(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のコネクタは、例えば生体電極などから得られる生体信号を取込むFPCと、上記生体信号を処理して表示などする医療機器との間に設けられる。このようなコネクタでは、FPCの端子とコネクタ側の端子とを押圧によりコンタクトさせるように構成したものが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、カム21によりコンタクトを得るようにしたものが開示されている。具体的には、次のように構成されている。FPC11をコンタクト13に圧接させるための操作子14が嵌合状態にあるときに、操作子14に備えられているカム21によって、操作子14は嵌合方向に閉じる力を受ける。したがって嵌合状態(第2の位置)にあるときには、離脱方向に簡単に移動することがない(特許文献1の段落0023)。カム21は横断面が二つの半円形間を二本の直線で結んだ形状である。
【0004】
操作子14が開いた第1の位置から第2の位置に移動する過程で、コンタクト13はカム21により最大の力を受けた後、その力がわずかに減少させられて(オーバーストロークして)停止する。すなわち、コンタクト13は操作子14が第2の位置にあるときに受ける力より大きな力がかかるため、各部をその力に耐えるように堅牢に作る必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来のこの種のコネクタでは、押圧力に対し堅固な構造や材料を用いる必要があった。このため、コネクタが大型化したり重量が重くなったりコスト高となるなどの問題があった。また、上記のような特殊な構成によらない場合には、使用中に損壊する虞があり、コンタクト部にダメージが及んだ場合には測定の精度に影響を及ぼし、悪くすると誤った測定結果がもたらされる危険性があった。
【0007】
本発明はこのような従来のコネクタが有している問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、押圧力に対し堅固な構造や材料を用いることなく、コネクタの大型化や重量が重くなったりコスト高となったりすることのないコネクタを提供することである。また、コネクタの大型化や重量が重くすることなく、使用中に損壊する虞がなく、安定して正確な測定に用いることのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコネクタは、端子が形成された挿入領域を有するフレキシブル基板が挿入されるコネクタにおいて、前記端子と接触するコネクタ側端子が設けられた平面部を有するベースケースと、軸を支点として回動し、前記軸が貫通する軸孔を有する基部に前記軸を中心として同心円弧を描
く同心円カムとこの同心円カムに対し前記軸を中心とする円弧方向において隣接する平坦部とにより構成される
作用部と、前記基部に対する端部に形成された操作部と、前記軸方向において前記同心円カムに挟まれた位置に形成されたリブと、を有するレバーと、
前記操作部による前記レバーの回動に応じて前記リブが入り込むようになる鉤状部分を有する鉤状片が形成され、前記挿入領域が挿入された状態において前記挿入領域に圧接し、前記挿入領域と前記コクタ側端子とを圧接状態とするための圧接プレートと、を具備し、前記操作部による第1の方向への回動操作に応じて前記
同心円カムと前記圧接プレートとが非接触な第1の状態から前記
同心円カムが前記圧接プレートを押圧する第2の
状態となると共にこの第2の状態では第1の方向への回動中に押圧力が変化せずに前記同心円カムが前記圧接プレートを押圧する一方、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向への回動操作に応じて前記
同心円カムと前記圧接プレート
とが圧接状態である前記第2の状態から非接触状態である前記第1の状態へと移行
し、前記第1の状態における第2の方向への回動操作のときに、前記リブが前記鉤状片の前記鉤状部分に入り込んで前記圧接プレートを上昇させる動作を許容する状態となり、更に前記平坦部が前記圧接プレートに当接する状態を呈し、前記作用部
の前記同心円カムが前記圧接プレートを押圧する
前記第2の状態へと移行した後に、前記レバーが前記ベースケースの凹部の蓋となるまで、
前記同心円カムが作用することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るコネクタは、前記操作部が前記圧接プレートを押圧する側の終端まで前記レバーを回動したときに、
前記第2の状態を継続した状態において、前記レバーをロックするロック手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコネクタは、端子が形成された挿入領域を有するフレキシブル基板が挿入されるコネクタにおいて、前記端子と接触するコネクタ側端子と、前記挿入領域が挿入された状態において前記挿入領域に圧接し、前記挿入領域と前記コネクタ側端子とを圧接状態とするための圧接プレートと、操作部と作用部とを有し、軸を支点として回動して、前記作用部と前記圧接プレートとが非接触な状態と、前記作用部が前記圧接プレートを押圧する状態とを実現させるレバーとを具備し、前記作用部が前記圧接プレートを所定ストローク押圧した後における前記作用部の回動範囲において、前記作用部が前記圧接プレートを押圧する部位から前記軸までの距離が一定となっているので、圧接プレートがレバーによってオーバーストロークとなるようには押圧されることがない。
【0013】
このため、所要の位置に圧接プレートを位置付けた状態において、圧接プレートによってフレキシブル基板の挿入領域を所要の圧力にて押圧して保持することができる。これにより、フレキシブル基板の端子とコネクタ側端子との接触を安定に保つことができる。そして、圧接プレートとレバーを含む、作用部の力が及ぶすべての部位に過負荷が加わることがなく、部品の損壊の虞を少なくすることができる。従って、安定して正確な測定に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るコネクタを含んで構成したアダプタの平面図。
【
図2】本発明の実施形態に係るコネクタが使用されるシステムの斜視図。
【
図3】本発明の実施形態に係るコネクタの組立斜視図。
【
図4】
図1のA−A断面図であり、レバーによるロック状態とロック解除状態を示す図。
【
図5】
図1のA−A断面図であり、レバーによるロック解除状態において開口部が開口していない状態を示す図。
【
図6】
図1のA−A断面図であり、レバーによるロック解除状態において開口部が最大に開口した状態を示す図。
【
図8】本発明の実施形態に係るコネクタを構成するレバーの要部を拡大した側面図。
【
図9】本発明の実施形態に係るコネクタによってフレキシブル基板の挿入領域が押圧された状態を示す断面図。
【
図11】本発明の実施形態に係るコネクタに、フレキシブル基板の挿入領域が挿入された状態を示す斜視図。
【
図12】本発明の実施形態に係るコネクタによってフレキシブル基板の挿入領域が押圧された後の、挿入領域における変形を示す斜視図。
【
図13】本発明の実施形態に係るコネクタによってフレキシブル基板の挿入領域が押圧された後の、挿入領域における変形部位を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照して本発明の実施形態に係るコネクタを説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。本発明の実施形態に係るコネクタは、
図1に示されるような一体型電極アダプタ1のFPC用のコネクタ1Aとして実現することができる。一体型電極アダプタ1には、コネクタ1Aに対する他端側に電子機器接続用のコネクタ1Bが設けられている。
【0016】
図2に示されるように、電子機器接続用のコネクタ1Bは、例えば医療機器であるホルタ心電計2の図示しない接続用開口に臨んで設けられているコネクタと接続される。また、コネクタ1Aは、端子3aが形成された挿入領域4を有するフレキシブル基板3が挿入されるコネクタとして用いることができる。フレキシブル基板3は使い捨ての心電電極として構成されており、図示しない他端側に複数の電極が配置され、それぞれの電極は端子3aのいずれかと接続されている。
【0017】
以下の説明においては、
図3を中心にして行い、その他の図を参照するときは付記する。
図3に示されるように、コネクタ1Aは、ベースケース10、パッキン20、軸28、軸29、圧接プレート30、レバー40を主な構成要素として具備する。ベースケース10は、概ね四角錐台の形状を有しており、各辺や角部が面取りされて丸みを帯びた形状を有する。四角錐台の頭頂に相当する部位が一体型電極アダプタ1の中央部側に位置する基部とされ、四角錐台の下底面に相当する部位がコネクタ1Aの先端側とされている。
【0018】
ベースケース10は、上記先端側から基部へ向かって繰り抜かれた如く、有底の凹部が形成されている。この凹部の底面11に近接した平面部には、
図2に示す端子3aが形成された挿入領域4を有するフレキシブル基板3が挿入される。ベースケース10の底面11には、端子3aと接触するコネクタ側端子12が突出されて埋設されている。端子3aとコネクタ側端子12の数は、同数である。コネクタ側端子12はピン端子として形成されており、コネクタ側端子12が埋設されているベースケース10の底面11の下方には、コネクタ側端子12を上方に押圧するコイルバネが埋設されている。このため、フレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12とが当接した状態で、圧接プレート30によりフレキシブル基板3を押圧し、端子3aとコネクタ側端子12との電気的接続状態を確実に実現できる。
【0019】
コネクタ側端子12の上面側には、可撓性のある絶縁性樹脂により構成されるパッキン20が介装される。パッキン20は、コネクタ側端子12に対応して孔が穿孔され、各孔の周囲を囲繞する壁21が形成されたものである。パッキン20の介装により各孔から突出した各コネクタ側端子12は、壁21により囲繞され、上方からは圧接プレート30により蓋をされた状態となる。このため、使用の際に汗などの水分の侵入を防ぐことができ、さらに各コネクタ側端子12間の絶縁が保たれ、適切な測定を行うことが可能である。
【0020】
ベースケース10における先端部近傍の底面部13において、幅方向の一端部にボス14が突出して形成されている。一方、フレキシブル基板3の挿入領域4には、上記ボス14に対応して切欠5が形成されている。ボス14と切欠5とは、フレキシブル基板3が挿入されたとき、切欠5に上記ボス14が挿入されて、フレキシブル基板3の引き抜き方向の力に対抗するような構成とされている。これにより、フレキシブル基板3を位置決めして、固定することができる。なお、ボス14と切欠5は、フレキシブル基板3が固定されたとき、フレキシブル基板3の引き抜き方向の力に対抗する形状であればよく、たとえば切欠5は孔も含む。
【0021】
上記底面部13において、ボス14よりも奥側の幅方向の両端部には、突出片15が突出して設けられている。突出片15の位置は、フレキシブル基板3が挿入されたとき、フレキシブル基板3の導電部でない位置に対向するように設定される。この突出片15は、例えば金属により構成され、先端が尖っていることが望ましい。
【0022】
圧接プレート30は、平板形状であり、先端側に立ち上がった正面板部31を備える。
図9、
図10に示されるように、圧接プレート30の底面側は平坦であり、ボス14に対応する位置に凹部32が形成されている。圧接プレート30には、上記突出片15と対向する面の対応位置に凹部38が形成されている。
図3、
図9に示されるように、圧接プレート30の表面部のほぼ中央には、上方へ突出した鉤状の鉤状片34が設けられている。
【0023】
また、
図3に示されるように、圧接プレート30の正面板部31に対向する辺における両端部には、軸28が遊嵌する軸孔を有する軸掴部33が設けられている。一方、ベースケース10の凹部における奥側の矩形状とされた空室の入口壁部には、一対の軸受孔16、16が形成されている。上記の圧接プレート30に軸掴部33に軸28が挿入され、軸28が軸受孔16に嵌合されてEリング28aにより抜け止めされる。これにより、圧接プレート30は軸28を支点として回動可能にベースケース10に取り付けられる。
【0024】
レバー40は、基部41から操作部である先端部42へ向かって逆U字形状を描くような縁部を備えており、基部41から先端部42へ向かう中央付近が低く、この中央付近から基部41と先端部42へ向かって上方へ傾斜し、全体的に反り返った形状を有している。
【0025】
レバー40の基部41には、軸29が貫通される貫通孔43が設けられている。また、
図4に示されるように、レバー40の基部41における底部の中央部には、圧接プレート30の鉤状片34と連結するリブ44が貫通孔43に平行する方向に延びて形成されている。このリブ44は、後に説明するレバー40の開閉に応じて、鉤状片34の折れ曲がった鉤部部分に接触したり非接触となったりする。
【0026】
更に、レバー40の基部41における底部には、圧接プレート30に対する押圧の作用を生じさせる作用部として、ここでは貫通孔43(軸29)を中心とする同心円カム45が、リブ44を挟むように貫通孔43に平行する方向に延びて形成されている。また、レバー40を
図6に示される位置から
図4に示される位置に回動する場合において、
図8に示すように、レバー40における同心円カム45の手前に位置する平坦部47が同心円カム45の押圧に先行して、圧接プレート30に対する押圧を開始する作用部となっている。なお、同心円カム45のカム面と貫通孔43(軸29)との距離は一定である。
【0027】
一方、
図3に示されるように、ベースケース10の凹部における先端側の壁部の上部には、一対の軸受孔17、17が形成されている。上記のレバー40の貫通孔43に軸29が挿入され、軸29が軸受孔17に嵌合されてEリング29aにより抜け止めされる。これにより、レバー40は軸29を支点として回動可能にベースケース10に取り付けられる。
【0028】
また、レバー40の底面には、下方へ突出した鉤状のロック用鉤片46が設けられている(
図4、
図5参照)。このロック用鉤片46は、ベースケース10に取り付けられた状態のレバー40を回動してベースケース10の凹部の蓋となるように押圧すると、ロック用鉤片46における先端の鉤部が軸28に係合する。これによりレバー40をロック状態とすることができる。また、操作部である先端部42を起こすように上方に持ち上げてレバー40を回動すると、ロック用鉤片46と軸28の係合状態を解除し、ロック状態から抜け出すことができる。ロック用鉤片46と軸28とはロック手段を構成する。
【0029】
以上のように構成されたコネクタは、以下のようにして使用することができる。
図4〜
図7を参照して説明する。上記の通り、操作部である先端部42を起こすように上方に持ち上げてレバー40を回動(第2の方向への回動)すると、
図4〜
図5に示すように、リブ44が鉤状片34に非接触の状態から、リブ44が鉤状片34の鉤部部分に入り込んで接触する状態となり、軸29を中心として回動する。これによって、圧接プレート30が軸28を中心に回動させられて、圧接プレート30の正面板部31が上昇する。レバー40をロック状態から引き上げて回動を続けると、圧接プレート30の正面板部31の内側にレバー40における基部41の一部が当接して回動が制止される(
図6〜
図8参照)。
【0030】
この回動が制止された位置において、開口部51の開口が最大となる。開口部51は、圧接プレート30とベースケース10の先端部により構成される部分である。このようにリブ44と鉤状片34とは、レバー40を第2の方向へ回動させるとき開口部51を開く開口調整手段として機能する。この開口部51からフレキシブル基板3の挿入領域4が挿入される。
図6、
図7のそれぞれにおいて、上下に2枚示したフレキシブル基板3、3の間でフレキシブル基板3が挿入可能である。
【0031】
挿入領域4に形成された切欠5に上記ボス14が挿入されることにより、フレキシブル基板3の位置決めがなされる。この状態においてレバー40をロックする方向へ回動(第1の方向への回動)すると、
図4、
図5に示されるように、同心円カム45が圧接プレート30を上方から下方へ押圧し、開口部51の開口が狭められる。
【0032】
即ち、レバー40をロックする方向(第1の方向)へ回動してゆくと、レバー40における同心円カム45の手前に位置する平坦部47が圧接プレート30に対する押圧を開始することにより開口部51の開口が狭められる。このとき、開口調整手段としてのリブ44及び鉤状片34は、どこにも作用を及ぼさない。更なるレバー40の回動によって、
図8に示す平坦部47と同心円カム45との境界である角部48が圧接プレート30を押圧する。ここから続けられるレバー40の回動によっては、同心円カム45による圧接プレート30に対する押圧が開始される。この同心円カム45による圧接プレート30に対する押圧のときには、軸29から同心円カム45の全ての部位までの距離が一定である。
【0033】
以上の通り、圧接プレート30に対する押圧力が最大となった後には、別言すると、圧接プレート30を所定ストローク押圧した後には、レバー40の同心円カム45によって、押圧力が変化しない。従って、圧接プレート30がレバー40によってオーバーストロークとなるようには押圧されることがない。このため、所要の位置に圧接プレート30を位置付けた状態において、圧接プレート30とベースケース10によってフレキシブル基板3の挿入領域4を所要の圧力にて押圧して保持することができる。これにより、フレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12との接触を安定に保つことができる。そして、圧接プレート30、レバー40及びベースケース10などの、作用部の力が及ぶすべての部位に過負荷が加わることがなく、部品の損壊の虞を少なくすることができる。従って、安定して正確な測定に用いることができる。
【0034】
更に、レバー40を回動してレバー40がベースケース10の凹部の蓋となるように押圧すると、ロック用鉤片46における先端の鉤部が軸28に係合し、レバー40をロック状態とすることができる。このときにも、同心円カム45による圧接プレート30に対する押圧状態となっており、押圧力は変化しない(
図4)。上記のように、リブ44、鉤状片34及び同心円カム45は、圧接プレート30とレバー40との間を連絡し、上記レバー40による回動操作に応じて上記開口部51側の端部である正面板部31を上下に移動させる。
【0035】
このように開口調整手段が備えられていることにより、開口部51を大きく開口させて開口部51からフレキシブル基板3の挿入領域4を挿入させることができ、フレキシブル基板3を容易に挿入でき、作業効率を向上させることができる。また、フレキシブル基板3を挿入した後には、レバー40をロック状態とする方向へ回動することにより、容易に圧接プレート30とベースケース10によってフレキシブル基板3の挿入領域4を所要の圧力にて押圧して保持することができ、フレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12との接触を安定に保つことができる。
【0036】
次に
図9〜
図13を参照して説明する。また、上記において、開口部51からフレキシブル基板3の挿入領域4を挿入させ、レバー40をロック状態となる方向へ回動した場合には、圧接プレート30によってフレキシブル基板3の挿入領域4がベースケース10側へ押圧される。このとき、ベースケース10の底面部13には、突出片15が突出して設けられているので、突出片15に圧接した位置においてフレキシブル基板3の挿入領域4の導電部以外の位置に突出片15が食い込み、圧接プレート30の凹部38の内側へ入り込んだ部分においてフレキシブル基板3の挿入領域4が凸形状に変形(塑性変形)する。
【0037】
上記のように挿入領域4は、突出片15が食い込み塑性変形が生じた状態となってレバー40がロック状態とされる。このため、フレキシブル基板3の挿入領域4がベースケース10と圧接プレート30との間でガタがない状態でしっかりと固定され、フレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12との接触を安定に保つことができる。このとき、フレキシブル基板3の挿入領域4に形成された切欠5にベースケース10の底面部13から突出しているボス14が挿入された状態であり、この構成によってフレキシブル基板3の引き抜き強度が確保される。従って、体動などによりフレキシブル基板3が振動したり引っ張られたりしても、フレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12との接触状態に影響を及ぼすことがほとんどなく、ノイズ抑制効果を高めることができる。
【0038】
以上のようにしてフレキシブル基板3の端子3aとコネクタ側端子12との接触を安定に保った状態で使用した後には、フレキシブル基板3の挿入領域4において凸形状に変形した変形痕跡6が残る。このため、フレキシブル基板3が使用済みであるか未使用であるかを変形痕跡6の有無によって判定することができる。従って、次の効果も奏する。変形痕跡6の有無判定によってフレキシブル基板3について確実な衛生管理を行うことができる。また、変形痕跡6の位置が、フレキシブル基板3における挿入領域4の所定位置からズレた位置にある場合には、このときの測定が不適切であった可能性があると判定することができ、変形痕跡6の位置に基づき測定の適否を判定することが可能である。