(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補強部材が前記温度センサー素子の幅方向の両側にそれぞれ配置され、表裏一対に配置された前記接合部材が、両側の前記補強部材を連結すると共に、前記温度センサー素子を挟持することを特徴とする請求項1に記載の薄型温度計。
前記温度センサー素子の先端部に設けた測温部を前記補強部材の先端部に配置した前記接合部材に固定して、被測温体の温度に感温する感温部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型温度計。
【背景技術】
【0002】
プレス機における加圧時の温度、合板等の層間の温度、及び電気カーペット等の温度を計測する際に、帯状に形成された薄型の温度計が用いられている。
【0003】
そのような薄型温度計は、温度を計測する測温部、あるいは測温部を内包し、被測温体の温度に感温する感温部を薄く形成することに加えて、被測温体の大きさによっては、測温部、又は感温部以外の部分も薄くして、帯状に形成することが要求される。
【0004】
厚さが1mm以下となるような薄型温度計としては、熱電対などの温度センサー素子を絶縁性テープや絶縁フィルムで両面から貼り合わせて形成した薄型温度計が提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
【0005】
しかし、これらの薄型温度計は、厚さが薄いが、絶縁性テープや絶縁フィルムなど柔らかいもので、熱電対などの温度センサー素子を挟み込む構成のため、操作性や耐久性に問題がある。
【0006】
特に、帯状の部分の長さが300mm以上になると、測温部や感温部から遠く離れた部分を持って、測温部や感温部を計測したい場所に配置しようとしても、その帯状の部分が柔らか過ぎて、計測したい場所に測温部や感温部を配置することができない。そのため、測温部や感温部の近傍を持って、計測したい場所に配置するしかなく、計測したい場所が高温の場合には危険性が増して、配置できなくなる。
【0007】
また、被測温体に挟み込んだときに、被測温体からの圧力によって、熱電対などのセンサー素子が破損するなどの耐久性の問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、温度センサー素子を補強し、剛性を向上することで、温度センサー素子の耐久性を向上することができると共に、測温部や感温部を測定部位に配置する際の操作性を向上することができる薄型温度計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の薄型温度計は、温度センサー素子と、該温度センサー素子よりも剛性の高い補強部材と、該補強部材に接合される接合部材を備え、前記補強部材が前記温度センサー素子の長さ方向に沿って配置されると共に、前記温度センサー素子と前記補強部材が前記接合部材により一体化されて、帯状の帯状体に形成されるように構成される。
【0011】
なお、ここでいう補強部材は、温度センサー素子を構成する部材より強度の高い材料で形成してもよいが、温度センサー素子を構成する部材よりも強度の低い材料でも、幅や板厚を大きくして温度センサー素子よりも剛性の高くなるように形成されていればよい。
【0012】
例えば、温度センサー素子を熱電対で構成する場合には、熱電対の熱電対素線(アルメルやクロメルなどの金属材料)や被覆部材(フッ素樹脂やポリイミド樹脂)よりも強度の高い部材であるステンレス鋼などの金属が、容易に加工することもできるので望ましく、補強部材としての剛性も高くなる。
【0013】
また、接合部材とは、温度センサー素子と補強部材を一体化する部材であり、補強部材と同様のステンレス鋼や耐熱性樹脂など、あるいは接着テープなどで形成される。
【0014】
加えて、温度センサー素子と補強部材により形成される帯状の帯状体の最大の厚さが1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下になるように形成すると、より温度を正確に測定することができる。厚さが1mmより大きい厚さになると、温度センサー素子の測温部に被測温体の温度が正確に伝達されない、あるいは被測温体の間が開きすぎてしまって温度が変化する問題が発生する。
【0015】
この構成によれば、温度センサー素子の長さ方向に沿って補強部材を配置して、接合部材により温度センサー素子と補強部材とを一体化して帯状に形成することで、薄型温度計の厚さを厚くすることなく、薄型温度計の剛性を向上することができる。これにより、薄型温度計の温度センサー素子の破損などを防止して、耐久性を向上することができると共に、測温部や感温部を測定部位に配置する際の操作性を向上することができる。
【0016】
また、温度センサー素子と補強部材を接合部材により一体化しているので、温度センサー素子と補強部材が使用中にバラバラになることを防ぐことができる。
【0017】
また、上記に記載の薄型温度計において、前記補強部材が前記温度センサー素子の幅方向に並べて配置されると共に、前記温度センサー素子が前記補強部材の厚さ以下の厚さに形成されるように構成すると、被測温体に温度センサー素子を挟み込んでも、被測温体の圧力が直接、温度センサー素子に掛からないため、温度センサー素子の破損などを防止して、耐久性を向上することができる。
【0018】
例えば、温度センサー素子を熱電対で構成すると、熱電対の各熱電対素線が、補強部材の厚さ以下の厚さに形成される。なお、熱電対を被覆する被覆部材を設ける場合は、その被覆部材は絶縁部材が好ましく、その被覆部材の厚さを補強部材よりも厚く形成するとよい。
【0019】
加えて、上記に記載の薄型温度計において、前記補強部材が前記温度センサー素子の幅方向の両側にそれぞれ配置され、表裏一対の前記接合部材が、両側の前記補強部材を連結すると共に、前記温度センサー素子を挟持して配置されるように構成すると、補強部材を温度センサー素子の両側に配置することで、より薄型温度計の強度を向上することができる。
【0020】
さらに、上記に記載の薄型温度計において、前記温度センサー素子の先端部に設けた測温部を前記補強部材の先端部に配置した前記接合部材に固定して、被測温体の温度に感温する感温部が形成されるように構成すると、温度センサー素子の測温部を補強することができる。この感温部を形成する接合部材としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)などが強度や均熱性の面から好ましい。
【0021】
上記の薄型温度計は、温度センサー素子自体の強度や耐久性を向上する必要がなく、例えば、温度センサー素子を熱電対で構成する場合には、熱電対を構成する熱電対素線を細くして、熱電対素線に使用される金属材料を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、温度センサー素子の長さ方向に沿って補強部材を配置して、接合部材により温度センサー素子と補強部材とを一体化して帯状に形成することで、薄型温度計の厚さを厚くすることなく、剛性を向上することができる。これにより、温度センサー素子の破損などを防止して、耐久性を向上することができると共に、測温部や感温部を測定部位に配置する際の操作性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施の形態の薄型温度計について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態では、温度センサー素子として熱電対を用いた薄型温度計を例に説明するが、本発明はこれに限定せず、例えば、測温抵抗体などにも適用することができる。また、熱電対として+極にクロメル、−極にアルメルを用いたタイプKを例に説明するが、本発明は、+極にクロメル、−極にコンスタンタンを用いたタイプEや、+極に白金ロジウム合金(ロジウム含有量30%)、−極に白金ロジウム合金(ロジウム含有量6%)を用いたタイプBなどの様々な種類の熱電対に適用することができる。
【0025】
加えて、図面に関しては、構成が分かり易いように寸法を変化させており、各部材、各部品の板厚や幅や長さなどの比率も必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。また、図面において、温度センサー素子の長さ方向をx方向、幅方向をy方向、厚さ方向をz方向とする。
【0026】
本発明に係る実施の形態の薄型温度計1について、
図1〜
図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、この薄型温度計1は、被測温体に挟まれる帯状体2と、測定者が持つ把手3と、図示しない測定装置に接続される信号線4を備える。なお、この実施の形態では、
図3に示すように、被測温体としてプレス機Pを想定している。
【0027】
帯状体2は、寸法が、
図1及び
図2に示すように、長さ方向xの寸法(以下、長さとする)L1、幅方向yの寸法(以下、幅とする)b1、厚さ方向zの寸法(以下、厚さとする)d1の薄い帯状に形成され、熱電対(温度センサー素子)5と補強部材6と第一接合部材7と第二接合部材8を備える。なお、この実施の形態では、長さL1を500mm、幅b1を11mm、厚さd1を0.3mmとする。
【0028】
この厚さd1はこの帯状体2の最大の厚さであり、この実施の形態では、帯状体2の先端部分と第一接合部材7の位置する部分である。この帯状体2の寸法はあくまで一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
この実施の形態の帯状体2の長さL1が300mm以上となるため、前述したように、厚さd1を厚くすることなく、補強する必要がある。そこで、この帯状体2が、補強部材6を熱電対5の長さ方向xに沿って配置すると共に、第一接合部材7及び第二接合部材8で熱電対5と補強部材6を一体化して、形成される。
【0030】
また、この実施の形態では、補強部材6が熱電対5の幅方向yの両側のそれぞれに配置される。そして、熱電対5の熱電対素線5a〜5cの厚さd2が補強部材6の厚さd3以下に形成されると共に、表裏一対の第一接合部材7で熱電対5を挟持するように構成される。
【0031】
熱電対5は、クロメルで帯状に形成された熱電対素線5aと、アルメルで帯状に形成された熱電対素線5bと、クロメルで帯状に形成された熱電対素線5cを備える。この熱電対5は、熱電対素線5aと熱電対素線5bを並べて配置し、それらの先端部を連結するように熱電対素線5cを配置して接合し、熱電対素線5bの先端部で、熱電対素線5bと熱電対素線5cが重なる部分に熱接点(測温部)9が設けられて構成される。
【0032】
この熱電対5は、帯状に形成された熱電対素線5a〜5cを上記のように構成し、その熱電対素線5a及び5bの一部が被覆部材10により被覆されることで、一本の帯状に形成される。この被覆部材10は、絶縁性の高い部材が好ましく、例えば、フッ素樹脂やポリイミド樹脂などが好ましい。
【0033】
熱電対素線5a及び5bの一部を被覆部材10で被覆することで、熱電対素線5a〜5cを保護することができると共に、熱電対素線5aと熱電対素線5bが熱接点9以外での接触を防止することができる。この被覆部材10は熱接点9が形成される部分は被覆していないが、その部分を被覆してもよい。
【0034】
熱電対5の各熱電対素線5a〜5cの厚さd2は、帯状体2の厚さd1の厚さ以下、より好ましくは後述する補強部材6の厚さd3以下の値とする。熱電対5の厚さd2が補強部材6の厚さd3以下の値になると、帯状体2を被測温体に挟んでも、被測温体は補強部材6に接触するが、被測温体と熱電対5が直接、接触することがなくなり、熱電対5に被測温体からの圧力が掛かることを防止することができる。なお、この実施の形態では、各熱電対素線5a〜5cの厚さd2を0.05mmとした。
【0035】
熱電対5の各熱電対素線5a〜5cの厚さd2に対して、熱電対素線5a〜5cを被覆する被覆部材10の厚さd4は、特に限定されずに、熱電対素線5a〜5cの厚さd2よりも厚ければよい。例えば、補強部材6の厚さd3よりも厚く形成すると、より強固に熱電対素線5a〜5cを保護することができる。この実施の形態では、この被覆部材10の厚さd4を0.2mmとした。
【0036】
なお、上記の熱電対5は、アルメルで形成された熱電対素線5cを用いて、熱電対素線5aの先端部に熱接点9を設けてもよい。また、二本の異なる金属で形成された熱電対素線を用いて、どちらか一方を他方に曲げて接触させて熱接点を形成する、あるいは両方を曲げて熱接点を形成してもよい。
【0037】
加えて、熱電対素線5a〜5cを帯状に形成したが、例えば、細い針金状や糸状のように細く形成することもできる。そのように熱電対素線5a〜5cを細く形成する、あるいは熱電対素線5a及び5bの幅b2を狭く形成すると、熱電対素線5a及び5bを形成するために用いる材料が少なくて済むため、製造コストを抑えることができる。
【0038】
補強部材6は、ステンレス鋼(以下、SUSという)などの金属材料で、厚さの薄い帯
状に形成される。この補強部材6は、補強部材6の間に熱電対5が位置するように、熱電対5の幅方向yの両側のそれぞれに配置される。この補強部材6は、厚さd3を薄くしても十分な強度と、柔軟性を持つものが好ましく、SUSなどの金属材料が望ましい。
【0039】
補強部材6の厚さd3は、前述したように、熱電対5の厚さd2よりも厚くなるように形成される。この実施の形態では、補強部材6の厚さd3は0.15mmとした。このように、この補強部材6は、0.2mm以下の厚さでも十分に強度と柔軟性を有するものが好ましい。
【0040】
補強部材6の幅b3は、帯状体2の使用感を考慮して、帯状体2の幅b1の三分の一以上が好ましく、この実施の形態では、3.2mmに設定した。補強部材6の幅b3が三分の一より小さくなると、帯状体2の剛性が低くなる可能性がある。
【0041】
なお、この実施の形態では、二つの補強部材6を熱電対5の幅方向yの両側に配置したが、帯状体2の剛性が不十分なようであれば、補強部材6を追加して剛性を向上してもよい。例えば、熱電対5の熱電対素線5aと熱電対素線5bをそれぞれ被覆部材10で被覆して、熱電対素線5aと熱電対素線5bの間に位置するように追加の補強部材を配置してもよい。また、補強部材6を重ねて形成する、あるいは補強部材6の厚さd3を厚くするなどして剛性を高めてもよい。
【0042】
第一接合部材7は、補強部材6と同様にSUSで薄い板状に形成される。この第一接合部材7は、補強部材6の先端部を除く場所で、表裏一対の第一接合部材7が、補強部材6の間に設けられた熱電対5を厚さ方向zの両側から挟持するように配置され、補強部材6にスポット溶接(抵抗溶接)などで接合される。
【0043】
この第一接合部材7の厚さd5は、0.065mmとした。このように、表裏一対の第一接合部材7を補強部材6に接合しても、帯状体2の最大の厚さd1となるように、第一接合部材7の厚さd5を補強部材6よりも薄くするとよい。
【0044】
第二接合部材8は、補強部材6と同様にSUSで薄い板状に形成される。この第二接合部材8は、補強部材6の先端部に配置され、熱電対5が固定される。そして、この第二接合部材8に熱電対5が固定されることで、被測温体の温度に感温する感温部12となる。熱電対5と第二接合部材8とは、スポット溶接、ハンダ付け、接着剤、銀鑞付けなどで固定される。
【0045】
この第二接合部材8の厚さd6が薄くなると、帯状体2の先端部の耐久性が低くなり、一方、厚くなると、熱電対5の熱接点9に被測温体の温度が正確に伝達されなくなる。そこで、耐久性と熱伝導を考慮した厚さが好ましく、この実施の形態では、第二接合部材8の厚さd6を、補強部材6の厚さd3と同様に、0.15mmとした。
【0046】
測温部保護部材11は、熱電対5の熱接点9を保護すると共に、熱接点9が第二接合部材8から外れないようにする部材であり、補強部材6と同様にSUSで薄い板状に形成される。この測温部保護部材11は、補強部材6の間を埋めるように形成され、第二接合部材8にスポット溶接などで接合される。
【0047】
この測温部保護部材11の厚さd7は、第一接合部材7の厚さd5と同様に、0.065mmとした。この部分は、帯状体2の先端部で感温部12となるため、できるだけ凹凸の無いように形成して、帯状体2を被測温体に差し込み易くするとよい。そのため、熱電対5の各熱電対素線5a〜5cの厚さd2を考慮して、熱電対5の各熱電対素線5a〜5cの厚さd2と測温部保護部材11の厚さd7の合わせた厚さが補強部材6の厚さd3と
同程度の厚さとなるとよい。
【0048】
第二接合部材8と測温部保護部材11で、熱電対5の熱接点9を挟持して形成された感温部12の厚さd8をできるだけ薄く形成すると、正確な温度を測定することができる。この感温部12の厚さd8を1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下になるように形成すると、より温度を正確に測定することができる。この実施の形態では、感温部12の厚さd8を0.3mmとした。
【0049】
次に、第一の実施の形態の薄型温度計1の製造方法について説明する。まず、クロメルから薄い帯状の熱電対素線5aと薄い板状の熱電対素線5cを、アルメルから薄い帯状の熱電対素線5bを作成する。次に、熱電対素線5aと熱電対素線5bの間に間隔を設けた状態で並べる。次に、熱電対素線5a及び熱電対素線5bの先端部に熱電対素線5cを重ね、それぞれとスポット溶接で接合する。次に、熱電対素線5a及び5bの一部を被覆部材10で被覆して薄い帯状の熱電対5が完成する。
【0050】
次に、SUSから薄い帯状の補強部材6と、薄い板上の第一接合部材7、第二接合部材8、及び測温部保護部材11を作成する。次に、熱電対5の幅方向yの両側に補強部材6を、熱電対5の長さ方向xに沿って配置する。
【0051】
次に、補強部材6の先端部に第二接合部材8を配置し、熱電対5の熱接点9が第二接合部材8上に配置されるように、第二接合部材8に熱電対5の
被覆部材10で被覆されていない部分をスポット溶接する。そして、測温部保護部材11を第二接合部材8にスポット溶接して、感温部12が完成する。
【0052】
次に、複数の表裏一対の第一接合部材7を、熱電対5を挟持するように配位して、補強部材6にスポット溶接する。これにより、熱電対5と補強部材6が一体化して、薄い帯状の帯状体2が完成する。
【0053】
この帯状体2を製造するときに、帯状体2の最大の厚さd1、つまり、この実施の形態では、表裏一対の第一接合部材7が補強部材6に接合された部分の厚さも、感温部12の厚さd8と同様に、1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下になるように形成すると、より温度を正確に測定することができる。厚さd1が1mmより大きい厚さになると、被測温体の間が開きすぎてしまって、温度が変化してしまうなどの問題が発生する。
【0054】
このように、この薄型温度計1は、加工性の高いSUSによって、補強部材6、第一接合部材7、及び第二接合部材8を容易に形成し、それらにより、熱電対5と補強部材6を容易に一体化することができる。このため、製造コストを低減することができる。
【0055】
次に、上記の薄型温度計1を用いて、プレス機などの被測温体の温度を測定する動作について、
図3を参照しながら説明する。
図3の(a)に示すように、プレス機Pの奥の方の温度を測定する場合は、薄型温度計1の把手3を持って、帯状体2をプレス機Pの間に挿入する。そして、そのまま把手3を押すと感温部12を、プレス機Pの奥に配置することができる。
【0056】
このように、熱電対5の両側に補強部材6を配置して、第一接合部材7及び第二接合部材8により熱電対5と補強部材6とを一体化して帯状に形成することで、薄型温度計1の厚さd1を大きくすることなく、強度を高くしたので、感温部12を測定したい場所に容易に位置することができる。
【0057】
一方、補強部材6には適度な柔軟性があるので、薄型温度計1を操作する際に、帯状体2が簡単に折れてしまうことを防止することができる。また、熱電対5の両側に補強部材6を配置し、第一接合部材7及び第二接合部材8によりそれらを一体化しているので、熱電対5と補強部材6がバラバラになることを防ぐことができる。
【0058】
このように、熱電対5の両側に補強部材6を配置して、第一接合部材7及び第二接合部材8により熱電対5と補強部材6とを一体化して帯状に形成することで、薄型温度計1の操作性を向上することができる。
【0059】
また、補強部材6と第二接合部材8とで形成される感温部12の角を丸く形成する、あるいは感温部12を円形、楕円形、三角形などの形状で、帯状体2の先端が狭くなるように形成すると、感温部12を測定部位に配置する際の操作性を向上することができる。
【0060】
加えて、
図3の(b)に示すように、プレス機Pがプレスし、その状態で温度を測定する際に、薄型温度計1の帯状体2の厚さd1が十分に薄いため、正確な温度を測定することができる。加えて、このとき、プレス機Pにより両側からプレスされても、熱電対5に厚さd2が補強部材6の厚さd3以下のため、プレス機Pの圧力が熱電対5に掛かることがなく、熱電対5の破損などを抑制することができる。
【0061】
図3の(a)及び(b)に示すように、薄型温度計1を使用しても、熱電対5の両側に補強部材6を配置して、第一接合部材7及び第二接合部材8により熱電対5と補強部材6とを一体化して帯状に形成することで、薄型温度計1の厚さd1を大きくすることなく、強度を向上することができる。これにより、薄型温度計1の熱電対5の破損などを防止して、耐久性を向上することができる。
【0062】
なお、この実施の形態では、補強部材6、第一接合部材7、及び第二接合部材8をSUSから形成したが、例えば、第二接合部材8を均熱性の高い金属材料で形成し、補強部材6と第一接合部材7を耐熱性樹脂などで形成してもよい。また、第一接合部材7の接着テープなどで形成してもよい。
【0063】
次に、本発明に係る第二の実施の形態の薄型温度計について、
図4を参照しながら説明する。この薄型温度計20の帯状体21は、熱電対5の幅方向yの両側に補強部材6を配置すると共に、表裏交互に第一接合部材22を配置して、熱電対5と両側の補強部材6を一体化して形成される。
【0064】
そして、帯状体21の先端部、つまり補強部材6の先端部に配置された第二接合部材8に熱電対5を固定して、感温部23が形成される。
【0065】
このように、第一接合部材22を表裏交互に配置しても、熱電対5と補強部材6を一体化して、帯状の帯状体21を形成することができる。
【0066】
この構成によれば、第一接合部材22が表裏交互に配置されるので、第一接合部材22の位置する部分の厚さd9を、第一の実施の形態の厚さd1よりも薄くすることができる。
【0067】
次に、本発明に係る第三の実施の形態の薄型温度計について、
図5を参照しながら説明する。この薄型温度計30の帯状体31は、熱電対5の幅方向yの片側に補強部材6を配置すると共に、板状の第一接合部材32を、熱電対5を挟むように折り曲げ、補強部材6の表裏に接合し、熱電対5と補強部材6を一体化して形成される。
【0068】
この構成によれば、部材の点数が少なくなるので、コストを抑えることができる。また、補強部材6を片側にすることで、より柔軟性を向上することができる。
【0069】
例えば、第一の実施の形態は、第一接合部材7に代えて、第二の実施の形態の第一接合部材22を用いることができる。また、測温部保護部材11を設けない構成とすることもできる。
【0070】
また、上記の実施の形態のように、補強部材6を熱電対5の幅方向yに並べて配置するのではなく、帯状体の厚さが厚くなるが、厚さ方向zに重ねて、第三の実施の形態の第一接合部材32、あるいは接着テープなどを巻回して熱電対5と補強部材6とを一体化して帯状に形成することもできる。
【0071】
しかし、補強部材6が一枚の場合は、熱電対5の耐久性が低くなったり、補強部材6が二枚の場合で、熱電対5を挟んで一体化した場合は、柔軟性が低くなったりする。よって、好ましくは、補強部材6を熱電対5の幅方向yに並べて配置するとよい。