【実施例】
【0049】
図1には、本発明に係る熱源装置の一実施例のシステム構成が模式的に示されている。本実施例は、
図3に示した熱源装置と同様のシステム構成を有し、さらに、
図1に示されるように、タンクユニット60内の制御装置33に、ミキシング流量制御手段35、混合設定温度設定手段36、メモリ部37、積算流量検出手段38を設けている。また、制御装置33には給湯器16の制御装置46とリモコン装置43とが信号接続され、リモコン装置43には給湯設定温度設定操作手段45が設けられ、給湯器16の制御装置46には給湯燃焼制御手段47が設けられている。なお、リモコン装置43は、屋内において、リビングや、浴室、台所、洗面所等の適宜の場所に設置されている。
【0050】
給湯設定温度設定操作手段45は、利用者等により給湯設定温度を設定するための操作手段であり、例えばリモコン装置43の表面側に設けられている操作ボタン等により形成されている。この給湯設定温度設定操作手段45により設定された給湯設定温度の値は、制御装置33の混合設定温度設定手段36と給湯器16の燃焼制御手段47とに加えられる。
【0051】
混合設定温度設定手段36は、混合湯水の設定温度(混合設定温度)を設定するものであり、貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が前記追い加熱基準温度(前記閾値)よりも高い温度のときの給湯時の前記混合設定温度を給湯設定温度に対応させて第1の設定温度(T1)に設定する。この第1の設定温度は、例えば
図2(a)の特性線bに示されるような、時点t1以前の期間における温度であり、例えば給湯設定温度設定操作手段45によって設定された給湯設定温度Tqsの値と同じ値に(または、それより0.5℃といった温度だけ高めに)設定する。
【0052】
また、混合設定温度設定手段36は、貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が、給湯途中で前記追い加熱基準温度よりも高い温度から前記追い加熱基準温度以下に低下したとき(時点t1)には、
図2(a)の特性線bに示されるように、混合設定温度が、第1の設定温度よりも給湯器16の動作開始時の動作加熱号数である最小燃焼号数で給湯流量の湯を作ったときの温度分(ΔT)だけ低い第2の設定温度(T2)になるように、前記温度低下時から徐々に低下する値に設定する。
【0053】
この温度低下割合(温度下降勾配)は、前記湯水導入通路の長さに応じて該長さが長くなるにつれて緩やかに設定されるものであり、本実施例では、出湯通路9と給水通路8bとの合流部10から給湯器16の湯水導入部までの湯水導入通路15内の湯水容量が流れる期間(積算流量対応期間)Δtが経過したときに混合設定温度が第2の設定温度となるように、混合設定温度設定手段36が、第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を低下させる温度勾配を決定する。
【0054】
前記積算流量対応期間Δtは、積算流量検出手段38により検出されるものであり、積算流量検出手段38は、メモリ部37に格納されている湯水導入通路15の長さ(この長さは熱源装置の施工業者によって入力される)と管路径とから湯水導入通路15の容量を求め、この容量の湯水が流れる前記積算流量対応期間(言い換えれば、時点t1の時に合流部10にあった湯水が給湯器16の湯水導入部に達するまでの時間)を、その容量と流量検出手段42により検出される流量とから求め、その値を混合設定温度設定手段36に加えると共に、積算流量対応期間が経過したときには、期間経過信号を燃焼制御手段47に加える。
【0055】
混合設定温度設定手段36は、積算流量検出手段38から加えられる積算流量対応期間の値を受けて、この期間経過中に混合設定温度が第1の設定温度から第2の設定温度に低下するような温度勾配を求め、これらの情報に基づいて、前記の如く混合設定温度を設定する。混合設定温度設定手段36によって設定された混合設定温度(混合設定温度情報)は、ミキシング流量制御手段35に加えられる。
【0056】
ミキシング流量制御手段35は、合流部10側に出湯通路9から流れる湯水の流量と給水通路8bから合流部10側に流れる水の流量を制御し、混合設定温度設定手段36により設定される設定混合温度の混合湯水が合流部10で形成されるようにするものである。ミキシング流量制御手段35は、前記の如く、タンク側電磁弁13の開閉制御とタンク湯水混合器12および水混合器14の制御による湯水流量と水流量との制御により、合流部10で形成される混合湯水の温度が混合設定温度となるように制御する。
【0057】
給湯器16の燃焼制御手段47は、混合設定温度設定手段36から前記積算流量対応期間が経過したとき加えられる期間経過信号を受けて、
図2(c)の特性線dに示されるように、積算流量対応期間Δtの経過後に前記追い加熱機能による加熱を開始させる。このようにすることで、混合設定温度の低下が開始されたときに合流部10を通った湯水が湯水導入通路15内を通って給湯器16の湯水導入部に達したときに、
図2(c)の特性線dに示されるように、追い加熱機能動作が開始される。
【0058】
なお、
図2(b)の特性線b’は、給湯器の湯水導入部における温度(入水温度)を示しており、
図2(a)の特性線bと比較するとわかるように、合流部10で形成された混合湯水が湯水導入通路15を通って給湯器16に導入されるまでのタイムラグ(前記積算流量対応期間Δt)だけ温度がずれ、設定期間経過時から徐々に温度が低下する。そのため、このときに給湯器16の追い加熱動作を開始させることにより、混合湯水の温度低下分を給湯器16の追い加熱動作により補うが、それにより、給湯温度は、
図2(d)の特性線eに示されるように、矢印Eに示す時点で若干の温度変動が生じたとしても大きな温度変動が無い、安定した値(給湯設定温度)に制御される。
【0059】
なお、本実施例は、前記の如く、混合設定温度を第1の設定温度から第2の設定温度に低下させるときの温度勾配を、合流部10と給湯器16の湯水導入部とを接続する湯水導入通路15の長さに応じて長さが長くなるにつれて小さくなるように定め、貯湯槽2からの給湯途中で貯湯槽内湯水温検出手段5aの検出温度が追い加熱基準温度よりも高い温度から追い加熱基準温度以下に低下したときには、その定めた温度勾配で、混合設定温度を第1の設定温度から第2の設定温度まで徐々に低下させることを特徴とする。言い換えれば、混合設定温度を低下させる期間を湯水導入通路15の長さに対応する値として、この期間における混合設定温度の低下速度を湯水導入通路15の長さが長くなるにつれて遅くするものである。
【0060】
それに対し、例えば
図8(a)の特性線a’に示されるような給湯器の加熱速度(JIS S2109 7.12.1d加熱速度試験、参照)と同じ温度勾配(角度θ)で、
図8(b)の特性線b’に示されるように、混合設定温度を第1の設定温度から第2の設定温度まで低下させることも考えられ(
図8(b)の角度θ、参照)、この場合、
図8(a)の加熱速度θと
図8(b)の温度降下速度θとが打ち消しあうことから、給湯器16の燃焼開始時の切り替えが最短時間ででき、給湯温度も
図8(c)の特性線c’に示されるように、安定するのではないかと理論上は考えられる。
【0061】
なお、
図8(a)〜(d)において、横軸は全て時間を示しているが、合流部10と給湯器16の湯水導入口との間には湯水導入通路15が設けられており、その長さが長くなるほど合流部10を通った湯水が給湯器16の湯水導入口まで達するには時間がかかり、
図8(b)の点Bで温度を下げ始めても、その湯はなかなか給湯器16の入り口には達せず、点Bで温度を下げ始めた湯は例えばその30秒後に給湯器16に達する。このとき(
図8(a)の点A)に給湯器16の加熱作動が開始されるものであり(燃焼開始)、温度が下がり始める混合湯水が給湯器16に達し、その湯水が給湯器16で加熱された後の出湯時の温度が、
図8(c)の点Cとして表されている。また、合流部10を通った湯水が給湯器16の湯水導入口まで達するまでの時間(前記では30秒)は、配管を流れる流量が多ければ短時間となり、少なければ給湯器16に達する時間は長くなる。
【0062】
ここで、本実施例のように、タンクユニット4と給湯器16とを個別に配置して配管によって接続するタイプの熱源装置においては、以下に述べるような状況となることがあり、そのため、本実施例のような混合設定温度の設定が重要となる。例えば既設の給湯器16と貯湯槽2を備えたタンクユニット4を組み合わせることもできるが、既設の給湯器16が家屋の北側の浴室近傍の壁に取り付けられており、北側の隣地境界が迫っている場合には、大型の貯湯槽2を既設の給湯器16の近傍に取付けできず、貯湯槽2は南側の庭に設置する等の対応が必要となる。その場合、給湯器16と貯湯槽2との間の長い距離を配管(湯水導入通路15の配管)で接続しなければならない場合がある。
【0063】
給湯器16の加熱速度は給湯器16が配設されている場所の外気条件により変わるものであるが、例えば南側の庭に設置された貯湯槽2を備えたタンクユニット4側で、例えば北側の浴室近傍の壁に取り付けられた給湯器16の給気温度等の給気条件を検出することはできないため、たとえ、市販等されている様々な給湯器16の中から利用者が使用している給湯器16がどの給湯器なのかを把握して、その給湯器16の固有の加熱速度をタンクユニット4側の制御装置33に入力しても、外気条件による給湯器16の加熱速度の変化についてタンクユニット4側で判断することはできない。
【0064】
つまり、タンクユニット4側の制御装置33において、販売されている複数の種類の給湯器16の中から指定された給湯器16の想定される加熱速度を求める際には、例えば貯湯槽2の配設領域周囲の外気温を参考として求めるが、実際の加熱速度は給湯器16の周囲の外気温で左右され、貯湯槽2の周囲の外気温と給湯器16の周囲の外気温の差は、給湯器16と貯湯槽2が離れれば離れるほど大きくなる可能性があるため、正確な値を求めることはできない。
【0065】
なお、外気条件による給湯器16の加熱速度の変化の例として、以下のようなことがある。例えば、給湯器16として、潜熱を回収する熱交換器を搭載した、潜熱回収式給湯暖房機を使用した場合、夏場の給気が湿度が高くて35℃の場合であっても、冬場の給気が湿度が低くて5℃の場合であっても、給水温度が同じならば、排気温度がほぼ同じになるがごとく、熱効率は(例えば給気が湿度80%35℃の場合と湿度50%5℃の場合では効率が3%近く違う等)給気する外気条件に大きく左右される。なお、潜熱回収熱交換器を搭載した場合には、顕熱熱交から出た排気ガスの熱を潜熱回収熱交換器で回収するために吸熱最終段が潜熱回収熱交換器であるのに対し(排気温度や熱効率は給水温度に大きく左右されるのに対し)、顕熱熱交換器のみの場合には、吸熱最終段が出湯部であるために、排気温度や熱効率は出湯温度に大きく左右される。
【0066】
本願発明者は、このような外気条件による給湯器16の加熱速度への影響により、給湯器16と貯湯槽2との間の距離が離れれば離れるほど、給湯器16の想定される加熱速度と実際の加熱速度とに差異が生じる点にも着目し、給湯器16と貯湯槽2の間の配管距離に相当する流量(積算流量)が貯湯槽2から流れ出る間(前記積算流量対応期間)に渡って、ミキシング温度を徐々に下げるようにした。
【0067】
なお、貯湯槽2の周囲の外気温に比して給湯器16の周囲の外気温が高い方向に差が生じた場合には実際の加熱速度は速くなるので、加熱速度が速ければ、入水してくる給水温度変化に十分対応できるので、出湯温度は設定温度を保つことができる。しかし、その逆に、給湯器16の周囲の外気温が低い場合には(給湯器16は北側に配設されることも多く、このような場合が多いが)、
図8(a)の特性線aに示されるように、実際の加熱速度は特性線a’に示した理論上の加熱速度よりも遅くなり、その結果、
図8(b)の特性線b’に示されるように低下していく混合湯水の温度を給湯器16による追い加熱動作によって十分に補償することができず、
図8(c)の特性線cに示されるように、給湯温度にアンダーシュートが発生してしまう。
【0068】
そこで、本願発明者は、貯湯槽2の周囲の外気温と給湯器16の周囲の外気温の差を合流部10から給湯器16の湯水導入口までを接続する湯水導入通路15の長さ(配管距離)に対応する値として考え、配管距離を工事業者にタンクユニット4の制御装置33に入力してもらい、湯水導入通路15の長さ(配管距離)に応じて、前記第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を下げる割合を長さが長くなるほど小さく(緩やかに温度が低下するように)することで、給湯温度の安定化を図るようにしている。
【0069】
つまり、前記のように、給湯器16の周囲の外気温が貯湯槽2の周囲の外気温に比して低い場合に生じるアンダーシュート対策として、配管距離として入力された数値が大きければ大きいほど、例えば
図8(b)の特性線bに示されるように、合流部10により形成される混合湯水の温度を下げる度合いを小さくする(干満方向に補正する)ことで、給湯器16の追い加熱動作による温度補償を適切に行えるようにして給湯温度の安定を図るようにし、給湯温度のアンダーシュートが出ないようにした。
【0070】
すなわち、貯湯槽2と給湯器16との間は、例えば架橋ポリエチレン管16A(外径が16mmの管)で配管工事がされるので、前記制御装置33に入力してもらってメモリ部37に格納されている配管距離は、配管内に貯留する湯水容量に相当し、流量が一定であれば、工事業者に入力してもらった配管距離が長ければ長いほど、前記第1の設定温度から前記第2の設定温度まで混合設定温度を干満に下げることで、前記アンダーシュートを防止することができる。
【0071】
また、混合設定温度を前記第1の設定温度から第2の設定温度に下げるまでに要する期間を前記積算流量対応期間とする場合には、給湯流量が同じならば湯水導入通路15の長さが長くなるほど積算流量対応期間が長くなり、また、同じ配管距離であっても、流量が少ない場合には湯水導入通路15内の湯水容量が流れる積算流量対応期間が長いので時間をかけて温度を下げることになり、その逆に、流量が多い場合には前記設定期間が短く設定されて短時間で温度を下げることになる。このように、湯水導入通路15の長さに対応させることに加えて給湯流量に応じても混合設定温度の制御を行ってもよい。
【0072】
また、貯湯槽2の周囲の外気温と給湯器16周囲の外気温の差は、配管距離に比して無制限に温度差が広がるものではないので、第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を下げる温度勾配(温度下降勾配)は必ずしも一定にする必要はない(第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度が直線性をもって下がるようにする必要性はない)。
【0073】
さらに、以下のような方法で、混合設定温度を第1の設定温度から第2の設定温度まで下げるときの温度下降勾配等の設定を行ってもよい。例えば給湯器16の施工業者によって熱源装置に適用されている給湯器16の種類を制御装置33に入力してもらい、この入力情報に基づき、制御装置33が給湯器16を最小燃焼号数で加熱開始した時の加熱速度(温度上昇勾配)情報を検出する。そして、第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を下げる温度下降勾配を前記温度上昇勾配よりも小さくなるように設定することにし、かつ、温度下降勾配を小さくする割合を湯水導入通路15の長さが長くなるほど大きくする(つまり、温度下降勾配は湯水導入通路15の長さが長くなるほど小さくなる)ようにしてもよい。
【0074】
このようにすると、熱源装置に適用されている給湯器16の加熱速度に対応し、かつ、湯水導入通路15の長さが長くなるほど異なる傾向にある貯湯槽2の配設外部環境と給湯器16の配設外部環境との差(一般には給湯器16の配設されている場所が北側等で外気温が低い等、といった差)にも対応した温度下降勾配で、第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を下げることができるので、前記アンダーシュート発生の抑制をより一層適切に行うことができる。
【0075】
なお、給湯器16の加熱速度は、本来は直線ではないが、
図8(
a)の特性線aのように、略直線として給湯器16の加熱による温度上昇勾配(角度θ)の値のみ記憶し、第1の設定温度から第2の設定温度まで混合設定温度を下げる角度(温度下降勾配)を、施工業者に入力してもらった配管距離に応じて前記角度θより小さい値となるように補正し、この補正された角度に基づいて混合設定温度を干満に下げるようにしてもよい(本来は直線ではなく点火時に急速に温度が上昇し、設定温度が近づくと上昇程度が緩やかになるが、加熱速度の説明を明確にしやすくするために
図8(a)では直線で示している)。
【0076】
さらに、熱源装置に適用されている給湯器16の情報を入力する代わりに、複数種ある給湯器16のそれぞれにおける外気温別の複数の加熱速度の中から、最も遅い加熱速度を予めメモリ部38に記憶しておき(例えば
図8(a)に示した温度上昇勾配θが最も小さい特性を記憶したり、その温度上昇勾配の値を記憶したりし)、施工業者に入力してもらった配管距離(湯水導入通路15の長さ)が長くなる場合には、長さに応じて長さが長くなるほど、混合設定温度設定を第1の設定温度から第2の設定温度に下げる際の前記温度下降勾配θを小さい値となるように補正して、混合設定温度を干満に下げるようにしてもよい。
【0077】
なお、このように、最も遅い加熱速度を予めメモリ部38に記憶しておく場合には、湯水導入通路15の長さが短い場合には、給湯器16の加熱速度がメモリ部38に記憶してある最も遅い加熱速度よりは速い加熱速度となる場合もあるので、温度下降勾配を、記憶してある温度上昇勾配の値と同じ値(
図8(d)の特性線d
0)よりも大きい値に補正してもよい(
図8(d)の特性線d”参照)。なお、
図8(d)のd’は湯水導入通路15の長さが長いときの補正例を示す。
【0078】
さらに、例えばアンダーシュートがマイナス3℃まで許されるのならば、必ずしも最も悪い加熱速度を選択記憶させるのではなく、許される範囲のアンダーシュートを実現できる加熱速度のみを記憶しておき、その角度を、施工業者に入力してもらった配管距離(湯水導入通路15の長さ)が長くなる場合には長さに応じて補正して、混合設定温度を干満に下げるようにしてもよい。
【0079】
これらのように、複数ある給湯器16の中から熱源装置に適用されている給湯器16の加熱速度を入力して設定するのではなく、予め制御装置33に設定しておいた値を基準となる温度勾配を用いて前記補正を行うようにすれば、給湯器16の情報を入力する必要がなくなるために、例えば貯湯槽2の工事業者と給湯器16の工事業者が異なる場合の、給湯器16の施工業者への入力依頼を不必要とすることができる。
【0080】
さらに、本実施例をはじめとし、本発明では、混合設定温度設定を第1の設定温度から第2の設定温度まで下げる際の温度下降勾配を決定する際に、給湯器16の周囲の外気温を検出してこの検出情報に基づき給湯器16の加熱速度を求め、その加熱速度に応じて温度下降勾配を決定するのではなく、湯水導入通路15の長さに応じて前記温度下降勾配を決定するので、外気温センサを省略できる。仮に、外気温センサがあったとしても用いないことで、貯湯槽2の複数の加熱速度を記憶するメモリ容量を増やす必要性がなくなる。
【0081】
さらに、混合設定温度設定を第1の設定温度から第2の設定温度に低下させる際の温度下降勾配を決定する際に、貯湯槽2に供給されるAC100Vの周波数が50Hzなのか60Hzなのかで値を変えるようにしてもよい。
【0082】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、本発明の熱源装置の詳細なシステム構成は適宜設定されるものであり、貯湯槽2と出湯通路9と、該出湯通路9と給水通路8bとが合流する合流部10とを備え、ミキシング流量制御手段によって出湯通路9と給水通路8bとから合流部10側に流れる湯水や水の流量を制御して設定混合温度の混合湯水が合流部10で形成されるようにし、かつ、合流部10を通った混合湯水を必要に応じて給湯器16等の補助熱源装置で追い加熱する構成を有していればよい。したがって、給湯器16は、給湯熱交換器17を例えば石油燃焼式のバーナ装置により加熱するタイプの給湯器としてもよいし、電気ヒータにより加熱するタイプの給湯器としてもよい。
【0083】
また、給湯器16等の補助熱源装置の動作開始時の動作加熱号数は、通常、最小燃焼号数であり、前記実施例においても最小燃焼号数で加熱動作を開始しているが、最小燃焼号数とは異なる号数で加熱動作の開始を行ってもよい。その場合、その動作加熱号数に対応させて、前記第2の設定温度を設定することになる。
【0084】
さらに、前記実施例では、貯湯槽2は燃料電池1に熱的に接続されていたが、燃料電池1の代わりに、太陽熱の集熱機やヒートポンプ等を接続してもよい。