(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133507
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】PCB基板上のバックドリルホールの製造方法及びPCB基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
H05K3/46 Z
H05K3/46 X
H05K3/46 N
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-530308(P2016-530308)
(86)(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公表番号】特表2016-527725(P2016-527725A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】CN2013088042
(87)【国際公開番号】WO2015014051
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年1月29日
(31)【優先権主張番号】201310334885.4
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507231932
【氏名又は名称】北大方正集▲団▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEKING UNIVERSITY FOUNDER GROUP CO., LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】513327104
【氏名又は名称】珠海方正科技高密電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI FOUNDER TECH. HI−DENSITY ELECTRONIC CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】513298387
【氏名又は名称】方正信息産業控股有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOUNDER INFORMATION INDUSTRY HOLDINGS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100092200
【弁理士】
【氏名又は名称】大城 重信
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】陳 顯任
(72)【発明者】
【氏名】任 保偉
【審査官】
小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−063956(JP,A)
【文献】
特開2009−239188(JP,A)
【文献】
特開平08−162766(JP,A)
【文献】
特開平06−350256(JP,A)
【文献】
特開2005−026549(JP,A)
【文献】
特開2010−287862(JP,A)
【文献】
特開2012−204662(JP,A)
【文献】
特開2011−243767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCB基板上のバックドリルホールの製造方法であって、
前記PCB基板上のバックドリルホールの製造方法は、
PCB基板上でスルーホール(through-hole)を形成するステップと、
前記スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成するステップと、
すでに金属層が形成された前記スルーホール(through-hole)内へ樹脂を埋めるステップと、
すでに樹脂が埋められた前記スルーホール(through-hole)に対しバックドリル加工を行うステップと、
前記スルーホール(through-hole)内に残された金属屑を除去するステップと、を含み、
前記スルーホール(through-hole)に残された金属屑を除去する前記ステップは、前記PCB基板の外層にドライフィルムを覆い、酸エッチングプロセスを用い、パターン転写により外層の回路パターンを形成するとともに、バックドリルした後の前記スルーホール(through-hole)に残された金属屑をエッチングするステップを含むことを特徴とするPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【請求項2】
前記スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成する前記ステップは、
金属の無電解メッキ及び電気メッキプロセスにより前記スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【請求項3】
すでに金属層が形成された前記スルーホール(through-hole)へ樹脂を埋める前記ステップは、アルミシートスクリーンを用いすでに金属層が形成された前記スルーホール(through-hole)へ樹脂を埋めるステップを含むことを特徴とする請求項1記載のPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【請求項4】
前記スルーホール(through-hole)の内壁に形成する金属層の所定の厚さは13μm〜104μmであることを特徴とする請求項2記載のPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【請求項5】
前記スルーホール(through-hole)の内壁に形成する金属層の所定の厚さは25μm〜35μmであることを特徴とする請求項4記載のPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【請求項6】
前記スルーホール(through-hole)の穴径が≦0.25mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のPCB基板上のバックドリルホールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の生産分野に関し、特にPCB基板上のバックドリルホール(back−drilled hole)の製造方法及びPCB基板に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2013年8月2日に中国特許局に提出し、出願番号が201310334885.4であり、発明名称が「PCB基板上のバックドリルホールの製造方法及びPCB基板」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0003】
バックドリルホールの応用は現在PCB(Printed Circuit Board、プリント基板)業界でますます普及され、特に現在高電力信号送信に用いる電子製品にとって、バックドリルホールはPCB基板の設計において重要な要素である。
【0004】
PCB基板の製造プロセスにおいては、各内層間の回路の接続を実現するためにスルーホール(through-hole)を設ける必要があり、かつスルーホール(through-hole)はさらに無電解銅メッキ、電気メッキ等の処理を介し、スルーホール(through-hole)に導体層を形成することで、各層間の回路の接続を実現する。ただし、一部のPCB基板のスルーホール(through-hole)は部分的に導通すればよいのに、無電解銅メッキ、電気メッキの処理後のスルーホール(through-hole)はすべて導通されるため、それにより、スルーホール(through-hole)の端部の接続問題が生じ、それが信号の折り返しの原因となり、送信信号の反射、散乱、遅延等の現象等が生じるため、信号の「歪み」の問題が生じる。上記現象の発生を避けるために、スルーホール(through-hole)にバックドリル処理を行う必要がある。
【0005】
電子製品の進歩に伴い、電子製品を設計する際にバックドリルプロセスに対し要求が厳しくなっており、特に高速電子製品に設計する小穴(穴径≦0.25
mmである穴を小穴という)に対しバックドリル加工を行う場合には、バックドリルした後の小穴に銅ワイヤが残ってはいけない。
【0006】
上記各種要求の制限に基づき、業界ではバックドリルした後の小穴に銅が残ることに対する対策とはアルカリエッチングプロセスフローを設計することである。
図1a〜
図1bは従来の技術におけるPCB基板上のバックドリルホールの製造方法フローの各ステップの構造を示す図であり、
図1a〜
図1iに示すように、アルカリエッチングプロセスフローは主に、材料切断することと、内層パターンを転写することと、ブラウンオキサイドすることと、外層基板を圧着してPCB基板01を形成すること(
図1aに示すように)と、穴011を開けること(
図1bに示すように)と、無電解銅メッキ及び予め基板メッキすること(穴内銅02の厚さを5μm〜8μm間で制御し、
図1cに示すのは穴内の厚み増加層であり、後続の便宜を図るため、表面銅の厚み増加部分は図示を省略する)と、ドライフィルム03を配置することと、外層アルカリパターンを転写すること(
図1dに示すように)と、パターン電気メッキすること(
図1eに示すように、あらゆる穴の穴内銅の厚さを顧客の要求に応じ充分にメッキする)と、回路の窓位置に錫04をメッキすること(
図1fに示すように)と、バックドリルすること(
図1gに示すように)と、ドライフィルムを除去すること(
図1hに示すように)と、アルカリエッチングすること(
図1iに示すように)等を含む。
【0007】
ただし、上記アルカリエッチングプロセスフローを用いれば、バックドリルした後の小穴に銅ワイヤが残る問題を解決することができるにも関わらず、まだ多くの欠陥が存在し、それは主に以下の幾つの欠陥を含む。
【0008】
欠陥1
小穴バックドリル設計におけるアルカリエッチングプロセスフローは非常に複雑であり、生産フローも長いため、生産効率が低い。
【0009】
欠陥2
アルカリエッチングはPCB基板の銅の厚さに対し非常に要求が厳しく、通常基板の銅の厚さを≦50μmに制御しなければならず、さもないと、細小回路(通常は回路の幅≦4milの回路を細小回路と定義し、1milは約25.4μmである)に対しエッチングの要求に満すことができない。
【0010】
欠陥3
小穴バックドリル設計におけるアルカリエッチングプロセスフローでは表面銅メッキを二回もする必要があるが、表面銅層が厚すぎてしまい、小穴の直径が小さくなってしまい、小穴に対し錫メッキを行いにくくなる。そうなると、穴に錫が不充分のため穴銅を保護することができなくなってしまい、後続のバックドリル後に残る銅ワイヤを除去するエッチングプロセスにおいて、エッチングしてはいけない銅をエッチングしてしまうため、小穴に銅がなくなって廃棄することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法においては、樹脂で穴を埋めることによって穴の銅層を保護するため、酸エッチングプロセスにおいてバックドリル後小穴に残る金属屑のみを除去し、樹脂に保護されている穴の銅層には影響を及ぼさないようにし、かつ製造プロセスが簡単である。
【0012】
本発明はさらに上記バックドリルホールを含むPCB基板を提供し、バックドリルホールには金属屑が残らず、かつ穴の銅の残るべき部分は損傷されず完全である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0014】
本発明は、PCB基板上でスルーホール(through-hole)を形成するステップと、
前記スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成するステップと、
すでに金属層が形成された前記スルーホール(through-hole)内へ樹脂を埋めるステップと、
すでに樹脂が埋められた前記スルーホール(through-hole)に対しバックドリル加工を行うステップと、
前記スルーホール(through-hole)内に残された金属屑を除去するステップと、
を含むPCB基板上のバックドリルホールの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法においては、電気メッキプロセスを1回施すことによりスルーホール(through-hole)の内壁に形成する金属層を所定の厚さにするため、製造のプロセスが簡略化され、電気メッキプロセスを2回施すことで誤差が大きくなり、金属層が厚くなる現象が生じることを避けることができる。それと共に、まず樹脂で穴を埋めた後にバックドリルし、続いて酸エッチングし、バックドリルされたスルーホール(through-hole)に残る金属屑を除去する方法を用いることにより、スルーホール(through-hole)の口径が小さすぎるため、穴に金属を2回電気メッキした後に、スルーホール(through-hole)の口径が更に小さくなってしまい、錫メッキしにくくなりエッチングしてはいけない穴銅を保護することができなくなる現象が生じることを避けることができる。
【0016】
そのため、本発明の実施例に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法を用いることにより、製造プロセスを簡略化することができると共に、背景技術に係るアルカリエッチングプロセスフローに生じる銅が厚すぎる現象を避けることができ、さらに背景技術に係るアルカリエッチングプロセスフローにおいて小穴に銅がないため廃棄される現象が生じることを避けることができる。
【0017】
そのため、本発明に係るPCB基板のバックドリルホールの製造方法においては、穴へ樹脂を埋めることにより穴の銅層を保護するため、電気メッキプロセスが1回だけで良い酸エッチングプロセスを用い、酸エッチングプロセスにおいてバックドリルした後の小穴に残る金属屑のみを除去し、樹脂に保護されている穴の銅層には影響を及ぼさないようにすることができ、かつ製造プロセスが簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで説明する図面は本発明の更なる理解のために提供し、本発明の一部として構成しており、本発明の実施例及びその説明は本発明を説明するために用いられ、本発明を不当に制限するものではない。図面は以下の通りである。
【
図1a-1i】従来技術におけるPCB基板上のバックドリルホールの製造方法フローの各ステップの構成を示す図。
【
図2】本発明に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法のフロー図。
【
図3】本発明の実施例に係るPCB基板上のスルーホール(through-hole)の形成を示す図。
【
図4】本発明の実施例に係るスルーホール(through-hole)の内壁で金属層を形成することを示す図。
【
図5】本発明の実施例に係るスルーホール(through-hole)へ樹脂を埋めることを示す図。
【
図6】本発明の実施例に係るバックドリルした後のスルーホール(through-hole)を示す図。
【
図7】本発明の実施例に係るスルーホール(through-hole)に残る金属屑を除去することを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明が解決しようとする技術問題、技術案及び有益な効果をより明確に説明するために、以下に図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。理解すべきは、ここで記述した具体的な実施例は本発明を説明するために用いられるのみであり、本発明を制限するために用いられるものではない。
【0020】
ここで説明すべきは、本発明で述べたPCB基板は多層板であり、バックドリルホールの製造方法は主に小穴(孔径≦0.25
mmである穴を小穴という)にバックドリル加工を行う方法であり、背景技術で述べた小穴にバックドリル加工を行う際の難しさを克服するために用いる代替案である。当然なことに、大きい穴をバックドリルする際にもこの方法を用いることができる。
【0021】
図2に示すように、
図2は本発明に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法のフロー図であり、本発明の実施例に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法は、以下のステップを含む。
― ステップS101において、PCB基板上でスルーホール(through-hole)を形成する。
― ステップS102において、スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成する。
― ステップS103において、既に金属層を形成したスルーホール(through-hole)へ樹脂を埋める。
― ステップS104において、既に樹脂を埋めたスルーホール(through-hole)にバックドリル加工を行う。
― ステップS105おいて、スルーホール(through-hole)に残った金属屑を除去する。
【0022】
本発明の実施例に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法では、電気メッキプロセスを1回施すことによりスルーホール(through-hole)の内壁に形成する金属層を所定の厚さにするため、製造のプロセスが簡略化され、電気メッキプロセスを2回施すことで誤差が大きくなり、金属層が厚くなる現象が生じることを避けることができる。金属の電気メッキは電気メッキプロセスで行い、それと共に、まず樹脂で穴を埋めた後にバックドリルし、続いて酸エッチングし、既にバックドリルしたスルーホール(through-hole)に残る金属屑を除去する方法を用いることにより、スルーホール(through-hole)の口径が小さすぎるため、穴に金属を2回電気メッキした後にスルーホール(through-hole)の口径が更に小さくなってしまい、錫メッキしにくくなりエッチングしてはいけない穴銅を保護することができなくなる現象が生じることを避けることができる。
【0023】
そのため、本発明の実施例に係るPCB基板上のバックドリルホールの製造方法を用いることにより、製造プロセスを簡略化することができると共に、背景技術に係るアルカリエッチングプロセスフローにおける銅が厚すぎる現象が生じることを避けることができ、さらに背景技術に係るアルカリエッチングプロセスフローにおける小穴に銅がないため廃棄される現象が生じることを避けることができる。
【0024】
そのため、本発明に係るPCB基板のバックドリルホールの製造方法は、穴に樹脂を埋めることによって穴の銅層を保護するため、酸エッチングプロセスにおいてバックドリルした後の小穴に残る金属屑のみを除去し、樹脂に保護されている穴の銅層には影響を及ぼさないと共に、まず穴に樹脂を埋めてからバックドリルする形態を用いるため、従来の設計におけるアルカリエッチング方案がより簡単なエッチングプロセスにより代替される。例えば、銅メッキするステップ、及び錫メッキするステップが1回減り、製造時間が節約され、環境にやさしくなり、さらに基板の廃棄率の低下を確保する。
【0025】
ステップS101において具体的には、金属ドリルでPCB基板1にスルーホール(through-hole)11を開け、
図3に示すように、
図3は本発明の実施例におけるPCB基板上のスルーホール(through-hole)の形成を示す図である。
【0026】
さらに、ステップS102においては、スルーホール(through-hole)の内壁に所定の厚さの金属層を形成し、具体的には、金属の無電解メッキプロセスを介しスルーホール(through-hole)の内壁を金属化し、続いて金属の電気メッキプロセスを介しスルーホール(through-hole)の内壁の金属を所定の厚さまで達するようにすることを含む。金属の無電解メッキプロセス及び金属の電気メッキプロセスは何れも常用の製造プロセスであり、
図4に示すように、
図4は本発明の実施例におけるスルーホール(through-hole)の内壁で金属層を形成することを示す図である。本ステップが終了後、PCB基板1の外層及びスルーホール(through-hole)11の内壁の何れにも金属がメッキされる。
【0027】
業界における製品のニーズに基づき、スルーホール(through-hole)11の内壁の金属層12の所定の厚さは通常13〜104μm間である。例えば、13μm,23μm、33μm、43μm、53μm、63μm、73μm、83μm、93μm、104μm等であり、ここでは一一列挙しないことにする。通常の場合には、厚さが25μm〜35μmの金属は主に中位以上の製品の製造プロセスに応用される。
【0028】
ステップS103において、すでに金属層を形成したスルーホール(through-hole)11に樹脂を埋めることは具体的には、アルミシートスクリーンですでに金属層を形成したスルーホール(through-hole)へ樹脂2を埋めることを含む。
図5に示すように、
図5は本発明の実施例におけるスルーホール(through-hole)へ樹脂を埋めることを示す図である。本ステップが終了後、スルーホール(through-hole)11に樹脂2が埋められ、好ましくは、スルーホール(through-hole)全体に樹脂2が埋まり、それにより、樹脂で穴を埋めることで穴壁の銅を保護することができ、酸エッチングプロセスにおいてバックドリルした後の小穴に残る金属屑のみを除去し、樹脂により保護される穴の銅には影響を及ぼさない。
【0029】
ステップS104において、具体的には、通常は機械で穴を開ける形態を用い、すでに樹脂を埋めたスルーホール(through-hole)にバックドリル加工を行う。このステップが終了後、PCB基板1は
図6に示す通りであり、
図6は本発明の実施例におけるバックドリル加工をした後のスルーホール(through-hole)を示す図であり、図から分かるように、バックドリルプロセスを行った後、スルーホール(through-hole)には金属屑121が残る。
【0030】
ステップS105において、スルーホール(through-hole)に残る金属屑を除去することは、具体的には、ドライフィルムでPCB基板1の外層を覆い、酸エッチングプロセスを用い、パターン転写により外層の回路パターンを形成するとともに、すでにバックドリルした後のスルーホール(through-hole)に残る金属屑をきれいにエッチングすることを含む。ドライフィルムは除去してはいけない金属層を保護することができる。このステップが終了後、PCB基板1は
図7に示す通りである。
【0031】
上記酸エッチングプロセスにおける酸性エッチング液は工業用硫酸である。製造プロセスにおいては、工業用硫酸は常用の酸性エッチング液であり、工業用硫酸に含まれている硫酸量は92.5%を超えることとなる。本発明の実施形態において適用される工業用硫酸の濃度は必要に応じ配合すれば良く、当然なことに、酸性エッチング液はその他の酸であっても良く、ここでは贅言を省略する。
【0032】
通常、上記電気メッキする金属は銅であり、バックドリルした後のスルーホール(through-hole)に残る金属屑は金属ワイヤ又は金属粉等であることがある。
【0033】
本発明はさらに上記バックドリルホールを有するPCB基板を提供し、バックドリルホール内には金属屑が残らず、なお穴の銅の残るべき部分は損傷されず完全である。
【0034】
もちろん、本分野の技術者は本発明の精神及び範囲を逸脱せずに本発明に対しいろんな変更及び変形をしても良い。このように、もし本発明のこれらの修正及び変更が本発明の特許請求の範囲及びその均等な技術範囲内であれば、本発明はこれらの修正及び変更も含む。
【符号の説明】
【0035】
01 PCB基板
011 穴開け
02 銅
03 ドライフィルム
04 錫
1 PCB基板
11 スルーホール(through-hole)
12 金属層
121 残留の金属屑
2 樹脂