(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の容器詰飲料は、(A)マンノオリゴ糖を含有する。ここで、本明細書において「(A)マンノオリゴ糖」とは、マンノースを構成糖とするオリゴ糖を意味し、構成糖の数が異なる種々のオリゴ糖を含む混合物であってもよい。
(A)マンノオリゴ糖としては、D−マンノースがβ−1,4結合してできたβ−1,4−マンノオリゴ糖が好ましく、分子中のマンノースの単位数は2〜10が好ましく、2〜6が更に好ましい。
【0011】
このような(A)マンノオリゴ糖は、例えば、こんにゃく等に含まれるグルコマンナンやグァーガム等に含まれるガラクトマンナンを酸分解や酵素分解する方法、コプラミールから酵素分解によりマンノビオースを製造する方法、あるいはコーヒー豆又はコーヒー抽出残渣等を加水分解する方法等の公知の方法により得ることができる。具体的な操作は、例えば、特開昭63−49093号公報、特開平11−18793号公報、特開平2−200147号公報等の記載を参照することができる。中でも、コーヒー豆又はコーヒー抽出残渣から得られるものが好ましい。なお、コーヒー豆の種類や産地に特に制限はなく、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等いずれの種類のコーヒー豆でもよく、更にブラジル、コロンビア産等いずれの産地のコーヒー豆も使用することができる。コーヒー豆は、単独で使用しても、2種以上をブレンドして使用してもよい。また、コーヒー豆の焙煎度は特に限定されず、極浅炒り、浅炒り、中炒り、深炒りに焙煎したコーヒー豆を使用することが可能であり、これら焙煎コーヒー豆を、一般的な粉砕機、ロールミルなどを用いて種々の形状のものに粉砕した焙煎コーヒー豆を用いることもできる。また、コーヒー抽出残渣としては、通常のコーヒー飲料又はインスタントコーヒー製造工程において、コーヒー抽出液を抽出した後のコーヒー抽出粕であれば、いかなる製法のコーヒー抽出残渣であっても使用することができる。
また、(A)マンノオリゴ糖は、市販品を使用してもよく、例えば、マンノース単位数が2〜10のマンノオリゴ糖として、コーヒーオリゴ糖(味の素ゼネラルフーズ社製)を挙げることができる。
【0012】
本発明の容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖の含有量は、0.4〜1.8質量%であるが、より一層の酸味の低減の観点から、1.7質量%以下が好ましく、1.6質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましく、また生理効果の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.6質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上が更に好ましい。(A)マンノオリゴ糖の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に0.5〜1.7質量%が好ましく、0.6〜1.6質量%がより好ましく、0.7〜1.5質量%が更に好ましい。
飲料中のマンノオリゴ糖の含有量は、例えば、パルスドアンペロメトリー検出を行う高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた分析法により測定することができる。
【0013】
本発明の容器詰飲料は、マンノオリゴ糖の酸味を低減するために、(B)ホップエキスを含有する。ホップはクワ科のツル性の多年草であり、(B)ホップエキスはホップの球花やその圧縮物をそのまま又は粉砕した後、炭酸ガス、水、有機溶媒等の溶剤で抽出することによって調製することができる。抽出操作としては、例えば、ビール醸造に用いられる一般的なホップエキスの調製法を適宜選択することができるが、例えば、溶剤中にホップの球花、その粉砕物等を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法の他、パーコレーション法等も採用することができる。抽出操作に使用可能な有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール;酢酸エチルエステル等の低級アルキルエステル;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;アセトン等のケトン;酢酸等の低級脂肪酸;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;エチルエーテル、石油エーテルなどのエーテル等を挙げることができる。これら有機溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、抽出操作によって得られた粗抽出物は、必要に応じて、ろ過、遠心分離等の固液分離に付すことができる。
抽出操作後、必要により固液分離して得られた液を、そのままホップエキスとして用いてもよいが、そこに含まれる溶剤の少なくとも一部を除去した濃縮物、あるいは減圧乾燥、凍結乾燥等により乾燥させた乾燥物等を用いてもよい。また、市販のホップエキスを用いることもできる。
【0014】
本発明の容器詰飲料中の(B)ホップエキスの含有量は、固形分換算で0.005〜0.055質量%であるが、より一層の酸味の低減の観点から、0.01質量以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上が更に好ましく、また飲みやすさの観点から、0.05質量%以下が好ましく、0.045質量%以下がより好ましく、0.04質量%以下が更に好ましい。(B)ホップエキスの含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、固形分換算で0.01〜0.053質量%が好ましく、0.02〜0.05質量%がより好ましく、0.025〜0.045質量%が更に好ましい。ここで、本明細書において「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発成分を除いた残分をいう。
【0015】
本発明の容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖と(B)ホップエキスの固形分との質量比〔(B)/(A)〕は、酸味の低減の観点から、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.025以上が更に好ましく、そして、0.055以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.045以下が更に好ましい。かかる質量比〔(B)/(A)〕の範囲としては、0.01〜0.055が好ましく、0.02〜0.05がより好ましく、0.025〜0.045が更に好ましい。
【0016】
また、本発明の容器詰飲料は、(C)炭酸ガスを含有することができる。これにより、酸味をマイルドにしつつ、原料由来の異味が抑制され、飲みやすさをより一層向上させることができる。
圧入する(C)炭酸ガスは、炭酸感の付与の観点から、ガス容量比で1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましく、そして、3以下が好ましく、2.7以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましい。(C)炭酸ガスの含有量の範囲は、ガス容量比で1〜3が好ましく、1.5〜2.7がより好ましく、1.8〜2.5が更に好ましい。ここで、本明細書において「ガス容量比(ガスボリューム)」とは、20℃における酸性飲料の容量に対する溶解している炭酸ガス容量の比率をいう。
【0017】
本発明の容器詰飲料は、アルコール飲料としても、非アルコール飲料としてもよいが、非アルコール飲料が好ましい。ここで、本明細書において「非アルコール飲料」とは、アルコール含有量が0質量%の飲料のみならず、適用される法規(日本にあっては酒税法)に定められた酒類に該当しないアルコール含有量も包含する概念である。
また、非アルコール飲料の場合、ビール様の風味を有するビアテイスト飲料が好ましい。非アルコール飲料中のアルコール含有量は、1質量%未満が好ましく、0.7質量%未満がより好ましく、0.5質量%未満が更に好ましく、0.3質量%未満が更に好ましく、0質量%であってもよい。一方、アルコール飲料の場合、アルコール含有量は1質量%以上において、嗜好性に合わせて適宜選択可能である。なお、「アルコール含有量が0質量%」とは、後掲の実施例に記載の「アルコールの分析」において、アルコールの含有量が検出限界以下である場合も包含する概念である。
【0018】
本発明の容器詰飲料のpH(20℃)は、酸味をマイルドにしつつ、原料由来の異味を抑制する観点から、3以上が好ましく、3.2以上がより好ましく、3.3以上がより好ましく、そして、4.5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3.9以下が更に好ましく、3.8以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは3〜4.5、より好ましくは3〜4、更に好ましくは3.2〜3.9、更に好ましくは3.3〜3.8である。
【0019】
本発明の容器詰飲料のpHを上記範囲内に調整するために、pH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸、リン酸等の無機酸及びそれらの塩類から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
【0020】
本発明の容器詰飲料は、更に香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。香料として、例えば、モルトフレーバー、ホップフレーバー、ビールフレーバー、アルコールフレーバー及びカラメルフレーバーから選ばれる少なくとも1種を配合すると、ビアテイストを高めることができる。
【0021】
また、本発明の容器詰飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。その場合、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
【0022】
前述の実施形態に関し、本発明は以下の容器詰飲料を開示する。
<1>
次の成分(A)及び(B);
(A)マンノオリゴ糖 0.4〜1.8質量%、及び
(B)ホップエキス 固形分換算で0.005〜0.055質量%
を含有する、容器詰飲料。
【0023】
<2>
マンノオリゴ糖を含有する容器詰飲料のマンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法であって、(A)マンノオリゴ糖を0.4〜1.8質量%、及び(B)ホップエキスを固形分換算で0.005〜0.055質量%配合する、マンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法。
【0024】
<3>
(A)マンノオリゴ糖が、好ましくはβ−1,4−マンノオリゴ糖である、前記<1>記載の容器詰飲料又は前記<2>記載のマンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法(以下、「容器詰飲料又はマンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法」を「容器詰飲料等」と称する)。
<4>
(A)マンノオリゴ糖は、マンノースの単位数が、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜6である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<5>
(A)マンノオリゴ糖が、好ましくはコーヒー豆又はコーヒー抽出残差から得られるものである、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<6>
当該容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖の含有量が、好ましくは1.7質量%以下、より好ましくは1.6質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下であって、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<7>
当該容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖の含有量が、好ましくは0.5〜1.7質量%、より好ましくは0.6〜1.6質量%、更に好ましくは0.7〜1.5質量%である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<8>
当該容器詰飲料中の(B)ホップエキスの含有量が、固形分換算で、好ましくは0.01質量以上、より好ましくは0.015質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であって、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.045質量%以下、更に好ましくは0.04質量%以下である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<9>
当該容器詰飲料中の(B)ホップエキスの含有量が、固形分換算で、好ましくは0.01〜0.053質量%、より好ましくは0.02〜0.05質量%、更に好ましくは0.025〜0.045質量%である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<10>
当該容器詰飲料が、好ましくは(C)炭酸ガスを更に含有する、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
【0025】
<11>
当該容器詰飲料中の(C)炭酸ガスの含有量が、ガス容量比で、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上であって、好ましくは3以下、より好ましくは2.7以下、更に好ましくは2.5以下である、前記<10>記載の容器詰飲料等。
<12>
当該容器詰飲料中の(C)炭酸ガスの含有量が、ガス容量比で、好ましくは1〜3が好ましく、1.5〜2.7がより好ましく、1.8〜2.5である、前記<10>又は<11>記載の容器詰飲料等。
<13>
当該容器詰飲料が、好ましくはアルコール飲料又は非アルコール飲料である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<14>
当該容器詰飲料が、好ましくはビアテイスト飲料である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<15>
該容器詰飲料が非アルコール飲料である場合、非アルコール飲料中のアルコール含有量が、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.7質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満、更に好ましくは0.3質量%未満、更に好ましくは0質量%である、前記<13>又は<14>記載の容器詰飲料等。
<16>
当該容器詰飲料が非アルコール飲料である場合、非アルコール飲料中のアルコール含有量が、好ましくは適用される法規(日本にあっては酒税法)に定められた酒類に該当しないアルコール含有量である、前記<13>又は<14>記載の容器詰飲料等。
<17>
当該容器詰飲料がアルコール飲料である場合、アルコール飲料中のアルコール含有量が、好ましくは1質量%以上である、前記<13>又は<14>記載の容器詰飲料等。
<18>
pHが、好ましくは3以上、より好ましくは3.2以上、更に好ましくは3.3以上であって、好ましくは4.5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.9以下、更に好ましくは3.8以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<19>
pHが、好ましくは3〜4.5、より好ましくは3〜4、更に好ましくは3.2〜3.9、更に好ましくは3.3〜3.8である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<20>
当該容器詰飲料が、好ましくはpH調整剤を更に含有する、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
【0026】
<21>
pH調整剤が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩類から選ばれる1種又は2種以上である、前記<20>記載の容器詰飲料等。
<22>
pH調整剤が、好ましくはアスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸及びそれらの塩類から選ばれる1種又は2種以上である、前記<20>又は<21>記載の容器詰飲料等。
<23>
当該容器詰飲料が、好ましくは香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料(高甘味度甘味料を除く)、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を更に含有する、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<24>
香料が、好ましくはモルトフレーバー、ホップフレーバー、ビールフレーバー、アルコールフレーバー及びカラメルフレーバーから選ばれる少なくとも1種である、前記<23>記載の容器詰飲料等。
<25>
容器が、好ましくはPETボトル、金属缶、瓶、又は金属箔若しくはプラスチックフィルムと複合された紙容器である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<26>
加熱殺菌されたものである、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<27>
当該容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖と(B)ホップエキスの固形分との質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.025以上であって、好ましくは0.055以下、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.045以下である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<28>
当該容器詰飲料中の(A)マンノオリゴ糖と(B)ホップエキスの固形分との質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.01〜0.055が好ましく、0.02〜0.05がより好ましく、0.025〜0.045である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<29>
(A)マンノオリゴ糖と(B)ホップエキスを、(A)マンノオリゴ糖に対する(B)ホップエキスの固形分との質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.025以上であって、好ましくは0.055以下、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.045以下となるように配合する、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載のマンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法。
<30>
(A)マンノオリゴ糖と(B)ホップエキスを、(A)マンノオリゴ糖に対する(B)ホップエキスの固形分との質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.01〜0.055が好ましく、0.02〜0.05がより好ましく、0.025〜0.045となるように配合する、前記<1>〜<26>、<29>のいずれか一に記載のマンノオリゴ糖由来の酸味の抑制方法。
【実施例】
【0027】
1.ホップエキスの固形分量の分析
試料1gを秤量瓶に正確に量り取り、105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発成分を取り除き、乾燥後の質量を量り、固形分量とした。
【0028】
2.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた
。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃程度(18〜22℃)まで温め、液温を均一にした。
2)ガスボリュームを測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行う。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
【0029】
3.アルコールの分析(エタノールの分析)
エタノールの分析は、次に示すガスクロマトグラフ法にしたがって行った。
分析機器は、GC-14B(島津製作所社製)を使用した。分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :FID
・カラム :Gaskuropack55、80〜100mesh、φ3.2mm×3.1mm
【0030】
分析条件は次の通りである。
・温度 :試料注入口及び検出機250℃、カラム130℃
・ガス圧力:ヘリウム(キャリアガス)140kPa、水素 60kPa、空気 50kPa
・注入量 :2μL
【0031】
以下の手順にて分析用試料を調製した。
検体5gを量りとり、これに水を加えて25mLに定容した。その溶液をディスクろ過し、試料溶液とした。調製した試料溶液をガスクロマトグラフ分析に供した。
【0032】
4.官能評価
各酸性飲料について、飲用試験を実施した。飲料試験は、4名の専門パネルが各酸性飲料の酸味感、異味の有無について下記の基準により評価し、その後協議により評点を決定した。
【0033】
「酸味感」の評価基準
評点5:酸味がとてもマイルド
4:酸味がマイルド
3:酸味がややマイルド
2:酸味がややある
1:酸味がある
【0034】
「異味の有無」の評価基準
評点5:異味がない
4:異味がほとんどない
3:異味がややある
2:異味がある
1:異味が強い
【0035】
実施例1〜8及び比較例1〜7
表1に示す各成分をイオン交換水に混合溶解し、次いでpH調整剤で所定のpHに調整し、イオン交換水で全量を100gに調整した。そして、得られた飲料をスクリュー管に充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、官能評価の結果を表1に併せて示す。
【0036】
実施例9
表1に示すマンノオリゴ糖及びホップエキスをイオン交換水に混合溶解し50gにした後、pH調整剤で所定のpHに調整した。次に4℃に冷却した炭酸ガス容量比4.0の炭酸水で全量100g(炭酸ガスの容量比2.0)とし、スクリュー管に充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、官能評価の結果を表1に併せて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から、マンノオリゴ糖にホップエキスを、それぞれ一定量配合することで、マンノオリゴ糖由来の酸味が低減された容器詰飲料が得られることが明らかとなった。