特許第6133670号(P6133670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6133670配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133670
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/08 20060101AFI20170515BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20170515BHJP
   F16B 2/06 20060101ALI20170515BHJP
   F16B 5/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   F16L3/08 Z
   F16L57/00 A
   F16B2/06 A
   F16B5/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-93059(P2013-93059)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-214821(P2014-214821A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】久保田 悠揮
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−149679(JP,A)
【文献】 実開昭56−059375(JP,U)
【文献】 特開2002−213681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/08
F16B 2/06
F16B 5/00
F16L 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配設面に配設されて配線・配管材を収容保護する直状保護カバーと、その直状保護カバーの一端側の外周面に端部が重なるようにして前記配設面に配設されて配線・配管材を収容保護する付属保護カバーとを、保持する、保持具であって、
前記直状保護カバーと前記付属保護カバーとの境界部分に配置される保持具本体と、その保持具本体から延びて前記配設面に固定される固定部とを備え、
前記保持具本体は、帯状に延びて長手方向と短手方向とを有するように形成されて、前記短手方向となる第1方向の一側に、前記長手方向となる第2方向に帯状に延びて前記直状保護カバーに跨がる第1本体部を有し、前記第1方向の他側に、前記第2方向に帯状に延びて前記付属保護カバーに跨がる第2本体部を有して、前記第1方向が、前記直状保護カバーの配設方向となるとともに、前記第2方向が、前記配設方向に直交する方向となり、かつ、
前記第1本体部には、前記直状保護カバーの外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その直状保護カバーを支持する、第1支持部が設けられ、前記第2本体部には、前記付属保護カバーの外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その付属保護カバーを支持する、第2支持部が設けられる、配線・配管材用の保護カバーの保持具。
【請求項2】
前記固定部は、前記配設方向に直交する両側に設けられる、請求項1に記載の配線・配管材用の保護カバーの保持具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保持具を用いた保持装置であって、
保護カバー用スペーサーを介して前記配設面に配設される、前記直状保護カバーおよび前記付属保護カバーに対応すべく、前記保持具の固定部と前記配設面との間に介在して前記保持具を嵩上げする保持具用スペーサーを備える、配線・配管材用の保護カバーの保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置であって、特に、直状保護カバーと付属保護カバーに係わる、保持具および保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配線・配管材の保護カバーは、必要に応じて、直状保護カバーと、例えば分岐部分を形成する付属保護カバーとからなり、それら直状保護カバーと付属保護カバーとで配線・配管材の配線・配管経路を形成していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、直状保護カバーは、基台と蓋体とからなっており、その直状保護カバーを保持したり基台への蓋体の組み付けを確実にしたりするために、保持具が用いられることがあった(例えば、特許文献2参照)。図17に示すように、この保持具24は、基台23aと蓋体23bとからなって配線・配管材22を収容保護する直状保護カバー23に対し、跨がるようにして、配設面21に取り付けられるものであって、直状保護カバー23に跨がってその直状保護カバー23を支持する支持部24aと、その支持部24aの両側に設けられて配設面21に固定される固定部24bとから構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−264402号公報
【特許文献2】特開2011−94800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の保持具24は、直状保護カバー23を保持することはできるものの、その直状保護カバー23と付属保護カバーとをまとめて保持することはできず、その使い勝手がよくなかった。
【0006】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、直状保護カバーと付属保護カバーとをまとめて保持することができる、配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持具は、配設面に配設されて配線・配管材を収容保護する直状保護カバーと、その直状保護カバーの一端側の外周面に端部が重なるようにして前記配設面に配設されて配線・配管材を収容保護する付属保護カバーとを、保持する、保持具である。この保持具は、前記直状保護カバーと前記付属保護カバーとの境界部分に配置される保持具本体と、その保持具本体から延びて前記配設面に固定される固定部とを備える。ここで、前記保持具本体は、帯状に延びて長手方向と短手方向とを有するように形成されて、前記短手方向となる第1方向の一側に、前記長手方向となる第2方向に帯状に延びて前記直状保護カバーに跨がる第1本体部を有し、前記第1方向の他側に、前記第2方向に帯状に延びて前記付属保護カバーに跨がる第2本体部を有して、前記第1方向が、前記直状保護カバーの配設方向となるとともに、前記第2方向が、前記配設方向に直交する方向となる。そして、前記第1本体部には、前記直状保護カバーの外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その直状保護カバーを支持する、第1支持部が設けられ、前記第2本体部には、前記付属保護カバーの外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その付属保護カバーを支持する、第2支持部が設けられる。
【0008】
この保持具によると、保持具本体が、直状保護カバーと付属保護カバーとの境界部分に配置される。この保持具本体は、一側の、直状保護カバーに跨がる第1本体部に設けられた第1支持部が、直状保護カバーの外周面に当接または隙間なく配置されて、その直状保護カバーを支持し、他側の、付属保護カバーに跨がる第2本体部に設けられた第2支持部が、付属保護カバーの外周面に当接または隙間なく配置されて、その付属保護カバーを支持する。そして、保持具本体から延びる固定部が配設面に固定される。こうして、直状保護カバーと付属保護カバーとは、第1支持部と第2支持部とで個々に支持され、この保持具によりまとめて保持される。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持具は、請求項1に記載の保持具において、前記固定部は、前記配設方向に直交する両側に設けられる。こうして、固定部を両側に設けることで、保持具本体が安定し、直状保護カバーおよび付属保護カバーをしっかりと保持することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持装置は、請求項1または2に記載の保持具を用いた保持装置である。この保持装置は、保護カバー用スペーサーを介して前記配設面に配設される、前記直状保護カバーおよび前記付属保護カバーに対応すべく、前記保持具の固定部と前記配設面との間に介在して前記保持具を嵩上げする保持具用スペーサーを備える。こうして、保持具に対し、保持具用スペーサーを設けることで、直状保護カバーおよび付属保護カバーが、保護カバー用スペーサーを介して配設面に配設された場合にも、対応することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置によれば、保持具本体における第1支持部と第2支持部とで、直状保護カバーと付属保護カバーとを個々に支持し、かつ、固定部が配設面に固定されることで、両保護カバーをまとめて保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の一実施の形態の、側面図である。
図2】同じく、斜視図である。
図3】同じく、分解斜視図である。
図4】同じく、保持具の斜視図である。
図5】同じく、保持具の正面図である。
図6】同じく、保持具の底面図である。
図7】同じく、図5におけるA−A線による断面図である。
図8】同じく、図5におけるB−B線による断面図である。
図9】同じく、保持具用スペーサーの斜視図である。
図10】同じく、保持具用スペーサーの正面図である。
図11】同じく、保持具用スペーサーの底面図である。
図12】同じく、図10におけるC−C線による断面図である。
図13】同じく、保持具用スペーサーを積み重ねたときの断面図である。
図14】この発明の他の実施の形態の、斜視図である。
図15】同じく、分解斜視図である。
図16】この発明のさらに他の実施の形態の、側面図である。
図17】従来の保持具および直状保護カバーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る配線・配管材用の保護カバーの保持具、および配線・配管材用の保護カバーの保持装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1図13は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、壁面、床面、天井面等からなる配設面を示す。2は、配線・配管材(配線材または配管材)を示す。3は、配線・配管材2用の直状保護カバーを示す。4は、配線・配管材2用の付属保護カバーを示す。5は、保護カバー(直状保護カバー3および付属保護カバー4)の保持具を示す。6は、保護カバー3、4の保持装置を示す。
【0015】
直状保護カバー3と付属保護カバー4は、配設面1に配設されて配線・配管材2を収容保護するものである。そして、付属保護カバー4は、直状保護カバー3の一端側の外周面に端部4aが重なるようにして配設面1に配設されて、これら直状保護カバー3と付属保護カバー4とは連なることとなる。そこで、保持具5は、これら直状保護カバー3と付属保護カバー4とを、保持するものであって、直状保護カバー3と付属保護カバー4との境界部分に配置される保持具本体5aと、その保持具本体5aから延びて配設面1に固定される固定部5bとを備える。ここで、保持具本体5aは、帯状に延びて長手方向と短手方向とを有するように形成されて、前記短手方向となる第1方向の一側に、前記長手方向となる第2方向に帯状に延びて直状保護カバー3に跨がる第1本体部5xを有し、前記第1方向の他側に、前記第2方向に帯状に延びて付属保護カバー4に跨がる第2本体部5yを有して、前記第1方向が、直状保護カバー3の配設方向となるとともに、前記第2方向が、前記配設方向に直交する方向となる。そして、第1本体部5xには、直状保護カバー3の外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その直状保護カバー3を支持する、第1支持部5cが設けられ、第2本体部5yには、付属保護カバー4の外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置されて、その付属保護カバー4を支持する、第2支持部5dが設けられる。
【0016】
また、保持具本体5aは、その裏面側であって第1本体部5xと第2本体部5yとの境界位置に、付属保護カバー4の前記端部4aにおける端面4bに対向する対向面5eを有する。
【0017】
保持装置6は、前記保持具5を用いた保持装置であって、保護カバー用スペーサー7を介して配設面1に配設される、直状保護カバー3および付属保護カバー4に対応すべく、保持具5の固定部5bと配設面1との間に介在して保持具5を嵩上げする保持具用スペーサー8を備える。
【0018】
具体的には、配線・配管材2は、配管材からなり、給水湯管等の通水管とかエアコン用の冷媒管とかの管201であったり、その管201が接続される継手202であったりする。
【0019】
そして、直状保護カバー3は、真直ぐ延びて、配線・配管材2(詳しくは、管201)を収容保護する保護カバーであって、必要に応じて適宜長さに切断されて使用される。つまり、この直状保護カバー3は、その長手方向に直交する各断面形状が一定となっている。この直状保護カバー3は、図2および図3に示すように、配設面1側に位置する基台3aと、その基台3aに被る蓋体3bとを備える。基台3aは、配設面1と対向する基部3cと、その基部3cから延設されて、配線・配管材2を支持する配線・配管材支持部3dとを有している。蓋体3bは、断面略逆U字状に形成されて、基台3aに組み付けられる。ここで、蓋体3bには、内側に突設された被掛止め部3eが設けられ、この被掛止め部3eが、基台3aに設けられた凹状の掛止め部3fに掛かることで、蓋体3bは、基台3aに対し、弾性的に組み付けられる。なお、図中符号3gは、断熱材を示し、この断熱材3gは、蓋体3bの内面を覆うように設けられる。また、図示を省略するが、直状保護カバー3(詳しくは、基台3a)および後述する直状保護カバー用スペーサー701は、ビスとか釘等の固着具により、配設面1に固定される。
【0020】
付属保護カバー4は、配線・配管材2(詳しくは、前記管201に続く継手202)を収容保護する保護カバーである。図示実施の形態においては、付属保護カバー4は、配線・配管材2の端側を収容保護する。この付属保護カバー4は、図3に示すように、配設面1側に位置する基台4cと、その基台4cに被る蓋体4dとを備える。基台4cは、その前面(配設面1とは反対側の面)に、継手202を部分的に収容する凹部4eを有している。そこで、継手202は、一部が凹部4eに収容された状態で、ビス9により、基台4cに固定される。蓋体4dは、後方(下方)に開口する箱型形状をした蓋体本体4eと、その蓋体本体4eから延設された断面略逆U字状の延設部4fとを備える。そして、この延設部4fの先端側が、付属保護カバー4の前記端部4aとなって、直状保護カバー3の一端側の外周面に重なることとなる。つまり、この端部4a(延設部4f)は、その内径(つまり、その開口幅および開口高さ)が、直状保護カバー3の外径(つまり、その幅および高さ)よりも大となるように形成されている。また、蓋体本体4eの前面(配設面1とは反対側の面)には、孔4gがあけられており、この孔4gを通って、水栓(図示せず)が、継手202の接続口2aに接続される。なお、図示を省略するが、この付属保護カバー4においても、直状保護カバー3と同様に、蓋体4dは、基台4cに対し、弾性的に組み付けられる。また、図示を省略するが、付属保護カバー4(詳しくは、基台4c)および後述する付属保護カバー用スペーサー702は、ビスとか釘等の固着具により、配設面1に固定される。
【0021】
保持具5は、その保持具本体5a(第1本体部5xおよび第2本体部5y)が、帯状であって略逆U字状に延びて形成されている。そして、この保持具本体5aにおける第1本体部5xと第2本体部5yとは、相対的に第2本体部5yが、その内径が大となるように(つまり、その開口幅および開口高さが大となるように)段違いに形成され、その段差部分に、前述した対向面5eを有する。もっとも、図示実施の形態においては、第1本体部5xと第2本体部5yとは、相対的に第2本体部5yが、その内径のみならず外径においても大となるように段違いに形成されている。
【0022】
そして、図示実施の形態においては、第1本体部5x自身が、第1支持部5cとなって、直状保護カバー3の外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置され、同様にして、第2本体部5y自身が、第2支持部5dとなって、付属保護カバー4の外周面に当接して配置されまたは隙間なく配置される。すなわち、第1支持部5cと第2支持部5dとは、略逆U字状に形成され、相対的に第2支持部5dが、その内径が大となるように(つまり、その開口幅および開口高さが大となるように)形成される。
【0023】
また、この保持具5において、固定部5bは、直状保護カバー3と付属保護カバー4との配設方向に直交する両側に設けられる。詳細には、固定部5bは、保持具本体5aの両端に設けられ、側方に板状に延びて、略方形形状に形成されている。この固定部5bには、固定部5b、ひいては保持具5を、配設面1に固定するためのビスとか釘等の固着具10が通る取付孔5fが貫通するようにあけられている。また、固定部5bは、保持具用スペーサー8に設けられた後述する嵌合部8dが嵌合する被嵌合部5gを有していてる。図示実施の形態においては、被嵌合部5gは、穴からなり、固定部5bの下面5h側にあけられている。
【0024】
保護カバー用スペーサー7は、直状保護カバー3と配設面1との間に介在する直状保護カバー用スペーサー701と、付属保護カバー4と配設面1との間に介在する付属保護カバー用スペーサー702とからなる。そして、直状保護カバー用スペーサー701は、直状保護カバー3(詳しくは、基台3a)がちょうど載る大きさを有し、同様に、付属保護カバー用スペーサー702は、付属保護カバー4(詳しくは、基台4c)がちょうど載る大きさを有している。
【0025】
保持具用スペーサー8は、保持具5のそれぞれの固定部5bと配設面1との間に個別に介在する。この保持具用スペーサー8は、盤状に形成され、かつ、上面8aが(詳しくは、下面8bを含めて)、保持具5における固定部5bの下面5hと略同一の大きさに形成されて、その上面8aが、固定部5bの下面5hに一致するように合わせられる。すなわち、図示実施の形態においては、保持具用スペーサー8は、固定部5bの略方形形状に合わせた、略方形形状をしている。そして、保持具用スペーサー8は、固定部5bの取付孔5fと連通可能な、取付孔8cが、貫通するようにあけられている。そこで、固着具10が、固定部5bの取付孔5fおよびこの取付孔8cを通って配設面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする。
【0026】
この保持具用スペーサー8は、嵌合部8dを有する。図示実施の形態においては、嵌合部8dは、突起からなり、保持具用スペーサー8の上面8a側に設けられる。そして、保持具5と保持具用スペーサー8とは、保持具5における被嵌合部5gにこの嵌合部8dが嵌合して組み付けられる(図1参照)。
【0027】
また、保持具用スペーサー8は、必要に応じて、図13に示すように、高さ方向に積み重ねられて配置される。そこで、保持具用スペーサー8は、嵌合部8eと被嵌合部8fとを有している。図示実施の形態においては、嵌合部8eは、突起からなり、保持具用スペーサー8の上面8a側に設けられ、被嵌合部8fは、穴からなり、保持具用スペーサー8の下面8b側にあけられる。そして、一の保持具用スペーサー8の嵌合部8eが、他の保持具用スペーサー8の被嵌合部8fに嵌合して、複数の保持具用スペーサー8、8どうしが積み重ねられて組み付けられる。なお、図示実施の形態においては、保持具5と保持具用スペーサー8との組み付けに用いられる嵌合部8dと、保持具用スペーサー8、8どうしの組み付けに用いられる嵌合部8eとは、同一であるが(つまり、これらを兼ねた一つの嵌合部であるが)、これらを別々に形成してもよい。
【0028】
また、保持具用スペーサー8は、保護カバー用スペーサー7の側面に当接する、当接部8gを有する。この当接部8gは、内側(つまり、保護カバー用スペーサー7側)を向く平面からなり、保護カバー用スペーサー7の平面からなる側面に安定して当接する。また、保持具用スペーサー8には、下面8bに、窪み8hが形成され、この窪み8hは、周面(図示実施の形態においては、当接部8g側の面)に開口するように設けられている。
【0029】
次に、以上の構成からなる保持具5および保持装置6の作用効果について説明する。この保持具5によると、保持具本体5aが、直状保護カバー3と付属保護カバー4との境界部分に配置される。この保持具本体5aは、一側の、直状保護カバー3に跨がる第1本体部5xに設けられた第1支持部5cが、直状保護カバー3の外周面に当接または隙間なく配置されて、その直状保護カバー3を支持し、他側の、付属保護カバー4に跨がる第2本体部5yに設けられた第2支持部5dが、付属保護カバー4の外周面に当接または隙間なく配置されて、その付属保護カバー4を支持する。そして、保持具本体5aから延びる固定部5bが配設面1に固定される。こうして、直状保護カバー3と付属保護カバー4とは、第1支持部5cと第2支持部5dとで個々に支持され、保持具5によりまとめて保持される。すなわち、保持具本体5aにおける第1支持部5cと第2支持部5dとで、直状保護カバー3と付属保護カバー4とを個々に支持し、かつ、固定部5bが配設面1に固定されることで、両保護カバー(直状保護カバー3と付属保護カバー4と)をまとめて保持することができる。さらに、保持具本体5aに設けられた対向面5eが、付属保護カバー4の端面4bに対向するため、この付属保護カバー4の、直状保護カバー3側への位置ずれを防ぐことができる。
【0030】
また、固定部5bを、直状保護カバー3と付属保護カバー4との配設方向に直交する両側に設けることで、両固定部5b、5bが配設面1に固定されて保持具本体5aが安定し、直状保護カバー3および付属保護カバー4をしっかりと保持することができる。
【0031】
また、保持装置6にあっては、前記作用効果に加えて、保持具5に対し、保持具用スペーサー8を設けることで、直状保護カバー3および付属保護カバー4が、保護カバー用スペーサー7を介して配設面1に配設された場合にも、対応することができ、使い勝手がよい。
【0032】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、保護カバー3、4は、基台3a、4cと蓋体3b、4dとを備えるものでなくとも、例えば、パイプとかダクト(特に、下面がフラットなパイプとかダクト)からなっていてもよく、また、下方が開口するものであってもよい。
【0033】
また、付属保護カバー4は、配線・配管材2における配線・配管経路の端部を収容保護するものでなくとも、その配線・配管経路の曲がり部分、分岐部分、延長部分等の中間部を収容保護するものであってもよい。図14図15は、分岐部分用の付属保護カバー4を用いた例を示し、付属保護カバー4および付属保護カバー用スペーサー702は、T字状に形成されている。ここで、図14は、斜視図、図15は、分解斜視図である。
【0034】
また、直状保護カバー3および付属保護カバー4の配設にあたって、保護カバー用スペーサ7(直状保護カバー用スペーサー701および付属保護カバー用スペーサー702)とか保持具用スペーサー8を用いることなく、図16に示すように、保護カバー3、4や保持具5が、直接配設面1に取り付けられてもよい。
【0035】
また、この図16に示すように、保持具5における第1本体部5x自身が第1支持部5cとなるのではなく、例えば、第1本体部5xと第2本体部5yとが段差なく繋がり、第1支持部5cが、第1本体部5xから内側に突出して形成された突出片からなっていてもよい。ここで、この突出片からなる第1支持部5cは、第1本体部5xにおける、直状保護カバー3に跨がる方向の全周に設けられても、一部に設けられてもよい。また、図示を省略するが、第1支持部5cと同様にして、第2支持部5dは、第2本体部5yから内側に突出して形成された突出片からなっていてもよい。そして、この突出片からなる第2支持部5dは、第2本体部5yにおける、付属保護カバー4に跨がる方向の全周に設けられても、一部に設けられてもよい。
【0036】
また、保持具5において、固定部5bは、直状保護カバー3と付属保護カバー4との配設方向に直交する両側に設けられなくとも、一側にのみ設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 配設面
2 配線・配管材
3 直状保護カバー
4 付属保護カバー
4a 端部
5 保持具
5a 保持具本体
5b 固定部
5c 第1支持部
5d 第2支持部
5x 第1本体部
5y 第2本体部
6 保持装置
7 保護カバー用スペーサー
8 保持具用スペーサー
図1
図2
図3
図4
図5
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図17