態を回避することができる。
【0054】
このスリット27により、ドレインD(第1のトラック22)の電位と、ソースS(第2のトラック23または第4のトラック25)の電位との間に配置されたレジスタ7のように劣化材料6が作用する事態が防止される。なお、「シャント」26の影響が無視できるものとすると、第2および第4のトラック23、25の電位は実質的に同一である。