【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の化学式(I)に示す構造式を有する有機電子材料である。
【0008】
【化1】
【0009】
ここで、R
1、R
3は、独立して、水素、重水素原子、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、C1−C8アルキル基、C1−C8アルコキシ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリール基、C3−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の一つ又は複数のヘテロ原子含有のアリール基、C2−C8の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアルケニルアルキル基、C2−C8の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアルキニルアルキル基、C8−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールビニル基、C8−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールエチニル基、トリアルキルシリル、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールシリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールホスホロソ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリールカルボニル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリールスルフィニル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30のヘテロ原子含有の置換もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールアミノ基
から選択され、
R2は、独立して、水素、重水素原子、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、C1−C8アルキル基、C1−C8アルコキシ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリール基、C3−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の一つ又は複数のヘテロ原子含有のアリール基、C2−C8の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアルケニルアルキル基、C2−C8の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアルキニルアルキル基、C8−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールビニル基、C8−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールエチニル基、トリアルキルシリル、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールシリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールホスホロソ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリールカルボニル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のアリールスルフィニル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30のヘテロ原子含有の置換もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールアミノ基から選択され、或いは二つのR
2基同士はスピロ構造を形成し、前記ヘテロ原子はB、O、S、N、Se
から選択される。
Ar
1−Ar
2は、独立して、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有のアリール基、一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールアミノ基
から選択される。
ここで、Rは、独立して、アルキル基、5員環又は6員環のアリール基、アルコキシ基、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アミノ基
から選択される。
【0010】
更に好ましくは、ここで、R
1、R
3は、独立して、水素、ハロゲン、C1−C8アルキル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のフェニル基、一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールアミノ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基から選択され、
R2は、独立して、水素、ハロゲン、C1−C8アルキル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のフェニル基、一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のジアリールアミノ基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基から選択され、或いは二つのR
2はスピロフルオレン構造を形成し、Ar
1−Ar
2は、独立して、一つ又は複数の置換基R含有のアリール基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換の芳香族縮合環基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のカルバゾリル基、C6−C30の一つ又は複数の置換基R含有もしくは非置換のトリアリールアミノ基
から選択され、ここで、Rは、独立して、アルキル基、5員環又は6員環のアリール基、アルコキシ基、ハロゲン
から選択される。
【0011】
更に好ましくは、ここで、R
1、R
3は、独立して、水素、C1−C8アルキル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のフェニル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のナフチル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のカルバゾリル基から選択され、
R2は、独立して、水素、C1−C8アルキル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のフェニル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のナフチル基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、一つ又は複数のC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アリール基置換もしくは非置換のカルバゾリル基から選択され、或いは二つのR
2基同士はスピロ構造を形成する。
【0012】
更に好ましくは、ここで、R
1、R2は、独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、C1−C3アルキル基置換もしくは非置換のフェニル基、C1−C3アルコキシ基置換もしくは非置換のフェニル基、ナフチル基
、一つ又は複数のメチル基、フェニル基置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、一つ又は複数のメチル基、フェニル基置換もしくは非置換のカルバゾリル基から選択され、
或いは二つのR
2基同士はスピロ構造を形成し、
R3は、独立して、水素、C1−C8のアルキル基、C1−C3置換もしくは非置換のフェニル基から選択される。
【0013】
更に好ましくは、ここで、R
1、R
2は、独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、フェニル基、トリル基から選択され、ここで、R
3は、独立して、水素、C1−C3アルキル基、C1−C3アルキル基置換もしくは非置換のフェニル基から選択される。
【0014】
最も好ましくは、ここで、R
3は、
水素、メチル基、フェニル基
から選択され、R
1は、独立して、水素、メチル基、t−ブチル基、フェニル基から選択され、
R2は、独立して、水素、メチル基、t−ブチル基、フェニル基から選択され、或いは二つのR
2基同士はスピロ構造を形成し、Ar
1−Ar
2は、独立して以下のいずれか一つの基
から選択される。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
最も好ましくは、ここで、R
1、R
2、R
3は、独立して、水素、メチル基、フェニル基から選択され、Ar
1−Ar
2は、独立して、フェニル基、ナフチル基又はビフェニル基
から選択される(以下の化合物1〜3、5〜7、9〜11、13、14、19、31〜34、36〜40)。
【0024】
本発明は、前記有機電子材料の有機エレクトロルミネッセンス素子、有機太陽電池、有機薄膜トランジスタ又は有機光受容器の分野への応用である。
【0025】
発明の具体的な実施例は以下の化合物1〜40に示されるが、それらに限定されない。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
【化27】
【0044】
【化28】
【0045】
【化29】
【0046】
本発明の材料で作製される有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、少なくとも一層に前記化学式(I)の構造式に示す有機材料を含有する一層又は多層の有機層とを含む。前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層を含んでよい。前記有機層は、必要に応じて、すべて存在しなければならないわけではないことを特に説明すべきである。
【0047】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と発光層の間に、単独に一層として存在してもよく、混合成分中の一種としてもよい、少なくとも一層の前記化学式(I)の構造式に示す有機材料を含む。
【0048】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記正孔輸送層又は前記正孔注入層として少なくとも一層の前記化学式(I)の構造式に示す有機材料を含む。単独に一層の形式として存在してもよく、その他の化学成分と混合して使用してもよい。
【0049】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも1つの前記化学式(I)の構造式を有する化合物を含有する一層の発光層を含んでよい。この発光層の発光領域は、380−740nmの範囲内にあり、白色光領域全体を覆う。好ましくは、本発明の範囲は、380−550nmにあり、より好ましくは、範囲が440−490nmにある青色光を出射する。
【0050】
前記化学式(I)の構造式の化合物を発光層とする際、ドープしない単一発光層としてもよく、又はドープした発光層としてもよい。
【0051】
前記ドープした発光層は、ホスト材料とゲスト材料を含み、前記化学式(I)の構造式の化合物は必要に応じてホスト材料であってもよく、又はゲスト材料であってもよい。前記化学式(I)の構造式の二つの化合物を同時に使用してそれぞれホスト材料とゲスト材料とする場合を含む。
【0052】
前記化学式(I)の構造式の化合物をホスト材料とする際、その濃度が発光層全体の重量の20−99.9%であり、好ましくは80−99%であり、更は好ましくは90−99%である。前記化学式(I)の構造式の化合物をゲスト材料とする際、その濃度が該発光層重量の0.01−80%であり、好ましくは1−20%であり、更は好ましくは1−10%である。
【0053】
本発明に係る前記正孔輸送層と前記正孔注入層において、必要な材料は好適な正孔輸送性能を有し、効果的に正孔を陽極から有機発光層に輸送することができる。前記化学式(I)の構造式に示す材料以外に、更に小分子と高分子有機材料を含んでよく、トリアリールアミン化合物、ビフェニルジアミン化合物、チアゾール化合物、オキサゾール化合物、イミダゾール類化合物、フルオレン類化合物、フタロシアニン類化合物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7’,8,8’−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン、ポリビニル、ポリベンゼンスルホン酸を含んでよいが、それらに限定されない。
【0054】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス層は、本発明の化合物を含有する以外、更に、ナフタリン類化合物、ピレン類化合物、フルオレン類化合物、フェナントレン類化合物、クリセン類化合物、フルオランテン類化合物、アントラセン類化合物、ペンタセン類化合物、ペリレン類化合物、ジアリールエチレン類化合物、トリフェニルアミンエチレン類化合物、アミン類化合物、ベンズイミダゾール類化合物、フラン類化合物、有機金属キレートを含んでよいが、それらに限定されない。
【0055】
本発明の有機電子素子に使用する有機電子輸送材料は、好適な電子輸送性能を有して効果的に電子を陰極から発光層に輸送可能であることが求められており、オキサゾール、チアゾール類化合物、トリアゾール類化合物、トリアジン類化合物、トリアジン類化合物、キサリン類化合物、フェナジン類化合物、ケイ素含有複素環類化合物、キノリン類化合物、フェナントロリン類化合物、金属キレート、フッ素置換ベンゼン類化合物を選択できるが、それらに限定されない。
【0056】
本発明の有機電子素子は必要に応じて効果的に電子を陰極から有機層に注入可能である一層の電子注入層を加えてもよく、主にアルカリ金属又はアルカリ金属の化合物から選択され、もしくはアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の化合物から選択され、リチウム、フッ化リチウム、酸化リチウム、窒化リチウム、8−ヒドロキシキノリンリチウム、セシウム、炭酸セシウム、8−ヒドロキシキノリンセシウム、カルシウム、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、マグネシウム、フッ化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムを選択できるが、それらに限定されない。
【0057】
本発明の電子素子有機層の総厚さは、1−1000nmであり、好ましくは1−500nmであり、更に好ましくは50−300nmである。
【0058】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子におけるそれぞれの層は、蒸着又はスピンコーティングの方式、又はインクジェット印刷等の方式によって作製することができる。本発明での蒸着方式による作製において、真空蒸着方式を利用し、真空度が10
−5barより小さく、好ましくは10
−6barより小さい。