(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調整部材の前記第1側と反対の第2側で、前記ねじ部材、前記調整部材及び前記支持軸の間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材をさらに備える、請求項6に記載の電動リール。
前記調整部材の前記第1側と反対の第2側で、前記リール本体、前記調整部材及び前記支持軸との間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材をさらに備える、請求項12に記載の電動リール。
前記調整部材は、前記貫通孔において、少なくとも前記第1接触面と前記第1弾性部材との間に設けられる第1スペーサをさらに有する、請求項10、11、16及び17のいずれか1項に記載の電動リール。
前記調整部材は、前記貫通孔において、少なくとも前記第2接触面と前記第2弾性部材との間に設けられる第2スペーサをさらに有する、請求項10、11及び16から18のいずれか1項に記載の電動リール。
前記調整部材は、前記貫通孔において、前記支持軸と前記貫通孔との間に設けられる第3スペーサをさらに有する、請求項1から19のいずれか1項に記載の電動リール。
前記係合部は、前記係合凹部に隣接して設けられ、前記支持軸の軸心を中心として円弧状に形成される円弧凹部と、前記係合凹部と前記円弧凹部との間に設けられる突出部と、をさらに有する、請求項23に記載の電動リール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動リールの調整部材は、機械としての単なるモータの出力を調整する調整部材とは異なる。すなわち、電動リール用のモータの出力の調整は、魚とのやり取りを行うため、微妙な調整が必要となる。釣り人は、調整部材の微妙に調整できるフィーリングを非常に大切にしており、微妙な調整フィーリングは、釣り人の釣果にも影響する。
【0005】
従来の回動操作によってモータの出力を調整する調整部材では、調整部材の回転がスムーズすぎると、調整部材の微妙な調整操作を行えない。
【0006】
本発明の課題は、電動リールのモータの出力を調整する調整部材の微妙な調整操作ができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電動リールは、リール本体と、支持軸と、スプールと、モータと、調整部材と、第1弾性部材と、制御部と、を備える。支持軸は、リール本体に設けられる。スプールは、リール本体に回転可能に設けられる。モータは、リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する。調整部材は、支持軸が貫通可能な貫通孔を有し、支持軸に回動自在に支持される。第1弾性部材は、調整部材の第1側でリール本体、調整部材及び支持軸の間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される。制御部は、調整部材の回動位置に応じてモータの出力を調整する。
【0008】
この電動リールでは、調整部材が支持軸に第1弾性部材を介して支持される。第1弾性部材は、調整部材の第1側で、リール本体、調整部材及び支持軸に直接又は間接的に接触して配置され、調整部材が支持軸に第1弾性部材を介して支持される。ここでは、調整部材を、リール本体及び支持軸と直接接触せずに第1弾性部材を介して接触させることができる。このため、調整部材の回転を、第1弾性部材との接触による摩擦抵抗を変化させることによって調整可能になり、調整部材の微妙な調整操作ができるようになる。
【0009】
電動リールは、第1弾性部材とリール本体との間に配置される第1ワッシャ部材をさらに備えてもよい。第1弾性部材は、第1ワッシャ部材を介してリール本体に間接的に接触する。この場合には、第1弾性部材がリール本体ではなく表面がリール本体よりも滑らかな第1ワッシャ部材に接触するので、摩擦抵抗が一定になりやすい。このため、調整部材の調整操作がよりスムーズになり、調整部材のさらに微妙な調整操作ができるようになる。
【0010】
調整部材は、第1側に第1弾性部材と接触及び摺動する第1接触面を有してもよい。第1接触面は、リール本体と支持軸とのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第1弾性部材がテーパ面で調整部材に接触するので、調整部材の軸方向及び径方向への力を第1弾性部材が受けることができる。
【0011】
貫通孔は、前記支持軸と隙間をあけて配置され、第1接触面は、貫通孔の第1側に設けられてもよい。この場合には、支持軸に調整部材が直接接触しないので、第1弾性部材の摩擦抵抗が安定する。
【0012】
支持軸は、リール本体から突出して片持ち支持されてもよい。この場合には、支持軸が片持ち支持されるので、調整部材の配置の自由度が高くなる。
【0013】
電動リールは、大径の頭部を有し、支持軸の先端にねじ込み可能なねじ部材をさらに備えてもよい。調整部材は、ねじ部材の頭部によって抜け止めされる。この場合には、ねじ部材のねじ込み量によって第1弾性部材の弾性変形量を調整でき、摩擦力を調整できる。
【0014】
電動リールは、調整部材の第1側と反対の第2側でねじ部材、調整部材及び支持軸との間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材をさらに備えてもよい。この場合には、調整部材が第1弾性部材と第2弾性部材とによって両端支持されるので、さらに微妙な調整操作ができるようになる。
【0015】
第1弾性部材及び第2弾性部材の少なくともいずれか一方は、Oリングであってもよい。この場合には、市販のOリングを利用して調整部材を支持できるので、支持構造を低コストで実現できる。
【0016】
電動リールは、頭部と第2弾性部材との間に配置される第2ワッシャ部材をさらに備えてもよい。第2弾性部材は、第2ワッシャ部材を介してねじ部材の頭部に間接的に接触する。この場合には、調整部材の第2側でも第2ワッシャ部材に第2弾性部材が接触するので、片持ち支持される支持軸において、第2側でも調整部材に作用する摩擦抵抗が一定になり、調整部材の調整操作がよりスムーズになり、さらに微妙な調整操作ができるようになる。
【0017】
調整部材は、第2弾性部材と接触及び摺動する第2接触面を有してもよい。第2接触面は、ねじ部材の頭部と支持軸とのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第2弾性部材がテーパ面で調整部材に接触するので、調整部材の軸方向及び径方向への力を第2弾性部材が受けることができる。
【0018】
貫通孔は、支持軸と隙間をあけて配置され、第2接触面は、貫通孔の第2側に設けられてもよい。この場合には、貫通孔の両側に第1接触面と第2接触面とが設けられるので、第1弾性部材及び第2弾性部材が安定して調整部材を支持できる。
【0019】
支持軸は、リール本体に両端支持されてもよい。この場合には、調整部材がリール本体に両端支持されるので、調整部材をハンドル側及びハンドルと逆側の両方向から操作可能になる。
【0020】
電動リールは、調整部材の第1側と反対の第2側でリール本体、調整部材及び支持軸との間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材をさらに備えてもよい。この場合には、両端支持された調整部材が第1側と第2側とで第1弾性部材及び第2弾性部材に両端支持されるので、調整部材をさらに微妙に調整操作できるようになる。
【0021】
第1弾性部材及び第2弾性部材の少なくともいずれか一方は、Oリングであってもよい。この場合には、市販のOリングを利用して調整部材を支持できるので、支持構造を低コストで実現できる。
【0022】
電動リールは、リール本体と第2弾性部材との間に配置される第2ワッシャ部材をさらに備えてもよい。第2弾性部材は、第2ワッシャ部材を介してリール本体に間接的に接触する。この場合には、調整部材の第2側でも第2ワッシャ部材に第2弾性部材が接触するので、両端支持される支持軸において、第2側でも調整部材に作用する摩擦抵抗が一定になり、調整部材の調整操作がよりスムーズになり、調整部材の微妙な調整操作ができるようになる。
【0023】
調整部材は、第2弾性部材と接触及び摺動する第2接触面を有してもよい。第2接触面はリール本体と支持軸とのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第2弾性部材がテーパ面で調整部材に接触するので、調整部材の軸方向及び径方向への力を第2弾性部材が受けることができる。
【0024】
貫通孔は、支持軸と隙間をあけて配置され、第2接触面は、貫通孔の第2側に設けられてもよい。この場合には、貫通孔の両側に第1接触面と第2接触面とが設けられるので、第1弾性部材及び第2弾性部材が安定して調整部材を支持できる。
【0025】
調整部材は、貫通孔において、少なくとも第1接触面と第1弾性部材との間に設けられる第1スペーサをさらに有してもよい。この場合には、第1弾性部材が第1スペーサと接触するので、第1側において、調整部材に作用する摩擦力がさらに一定になりやすい。
【0026】
調整部材は、貫通孔において、少なくとも第2接触面と第2弾性部材との間に設けられる第2スペーサをさらに有してもよい。この場合には、第2弾性部材が第2スペーサと接触するので、第2側において、調整部材に作用する摩擦力がさらに一定になりやすい。
【0027】
調整部材は、貫通孔において、支持軸と貫通孔との間に設けられる第3スペーサをさらに有してもよい。この場合には、第1接触面及び第2接触面を含む貫通孔の全体にスペーサが設けられるので、スペーサを精度よく形成できる。
【0028】
調整部材は、モータを停止させる操作開始位置から回動してもよい。電動リールは、調整部材の操作開始位置からの回動及び操作開始位置への回動を規制する回動規制部をさらに備える。この場合には、操作開始位置からの回動が規制されるので、調整部材が使用者の意志に反して調整開始位置から回動しにくくなり、モータが不意に回転しにくくなる。
【0029】
回動規制部は、操作開始位置への回動を規制してもよい。この場合には、調整部材が使用者の意志に反して調整開始位置に回動しにくくなり、モータが不意に停止しにくくなる。
【0030】
回動規制部は、係合部と、位置決めピンとを有してもよい。係合部は、リール本体及び調整部材の一方に設けられ、操作開始位置に対応する係合凹部を有する。位置決めピンは、リール本体及び調整部材
の他方に設けられ、係合部に向けて付勢され係合部に係合する。この場合には、回動を規制する場合、
付勢された位置決めピンによって係合部に位置決めピンが係合して回動が規制されるので、回動規制するときにクリック感が得られ、回動規制されたことを使用者が認識しやすい。
【0031】
係合部は、係合凹部に隣接して設けられ、支持軸の軸心を中心として円弧状に形成される円弧凹部と、係合凹部と円弧凹部との間に設けられる突出部と、をさらに有してもよい。この場合に、係合凹部と円弧凹部との境界部分に設けられる突出部によって調整部材の回動が規制される。
【0032】
係合部は、リール本体に設けられ、位置決めピンは、調整部材に設けられてもよい。この場合には、移動する調整部材に位置決めピンが設けられるので、クリック感を得ることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、調整部材の回転を、第1弾性部材との接触による摩擦抵抗によって調整可能になり、調整部材の微妙な調整操作ができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<第1実施形態>
<電動リールの全体構成>
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5において、本発明の第1実施形態による電動リール100は、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きの両軸受リールとして使用するときの電源を内部に有する小型の電動リールである。また、電動リール100は糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。
【0036】
電動リール
100は、釣り竿に装着可能であり水深表示部4を有するリール本体1と、ハンドル2と、スプール10と、クラッチ操作部材11と、モータ12と、スプール駆動機構13(
図5参照)と、クラッチ機構16(
図3参照)と、を備える。また、電動リール100は、調整部材5と、第1弾性部材46(
図4参照)と、第2弾性部材47(
図4参照)と、第1ワッシャ部材50(
図4参照)と、第2ワッシャ部材52(
図4参照)と、ねじ部材54(
図4参照)と、回動規制部55(
図6参照)と、リール制御部70(
図12参照)と、をさらに備える。ハンドル2は、リール本体1に回転可能に設けられる。スプール10は、リール本体1に回転可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をオンオフ操作するためのものであり、リール本体1の後部に移動可能に設けられる。モータ12は、リール本体1に設けられ、スプール10を回転駆動する。クラッチ機構16は、ハンドル2の回転をスプール10に伝達可能なクラッチオン状態と、ハンドル2の回転をスプール10に伝達不能なクラッチオフ状態と、にクラッチ操作部材11の操作によって切換可能である。調整部材5は、リール本体1に回動可能に設けられる。調整部材5は、回動位置に応じてモータ12の出力を調整するための部材である。検出子34は、調整部材5に設けられ、調整部材5の回動位置を検出するために設けられる。位相検出部35は、検出子34の位相検出部35に対する相対的な回転位相を検出可能である。スプール駆動機構13は、ハンドル2及びモータ12の駆動力に応じてスプール10を駆動する。リール制御部70は、モータ12の出力を調整部材5の回動位置に応じて複数段階に調整するモータ制御部の機能を有する。例えば、スプール10の回転速度が調整部材5の回動位置に応じて複数段階に調整される。また、例えば、釣り糸に作用する張力が調整部材5の回動位置に応じて複数の段階に調整される。リール制御部70は、水深表示部4を表示制御する表示制御機能も有する。
【0037】
<リール本体>
リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、第2側カバー8bと、前カバー9(
図7参照)と、前述した水深表示部4と、
を備える。フレーム7は、例えば合成樹脂又は金属製の一体形成された部材である。フレーム7は、第1側板7aと、第2側板7bと、第1側板7aと第2側板7bとを連結する第1連結部材7c、第2連結部材7d及び第3連結部材7eと、を有する。第2側板7bは、第1側板7aと左右方向(図
2左右方向)に間隔を隔てて配置される。第1側カバー8aは、フレーム7のハンドル2装着側を覆う。第2側カバー8bは、フレーム7のハンドル2装着側と逆側を覆う。前カバー9は、フレーム7の前部を覆う。
【0038】
第1側板7aは、側板本体19aと、側板本体19aと間隔を隔てて配置され、各種の機構を装着するための機構装着板19bを有する。側板本体19aは、
図5に示すように、ボス部19cを有する。ボス部19cには、ブッシュ65が回転不能に装着されている。機構装着板19bは、以下に示す各種の機構を装着するために設けられる。機構装着板19bは、側板本体19aの外側面にネジ止め固定されている。
図3及び
図5に示すように、側板本体19aと第1側カバー8aとの間に、スプール駆動機構13と、クラッチ機構16を制御するクラッチ制御機構20と、スプール10の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構23(
図5参照)と、が設けられている。第1側カバー8aには、スプール10を制動するキャスティングコントロール機構21が設けられている。キャスティングコントロール機構21は、後述するスプール軸14の両端を押圧してスプール10を制動する機構である。
【0039】
第1側板7aと第2側板7bとの間には、スプール10と、クラッチ機構16と、スプール10に釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機構22と、が設けられている。レベルワインド機構22は、図
7に示すように、交差する螺旋状溝が形成されたトラバースカム軸63と、トラバースカム軸63の回転によってスプール10の前方でスプール軸14と平行な軸方向に往復移動する釣り糸ガイド64と、を有する。トラバースカム軸63のハンドル2側の端部は、
図5に示すように、ブッシュ65を介してボス部19cに回転自在に支持される。
【0040】
第2側板7bには、
図3に示すように、スプール10が通過可能な円形開口7fが形成されている。円形開口7fには、スプール10のスプール軸14の第1端(
図3左端)を回転自在に支持するスプール支持部17が芯出しされて装着されている。スプール支持部17は、第1側板7aの外側面にネジ止め固定されている。スプール支持部17には、スプール軸14の第1端を支持する第1軸受18aが収納される。
【0041】
第1連結部材7cは、第1側板7a及び第2側板7bの下部を連結する。第2連結部材7dはスプール10の前部を連結する。第1連結部材7cは、板状の部分であり、その左右方向の略中央部分に釣り竿に取り付けるための釣り竿装着部7gが一体形成されている。なお、釣り竿装着部7gは、フレーム7と別体であってもよい。第2連結部材7dは、概ね円筒状の部分であり、その内部にモータ12(
図2及び
図7参照)が収容されている。第3連結部材7eは、リール本体1の後部を連結する円弧状に湾曲した概ね板状の部分である。
【0042】
第1側カバー8aには、
図2に示すように、駆動軸30を回転自在に支持するための第1ボス部8cが外方に突出して形成されている。第1ボス部8cの後方には、スプール軸14の第2端を支持する第2ボス部8dが外方に突出して形成されている。
【0043】
第2側カバー8bは、第2側板7bの外縁部に例えばねジ止めされている。第2側カバー8bの前部下面には、
図3に示すように、電源ケーブル接続用のコネクタ15が下向きに装着されている。
【0044】
ハンドル2は、第1側カバー8a側に設けられている。ハンドル2は、
図1及び
図2に示すように、ハンドルアーム2aと、ハンドルアーム2aの先端に装着されたハンドル把手2bと、を有している。ハンドル2は、第1側板7a側に装着される。ハンドル2は、リール本体1に回転自在に支持された駆動軸30に一体回転可能に連結される。
【0045】
前カバー9は、第1側板7a及び第2側板7bの前部外側面の上下2箇所で、例えばねジ止め固定されている。前カバー9には、釣り糸通過用の横長の開口(図示せず)が形成されている。前カバー9は、水深表示部4の後述するケース部材36の前下面を覆う。
【0046】
水深表示部4は、釣り糸の先端に装着可能な仕掛けの水深を表示可能である。水深表示部4は、
図1及び
図7に示すように、第1側板7a及び第2側板7bの上部に載置されるケース部材36を有する。ケース部材36は、第1側板7a及び第2側板7bの外側面にネジ止め固定される。水深表示部4は、表示操作を行うための複数(例えば3つ)の操作ボタンを有するスイッチ操作部6を有する。
【0047】
ケース部材36の内部には、
図7に示すように、リール制御部70と、水深表示用の液晶ディスプレイからなる表示器72と、主回路基板74aと、副回路基板74bと、モータ駆動回路76と、が収納されている。リール制御部70は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。主回路基板74aには、表示器72と、リール制御部70と、モータ駆動回路76と、が搭載される。副回路基板74bには、位相検出部35が搭載される。副回路基板74bは、主回路基板74aと電気的に接続される。副回路基板74bは、主回路基板74aに対して直交してケース部材36の後部に配置される。
【0048】
ケース部材36は、両側がそれぞれ第1側板7a及び第2側板7bに沿って後方に延びている。
図4に示すように、ケース部材36の第1側板7a側の後部には、下部が開口する基板収容空間36fが形成される。この基板収容空間36fに副回路基板74bが収容される。ケース部材36の第2側板7b側の後部は、第2側板7bの上部及び第2側カバー8bの上部を覆っている。
【0049】
<スプール>
スプール10は、スプール軸14に一体回転可能に装着されている。スプール10は、
図3に示すように、筒状の糸巻胴部10aと、糸巻胴部10aの両側に一体形成された大径の第1フランジ部10b及び第2フランジ部10cと、を有している。第1フランジ部10bは、第1側板7a側に設けられ、第2フランジ部10cは第2側板7b側に設けられる。スプール軸14は、糸巻胴部10aの内周部に圧入等の適宜の固定手段により固定されている。
【0050】
スプール軸14の第1端は、前述したようにスプール支持部17において第1軸受18aにより支持されている。スプール軸14の第2端(図
3右端)は、第1側カバー8aの第2ボス部8dに第2軸受18bにより支持されている。
【0051】
スプール軸14のスプール固定部分より第2軸受18b側には、クラッチ機構16を構成するクラッチピン16aが径方向を貫通して装着されている。
【0052】
<クラッチ機構>
クラッチ機構16は、
図3に示すように、クラッチピン16aと、ピニオンギア32の
図3左側端面に径方向に沿って十字に凹んで形成されたクラッチ凹部16bと、を有している。ピニオンギア32は、クラッチ機構16を構成するとともに、スプール駆動機構13の後述する第1回転伝達機構24を構成している。ピニオンギア32は、スプール軸14方向に沿って、
図3に示すクラッチオン位置とクラッチオン位置より右側のクラッチオフ位置との間で移動する。クラッチオン位置では、クラッチピン16aがクラッチ凹部16bに係合してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達され、クラッチ機構16は、クラッチオン状態になる。このクラッチオン状態では、ピニオンギア32とスプール軸14とが一体回転可能になる。また、クラッチオフ位置では、クラッチ凹部16bがクラッチピン16aから離反してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達されない。このため、クラッチ機構16は、クラッチオフ状態になり、スプール10は自由回転可能になる。
【0053】
<クラッチ制御機構>
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材11の
図7に実線で示すクラッチオン位置と
図7に二点鎖線で示すクラッチオフ位置との間の揺動によりクラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換えるために設けられる。クラッチ制御機構20は、
図5に示すように、スプール軸14回りに第1位置と第2位置とに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40に係合するクラッチヨーク41と、クラッチカム40とクラッチ操作部材11とを連結するクラッチプレート42と、を有する。クラッチプレート42は、クラッチカム40と一体的に回動する。クラッチカム40は、機構装着板19bに回動自在に支持される。クラッチカム40は、回動によってクラッチヨーク41を移動させるための一対のカム部40aを有する。
【0054】
クラッチヨーク41は、ピニオンギア32をスプール軸方向にクラッチオフ位置とクラッチオン位置に移動させるために設けられる。クラッチヨーク41は、クラッチカム40のカム部40aに係合するカム受け部(図示せず)と、ピニオンギア32に係合する円弧部41aを有し、クラッチカム40が第1位置から第2位置に回動すると、クラッチオン位置からスプール軸方向外方(
図5右側)のクラッチオフ位置に移動する。これにより、ピニオンギア32が軸方向外方(
図5右側)に移動し、ピニオンギア32とクラッチピン16aとの係合が解除され、クラッチ機構16がクラッチオフ状態になる。クラッチヨーク41は、機構装着板19bに装着された一対のガイド軸49によって軸方向に案内される。クラッチヨーク41は、ガイド軸49に装着された一対のコイルばね44によってクラッチオン位置に向けて付勢される。したがって、クラッチカム40が第2位置から第1位置に回動すると、クラッチヨーク41は、クラッチオフ位置からクラッチオン位置に戻り、ピニオンギア32がクラッチオン位置に戻る。なお、クラッチカム40の第2位置から第1位置への復帰動作は、図示しないクラッチ戻し機構によって、クラッチオフ状態でのハンドル2の糸巻取方向に回転によっても実現される。
【0055】
クラッチプレート42は、クラッチ操作部材11の揺動によってクラッチカム40を回動させるために設けられる。クラッチプレート42は、例えば金属板を折り曲げて形成される。クラッチプレート42は、クラッチカム40に係合する係合部42aと、係合部42aから径方向
に延びた後にクラッチ操作部材11に向けて折れ曲がる装着部42bと、を有する。係合部42aは、クラッチカム40の回動に連動して回動する。装着部42bは、クラッチ操作部材11に固定される。
【0056】
<クラッチ操作部材>
クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するためのものである。クラッチ操作部材11は、図
1に示すように、第1側板7aと第2側板7bとの間でリール本体1の後部に釣り竿装着部7gに対して接近及び離反する方向に移動可能に設けられる。この実施形態では、クラッチ操作部材11は、スプール10の軸回りに揺動可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、
図7に実線で示すクラッチオン位置と、二点鎖線で示すクラッチオフ位置と、の間で揺動する。第1側板7aの後部及び第2側板7bの後部の内側面には、
図5に示すように、第1接触板43a及び第2接触板43bが各別に装着される。第1接触板43a及び第2接触板43bは、ポリアセタール等の摺動性が高い合成樹脂製の部材である。第1接触板43a及び第2接触板43bは、第1側板7a及び第2側板7bに各別に着脱可能に嵌め込まれている。
【0057】
<スプール駆動機構>
スプール駆動機構13は、スプール10を糸巻取方向に駆動する。また、巻取時にスプール10にドラグ力を発生させて釣り糸の切断を防止する。スプール駆動機構13は、
図8に示すように、図示しないローラクラッチの形態の逆転防止部によって糸巻取方向の回転が禁止されたモータ12と、第1回転伝達機構24と、第2回転伝達機構25と、を備えている。第1回転伝達機構24は、モータ12の回転を減速してスプール10に伝達する。第2回転伝達機構25は、ハンドル2の回転を、第1回転伝達機構24を介して増速してスプール10に伝達する。
【0058】
第1回転伝達機構24は、
図8に示すように、モータ12の出力軸に連結された図示しない遊星減速機構を有する。遊星減速機構のケース26の内側面には、図示しない内歯ギアが形成され、内歯ギアの出力がケース26の外周面に形成された第1ギア部材60によってスプール10に伝達される。具体的には、第1回転伝達機構24は、第1ギア部材60と、第1ギア部材60に噛み合う第2ギア部材61と、第2ギア部材61に噛み合うピニオンギア32と、をさらに有する。第2ギア部材61及びピニオンギア32は、
図5に示すように、機構装着板19bと側板本体19aとの外側面との間に配置されている。第2ギア部材61は、第1ギア部材60の回転をピニオンギア32に回転方向を整合させて伝達するための中間ギアである。第2ギア部材61は、側板本体19aのボス部19c及び機構装着板19bに転がり軸受を介して回転自在に支持されている。
図5及び
図8に示すように、第2ギア部材61には、トラバースカム軸63が一体回転可能に連結されている。トラバースカム軸63の第1側板7a側の端部には、非円形部63aが形成され、第2ギア部材61は、非円形部63aに係合してトラバースカム軸63を回転させる。
【0059】
ピニオンギア32は、側板本体19aに装着された第3軸受18cにより第2側板7bにスプール軸14回りに回転自在かつ軸方向移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、クラッチ制御機構20により制御されて軸方向にクラッチオン位置とクラッチオフ位置との間でスプール軸14の外周側を移動する。ピニオンギア32は、クラッチヨーク41に係合してスプール軸14方向に移動する。
【0060】
第2回転伝達機構25は、
図5及び
図8に示すように、ハンドル2が一体回転可能に連結された駆動軸30と、駆動ギア31と、第3ギア部材62と、ドラグ機構23と、を有している。
【0061】
駆動軸30は、
図5に示すように、機構装着板19b及び第1側カバー8aの第1ボス部8cに回転自在に支持されている。駆動軸30は、ローラ型のワンウェイクラッチ37により第2側カバー8bの第1ボス部8cに支持されている。駆動軸30は、ワンウェイクラッチ37により糸繰り出し方向の回転が禁止されている。駆動ギア31は、駆動軸30に回転自在に装着されている。駆動ギア31は、ドラグ機構23により糸繰り出し方向の回転が制動される。これにより、スプール10の糸繰り出し方向の回転が制動される。
【0062】
第3ギア部材62は、ハンドル2の回転をスプール10に伝達するために設けられている。第3ギア部材62は、遊星減速機構のキャリアに一体回転可能に連結されている。第3ギア部材62は、駆動ギア31に噛み合い、ハンドル2の回転を遊星減速機構のキャリアに伝達する。キャリアに伝達された回転は、第1ギア部材60及び第2ギア部材61を介してピニオンギア32に伝達される。第3ギア部材62から第2ギア部材61までの減速比は概ね「1」である。
【0063】
ドラグ機構23は、
図5に示すように、ワンウェイクラッチ37の内輪37aに一体回転可能に連結されかつ内輪37aによって押圧されるドラグ板38を有する。ドラグ板38は、駆動軸30に一体回転可能に連結される。ドラグ板38は、ドラグ座金39を介して駆動ギア31を押圧する。ドラグ機構23の制動力(ドラグ板38を押圧する押圧力)は、駆動軸30に螺合するスタードラグ3によって調整される。
【0064】
<調整部材>
調整部材5は、モータ12の出力を複数段階(例えば、10段階以上であり、この実施形態では、31段階)に調整するためにリール本体1に設けられる。調整部材5は、図
3に示すように、第1側板7aの側板本体19aと第1側カバー8aとの間に設けられる。この実施形態では、
図4及び
図6に示すように、調整部材5は、水深表示部4のケース部材36の後部の外側面に立設された支持軸36aに回動自在に装着される。調整部材5は、第1側(
図4左側)がケース部材36に対向して配置される。第2側(
図4右側)は、第1側カバー8aに対向して配置される。
【0065】
調整部材5は、支持軸36aに装着された状態で第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置される。調整部材5は、第1側(
図4左側)がケース部材36に対向して配置される。第2側(
図4右側)は、第1側カバー8aに対向して配置される。
【0066】
支持軸36aは、
先端面にねじ部材54が螺合する雌ねじ穴36bを有する。ねじ部材54は、調整部材5を支持軸36aに対して抜け止めするために設けられる。ねじ部材54は大径の頭部54aを有する。
【0067】
回動規制部55は、調整部材5の操作開始位置からの回動を規制するとともに、調整部材5の操作開始位置への回動を規制する。操作開始位置は、調整部材5によってモータ12を係止させる位置である。モータ12の回転を停止させるための位置である。回動規制部55は、ケース部材36に設けられる係合部56と、調整部材5に設けられた位置決めピン57と、を有する。係合部56は、支持軸36aの周囲において、ケース部材36の外側面に形成された、一対の円弧凹部36cと、一対の係合凹部36dと、突出部36eと、を有する。一対の円弧凹部36cと、一対の係合凹部36dは、それぞれ180°間隔を隔てて形成されている。係合凹部36dは、球状に凹んで形成され、円弧凹部36cと隣接して配置される。係合凹部36dは、操作開始位置に対応して設けられる。円弧凹部36cは、調整部材5の回動中心と同芯の円弧で形成され、調整部材5の回動角度に対応して設けられる。調整部材5の回動角度は、この実施形態では、例えば、80°から120°の範囲である。この実施形態では、回動角度は100°である。ただし、調整部材5の回動角度は、これに限定されない。突出部36eは、係合凹部36dと円弧凹部36cとの間に、係合凹部36d及び円弧凹部36cよりも突出して形成される。突出部36eは、調整部材5の回動を規制するために設けられる。
【0068】
調整部材5の回動角度が大きい方がモータ12の出力調整の1段階ごとに割り振ることができる角度が大きくなるため、出力の調整操作を各段階で安定して行える。しかし、調整部材5の回動角度を大きくし過ぎると、複数段階にわたる操作を迅速に行いにくい。また、リール本体の形状によっては回動角度を大きくできない場合がある。これらの制約の中で最大限の角度に調整部材5の回動角度を設定するのが好ましい。
【0069】
調整部材5は、例えば合成樹脂製の概ね環状の部材である。調整部材5は、
図6に示すように、外周面に径方向に突出する操作突起5aを有する。操作突起5aを除く調整部材5の外周面には、滑り止めのための軸方向に沿った多数の溝5bが周方向に間隔を隔てて形成される。調整部材5の外側面には、調整部材5の回動範囲を規制するための規制突起5cが軸方向に突出して形成される。第1側カバー8aは、調整部材5を第1側カバー8aよりも突出させるための平面視矩形形状の開口8eを有している。規制突起5cは、開口8eの内側面に接触して調整部材5の回動範囲を規制する。
【0070】
図9に示すように、調整部材5のケース部材36と対向する内側面には、検出子34を収容する一対の検出子収容部5dと、調整部材5を操作開始位置に位置決めするための一対の位置決めピン57を収容する一対の位置決め収容部5eと、が周方向に間隔を隔てて形成される。一対の検出子収容部5dと、一対の位置決め収容部5eは、それぞれ180°間隔で円形に凹んで形成される。
【0071】
図6に示すように、位置決めピン57は、一対の位置決め収容部5eに進退自在に装着される。位置決めピン57は、一対のコイルばね58によってケース部材36に向けて付勢される。コイルばね58は、位置決め収容部5eに収容される。位置決めピン57は半球形状の頭部57aを有し、頭部57aが係合凹部36d及び円弧凹部36cに係合する。この位置決めピン57及び係合凹部36dを設けることにより、調整部材5が操作開始位置に確実に位置決めされる。また、係合凹部36dと円弧凹部36cの間に突出部36eが形成されるため、操作開始位置に位置決めされた調整部材5が、使用者の意志に反して調整開始位置から回動しにくくなる。これにより、モータ12が不意に回転しにくくなる。
【0072】
調整部材5は、
図4に示すように、中心部に形成され、支持軸36aに第1弾性部材46及び第2弾性部材47を介して回動自在に支持される貫通孔5fを有する。また調整部材5は、貫通孔5fの第1側に形成された第1接触面5gと、第2側に形成された第2接触面5hと、を有する。第1接触面5gは、第1弾性部材46と接触及び摺動する。第2接触面5hは、第2弾性部材47と接触及び摺動する。第1接触面5gは、リール本体1を構成するケース部材36と支持軸36aとのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。第2接触面5hは、ねじ部材54の頭部54aと支持軸36aとのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。第1実施形態では、テーパ面は、支持軸36aに対して30度から60度、好ましくは、40度から50度傾いてコーン状に形成される。
【0073】
第1弾性部材46及び第2弾性部材47は、例えば、NBR(ニトリルブタジエンゴム)又はシリコーンゴム製のOリングを用いている。第1弾性部材46は、調整部材5の第1側で、ケース部材36の外側面、調整部材5及び支持軸36aの間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される。第1実施形態では、第1弾性部材46は、第1ワッシャ部材50を介してケース部材36に間接的に接触する。また、第1弾性部材46は、支持軸36a及び第1接触面5gには直接に接触する。第2
弾性部材47は、調整部材5の第2側で、ねじ部材54の頭部54a、調整部材5及び支持軸36aの間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される。第1実施形態では、第2弾性部材47は、第2ワッシャ部材52を介して頭部54aに間接的に接触する。また、第2弾性部材47は、支持軸36a及び第2接触面5hには直接に接触する。
【0074】
<検出子>
検出子34は、
図4、
図6及び
図9に示すように、調整部材5に装着される。具体的には、前述したように調整部材5の一対の検出子収容部5dに接着等の適宜の固定手段によって固定される。検出子34は、一対の検出子収容部5dに各別に固定される第1磁石34aと第2磁石34bとを有する。第1磁石34a及び第2磁石34bは、それぞれ調整部材5の軸方向に沿って着磁される。第2磁石34bは、第1磁石34aと逆方向に着磁される。この実施形態では、第1磁石34aは、ケース部材36に対向する側がN極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がS極に着磁される。反対に第2磁石は、ケース部材36に対向する側がS極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がN極に着磁される。このように軸方向着磁の第1磁石34aと第2磁石34bを磁束方向が逆になるように配置することによって、径方向着磁の磁石と同じに反応する検出子34を、軸方向着磁の簡素な第1磁石34a及び第2磁石34bによって得ることができる。
【0075】
<位相検出部>
位相検出部35は、前述したように水深表示部4のケース部材36の内部に配置された副回路基板74bに搭載されるホール素子35aである。ホール素子35aは、図
7に示すように、調整部材5の回転中心Cに合わせて配置される。このようにホール素子35aを配置することによって、第1磁石34aと第2磁石34bとによって生じる磁束方向の変化をホール素子35aが検出可能になる。この結果、ホール素子35aを用いて、調整部材5の回動によって変化する磁束方向を検出して調整部材5の回転位相を検出できる。ホール素子35aは、
図10に示すように、径方向着磁の検出子34のN極がホール素子35aに例えば半円形で表示されたマーク35b側にあるときを0°とすると、検出子34が0°の位置において、
図11に示すように出力電圧が最小になる。検出子34が0°から反時計回りにホール素子35aに対して相対回転すると、出力電圧が徐々に上昇し、360°に近づくと出力電圧が最大になり、0°に戻るとまた最小にもどる。これにより、0°から360°までの範囲で調整部材5の回転位相をホール素子35aによって検出できる。ただし、この実施形態では、例えば、50°から150°程度の範囲でホール素子35aの出力電圧を用いている。ただし、ホール素子35aの出力電圧の角度範囲は、これに限定されない。例えば、230°から330°の範囲等、ホール素子の出力特性に応じて適宜選択可能である。
【0076】
<制御系>
電動リール100は、
図12に示すように、モータ12及び表示器72を制御するリール制御部70を有する。リール制御部70は、制御部の一例である。リール制御部70は、CPU(中央演算ユニット)を含むマイクロコンピュータによって構成される。リール制御部70には、位相検出部35としてのホール素子35aと、スイッチ操作部6の各スイッチと、スプールセンサ78とが接続されている。また、リール制御部70には制御対象としての表示器72と、モータ駆動回路76と、ブザー80と、他の入出力部82と、が接続されている。スプールセンサ78は、スプール10に装着された図示しない磁石を検出する一対のリードスイッチ(又はホール素子)を有する。一対のリードスイッチはスプール10の回転方向に並べて配置されている。この実施形態では、一対のリードスイッチは、リール本体1のスプール支持部17に設けられる。スプールセンサ78によって、スプール10の回転数(回転位置)及び回転方向を検出できる。モータ駆動回路76は、モータ12をPWM(パルス幅変調)駆動する。すなわち、デューティ比を変化させてモータ12を駆動する。ブザー80は、ケース部材36の内部に収納される。ブザー80は仕掛けが棚位置に到達したり、海底に到達したりすると鳴動する。他の入出力部82は、例えば無線通信部などから構成される。無線通信部は、外部の表示装置と水深データ等の各種のデータを双方向に通信可能である。
【0077】
<電動リールの操作>
このように構成された電動リール100では、釣りを行うときは、釣り人は釣り竿を持つ手の親指によってクラッチ操作部材11を押し下げ操作する。これにより、クラッチ機構16がクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換わり、スプール10が自由回転状態になり、仕掛けの自重によって釣り糸が海中に繰り出される。
【0078】
仕掛けに魚が掛かって釣り糸を巻きとるときには、釣り竿を持つ手の親指の先でクラッチ操作部材11を押し上げ操作する。クラッチ操作部材11を押し上げ操作すると、クラッチ機構16がクラッチオン状態に切り換わり、ハンドル2及びモータ12によってスプール10を糸巻取方向に回転させることができる。
【0079】
モータ12により釣り糸を巻きとるときには、釣り竿を持つ手またはハンドル2を操作する手で調整部材5を操作する。このとき、調整部材が第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置されているため、リール本体1の後部に配置されたクラッチ操作部材11と調整部材5とが近くに配置される。このため、サミング操作して手の指先で調整部材5を操作できる。このため、調整部材5とクラッチ操作部材11とを連携して操作しやすくなる。また、キャスティングが進行して釣り糸の巻き付け量が少なくなると、クラッチ操作部材11を介してサミング操作を行えるので、キャスティング中のサミング操作を釣り糸の巻き付け量にかかわらず安定して行える。
【0080】
調整部材5を回動操作すると、検出子34が調整部材5とともに回動し、位相検出部35のホール素子35aの出力電圧が変化する。この出力電圧の変化によってリール制御部70は、モータ駆動回路76を制御して、モータ12の出力を調整部材5の回動位置に応じて調整する。このとき、調整部材5の回転位相をロータリエンコーダ又はポテンショメータ等の回転検出器を用いずに検出しているので、調整部材5が調整する10段階以上に多くなっても、調整部材5の取付部分の体積の増加を低コストで抑えることができるようになる。
【0081】
また、調整部材5が第1弾性部材46及び第2弾性部材47を介して支持軸36aに支持されているので、調整部材5に第1弾性部材46及び第2弾性部材47によって生じる摩擦抵抗が作用する。これにより、調整部材5の回転を、第1弾性部材46及び第2
弾性部材47との接触による摩擦抵抗によって調整可能になり、調整部材5の微妙な調整操作ができるようになる。
【0082】
<第1実施形態の変形例>
図13において、第1実施形態の変形例の調整部材105は、第1接触面5gと第1弾性部材46との間に配置されるスペーサ59をさらに有する。スペーサ59は、第2接触面5hと第2弾性部材47の間及び貫通孔
5fと支持軸36aとの間に設けられている。スペーサは、例えばアル
ミニウム合金等の金属製であり、調整部材105の合成樹脂製の部分と、例えば、インサート成形によって第1磁石34a及び第2磁石34bとともに一体形成される。この場合には、第1弾性部材46及び第2弾性部材47が金属製で表面が滑らかなスペーサ59と接触するので、調整部材105の第1側及び第2側において、調整部材105に作用する摩擦力がさらに一定になりやすい。
【0083】
<第2実施形態>
図14において、第2実施形態による電動リール300では、調整部材205がリール本体1に含まれるケース部材236の後部に設けられる。
図15に示すように、ケース部材236は、後部に調整部材205を収納可能な収納凹部236gを有する。支持軸236aは、ケース部材236に両端支持される。支持軸236aは、大径の頭部236h
と、調整部材205を支持する軸部236iと、
を有する。支持軸236aは、ケース部材236の一端側から装着される。支持軸236aは、止め輪228によってケース部材236に対して抜け止めされる。第1接触面205g及び第2接触面205hは、第1実施形態と同様に、貫通孔テーパ面である。また、第1弾性部材246は、第1ワッシャ部材250を介してケース部材236の収納凹部236gの一方の壁面に間接的に接触する。第2弾性部材247は、第2ワッシャ部材252を介してケース部材236の収納凹部236gの他方の壁面に間接的に接触する。
【0084】
このような第2実施形態であっても、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0085】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0086】
(a)第1実施形態では、調整部材5を第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置し、第2実施形態では、調整部材205をケース部材236の後部に設けたが、本発明はこれに限定されない。調整部材は、リール本体のどのような位置に設けてもよい。例えば、調整部材を第2側板
7bと第2側カバー
8bの間に配置してもよい。
【0087】
(b)前記実施形態では、回転位相検出部としてホール素子を例示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ロータリエンコーダ又はポテンショメータを用いてもよい。
【0088】
(d)前記実施形態では、係合部56をリール本体1(ケース部材36)に設け、位置決めピン57を調整部材5に設けているが、逆に位置決めピンをリール本体1(ケース部材36)に設け、係合部を調整部材に設けてもよい。
【0089】
(e)前記実施形態では、第1弾性部材46(又は246)とケース部材36(又は236)とを第1ワッシャ部材50(又は250)を介して間接的に接触させたが、ケース部材36に直接接触させてもよい。このことは、第2
弾性部材47(又は
247)も同様であり、第2弾性部材47(又は247)をねじ部材54の頭部54a又はケース部材236に直接接触させてもよい。
【0090】
(f)前記実施形態では、第1弾性部材46と第2弾性部材47とを設けたが、いずれか一方の弾性部材だけを設けてもよい。
【0091】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0092】
(A)電動リール100(又は300)は、リール本体1と、支持軸36a(又は236a)と、スプール10と、モータ12と、調整部材5(又は205)と、第1弾性部材46(又は246)と、リール制御部70と、を備える。支持軸36a(又は236a)は、リール本体1に含まれるケース部材36(又は236)に設けられる。スプール10は、リール本体1に回転可能に設けられる。モータ12は、リール本体1に設けられ、スプール10を回転駆動する。調整部材5(又は205)は、支持軸36a(又は236a)が貫通可能な貫通孔5f(又は205f)を有し、支持軸36a(又は236a)に回動自在に支持される。第1弾性部材46(又は246)は、調整部材5(又は205)の第1側でケース部材36(又は236)、調整部材5(又は205)及び支持軸36a(又は236a)の間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される。リール制御部70は、調整部材5(又は205)の回動位置に応じてモータ12の出力を調整する。
【0093】
この電動リール100(又は300)では、調整部材5(又は205)が支持軸36a(又は236a)に第1弾性部材46(又は246)を介して支持される。第1弾性部材46(又は246)は、調整部材5(又は205)の第1側で、ケース部材36(又は236)、調整部材5(又は205)及び支持軸36a(又は236a)に直接又は間接的に接触して配置され、調整部材5(又は205)が支持軸36a(又は236a)に第1弾性部材46(又は246)を介して支持される。ここでは、調整部材5(又は205)を、ケース部材36(又は236)及び支持軸36a(又は236a)と直接接触せずに第1弾性部材46(又は246)を介して接触させることができる。このため、調整部材5(又は205)の回転を、第1弾性部材46(又は246)との接触による摩擦抵抗を変化させることによって調整可能になり、調整部材5(又は205)の微妙な調整操作ができるようになる。
【0094】
(B)電動リール100(又は300)は、第1弾性部材46(又は246)とケース部材36(又は236)との間に配置される第1ワッシャ部材50(又は250)をさらに備えてもよい。第1弾性部材46(又は246)は、第1ワッシャ部材50(又は250)を介してケース部材36(又は236)に間接的に接触する。この場合には、第1弾性部材46(又は246)がケース部材36(又は236)ではなく表面がケース部材36(又は236)よりも滑らかな第1ワッシャ部材50(又は250)に接触するので、摩擦抵抗が一定になりやすい。このため、調整部材5(又は205)の調整操作がよりスムーズになり、調整部材5(又は205)のさらなる微妙な調整操作ができるようになる。
【0095】
(C)調整部材5(又は205)は、第1側に第1弾性部材46(又は246)と接触及び摺動する第1接触面5g(205g)を有してもよい。第1接触面5g(又は205g)は、ケース部材36(又は236)と支持軸36a(236a)とのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第1弾性部材46(又は246)がテーパ面で調整部材5(又は205)に接触するので、調整部材5(又は205)の軸方向及び径方向への力を第1弾性部材46(又は246)が受けることができる。
【0096】
(D)貫通孔5f(205f)は、支持軸36a(236a)と隙間をあけて配置され、第1接触面5gは、貫通孔5f(205f)の第1側に設けられる。この場合には、支持軸36a(236a)に調整部材5(又は205)が直接接触しないので、第1弾性部材46(又は246)の摩擦抵抗が安定する。
【0097】
(E)支持軸36aは、ケース部材36から突出して片持ち支持されてもよい。この場合には、支持軸36aが片持ち支持されるので、調整部材5の配置の自由度が高くなる。
【0098】
(F)電動リール100は、大径の頭部54aを有し、支持軸36aの先端にねじ込み可能なねじ部材54をさらに備えてもよい。調整部材5は、ねじ部材54の頭部54aによって抜け止めされる。この場合には、ねじ部材54のねじ込み量によって第1弾性部材46の弾性変形量を調整でき、摩擦力を調整できる。
【0099】
(G)電動リール100は、調整部材5の第1側と反対の第2側でねじ部材54、調整部材5及び支持軸との間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材47をさらに備えてもよい。この場合には、調整部材5が第1弾性部材46と第2弾性部材47とによって両端支持されるので、さらに微妙な調整操作ができるようになる。
【0100】
(H)第1弾性部材46及び第2弾性部材47の少なくともいずれか一方は、Oリングであってもよい。この場合には、市販のOリングを利用して調整部材5を支持できるので、支持構造を低コストで実現できる。
【0101】
(I)電動リール100は、頭部54aと第2弾性部材47との間に配置される第2ワッシャ部材52をさらに備えてもよい。第2弾性部材47は、第2ワッシャ部材52を介してねじ部材54の頭部54aに間接的に接触する。この場合には、調整部材5の第2側でも第2ワッシャ部材52に第2弾性部材47が接触するので、片持ち支持される支持軸36aにおいて、第2側でも調整部材5に作用する摩擦抵抗が一定になりやすい。このため、調整部材5の調整操作がよりスムーズになり、微妙な調整操作ができるようになる。
【0102】
(J)調整部材5は、第2弾性部材47と接触及び摺動する第2接触面5hを有してもよい。第2接触面5hは、ねじ部材54の頭部54aと支持軸36aとのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第2弾性部材47がテーパ面で調整部材5に接触するので、調整部材5の軸方向及び径方向への力を第2弾性部材4
7が受けることができる。
【0103】
(K)貫通孔5fは、支持軸36aと隙間をあけて配置され、第2接触面5hは、貫通孔5fの第2側に設けられてもよい。この場合には、貫通孔5fの両側に第1接触面5gと第2接触面5hとが設けられるので、第1弾性部材46及び第2弾性部材47が安定して調整部材5を支持できる。
【0104】
(L)支持軸236aは、ケース部材236に両端支持されてもよい。この場合には、調整部材205がケース部材236に両端支持されるので、調整部材205をハンドル2側及びハンドル2と逆側の両方向から操作可能になる。
【0105】
(M)電動リール300は、調整部材205の第1側と反対の第2側でケース部材236、調整部材205及び支持軸236aとの間にそれぞれ直接又は間接的に接触して配置される第2弾性部材247をさらに備えてもよい。この場合には、両端支持された調整部材205が第1側と第2側とで第1弾性部材246及び第2弾性部材247に両端支持されるので、調整部材205のさらに微妙な調整操作ができるようになる。
【0106】
(N)第1弾性部材246及び第2弾性部材247の少なくともいずれか一方は、Oリングであってもよい。この場合には、市販のOリングを利用して調整部材205を支持できるので、支持構造を低コストで実現できる。
【0107】
(O)電動リール300は、ケース部材236と第2弾性部材247との間に配置される第2ワッシャ部材252をさらに備えてもよい。第2弾性部材247は、第2ワッシャ部材252を介してケース部材236に間接的に接触する。この場合には、調整部材205の第2側でも第2ワッシャ部材252に第2弾性部材247が接触するので、両端支持される支持軸236aにおいて、第2側でも調整部材5に作用する摩擦抵抗が一定になりやすい。このため、調整部材5の調整操作がよりスムーズになり、微妙な調整操作ができるようになる。
【0108】
(P)調整部材205は、第2弾性部材24
7と接触及び摺動する第2接触面205hを有してもよい。第2接触面205hは、ケース部材236と支持軸236aとのいずれに対しても傾斜したテーパ面である。この場合には、第2弾性部材247がテーパ面で調整部材205に接触するので、調整部材205の軸方向及び径方向への力を第2弾性部材247が受けることができる。
【0109】
(Q)貫通孔205fは、支持軸236aと隙間をあけて配置され、第2接触面205hは、貫通孔205fの第2側に設けられてもよい。この場合には、貫通孔205fの両側に第1接触面205gと第2接触面205hとが設けられるので、第1弾性部材246及び第2弾性部材24
7が安定して調整部材205を支持できる。
【0110】
(R)調整部材105は、貫通孔5fにおいて、少なくとも第1接触面5gと第1弾性部材46との間に設けられる第1スペーサ59aをさらに有してもよい。この場合には、第1弾性部材46がスペーサ59と接触するので、第1側において、調整部材105に作用する摩擦力がさらに一定になりやすい。
【0111】
(S)調整部材105は、貫通孔5fにおいて、少なくとも第2接触面5hと第2弾性部材47との間に設けられる第2スペーサ59bを有してもよい。この場合には、第2側において、調整部材105に作用する摩擦力がさらに一定になりやすい。
【0112】
(T)調整部材105は、貫通孔5fにおいて、支持軸36aと貫通孔5fとの間に設けられる第3スペーサ59cを有してもよい。この場合には、第1接触面5g及び第2接触面5hを含む貫通孔5fの全体にスペーサが設けられるので、スペーサを精度よく形成できる。
【0113】
(U)調整部材5は、モータ12を停止させる操作開始位置から回動してもよい。電動リール100は、調整部材5の操作開始位置からの回動及び操作開始位置への回動を規制する回動規制部55をさらに備える。この場合には、操作開始位置からの回動が規制されるので、調整部材5が使用者の意志に反して調整開始位置から回動しにくくなり、モータ12が不意に回転しにくくなる。
【0114】
(V)回動規制部55は、操作開始位置への回動を規制してもよい。この場合には、調整部材5が使用者の意志に反して調整開始位置に回動しにくくなり、モータ12が不意に停止しにくくなる。
【0115】
(W)回動規制部55は、係合部56と、位置決めピン57とを有してもよい。係合部56は、ケース部材36に設けられ、操作開始位置に対応する係合凹部36dを有する。位置決めピン57は、調整部材5に設けられ、係合部56に向けて付勢され係合部56に係合する。この場合には、回動を規制する場合、付勢された位置決めピン57によって係合部56に位置決めピン57が係合して回動が規制されるので、回動規制するときにクリック感が得られ、回動規制されたことを使用者が認識しやすい。
【0116】
(X)係合部56は、係合凹部36dに隣接して設けられ、支持軸36aの軸心を中心として円弧状に形成される円弧凹部36cと、係合凹部36dと円弧凹部36cとの間に設けられる突出部36eと、をさらに有してもよい。この場合に、係合凹部36dと円弧凹部36cとの境界部分に設けられる突出部36eによって調整部材5の回動が規制される。
【0117】
(Y)係合部56は、ケース部材36に設けられ、位置決めピン57は、調整部材5に設けられてもよい。この場合には、移動する調整部材5に位置決めピン57が設けられるので、クリック感を得ることができる。