(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこでこの発明は、シーツを尿受け壁部にしっかりと取り付けることができつつ、シーツを尿受け壁部に対して意図的に着脱する際には、容易に着脱することのできるペット用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ペットを載置する基台と、該基台の外周側から立設した壁部とで構成し、前記壁部に、前記基台に載置したペットがした尿を受け止める尿受け壁部を備えるとともに、該尿受け壁部にシーツを取り付けるシーツ取付け部材を備えたペット用トイレであって、前記尿受け壁部の上部に、前記シーツ取付け部材の取り付けを許容するシーツ被取付け部を形成するとともに、該シーツ被取付け部を、前記尿受け壁部における前記シーツ被取付け部の周辺部分に対して厚み方向へ変形した変形形状で形成し、前記シーツ取付け部材に、該シーツ取付け部材を前記シーツ被取付け部に嵌脱可能に嵌め込んで、シーツとともに該シーツ被取付け部を厚み方向の両側から挟み込む一対のシーツ挟込み片を備え、前記一対のシーツ挟込み片のうち少なくとも一方を、前記シーツ被取付け部の前記変形形状に沿った屈曲形状で形成し
、前記一対のシーツ挟込み片が、前記シーツ被取付け部の厚み方向の外側に位置し剛性を有するシーツ取付け部材本体部と、前記シーツ被取付け部の厚み方向の内側に位置し弾性変形可能な弾性係合片であることを特徴とする。
【0010】
前記シーツ被取付け部を、前記尿受け壁部における前記シーツ被取付け部の周辺部分に対して厚み方向へ変形した変形形状で形成するとともに、前記一対のシーツ挟込み片のうち少なくとも一方を、前記シーツ被取付け部の前記変形形状に沿った屈曲形状で形成したため、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対して嵌脱する際には、前記シーツ取付け部材を、厚み方向へ変形したシーツ被取付け部に沿ってスライドさせながら嵌脱する必要がある。
【0011】
すなわち、シーツ取付け部材をシーツ被取付け部に対して嵌脱する際には、該シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部の変形形状に沿って傾けながらスライドさせるという、直線状の動作よりも、ペットにとって、より実効困難な動作を伴うため、例えば、ペットが噛んで引張るような単純な直線状の動作によってシーツ取付け部材がシーツ被取付け部に対して不測に外れることがなく、シーツをシーツ被取付け部に取り付けた状態にしっかりと保つことができる。
【0012】
その一方で、上述したように、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部の前記変形形状に沿って傾けながらスライドさせるという動作は、飼い主などの人間にとっては、容易に実行可能な動作であるため、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対して意図的に嵌脱する際には、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対して容易に嵌脱することができる。
【0013】
前記シーツ取付け部材は、前記一対のシーツ挟込み片を、互いに一体に形成しているものであっても、前記一対のシーツ挟込み片のそれぞれを別体で構成したものであってもいずれでもよい。
【0014】
この発明の態様として、前記変形形状を、前記基台と反対側へ反った反り形状とすることができる。
【0015】
上述した構成によれば、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対してペットにとって実行困難な動作である捻りを伴う動作によって嵌脱する必要があるため、シーツをシーツ被取付け部に取り付けた状態にしっかりと保つことができる。
【0016】
その一方で、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対して意図的に嵌脱する際に必要となる、上述したシーツ取付け部材を捻る動作は、飼い主などの人間にとっては、動かし易い動作であるため、シーツ取付け部材を、シーツ被取付け部に対して捩じるだけで片手でも容易に嵌脱することができる。
【0017】
ここで、前記厚み方向の一方側へ反った反り形状とは、前記シーツ被取付け部が前記壁部の厚み方向に対して基台の側へ反り返った形状や、基台と反対側へ反り返った反り形状をいうが、これら形状に限定せず、例えば、波形状などの反り形状であってもよい。また、前記反り形状は、前記シーツ被取付け部の全体を反り形状で形成したものに限らず、前記シーツ被取付け部の一部にのみ形成してもよい。さらにまた、前記反り形状は、曲線状に限らず、段状、屈曲形状などシーツ被取付け部の基部側から上部側に進むに従って厚み方向の一方側へ変形した形状であれば、特に限定しない。
【0018】
またこの発明の態様として、
前記シーツ取付け部材本体部が前記シーツ被取付け部の前記変形形状に沿った屈曲形状であり、前記弾性係合片が前記シーツ取付け部材本体部の前面部から前方に突出して形成されたものとすることができる。
【0019】
上述した構成によれば、シーツとシーツ被取付け部とを、シーツ取付け部材本体部と弾性係合片とで挟み込んだ状態において
、弾性係合片の弾性力を利用してシーツをしっかりと挟み込んだ状態で弾性係合片を、シーツ被取付け部に対して係合することができるため、シーツをシーツ被取付け部にしっかりと取り付けることができる。
また前記シーツ取付け部材を前記シーツ被取付け部に対して嵌脱させる際に、前記シーツ取付け部材本体部は、不測に変形することなく、前記シーツ被取付け部の前記変形形状に沿って確実にスライドさせることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記シーツ取付け部材本体部を、前記シーツ取付け部材の長さ方向に亘って、連続して形成し、前記弾性係合片を、前記シーツ取付け部材本体部の長さ向の一方側に配置した一方側弾性係合片と、前記シーツ取付け部材本体部の長さ向の他方側に配置した他方側弾性係合片とで構成することができる。
【0021】
上述した構成によれば、前記一方側弾性係合片と前記他方側弾性係合片とのそれぞれを、シーツを挟み込んだ状態で前記シーツ被取付け部に対して係合することにより、前記一方側弾性係合片、及び前記他方側弾性係合片と、前記シーツ取付け部材本体部とで、前記シーツ被取付け部をシーツごと挟み込んだ状態で、シーツを前記シーツ被取付け部にしっかりと取り付けることができる。
【0022】
さらに、前記シーツ取付け部材本体部を、前記シーツ取付け部材の長さ方向に亘って、連続して形成したため、前記シーツ取付け部材を前記シーツ被取付け部に対して着脱する際には、前記一方側弾性係合片と前記他方側弾性係合片とのそれぞれを、前記シーツ被取付け部に対して一括して容易に着脱することができる。
【0023】
この発明の態様として、前記シーツ取付け部材の前記シーツ取付け部材本体部における前記弾性係合片に対向する部位に、厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、前記シーツ被取付け部の背面における前記シーツ取付け部材を取り付けたときの前記貫通孔に対応する部位に、後方に向けて突出する背面リブが形成された構成とすることができる。
【0024】
上述した構成によれば、シーツ取付け部材がシーツ被取付け部に取り付いた状態で幅方向にスライドした場合、シーツ取付け部材本体部における貫通孔の縁部が背面リブに当接することで、それ以上、シーツ取付け部材がスライドすることを規制することができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、シーツを尿受け壁部にしっかりと取り付けることができつつ、シーツを尿受け壁部に対して意図的に着脱する際には、容易に着脱することのできるペット用トイレを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面とともに詳述する。
図1は本実施形態のペット用トイレ1を右斜め上方から視た斜視図であり、
図2は本実施形態のペット用トイレ1を右斜め上方から視た分解斜視図であり、
図3は本実施形態のペット用トイレ1を背面側から視た分解斜視図である。
【0028】
図4はペット用トイレ1の平面図であり、
図5はペット用トイレ1の正面図であり、
図6はペット用トイレ1の背面図であり、
図7はペット用トイレ1の右側面図であり、
図8はペット用トイレ1の底面図である。
図9は
図5中のA−A線断面図であり、
図10は
図5中のB−B線断面図である。
【0029】
なお、
図9中の仮想線で示した壁枠部材30は、該壁枠部材30を枢動させることで、ベースプレート10に敷いたシーツを交換する様子を示している。
【0030】
図11(a)は
図9中の領域Z1の一部拡大図であり、
図11(b)は
図9中の領域Z2の一部拡大図である。
図12(a)は
図9中の領域Z3の一部拡大図であり、
図12(b)は
図10中の領域Z4の一部拡大図である。
【0031】
図13(a)はシーツ取付け部材40の平面図であり、
図13(b)はシーツ取付け部材40の正面図であり、
図13(c)はシーツ取付け部材40の底面図であり、
図13(d)はシーツ取付け部材40の背面図である。
図14(a)はシーツ取付け部材40の拡大右側面図であり、
図14(b)は
図13(b)中のA−A線拡大断面図であり、
図14(c)は
図13(c)中のB−B線拡大断面図である。
【0032】
本実施形態のペット用トイレ1は、
図1に示したように、ベースプレート10と、壁枠部材30と、押え網20と、シーツ取付け部材40と、固定具50とで構成している。
【0033】
図4に示すように、ベースプレート10は、平面視略長方形板状に形成され、シーツ(図示せず)を載置可能に外周縁部に周壁11aを有する皿状に形成し、中央部分には、若干底上げをした平坦な便床部11bが形成されるとともに、その外周部位に、シーツの固定を行う部位である固定溝11cが形成されている。
【0034】
なお、固定溝11cには、シーツを係合可能に固定する複数の突条12が略等分配されている。
【0035】
ベースプレート10の周壁11aにおける対向長辺部分の各長辺部分の中間位置には、幅方向Wの内側へ切り欠いた一対のベースプレート側切欠き部13を形成している。
【0036】
一対のベースプレート側切欠き部13は、一方側と他方側とでそれぞれ同じ形態で構成し、それぞれのベースプレート側切欠き部13の間には、軸部14をベースプレート10の長辺方向Lに沿って横架している。
【0037】
なお、壁枠部材30は、該壁枠部材30の前方側がベースプレート10の幅方向Wの一方側、或いは他方側のいずれの側となるように、ベースプレート10に対して設置することができる。そして、ベースプレート10の幅方向Wの両側に有する一対のベースプレート側切欠き部13のそれぞれの軸部14は、ベースプレート10に対する壁枠部材30の設置方向に応じて、ベースプレート10に対する壁枠部材30の回動軸となる機能と、固定具50を係合するための機能とのいずれとしても機能させることができる。
【0038】
上述した押え網20について説明する。
押え網20は、ベースプレート10に載せたシーツと同様の略長方形をした板状に形成し、ベースプレート10の中央側でシーツの表面に被せるカバー部21と、該カバー部21を壁枠部材30側に固定する押え網取付け部22とで形成している。押え網20は、合成樹脂で形成しているが、金属など適宜の材料で形成してもよい。
【0039】
カバー部21は、枠状の壁枠部材30の内側(中央側)の空間部分に相当する平面視長方形状で形成し、底浅の底面部分全体を方形の目(上記隙間部21b)を有する網状に形成している。
【0040】
詳しくは、網状のカバー部21は、シーツの表面側へ尿が通過する大きさをした複数の隙間部21bを全体に有した格子状に形成している。
上記カバー部21を構成する複数の線状部21aは、複数本ごとにシーツを押圧可能に下方へ突状に形成している。
【0041】
上記押え網取付け部22は、カバー部21の長手方向の両端部であって、幅方向の中間部分から長手方向の外側へ突片状に形成し、その幅方向Wの両側部分には、厚み方向に連通した平面視長方形状の係合孔23が形成されている(
図3参照)。
【0042】
続いて、上記壁枠部材30について説明する。
壁枠部材30は、該ベースプレート10に載せたシーツを上方から押さえ付けて固定する壁枠基部31と、押え網20に載上したペットを外周から覆うように壁枠基部31に対して立設した壁部35とで一体に構成している。
【0043】
壁部35は、ペット用トイレ1の主に、左右両側部分と背面部分(後面部分)とに形成するとともに、正面側(前面側)においては、長辺方向Lの中間部分を除く両側部分に形成し、それぞれ周方向に連続して形成している。
ペット用トイレ1の正面側の長辺方向Lの中間部分は、ペットの押え網20に対して載り降り可能な幅を有して開口している。
【0044】
ここで、壁部35のうち、ペット用トイレ1の右側面部分に相当する壁部35を右側面壁部35Rに設定し、左側面部分に相当する壁部35を左側面壁部35Lに設定し、背面側面部分に相当する壁部35を背面側面壁部35Bに設定する。
【0045】
背面側面壁部35B、及び、背面側面壁部35Bと左側面壁部35L及び右側面壁部35Rとの隅角部分にかけての部分は、押え網20に載上した雄犬の尿を受け止めることができるように、壁部35の周方向における他の部分よりも高背に形成した尿受け壁部36として形成している。
さらに、尿受け壁部36の上部は、シーツ取付け部材40の取り付けを許容するシーツ被取付け部37として形成している。
シーツ被取付け部37の上部は、
図12(a),(b)に示すように、上方に進むに連れ、後方側に沿って反った反り形状に形成している。換言すると、シーツ被取付け部37の上部は、上方に進むに連れ、後方側へ湾曲しながら突出する形状で形成している。
【0046】
また、
図6に示すように、背面側面壁部35Bの背面側上部における幅方向の両側部分、詳しくは、背面側面壁部35Bを背面側から正面視した状態において、シーツ被取付け部37に取り付けたシーツ取付け部材40の貫通孔47に相当する箇所には、後方に向けて突出する背面リブ44を形成している。
【0047】
背面リブ44は、シーツ取付け部材本体部41を幅方向へスライドさせると、シーツ取付け部材本体部41における貫通孔47の縁部47aに当接可能な突出長さで形成するとともに(
図18(c),(d),(e)参照)、貫通孔47の上下方向の間隔よりも短い上下方向長さで上下方向に沿って形成している(
図18(a),(c),(d)参照)。
【0048】
なお、上記壁枠部材30における上記押え網20に載上したペットと対向する側の表面は、壁部35の隅角部分、壁枠基部31の隅角部分、及び、壁部35と壁枠基部31との境界部分を含め、尿が不用意に貯溜せずに押え網20まで滑らかに流下し易いように、Rを施して滑らかな曲面形状で形成している。
【0049】
また、
図3に示すように、壁枠基部31は、壁枠部材30をベースプレート10に載置した状態において、該ベースプレート10に載せたシーツを上方から押圧可能に形成するとともに、該壁枠基部31の下面における、押え枠20の上記押え枠取付け部43に形成した係合孔23と対向する部分には、該係合孔23へ差し込み可能な係合突出部32を下方に向けて突出して形成している。
【0050】
また、
図3に示すように、上記壁枠部材30における正面側の長辺部の中間部分には、固定具50を嵌め込み可能な壁枠部材側切欠き部33を形成するとともに、固定具50は、該壁枠部材側切欠き部33に嵌め込んだ状態で壁枠部材30の側に枢着されている。
【0051】
詳しくは、
図3に示すように、固定具50の長手方向の両端側から長手方向の外側に突出した後述する枢着部51を、該壁枠部材側切欠き部33の縁部に枢着している。
【0052】
さらに、
図3、及び
図11(a)に示すように、壁枠基部31の正面側部分であって、壁枠部材側切欠き部33に相当する部分には、固定具50でベースプレート10に対して固定した状態で係合可能に垂下する垂下係合突片38を形成している。すなわち、垂下係合突片38は、固定具50の係合突部52と係合可能に形成している。
【0053】
また、
図3、及び
図11(b)に示すように、壁枠基部31の背面側部分であって、長辺状の中間部分には、ベースプレート10に形成した軸部14を回動軸自在に支持可能な凹状の回動受け部34を下方に向けて形成している。
なお、ペット用トイレ1は、回動受け部34を軸部14によって支持した状態で該軸部14の軸回りに枢動させることで、
図9中の仮想線で示した壁枠部材30のように、該壁枠部材30をベースプレート10に対して背面側へ傾けることができ、ベースプレート10に載せたシーツの交換等を行うことができる。
【0054】
続いて上述したシーツ取付け部材40について説明する。
シーツ取付け部材40は、シーツを尿受け壁部36に沿って垂下した状態でシーツ被取付け部37に取り付ける長尺な板状部材であり、
図13、及び
図14に示すように、シーツ取付け部材本体部41と、弾性係合片45とで構成し、これらシーツ取付け部材本体部41と弾性係合片45とを、合成樹脂により一体に形成している。
【0055】
シーツ取付け部材本体部41は、板状に形成するとともに、幅方向の中途部分には、段状に変形させた段状変形部41bを長手方向に沿って形成している。
【0056】
詳しくは、
図14(b)に示すように、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に取り付けた姿勢で断面視した状態において、上側から下側へ順に、上側本体構成部41aと段状変形部41bと下側本体構成部41cとで構成している。
【0057】
なお、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に取り付けた姿勢において、シーツ取付け部材本体部41の両側の面のうち、前方側を向く一方の面を、前面部41Fに設定するとともに、後方側を向く一方の面を、背面部41Bに設定する。
【0058】
上側本体構成部41a、及び下側本体構成部41cは、略上下方向に沿って平坦状に形成している。一方、段状変形部41bは、上側本体構成部41aに対して前方側へ突出し、段状変形部41bと上側本体構成部41aとの間部分、及び、段状変形部41bと下側本体構成部41cとの間部分は、緩やかな湾曲形状で形成している。
【0059】
具体的には、シーツ取付け部材本体部41は、上側本体構成部41aの下部から下側本体構成部41cの上部にかけて、シーツ被取付け部37の上述した反り形状と略同じ反り形状に湾曲した断面形状で形成している。
【0060】
シーツ取付け部材本体部41は、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に取り付ける際、又は、シーツ被取付け部37に取り付けた状態において、略撓み変形しないように、シーツ取付け部材本体部41の長手方向の両端部分に、シーツ取付け部材本体部41の剛性を高めるためのリブ42を形成している。これにより、シーツ取付け部材本体部41は、それ自体を上述した断面形状に保持可能な形状保持性を有している。
【0061】
リブ42は、シーツ取付け部材40の背面部41Bにおいて上端部から下端部にかけての部分が肉厚になるように後方側へ突出して形成している。
【0062】
前記シーツ取付け部材本体部41は、シーツ取付け部材40の長さ方向に亘って連続して形成するとともに、弾性係合片45は、シーツ取付け部材本体部41の長さ向の両側部分に配置している。
なお、シーツ取付け部材本体部41における弾性係合片45との対向部分は厚み方向に貫通した貫通孔47を形成している。
【0063】
弾性係合片45は、シーツ取付け部材本体部41とともにシーツ被取付け部37、及びシーツを挟み込み可能に、シーツ取付け部材本体部41の前面部41Fから突出して形成するとともに、シーツ被取付け部37、及びシーツの厚みに応じて撓み変形(弾性変形)可能な弾性を有して形成している。
【0064】
詳しくは、弾性係合片45は、上側本体構成部41aの前面部41Fから前方側に突出した突出片部45aと、下側本体構成部41cと略平行に垂下する垂下片部45bとで形成している。突出片部45aと垂下片部45bとの間は、上述したシーツ被取付け部37の反り形状に沿った反り形状で湾曲した断面形状で形成している。
さらに、弾性係合片45は、シーツ取付け部材本体部41の長手方向の一方側と他方側とにそれぞれ配置した一対で構成し、これら一対の弾性係合片45は、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に取り付けた状態において、正面視したとき、前記シーツ取付け部材本体部41の右側に相当する右側弾性係合片45Rと、左側に相当する左側弾性係合片45Lとで構成している。
【0065】
最後に上記固定具50について説明する。
固定具50は、壁枠部材30をベースプレート10に係合によりロックするための部材であり、
図1、
図4及び、
図5に示すように、ペット用トイレ1を平面視したとき、中央側に相当する部分に壁枠部材側切欠き部33に備えている。
固定具50は、
図3(a)、及び、
図7に示すように、ベースプレート側切欠き部13と壁枠部材側切欠き部33とのそれぞれに嵌め込み可能に、それぞれの切欠き部13,33の長辺方向Lと略同じ長さで形成している。
【0066】
固定具50は、
図11(a)に示すように、縦断面視すると、弧形状を有した断面形状に形成し、断面視した状態の縦断面長手方向の基端側に、壁枠部材30側に枢着可能な枢着部51を形成するとともに、縦断面長手方向の先端側に、垂下係合突片38の先端側に係脱可能な係合突部52を形成している。さらに、固定具50は、長手方向の中途部分は、円弧状に外側へ突出した突出部分を有し、係合突部52を垂下係合突片38に係合した状態で、該突出部分に、その内周部分により回動可能に軸部14を保持する軸受け部53を形成している。上記固定具50は、上記壁枠部材側切欠き部33の長手方向の縁部に枢着部51を枢着することで、壁枠部材30に対して回動自在に一体に備えている。
【0067】
上述したペット用トイレ1は、上述したように、ベースプレート10に敷いた状態で、押え網20で上方から挟み込むようにして取り付けるシーツと、尿受け壁部36に沿って垂下した状態でシーツ取付け部材40によって取り付けるシーツとの2種類の尿吸収シートのうち、少なくとも一方をセット可能に構成している。
なお、上述したように、シーツを尿受け壁部36に垂下した状態で取り付けることによって、雄犬(ペット)が尿をしてもしっかりと尿を受け止めることができる。また、ベースプレート10に敷いた状態で、押え網20で上方から挟み込むようにして取り付けるシーツは図示省略している。
【0068】
さらに、上述したペット用トイレ1が奏する特有の作用、効果について
図15乃至
図17を用いて説明する。
なお、
図15はシーツSをシーツ取付け部材40によりシーツ被取付け部37に取り付けた状態に奏する作用説明図である。
図16はシーツSをシーツ取付け部材40によりシーツ被取付け部37に垂下した状態で取り付ける際に奏する作用説明図である。
図17はシーツ被取付け部37に嵌挿したシーツ取付け部材40を該シーツ被取付け部37から取り外す際に奏する作用説明図である。また、
図15乃至
図17中において、背面側面壁部35Bに形成した上述した背面リブ44は省略して示している。
【0069】
本実施形態のペット用トイレ1によれば、上述したとおり、尿受け壁部36におけるシーツ被取付け部37の上部を、上方に進むに連れ、後方側に沿って反った反り形状に形成している(
図12(a),(b)参照)。一方、シーツ取付け部材40におけるシーツ取付け部材本体部41は、シーツ被取付け部37の上述した反り形状と略同じ反り形状に湾曲した断面形状で形成するとともに、リブ42によって、シーツ被取付け部37に取り付けた状態において、略撓み変形しない形状保持性を有している。
【0070】
これにより、シーツ取付け部材40を、尿受け壁部36におけるシーツ被取付け部37に対して嵌脱する際には、前記シーツ取付け部材40を、シーツ被取付け部37の上述した反り形状に沿わしながら曲線状にスライドさせながら嵌脱する必要がある。
【0071】
このため、例えば、
図15(a)に示すように、ペットがシーツ取付け部材40を噛んで引張るなどのじゃれる行動をした場合であっても、ペットが噛んで引張るような動作は、単純な直線状の動作にすぎないため、シーツ取付け部材40がシーツ被取付け部37に対して不測に外れることがない。
【0072】
すなわち、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に対して嵌脱する際には、該シーツ取付け部材40を、シーツ被取付け部37の前記変形形状に沿って傾けながらスライドさせて嵌脱するという、ペットにとって、より実行困難な動作を伴うため、シーツSをシーツ被取付け部37に取り付けた状態にしっかりと保つことができる。
【0073】
その一方で、上述したように、シーツ取付け部材40を、シーツ被取付け部37の前記変形形状に沿って傾けながらスライドさせるという動作は、飼い主などの人間にとっては、容易に動作が可能であるため、シーツ取付け部材40を、シーツ被取付け部37に対して意図的に嵌脱する際には、シーツ取付け部材40を、シーツ被取付け部37に対して容易に嵌脱することができる。
【0074】
具体的には、シーツ取付け部材40によって、シーツ被取付け部37にシーツSを取り付ける際には、まず、
図16(a)に示すように、シーツSを尿受け壁部36の前面側に配置した状態でシーツの上部を背面側壁部35の上端に引掛けるようにして背面側へ折り返す(
図16(c)中の矢印D1参照)。
【0075】
その状態で、
図16(b)に示すように、シーツ取付け部材40によって、シーツ被取付け部37をシーツSごと挟み込む。その際、
図16(c)に示すように、シーツ被取付け部37の上部の上述した反り形状に沿うようにシーツ取付け部材40の姿勢を傾けながら、シーツ被取付け部37の上部がシーツ取付け部材本体部41と弾性係合片45とによって挟み込まれるようにシーツ取付け部材40をスライドさせることで(
図16(c)中の矢印D3参照)、
図16(d)に示すように、シーツ被取付け部37に対してスムーズに取り付けることができる。
【0076】
一方、シーツ被取付け部37からシーツSを取り外す際には、
図17(a)に示す状態のシーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37から取り外す必要があるが、まず、
図17(b)に示すように、シーツ被取付け部37の上部の上述した反り形状に沿うようにシーツ取付け部材40の姿勢を傾けながら、シーツ被取付け部37の上部に対して挟み込んだシーツ取付け部材本体部41と弾性係合片45とを抜く方向にスライドさせることで(
図17(b)中の矢印D4参照)、弾性係合片45が弾性変形するため、
図17(c)に示すように、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に対してスムーズに取り外すことができる。
【0077】
従って、シーツ被取付け部37からシーツを、意図的に着脱する際には容易に取り外すことができ、シーツの取り換えを容易に行うことができる。
【0078】
また、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に取り付けた状態においては、互いに近似の反り形状で形成したシーツ被取付け部37とシーツ取付け部材本体部41とがシーツSを挟んで対面した状態でフィットさせることができるため、安定した取り付け状態を得ることができる。
【0079】
さらに、シーツ取付け部材本体部41とともに挟み込んだシーツSやシーツ被取付け部37の厚みに応じて撓み変形した弾性係合片45の弾性力(復元力)によって、シーツ被取付け部37に対してシーツをしっかりと取り付けた状態に保つことができる。
【0080】
加えて、
図12(a),(b)に示すように、シーツSの上部をシーツ被取付け部37に対して正面側から背面側へ折り返して、シーツSの上部における尿受け壁部36の側に配置した部分と折返し部分との双方を、シーツ被取付け部37ごと弾性係合片45とシーツ取付け部材本体部41とによって挟み込んで取り付ける取付形態としたため、弾性係合片45とシーツ取付け部材本体部41とで挟み込む対象の厚みを1枚のシートSの場合と比較して格段に増加させることで、弾性係合片45による弾性力を活かして優れたシーツ保持力を得ることができる。
【0081】
従って、仮に、
図15(b)に示すように、押え網20に載っているペットが尿受け壁部36に沿って垂下した状態で取り付けたシーツSを引張るなどしてもシーツがシーツ取付け部材40から外れてしまうことがなく、シーツSをシーツ被取付け部37にしっかりと取り付けた状態に保つことができる。
【0082】
さらにまた、
図6、及び
図18(a),(b),(c),(d),(e)に示すように、ペット用トイレ1は、背面側面壁部35Bの背面側上部における幅方向の両側部分に、背面リブ44を形成している。
なお、
図18(a)は、
図6の背面側面壁部35Bの背面側上部における幅方向の一方側部分の拡大図であり、シーツ取付け部材本体部41を仮想線で示している。
図18(b)は、シーツSを取り付けた状態の
図6の背面側面壁部35Bの背面側上部における幅方向の一方側部分の拡大図である。
図18(c)は、
図18(b)中のC−C線拡大断面図であり、
図18(d)は、
図18(b)中のD−D線拡大断面図であり、
図18(e)は、
図18(b)中のE−E線拡大断面図である。
【0083】
上述した構成によれば、シーツ取付け部材40がシーツ被取付け部37に取り付いた状態で幅方向にスライドした場合、シーツ取付け部材本体部41における貫通孔47の縁部47aが背面リブ44に当接することで、それ以上、シーツ取付け部材40がスライドすることを規制することができる。
【0084】
具体的には、シーツ取付け部材40が幅方向の一方側にスライドしようとした場合には、背面側面壁部35Bの幅方向の一方側に配置した背面リブ44がシーツ取付け部材本体部41における幅方向の一方側に形成した貫通孔47の縁部47aに当接する。
【0085】
一方、シーツ取付け部材40が幅方向の他方側にスライドしようとした場合には、背面側面壁部35Bの幅方向の他方側に配置した背面リブ44がシーツ取付け部材本体部41における幅方向の他方側に形成した貫通孔47の縁部47aに当接する。
【0086】
このように、背面側面壁部35Bに背面リブ44を形成することによって、シーツ取付け部材40が、シーツ被取付け部37に取り付けた状態において、幅方向の一方側と他方側とのうちのいずれかの側に不測にスライドしても、それ以上、シーツ取付け部材40が幅方向へスライドしないように規制することができるため、シーツ取付け部材40がシーツ被取付け部37から不測に外れることを防ぐことができる。
【0087】
従って、シーツ取付け部材40は、シーツSを見栄えよくしっかりとシーツ被取付け部37に取り付けた状態に保つことができる。
【0088】
また、
図18(b),(c),(d),(e)に示すように、シーツ被取付け部37の背面側で垂下するシーツSの折返し部分は、背面リブ44によって係合されるとともに、シーツ取付け部材40によってシーツSを挟み込んだ状態でシーツ被取付け部37の側へ押圧することができる。
【0089】
これにより、特に、
図18(e)に示すように、シーツSは、幅方向において、背面リブ44とシーツ取付け部材40との間で強固に噛みあった状態(係合しあった)状態となるため、シーツ取付け部材40によってシーツ被取付け部37に取り付けたシーツSの保持力を格段に向上させることができる。
【0090】
従って、シーツSをペットが引っ張るなどしてもシーツ被取付け部37とシーツ取付け部材40との間に介在するシーツSがこれらの間から不測に外れることがなく、シーツSをシーツ被取付け部37にしっかりと取り付けた状態に保つことができる。
【0091】
さらに、上述したペット用トイレ1は、以下の作用、効果を奏することができる。
【0092】
シーツ取付け部材40は、シーツ取付け部材本体部41を、前記シーツ取付け部材40の長さ方向の全長に亘って連続して形成し、シーツ取付け部材本体部41の長さ向の各側に右側弾性係合片45Rと左側弾性係合片45Lとを配置した構成である。
【0093】
上述した構成によれば、右側弾性係合片45Rと左側弾性係合片45Lとのそれぞれを、シーツSを挟み込んだ状態でシーツ被取付け部37に対して係合することにより、右側弾性係合片45Rと左側弾性係合片45Lとの双方によって、シーツSをシーツ取付け部材本体部41とともに、しっかりと挟み込んだ状態で取り付けることができる。
【0094】
さらに、シーツ取付け部材本体部41を、前記シーツ取付け部材40の長さ方向の全長に亘って連続して形成したため、シーツ取付け部材40をシーツ被取付け部37に対して着脱する際に、シーツ被取付け部37の反り形状に沿って、シーツ取付け部材本体部41を傾けながら上方へスライドさせることで、右側弾性係合片45Rと左側弾性係合片45Lとのそれぞれを、シーツ被取付け部37に対して一括で容易に係脱することができる。
【0095】
その他にも、ペット用トイレ1は、上述したように、シーツSの上部をシーツ被取付け部37に対して正面側から背面側へ折り返して、尿受け壁部36の側に配置した部分と折返し部分との双方を、シーツ被取付け部37ごと弾性係合片45とシーツ取付け部材本体部41とで挟み込んで取り付ける取付形態であるため(
図17(a)参照)、シーツ被取付け部37の上端側から尿受け壁部36とシーツSとの間にごみなどが侵入するおそれがないという効果も奏することができる。
【0096】
この発明の構成と、実施形態との対応において、
この発明の基台は、実施形態のベースプレート10に対応し、
以下同様に、
一方側弾性係合片45は、右側弾性係合片45Rに対応し、
他方側弾性係合片45は、左側弾性係合片45Lに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、シーツ取付け部材40は、シーツ取付け部材本体部41と弾性係合片45とを一体に形成したが、これに限らず、それぞれを別部材で構成し、ヒンジ等でシーツ取付け部材本体部41に対して、弾性係合片45を枢動した構成であってもよい。
【0097】
また、シーツ取付け部材40は、シーツ取付け部材本体部41の長さ向の各側に右側弾性係合片45と左側弾性係合片45Lとを配置した構成であるが、この構成に限定せず、シーツ取付け部材本体部41に対して弾性係合片45を1つ、或いは3以上備えた構成であってもよい。
【0098】
さらに、他の実施形態のペット用トイレ1Pとして、
図19に示すように、ペットのサイズに応じて、上述したペット用トイレ1に対して尿受け壁部36の高さ等、幅や奥行を広く形成するなど、任意のサイズで構成することができる。