特許第6133504号(P6133504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133504
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】バルク音響波共振器チューナ回路
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   H04B1/04 B
【請求項の数】22
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-521390(P2016-521390)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-522656(P2016-522656A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】US2013047993
(87)【国際公開番号】WO2014209307
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】515140897
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マルサムス、サラヴァナ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー、トーステン
(72)【発明者】
【氏名】ヘレロ、パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】セイデマン、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】クヌーセン、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ヤルヴィネン、パウリ
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−019515(JP,A)
【文献】 特表2012−531123(JP,A)
【文献】 特開2012−199710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/04
H04B 1/38−1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
出力ポートを有する送信機回路と、
一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、前記アンテナに連結されるアンテナポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結される送信機ポートと、制御ポートとを有するチューナ回路と、
前記制御ポートに連結された制御回路と、
を備え、
前記送信機回路は、電力増幅器(PA)を有し、前記PAは供給電圧を受けるべく供給電圧ポートを含み、前記PAは、出力電力レベルにおいて電流を出力すべく前記送信機回路の前記出力ポートに連結されるPA出力ポートを含み、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、
前記制御回路は、前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させるべく、前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される、モバイル通信デバイス。
【請求項2】
アンテナと、
出力ポートを有する送信機回路と、
一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、前記アンテナに連結されるアンテナポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結される送信機ポートと、制御ポートとを有するチューナ回路と、
前記制御ポートに連結された制御回路と、
を備え、
前記送信機回路は、送信機に連結される送信機ポートと、受信機に連結される受信機ポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結されて前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの一つに制御可能に連結されるダイプレクサ出力ポートと、を含むダイプレクサを有し、
前記制御回路は、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に、前記送信機回路の前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを前記送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される、モバイル通信デバイス。
【請求項3】
アンテナと、
出力ポートを有する送信機回路と、
一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、前記アンテナに連結されるアンテナポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結される送信機ポートと、制御ポートとを有するチューナ回路と、
前記制御ポートに連結され、前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つは、前記モールド化合物の外側に配置される、モバイル通信デバイス。
【請求項4】
前記アンテナは、第1アンテナであり、
受信機に連結され、前記第1アンテナと異なる第2アンテナを、
さらに備える
請求項1または請求項3に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項5】
一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、アンテナに連結されるアンテナポートと、制御ポートとを有するチューナ回路を提供する段階、及び、
前記チューナ回路に連結され、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成されるPA出力ポートを含み、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有する、電力増幅器(PA)を提供する段階、
前記制御ポートに連結され、前記チューナ回路のインピーダンスが前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させることを可能にすべく、前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づいて前記BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントを調整することによって、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路を提供する段階、
を備える
無線周波数通信用の方法。
【請求項6】
送信機に連結される送信機ポートを有するダイプレクサを提供する段階、
をさらに備え、
前記ダイプレクサは、受信機に連結される受信機ポートと、前記チューナ回路に連結されて前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの一つに制御可能に連結されうるダイプレクサ出力ポートとをさらに有し、
前記制御回路は、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に、送信機回路の出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを前記送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介して前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整するように構成される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
送信機に連結される送信機ポートと、受信機に連結される受信機ポートと、前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されうるダイプレクサ出力ポートとを含む無線周波数ダイプレクサ、
前記ダイプレクサ出力ポートに連結され、一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、一つまたは複数の他のコンポーネントと、アンテナに連結されうるアンテナポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、及び、
前記制御ポートに連結され、前記ダイプレクサ出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に前記送信機のインピーダンスに一致させ、前記ダイプレクサ出力ポートが前記受信機ポートに連結される場合には前記受信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の他のコンポーネントの調整を介し前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、
を備える無線周波数(RF)通信回路。
【請求項8】
前記制御回路は、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整すべく、前記チューナ回路に含まれ、少なくとも一つのBAWRの2つの電極、の間で印加されうるDC電圧を調整するように構成される、
請求項7に記載のRF通信回路。
【請求項9】
前記制御回路は、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含む、
請求項7に記載のRF通信回路。
【請求項10】
前記制御回路は、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含む、
請求項7に記載のRF通信回路。
【請求項11】
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つは、前記モールド化合物の外側に配置される、
請求項7に記載のRF通信回路。
【請求項12】
前記送信機及び前記送信機ポートの間で連結されうる電力増幅器(PA)、
をさらに備え、
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記PAは、前記モールド化合物の外側に配置される、
請求項7から11のいずれか一項に記載のRF通信回路。
【請求項13】
前記送信機及び前記送信機ポートの間で連結されうる電力増幅器(PA)、
をさらに備え、
前記制御回路及び前記PAは、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれる、
請求項7から11のいずれか一項に記載のRF通信回路。
【請求項14】
一つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、送信機アンテナに連結されうるアンテナポートと、信号ポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、
出力ポートを有し、前記信号ポートに連結され、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成される電力増幅器(PA)、前記PAは、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、及び、
前記制御ポートに連結され、前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させるべく、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、
を備える
無線周波数(RF)通信回路。
【請求項15】
ダイプレクサは、前記PA及び前記チューナ回路の間に介在しない、
請求項14に記載のRF通信回路。
【請求項16】
前記無線周波数(RF)通信回路は、モバイル通信デバイスに含まれ、
前記出力電力レベルは、前記モバイル通信デバイス及び前記モバイル通信デバイスと通信を行う基地局の間の距離に少なくとも部分的に基づく、
請求項14に記載のRF通信回路。
【請求項17】
前記制御回路は、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整すべく、前記チューナ回路に含まれ、少なくとも一つのBAWRの2つの電極の間において印加されうるDC電圧を提供するように構成される、
請求項14に記載のRF通信回路。
【請求項18】
前記制御回路は、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく、調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含む、
請求項14に記載のRF通信回路。
【請求項19】
前記制御回路は、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく、複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含む、
請求項14に記載のRF通信回路。
【請求項20】
前記PA、及び、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つは、フリップチップ構造体において隣り合ってパッケージされる、
請求項14から19のいずれか一項に記載のRF通信回路。
【請求項21】
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記PA、及び、前記一つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも一つは、前記モールド化合物の外側に配置される、
請求項14から20のいずれか一項に記載のRF通信回路。
【請求項22】
前記PAは、ワイヤボンディングパッケージに含まれる、
請求項14から21のいずれか一項に記載のRF通信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の複数の実施形態は概して、複数の集積回路の分野に関し、特に無線周波数(RF)通信用の複数のバルク音響波共振器チューナ回路を用いることに関連付けられる複数の技術及び複数の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのモバイル通信デバイスは、複数の周波数帯域における複数の送信及び受信動作をサポートするが、様々な動作状況下、複数のコンポーネント間における複数のミスマッチに起因する電力損失によって、これら複数のデバイスの性能は、しばしば損なわれる。例えば、無線周波数(RF)エネルギ損失を制限すべく、複数の別個のインピーダンスチューナ回路は、アンテナ及びモバイル通信デバイスの他の前端部回路の間によく含まれ、アンテナのインピーダンスを当該前端部回路のインピーダンスに一致させる。このような複数のチューナは、モバイル通信デバイス内のプリント回路基板上において相当なスペースを占め、挿入損失及びいくつかの周波数帯域における複数の低品質要因に起因して過剰な電力消費を引き起こし得る。いくつかのモバイル通信デバイスはまた、アンテナによって生成されるRF信号の電力を調整すべく(例えば、モバイル通信デバイスが基地局から離れて移動する場合に電力を増加させるなど)、電力増幅器へ供給される電圧を調整するのに用いられる、電力増幅器及びアンテナ、の間で複数のDC/DCコンバータを含む。しかし、複数のDC/DCコンバータは、高価な場合があり、モバイル通信デバイスの性能に影響し得る高レベルのノイズをもたらし得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
複数の実施形態は、複数の添付の図面と共に以下の詳細な説明によって容易に理解されるであろう。この説明を容易にすべく、複数の同様の参照符号は、複数の同様の構造的要素を指す。複数の実施形態は、複数の添付の図面の複数の図において、例として示され、限定として示されるものではない。
【0004】
図1】いくつかの実施形態に係る、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)を含むチューナ回路を有する無線周波数(RF)通信回路を概略的に示す。
【0005】
図2】いくつかの実施形態に係る、強固に装着されるBAWRの簡略化された側断面図である。
【0006】
図3】いくつかの実施形態に係る、膜BAWRの簡略化された側断面図である。
【0007】
図4】いくつかの実施形態に係る、チューナ回路に含まれ得るBAWR構成を示す。
【0008】
図5】いくつかの実施形態に係る、チューナ回路に含まれ得るBAWR構成を示す。
【0009】
図6】いくつかの実施形態に係る、複数のBAWR及び複数の可変キャパシタを有するチューナ回路の例を示す。
【0010】
図7】いくつかの実施形態に係る、BAWRと複数のキャパシタと複数のスイッチとを有するチューナ回路の例を示す。
【0011】
図8】いくつかの実施形態に係る、インピーダンスマッチング用に構成される図1のRF通信回路の実施形態を概略的に示す。
【0012】
図9】いくつかの実施形態に係る、負荷線切り替え用に構成される図1のRF通信回路の実施形態を概略的に示す。
【0013】
図10】いくつかの実施形態に係る、RF通信の方法のフロー図である。
【0014】
図11】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第1集積回路(IC)パッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0015】
図12】いくつかの実施形態に係る、図11のICパッケージの簡略化された上面図である。
【0016】
図13】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第2ICパッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0017】
図14】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第3ICパッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0018】
図15】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第4ICパッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0019】
図16】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第5ICパッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0020】
図17】いくつかの実施形態に係る、図1のRF通信回路の第6ICパッケージ実施形態の簡略化された側断面図である。
【0021】
図18】いくつかの実施形態に係る、モバイル通信デバイスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の複数の実施形態は、複数のバルク音響波共振器(BAWR)チューナ回路と、無線周波数(RF)通信用の、複数の集積回路(IC)パッケージ及びモバイル通信デバイス、におけるインピーダンスマッチング用のそれらの使用とに関する複数の技術及び複数の構成を説明する。以下の説明において、複数の例示的な実装例の様々な態様は、それらの作業の実態を他の当業者に伝達する当業者によって通常に使われる複数の用語を用いて説明される。しかし、本開示の複数の実施形態は、説明される複数の態様のうちのいくつかのみによって実施され得ることが、当業者には明らかであろう。複数の説明目的のため、複数の例示的な実装の完全な理解を提供すべく、複数の特定の番号、複数の材料、及び複数の構成が記載される。しかしながら、本開示の複数の実施形態は、複数の具体的な詳細がなくても実施され得ることが、当業者には明らかであろう。他の複数の例において、複数の例示的な実装を曖昧にしないようにすべく、複数の周知の特徴は省略または簡略化されている。
【0023】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する複数の添付の図面に対し、参照がなされる。そこでは随所にわたり、複数の同様の番号が複数の同様の部分を指し、本開示の主題を実施され得る複数の実施形態の例示として、示される。複数の他の実施形態が利用されてよく、構造的または論理的な複数の変更が、本開示の範囲を逸脱することなくなされうることが理解されるであろう。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈されるべきではなく、複数の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの複数の均等物によって定義される。
【0024】
本開示の複数の目的のため、「A及び/またはB」という表現は、(A)、(B)または(A及びB)を意味する。本開示の複数の目的のため、「A、B及び/またはC」という表現は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、または(A、B及びC)を意味する。
【0025】
説明は、例えば上部/底部、入/出、上方/下方などの透視に基づく複数の説明を用いてよい。このような複数の説明は、説明を容易にすべく単に用いられるに過ぎず、本明細書において説明される複数の実施形態の用途を任意の特定の方向に制限することは意図されない。
【0026】
本説明は、「実施形態において」または「複数の実施形態において」という複数の表現を用いてよく、これらはそれぞれ同一または複数の異なる実施形態のうちの1つまたは複数を指してよい。さらに、本開示の複数の実施形態について用いられるような「備える」、「含む」、「有する」等といった複数の用語は、同義語であることを意味する。
【0027】
「に連結される」という用語とそれの複数の派生語は、本明細書において用いられ得る。「連結」は、以下のうちの1つまたは複数を意味し得る。「連結」は、直接物理的にまたは電気的に接触する2つまたはそれより多くの要素を意味し得る。しかし、「連結」はまた、2つまたはそれより多くの要素が、間接的に互いに接触するが互いもまた協働し合いまたはインタラクトすることを意味し得、1つまたは複数の他の要素が、連結されまたは互いに連結されると言われる複数の要素間で接続されることを意味し得る。
【0028】
図1は、いくつかの実施形態に係る、示されるように連結される、1つまたは複数のBAWR110、送信機回路102、アンテナ114、及び制御回路118、を有するチューナ回路106を含み得るRF通信回路100を概略的に示す。チューナ回路106は、アンテナ114に連結されるように構成されるアンテナポート112、送信機回路102の出力ポート104に連結されるように構成される信号ポート108、及び制御回路118のポート120に連結されるように構成される制御ポート116を含み得る。いくつかの実施形態において、チューナ回路106のインピーダンスは、以下により完全に説明される、BAWRまたは他のコンポーネントを調整することによって、調整され得る。いくつかの実施形態において、RF通信回路100は、システムインパッケージ(SIP)構造体に配置されてよい。
【0029】
本明細書において用いられるように、「ポート」という用語は、多数のシグナリング経路用の1つまたは複数の電気、光学、または他の複数のインタフェースを表し得る。例えば、チューナ回路106の制御ポート116は、制御回路118の複数のコンポーネントとチューナ回路106の複数のコンポーネントとの複数の異なる組み合わせ間の複数のシグナリング経路用のインタフェースであってよい。別の例において、送信機回路102の出力ポート104は、1つまたは複数の現用回線及び1つまたは複数の接地線用のインタフェースであってよい。制御回路118及びチューナ回路106の間の複数のインタフェースの複数の追加的な非限定的例は、以下に述べられる。さらに、与えられるポート「において」または「から」の複数の量の測定に対し、本明細書において参照がなされる場合は、電気的に一点から、またはそうでなければ、当該ポートと同等のものから、なされる任意の測定は、当該ポート「において」または「から」なされる複数の測定と考えられる。例えば、送信機回路102の出力ポート104が、チューナ回路106の信号ポート108の複数の現用及び接地線にそれぞれ接続されるべく、現用回線及び接地線用に提供する場合、出力ポート104の複数の端子「から」なされるチューナ回路106のインピーダンス測定は、信号ポート108の複数の同等の端子に電気的にアクセスすることによってなされるインピーダンス測定を含んでよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、制御回路118は、チューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。チューナ回路106のインピーダンスは、送信機回路102の出力ポート104から測定されるようなインピーダンスであってよい。いくつかの実施形態において、制御回路118は、アンテナ114のインピーダンスに少なくとも部分的に基づきチューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。制御回路118は、(例えば、チューナ回路106のアンテナポート112から測定されるような)アンテナ114のインピーダンスを測定してよく、及び/または制御回路118は、(例えば、送信機回路102の出力ポート104から測定されるような)チューナ回路106のインピーダンスとアンテナ114のインピーダンスの両方を含むインピーダンス測定に基づきチューナ回路106のインピーダンスを調整してよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、制御回路118は、複数のBAWR110の1つのBAWRまたはチューナ回路106の別のコンポーネントを調整することによってチューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。BAWRは概して、入力電極において電気信号を音響波に変換し、出力電極において当該音響波を電気信号に変換するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、BAWRは周波数依存のインピーダンス要素として、動作してよく、BAWRの共振周波数に近いまたは等しい複数の周波数において複数の信号によって駆動される場合により低いインピーダンスを示し、複数の他の周波数において複数の信号によって駆動される場合には、より高いインピーダンスを示す。
【0032】
図2及び3は、RF通信回路100の複数のBAWR110中に含まれてよい2つ異なる種類のBAWRの簡略化された側断面図である。図2は、圧電材料206(例えば、アルミニウム窒化物)によって分離される第1電極202及び第2電極204を含み得る強固に装着されるBAWR200を描く。(電極202及び204のような)複数の電極は、例えば、アルミニウム、モリブデンまたはタングステンのような導電性材料から形成されてよい。交流電圧が第1電極202及び第2電極204をわたって印加される場合、第1電極202、第2電極204、及び圧電材料206は、共振器として、動作してよく、圧電材料を通じて音響波を伝播し、特定の共振周波数において強く振動する。第1電極202、第2電極204、及び圧電材料206は、より高い音響インピーダンスを有する材料(例えば、層210)及びより低い音響インピーダンスを有する材料(例えば、層212)の複数の交互層から成り得る反射器積層208に連結され得る。いくつかの実施形態において、層210及び212の各々は、共振周波数に関連付けられる波長の4分の1に等しい厚さを有してよい。反射器積層208は、基板214に装着され得る。反射器積層208は、音響ミラーとして、動作してよく、複数の音響波を圧電材料206の後に反射し、(複数の音響波及び基板214の間の連結を制限する)圧電材料206及び基板214の間で音響絶縁を提供する。この絶縁は、BAWR200の品質要因(Q‐要因)を改善し得、複数の損失を制限すると同時にエネルギを保存する優れる能力に対応し得る。
【0033】
図3は、圧電材料306によって分離される第1電極302及び第2電極304を含み得る膜BAWR300を描く。(例えば、石英、ガラス、アルミナ、サファイアまたはシリコンなどから形成される)基板314は、第1電極302、第2電極304、及び圧電材料306下に配置されてよく、エアギャップ308は、基板314から、第2電極304と圧電材料306の複数の部分を分離し得る。エアギャップ308は、圧電材料306及び基板314の間で音響絶縁を提供してよく、BAWR300のQ‐要因を改善し得る。図2を参照して上述のように、交流電圧が第1電極302及び第2電極304をわたって印加される場合、第1電極302、第2電極304、及び圧電材料306は、共振器として、動作してよく、特定の共振周波数において強く振動する。
【0034】
チューナ回路106の複数のBAWR110は、1つまたは複数の強固に装着されるBAWR、1つまたは複数の膜BAWR、複数の他の種類のBAWR、または複数の種類のBAWRの組み合わせを含み得る。チューナ回路106にどの複数の種類のBAWRを含むかという選択は、例えば、複数の性能要求及び複数の製造考慮事項に基づいてよい。例えば、複数の強固に装着されるBAWR(例えばBAWR200)のいくつかの実施形態は、複数の膜BAWRのいくつかの実施形態より容易にICパッケージに組み込まれ得る。いくつかのBAWRは、およそ1平方ミリメートルまたはそれより少ないフットプリントを有する複数の事前にパッケージされるコンポーネントとして、仕入され得る。いくつかの実施形態において、BAWRは、電極によって分離される複数の層を有する1つより多くの圧電材料の層を含み得、従って、音響波がそれを通じて伝搬し得る1つより多くの「音響層」を含み得る。複数の異な電極対は、(例えば、複数のACまたはDC信号によって)別々に駆動され得る。複数の他の音響共振器は、1つまたは複数のBAWR110の代わり、用いられてよく、例えば、表面音響波(SAW)共振器は、用いられてよい。
【0035】
図4及び5は、いくつかの実施形態に係る、チューナ回路106に含まれ得る複数のBAWR110の異なる例示的な構成を示す。図4において、4つのBAWR、402、404、406及び408は、2つの入力端子108a及び108bと2つの出力端子112a及び112bとの間の格子ネットワーク400として構成されるように、描かれる。いくつかの実施形態において、入力端子108a及び108bは、チューナ回路106の信号ポート108に連結されてよい。いくつかの実施形態において、出力端子112a及び112bは、チューナ回路106のアンテナポート112に連結されてよい。図5において、4つのBAWR、502、504、506及び508は、2つの入力端子108a及び108bと2つの出力端子112a及び112bとの間のラダーネットワーク500として構成されるように描かれる。図4を参照して上述のように、いくつかの実施形態において、入力端子108a及び108bは、チューナ回路106の信号ポート108に連結されてよく、出力端子112a及び112bは、チューナ回路106のアンテナポート112に連結されてよい。チューナ回路106のいくつかの実施形態は、図4及び5に示される(例えば、直列的に配置される)複数の格子及びラダーネットワークの複数の組み合わせを含み得る。
【0036】
上において述べたよう、図1の制御回路118は、複数のBAWR110の1つのBAWRまたはチューナ回路106の別のコンポーネントを調整することによってチューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。制御回路118は、いずれの多数の方法によって複数のBAWR110を含む回路の動作を調整するように構成され得る。いくつかの実施形態において、制御回路118は、チューナ回路106に含まれる少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間で印加され得るDC電圧を提供するように構成されてよい。例えば、制御回路118は、強固に装着されるBAWR200(図2)の第1電極202に連結される第1端末、及び強固に装着されるBAWR200の第2電極204に連結される第2端末を有するDC電圧源を含み得る。1つのBAWR(例えば、図2のBAWR200または図3のBAWR300)の2つの電極の間でDC電圧を印加することは、BAWRの共振周波数を変更させ得、それによって、BAWRを含む回路のインピーダンスを変更する。
【0037】
例えば、いくつかの実施形態において、BAWR200の圧電材料206(またはBAWR300の圧電材料306)は、DCバイアスが印加されるときにそれの圧電係数が増大する((BaSr1−x)TiOのような)強誘電体材料を含んでよい。複数の電極の間でDC電位の極性を変化させることによって、複数の共振周波数を変化させる複数の共振器は、実現され得る。
【0038】
複数の音響層を含むBAWRの複数の実施形態において、異なるDC電圧は、複数の異なる層に対して印加され得る。例えば、複数の圧電層を有する複数のBAWRにおいて、複数のDC電位は、複数の異なる共振行為を達成するように、複数の異なる電極対の間で変更されてよい。例えば、電極−強誘電体−電極−強誘電体−電極の構造体を有するBAWRは、制御回路118がその間で切り替え得る、2つの達成可能な共振モードを可能にし得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、制御回路118は、同一または異なるDC電圧構成を、チューナ回路106に含まれる複数のBAWRの複数の異なるものに提供してよい(加えて単一のBAWRの1つまたは複数の圧電層をわたって複数のDC電圧を変化させる)。いくつかの実施形態において、制御回路118は、チューナ回路106の所望のインピーダンスを達成すべく、1つまたは複数のBAWR110へ印加されるDC電圧を調整するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の、プロセッサまたは他のロジックデバイスは、所望の周波数またはRF通信回路100に対する動作(例えば、複数のRF信号の送信または受信中)の複数の周波数の帯域及びRF通信回路100の複数のコンポーネントの複数の既知特性(例えば、様々な周波数における送信機回路102のインピーダンス)に少なくとも部分的に基づき、チューナ回路用に所望のインピーダンスを決定してよい。これら1つまたは複数のプロセッサまたはロジックデバイスは、制御回路118に含まれてよく、または制御回路118から分離されてよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、制御回路118は、1つまたは複数の制御信号をチューナ回路106における様々なコンポーネントに提供することによって、複数のBAWR110の1つのBAWRまたはチューナ回路106の別のコンポーネントを調整するように構成されてよい。例えば、制御回路118は、調整可能なDC電圧または他の信号を、複数のBAWR110のうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置される1つまたは複数の可変キャパシタへ印加すべく、調整可能なDC電圧または他の信号源を含んでよい。1つのBAWRに並列なキャパシタを追加することが全体の回路のキャパシタンスを低下させ得る一方で、1つのBAWRに直列的なキャパシタを追加することは、全体の回路のキャパシタンスを増大させ得る。従って、複数のBAWR110の複数の配置に直列的及び/または並列的な複数の組み合わせの複数の可変キャパシタを含むことによって、容量性のある行為をもたらす範囲は達成され得る。複数の可変キャパシタへ印加される複数の制御信号は、複数の可変キャパシタにそれらのキャパシタンスを変化させ得、それによって、送信機回路102の出力ポート104から測定されるようなチューナ回路106のインピーダンスを調整する。
【0041】
図6は、可変キャパシタ602、604、606、及び608と共に配置される図4の格子ネットワーク400のBAWR402、404、406及び408を有するチューナ回路106の例を示す。複数の可変キャパシタは、チューナ回路106の制御ポート116を介して、DCまたは制御回路118からの他の制御信号を介して制御され得る。入力端子108a及び108bは、チューナ回路106の信号ポート108に連結され得、出力端子112a及び112bは、チューナ回路106のアンテナポート112に連結され得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、可変キャパシタ(例えば、1つまたは複数の図6の可変キャパシタ602、604、606及び608)は、それのキャパシタンスがDCバイアスによって調整される相補的金属酸化物半導体(CMOS)バラクタであってよい。1つまたは複数のバラクタを含む複数の実施形態において、バラクタ積層は、複数のBAWR110の上部上にまたはそれらに近接してパッケージされ得、複数のバラクタ及び複数のBAWR110の間の接続配線の長さを最小化し得、それによって、複数の損失を減少し得る。いくつかの実施形態において、可変キャパシタ(例えば、1つまたは複数の図6の可変キャパシタ602、604、606及び608)は、それのキャパシタンスが、1つまたは複数の処理デバイスまたは制御回路118に含まれる他のロジックによって生成される複数の信号によって調節され得る、複数微小電気機械システム(MEMS)のキャパシタであってよい。いくつかの実施形態において、MEMSキャパシタは、RFスイッチと共に事前にパッケージされる市販のMEMS容量性のあるアレイモジュールに含まれてよく、制御回路118によって供給される複数のデジタル信号を用いてモジュールに対してチューニングされ得る。様々な実施形態において、可変キャパシタまたは他のコンポーネントは、制御回路118の複数のコンポーネントとパッケージされてよく、チューナ回路106の複数のコンポーネントとパッケージされてよく、制御回路118及びチューナ回路106を含む複数の異なるパッケージの間に分配されてよく、または、例えば、制御回路118及びチューナ回路106の両方を含む単一のパッケージに含まれてよい。
【0043】
図7は、それらのDCバイアスがそれぞれ、DC電圧源708及び710によって調整され得る2つの圧電層704及び706と共にBAWR702を有するチューナ回路106の例を示す。チューナ回路106はまた、多数のスイッチ‐キャパシタ分岐712(例えば、1つまたは複数のスイッチ‐キャパシタ分岐712)も含んでよい。各スイッチ‐キャパシタ分岐712は、RFスイッチ714及びキャパシタ716を含んでよい。複数のRFスイッチは、チューナ回路106の有効キャパシタンスを修正すべく、複数のDC電圧を用いて制御回路118によって制御可能であってよく、BAWR702の共振周波数は、(制御回路118の一部であってよくまたはそれに制御され得る)DC電圧源708及び710によって提供される複数の値を調整することによって修正されてよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、キャパシタ716は、金属−絶縁体−金属(MIM、金属‐酸化物‐金属とも称される)キャパシタであってよい。MIMキャパシタは、底部及び上部金属板の間に薄い誘電体層を含んでよく、(例えば、CMOS処理によって形成されるような)絶縁材料を通じて動作する複数のビアによって他の回路に接続される底部及び上部金属板を有してよい。複数の金属層及び横方向束は、複数の高いキャパシタンス値を実現すべく、80ほど高いQ‐要因を有するいくつかのMIMキャパシタと共に用いられてよい。MIMまたは複数の他のキャパシタが図7に示されるようなチューニング可能なBAWR構成と組み合わせられる場合、良好なチューニング範囲及び低い全体挿入損失は、チューナ回路106用に達成され得る。いくつかの実施形態において、図7のBAWR702は、SAW共振器のような異なる音響共振器と置き換えされてよい。
【0045】
本明細書において開示されるBAWRに基づく複数のチューナ回路(例えば、チューナ回路106)の様々な実施形態は、複数の従来のRFチューナ回路における改善される性能を提供してよい。いくつかの実施形態において、BAWRに基づくチューナ回路は、従来のインダクタ‐キャパシタ共振器に基づく複数のチューナ回路より高いQ‐要因を有してよい。いくつかの実施形態において、コンポーネントへの電力入力とコンポーネントからの出力との比を表すBAWRに基づくチューナ回路の挿入損失は、従来の複数のチューナでの達成可能性より低くなり得る。さらに、BAWRに基づくチューナ回路106を調整すべく制御回路118を構成することによって、複数の異なるBAWRの間(及び単一BAWR及びそれの複数の公称規格の間)の性能における複数の偏差値は、動作中に補償され得る。RF通信デバイスにおける複数のBAWRの使用は、複数の用途をフィルタリングすべく典型的に制限されている。本明細書に開示される複数の技術及び複数の構成は、複数の異なるコンテキストに全体的において及び複数の異なる目的のために、複数のBAWRを利用し、他の回路と複数のBAWRの複数の有益な配置によって達成可能な複数の恩恵から利点を得る。
【0046】
図1のRF通信回路100の様々な実施形態は、様々な方法において複数のモバイル通信デバイスに利用され得る。いくつかの実施形態において、RF通信回路100は、送信機回路102とチューナ回路106及びアンテナ114の組み合わせとの間でインピーダンスマッチングを実行すべく、モバイル通信デバイスに含まれてよい。このようないくつかの実施形態はまた、受信機とチューナ回路106及びアンテナ114の組み合わせとの間でインピーダンスマッチングを実行するように構成されてもよい。動作の複数の周波数帯域において(例えば、950MHzから270GHzの範囲に)送信機及び/または受信機のインピーダンスをマッチングすべくRF通信回路100を構成することは、モバイル通信デバイスが受信機/送信機及びアンテナの間において最大またはほぼ最大のRF電力転送を達成することを可能にし得、性能を改善する。
【0047】
いくつかの実施形態において、送信機回路102及びアンテナ114は、チューナ回路106がRF通信回路100の電力転送効率において11%またはそれより良好な改善(例えば、アンテナ114からの全体の放散される電力において1dBまたはそれより大きい改善)を提供する場合、「一致され」てよい。いくつかの実施形態において、電力転送効率における複数のより大きい改善は、複数のコンポーネントが「一致され」る場合、達成され得る。達成可能な改善の量は、チューナ回路106の使用がなくアンテナ114及び送信機回路102の間におけるインピーダンス不一致さに依存し得る。例えば、アンテナ114及び送信機回路102の間の電圧定在波比(VSWR)が大きい(例えば、9またはそれより大きい)場合、チューナ回路106は、RF通信回路100が2dBまたはそれより大きい改善を達成することを可能にし得、アンテナ114及び送信機回路102の間のVSWRがより小さい(例えば、3またはそれより小さい)場合、パーセント改善は、より小さい(例えば、1dBより少ない)場合がある。
【0048】
図8は、図1のRF通信回路100の実施形態800を概略的に示し、RF通信回路800はインピーダンスマッチング用に構成される。図1を参照して上述のよう、RF通信回路800は、1つまたは複数のBAWR110、送信機回路802、アンテナ114、及び制御回路118を有するチューナ回路106を含んでよい。チューナ回路106は、アンテナ114に連結されるアンテナポート112、送信機回路802の出力ポート104に連結される信号ポート108、及びに制御回路118のポート120に連結される制御ポート116を含んでよい。RF通信回路800は、受信機822をさらに含んでよい。いくつかの実施形態において、RF通信回路800は、SIP構造に配置されてよい。
【0049】
図8に示されるように、送信機回路802は、(示されているように、電力増幅器(PA)804を介して)送信機824に連結される送信機ポート816を有するダイプレクサ814、受信機822に連結される受信機ポート818、及び送信機回路802の出力ポート104に連結されるダイプレクサ出力ポート820を含んでよい。ダイプレクサ814は、制御信号(図示せず)に応答して、ダイプレクサ出力ポート820を、送信機ポート816及び受信機ポート818のうちの1つに、制御可能に連結するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、制御回路118は、ダイプレクサ出力ポート820が送信機ポート816に連結される場合に、送信機回路802の出力ポート104で測定されるようなチューナ回路106及びアンテナ114の組み合わせられたインピーダンスが、送信機824のインピーダンスに一致するように、チューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、制御回路118は、ダイプレクサ出力ポート820が受信機ポート818に連結される場合に、送信機回路802の出力ポート104で測定されるようなチューナ回路106及びアンテナ114の組み合わせられたインピーダンスが、受信機822のインピーダンスに一致されるように、チューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。
【0050】
制御回路118は、インピーダンスマッチングを実行すべく、上述に説明されるいずれのインピーダンス調整技術を用いることを含む任意の適した手段においてチューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、制御回路118は、チューナ回路106のインピーダンスを調整すべく、チューナ回路106に含まれる複数のBAWR110のうちの少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間で印加されるDC電圧を提供するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、制御回路は、1つまたは複数のBAWR110のうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく調整可能なDC電圧を印加する調整可能なDC電圧源を含んでよい。いくつかの実施形態において、制御回路は、1つまたは複数のBAWR110のうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるMEMSキャパシタのキャパシタンスを調整すべく、複数の電気信号を印加すべく信号源を含んでよい。
【0051】
図8に示されるよう、送信機回路802は、PA804を含んでよく、アンテナ114に対する送信用に送信機824からの信号を増幅し得る。PA804は、送信機824に連結されるPA入力ポート806、ダイプレクサ814の送信機ポート816に連結されるPA出力ポート812、及び供給電圧源810に連結される供給電圧ポート808を含んでよい。いくつかの実施形態において、PA804は、単一のICパッケージとして、パッケージされてよい。
【0052】
BAWRに基づくRF通信回路100の様々な実施形態(例えば、RF通信回路800)は、従来のインピーダンスマッチング回路において改善される性能を提供し得る。例えば、RF通信回路800は、従来の複数の回路より良好なインピーダンスマッチングを達成し得、アンテナ114によって発される不要輻射の量を減少し、モバイル通信デバイスが複数の特定の吸収率及び複数の異なる無線通信規格の複数の他の要求に準拠することをより容易にする。さらに、高いQ‐要因及びチューナ回路106の低い挿入損失(例えば、0.6dBの挿入損失より低い)に起因して、RF通信回路800のいくつかの実施形態は、複数の電力損失を制限することによって、たとえ複数の高い送信電力レベルにおいても、バッテリまたはモバイル通信デバイスに電力を供給する複数の他のエネルギソースの寿命を延ばし得る。さらに、RF通信回路100の複数のインピーダンスマッチング実施形態は、別個のチューナコンポーネントに対する需要を除去することによって複数のコストを低減し得、モバイル通信デバイスまたは他のコンピューティングデバイスに含まれるプリント回路基板上の面積を節約し得る(それによって、潜在的にデバイスのサイズを減らし、複数のより小さいフットプリントデバイスの他の便益を達成する)。
【0053】
いくつかの実施形態において、RF通信回路100は、PAに対する負荷線切り替えを実行すべく、モバイル通信デバイスに含まれてよい。PAは、典型的に供給電圧を受信し、特定の出力電力レベルにおいて負荷に電流を提供する。与えられる供給電圧及び負荷用に、大部分の複数のPAは、ピーク出力電力を有し、特定の出力電力レベルが当該ピーク出力電力に等しくまたは近い場合に最も効率的に動作する。特定の出力電力レベルが所望される場合、PAのピーク出力電力は、供給電圧及び/または負荷を調整することによって調整されてよい。RF通信回路100が負荷線切り替え用に構成される場合、回路は、効率を改善すべく特定の出力電力レベルに従ってPAから見た負荷を調整してよい。負荷線切り替えは、無線規格(例えば、世界地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)、符号分割多重アクセス(CDMA、例えば、CDMA‐2000)または移動通信用グローバルシステム(GSM(登録商標)))が、(通信時間を延ばすようにPA電流を減少し、バッテリ寿命を温存すべく、)モバイル通信デバイスが基地局との満足な通信性能を達成するのに必要とされる電力の量のみで送信することを確保する電力制御方式を含む、複数のモバイル通信デバイス用途において特に有用的であり得る。負荷線切り替えはまた、PA用の複数の最適な出力インピーダンスの範囲(例えば、2から10オーム)と、典型的アンテナのインピーダンス(例えば、50オーム)との間の複数の差異を補い得る。
【0054】
図9は、負荷線切り替え用に構成される図1のRF通信回路100の実施形態900を概略的に示す。図1を参照して上述のように、RF通信回路900は、1つまたは複数のBAWR110、送信機回路902、アンテナ114、及び制御回路118を有するチューナ回路106を含んでよい。チューナ回路106は、アンテナ114に連結されるアンテナポート112、送信機回路902の出力ポート104に連結される信号ポート108、及び制御回路118のポート120に連結される制御ポート116を含んでよい。いくつかの実施形態において、RF通信回路900は、SIP構造に配置されてよい。
【0055】
RF通信回路900は、第2アンテナ914に連結されるアンテナポート904を有する受信機922をさらに含んでよい。受信機922は、低騒音増幅器及び複数の他のコンポーネントを含んでよい。デュアルアンテナアーキテクチャは、図9に示されるように、送信及び受信の間の切り替え及び/またはそれらを隔離すべくダイプレクサまたは二重化フィルタに対する需要を排除し得る。さらに、デュアルアンテナアーキテクチャは、複数のコンポーネントの改善されるマッチング(例えば、送信機回路102をチューナ回路106とアンテナ114に、受信機922をアンテナ914に)を可能にし得る。
【0056】
図9に示されるように、送信機回路902は、PA804を含み得る。PA804は、供給電圧源810からの供給電圧を受ける供給電圧ポート808、及び送信機回路902の出力ポート104に連結されるPA出力ポート812を含んでよい。PA804は、1つまたは複数のプロセッサまたは他のロジックデバイス(図示せず)によって、特定される出力電力レベルにおいて、(PA出力ポート812を介して)電流を出力するように構成されてよい。
【0057】
PA804は、ピーク出力電力を有してよく、送信機回路902の出力ポート104で測定されるようなチューナ回路106とアンテナ114のインピーダンスに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実施形態において、制御回路118は、PA804のピーク出力電力を出力電力レベルに一致させるべく、チューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、制御回路118は、モバイル通信デバイスと当該モバイル通信デバイスと通信を行う基地局との間の距離に少なくとも部分的に基づきPA804のピーク出力電力を出力電力レベルに一致させるべく、チューナ回路106のインピーダンスを調整するように(例えば、1つまたは複数のプロセッサまたは他のロジックデバイスと)構成されてよい。いくつかの実施形態において、供給電圧源810によってPA804へ提供される供給電圧は、固定されてよく、いくつかの実施形態において(例えば、ICパッケージがモバイル通信デバイスに含まれる場合)、PA804へ提供される供給電圧は、モバイル通信デバイスと当該モバイル通信デバイスと通信を行う基地局との間の距離に少なくとも部分的に基づきコントローラ(図示せず)によって調整され得る。
【0058】
上において述べたように、図8の送信機回路802に比較すれば、受信機922と送信機回路902はそれぞれ、それら自身の指定したアンテナ(それぞれにアンテナ124及び914)を有するので、ダイプレクサは、図9の送信機回路902に含まれない。特に、ダイプレクサは、PA804と図9のRF通信回路900におけるチューナ回路106との間に介在しない。
【0059】
制御回路118は、上述の複数のインピーダンス調整技術のいずれかを用いることを含み、負荷線切り替えを実行すべく任意の適した手段においてチューナ回路106のインピーダンスを調整するように構成されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、制御回路118は、チューナ回路106のインピーダンスを調整すべく、チューナ回路106に含まれる複数のBAWR110のうちの少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間で印加されるDC電圧を提供するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、制御回路は、1つまたは複数のBAWR110のうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整するように調整可能なDC電圧を印加すべく調整可能なDC電圧源を含んでよい。いくつかの実施形態において、制御回路は、1つまたは複数のBAWR110のうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるMEMSキャパシタのキャパシタンスを調整すべく複数の電気信号を印加する信号源を含んでよい。複数のBAWR110及び複数の他のコンポーネントの任意の適した切り替えネットワーク及び構成は、(例えば、出力電力レベルの機能として)チューナ回路106のインピーダンスを調整し、負荷線切り替えを実行するのに用いられてよい。
【0060】
BAWRに基づくRF通信回路100の様々な実施形態(例えば、回路900)は、PAのピーク出力電力を調整するDC/DCコンバータ技術において、及び、従来の負荷線切り替え回路において、改善される性能を提供し得る。上述のように、複数のDC/DCコンバータは、高価で高騒音の場合があり、RF通信性能を劣化させる。既存の負荷線切り替え回路(例えば、複数の負荷線切り替えネットワーク)は、高損失であり得る。BAWRに基づくRF通信回路800は、複数の減少される損失と共に負荷線切り替えを提供し得、ICパッケージに集積されてよく、それによって、(例えば、複数のオフチップコンポーネントを要求し得る)複数の従来のアプローチに比較して、プリント回路基板上の面積を節約する。
【0061】
図10は、いくつかの実施形態に係る、RF通信の方法のフロー図1000である。フロー図1000の方法は、いくつかの実施形態において、図1から8に関連して説明された複数の動作に適合してよい。様々な動作は、複数の別個の動作として、複数の例示的目的のため順番に説明される。説明の順序は、これらの動作が必ずしも順序に依存することを含意するように解釈されるべきではない。
【0062】
1002において、チューナ回路は、提供されてよい。チューナ回路は、1つまたは複数のBAWR、アンテナに連結されるアンテナポート、送信機回路の出力ポートに連結される信号ポート、及び制御ポートを有してよい。いくつかの実施形態において、1002のチューナ回路は、図1から6のいずれかを参照して述べられたように構成されてよい。いくつかの実施形態において、1002の送信機回路は、図1から8のいずれかを参照して述べられたように構成されてよい。
【0063】
1004において、制御回路は提供されてよい。制御回路は、制御ポートに連結されてよく、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、1004の制御回路は、図1から8のいずれかを参照して上述のように構成されてよい。
【0064】
1006において、チューナ回路のインピーダンスは、制御回路を用いて、アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき調整されてよい。いくつかの実施形態において、1006のインピーダンス調整は、図1から8を参照して上述のような複数の技術のいずれかを用いて実行されてよい。
【0065】
例えば、フロー図1000の方法のいくつかの実施形態において、送信機回路は、供給電圧を受ける供給電圧ポートと、(例えば、図9に示されるような)送信機回路の出力ポートに連結されるPA出力ポートとを有するPAを含んでよい。PA出力ポートは、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成されてよく、PAは、出力ポートで測定されるようなチューナ回路とアンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づきピーク出力電力を有する。いくつかのこのような実施形態において、制御回路118を用いて、1006におけるチューナ回路のインピーダンスを調整することは、PAのピーク出力電力を出力電力レベルに一致させるべく、チューナ回路のインピーダンスを調整することを含んでよい。
【0066】
フロー図1000の方法のいくつかの実施形態において、送信機回路は、送信機に連結される送信機ポート、受信機に連結される受信機ポート、及び(例えば、図8に示されるような)送信機回路の出力ポートに連結されるダイプレクサ出力ポートを有するダイプレクサを含んでよい。ダイプレクサ出力ポートは、送信機ポートと受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されてよい。いくつかこのような実施形態において、制御回路を用いて、1002におけるチューナ回路のインピーダンスを調整することは、ダイプレクサ出力ポートが送信機ポートに連結される場合に、送信機回路の出力ポートで測定されるようなチューナ回路とアンテナの組み合わせられるインピーダンスが送信機のインピーダンスに一致されるように、チューナ回路のインピーダンスを調整することを含んでよい。
【0067】
図1のRF通信回路100の(例えば、図8及び9を参照して述べられた複数の実施形態を含む)様々な実施形態は、多数の方法によってICパッケージ(例えば、SIP)に集積されてよい。図11から15は、図1のRF通信回路100の様々なICパッケージ実施形態の複数の図を提供する。図11から15に示されている複数の実施形態は、単に例示的で、これら複数の実施形態の複数の要素の任意の適した組み合わせは、用いられてよい。
【0068】
パッケージング配置の選択は、例えば、複数のコスト、パッケージにおける複数の層の数を最小化し、複数の寸法の規格に合い、及び/または複数の他の中に、配線の長さを減少することに基づいてよい。いくつかの実施形態において、RF通信回路100は、ファンアウトウェハレベル構造を用いてパッケージされてよい。いくつかの実施形態において、このようなパッケージを製造することは、配置される複数のダイの外において人工的ウェハを構築することを含んでよい。これら複数のダイは、人工的ウェハの生成前に試験されてよく、複数の能動的及び/または受動的コンポーネントと1つまたは複数の異なる種類のダイを含んでよい。人工的ウェハは、印刷、モールディング、積層、押圧、または複数の他の類似の技術によって構築されてよい。いくつかの実施形態において、人工的ウェハは、埋め込みボールグリッドアレイ(BGA)構造体を形成すべくモールディングを用いて構築されてよい。いくつかの実施形態において、埋め込みボールグリッドアレイ構造体は、ファンアウトウェハレベルボールグリッドアレイ(ファンアウトWLB)構造体であってよい。例えば、埋め込みボールグリッドアレイ構造体は、埋め込みウェハレベルボールグリッドアレイ(eWLB)構造体であってよい。任意の適した、複数のダイ、複数のコンポーネントまたは複数のパッケージ、複数のパッケージ技術、または複数のパッケージ概念は、複数のオープンキャビティパッケージ、複数のSIP、複数のウェハレベルボールグリッドアレイ(WLB)パッケージ、複数のeWLBパッケージ、複数のフリップチップパッケージ、複数のワイヤボンディングパッケージ、または複数のこのようなパッケージの任意の組み合わせを含み、本明細書において開示される複数の実施形態のいずれかをパッケージすべく、ファンアウトWLB構造体に埋め込まれまたは積層されてよい。
【0069】
図11及び12はそれぞれ、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第1ICパッケージ実施形態1100の簡略化された側断面図及び上面図である。ICパッケージ1100は、モールド化合物1114がそれにおいてシステムオンチップ(SoC)1102、1つまたは複数のBAWR110、及び他の回路(例えば、1つまたは複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1104を埋め込むのに用いられるファンアウトBGA構造体及び/または埋め込みBGA構造体(例えば、eWLB構造体)を含んでよい。いくつかの実施形態において、SoC1102は、送信機回路102と制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において、(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1102は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または902)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1104は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。図12に示されるように、ICパッケージ1100は、3つが描かれているが複数のBAWR110を含んでよく、任意の適した数は含まれてよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のBAWR110は、BAWRダイの表面上における任意の能動的エリアの機械保護用にリッド構造を要求してよい。いくつかこのような実施形態において、BAWRダイに対する複数の電気接続は、複数の銅ポスト構造またはBAWRダイ上(例えば、2つまたはそれより多いポストの間の複数の能動的エリアを保護するダイの複数のコーナにおいて)の複数の半田ボールによってなされてよい。複数の銅ポスト構造体及び複数の他のコネクタは、eWLB製造の再分配段階中にICパッケージ1100内に接続されてよい。
【0071】
ICパッケージ1100はまた、PA1106を含んでよく、図8及び9を参照して上述の複数のRF通信回路に係る複数の実施形態においてPA804としての役割を担い得る。いくつかの実施形態において、PA1106は、前にパッケージされるコンポーネントであってよく、従って、パッケージオンパッケージ構造における残りのICパッケージ1100と集積されてよい。いくつかの実施形態において、PA1106は、モールド化合物1114の外側に配置されてよい。図11に示されるように、PA1106は、インターポーザ1110に装着されてよく、PA1106に対して機械サポートを提供し得、PA1106及びICパッケージ1100における他の回路の間の複数の電気接続をルートし得る。インターポーザ1110は、シリコンフリップチップ構造であってよい。熱散布機1108は、PA1106によって生成される熱を消費すべくPA1106に装着されてよい。いくつかの実施形態において、熱散布機は、熱伝導性ペーストを用いてICパッケージに装着されてよい。熱散布機1108は、スタンドアロンヒートシンクであってよく、または、ICパッケージ1100がそれに含まれるコンピューティングデバイス(例えば、モバイル通信デバイス)の外部シェルまたはより大きいヒートシンクに接続されてよい。多数の貫通型ビア1112は、ICパッケージ1100の複数の異なるコンポーネントの間及び/またはICパッケージ1100と複数の他のデバイスの間で複数の電気接続を提供すべく、モールド化合物1114を通じて、ルートされてよい。複数の貫通型ビアは、シリコンまたは他の材料製の複数の事前に製造されるバーを配置されることによって、及び/またはモールド化合物(例えば、モールド化合物1114)内に複数の穴を開けて導電性材料で当該複数の穴を充填することによって、形成されてよい。
【0072】
図13は、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第2ICパッケージ実施形態1300の簡略化された側断面図である。ICパッケージ1300は、ファンアウトBGA構造体、及び/または、モールド化合物1314が、それにおいてシステムオンチップ(SoC)1302と他の回路(例えば、1つ又は複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1304を埋め込むのに用いられる、埋め込みBGA構造体(例えば、eWLB構造体)を含んでよい。いくつかの実施形態において、SoC1302は、送信機回路102と制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1302は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または922)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1304は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。
【0073】
ICパッケージ1300において、1つまたは複数のBAWR110は、モールド化合物1314の外側に配置されてよい。図13には3つのBAWR110が描かれているが、任意の適した数は、含まれてよい。特に、図13に示されている複数のBAWR110は、ファンアウトウェハレベルパッケージの上部側に取り付けられる。ICパッケージ1300はまた、複数のBAWR110に隣り合って、モールド化合物1314の外側に配置されるPA1306を含んでよい。PA1306は、図8及び9を参照して上述の複数のRF通信回路に係る複数の実施形態においてPA804としての役割を担ってよい。図11を参照して上述のように、PA1306は、インターポーザ1310に装着されてよく、熱散布機1308は、PA1306に装着されてよい。インターポーザ1310は、シリコンフリップチップ構造であってよい。熱散布機1308は、スタンドアロンヒートシンクであってよく、またはICパッケージ1300がそれに含まれるコンピューティングデバイス(例えば、モバイル通信デバイス)の外部シェルまたはより大きいヒートシンクに接続されてよい。多数の貫通型ビア1312は、ICパッケージ1300の複数の異なるコンポーネントの間、及び/または、ICパッケージ1300と複数の他のデバイスとの間で、複数の電気接続を提供すべく、モールド化合物1314を通じて、ルートされてよい。ICパッケージ1300と同様のICパッケージ配置は、モールド化合物における複数のBAWR110の埋め込みが複数のBAWR110の性能に悪影響を有し及び/または複数のBAWR110の埋め込みがひどく困難または高価な場合に、有益であり得る。特に、RF通信回路100の様々なICパッケージは、能動的エリアを保護するようにBAWRの能動的エリアと近接の表面との間のギャップ1316を維持すべく、複数のBAWR110を装着し得る。ICパッケージにおいてこのようなギャップを維持することは、BAWRの性能を改善し得る。
【0074】
図14は、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第3ICパッケージ実施形態1400の簡略化された側断面図である。ICパッケージ1400は、モールド化合物1414がそれにおいてシステムオンチップ(SoC)1402、1つまたは複数のBAWR110、及び他の回路(例えば、1つまたは複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1404を埋め込むのに用いられる、ファンアウトBGA構造体及び/または埋め込みBGA構造体(例えば、eWLB構造体)を含んでよい。上述のように、いくつかの実施形態において、SoC1402は、送信機回路102及び制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1402は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または922)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1404は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。
【0075】
ICパッケージ1400はまた、モールド化合物1414に埋め込まれるPA1406を含んでよい。上述のように、PA1406は、図8及び9を参照して上述の複数のRF通信回路に係る複数の実施形態におけるPA804としての役割を担ってよい。PA1406は、インターポーザ1410に装着されてよく、熱散布機1408は、PA1406に装着されてよい。インターポーザ1410は、シリコンフリップチップ構造であってよい。熱散布機1408は、スタンドアロンヒートシンクであってよく、またはICパッケージ1400がそれに含まれるコンピューティングデバイス(例えば、モバイル通信デバイス)の外部シェルまたはより大きいヒートシンクに接続されてよい。図14には複数の貫通型ビアは描かれていない。複数のボールコネクタは、ICパッケージ1400の複数のコンポーネントを複数の他のデバイスに接続すべく提供される。ICパッケージ1400の製造は、複数の貫通型ビアの除去によって簡略化されてよい(例えば、図13のICパッケージ1300に比較されるように)。ICパッケージ1400の(例えば、図13のICパッケージ1300に比較されるように)潜在的により大きい横方向の寸法は、複数の特定の用途(例えば、ICパッケージ1400がタブレットコンピューティングデバイスまたはそれより大きいモバイル通信デバイスに含まれる場合)に対して適し、不利益ではない場合がある。
【0076】
図15は、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第4ICパッケージ実施形態1500の簡略化された側断面図である。ICパッケージ1500は、モールド化合物1514が、それにおいてシステムオンチップ(SoC)1502と他の回路(例えば、1つまたは複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1504を埋め込むのに用いられる、ファンアウトBGA構造体及び/または埋め込みBGA構造体(例えば、eWLB構造体)を含んでよい。上述のように、いくつかの実施形態において、SoC1502は、送信機回路102と制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1502は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または922)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1504は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。
【0077】
ICパッケージ1500において、1つまたは複数のBAWR110は、モールド化合物1514の外側に配置されてよい。図15には3つのBAWR110が描かれているが、任意の適した数は含まれ得る。ICパッケージ1500はまた、モールド化合物1514に埋め込まれるPA1506を含んでよい。上述のように、PA1506は、図8及び9を参照して上述の複数のRF通信回路に係る複数の実施形態におけるPA804としての役割を担ってよい。図15に示される実施形態において、PA1506は、ワイヤボンディングPAであってよい。熱散布機1508は、PA1506に装着されてよい。熱散布機1508は、スタンドアロンヒートシンクであってよく、またはICパッケージ1500がそれに含まれるコンピューティングデバイス(例えば、モバイル通信デバイス)の外部シェルまたはより大きいヒートシンクに接続されてよい。多数の貫通型ビア1512は、ICパッケージ1500の複数の異なるコンポーネント(例えば、複数のBAWR110)の間、及び/または、ICパッケージ1500と複数の他のデバイスとの間で、複数の電気接続を提供すべく、モールド化合物1514を通じて、ルートされてよい。ICパッケージ1500は、複数の他の実施形態(例えば、図13のICパッケージ1300)より小さい高さを有してよく、複数の薄型デバイス用途において有益である。
【0078】
図15のICパッケージ1500はまた、積層埋め込み技術を用いて形成されてよい。このような技術において、複数のダイは、誘電体キャリア上に配置されてよく、場合によってはグリッド状配置において、(例えば、反りの減少及び有益なレベリングを達成するように)複数の銅構造体で準備される。誘電体キャリアは、積層されてよく、複数のビアは、レーザによって積層される誘電体内において穿孔されてよい。再分配及び複数の半田停止処理は、実行されてよく、複数の半田ボールは施されてよい。複数のこのような積層埋め込み技術を用いる複数の実施形態は、複数のインターポーザに対する需要を有益的に減少または排除し得、それによって、ICパッケージのサイズを減少して複数のコストを減少する。
【0079】
図16は、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第5ICパッケージ実施形態1600の簡略化された側断面図である。ICパッケージ1600は、システムオンチップ(SoC)1602を有するフリップチップ構造、1つまたは複数のBAWR110、及び隣り合って配置される他の回路(例えば、1つまたは複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1604を含んでよい。複数のBAWR110は、能動的エリアを保護すべく、BAWRの能動的エリアと近接の表面との間でギャップ1616に装着され得る。ICパッケージ1600はまた、フリップチップ構成においてパッケージされていないPA1606を含んでよく、図8及び9を参照して上述のRF通信回路に係る複数の実施形態においてPA804としての役割を担い得る。上述のように、いくつかの実施形態において、SoC1602は、送信機回路102と制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1602は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または922)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1604は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。
【0080】
図16に示されるように、SoC1602、複数のBAWR110、PA1606及び複数のダイ1604は、フリップチップ基板1618に装着されてよい。装着後、リフロー処理は、実行され得、キャピラリーアンダーフィル及び硬化はそれに続く。いくつかの実施形態において、モールドされるアンダーフィルは、用いられてよい。
【0081】
図17は、いくつかの実施形態に係る、RF通信回路100の第5ICパッケージ実施形態1700の簡略化された側断面図である。ICパッケージ1700は、システムオンチップ(SoC)1702を有するフリップチップ構造、1つまたは複数のBAWR110、及び隣り合って配置される他の回路(例えば、1つまたは複数のインダクタ)を含む1つまたは複数のダイ1704を含んでよい。複数のBAWR110は、能動的エリアを保護すべく、BAWRの能動的エリアと近接の表面との間でギャップ1716に装着されてよい。ICパッケージ1700はまた、パッケージされるPA1706を含んでよく、図8及び9を参照して上述の複数のRF通信回路に係る複数の実施形態におけるPA804としての役割を担い得る。PA1706と複数のインターコネクタ1722との間における複数の相互接続1720は、(複数のフリップチップバンプ1724と対照的に)ICパッケージ1700の複数の他のコンポーネントに相互接続し得る複数のボールグリッドアレイボールであってよい。
【0082】
上述のように、いくつかの実施形態において、SoC1702は、送信機回路102と制御回路118のうちのいくつかまたは全てを含んでよい。いくつかの実施形態において(例えば、図8及び9のそれぞれのRF通信回路800及び900)、SoC1702は、いくつかのまたは全ての受信機(例えば、図8及び9のそれぞれの受信機822または922)を含んでよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のダイ1704は、図8のダイプレクサ814のようなダイプレクサを含んでよい。図17に示されるように、SoC1702、複数のBAWR110、PA1706及び複数のダイ1704は、フリップチップ基板1718に装着されてよい。ICパッケージ1700は、キャピラリーアンダーフィルによってアンダーフィルされてよく、後でオーバーモールドされてよい。モールドされるアンダーフィル材料は、用いられてよい。
【0083】
本開示の複数の実施形態は、RF通信用の所望に応じて構成する任意の適したハードウェア及び/またはソフトウェアを用いてシステム内に実装されてよい。図18は、いくつかの実装に係るコンピューティングデバイス1800を概略的に示す。コンピューティングデバイス1800は、例えば、モバイル通信デバイスであってよい。コンピューティングデバイス1800は、マザーボード1802のような基板を収容してよい。マザーボード1802は、プロセッサ1804及び少なくとも1つの通信チップ1806を含むがこれらに限定されない、多数のコンポーネントを含んでよい。プロセッサ1804は、マザーボード1802に物理的に及び電気的に連結されてよい。いくつかの実装例において、少なくとも1つの通信チップ1806はまた、マザーボード1802に物理的に及び電気的に連結されてよい。複数の更なる実装において、通信チップ1806は、プロセッサ1804の一部であってよい。
【0084】
それの複数の用途に応じ、コンピューティングデバイス1800は、マザーボード1802に物理的に及び電気的に連結されてよくまたはされなくてもよい、複数の他のコンポーネントを含んでよい。これら複数の他のコンポーネントは、限定されないが、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、クリプトプロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリ、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、グローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス、コンパス、ガイガーカウンタ、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ、及び大容量記憶装置(例えばハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、及びその他)を含んでよい。
【0085】
通信チップ1806、RF前端部1808、及びアンテナ1810は、コンピューティングデバイス1800への及びからのデータ転送用の複数の無線RF通信を可能にし得る。通信チップ1806とRF前端部1808は、本明細書において開示されている複数のRF通信回路のいずれかを含んでよい。例えば、RF前端部1808は、本明細書において説明されている、複数の他のコンポーネント中の、複数のPA、複数のフィルタ、及び/または複数のダイプレクサのいずれかを含んでよい。「無線」という用語及びそれの複数の派生語は、非固体媒体を通じて、変調電磁放射の使用を通しデータを通信し得る、複数の回路、複数のデバイス、複数のシステム、複数の方法、複数の技術、複数の通信チャネルなどを説明するのに用いられてよい。用語は、複数の関連するデバイスが任意の複数の有線を含まないことを含意するものではないが、いくつかの実施形態において、含まないことがある。通信チップ1806は、限定されないが、WiFi(登録商標)(IEEE802.11系統)、複数のIEEE802.16標準規格(例えば、IEEE802.16−2005修正)、任意の複数の修正、更新、及び/または改訂(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(「3GPP2」とも称される)、など)を伴うロングタームエボリューション(LTE)プロジェクトを含む複数の電気電子学会(IEEE)規格を含む、多数の無線規格またはプロトコルのうちのいずれかを実装してよい。IEEE802.16に互換性のある複数のBWAネットワークは、概して、複数のWiMAX(登録商標)ネットワークと称され、その頭字語は、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセスを表し、IEEE802.16規格用の適合性及び相互運用性試験を通過する複数の製品用の認証マークである。通信チップ1806は、GSM(登録商標)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA)、進化型HSPA(E‐HSPA)、またはLTEネットワークに従って動作してよい。通信チップ606は、GSM(登録商標)エボリューション用エンハンストデータ(EDGE)、GSM(登録商標)EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、UTRAN、または進化型UTRAN(E−UTRAN)に従って動作してよい。通信チップ1806は、3G、4G、5G、及びそれ以降に指定される任意の複数の他の無線プロトコルはもちろん、CDMA、時分割多重アクセス(TDMA)、デジタルエンハンストコードレス電気通信(DECT)、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO)、これらの複数の派生語に従って動作してよい。通信チップ1806は、複数の他の実施形態において複数の他の無線プロトコルに従って動作してよい。
【0086】
コンピューティングデバイス1800は、複数の通信チップ1806を含んでよい。例えば、第1通信チップ1806は、WiFi(登録商標)及びブルートゥース(登録商標)のような複数の近距離無線通信に専用されてよく、第2通信チップ1806は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX(登録商標)、LTE、EV−DO、及びその他のような複数の長距離無線通信に専用されてよい。複数の通信チップの各々は、本明細書において開示されている複数のRF通信回路の1つまたは複数の実施形態を含んでよい。
【0087】
プロセッサ1804及び/またはコンピューティングデバイス1800の通信チップ1806は、1つまたは複数のダイまたは本明細書において説明されるようなICパッケージにおける複数の他のコンポーネントを含んでよい。「プロセッサ」という用語は、複数のレジスタ及び/またはメモリからの電子データを処理し、当該電子データを、複数のレジスタ及び/またはメモリに格納され得る他の電子データに変換する、任意のデバイスまたはデバイスの部分を指し得る。
【0088】
様々な実装において、コンピューティングデバイス1800は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメントコントロールユニット、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤ、またはデジタルビデオレコーダであってよい。複数の更なる実装において、コンピューティングデバイス1800は、データを処理する任意の他の電子デバイスであってよい。いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている複数のRF通信回路は、高性能コンピューティングデバイスに実装される。いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている複数のRF通信回路は、複数のハンドヘルドコンピューティングデバイスに実装される。
【0089】
以下の複数の段落は本開示の複数の実施形態の多数の例を提供する。
【0090】
例1は、アンテナ、出力ポートを有する送信機回路、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、アンテナに連結されるアンテナポートと、送信機回路の出力ポートに連結される送信機ポートと、制御ポートとを有するチューナ回路、及び、制御ポートに連結され、アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、BAWRまたはチューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、を備えるモバイル通信デバイスである。
【0091】
例2は、例1の主題を含んでよく、送信機回路は電力増幅器(PA)を含み、PAは供給電圧を受ける供給電圧ポートを有し、PAは送信機回路の出力ポートに連結されるPA出力ポートを含み、PA出力ポートは、出力電力レベルにおいて電流を出力すべく、PAは、出力ポートにおいて測定されるような、チューナ回路及びアンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、ピーク出力電力を有し、制御回路は、PAのピーク出力電力を出力電力レベルに一致させるべく、BAWRまたはチューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成されることをさらに特定する。
【0092】
例3は、例2の主題を含んでよく、アンテナは、第1アンテナであることをさらに特定し、受信機に連結され、第1アンテナと異なる第2アンテナをさらに備える。
【0093】
例4は、例1の主題を含んでよく、送信機回路は、送信機に連結される送信機ポートを有するダイプレクサを含み、ダイプレクサは、受信機に連結される受信機ポートと、送信機回路の出力ポートに連結されて送信機ポート及び受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されるダイプレクサ出力ポートとをさらに有し、制御回路は、ダイプレクサ出力ポートが送信機ポートに連結される場合に、送信機回路の出力ポートにおいて測定されるような、チューナ回路及びアンテナの組み合わせられるインピーダンスを送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたはチューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成されることをさらに特定する。
【0094】
例5は、例1から4のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、モールド化合物の外側に配置されることをさらに特定する。
【0095】
例6は、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、アンテナに連結されるアンテナポートと、制御ポートとを有するチューナ回路を提供する段階、及び、制御ポートに連結され、アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路を提供する段階、を備える無線周波数通信用の方法である。
【0096】
例7は、例6の主題を含んでよく、アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、制御回路を用いて、チューナ回路のインピーダンスを調整する段階をさらに含む。
【0097】
例8は、例6の主題を含んでよく、チューナ回路に連結される、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成されるPA出力ポートを含む電力増幅器(PA)を提供する段階、をさらに含み、PAは、出力ポートで測定されるようなチューナ回路及びアンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、制御回路は、チューナ回路のインピーダンスがPAのピーク出力電力を出力電力レベルに一致させることを可能にすべく、BAWRまたはチューナ回路の別のコンポーネントを調整することによってチューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される。
【0098】
例9は、例6の主題を含んでよく、送信機に連結される送信機ポートを有するダイプレクサを提供する段階をさらに含み、ダイプレクサは、受信機に連結される受信機ポートと、チューナ回路に連結されて送信機ポート及び受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されうるダイプレクサ出力ポートとをさらに有し、制御回路は、ダイプレクサ出力ポートが送信機ポートに連結される場合に、送信機回路の出力ポートにおいて測定されるような、チューナ回路及びアンテナの組み合わせられるインピーダンスを送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたはチューナ回路の別のコンポーネントの調整を介してチューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される。
【0099】
例10は、送信機に連結される送信機ポートと、受信機に連結される受信機ポートと、送信機ポート及び受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されるダイプレクサ出力ポートとを有する無線周波数ダイプレクサ、ダイプレクサ出力ポートに連結され、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、1つまたは複数の他のコンポーネントと、アンテナに連結されるアンテナポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、及び、制御ポートに連結され、ダイプレクサ出力ポートにおいて測定されるような、チューナ回路及びアンテナの組み合わせられるインピーダンスを、ダイプレクサ出力ポートが送信機ポートに連結される場合に送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、ダイプレクサ出力ポートが受信機ポートに連結される場合には受信機のインピーダンスに一致させるべく、BAWRまたはチューナ回路の他のコンポーネントの調整を介してチューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、を有する無線周波数(RF)通信回路である。
【0100】
例11は、例10の主題を含んでよく、制御回路は、チューナ回路のインピーダンスを調整すべく、チューナ回路に含まれ、少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間で印加されるDC電圧を調整するように構成されることをさらに特定する。
【0101】
例12は例10から11のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく、調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含むことをさらに特定する。
【0102】
例13は、例10から12のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含むことをさらに特定する。
【0103】
例13aは、例10の主題を含んでよく、制御回路及び複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれる。
【0104】
例14は、例10から14のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、モールド化合物の外側に配置されることをさらに特定する。
【0105】
例15は、例10から14のいずれかの主題を含んでよく、送信機及び送信機ポートの間で連結される電力増幅器(PA)、をさらに有し、制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、PAは、モールド化合物の外側に配置される。
【0106】
例16は、例10から14のいずれかの主題を含んでよく、送信機及び送信機ポートの間で連結される電力増幅器(PA)、をさらに有し、制御回路及びPAは、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれる。
【0107】
例17は、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、送信機アンテナに連結されるアンテナポートと、信号ポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、出力ポートを有し、信号ポートに連結され、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成される電力増幅器(PA)、PAは、出力ポートにおいて測定されるような、チューナ回路及びアンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を含み、及び、制御ポートに連結され、PAのピーク出力電力を出力電力レベルに一致させるべく、チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、を備える無線周波数(RF)通信回路である。
【0108】
例18は、例17の主題を含んでよく、ダイプレクサは、PA及びチューナ回路の間に介在しないことをさらに特定する。
【0109】
例19は、例17から18のいずれかの主題を含んでよく、RF通信回路は、モバイル通信デバイスに含まれ、出力電力レベルは、モバイル通信デバイス及び当該モバイル通信デバイスと通信を行う基地局の間の距離に少なくとも部分的に基づくことをさらに特定する。
【0110】
例20は、例17から19のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、チューナ回路のインピーダンスを調整すべく、チューナ回路に含まれ、少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間において印加されるDC電圧を提供するように構成されることをさらに特定する。
【0111】
例21は、例17から20のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく、調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含むことをさらに特定する。
【0112】
例22は例17から21のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく、複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含むことをさらに特定する。
【0113】
例23は、例17から22のいずれかの主題を含んでよく、PA、及び、複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、フリップチップ構造体において隣り合ってパッケージされることをさらに特定する。
【0114】
例24は、例17から22のいずれかの主題を含んでよく、制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、PA、及び、複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、モールド化合物の外側に配置されることをさらに特定する。
【0115】
例25は、例17から23のいずれかの主題を含んでよく、PAは、ワイヤボンディングパッケージに含まれることをさらに特定する。
【0116】
図示された複数の実装の上述の説明は、要約に説明されたものを含み、本開示の実施形態を開示された明確な複数の形態に限定し、または包括的なものとすることを意図されない。複数の特定の実装が複数の例示的目的のために本明細書において説明される一方で、当業者が認めるであろうように、本開示の範囲内で、様々な均等な変更が可能である。
【0117】
これら複数の変更は、上記の詳細な説明を考慮して、開示される複数の実施形態に施されてよい。以下の特許請求の範囲において用いられる複数の用語は、本開示を、明細書及び特許請求の範囲に開示される複数の特定の実装に限定して解釈されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定され、請求項解釈の確立された原則に従い解釈されるべきである。なお、本明細書によれば、以下の各項目もまた実施形態として開示される。
[項目1]
アンテナと、
出力ポートを有する送信機回路と、
1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、前記アンテナに連結されるアンテナポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結される送信機ポートと、制御ポートとを有するチューナ回路と、
前記制御ポートに連結され、前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路と、
を備える
モバイル通信デバイス。
[項目2]
前記送信機回路は、電力増幅器(PA)を有し、前記PAは供給電圧を受けるべく供給電圧ポートを含み、前記PAは前記送信機回路の前記出力ポートに連結されるPA出力ポートを含み、
前記PA出力ポートは、出力電力レベルにおいて電流を出力すべく、
前記PAは、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、
前記制御回路は、前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させるべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整するように構成される、
項目1に記載のモバイル通信デバイス。
[項目3]
前記アンテナは、第1アンテナであり、
受信機に連結され、前記第1アンテナと異なる第2アンテナを、
さらに備える
項目2に記載のモバイル通信デバイス。
[項目4]
前記送信機回路は、送信機に連結される送信機ポートを含むダイプレクサを有し、前記ダイプレクサは、受信機に連結される受信機ポートと、前記送信機回路の前記出力ポートに連結されて前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されるダイプレクサ出力ポートとをさらに含み、
前記制御回路は、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に、前記送信機回路の前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを前記送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介し、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整するように構成される、
項目1に記載のモバイル通信デバイス。
[項目5]
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、前記モールド化合物の外側に配置される、
項目1から4のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
[項目6]
1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、アンテナに連結されるアンテナポートと、制御ポートとを有するチューナ回路を提供する段階、及び、
前記制御ポートに連結され、前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づいて前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路を提供する段階、
を備える
無線周波数通信用の方法。
[項目7]
前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づき、前記制御回路を用いて、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整する段階、
をさらに備える
項目6に記載の方法。
[項目8]
前記チューナ回路に連結される、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成されるPA出力ポートを含む電力増幅器(PA)を提供する段階、
をさらに備え、
前記PAは、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、
前記制御回路は、前記チューナ回路のインピーダンスが前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントを調整することによって前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整するように構成される、
項目6に記載の方法。
[項目9]
送信機に連結される送信機ポートを有するダイプレクサを提供する段階、
をさらに備え、
前記ダイプレクサは、受信機に連結される受信機ポートと、前記チューナ回路に連結されて前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されうるダイプレクサ出力ポートとをさらに有し、
前記制御回路は、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に、送信機回路の出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを前記送信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の別のコンポーネントの調整を介して前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整するように構成される、
項目6に記載の方法。
[項目10]
送信機に連結される送信機ポートと、受信機に連結される受信機ポートと、前記送信機ポート及び前記受信機ポートのうちの1つに制御可能に連結されうるダイプレクサ出力ポートとを含む無線周波数ダイプレクサ、
前記ダイプレクサ出力ポートに連結され、1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、1つまたは複数の他のコンポーネントと、アンテナに連結されうるアンテナポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、及び、
前記制御ポートに連結され、前記ダイプレクサ出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナの組み合わせられるインピーダンスを、前記ダイプレクサ出力ポートが前記送信機ポートに連結される場合に前記送信機のインピーダンスに一致させ、前記ダイプレクサ出力ポートが前記受信機ポートに連結される場合には前記受信機のインピーダンスに一致させることを可能にすべく、BAWRまたは前記チューナ回路の他のコンポーネントの調整を介し前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、
を備える
無線周波数(RF)通信回路。
[項目11]
前記制御回路は、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整すべく、前記チューナ回路に含まれ、少なくとも1つのBAWRの2つの電極、の間で印加されうるDC電圧を調整するように構成される、
項目10に記載のRF通信回路。
[項目12]
前記制御回路は、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含む、
項目10に記載のRF通信回路。
[項目13]
前記制御回路は、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含む、
項目10に記載のRF通信回路。
[項目14]
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、前記モールド化合物の外側に配置される、
項目10に記載のRF通信回路。
[項目15]
前記送信機及び前記送信機ポートの間で連結されうる電力増幅器(PA)、
をさらに備え、
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記PAは、前記モールド化合物の外側に配置される、
項目10から14のいずれか一項に記載のRF通信回路。
[項目16]
前記送信機及び前記送信機ポートの間で連結されうる電力増幅器(PA)、
をさらに備え、
前記制御回路及び前記PAは、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれる、 項目10から14のいずれか一項に記載のRF通信回路。
[項目17]
1つまたは複数のバルク音響波共振器(BAWR)と、送信機アンテナに連結されうるアンテナポートと、信号ポートと、制御ポートとを含むチューナ回路、
出力ポートを有し、前記信号ポートに連結され、出力電力レベルにおいて電流を出力するように構成される電力増幅器(PA)、前記PAは、前記出力ポートにおいて測定されるような、前記チューナ回路及び前記アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づくピーク出力電力を有し、及び、
前記制御ポートに連結され、前記PAの前記ピーク出力電力を前記出力電力レベルに一致させるべく、前記チューナ回路のインピーダンスを調整するように構成される制御回路、
を備える
無線周波数(RF)通信回路。
[項目18]
ダイプレクサは、前記PA及び前記チューナ回路の間に介在しない、
項目17に記載の前記RF通信回路。
[項目19]
前記RF通信回路は、モバイル通信デバイスに含まれ、
前記出力電力レベルは、前記モバイル通信デバイス及び前記モバイル通信デバイスと通信を行う基地局の間の距離に少なくとも部分的に基づく、
項目17に記載のRF通信回路。
[項目20]
前記制御回路は、前記チューナ回路の前記インピーダンスを調整すべく、前記チューナ回路に含まれ、少なくとも1つのBAWRの2つの電極の間において印加されうるDC電圧を提供するように構成される、
項目17に記載のRF通信回路。
[項目21]
前記制御回路は、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置されるバラクタのキャパシタンスを調整すべく、調整可能なDC電圧を印加するように構成される調整可能なDC電圧源を含む、
項目17に記載のRF通信回路。
[項目22]
前記制御回路は、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つに直列的にまたは並列に配置される複数微小電気機械システム(MEMS)キャパシタのキャパシタンスを調整すべく、複数の電気信号を加えるように構成される信号源を含む、
項目17に記載のRF通信回路。
[項目23]
前記PA、及び、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、フリップチップ構造体において隣り合ってパッケージされる、
項目17から22のいずれか一項に記載のRF通信回路。
[項目24]
前記制御回路は、埋め込みボールグリッドアレイ構造体のモールド化合物に埋め込まれ、前記PA、及び、前記1つまたは複数のBAWRのうちの少なくとも1つは、前記モールド化合物の外側に配置される、
項目17から22のいずれか一項に記載のRF通信回路。
[項目25]
前記PAは、ワイヤボンディングパッケージに含まれる、
項目17から22のいずれか一項に記載のRF通信回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18