【文献】
Huawei, HiSilicon,Standard impacts to support higher order modulation[online],3GPP TSG-RAN WG1#73 R1-131853,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_73/Docs/R1-131853.zip,2013年 5月20日
【文献】
Ericsson,On standard impacts to support 256QAM in downlink[online],3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135655,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135655.zip,2013年11月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
セルラネットワークの無線ノード(500)によって実行される方法であって、前記無線ノード(500)がユーザ機器UEとの無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、前記第1のテーブル構成が第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方が特定の最大変調次数をサポートし、前記方法が、
− 前記第1のテーブル構成の前記最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数が前記無線ノード(500)と第1のUE(502)との間の無線通信に使用できる可能性があることを検出すること(400)と、
− 前記第1のUE(502)に対し、前記無線通信において第2のテーブル構成を適用するよう命令すること(402)であって、前記第2のテーブル構成が第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が前記より高次の変調次数をサポートし、かつ前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリが、前記第2のテーブル構成が適用されているときの、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持される、命令することとを含み、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数が前記第1のテーブル構成の最小変調次数を含み、前記第1のMCSテーブル内の前記最小変調次数に対する最初のエントリが前記第2のMCSテーブル内に前記フォールバックとして維持され、かつ前記第1のCQIテーブル内の前記最小変調次数の最小符号化率に対するエントリが前記第2のCQIテーブル内に前記フォールバックとして維持され、
送信のために前記フォールバックを選択することが、次の送信に対する前記第1のテーブル構成の使用を示す、方法。
前記無線ノード(500)が、前記無線ノード(500)と前記第1のUE(502)との間で伝達される信号のパフォーマンス関連パラメータがしきい値を上回ったとき、前記第1のUE(502)に対し、前記無線ノード(500)と前記第1のUE(502)との間の前記無線通信において前記第2のテーブル構成を適用するよう命令する、請求項1に記載の方法。
前記無線ノード(500)が、前記無線ノード(500)と第2のUEとの間で伝達される信号の前記パフォーマンス関連パラメータが前記しきい値を下回ったとき、前記第2のUEに対し、前記無線ノード(500)と前記第2のUEとの間の無線通信において前記第1のテーブル構成を適用するよう命令する、請求項2に記載の方法。
前記無線ノード(500)が前記第2のUEに対し、前記第2のUEへ命令を送信することにより前記第1のテーブル構成を適用するよう命令し、または前記第2のUEへ命令を送信しないことにより前記第2のテーブル構成を適用するよう命令する、請求項3に記載の方法。
前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、それぞれ対応する前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正であり、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加され、かつ前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数のエントリのセットが削除されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
前記第1のMCSテーブルと前記第2のMCSテーブルとが等しいサイズとなり、かつ/または前記第1のCQIテーブルと前記第2のCQIテーブルとが等しいサイズとなるように、前記より高次の変調次数の追加されるエントリの数と、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数の削除されるエントリの数とが等しい、請求項6に記載の方法。
前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、それぞれ対応する前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正であり、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方のすべてのエントリが前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持され、かつ前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
前記第1のテーブル構成および前記第2のテーブル構成が、それぞれ前記第1のMCSテーブルおよび前記第2のMCSテーブルに対応するトランスポートブロックサイズ(TBS)テーブルをさらに含む、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
ユーザ機器UEとの無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能である、セルラネットワークの無線ノード(500)であって、前記第1のテーブル構成が第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方が特定の最大変調次数をサポートし、前記無線ノード(500)が、
− 前記第1のテーブル構成の前記最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数が前記無線ノード(500)と第1のUE(502)との間の無線通信に使用できる可能性があることを検出するように設定された、論理部(500a)と、
− 前記第1のUE(502)に対し、前記無線通信において第2のテーブル構成を適用するよう命令するように設定された命令部(500b)であって、前記第2のテーブル構成が第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が前記より高次の変調次数をサポートし、かつ前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリが、前記第2のテーブル構成が適用されているときの、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持される、命令部(500b)とを備え、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数が、前記第1のテーブル構成の最小変調次数を含み、前記第1のMCSテーブル内の前記最小変調次数に対する最初のエントリが、前記第2のMCSテーブル内に前記フォールバックとして維持され、かつ前記第1のCQIテーブル内の前記最小変調次数の最小符号化率に対するエントリが、前記第2のCQIテーブル内に前記フォールバックとして維持され、
送信のために前記フォールバックを選択することが、次の送信に対する前記第1のテーブル構成の使用を示す、無線ノード。
前記無線ノード(500)と前記第1のUE(502)との間で伝達される信号のパフォーマンス関連パラメータがしきい値を上回ったとき、前記第1のUE(502)に対し、前記無線ノード(500)と前記第1のUE(502)との間の前記無線通信において前記第2のテーブル構成を適用するよう命令するように設定された、請求項10に記載の無線ノード(500)。
前記無線ノード(500)と第2のUEとの間で伝達される信号の前記パフォーマンス関連パラメータが前記しきい値を下回ったとき、前記第2のUEに対し、前記無線ノード(500)と前記第2のUEとの間の無線通信において前記第1のテーブル構成を適用するよう命令するように設定された、請求項11に記載の無線ノード(500)。
前記第2のUEに対し、前記第2のUEへ命令を送信することにより前記第1のテーブル構成を適用するよう命令し、または前記第2のUEへ命令を送信しないことにより前記第2のテーブル構成を適用するよう命令するように設定された、請求項12に記載の無線ノード(500)。
前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、それぞれ対応する前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正であり、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加され、かつ前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数のエントリのセットが削除されている、請求項10ないし14のいずれか一項に記載の無線ノード(500)。
前記第1のMCSテーブルと前記第2のMCSテーブルとが等しいサイズとなり、かつ/または前記第1のCQIテーブルと前記第2のCQIテーブルとが等しいサイズとなるように、前記より高次の変調次数の追加されるエントリの数と、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数の削除されるエントリの数とが等しい、請求項15に記載の無線ノード(500)。
前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、それぞれ対応する前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正であり、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方のすべてのエントリが前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持され、かつ前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加されている、請求項10ないし14のいずれか一項に記載の無線ノード(500)。
前記第1のテーブル構成および前記第2のテーブル構成が、それぞれ前記第1のMCSテーブルおよび前記第2のMCSテーブルに対応するトランスポートブロックサイズ(TBS)テーブルをさらに含む、請求項10ないし17のいずれか一項に記載の無線ノード(500)。
ユーザ機器UE(700)によって実行される方法であって、前記UE(700)がセルラネットワークの無線ノード(702)との無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、前記第1のテーブル構成が第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方が特定の最大変調次数をサポートし、前記方法が、
− 前記無線通信において第2のテーブル構成を適用する命令を前記無線ノード(702)から受信すること(600)であって、前記第2のテーブル構成が第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、前記第1のテーブル構成の前記最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数をサポートする、受信することと、
− 前記無線ノード(702)との前記無線通信において前記第2のテーブル構成を適用すること(602)とを含み、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリが、前記第2のテーブル構成が適用されているときの、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持され、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数が、前記第1のテーブル構成の最小変調次数を含み、前記第1のMCSテーブル内の前記最小変調次数に対する最初のエントリが、前記第2のMCSテーブル内に前記フォールバックとして維持され、かつ前記第1のCQIテーブル内の前記最小変調次数の最小符号化率に対するエントリが、前記第2のCQIテーブル内に前記フォールバックとして維持され、
送信のために前記フォールバックを選択することが、次の送信に対する前記第1のテーブル構成の使用を示す、方法。
セルラネットワークの無線ノード(702)との無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であるユーザ機器UE(700)であって、前記第1のテーブル構成が第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方が特定の最大変調次数をサポートし、前記UE(700)が、
− 前記無線通信において第2のテーブル構成を適用する命令を前記無線ノード(702)から受信するように設定された通信部(700a)であって、前記第2のテーブル構成が第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方が、前記第1のテーブル構成の前記最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数をサポートする、通信部と、
− 前記無線ノード(702)との前記無線通信において前記第2のテーブル構成を適用するように設定された論理部(700b)とを備え、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリが、前記第2のテーブル構成が適用されているときの、前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持され、
前記第1のMCSテーブルと前記第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数が、前記第1のテーブル構成の最小変調次数を含み、前記第1のMCSテーブル内の前記最小変調次数に対する最初のエントリが、前記第2のMCSテーブル内に前記フォールバックとして維持され、かつ前記第1のCQIテーブル内の前記最小変調次数の最小符号化率に対するエントリが、前記第2のCQIテーブル内に前記フォールバックとして維持され、
送信のために前記フォールバックを選択することが、次の送信に対する前記第1のテーブル構成の使用を示す、UE。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本解決策によって、LTEシステムにおいてより高次の変調方式を採用するためにMCSおよびCQIの通知に関する上述の制御シグナリングを再設計し得ると認められた。特に、このようなシグナリングに用いられるMCSおよびCQIインデックステーブルは、余分のシグナリングビットを何ら必要とすることなく現行の最大変調次数を上げることができるように修正することが可能である。本開示において、より高次の変調という用語は、例えばシンボル当たり8ビットを搬送できる256QAMまたは512QAMなどのさらに高次の変調など、64QAMよりも高次の変調方式を指してよい。
【0021】
簡単に説明すると、無線ノードとUEとの間の無線通信において、当初は第1のテーブル構成が適用される。第1のテーブル構成は第1のMCSテーブルおよび/または第1のCQIテーブルを含み、これらのテーブルは特定の最大変調次数、例えば6をサポートする。
図2に第1のMCSテーブルの例を示し、
図3に第1のCQIテーブルの例を示す。第1のMCSテーブルおよび第1のCQIテーブルは、このように事前定義され、UEにとって既知であり、またこれらのテーブルは、例えば、上述のリンクアダプテーションを可能にするために、現在、LTEにおいて無線ノードとUEとの間のシグナリングに用いられている。ただし、第1のテーブル構成において他のMCSテーブルおよびCQIテーブルを使用することも可能である。これらの例において、第1のMCSテーブルおよび第1のCQIテーブルによってサポートされる最大変調次数は、64QAMに対応する、Q
m=6であることがわかる。
【0022】
例えばUEからのCQIレポートに基づき、第1のテーブル構成の最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数が上記の通信において使用できる可能性があることを検出すると、無線ノードは、UEに対し、このより高次の変調次数をサポートする第2のテーブル構成を適用するよう命令する。第2のテーブル構成は、より高次の変調次数をサポートする追加エントリを有する第2のMCSテーブルおよび/または第2のCQIテーブルを含んでいる。第2のテーブル構成におけるこのようなテーブルをどのように設定することができるかについては、後ほど例を取り上げてさらに詳しく説明する。本解決策において、第1のテーブル構成のテーブルの少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリは、第2のテーブル構成が適用されているときの、第1のテーブル構成の前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましいか、それどころか必要になった場合のフォールバックとして、具体的には、無線状態が悪化し、無線接続を維持するためには第1のテーブル構成の前記少なくとも1つの変調次数、例えば最小変調次数しか使用することができないような場合のフォールバックとして、維持すなわち保持される。
【0023】
ここで、LTEによるリンクアダプテーションが概ねどのように実現され得るのかを説明する。
【0024】
LTEにおけるダウンリンクデータ送信では、
図1に示すように、通常、無線ノードが、UEによってアップリンクで送信されるCQIフィードバックに応じてMCSを選択する。CQIフィードバックは、現在のチャネル状態および可能なデータレートを示し、より具体的には、現在のチャネル状態およびUE受信器を前提としてダウンリンクチャネルによってサポートされ得る変調符号化方式(MCS)を示す。
【0025】
LTE規格は、無線ノードとUEとの間のシグナリングを提供するように設計されている。ダウンリンクでは、PDSCH送信に採用されたMCSに関する情報が、無線ノードからUEへ送信されるダウンリンク制御情報(DCI)内の5ビットのフィールドによって示される。このMCSフィールドは、
図2のMCSインデックステーブルに対応している。このテーブルには32の組合せまたはエントリのための余地がある。このうち29個のエントリは採用されたMCSを通知するために用いられ、その各エントリが変調次数およびトランスポートブロックサイズ(TBS)に対応しており、3個のエントリは、例えば適応再送信をサポートするために予備にされている。可能なすべてのTBSは、TBSインデックス(I
TBS)および割当て帯域幅を、対応するトランスポートブロックサイズ(ビット単位)にマッピングするTBSテーブルによって表すことができる。
【0026】
アップリンクにおいて、UEは、サービング無線ノードがダウンリンク送信に適用される適切なMCSを選択する際の助けとなるように、CQIを報告する。CQIは、通常、サービング無線ノードによって送信されたダウンリンク参照信号に対してUEが実施した測定から導出される。例えば、報告されたCQIは、例えばトランスポートブロック誤り率の見込みが10%以下となるPDSCH送信のためにサポートされるMCSの最大値を示し得る。CQIは、
図3に示す事前定義されたCQIインデックステーブルに関してUEから無線ノードへ通知される。4ビットのCQI値は、CQIインデックステーブル内のCQIインデックス0〜15に対応する16の組合せのうち、特定のMCSに対応している。CQIテーブルは、トランスポートブロックサイズではなく、符号化率に対してパラメータ化されていることに注目すべきである。したがって、選択されて通知されたCQIは、UEにおいて測定されるブロック誤り率が10%以下となる変調符号化率の最大値を示す。無線ノードは、UEからのCQIフィードバックおよび他の情報に基づき、MCSテーブルから適切なMCSインデックスを選択し、これによりMCSシグナリングによってUEに通知することができる。
【0027】
現行のLTEシステムでは、ダウンリンクとアップリンクの両方に対して、QPSK、16QAM、および64QAMの3つの変調方式をサポートしている。このため、MCSインデックステーブル、CQIインデックステーブル、およびDCI内の対応する通知用フィールドは、この3つの変調方式向けに設計されている。しかし、現行のLTE規格ではより高次の変調方式がサポートされていない。より高次の変調、すなわち上記のQPSK、16QAM、および64QAM方式よりも高次の変調をサポートするためには、UEが、新しい変調方式専用のエントリも含む追加のMCS/CQIテーブルをサポートする必要がある。MCS/CQIテーブルを修正すると、DCIフォーマット、さらに場合によってはアップリンク制御情報(UCI)のフォーマットの再設計も必要となることがある。
【0028】
通常、追加のMCS/CQIテーブルは、信号品質が高いためにより高次の変調の使用が可能となる状況、つまり信号対雑音比(SNR)またはSINRが高い場合に用いられる。一方、SNRまたはSINRが比較的低い状況では、QPSK、16QAM、および64QAMをサポートする現行のMCS/CQIテーブルがリンクのロバスト性を確保する上で有用である。ゆえに、以下のようにチャネル状態に基づいて適切なMCS/CQIテーブルを採用する、柔軟性を備えた解決策が考案された。
【0029】
上述のように、現行のLTEシステムは最大64QAMの変調しかサポートしていないが、信号品質が許すならば、例えば256QAMといったより高次の変調を使用してデータレートを増加させることが望ましいだろう。より高次の変調をサポートするには、MCSインデックステーブル、CQIインデックステーブル、およびDCI/UCI内の対応するフィールドに関して、現行の制御シグナリングに対する適応化および/または拡張が必要となる。このような課題は、本明細書において説明する実施形態によって解決することができる。
【0030】
本開示では、LTEシステムに利用可能であり、また
図2および
図3にそれぞれ示すMCSインデックステーブルおよびCQIインデックステーブルの現行の設計など、基本のMCSおよびCQIテーブルに加えてサポートされ得る、より高次の変調をサポートするMCSインデックステーブルおよび/またはCQIインデックステーブルの代替設計について説明する。
【0031】
現行のLTE規格におけるMCSおよびCQIテーブルは、例えば
図2および
図3に示すように最大64QAMの変調方式をサポートしている。提案される新しいMCSおよびCQIインデックステーブルは、DCI/UCIフォーマットにおけるビット数またはMCSテーブルおよびCQIテーブルにおけるそれぞれのエントリの数を必ずしも拡張しなくても、64QAMよりも高次の変調をサポートすることができる。本解決策では、例えば高SINRの状況、より一般的に言えば、無線ノードとUEとの間で伝達される信号のSINRなどのパフォーマンス関連パラメータが一定のしきい値を上回ったとき、より高次の変調方式を選択することが可能である。
【0032】
新しいMCS/CQIテーブルには、高SINR領域をカバーするのに十分な分解能を提供するように設計された、より高次の変調用の新しいエントリが追加されている。一方で現行のMCSおよび/またはCQIテーブルにおける既存エントリの大部分を残すことができる。第1のテーブル構成に現行のMCSおよび/またはCQIテーブルが含まれるようにし、第2のテーブル構成により高次の変調をサポートする新しいMCSおよび/またはCQIテーブルが含まれるようにすることができる。このようにすると、UEおよび無線ノードが実装しなければならない新しいMCS/CQIフォーマットの数を最小限に抑えられるという利点がある。言い換えれば、UEおよび無線ノードは、より高次の変調を可能にするために、第2のテーブル構成のMCSテーブルおよび/またはCQIテーブルを1つ余分にサポートするだけで済む。
【0033】
可能な一実施形態では、MCSテーブル内の少なくとも1つのMCSエントリ、例えばMCSインデックス0である最小のMCSエントリおよび/またはCQIテーブル内の少なくとも1つのCQIエントリ、例えばCQIインデックス1である最小変調次数の最小符号化率に対する最小のCQIエントリは、基本のMCSおよび/またはCQIテーブルからそのまま残される、すなわち維持されるため、劣悪なチャネルまたは無線状態下においても無線ノードとUEとの間の適正な通信が確保される。したがって、第2のテーブル構成が適用されているときに、より高次の変調次数よりも次数の低い変調次数、例えば最小変調次数の使用のみが可能であるか、または望ましい場合に、フォールバックが提供される。このようにして、チャネルまたは無線状態が変化している場合に柔軟性およびロバスト性が提供されると共に、例えば信号制御プレーンデータに対して堅牢なフォーマットが提供され、および/またはUEは基本のMCSおよび/またはCQIテーブルを劣悪な/通常のチャネルまたは無線状態に適しているとみなすように再設定される。本明細書において説明する実施形態を用いることにより、LTEシステムにおけるリンク適応を拡張して、例えば高SINRの状況においては周波数利用効率の大幅な改善を可能にしつつ、無線状態が悪化した場合はロバスト性を維持するようなより高次の変調方式をサポートすることができる。
【0034】
本開示では、様々な例示的実施形態を説明するのに3GPP LTEの用語を使用しているが、これは前述のシステムにのみ使用範囲を限定しているとみなされるべきではないことに留意されたい。WCDMA、WiMAX、およびウルトラモバイルブロードバンドすなわちUMBを含む他の無線システムもまた、本明細書において説明する実施形態を利用することによる恩恵を享受し得る。
【0035】
無線ノードなどの用語は非限定的とみなされるべきであり、概して「無線ノード」はデバイス1とみなすことができ、「UE」はデバイス2とみなすことができ、これら2つのデバイスは本明細書において説明するように何らかの無線チャネルを介して相互に通信可能であることにも留意すべきである。
【0036】
以下に、いくつかの例示的な実施形態により本解決策についてさらに詳しく説明する。これらの実施形態は相互排他的ではないことに留意すべきである。ある実施形態のコンポーネントは、適切な場合、別の実施形態において利用することができる。
【0037】
図2および
図3にそれぞれ、現行のLTE規格で用いられているMCSインデックステーブルおよびCQIインデックステーブルを示す。次に、代替のMCSおよびCQIインデックステーブルの可能な設計、ならびに無線ノードおよびUEが、第2のテーブル構成の新たに提案されたMCS/CQIテーブルと第1のテーブル構成のMCS/CQIテーブルとの間で切替えを行うことができるメカニズムについて説明する。本解決策は、本明細書において説明するMCS/CQIテーブルの特定の例に限定されないこと、さらにいかなるMCS/CQIテーブルも本明細書において説明する実施形態に従って使用され得ることに留意すべきである。
【0038】
次に、
図4の流れ図を参照しながら、本解決策が用いられる際にセルラネットワークの無線ノードによって実行される手順の例を説明する。無線ノードに適用し得る、可能であるが非限定的ないくつかの実施形態についても説明する。この手順において、無線ノードはUEとの無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、第1のテーブル構成は第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方は特定の最大変調次数をサポートするものとする。上述のように、現在用いられているMCS/CQIテーブルによってサポートされる最大変調次数は、64QAMに対応するQ
m=6であり、現在用いられているMCS/CQIテーブルは本解決策における第1のテーブル構成として制限なく使用され得る。
【0039】
最初のアクション400において、無線ノードは、第1のテーブル構成の最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数が無線ノードと第1のUEとの間の無線通信に使用できる可能性があることを検出する。例えば、当該状況は、無線ノードと第2のUEとの間で伝達される信号のSINRなどのパフォーマンス関連パラメータが一定のしきい値を上回ったときに検出され得る。
【0040】
もう1つのアクション402は、無線ノードが第1のUEに対し、前記無線通信において第2のテーブル構成を適用するよう命令することを示す。第2のテーブル構成は、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルのこの少なくとも一方はより高次の変調次数をサポートする。さらに、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルのこの少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリは、第2のテーブル構成が適用されているときの、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持される。言い換えれば、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は、このようなフォールバックを提供するために、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方にも含まれている少なくとも1つの変調次数、例えば最小変調次数に対する少なくとも1つのエントリを含んでいる。例えばUEからのCQIレポートによって示されるような信号品質が突然劣化し、ロバスト性を確保するためには最小変調次数よりも高次の変調次数は使用に適さないか、または使用不可能である場合に、このようなフォールバックが望ましく、また必要でもあり得る。
【0041】
可能な一実施形態において、無線ノードは、無線ノードと第1のUEとの間で伝達される信号のパフォーマンス関連パラメータがしきい値を上回ったとき、第1のUEに対し、無線ノードと第1のUEとの間の無線通信において第2のテーブル構成を適用するよう命令してもよい。このパフォーマンス関連パラメータは、無線ノードによって送信されたダウンリンク参照信号の測定値が含まれる、第1のUEによって提供されたCQIレポートから導出されてもよい。
【0042】
可能な別の実施形態において、無線ノードは、無線ノードと第2のUEとの間で伝達される信号のパフォーマンス関連パラメータがしきい値を下回ったとき、第2のUEに対し、無線ノードと第2のUEとの間の無線通信において第1のテーブル構成を適用するよう命令してもよい。さらに可能な一実施形態において、この場合に、無線ノードは第2のUEに対し、第2のUEへ命令を送信することにより第1のテーブル構成を適用するよう明示的に命令し、または第2のUEへ第1のテーブル構成を適用すべきであると示す命令を送信しないことにより、第2のテーブル構成を適用するよう黙示的に命令してもよい。無線ノードはさらに、無線ノードと第1のUEとの間で伝達される信号のパフォーマンス関連パラメータがしきい値を下回った場合は、第1のUEに対し、第1のテーブル構成を再び適用するよう命令してもよい。後者の実施形態のいずれにおいても、パフォーマンス関連パラメータは信号対干渉雑音比(SINR)を含み得る。
【0043】
第2のテーブル構成のMCSおよびCQIインデックステーブルは、第1のテーブル構成のMCSおよびCQIインデックステーブル、例えば、
図2および
図3に示すテーブルを、現在の最大変調次数を上げることができるように修正することによって作成できることは、既に述べたとおりである。これは、余分なシグナリングビットを何ら必要とせずに実現可能である。可能な一実施形態において、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は、それぞれ対応する第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正とすることができ、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加され、かつ第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数のエントリのセットがそれぞれ対応する第2のテーブルにおいて削除されている。可能な別の実施形態において、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における前記少なくとも1つの変調次数は、第1のテーブル構成の最小変調次数を含んでいてもよい。第1のMCSテーブルおよび第1のCQIテーブルに対する上述の修正をどのように行うことができるかについては、
図8および
図9の例を参照しながら後ほどさらに詳しく説明する。
【0044】
第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数、例えば最小変調次数に対する少なくとも1つのエントリは、第2のテーブル構成を使用している間に信号品質が劣化した場合のフォールバックとして、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持、すなわち保持されることも、既に述べたとおりである。可能な別の実施形態において、第1のMCSテーブル内の最小変調次数に対する最初のエントリは、第2のMCSテーブル内にフォールバックとして維持されてもよく、また第1のCQIテーブル内の最小変調次数の最小符号化率に対するエントリは、第2のCQIテーブル内にフォールバックとして維持されてもよい。この実施形態については、以下で後ほどさらに詳しく示す。
【0045】
可能な別の実施形態において、第1のMCSテーブルと第2のMCSテーブルとが等しいサイズとなり、かつ/または第1のCQIテーブルと第2のCQIテーブルとが等しいサイズとなるように、より高次の変調次数の追加されるエントリの数と最小変調次数の削除されるエントリの数とが等しくなるようにしてもよい。このようにすることで、第1のテーブル構成に加えて第2のテーブル構成をサポートするために、MCSおよび/またはCQIのシグナリングにおいてそれぞれ余分なビットが必要とされない。
【0046】
可能な別の実施形態において、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は、それぞれ対応する第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方の修正とすることができ、前記第2のMCSテーブルと前記第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方で、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方のすべてのエントリが、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持、すなわち保持され、かつ前記より高次の変調次数のエントリのセットが追加されている。さらに可能な一実施形態において、第1のテーブル構成および第2のテーブル構成はそれぞれ、第1のMCSテーブルおよび第2のMCSテーブルに対応するトランスポートブロックサイズ(TBS)テーブルをさらに含んでいてもよい。TBSテーブルは、TBSインデックスすなわちI
TBSおよび割当て帯域幅を、対応する、例えばビット数で与えられるトランスポートブロックサイズにマッピングしたものである。
【0047】
図5のブロック図は、無線ノードの上述の機能を実行するために、無線ノードがモジュール、回路、またはユニットなどのいくつかの可能な機能エンティティでどのように構成され得るか、その詳細ながら非限定的な例を示している。この図で、無線ノード500はUEとの無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、第1のテーブル構成は、第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方は特定の最大変調次数をサポートする。
【0048】
無線ノード500は、上記および下記のように本解決策を用いる任意の例および実施形態に従って動作するように設定されてよい。特に、無線ノード500は、
図4の流れ図および適切な場合は上述の実施形態のアクションを実行するように構成または設定された手段を備えていてよい。このいずれをも実行するために、無線ノード500は、通信回路C、メモリM、および以下に説明する様々な機能部を備えた動作可能なプロセッサPで実現され得る。
【0049】
より具体的には、無線ノード500は、第1のテーブル構成の最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数が無線ノード500と第1のUE502との間の無線通信に使用できる可能性があることを検出するように設定された、論理部500aなどの手段を備えている。この検出動作は、上記のアクション400で説明したように実行されてよい。
【0050】
無線ノード500は、第1のUE502に対し、前記無線通信において第2のテーブル構成を適用するよう命令するように設定された、命令部500bなどの手段もまた備えており、第2のテーブル構成は第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は前記より高次の変調次数をサポートし、かつ第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における少なくとも1つの変調次数に対する少なくとも1つのエントリは、第2のテーブル構成が適用されているときの、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方における、前記少なくとも1つの変調次数を使用することが望ましい場合のフォールバックとして、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方において維持される。この命令動作は、上記のアクション402で説明したように実行されてよい。
【0051】
次に、
図6の流れ図を参照しながら、本解決策が用いられる際にUEによって実行される手順の例を説明する。この手順において、UEはセルラネットワークの無線ノードとの無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、第1のテーブル構成は第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方は特定の最大変調次数をサポートするものとする。
【0052】
最初のアクション600は、UEが前記無線通信において第2のテーブル構成を適用する命令を無線ノードから受信することを示し、第2のテーブル構成は第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は、第1のテーブル構成の最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数をサポートする。もう1つのアクション602では、UEは無線ノードとの無線通信において第2のテーブル構成を適用する。このアクションは、第2のテーブル構成に従って、第2のMCSテーブルに関して無線ノードからMCSシグナリングを受信することおよび/または第2のCQIテーブルに関して無線ノードへCQIレポートを送信することを含んでいてもよい。
【0053】
図7のブロック図は、UEの上述の機能を実行するために、UEがモジュール、回路、またはユニットなどのいくつかの可能な機能エンティティでどのように構成され得るか、その詳細ながら非限定的な例を示している。この図で、UE700はセルラネットワークのサービング無線ノード702との無線通信において第1のテーブル構成を適用するように動作可能であり、第1のテーブル構成は第1の変調符号化方式(MCS)テーブルと第1のチャネル品質指標(CQI)テーブルの少なくとも一方を含み、第1のMCSテーブルと第1のCQIテーブルの前記少なくとも一方は特定の最大変調次数をサポートする。
【0054】
UE700は、上記および下記のように本解決策を用いる任意の例および実施形態に従って動作するように設定されてよい。特に、UE700は、
図6の流れ図のアクションを実行するように構成または設定された手段を備えていてよい。このいずれをも実行するために、UE700は、通信回路C、メモリM、および以下に説明する様々な機能部を備えた動作可能なプロセッサPで実現され得る。
【0055】
より具体的には、UE700は、前記無線通信において第2のテーブル構成を適用する命令を無線ノード702から受信するように設定された、通信部700aなどの手段を備え、第2のテーブル構成は第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの少なくとも一方を含み、第2のMCSテーブルと第2のCQIテーブルの前記少なくとも一方は、第1のテーブル構成の最大変調次数よりも次数の高いより高次の変調次数をサポートする。UE700は、無線ノード702との無線通信において第2のテーブル構成を適用するように設定された論理部700bなどの手段も備えている。これは図中に、UE700が、第2のテーブル構成に従って、第2のMCSテーブルに関して無線ノード702からMCSシグナリングを受信することおよび/または第2のCQIテーブルに関して無線ノード702へCQIレポートを送信することによって示されている。
【0056】
図5および
図7はそれぞれ無線ノード500およびUE700における様々な機能部を例示したものであり、当業者であれば、適切なソフトウェアおよびハードウェアを使用して、これらの機能部を実際に実現できることに留意すべきである。したがって、本解決策は、上位概念的に言えば、無線ノード500およびUE700の図示した構造に限定されるものではなく、機能部500a〜bおよび700a〜bは、適切な場合、本開示において説明するいずれの特徴にも従って動作するように設定され得る。
【0057】
上述の機能部500a〜bおよび700a〜bは、無線ノード500およびUE700それぞれにおいて、各ノード内のプロセッサPによって実行されたときに無線ノード500およびUE700に上記のアクションおよび手順を実行させるコード手段を含むそれぞれのコンピュータプログラムのプログラムモジュールによって、実現することができる。各プロセッサPは単一の中央処理装置(CPU)を備えていてもよいし、または2つ以上の処理装置を備えていてもよい。例えば、各プロセッサPは、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサおよび/もしくは関連するチップセット、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)などの特定目的マイクロプロセッサを備えていてもよい。各プロセッサPはまた、キャッシング目的の記憶域を備えていてもよい。
【0058】
各コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体を有し、かつプロセッサPに接続されているメモリの形態で、無線ノード500およびUE700のそれぞれにおけるコンピュータプログラム製品によって保持されてもよい。したがって、無線ノード500およびUE700のそれぞれにおけるコンピュータプログラム製品またはメモリMは、コンピュータプログラムが例えばコンピュータプログラムモジュールなどの形態で格納されている、コンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。例えば、各ノードにおけるメモリMは、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、またはElectrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)であってもよく、プログラムモジュールは、代替実施形態において、異なるコンピュータプログラム製品上に無線ノード500およびUE700それぞれの内部のメモリの形態で分散させることもできる。
【0059】
本明細書において説明する解決策は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに上記の任意の実施形態に従うアクションを実行させる命令を含む、コンピュータプログラムによって、無線ノード500およびUE700それぞれにおいて実現することができる。本解決策は、無線ノード500およびUE700それぞれにおける、上記のコンピュータプログラムが含まれているキャリアにおいても実現することができ、このキャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体の1つである。
【0060】
次に、
図2および
図3に示す第1のMCSおよびCQIテーブルをどのように修正して、
図8の修正MCSテーブルおよび
図9の修正CQIテーブルに例示した第2のMCSおよびCQIテーブルを作成することができるかについて、さらに詳しく説明する。
【0061】
MCSインデックステーブル
1つの実例において、上述の第1のテーブル構成の第1のMCSテーブルは、
図1のUE1などの1つのUEに対するダウンリンク送信に用いられ、
図1のUE2などの別のUEに対するダウンリンク送信には、上述の第2のテーブル構成の第2のMCSテーブルが用いられる。
【0062】
別の実例において、第1のMCSテーブルは、
図2に示すような、規格に準拠した第1のテーブル構成の現行のMCSテーブルであり、第2のMCSテーブルは、第1のMCSテーブルによってサポートされる最大変調次数よりも次数の高い変調次数をサポートする第2のテーブル構成の新しい修正MCSテーブルである。すなわち、第2のMCSテーブルにはより高次の変調のエントリが含まれている。
図8に、
図2の第1のMCSテーブルを修正した第2のMCSテーブルの例を示す。
【0063】
別の実例において、無線ノードは、DL送信に現行のMCSテーブルまたは提案された代替MCSテーブルのいずれかを使用することができる。さらなる例において、使用対象となるMCSテーブルに関する情報は、通常は特定の単一のサブフレームに適用されるDCIメッセージの一部とすることもできるし、または、通常は別途通知があるまで適用される、無線リソース制御、RRCメッセージまたは媒体アクセス制御、MACメッセージの一部とすることもできる。
【0064】
別の実例において、第2のテーブル構成の提案されたMCSインデックステーブルには、32+N行が含まれていてもよい。Nは、0以上の(非負)整数である。このテーブルの列は、
図2に示すMCSインデックステーブルの列と同じパラメータを表しており、MCSインデックスI
MCS、変調次数Q
m、およびTBSインデックスI
TBSを含んでいる。1つのMCSに対応する、テーブルの各列または各エントリには、MCSインデックスI
MCSによって索引付けがされており、変調次数とTBSインデックスの特定の組合せが含まれている。
【0065】
別の実例において、第2のテーブル構成の提案されたMCSインデックステーブルでM行、すなわちM個のMCSインデックスを使用して、1つのより高次の変調方式および1つのTBSインデックスのペアを含むMCSを示してもよい。ここでMはM>Nの非負整数とする。
【0066】
別の実例において、
図2の32+N−M個のMCSエントリが第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルで再利用されてもよい。つまり、
図2のM−N個のMCSエントリを新しいMCSテーブルに含めないようにする。
【0067】
規格における現行のTBSテーブルは、3GPP TS 36.213 V11.2.0(2013−04)という文書のTable 7.1.7.2.1−1に示されている。別の例において、このM−N個のMCSに含まれるTBSインデックスに対応するTBS値の行を、第1のテーブル構成のTBSテーブルから削除してもよい。一方で、このTBSテーブルには、より高次の変調のM個のMCSに対応するTBS値の新たなM行が追加される。
【0068】
さらなる実例において、N=0のとき、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルは
図2のMCSテーブルと同じサイズを保つことになり、
図2のM個のMCSが
図8のより高次の変調に対するM個のMCSに置き換わる。さらなる例において、MCSインデックス0に対応する最小MCSは、
図8の第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルに残されて、すなわち保持されてもよい。さらなる例において、後続のM個の最小MCS(MCSインデックス1からMに対応)は、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルから除外してもよい。
図8に、このような新しいMCSテーブルの例を示す。
図2と比較すると、
図8では、変調次数2(QPSK)に対するインデックス1から6のMCSが削除されているのに対し、最小MCSは残されている。代わりに、
図8のMCSテーブルには、変調次数8(256QAM)に対する6個のMCSが追加されている。
【0069】
第2のテーブル構成のTBSテーブルを作成するために、削除されるMCSおよび追加されるMCSに対応するTBS値の行を、第1のテーブル構成のTBSテーブルにおいて然るべく削除し、また追加しなければならない。他のMCSエントリは新しいMCSテーブルで再利用され、このテーブルのインデックスは再編成、すなわち最初から番号の付け直しが行われる。
図10は、第2のテーブル構成の提案されたTBSテーブルの例を示しており、テーブル寸法は27*110、
図9のテーブルに対応する256QAMのインデックス21〜26が設定されている。ここで「NV」は新しい値を示す。
図10に示す例では、QPSKに対するインデックス1〜6の行が削除され、256QAMに対するTBS値の新たな6行がテーブル末尾に追加されている。第2のテーブル構成のこの新しいTBSテーブルは、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルにおけるTBSインデックスと整合していなければならない。
【0070】
次に
図10についてさらに詳しく説明する。
図10は、規格36.213 Table 7.1.7.2.1−1におけるトランスポートブロックサイズテーブルを示す。トランスポートブロックサイズ、すなわち1個のトランスポートブロックで搬送されるビット数は、採用されたMCSと、このテーブルにおいてN
PRBで示されるリソースブロックペアの番号の両方によって決まる。MCSテーブルのMCSインデックスごとに、1〜110の100通りのPRB番号が存在し得る。このため、TBSテーブルは、MCSテーブルに対して1対1写像ではないものの、相異なるMCSに対応する110列、27行のサイズをもつ。256QAMの新しいMCSインデックスを追加する場合は、256QAMのTBSエントリも計算して指定する必要がある。したがって、新しいMCSテーブルでは、256QAMの新しいエントリに、対応する新しいTBS値のTBSインデックスが含まれていなければならない。
【0071】
別の実例において、最小MCS、すなわち、
図2に示す第1のテーブル構成のMCSテーブル内のMCSインデックス0のエントリは、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルで再利用してもよい。これは、無線リンクが低SINRの状況などと言われる非常に劣悪なチャネル状態下にあっても、無線ノードとUEとの間の通信が適正に機能するように保証するためである。
【0072】
別の実例において、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルが用いられており、送信のために最小MCSのエントリが選択されたとき、これは、チャネル品質のばらつき、劣悪な無線状態、または他の問題により、より高次の変調をサポートするのが難しいこと、およびより堅牢なMCSが必要とされていることを示している。したがって、次の送信に用いられるMCSテーブルは、第1のテーブル構成の第1のMCSテーブルに自動的にフォールバックして、例えば最小変調次数のエントリのいずれの選択も可能になるようにしてもよい。その第1のMCSテーブルは、制限なく現行標準のMCSテーブルであってよい。
【0073】
別の実例において、DCI内のMCSフィールドは、N>0のとき、すなわち、第2のテーブル構成の新しいMCSテーブルに32個を超えるMCSインデックスがある場合、MCSインデックスを示すために1つまたは複数のビット分拡張してもよい。しかし、MCSテーブルをこのように拡張すると、DCI内に1つまたは複数の余分なビットが必要になる。
【0074】
CQIインデックステーブル
第2のテーブル構成の新しい、すなわち第2のCQIインデックステーブルの設計は、第2のテーブル構成の新しい、すなわち第2のMCSインデックステーブルの設計と類似している。
【0075】
1つの実例において、第1のテーブル構成の第1のCQIテーブルは第1のUEから無線ノードへの無線送信に用いられ得るのに対し、第2のUEから無線ノードへの無線送信には第2のテーブル構成の第2のCQIテーブルが用いられ得、逆もまた真である。
【0076】
別の実例において、この第1のCQIテーブルおよび第2のCQIテーブルはそれぞれ、規格に準拠した現行のCQIテーブル、およびより高次の変調のエントリが含まれている修正CQIテーブルである。
図9に、
図3の第1のテーブル構成の第1のCQIテーブルを修正した第2のテーブル構成の第2のCQIテーブルの例を示す。
【0077】
別の実例において、UEは、送信に第1のテーブル構成の現行のCQIテーブルまたは第2のテーブル構成の新しいCQIテーブルのいずれかを使用することができる。さらなる例において、使用対象となるCQIテーブルに関する情報は、UCIメッセージの一部とすることもできるし、またはRRCもしくはMACメッセージの一部とすることもできる。
【0078】
別の実例において、第2のテーブル構成の提案されたCQIテーブルには、16+N行が含まれ、Nは、0以上の非負整数である。この新しいCQIテーブルの列は、
図3に示すCQIテーブルの列と同じパラメータを表しており、CQIインデックス、変調形式、符号化率、および効率を含んでいる。テーブルの各列または各エントリ、すなわち1つのCQIには、CQIインデックスによって索引付けがされており、変調次数と符号化率の特定の組合せが含まれている。効率の値は変調次数および符号化率に基づいて計算される。
【0079】
別の実例において、第2のテーブル構成の提案されたCQIインデックステーブルでM行、すなわちM個のCQIインデックスを使用して、1つのより高次の変調方式、1つの符号化率、および求められた効率値のペアを含むCQIが示される。ここでMはM>Nの非負整数とする。さらなる実施形態において、より高次の変調に対する符号化率が定義され、CQIテーブルに追加される。
【0080】
別の実例において、
図3の16+N−M個のCQIが第2のテーブル構成の代替CQIテーブルで再利用される。さらなる実施形態において、N=0のとき、新しいCQIテーブルは
図3のCQIテーブルと同じサイズを保つことになり、より高次の変調のためのM個のCQIが
図3のM個のCQIに置き換わる。
【0081】
さらなる例において、CQIインデックス1に対応する最小CQIは、第2のテーブル構成の新しいCQIテーブルに残される。さらなる実施形態において、CQIインデックス2からM+1に対応する後続のM個の最小CQIは、第2のテーブル構成の新しいCQIテーブルから除外される。
図9に、このような実施形態の例を示す。
図3と比較すると、変調次数2(QPSK)に対するインデックス2から5のCQIが削除されているのに対し、最小CQIは残されている。その代わり
図9のテーブルには、変調次数8(256QAM)に対する4個のCQIが追加されている。他のCQIはこのテーブルで再利用され、そのインデックスは再編成されている。
【0082】
上述のように、最小CQI、すなわち、
図3のインデックス1のエントリは、第2のテーブル構成の新しいCQIテーブルで再利用してもよい。これは、無線リンクがきわめて劣悪なチャネル状態下にあっても、無線ノードとUEとの間の通信が適正に機能するように保証するためである。
【0083】
別の実例において、第2のテーブル構成の新しいCQIテーブルが用いられており、最小CQIのエントリが選択されたとき、これは、チャネル品質のばらつきまたは他の問題により、より高次の変調をサポートするのが難しいことを示している。したがって、次の送信に用いられるCQIテーブルは、第1のテーブル構成の第1のCQIテーブルに自動的にフォールバックしてもよい。その第1のCQIテーブルは、制限なく現行標準のCQIテーブルであってよい。
【0084】
別の実例において、アップリンク制御シグナリング内のCQIフィールドは、N>0のとき、すなわち、新しいCQIテーブルに16個を超えるCQIがある場合、CQIインデックスを示すために1つまたは複数のビット分拡張してもよい。しかし、CQIテーブルをこのように拡張すると、DCI内に1つまたは複数の余分なビットが必要になり得る。
【0085】
潜在的な利点
本明細書で説明した実施形態には、以下の利点があると考えられる。
【0086】
− LTEシステムにおけるリンクアダプテーションのプロセスがより高次の変調方式を効率的にサポートするように拡張され得ることで、セルラネットワークにおいて特に高SINRまたは高SNRの状況では周波数利用効率を著しく改善することができる。
【0087】
− MCSテーブル内の少なくとも1つのMCSエントリ、例えばMCSインデックス0の最小MCSのエントリ、およびCQIテーブル内の少なくとも1つのCQIエントリ、例えばCQIインデックス1の最小変調次数の最小符号化率に対する最小CQIのエントリが、第2のテーブル構成におけるフォールバックとして第1のテーブル構成からそのまま残され得るため、無線リンクがきわめて劣悪なチャネル状態下にあるときに無線ノードとUEとの間の適正な通信が確保される。
【0088】
− 現行のMCSテーブルのサイズを維持することができ、拡張する場合も最小限にとどめることができる。
【0089】
− MCSエントリ/CQIエントリの大半をそれぞれ対応する第1のMCSテーブル/CQIテーブルと第2のMCSテーブル/CQIテーブルとの間で共有することにより、無線ノードおよびUEにおける実装のための労力を最小限にとどめることができる。
【0090】
− 本解決策はダウンリンク送信とアップリンク送信の両方に適用可能である。
【0091】
本解決策について特定の例示的実施形態に関して説明してきたが、この説明は概ね本発明概念の例示のみを意図したものであり、本解決策の範囲を限定するものとみなされるべきではない。例えば、この説明全体を通じて「無線ノード」、「ユーザ機器(UE)」、「テーブル構成」、および「変調次数」という用語が用いられているが、本明細書において説明した特徴および特質をもつ、対応する他の任意のエンティティ、機能、および/またはパラメータを使用することもできる。本解決策は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0092】
略語
LTE Long−Term Evolution
PDSCH 物理ダウンリンク共有チャネル
MCS 変調符号化方式
eNB E−UTRAN NodeB
UE ユーザ機器
CQI チャネル品質指標
QPSK 4位相偏移変調
16QAM 16直交振幅変調
64QAM 64直交振幅変調
SINR 信号対干渉雑音比
DCI ダウンリンク制御情報
GSM Global System for Mobile Communications
WCDMA 広帯域符号分割多重アクセス
WiMAX Worldwide Interoperability for Microwave Access
UMB ウルトラモバイルブロードバンド