特許第6133571号(P6133571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133571
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】透過光観測装置
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/10 20060101AFI20170515BHJP
   G01M 11/02 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   G02C7/10
   G01M11/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-239561(P2012-239561)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-89353(P2014-89353A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】506159699
【氏名又は名称】株式会社ジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−194297(JP,A)
【文献】 特開昭61−062842(JP,A)
【文献】 特開2006−113188(JP,A)
【文献】 特開2011−118265(JP,A)
【文献】 特開2011−248245(JP,A)
【文献】 特開平11−211617(JP,A)
【文献】 特開2002−202219(JP,A)
【文献】 特開2012−093689(JP,A)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0363184(KR,Y1)
【文献】 米国特許第06382406(US,B1)
【文献】 仏国特許発明第02905183(FR,B1)
【文献】 特開昭56−111877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00− 8/02
G01N 21/00−21/01
G01N 21/17−21/61
G02B 1/00− 1/08
G02B 3/00− 3/14
G09B 23/00−29/14
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の波長の光を含む光を発生させる発光部と、
前記発光部が発生させる光の光路に配される第1の試料及び第2の試料を保持する保持部と、
前記第1の試料及び前記第2の試料のそれぞれを透過した光の少なくとも一部を反射する反射部と、
を備え、
前記発光部と前記反射部との間には、前記保持部に保持された前記第1の試料及び前記第2の試料が配され、
前記反射部は、前記第1の試料及び前記第2の試料のそれぞれを透過した光の光路に対応する位置に配され、
前記反射部は、前記第1の試料及び前記第2の試料のそれぞれを透過した光の一部を、反射光として観察者に反射し、
前記特定の波長の光に対する前記第1の試料の透過率と、前記特定の波長の光に対する前記第2の試料の透過率とが異なり、
前記第1の試料及び前記第2の試料は、アイウエア用の光学部材である、
透過光観測装置。
【請求項2】
前記特定の波長の光は、380〜500nmの波長を有する、
請求項1に記載の透過光観測装置。
【請求項3】
前記反射部は、前記第1の試料及び前記第2の試料のそれぞれを透過した光の光路に配され、前記第1の試料及び前記第2の試料のそれぞれを透過した光の光路を可視化する可視化部を有し、
前記可視化部は、可視光に対して透明な透明材料を含み、
前記透明材料は、その内部に、前記特定の波長の光を散乱させる光散乱部を有する、
請求項1又は請求項2に記載の透過光観測装置。
【請求項4】
前記発光部は、
前記特定の波長の光を含む前記光を、前記第1の試料に向けて照射する第1の光源と、
前記特定の波長の光を含む前記光を、前記第2の試料に向けて照射する第2の光源と、
を有する、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の透過光観測装置。
【請求項5】
前記第1の試料及び前記第2の試料をさらに備える、
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の透過光観測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過光観測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の波長の光を吸収できるように処理された材料を使用したレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また販売スペースに、統一化又はパターン化した色彩・装飾を施したデモレンズを展示して、デモレンズの装飾により顧客を引き付け、レンズの販売を促進することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
[先行技術文献]
[特許文献1] 米国特許第5975695号明細書
[特許文献2] 特開2010−102278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献2に記載された方法では、光学材料を透過した光を観測することができない。そのため、特定の機能を付与された光学材料の性能を容易に判断することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、特定の波長の光を含む光を発生させる発光部と、発光部が発生させる光の光路に配される第1の試料及び第2の試料を保持する保持部と、第1の試料及び第2の試料のそれぞれを透過した光の少なくとも一部を反射する反射部とを備え、特定の波長の光に対する第1の試料の透過率と、特定の波長の光に対する第2の試料の透過率とが異なる透過光観測装置が提供される。
【0005】
上記透過光観測装置において、特定の波長の光は、380〜500nmの波長を有してもよい。
上記透過光観測装置において、反射部は、第1の試料及び第2の試料のそれぞれを透過した光の光路に配され、第1の試料及び第2の試料のそれぞれを透過した光を可視化する可視化部を有し、可視化部は、可視光に対して透明な透明材料を含み、透明材料は、その内部に、前記特定の波長の光を散乱させる光散乱部を有してもよい。
【0006】
上記透過光観測装置において、発光部は、特定の波長の光を含む光を、第1の試料に向けて照射する第1の光源と、特定の波長の光を含む光を、第2の試料に向けて照射する第2の光源とを有してもよい。
上記透過光観測装置において、第1の試料及び第2の試料をさらに備えてもよい。
上記透過光観測装置において、第1の試料及び第2の試料は、アイウエア用の光学部材であってもよい。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る透過光観測装置100の斜視図を示す。
図2】第1の実施形態に係る透過光観測装置100を上方から見た場合の概略図を示す。
図3】第1の実施形態に係る透過光観測装置100の側面図を示す。
図4】第2の実施形態に係る透過光観測装置200を上方から見た場合の概略図を示す。
図5】第3の実施形態に係る透過光観測装置300を上方から見た場合の概略図を示す。
図6】第4の実施形態に係る透過光観測装置400を上方から見た場合の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る透過光観測装置100の斜視図を示す。また、図2は、透過光観測装置100を上方から見た場合の概略図を示す。透過光観測装置100は、発光部110、保持部120、及び反射部130を備える。発光部110と反射部130との間には、保持部120に保持された第1の試料150及び第2の試料160が配されている。第1の試料150と第2の試料160とは、特定の波長の光に対する透過率が異なる。
【0011】
発光部110は、特定の波長の光を含む光を発生させる。発光部110は、特定の波長の光を含む光を第1の試料150に向けて照射する第1の光源112と、特定の波長の光を含む光を第2の試料160に向けて照射する第2の光源114とを有してよい。第1の光源112及び第2の光源114は、レーザー光、又はコヒーレントな光を照射してもよい。第1の光源112及び第2の光源114は、LED光源であってもよい。
【0012】
第1の光源112及び第2の光源114が照射する特定の波長の光は、380〜500nmの波長を有してよい。特に好ましくは特定の波長の光は、380〜495nmの波長を有するブルーライトであってよい。第1の光源112及び第2の光源114は、波長分布及び強度が実質的に同一の光を発生させてよい。波長分布及び強度が実質的に同一とは、一般的な観察者が2つの光を目視により観測した場合に、当該観察者が両者の違いを明確に認識できない場合をいう。
【0013】
第1の試料150は、特定の波長の光(例えば、ブルーライト)の透過率を低減させるように処理された材料を用いて製造されてよい。例えば、第1の試料150は、特定の波長の光を吸収し、その他の波長の可視光を透過させる材料を用いて製造される。第1の試料150は、透明プラスチック又はガラスの表面に、特定の波長の光を反射又は吸収するコーティングを形成することで製造されてもよい。透明プラスチックとしては、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ノルボルネン系ポリマー等が挙げられる。
【0014】
第1の試料150における第1の範囲の波長を有する光の透過率は、第1の試料150における第2の範囲の波長を有する光の透過率よりも小さくてよい。第1の範囲は380〜500nmから選択されてよく、第2の範囲は500〜750nmから選択されてよい。すなわち、第1の試料150におけるブルーライトの透過率は、他の可視光の透過率よりも小さくてよい。
【0015】
第1の試料150におけるブルーライトの透過率は、90%以下であってよく、好ましくは30%以上85%以下であり、より好ましくは35%以上80%以下であり、さらに好ましくは40%以上75%以下である。第1の試料150における可視光全体の透過率は、80%以上であってよく、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
【0016】
第2の試料160における、第1の試料150において透過率を低減させるように処理された波長の光の透過率は、第1の試料150における当該波長の光の透過率よりも大きい。第2の試料160の材料としては、一般的なメガネレンズの製造に用いられるガラス、樹脂等を例示することができる。第2の試料160には、第1の試料150に対して施された処理が施されていなくてもよい。
【0017】
第2の試料160は、開口を有してよい。第2の試料160が開口を有する場合に、保持部120は、第2の試料160の開口が光路上に配されるように、第2の試料160の開口の周辺部を保持してよい。第2の試料の開口が光路上に配された場合、特定の波長の光は、空気等の雰囲気を透過することになるが、空気等の雰囲気を透過する場合も第2の試料160を透過した場合に含めてよい。第2の試料160は、アイウエアのフレームの一部であってもよい。
【0018】
第1の試料150及び第2の試料160は、アイウエア用の光学部材であってよい。第1の試料150及び第2の試料160は、図1に図示されるように、アイウエアのフレーム140に支持されるメガネレンズの形態で提供されてよい。なお、概略図である図2においては、フレーム140の図示を省略している。
【0019】
保持部120は、第1の光源112が照射する光の光路に第1の試料150が配され、第2の光源114が照射する光の光路に第2の試料160が配されるように、第1の試料150及び第2の試料160を保持する。保持部120は、第1の試料150及び第2の試料160を間接的に保持してもよく、直接的に保持してもよい。第1の試料150及び第2の試料160がメガネレンズである場合、保持部120は、メガネレンズの中心点が光の光路上に配されるように、第1の試料150及び第2の試料160を保持してよい。
【0020】
図1に図示されるように、保持部120は、アイウエアのフレーム140のブリッジを支持することにより、第1の試料150及び第2の試料160を間接的に保持してよい。フレーム140は、右目用のリムに第1の試料150を支持するとともに、左目用のリムに第2の試料160を支持してよい。
【0021】
なお、第1の試料150及び第2の試料160は、アイウエア等の他の部材に支持されない状態のメガネレンズのみの形態で提供されてもよく、平坦な板状等、メガネレンズ以外の形態で提供されてもよい。また、第1の試料150及び第2の試料160は一体化された形態で提供されもよい。
【0022】
第1の試料150及び第2の試料160が、アイウエア等の他の部材に支持されない状態で提供されている場合は、保持部120は第1の試料150及び第2の試料160を直接保持してよい。また、第1の試料150及び第2の試料160が一体化されておらず分離された状態で提供されている場合は、保持部120は、第1の試料150を保持する部材、及び第2の試料160を保持する部材の少なくとも2つの部材を含んでよい。
【0023】
反射部130は、第1の光源112から照射されて第1の試料150を透過した光、及び第2の光源114から照射されて第2の試料160を透過した光の少なくとも一部を反射する第1の試料150における特定の波長の光の透過率が、第2の試料160における特定の波長の光の透過率よりも小さい場合、反射部130は、第1の光源112の照射する光の光路に対応する位置の周辺において、暗くて小さな円状又は楕円状の反射光を反射する。一方、反射部130は、第2の光源114の照射する光の光路に対応する位置の周辺において、明るくて大きな円状の反射光を反射する。
【0024】
これにより、第1の試料150及び第2の試料160のそれぞれを透過した光を可視化することができる。その結果、観察者は、第1の試料150と第2の試料160との光学性能の差を容易に判断することができる。光学性能としては、特定の光の透過率を例示することができる。
【0025】
反射部130は、特定の波長の光の一部を吸収してよい。特定の波長の光の一部が吸収されることにより、第1の光源112及び第2の光源114の照射した光が観察者の目に直接照射されることを防止することができる。例えば、反射部130の少なくとも発光部110に対向する位置に、特定の波長の光の一部を吸収する部材が配される。特定の波長の光の一部を吸収する部材は、紙、布などであってよい。反射部130は、表面にサテン生地が貼り付けられたプラスチック材料であってよい。
【0026】
反射部130は、光の色を変換する色変換材料を含んでよい。色変換材料は、ブルーライトを吸収して、波長の変換された光を放出してよい。色変換材料は、蛍光材料であってよい。色変換材料は、少なくとも発光部110に対向する位置に配されてよい。これにより、観察者は、第1の光源112及び第2の光源114の照射した光とは異なる波長の光を観察することにより、第1の試料150と第2の試料160との光学性能を判断することができる。また、色変換材料を適切に選択することにより、観察者は、第1の試料150と第2の試料160との光学性能の差をより明確に観察することができる。
【0027】
反射部130は、特定の波長の光を吸収して変形する材料を含んでよい。上記の材料は、少なくとも発光部110に対向する位置に配されてよい。これにより、第1の試料150及び第2の試料160のそれぞれを透過した光を可視化することができる。反射部130は、特定の波長の光を散乱させる部材を含んでよい、上記の材料は、少なくとも発光部110に対向する位置に配されてよい。これにより、観察者は、第1の試料150と第2の試料160との光学性能の差をより明確に観察することができる。
【0028】
反射部130は、第1の光源112及び第2の光源114の各々が照射する光の光路に対して垂直に配されなくてよい。第1の光源112及び第2の光源114の各々が照射する光の光路と反射部130とがなす角は鈍角であってよい。反射部130において光が照射される領域は、第1の光源112及び第2の光源114の各々が照射する光の反射部130への入射角に応じて変化する。そのため、第1の光源112及び第2の光源114の各々が照射する光の光路と反射部130とがなす角が鈍角である場合、光路と反射部130とがなす角が直角又は鋭角である場合と比較して、反射部130において光が照射される領域の大きさが大きくなる。これにより観察者は、第1の試料150と第2の試料160との光学性能の差をより明確に観察することができる。
【0029】
透過光観測装置100は、第1の光源112が発生させる光の光路から第1の試料150が外れるように、第1の光源112と第1の試料150とを相対移動させる構成をさらに備えてよい。例えば、発光部110が、第1の光源112を移動させる光源移動部を有してもよく、保持部120が、第1の試料150及び第2の試料160の少なくとも一方を移動させる試料移動部を有してよい。
【0030】
第1の光源112と第1の試料150とを相対移動させることにより、第1の光源112が発生させた光の光路に第1の試料150が配された場合の反射光と、光路から第1の試料150が外れた場合の反射光との違いを容易に確認することができる。第1の光源112又は第1の試料150の移動は、第1の光源112が照射した光の光路から第1の試料150が外れた場合の反射光を確認することができればよく、直線移動であってもよく、回転を伴う移動であってもよい。第1の光源112及び第1の試料150の少なくとも一方は、モーター等の駆動機構との組み合わせにより、自動的に移動するように構成されてもよく、レバー等との組み合わせにより、マニュアル操作で移動するように構成されてもよい。
【0031】
図3は、透過光観測装置100の側面図を示す。図1及び図3に図示されるように、透過光観測装置100は、発光部110、保持部120、及び反射部130の各々を格納するケース170をさらに備えてよい。
【0032】
ケース170は、底面172と、載置面174と、背面176とを有する。載置面174は、発光部110から反射部130に向かうにつれ底面172から離れるように底面172に対して傾斜して設けられてよい。背面176は、載置面174に対して略垂直に設けられてよい。
【0033】
これにより、透過光観測装置100は、底面172が下側になるように載置して用いることもでき、背面176が下側になるように載置して用いることもできる。底面172が下側になるように載置した場合には、背面176が下側になるように載置した場合と比較して、安定して、透過光観測装置100を用いることができる。背面176が下側になるように載置した場合には、底面172が下側になるように載置した場合と比較して、狭い場所において、透過光観測装置100を用いることができる。
【0034】
なお、図1から3の何れの図面においても、底面172を載置面として透過光観測装置100を上方から見た状態で、第1の光源112と第2の光源114とが並び、第1の試料150と第2の試料160とが並ぶ形態を図示している。しかしながら、底面172を載置面とした場合において、上下方向に、第1の光源112と第2の光源114とが並び、第1の試料150と第2の試料160とが並ぶ形態であってもよい。
【0035】
図4は、第2の実施形態に係る透過光観測装置200を上方から見た場合の概略図を示す。透過光観測装置200は、単一の光源212を有する発光部210を備える点で、透過光観測装置100と相違する。単一の光源212を用いて第1の試料150及び第2の試料160の両方に光を照射できるように、光源212と、第1の試料150及び第2の試料160とが、透過光観測装置の背面と略平行な面内において相対移動するように透過光観測装置200は構成される。その他の点において、透過光観測装置200の各部は、透過光観測装置100の各部と同様の構成を有してよい。
【0036】
光源212は、少なくとも2つの位置で照射できるように直線移動されてよい。第1の位置は特定の波長の光を含む光を第1の試料150に向けて照射できる位置であり、第2の位置は特定の波長の光を含む光を第2の試料160に向けて照射できる位置であってよい。
【0037】
光源212は、第1の位置と第2の位置との間を移動しているときも特定の波長の光を含む光を照射し続けてよい。特定の波長の光を含む光を連続して照射することで、第1の試料150を透過させたときに、第1の試料150を透過させないときと比較して、光の透過量が少なくなることをより確認しやすくなる。なお、光源212が移動される場合には、保持部120は移動しなくてもよく、固定されてよい。
【0038】
図5は、第3の実施形態に係る透過光観測装置300を上方から見た場合の概略図を示す。透過光観測装置300は、単一の光源312を有する発光部310を備える点で、透過光観測装置100と相違する。透過光観測装置300は、単一の光源312を用いて第1の試料150及び第2の試料160の両方に光を照射できるように、光源312と、第1の試料150及び第2の試料160との少なくとも一方が、回転移動するように構成される点で、透過光観測装置200と相違する。その他の点において、透過光観測装置200の各部は、透過光観測装置100又は透過光観測装置200の各部と同様の構成を有してよい。
【0039】
光源312は、反射部130と対向する一方の端部から光を照射するとともに、他方の端部が固定されて、他方の端部を中心として一方の端部が回転移動するように構成されてよい。光源312は、少なくとも2つの位置で照射できるように回転移動されてよい。第1の位置は特定の波長の光を含む光を第1の試料150に向けて照射できる位置であり、第2の位置は特定の波長の光を含む光を第2の試料160に向けて照射できる位置であってよい。
【0040】
光源312は、一方の端部が第1の位置と第2の位置との間を移動しているときも特定の波長の光を含む光を照射し続けてよい。特定の波長の光を含む光を連続して照射することで、第1の試料150を透過させたときに、第1の試料150を透過させないときと比較して、光の透過量が少なくなることをより確認しやすくなる。
【0041】
なお、第2の実施形態及び第3の実施形態の両方において、単一の光源が第1の試料150及び第2の試料160の両方を照射できるように、単一の光源と、第1の試料150及び第2の試料160との少なくとも一方が移動するように構成されていればよい。例えば、単一の光源が固定されている場合であっても、保持部が移動することにより、第1の試料150及び第2の試料160を移動させることができる。また、単一の光源は、保持部が移動している間も特定の波長の光を含む光を照射し続けてよい。単一の光源及び保持部の少なくとも一方は、モーター等の駆動機構との組み合わせにより、自動的に移動されてもよく、レバー等との組み合わせにより、マニュアル操作で移動されてよい。
【0042】
図6は、第4の実施形態に係る透過光観測装置400を上方から見た場合の概略図を示す。透過光観測装置400は、反射部430が可視化部432を備える点で、透過光観測装置100、透過光観測装置200及び透過光観測装置300と相違する。その他の点において、透過光観測装置400の各部は、透過光観測装置100、透過光観測装置200又は透過光観測装置300の各部と同様の構成を有してよい。
【0043】
可視化部432は、透明材料を含む。透明材料は、可視光に対して透明であり、特定の波長の光を散乱させる光散乱部を含む。光散乱部は、透明材料の内部に分散して配される。したがって、特定の波長の光を含む光が照射されていないとき、可視化部432は透明な部材に視認される。光散乱部は、光の色を変換する色変換材料を含んでよい。色変換材料は、ブルーライトを吸収して、波長の変換された光を放出してよい。色変換材料は、蛍光材料であってよい。
【0044】
可視化部432は、第1の試料150及び第2の試料160のそれぞれの光の進行方向の後段に配されてよい。可視化部432に含まれる透明材料は、特定の波長の光を散乱させる光散乱部を含むので、特定の波長の光が第1の試料150及び第2の試料160を透過した光の光路を可視化することができる。
【0045】
第1の試料150における特定の波長の光の透過率が、第2の試料160における特定の波長の光の透過率よりも小さい場合、可視化部432における第2の試料160を透過した光の光路は、第1の試料150を透過した光の光路と比較して、より明確に視認される。これにより、観察者は、第1の試料150と第2の試料160との光学性能の差を容易に判断することができる。
【0046】
ブルーライトは、他の可視光と比較して散乱を起こしやすい性質を有する。したがって、特定の波長の光がブルーライトである場合は、光散乱部としての微粒子が添加された透明材料を用意することにより、可視化部432において特定の波長の光の光路を確認することができる。
【0047】
透明材料は、気体、固体、液体の何れであってもよい。透明材料は、ゲル状であってもよい。透明材料は、完全に透明でなくてもよい。気体の透明材料として、気化したドライアイスを用いてよい。また、液体の透明材料として、微粒子が添加された水、油等を用いてよい。気体及び液体の透明材料を用いる場合、可視化部432は、透明材料としての気体又は液体が入れられる容器であってよい。
【0048】
固体の透明材料として、微粒子が分散して添加された樹脂、微粒子が分散して添加されたガラス、エアロゲルを用いてよい。固体の透明材料を用いる場合、可視化部432と透明材料とは一体に形成されてよい。また、光散乱部は、微粒子の添加以外にも、透明材料内に微細なキズを形成すること等によって実現されてもよい。
【0049】
可視化部432は、発光部110と対向する面とは反対側の面に、可視化部432の内部を透過した光の少なくとも一部を吸収する光吸収部材を有してよい。吸収部材は、紙、布などであってよい。光吸収部材が特定の波長の光の一部を吸収することにより、可視化部432の内部で光が乱反射することを防止することができる。
【0050】
なお、第4の実施形態においては、第1の実施形態と同様の発光部110を有する形態を説明しているが、第2の実施形態及び第3の実施形態のように発光部が1つの光源のみを有する形態に、可視化部を有する反射部を適用してよい。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0052】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0053】
100 透過光観測装置、110 発光部、112 第1の光源、114 第2の光源 、120 保持部、130 反射部、140 フレーム、150 第1の試料、160 第2の試料、170 ケース、172 底面、174 載置面、176 背面、200 透過光観測装置、210 発光部、212 光源、300 透過光観測装置、310 発光部、312 光源、400 透過光観測装置、430 反射部、432 可視化部
図1
図2
図3
図4
図5
図6