(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の導電性ローラの一例を示す長手方向断面図である。図示するように、本発明の導電性ローラ10は、シャフト1の外周に、弾性層2と表層4とが順次形成されてなるものであって、これら弾性層2と表層4との間に、乳化剤を含まない水系塗料を用いて形成されたブロック層3が設けられているものである。
【0015】
本発明によれば、弾性層2の外周に、乳化剤を含まない水系塗料を用いたブロック層3を設けたことで、このブロック層3により弾性層由来のブリードの発生を抑制して、これに起因する画像不具合の発生を抑制することが可能となった。乳化剤を含まないブロック層3により弾性層由来の汚染物質の遮蔽効果が得られる理由としては、必ずしも明らかではないが、例えば、以下のように考えることができる。すなわち、乳化剤を含む水系塗料を用いた場合、水系塗料のエマルジョンを乳化剤が被覆するような状態となって粗大な空隙部を有する膜が形成されるのに対し、乳化剤を含まない水系塗料を用いることで、緻密な膜が形成され、これにより、汚染物質を遮蔽できるためとも考えられる。また、本発明に係るブロック層3は乳化剤を含まない塗膜であるので、本発明のローラにおいては、ブロック層3自体からの乳化剤の流出もないため、乳化剤由来の汚染が生ずることもない。
【0016】
本発明において、ブロック層3に用いる水系塗料としては、乳化剤を含まないものであれば、特に制限されず、ローラ等の材料として公知のゴムや樹脂を用いることができる。樹脂としては、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素樹脂等が例示され、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。ゴム系の水系塗料としては、天然ゴム(NR)やクロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、ウレタン樹脂系としては、エーテル系やエステル系等のエマルジョンやディスパージョン、アクリル樹脂系としては、アクリルやアクリルスチレン等のエマルジョン、フッ素樹脂系としては、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。本発明においては、上記のうちでも、水系ウレタン樹脂を用いることが好ましい。これは、塗工性や硬度、反発弾性などに優れるためである。
【0017】
本発明において、ブロック層3を形成する水系塗料中には、特に制限されるものではないが、導電剤を添加して、導電性(電気抵抗)を付与または調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、後述する弾性層2に用いられるのと同様の各種電子導電剤や各種イオン導電剤の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、ブロック層3の体積抵抗率が、1×10
4〜1×10
12Ω・cm、好適には1×10
6〜1×10
8Ω・cmとなるように調整される。また、ブロック層3を形成する水系塗料中には、さらに、フィラー等の導電剤以外の添加剤を配合することも可能である。
【0018】
ブロック層3の厚みは、厚ければ厚いほど汚染物質のブロック性が高まるため好ましいが、硬度等の他のローラ特性との兼ね合いから、好適には50〜150μmである。70〜100μmであるとさらに好ましい。ブロック層の厚みが薄すぎると、十分なブロック性が得られないおそれがあり、厚すぎると、硬度が高くなるため導電性ローラの性能に好ましくなく、また、コスト性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0019】
本発明の導電性ローラにおいては、シャフト1の外周に順次形成された弾性層2と表層4との間に、上記乳化剤を含まない水系塗料よりなるブロック層3を設けた点のみが重要であり、それ以外の具体的なローラ構成や使用する材料等については、特に制限されるものではなく、常法に従い適宜決定することが可能である。
【0020】
例えば、シャフト1としては、金属製またはプラスチック製の中空円筒体または中実円柱体を使用することができ、特に制限されるものではないが、コスト性の観点から、好適には金属製の中空円筒体または中実円柱体、より好適には金属製の中空円筒体を用いる。
【0021】
また、弾性層2を形成する弾性体としては、感光体等の被帯電体との良好な接触状態を得ることができるものであれば、特に制限はなく、公知のゴム若しくは樹脂、または、これらに独立気泡を分散させたフォーム体により形成することができる。具体的には、弾性層2を形成する材料としては、ポリウレタン樹脂や、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物が例示されるが、特に、ポリウレタン樹脂が好ましく、より好ましくは、ポリウレタンフォームを用いる。この場合のポリウレタンフォームの発泡倍率としては、特に制限されるものではないが、1.2〜50倍、特に1.5〜10倍程度が好ましく、フォーム密度は、0.1〜0.7g/cm
3程度が適当である。
【0022】
上記弾性層2には、導電剤を添加することにより、導電性を付与または調整して、所定の抵抗値とすることができる。かかる導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO
4、LiAsF
6、LiBF
4、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi
+、Na
+、K
+等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH
4+の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、弾性層2の体積抵抗率が10
0〜10
8Ω・cm、好ましくは10
2〜10
6Ω・cmとなるように調整される。
【0023】
また、この弾性層2には、上記導電剤の他にも、必要に応じて、耐水化剤、発泡剤、整泡剤、硬化剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、成膜助剤等の公知の添加剤を適量配合することができる。
【0024】
弾性層2の厚みとしては、1.0〜5.0mmであることが好ましく、1.0〜3.0mmであることがより好ましい。弾性層2の厚みをかかる範囲とすることで、スパーク放電を防止することができる。
【0025】
表層4は、ブロック層3の外側に設けられ、ローラの表面をなす層である。本発明において、表層4は、好適には、水系塗料を用いて形成する。かかる表層4に用いる水系塗料としては、乳化剤を含むものであっても含まないものであってもよい点以外は前述のブロック層3に用いられるのと同様のものを挙げることができ、特に制限されるものではない。
【0026】
中でも、表層4用の水系塗料としては、水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。かかる水系アクリル樹脂としては、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとを必須成分とし、任意にその他のモノマーを含むものが好ましく、その他のモノマーとしては、エチルアクリレート、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。アクリロニトリルおよびn−ブチルアクリレートを必須成分とするのは、これらが弾性(セット性)の向上に寄与するためであり、かかる観点からは、可能な限りn−ブチルアクリレート量を増量し、他の成分を減量するとともに、必須成分以外のその他のモノマー成分のモノマー比率を減らすことが好ましい。一方、アクリロニトリルの比率を高めすぎると、形成された層が硬くなってしまうため好ましくない。したがって、必須成分であるアクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとのモノマー比率は、モル比で1〜25:99〜75、特には5〜20:95〜80の範囲内とすることが好ましい。
【0027】
また、上記水系アクリル樹脂は、分子中に活性水素を有する基を含んでいることが好ましい。活性水素を有する基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、好適にはカルボキシル基である。本発明において、かかる活性水素を有する基を含むモノマーの比率は、全モノマー量の3〜6%の範囲内とすることが好ましい。本発明においては、活性水素を有する基を含むモノマーの比率をこの範囲内とすることで、表面酸価が10mg/g以上、例えば、10〜20mg/gに調整された水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。
【0028】
本発明において、表層4を形成する水系塗料中には、特に制限されるものではないが、導電剤を添加して、導電性(電気抵抗)を付与または調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、上記した弾性層2に用いられるのと同様の各種電子導電剤や各種イオン導電剤の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、表層4の体積抵抗率が、1×10
4〜1×10
12Ω・cm、好適には1×10
6〜1×10
8Ω・cmとなるように調整される。
【0029】
なお、この表層4を形成する水系塗料中には、架橋剤や増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を、必要に応じて添加することができる。
【0030】
表層4の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜30μm、特には1〜20μmとすることができる。表層4の厚みが、小さすぎると、ローラの耐久性が低下するおそれがあり、一方、大きすぎると、帯電特性等に悪影響を与えたり、表面にしわを生じたりするなど、良好な表面性が得られない場合がある。
【0031】
図2に、本発明の導電性ローラの他の例を示す長手方向断面図を示す。図示するように、本発明のローラにおいては、弾性層2と表層4との間に、上記ブロック層3に加えて、中間層5を設けてもよい。中間層5は、弾性層2とブロック層3との間に、ローラの電気抵抗を調整する目的で、任意に設けることができる。また、中間層5を設けることで、ブロック性を向上できるメリットもある。
【0032】
中間層5は、樹脂基材に導電剤を添加した樹脂組成物により形成することができる。この樹脂基材としては、特に制限されず、例えば、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等のうちの1種または2種以上を混合して用いることができ、中でも、ブロック層3に用いられるのと同様の水系塗料が好ましい。また、この水系塗料に添加される導電剤としては、弾性層2に用いられる導電剤と同様のものを使用できる。
【0033】
中間層5の抵抗値は、他の層の抵抗値やローラに求められる抵抗値に応じて適宜設定でき、通常は1×10
3〜1×10
8Ω・cm、特には1×10
5〜1×10
7Ω・cmである。上記導電剤の配合量は、この抵抗値の範囲で適宜選定でき、通常は、上記水系塗料基材100質量部に対して0.1〜20質量部、特には1〜10質量部が好ましい。
【0034】
中間層5には、導電剤の他に、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の添加剤を配合できる。例えば、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤を、使用する基材樹脂に応じて適量で配合でき、その他、弾性層や表層と同様の公知の添加剤を適量にて配合することができる。
【0035】
中間層5の厚みは、弾性層の厚みやローラの形態等に応じて適宜選定され、特に制限されないが、通常は10〜500μm、特には50〜300μmが好ましい。この厚みが薄すぎると、抵抗値の調整が十分に行いにくい場合があり、厚すぎると、相対的に弾性層の厚みが薄くなり、ローラ硬度(部材硬度)が高くなったりコスト高となる場合がある。
【0036】
本発明の導電性ローラは、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、弾性層2を構成するポリウレタン樹脂等の樹脂基材に、導電剤等の任意の添加剤を添加して、得られた配合材料を、攪拌機、例えば、ハンドミキサー等を用いて機械的に攪拌することにより発泡させる。その後、発泡した配合材料を、シャフト1にディッピング塗布することにより、シャフト1の外周に弾性層2を形成することができる。弾性層2を、シャフト1に直接塗料を塗布することにより形成することで、製造工程の簡略化が可能となり、コストを低減することができる。この際、ディッピング塗布、乾燥および加熱硬化を複数回繰り返すことで、所望の膜厚の弾性層2が得られる。
【0037】
次いで、所望に応じ、接着層を、前述した構成材料を分散または溶解させた塗料を用いて塗布形成する。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコーター法、ダイコート法、リング塗装法等の公知の手法を適宜用いることができ、塗料を塗布後、乾燥固化することにより、接着層が形成される。中でも、塗布方法としては、ディッピング法を用いることが好ましい。また、中間層5についても、所望に応じ、接着層と同様にして塗布形成することができる。
【0038】
次いで、ブロック層3を、上記弾性層2上、または、弾性層2上に形成された中間層5上に、上記接着層等と同様の手法で塗布形成し、さらに、形成されたブロック層3上に、表層4を、同様にして塗布形成することにより、本発明の導電性ローラを得ることができる。なお、本発明において、各層を形成する際の条件については特に制限はないが、ブロック層3を形成する際の乾燥温度については、高温であるほど、得られるブロック層3において優れたブロック性が得られるため好ましく、具体的には、例えば、80〜130℃とする。これは、乾燥温度が高温であるほど、緻密な膜が形成されるためであると考えられる。
【0039】
本発明においては、特に、弾性層2、ブロック層3および表層4を、また、所望に応じ接着層および中間層5を設ける場合にはこれらの層についても、すべてディッピング塗布の手法を用いて形成することが好ましい。これにより、製造工程を簡略化することができるとともに、金型を用いた成型工程を省略して、設備コスト等を削減することが可能である。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜5,比較例1〜6>
図2に示すような、シャフト1の外周に弾性層2、中間層5、ブロック層3および表層4が順次形成された構成を有する導電性ローラを、下記表4中に示すようにブロック層の配合を変えて、作製した。シャフトとしては、直径6mmの円柱状金属からなるものを用いた。また、ブロック層の塗布後の乾燥温度は105℃とし、乾燥後の厚みはすべて150μmとした。
【0041】
まず、下記表1中に示す配合材料を、機械的に撹拌して発泡塗料を調製した後、調製された発泡塗料にシャフトを浸漬し、シャフトの外周に発泡塗料を塗布することにより、弾性発泡体層を形成した。次に、下記の表2中に示す配合の水系塗料を調製して、得られた水系塗料を上記弾性発泡体層上にディッピング塗布し、室温で30分間、110℃で20分間乾燥することにより、中間層を形成した。次に、下記の表4中に示す配合の水系塗料を調製して、得られた水系塗料を上記弾性発泡体層上にディッピング塗布し、室温で30分間、110℃で20分間乾燥することにより、ブロック層を形成した。さらに、下記の表3中に示す配合の水系塗料を調製して、得られた水系塗料を上記中間層上にディッピング塗布し、室温で30分間、110℃で20分間乾燥することにより、表層を形成して、各導電性ローラを得た。なお、下記の各表中の各成分の部数は、いずれも固形分の質量部を示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
<汚染物質のブロック性>
得られた各実施例および比較例の供試ローラを、40℃×95%RHの高温高湿環境下で11日間放置して、汚染性につき評価した。結果は、画像に不具合がなく、ローラ表面に汚染物質が確認されなかった場合を○、画像に不具合はないが、ローラ表面に汚染物質が確認された場合を△、画像に不具合がある場合を×とした。その結果を、下記の表中に併せて示す。
【0046】
<マイクロ硬度>
得られた各実施例および比較例の供試ローラのマイクロ硬度を、マイクロゴム硬度計MD−1型を用いて、測定した。帯電ローラの場合、ローラ表面のマイクロ硬度は、低いほど好ましく、70を超えると、ローラ表面が硬すぎて、画像不良の原因となるおそれがある。より好ましくは65以下、さらに好ましくは60以下である。その結果を、下記の表4中に併せて示す。
【0047】
【表4】
※1)ウレタンエマルジョン:E4000改(乳化剤なし)(第一工業製薬(株))
※2)ウレタンエマルジョン:LP RSC1380(住化バイエル(株))
※3)ウレタンエマルジョン:E4000(第一工業製薬(株))
※4)ウレタンエマルジョン:UH650(住化バイエル(株))
※5)ウレタンエマルジョン:HUX830((株)ADEKA)
※6)ウレタンエマルジョン:HUX895((株)ADEKA)
※7)ウレタンエマルジョン:HUX210((株)ADEKA)
※8)カーボンブラック水分散液:御国色素(株)
【0048】
上記表中の結果から、乳化剤を含まない水系塗料を用いて形成されたブロック層を備える各実施例のローラにおいては、いずれも良好なブロック性が得られていることが確かめられた。
【0049】
<実施例4>
ブロック層の塗布後の乾燥温度を120℃とし、乾燥後の厚みを70μmとした以外は実施例1と同様にして、導電性ローラを作製したところ、ブロック性の評価結果は○、マイクロ硬度は59であった。
【0050】
<実施例5>
ブロック層の乾燥後の厚みを100μmとした以外は実施例1と同様にして、導電性ローラを作製したところ、ブロック性の評価結果は△、マイクロ硬度は61であった。
【0051】
<実施例6>
ブロック層の塗布後の乾燥温度を120℃とし、乾燥後の厚みを100μmとした以外は実施例1と同様にして、導電性ローラを作製したところ、ブロック性の評価結果は○、マイクロ硬度は63であった。
【0052】
上記実施例4〜6の結果から、ブロック層の塗布後の乾燥温度が高いほど、また、ブロック層の膜厚が厚いほど、良好なブロック性が得られることが確かめられた。