特許第6133724号(P6133724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133724
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】電子棚札システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   G07G1/01 301D
【請求項の数】3
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-163448(P2013-163448)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-32257(P2015-32257A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】塩山 悠介
(72)【発明者】
【氏名】北村 至
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−048631(JP,A)
【文献】 特開平09−138892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エリアに配備される第1電子棚札群と、
前記第1エリアとは異なる第2エリアに配備される第2電子棚札群と、
前記第1電子棚札群および前記第2電子棚札群を管理する管理装置と、
を備え、
前記第1エリアに配備され、前記第1電子棚札群に属し、第1商品とリンク付けされていた第3電子棚札が、前記第2エリアにおいて第2商品とリンク付けされる場合に、前記管理装置は、前記第1エリアにおける前記第3電子棚札と前記第1商品とのリンク付けを強制解除し、前記第3電子棚札を前記第2電子棚札群に属するとして管理
前記管理装置は、前記第1電子棚札群および前記第2電子棚札群が配備されたそれぞれのエリアに固有のエリアコード、および、各電子棚札の棚札コード、をセットにした識別コードと、各電子棚札とリンク付けされた商品の商品コードと、を関連付けてデータベースに記憶する、
電子棚札システム。
【請求項2】
前記第1エリアに配備され、前記第1電子棚札群に属し、第3商品とリンク付けされていた第4電子棚札が、前記第1エリアにおいて第4商品とリンク付けされる場合に、
前記管理装置は、使用者による前記第4電子棚札と前記第3商品とのリンク付けの解除後にのみ、前記第4電子棚札と前記第4商品とのリンク付けを許可する、
請求項1に記載の電子棚札システム。
【請求項3】
前記管理装置は、各電子棚札に固有の棚札コードと、各電子棚札の総使用期間に関する情報と、を関連付けてデータベースに記憶する、
請求項1または2に記載の電子棚札システム。

以上
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗で電子棚札システムが採用されている。
【0003】
電子棚札システムでは、店舗の売り場等に、売価などの商品情報を表示する可搬性の電子棚札が複数設置される。各電子棚札は、その電子棚札が商品情報を表示する商品(表示対象商品)とリンク付け(関連付け)され、リンクに関する情報は店舗に設置された電子棚札サーバに記憶される。そして、各電子棚札は、電子棚札サーバから通信機を介して送信されてくる表示対象商品の商品情報を受信し、受信した情報に基づいて表示内容を更新する。そして、表示対象商品が販売休止となったような場合には、電子棚札を他の商品の商品情報の表示に用いることができるように、電子棚札と商品とのアンリンク(リンク付けの解除)が行われ、電子棚札サーバに記憶されたリンクに関する情報が削除される。(例えば、特許文献1(特開2008−282426号公報))。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、実際には、店舗の従業員が、電子棚札のアンリンクを行うことを忘れることがある。例えば、ある電子棚札Eが設置された店舗(以降、店舗Xと呼ぶ)が複数の店舗を所有する企業等により運営されているような場合には、電子棚札Eの表示対象商品が販売休止となり、店舗Xで直ちにその電子棚札Eの用途がないような時に、アンリンクが行われないまま電子棚札Eが他の店舗(以降、店舗Yと呼ぶ)に移動させられ、その後は電子棚札Eが店舗Yで利用されるということが起こりうる。
【0005】
特許文献1(特開2008−282426号公報)の電子棚札システムでは、店舗Xの電子棚札サーバは、電子棚札Eと商品とのアンリンクが行われない限り、電子棚札Eが店舗X内で利用されていると認識する。そのため、店舗Xの電子棚札サーバは、電子棚札Eと通信ができない場合には、実際には電子棚札Eが別の店舗Yで利用されているにも関わらず、電子棚札Eを探すため、店舗Xにおいてローミング探索と呼ばれる動作を行う。
【0006】
ところで、このような電子棚札システムでは、電子棚札の設置場所の自由度を高め、かつ、電子棚札の設置作業の作業性を高めるために、電池式の電子棚札が利用される場合が多い。
【0007】
このような電池式の電子棚札は、常に通信機からの信号を受信可能な状態におかれると、短期間で電池を消耗してしまう。そこで、電子棚札は、通常、電力消費の少ない待機モード(通信機からの信号を受信できないモード)におかれる。電子棚札は、待機モードにおいて、周期的に、短時間だけ、通信機からの信号(この信号を、以後起床信号と呼ぶ)を受信可能な状態に遷移する。そして、電子棚札は、起床信号を受信した場合にだけ、待機モードから、送信されてくる各種情報を受信可能な受信モードに遷移する。さらに、電子棚札は、受信した情報が自己宛の情報であれば、通信機に対し、自己宛の情報を受信したことを知らせるための信号(ACK信号)を送信する。また、電子棚札は、送信されてきた自己宛の情報が、電子棚札に表示すべき情報(例えば、売価等の商品情報)であれば、表示内容を更新する。これにより、電子棚札は、電池の消耗を抑制しながら、自己宛の情報を受信し、必要に応じてその情報を表示することができる。
【0008】
前述の、店舗Xの電子棚札サーバによる電子棚札Eのローミング探索では、店舗Xの電子棚札サーバは、具体的には、次のような動作を行う。店舗Xの電子棚札サーバは、通信機を介して上述の起床信号を送信し、その後、電子棚札E宛の情報を送信する。店舗X内の電子棚札は、起床信号の受信時点では、続いて送信されてくる情報がどの電子棚札向けの情報であるか認識できないので、起床信号を受信した全ての電子棚札は、上述の受信モードに一旦遷移する。店舗Xの電子棚札サーバによる電子棚札Eのローミング探索は、電子棚札Eから送信されるACK信号(電子棚札Eが自己宛の情報を受信したことを知らせるための信号)を、通信機を介して電子棚札サーバが受信すると終了となる。
【0009】
しかし、実際には店舗Yに設置されている(店舗Xには存在しない)電子棚札Eを対象としてローミング探索を行う場合には、店舗Xの電子棚札サーバは、電子棚札Eからの応答を受信することはない。そのため、店舗Xの電子棚札サーバは、繰り返しローミング探索を実行する。その結果、店舗Xに存在しない電子棚札Eを探索するために、店舗Xで使用されている電子棚札が受信モードにたびたび遷移し、その電池が無駄に消耗されることとなる。また、店舗Xに存在しない電子棚札Eを探すために、通信機が、意味のない信号の発信を行うこととなり、電子棚札に対する商品情報の送信遅延も発生しうる。
【0010】
このような問題に対し、ローミング探索を行っても、ローミング探索の対象の電子棚札からの応答が得られない場合には、強制的にその電子棚札をアンリンクするという対応が考えられる。しかし、電子棚札が単に店舗内の通信状態が悪い場所に置かれているというケースも考えられ、安易にこのような対応を行うと、電子棚札において、誤表示等の問題が発生しうる。
【0011】
本発明の課題は、1のエリア(例えば店舗X)で利用されていた電子棚札が、他のエリア(例えば店舗Y)で利用されることとなった場合に、もともと電子棚札が設置されていたエリアで、電子棚札が他のエリアに移動されたことに伴う無駄な通信の発生を抑制することが可能な電子棚札システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る電子棚札システムは、第1電子棚札群と、第2電子棚札群と、管理装置と、を備える。第1電子棚札群は、第1エリアに配備される。第2電子棚札群は、第1エリアとは異なる第2エリアに配備される。管理装置は、第1電子棚札群および第2電子棚札群を管理する。第1エリアに配備され、第1電子棚札群に属し、第1商品とリンク付けされていた第3電子棚札が、第2エリアにおいて第2商品とリンク付けされる場合に、管理装置は、第1エリアにおける第3電子棚札と第1商品とのリンク付けを強制解除し、第3電子棚札を第2電子棚札群に属するとして管理する。
【0013】
ここでは、第1エリアにおいて第1商品とリンク付けされている第3電子棚札が、第2エリアで第2商品とリンク付けされると、第1エリアでのリンク付けが強制的に解除(アンリンク)される。アンリンク以降は、第1エリアにおいて、存在しない第3電子棚札を探すためのローミング探索を行う必要がなくなり、第1エリアにおける無駄な通信の発生を抑制できる。
【0014】
本発明に係る電子棚札システムでは、第1エリアに配備され、第1電子棚札群に属し、第3商品とリンク付けされていた第4電子棚札が、第1エリアにおいて第4商品とリンク付けされる場合に、管理装置は、使用者による第4電子棚札と第3商品とのリンク付けの解除後にのみ、第4電子棚札と第4商品とのリンク付けを許可することが望ましい。
【0015】
ここでは、第3商品とリンク付けされている第4電子棚札を、リンク付けを解除(アンリンク)することなく、同一エリア内において第4商品と新たにリンク付けすることが禁止されるため、誤操作で、第4電子棚札とリンク付けされる商品を変更してしまう可能性を低減できる。そのため、電子棚札に、意図しない情報が誤表示されることを防止しやすい。
【0016】
また、本発明に係る電子棚札システムでは、管理装置は、識別コードと、各電子棚札とリンク付けされた商品の商品コードと、を関連付けてデータベースに記憶することが望ましい。識別コードは、第1電子棚札群および第2電子棚札群が配備されたそれぞれのエリアに固有のエリアコード、および、各電子棚札に固有の棚札コード、をセットにしたものであることが望ましい。
【0017】
ここでは、電子棚札と商品コードとを関連付けてデータベースに記憶するにあたり、棚札コードとエリアコードとをセットにした識別コードが用いられる。棚札コードが同一であっても、エリアコードが異なる場合には、識別コードが異なると判断されるため、同一の電子棚札を複数の商品コードと関連付けて記憶する処理を行うことが容易である。言い換えれば、第1エリアにおいて第1商品とリンク付けされている第3電子棚札を、さらに、第2エリアにおいて第2商品とリンク付けすることが容易である。そして、その後、第3電子棚札と第1商品とのリンク付けを強制解除することで、第1エリアにおいて、存在しない第3電子棚札を探すためのローミング探索を行う必要がなくなり、第1エリアにおける無駄な通信の発生を抑制できる。
【0018】
また、本発明に係る電子棚札システムでは、管理装置は、各電子棚札に固有の棚札コードと、各電子棚札の総使用期間に関する情報と、を関連付けて、データベースに記憶することが望ましい。
【0019】
ここでは、電子棚札の総使用期間に関する情報が、その電子棚札の棚札コードと関連付けて記憶されるため、電子棚札が別のエリアに移動されたとしても、総使用期間を正しく認識することができる。そのため、電子棚札の劣化状態等を正しく認識することが容易である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る電子棚札システムでは、第1エリアにおいて第1商品とリンク付けされている第3電子棚札が、第2エリアで第2商品とリンク付けされると、第1エリアでのリンク付けが強制的に解除(アンリンク)される。アンリンク以降は、第1エリアにおいて、存在しない第3電子棚札を探すためのローミング探索を行う必要がなくなり、第1エリアにおける無駄な通信の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る電子棚札システムを示す図である。
図2図1に係る電子棚札システムに含まれる電子棚札の配置例を示す図である。
図3図1に係る電子棚札システムに含まれる電子棚札の外観を示す図である。
図4図1に係る電子棚札システムの電子棚札サーバの概略構成を示すブロック図である。
図5図4に係る電子棚札サーバのサーバ記憶部の棚札使用情報データベースに記憶されるテーブルの一例である。
図6図4に係る電子棚札サーバのサーバ記憶部の棚札総使用期間データベースに記憶されるテーブルの一例である。
図7図1に係る電子棚札システムの電子棚札の概略構成を示すブロック図である。
図8図1に係る電子棚札システムのリンク処理について説明するためのフローチャートである。
図9図1に係る電子棚札システムのアンリンク処理について説明するためのフローチャートである。
図10】変形例Aに係る電子棚札システムを示す図である。
図11図10に係る電子棚札システムの局所電子棚札システムに記憶される、棚札コードと商品コードとを関連付けたテーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電子棚札システム100について説明する。
【0023】
なお、本実施形態に係る電子棚札システム100は例示であり、電子棚札システムおよび電子棚札は、以下に記載する内容に限定されるものではない。電子棚札システムは、発明の趣旨と矛盾しない範囲で、その他の態様も採用可能である。
【0024】
(1)全体構成
電子棚札システム100は、1台の電子棚札サーバ10により、複数のエリアに配備された電子棚札40を管理するシステムである。具体的には、電子棚札システム100は、1台の電子棚札サーバ10により、複数の店舗(例えばスーパーマーケット)に配備された電子棚札40を管理するシステムである。特に、本実施形態では、電子棚札システム100は、1台の電子棚札サーバ10により、2つの店舗A,Bに配備された電子棚札40を管理する。電子棚札システム100は、店舗A,Bで販売される商品の商品情報を記憶する電子棚札サーバ10と、店舗A,Bの売り場等に陳列される商品に対応して配備される複数の電子棚札40と、を有し、各電子棚札40に、対応する商品の商品情報を表示させる。
【0025】
電子棚札システム100は、図1に示すように、主として、電子棚札サーバ10と、店舗A,Bのそれぞれに複数設置されたトランシーバ30と、店舗A,Bのそれぞれに複数設置された電子棚札40と、各店舗A,Bで使用されるハンディターミナル50と、を備える。店舗Aに配備される複数の電子棚札40は、第1電子棚札群G1を構成し、店舗Bに配備される複数の電子棚札40は、第2電子棚札群G2を構成する。
【0026】
電子棚札40は、可搬式の、電池駆動式の表示装置である。各電子棚札40には、その電子棚札40と、他の電子棚札40とを識別するための、固有の識別符号(棚札コード)が付されている。各電子棚札40は、店舗A,Bの売り場に陳列される複数の種類の商品Pのうち、対応する(リンク付けされた)商品Pの近傍に配置される(図2参照)。各電子棚札40の後述する表示部41には、対応する商品Pに関する商品情報が表示される(図3参照)。なお、商品情報は、商品Pに関する種々の情報であり、例えば、商品名、販売価格、単位量あたりの価格等を含む。
【0027】
電子棚札サーバ10は、電子棚札システム100を制御するコンピュータである。電子棚札サーバ10は、第1電子棚札群G1および第2電子棚札群G2を統括して管理する。電子棚札サーバ10には、第1電子棚札群G1または第2電子棚札群G2に属する電子棚札40に表示させるための商品情報が記憶されている。電子棚札サーバ10は、電子棚札システム100の起動時や、電子棚札40の表示変更が必要な時に、電子棚札40に対して商品情報(具体的には商品情報の画像データ)を送信するよう、トランシーバ30に指示する。
【0028】
トランシーバ30は、店舗A,Bそれぞれに、複数台設置されている。トランシーバ30は、電子棚札40の後述する通信部42との間で、赤外線を用いて各種信号の送受信を行う。また、トランシーバ30は、インターネットやLAN(Local Area Network)等からなるネットワーク2を介して、電子棚札サーバ10と接続される。トランシーバ30は、例えば、電子棚札サーバ10からの指令に従い、電子棚札サーバ10からトランシーバ30に送信されてきた商品情報の画像データを、赤外線を用いて、電子棚札40に送信する。また、トランシーバ30は、電子棚札40から送信されてきた赤外線信号を受信し、受信した信号を電気信号に変換して、ネットワーク2を介して電子棚札サーバ10に送信する。
【0029】
ハンディターミナル50は、情報収集等のために用いられる携帯型の情報端末である。ハンディターミナル50は、電子棚札40や商品Pに付されたバーコードなどの識別符号を読み取り可能に構成されている。ハンディターミナル50は、図示しないインターネットやLAN(Local Area Network)等からなるネットワークを介して、電子棚札サーバ10と接続されている。ハンディターミナル50は、例えば、電子棚札40と商品Pとをリンク付けする際や、リンク付けを解除する(アンリンクする)際に用いられる。具体的には、ハンディターミナル50は、電子棚札40と商品Pとをリンク/アンリンクする際に、電子棚札サーバ10に対してリンク要求/アンリンク要求を送信する。リンク要求/アンリンク要求については後述する。
【0030】
(2)詳細構成
以下に、電子棚札サーバ10と、トランシーバ30と、電子棚札40と、について詳細に説明する。
【0031】
(2−1)電子棚札サーバ
電子棚札サーバ10は、管理装置の一例である。電子棚札サーバ10は、電子棚札40を含む電子棚札システム100を制御するコンピュータである。電子棚札サーバ10は、店舗Aおよび店舗Bとは異なる場所(例えば、店舗Aおよび店舗Bを運営する企業の本社等)に設置される。ただし、電子棚札サーバ10の設置場所は例示であり、電子棚札サーバ10は、店舗Aまたは店舗Bに設置されてもよい。
【0032】
電子棚札サーバ10は、インターネットやLAN(Local Area Network)等からなるネットワーク2を介して、店舗Aおよび店舗Bに設置されたトランシーバ30と接続されている。また、電子棚札サーバ10は、図示しないインターネットやLAN等からなるネットワークを介して、店舗Aおよび店舗Bで用いられるハンディターミナル50と接続されている。
【0033】
電子棚札サーバ10は、その機能の1つとして、電子棚札40に対し、トランシーバ30を介して、各種情報を送信する。例えば、電子棚札サーバ10は、電子棚札40に対し、トランシーバ30を介して、電子棚札40の表示部41に表示させるための商品情報の画像データを送信する。なお、電子棚札サーバ10は、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40に対しては、店舗Aに設置されたトランシーバ30を介して情報を送信する。また、電子棚札サーバ10は、第2電子棚札群G2に属する電子棚札40に対しては、店舗Bに設置されたトランシーバ30を介して情報を送信する。なお、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40とは、店舗Aにおいて、ハンディターミナル50を用いて、店舗Aに置かれた商品Pとリンク付けされ(関連付けされ)、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40としてサーバ記憶部14に記憶されている電子棚札40を意味する。第2電子棚札群G2に属する電子棚札40とは、店舗Bにおいて、ハンディターミナル50を用いて、店舗Bに置かれた商品Pとリンク付けされ、第2電子棚札群G2に属する電子棚札40としてサーバ記憶部14に記憶されている電子棚札40を意味する。本来、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40は店舗Aに配備され、第2電子棚札群G2に属する電子棚札40は店舗Bに配備されるが、作業員が、その電子棚札40がもともと配備されていた一方の店舗から、リンク付けの解除(アンリンク)を行わずに、他方の店舗へと移動させる可能性がある。
【0034】
電子棚札サーバ10は、主に、サーバ通信部11と、サーバ表示部12と、サーバ入力部13と、サーバ記憶部14と、サーバ制御部15とを有する(図4参照)。
【0035】
(2−1−1)サーバ通信部
サーバ通信部11は、電子棚札サーバ10と、トランシーバ30およびハンディターミナル50と、の通信を可能にするための通信インターフェースである。また、サーバ通信部11は、図示されない電子棚札システム100外の機器(例えば、電子棚札システム100と共に設置されるPOSシステムのサーバ等)とも通信可能に構成されている。
【0036】
サーバ通信部11は、サーバ制御部15の指示で、トランシーバ30に各種情報を送信する。サーバ通信部11からトランシーバ30に送信される情報には、商品情報の画像データを含む。トランシーバ30に送信された、商品情報の画像データ等の情報は、トランシーバ30から電子棚札40に送信される。また、サーバ通信部11は、電子棚札40からトランシーバ30を介して送信されてくる、後述するACK信号を受信する。サーバ通信部11は、ACK信号を受信すると、その旨をサーバ制御部15に送信する。さらに、サーバ通信部11は、図示しないネットワークを介して送信されてきたハンディターミナル50からのリンク要求/アンリンク要求を受信すると、そのリンク要求/アンリンク要求をサーバ制御部15に送信する。リンク要求/アンリンク要求については後述する。
【0037】
(2−1−2)サーバ表示部
サーバ表示部12は、液晶ディスプレイである。サーバ表示部12には、電子棚札システム100に関する各種情報を表示可能である。
【0038】
(2−1−3)サーバ入力部
サーバ入力部13は、マウスおよびキーボードである。電子棚札システム100の管理者は、サーバ入力部13を介して、電子棚札サーバ10に対する各種指令や、各種情報を入力可能である。
【0039】
(2−1−4)サーバ記憶部
サーバ記憶部14は、主にROM、RAM、およびハードディスクにより構成される。
【0040】
サーバ記憶部14には、後述するサーバ制御部15により実行される各種プログラムが記憶される。また、サーバ記憶部14には、電子棚札40に表示される商品情報(例えば、商品名、通常販売価格、特別販売価格、割引率、単位量あたりの価格等)が商品Pの商品コード別に記憶されている。商品コードとは、商品Pにバーコード等として付された商品Pに固有の識別符号である。
【0041】
また、サーバ記憶部14は、データベースとして、棚札使用情報データベース14aと、棚札総使用期間データベース14bとを有する。
【0042】
(2−1−4−1)棚札使用情報データベース
棚札使用情報データベース14aは、電子棚札40の現在の使用状況に関する情報が記憶されたデータベースである。具体的には、棚札使用情報データベース14aには、1の識別コード、1の棚札コード、1の商品コード、および1のリンク日時が互いに関連付けられて構成される1つの情報群が、複数行並べられたテーブルが記憶される(図5参照)。
【0043】
棚札コードは、各電子棚札40に固有の識別符号である。商品コードは、各商品Pに固有の識別符号である。識別コードは、電子棚札40と商品Pとのリンク付けが行われる際に生成される識別符号である。識別コードは、各電子棚札40が配備されている店舗に固有のエリアコードと、その電子棚札40に固有の棚札コードとを組み合わせることで作成される。つまり、識別コードは、第1電子棚札群G1および第2電子棚札群G2が配備されたそれぞれの店舗A,Bに固有のエリアコードと、各電子棚札40に固有の棚札コードと、をセットにすることで作成される。リンク日時は、電子棚札40と商品Pとのリンク付けが行われた日時を表す。言い換えれば、リンク日時は、そのリンク日時を含む情報群が、棚札使用情報データベース14aに記憶された日時を表す。なお、棚札使用情報データベース14aには、リンク日時が古い情報群から順に、データが記憶されている。
【0044】
棚札使用情報データベース14aに図5のテーブルが記憶されている場合を例に、具体的に説明する。なお、図5では、店舗Aのエリアコードとして101という数字が、店舗Bのエリアコードとして102という数字が、それぞれ用いられている。
【0045】
図5の2行目の情報群には、識別コードとして“101123456”という情報が、棚札コードとして“123456”という情報が、商品コードとして“987654321”という情報が、リンク日時として“2013/09/01 09:00”という情報が、それぞれ記憶されている。識別コードは、エリアコード“101”と、棚札コード“123456”とを組み合わせる(連続して並べる)ことで作成されている。図5の2行目の情報群からは、棚札コード“123456”の電子棚札40は、エリアコード“101”の店舗Aに設置されたハンディターミナル50を用いて、商品コード“987654321”の商品Pと、“2013/09/01 09:00”にリンク付けされたということが把握できる。また、図5の2行目の情報群(特に、識別コード)からは、棚札コード“123456”の電子棚札40が、電子棚札サーバ10により、第1電子棚札群G1に属するとして管理されていることが把握できる。
【0046】
なお、電子棚札40と商品Pとがアンリンクされると、棚札使用情報データベース14aから、対応する情報群が削除される。図5を用いて説明すれば、例えば、店舗Aにおいて、棚札コード“123456”の電子棚札40と、商品コード“987654321”の商品Pとのアンリンクが行われると、2行目の情報群が、棚札使用情報データベース14aから削除される。
【0047】
(2−1−4−2)棚札総使用期間データベース
棚札総使用期間データベース14bは、各電子棚札40の総使用期間に関する情報が記憶されたデータベースである。具体的には、棚札総使用期間データベース14bには、各電子棚札40の棚札コードと、各電子棚札40の使用開始日時と、が関連付けられて構成される1つの情報群が、複数行並べられたテーブルが記憶される(図6参照)。なお、電子棚札40の使用開始日時とは、電子棚札40が、いずれかの店舗A,Bにおいて、いずれかの商品Pと初めてリンク付けされた日時を意味する。棚札総使用期間データベース14bに記憶された内容は、電子棚札40の使用状況によらず保持される。例えば、ある電子棚札40が、初めにリンク付けられた商品Pとアンリンクされた場合や、初めに設置された店舗とは異なる店舗に移動され、他の商品Pとリンク付けされた場合であっても、棚札総使用期間データベース14bに記憶された情報は保持される。
【0048】
(2−1−5)サーバ制御部
サーバ制御部15は、主にCPUから構成される。サーバ制御部15は、サーバ記憶部14に記憶されているプログラムを実行することで、電子棚札システム100の各種制御を行う。
【0049】
例えば、サーバ制御部15は、サーバ通信部11を制御することで、各電子棚札40に対し、各種情報を送信する。例えば、サーバ制御部15は、ある電子棚札40に表示させる商品情報の変更が必要な時に、商品情報の画像データを、トランシーバ30に対して送信するよう、サーバ通信部11に指示する。なお、電子棚札40に表示させる商品情報の変更が必要な時とは、例えば、サーバ記憶部14において、その電子棚札40とリンク付けされた商品P(棚札使用情報データベース14aにおいて、その電子棚札40の棚札コードとリンク付けされた商品コードを有する商品P)の商品情報が更新された時である。また、例えば、電子棚札40の表示変更が必要な時とは、その電子棚札40とリンク付けされた商品Pの価格を通常販売価格から特別販売価格へと変更する時である。
【0050】
サーバ制御部15は、具体的には、各電子棚札40に対し、次のような手順で各種情報を送信する。まず、サーバ制御部15は、トランシーバ30に対して起床信号送信指令を送信するよう、サーバ通信部11に指示する。起床信号送信指令は、トランシーバ30に、電子棚札40に起床信号(起床指令)を送信するよう指示するための信号である。なお、起床信号は、電子棚札40に対し、引き続いて情報(例えば商品情報の画像データ)を送信することを予告する信号であり、電子棚札40に、その運転モードを、電力消費量が小さく商品情報を受信することのできないスリープモードから、商品情報を受信可能なウェイクアップモードへと遷移させるよう要求する信号である。スリープモードおよびウェイクアップモードについては後述する。次に、サーバ制御部15は、起床信号送信指令に引き続き、電子棚札40に対して送信したい情報を、トランシーバ30に対して送信するようサーバ通信部11に指示する。なお、サーバ制御部15は、トランシーバ30を介して情報を受信した電子棚札40が、その情報が自己宛のものであるか否かを判別するための識別子を、棚札使用情報データベース14aから取得し、情報と共に送信する。例えば、サーバ制御部15から商品情報の画像データを送信する場合には、識別子は、棚札使用情報データベース14aから、商品情報を変更したい商品Pの商品コードとリンク付けされている棚札コードを読み出すことで取得される。情報と共に、自己の棚札コードと同一の識別子を受信した電子棚札40は、後述するように、トランシーバ30を介し、電子棚札サーバ10に対してACK信号と呼ばれる信号を送信する。サーバ制御部15は、サーバ通信部11がトランシーバ30を介してACK信号を受け付けると、送信した情報が、情報の送信対象の電子棚札40により受信されたと認識する。
【0051】
なお、サーバ制御部15は、サーバ通信部11がある電子棚札40と通信できない場合に、ローミング探索と呼ばれる動作を実行する。電子棚札40と通信できない場合とは、サーバ通信部11から、トランシーバ30を介してある電子棚札40に情報(例えば、商品情報の画像データ)および識別子を送信したが、その電子棚札40から送信されてくるACK信号をサーバ通信部11が受信しない場合である。ローミング探索では、サーバ通信部11は、所定の時間間隔(例えば、10分間隔や、1時間間隔等)で、通信できなかった電子棚札40に対し、その電子棚札40に送信したい情報の再送信を行う。ローミング探索は、サーバ通信部11が、情報の送信対象の電子棚札40と通信できるまで繰り返し実行される。
【0052】
また、サーバ制御部15は、店舗Aまたは店舗Bに設置されたハンディターミナル50から、図示しないネットワークを介して送信される、電子棚札40と商品Pとのリンク要求/アンリンク要求に従い、リンク処理/アンリンク処理を実行する。リンク要求とは、電子棚札サーバ10に対し、ある電子棚札40の棚札コードと、ある商品Pの商品コードとを関連付け(リンク付け)、棚札使用情報データベース14aに記憶するよう要求する信号である。ハンディターミナル50から電子棚札サーバ10に送信されるリンク要求には、リンク付けする棚札コードおよび商品コードが情報として含まれる。アンリンク要求とは、棚札使用情報データベース14aに記憶されている、ある電子棚札40と、ある商品Pとのリンク付けを解除するよう要求する信号である。ハンディターミナル50から送信されるアンリンク要求には、アンリンクする電子棚札40の棚札コードが情報として含まれる。リンク要求/アンリンク要求受付時のサーバ制御部15の動作(リンク処理/アンリンク処理)の詳細については、後述する。
【0053】
(2−2)トランシーバ
トランシーバ30は、電子棚札40の後述する通信部42との間で、赤外線を用いて信号の送受信を行う。また、トランシーバ30は、ネットワーク2を介して電子棚札サーバ10と接続され、電子棚札サーバ10との間で電気信号の送受信を行う。
【0054】
トランシーバ30は、例えば、電子棚札40が設置される店舗の売り場の天井に、一定の間隔を空けて取り付けられる。トランシーバ30の設置台数および設置場所は、店舗内に設置された電子棚札40が、いずれかのトランシーバ30と赤外線通信可能となるように決定される。
【0055】
トランシーバ30は、電子棚札サーバ10から起床信号送信指令を受け付けると、起床信号(起床指令)を、電子棚札40の通信部42に対して赤外線を用いて送信する。また、トランシーバ30は、電子棚札サーバ10から、電子棚札40に対して送信すべき情報(例えば、商品情報の画像データ)および識別子を受け付けると、その情報を、電子棚札40の通信部42に対して赤外線を用いて送信する。また、トランシーバ30は、電子棚札40の通信部42から赤外線信号(例えば、後述するACK信号)を受信すると、受信した赤外線信号を電気信号に変換し、ネットワーク2を介して電子棚札サーバ10のサーバ通信部11に送信する。
【0056】
(2−3)電子棚札
電子棚札40は、店舗A,Bに陳列される商品Pのそれぞれに対応して配置され、対応する商品Pに関する商品情報等を表示する(図2参照)。例えば、電子棚札40には、商品Pの商品名、販売価格、および単位量あたりの単価が、商品情報として表示される(図3参照)。
【0057】
電子棚札40には、店舗Aに配備される第1電子棚札群G1に属するものと、店舗Bに配備される第2電子棚札群G2に属するものとが存在する。なお、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40は、その電子棚札40と商品Pとのリンク処理が、店舗Aにおいて行われた電子棚札40を意味する。第2電子棚札群G2に属する電子棚札40は、その電子棚札40と商品Pとのリンク処理が、店舗Bにおいて行われた電子棚札40を意味する。つまり、第1電子棚札群G1に属する電子棚札40は、少なくともリンク処理時において、店舗Aに配備されていた電子棚札40である。第2電子棚札群G2に属する電子棚札40は、少なくともリンク処理時において、店舗Bに配備されていた電子棚札40である。なお、第1電子棚札群G1または第2電子棚札群G2に属していた電子棚札40が、商品Pとアンリンクされると、いずれの電子棚札群G1,G2にも属しない状態となる。
【0058】
各電子棚札40は、図7のように、主に表示部41、通信部42、制御部43、記憶部44、および電池45を有する。
【0059】
なお、電子棚札40は、運転モードとして、スリープモードおよびウェイクアップモードを有する。電子棚札40の運転モードは、後述するように、制御部43により切り換えられる。
【0060】
スリープモードは、電子棚札40の消費電力を最低限に抑制する運転モードである。運転モードがスリープモードの場合には、制御部43は、電池45から、表示部41、通信部42、および記憶部44に対し、必要最低限しか電力が供給されないように制御する。そのため、スリープモードでは、電子棚札40の機能が制限される。運転モードがスリープモードの場合には、例えば通信部42は、起床信号が送信されているか否かを確認するための時間(例えば、1秒あたり150ミクロン秒程度)を除いて赤外線信号を受信できない。そのため、スリープモードにおいては、通信部42は、トランシーバ30から送信されてくる各種情報(商品情報の画像データ等)は受信できない。また、運転モードがスリープモードの場合には、例えば表示部41は、その表示変更を行うことができない。
【0061】
一方、運転モードがウェイクアップモードの場合には、通信部42は、トランシーバ30との通信が常に可能であり、トランシーバ30から送信されてくる商品情報の画像データ等の各種情報を受信可能である。また、運転モードがウェイクアップモードの場合には、表示部41は、その表示を変更可能である。運転モードがウェイクアップモードの場合には、制御部43は、表示部41、通信部42および記憶部44に、電池45から十分な電力が供給されるように制御するため、運転モードがスリープモードの場合よりも、電子棚札40の電力消費量が大きい。
【0062】
(2−3−1)表示部
表示部41は、後述する記憶部44に記憶されている商品情報の画像データ等を表示する画面である(図3参照)。
【0063】
表示部41には、電子ペーパが用いられる。すなわち、表示部41は、マトリクス状に配列された複数の画素で構成される、ドットマトリクス方式のディスプレイである。表示部41は、不揮発性であり、電力が供給されなくても表示内容を保持することが可能である。ただし、表示部41は電子ペーパに限定されるものではなく、例えば、液晶ディスプレイが用いられてもよい。
【0064】
(2−3−2)通信部
通信部42は、トランシーバ30との間で、赤外線により信号の送受信を行う。通信部42は、受光部42aと、発光部42bと、を有する(図7参照)。受光部42aは、フォトダイオードおよびアンプを主に有する。発光部42bは、LEDを主に有する。
【0065】
受光部42aは、受付部の一例である。受光部42aは、電子棚札サーバ10からトランシーバ30を介して送信される、起床信号等の各種指令や、商品情報の画像データ等の各種情報を、赤外線信号として受信する。また、受光部42aは、受信した赤外線信号を電気信号に変換し、制御部43に送信する。
【0066】
発光部42bは、制御部43の指示により、トランシーバ30に対して各種信号を送信する。例えば、発光部42bは、制御部43の指示により、受光部42aが自己宛の情報を受信したことを電子棚札サーバ10に知らせるための信号(ACK信号)を、赤外線を用いて、トランシーバ30に対して送信する。
【0067】
(2−3−3)制御部
制御部43は、主にCPUによって構成される。制御部43は、表示部41、通信部42、記憶部44および電池45と電気的に接続されている(図7参照)。
【0068】
制御部43は、後述する記憶部44に記憶されたプログラムを実行することで、電子棚札40の各部を制御する。制御部43は、具体的には、例えば、以下の制御を行う。
【0069】
制御部43は、スリープモードにおいては、通信部42を周期的に短時間だけ起動するよう制御して、トランシーバ30から送信されてくる起床信号(起床指令)を通信部42に受信させる。通信部42が起床信号を受信した場合には、制御部43は、電子棚札40の運転モードをスリープモードからウェイクアップモードに遷移させる。
【0070】
なお、起床信号は、個別の電子棚札40に対する信号でないため、その後に送信されてくる情報が、その電子棚札40宛の情報でないとしても、起床信号を受信した電子棚札40の運転モードは、スリープモードからウェイクアップモードに遷移させられる。そのため、前述したようなローミング探索が頻繁に行われた場合には、電子棚札40の運転モードは、頻繁にスリープモードからウェイクアップモードへと遷移させられることとなり、電池45の消耗が早くなる。
【0071】
制御部43は、ウェイクアップモードにおいては、通信部42を制御して、トランシーバ30から送信されてくる商品情報の画像データ等の情報および識別子を受信させる。なお、識別子は、情報の送信対象の電子棚札40の棚札コードである。制御部43は、通信部42が情報を受信すると、受信した情報と共に送信されてきた識別子を、記憶部44に記憶されている棚札コード(その制御部43が属する電子棚札40の棚札コード)と比較する。制御部43は、識別子と、記憶部44に記憶されている棚札コードとが一致する場合には、自己宛の(その制御部43が属する電子棚札40宛の)情報を受信したと判定する。制御部43は、自己宛の情報を受信したと判定すると、通信部42を制御し、トランシーバ30に対して、自己宛の情報を受信した旨を知らせる信号(ACK信号)を送信させる。そして、制御部43は、通信部42が受信した自己宛の情報を、記憶部44に記憶させる。更に、制御部43は、送信されてきた情報が、商品情報の画像データであった場合には、その画像データが表示されるように、表示部41に表示の変更を指示する。
【0072】
(2−3−4)記憶部
記憶部44は、EEPROM等の不揮発性メモリによって構成される記憶部である。ただし、これに限定されるものではなく、記憶部44にRAM等の揮発性メモリが使用されてもよい。
【0073】
記憶部44には、制御部43が電子棚札40の各部の制御を行うためのプログラムの他、電子棚札40の固有の識別符号である棚札コードや、電子棚札サーバ10から送信された商品情報の画像データ等が記憶される。
【0074】
(2−3−5)電池
電池45は、電子棚札40の表示部41、通信部42、制御部43および記憶部44に駆動電力を供給する。表示部41、通信部42、および記憶部44には、FET等のスイッチ(図示せず)がそれぞれ設けられている。制御部43は、これらのスイッチを制御することで、表示部41、通信部42、および記憶部44への電力の供給を制御する。
【0075】
電子棚札40の運転モードがスリープモードに切り換えられている場合には、制御部43は、上記スイッチをオフにすることで、表示部41、通信部42、および記憶部44に、電池45から電力が供給されないように制御を行う。ただし、運転モードがスリープモードに切り換えられている場合であっても、制御部43は、通信部42に対しては、所定時間(起床信号を受信する時間)だけ、電池45から電力が供給されるように上記スイッチを制御する。
【0076】
(3)リンク処理
電子棚札システム100におけるリンク処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。リンク処理は、主に、電子棚札40と、その電子棚札40が商品情報を表示する商品Pとをリンク付ける(関連付ける)処理である。具体的には、リンク処理は、主に、サーバ記憶部14の棚札使用情報データベース14aに、電子棚札40の棚札コードと、その電子棚札40が商品情報を表示する商品Pの商品コードとをリンク付けて記憶する処理である。リンク処理は、例えば、新商品を売り場に陳列し、新商品の傍にその新商品の商品情報を表示する電子棚札40を設置する際に必要になる。
【0077】
まず、ステップS101では、作業者が、ハンディターミナル50の運転モードを、電子棚札サーバ10にリンク要求を送信するためのリンクモードに設定した上で、ハンディターミナル50に、電子棚札40の棚札コードと、その電子棚札40に商品情報を表示させる商品Pの商品コードと、を取得させる。具体的には、作業者は、ハンディターミナル50に、電子棚札40に付された(例えば、電子棚札40の裏面に付された)、電子棚札40の棚札コードを示すバーコードを読み取らせる。また、作業者は、ハンディターミナル50に、商品Pに付された、商品Pの商品コードを示すバーコードを読み取らせる。その後ステップS102に進む。
【0078】
ステップS102では、ハンディターミナル50から電子棚札サーバ10に、リンク要求と共に、ステップS101で取得された棚札コードおよび商品コードが送信される。また、ステップS102では、店舗A,Bのいずれに設置されたハンディターミナル50から棚札コードおよび商品コードが送信されたか識別するため、ハンディターミナル50、または、ハンディターミナル50と電子棚札サーバ10とを中継する機器等から、電子棚札サーバ10に対し、店舗に固有のエリアコードが送信される。
【0079】
ステップS103では、サーバ制御部15は、サーバ通信部11がトランシーバ30を介して受信した棚札コードおよびエリアコードを用いて、識別コードを生成する。具体的には、サーバ制御部15は、エリアコードの数字と、棚札コードの数字と、を連続して並べることで識別コードを生成する。例えば、エリアコードが“101”で、棚札コードが“123456”であったとすれば、 “101123456”という識別コードが生成される。
【0080】
ステップS104では、サーバ制御部15は、サーバ記憶部14の棚札使用情報データベース14aを参照し、ステップS103で生成された識別コードと同一の識別コードを含む情報群が記憶されているかを判定する。
【0081】
棚札使用情報データベース14aに、ステップS103で生成された識別コードと同一の識別コードを含む情報群が存在する場合には、ステップS105に進む。棚札使用情報データベース14aに、ステップS103で生成された識別コードと同一の識別コードを含む情報群が存在するということは、その電子棚札40は、同一店舗で、既に他の商品Pとリンク付けされているということを意味する。
【0082】
例えば、店舗Aにおいて電子棚札40のリンク処理が行われている時に、棚札使用情報データベース14aに、ステップS103で生成された識別コードと同一の識別コードを含む情報群が存在すると判定された場合、リンク処理中の電子棚札40(第4電子棚札の一例)は、既に、第1電子棚札群G1に属しており、店舗Aに配備されていると、電子棚札サーバ10により認識されていることを意味する。また、そのリンク処理中の電子棚札40(第4電子棚札の一例)が、棚札使用情報データベース14aにおいて、ある商品P(第3商品の一例)と既にリンク付けられて記憶されていることを意味する。この場合には、サーバ制御部15は、棚札使用情報データベース14aへの書き込みを禁止する。また、サーバ制御部15は、その電子棚札40(第4電子棚札の一例)が既に他の商品P(第3商品の一例)とリンク付けされていることを作業者に知らせるため、例えば、ハンディターミナル50に対し、ハンディターミナル50のディスプレイ(図示せず)にその旨を表示させるための指令を、サーバ通信部11を介して送信する。この場合には、リンク処理を行おうとする電子棚札40(第4電子棚札の一例)と、その電子棚札40(第4電子棚札の一例)と現在リンク付けされている商品P(第3商品の一例)とのリンク付けが作業者により解除されない限り(アンリンク処理されない限り)、その電子棚札40(第4電子棚札の一例)と新たな商品P(第4商品の一例)とのリンク付けは許可されない。
【0083】
一方、ステップS104において、棚札使用情報データベース14aに、ステップS103で生成された識別コードと同一の識別コードがないと判定された場合には、ステップS106に進む。ステップS106では、サーバ制御部15は、ステップS103で作成された識別コードと、ステップS102で取得された棚札コードおよび商品コードと、現在の日時(リンク処理を実施する日時)とを、1つの情報群として、棚札使用情報データベース14aに書き込む。その後、ステップS107に進む。
【0084】
ステップS107では、棚札使用情報データベース14a内に重複する棚札コードが存在するかが判定される。つまり、ここでは、ステップS106の実行前に棚札使用情報データベース14aに記憶されていた棚札コードの中に、ステップS106で棚札使用情報データベース14aに書き込まれた棚札コードと同一のものがあるか否かが判定される。
【0085】
ステップS107において、棚札使用情報データベース14a内に重複する棚札コードがあると判定される場合には、ステップS108に進む。棚札使用情報データベース14a内に重複する棚札コードがあるということは、その電子棚札40は、他店舗において、ある商品Pとリンク付けされているということを意味する。この場合には、サーバ制御部15は、棚札使用情報データベース14aから、同一の棚札コードを含む情報群のうち古い情報群(先に記憶された情報群)を消去する。具体例を挙げて説明する。
【0086】
例えば、ある電子棚札40について、店舗Bでリンク処理が行われている場合に、ステップS107で、棚札使用情報データベース14a内に重複する棚札コードが存在すると判定されたとする。これは、電子棚札サーバ10が、その電子棚札40(第3電子棚札の一例)は、第1電子棚札群G1に属し、店舗Aに配備されていると認識していることを意味する。また、電子棚札サーバ10が、その電子棚札40(第3電子棚札の一例)を、店舗A内の、ある商品P(第1商品の一例)とリンク付けて、棚札使用情報データベース14aに記憶していることを意味する。この場合には、サーバ制御部15は、同一の棚札コードを有する情報群のうち、先に記憶された情報群を消去することで、店舗Aにおける、その電子棚札40(第3電子棚札の一例)と、ある商品P(第1商品の一例)とのリンク付けを強制解除する。なお、先に記憶された情報を消去することで、店舗Bにおける、その電子棚札40(第3電子棚札の一例)と、ある商品P(第2商品の一例)とのリンク付けだけが残ることとなり、その電子棚札40は、第2電子棚札群G2に属している(店舗Bに配備されている)として管理されることになる。
【0087】
ステップS108が終了すると、サーバ制御部15はリンク処理を終了する。
【0088】
ステップS107において、棚札使用情報データベース14aに同一の棚札コードがないと判定された場合には、ステップS109に進む。
【0089】
ステップS109では、棚札総使用期間データベース14bに、ステップS106で棚札使用情報データベース14aに書き込まれた棚札コードと、同一の棚札コードを有する情報群が存在するかが判定される。
【0090】
棚札総使用期間データベース14bに、ステップS106で棚札使用情報データベース14aに書き込まれた棚札コードと同一の棚札コードを有する情報群が存在する場合には、サーバ制御部15はリンク処理を終了する。
【0091】
一方、棚札総使用期間データベース14bに、ステップS106で棚札使用情報データベース14aに書き込まれた棚札コードと同一の棚札コードを有する情報群が存在しない場合には、サーバ制御部15は、その棚札コードと、現在の日時(棚札総使用期間データベース14bに棚札コードを書き込む日時)と、を、1つの情報群として、棚札総使用期間データベース14bに書き込む。その後、サーバ制御部15はリンク処理を終了する。
【0092】
(4)アンリンク処理
電子棚札システム100におけるアンリンク処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。アンリンク処理は、電子棚札40と、それぞれの電子棚札40が商品情報を表示する商品Pとの関連付けを解除するための処理である。アンリンク処理は、例えば、ある商品Pの販売を中止する際に必要になる作業である。
【0093】
まず、ステップS201では、作業者は、ハンディターミナル50の運転モードを、電子棚札サーバ10にアンリンク要求を送信するためのアンリンクモードに設定した上で、ハンディターミナル50に、リンク付けを解除したい電子棚札40の棚札コードを取得させる。具体的には、作業者は、ハンディターミナル50に、電子棚札40に付された電子棚札40の棚札コードを示すバーコードを読み取らせる。その後ステップS202に進む。
【0094】
ステップS202では、ハンディターミナル50から電子棚札サーバ10に、アンリンク要求と共に、ステップS101で取得された棚札コードが送信される。また、ステップS202では、店舗A,Bのいずれに設置されたハンディターミナル50から棚札コードが送信されたか識別するため、ハンディターミナル50、または、ハンディターミナル50と電子棚札サーバ10とを中継する機器等から、電子棚札サーバ10に対し、店舗に固有のエリアコードが送信される。その後ステップS203に進む。
【0095】
ステップS203では、サーバ制御部15は、サーバ通信部11がトランシーバ30を介して受信した棚札コードおよびエリアコードを用いて、識別コードを生成する。識別コードの生成についてはステップS103と同様であるので省略する。ステップS203終了後、ステップS204に進む。
【0096】
ステップS204では、サーバ制御部15は、サーバ記憶部14の棚札使用情報データベース14aを参照し、ステップS203で生成された識別コードと同一の識別コードを含む情報群を消去する。この結果、ステップS201でハンディターミナル50により棚札コードが読み取られた電子棚札40と、その電子棚札40とリンク付けされていた商品Pとがアンリンクされ、アンリンク処理が終了する。
【0097】
(5)特徴
(5−1)
本実施形態に係る電子棚札システム100は、第1電子棚札群G1と、第2電子棚札群G2と、管理装置としての電子棚札サーバ10と、を備える。第1電子棚札群G1は、第1エリアの一例としての店舗Aに配備される。第2電子棚札群G2は、店舗Aとは異なる第2エリアの一例としての店舗Bに配備される。電子棚札サーバ10は、第1電子棚札群G1および第2電子棚札群G2を管理する。店舗Aに配備され、第1電子棚札群G1に属し、ある商品P(第1商品の一例)とリンク付けされていた電子棚札40(第3電子棚札の一例)が、店舗Bにおいて、ある商品P(第2商品の一例)とリンク付けされる場合に、電子棚札サーバ10は、店舗Aにおける、電子棚札40(第3電子棚札の一例)と商品P(第1商品の一例)とのリンク付けを強制解除し、電子棚札40(第3電子棚札の一例)を第2電子棚札群G2に属するとして管理する。
【0098】
ここでは、店舗Aにおいて商品P(第1商品の一例)とリンク付けされている電子棚札40(第3電子棚札の一例)が、店舗Bで商品P(第2商品の一例)とリンク付けされると、店舗Aではリンク付けが強制的に解除(アンリンク)される。アンリンク以降は、店舗Aにおいて、存在しない電子棚札40(第3電子棚札の一例)を探すためのローミング探索を行う必要がなくなり、店舗Aにおける無駄な通信の発生を抑制できる。
【0099】
(5−2)
本実施形態に係る電子棚札システム100では、店舗Aに配備され、第1電子棚札群G1に属し、商品P(第3商品の一例)とリンク付けされていた電子棚札40(第4電子棚札の一例)が、店舗Aにおいて商品P(第4商品の一例)とリンク付けされる場合に、電子棚札サーバ10は、使用者による電子棚札40(第4電子棚札の一例)と商品P(第3商品の一例)とのリンク付けの解除後にのみ、電子棚札40(第4電子棚札の一例)と商品P(第4商品の一例)とのリンク付けを許可する。
【0100】
ここでは、商品P(第3商品の一例)とリンク付けされている電子棚札40(第4電子棚札の一例)を、同一エリア内において商品P(第4商品の一例)と新たにリンク付けすることが禁止されるため、誤操作で、電子棚札40(第4電子棚札の一例)とリンク付けする商品Pを変更してしまう可能性を低減できる。そのため、電子棚札40に、意図しない情報(意図しない売価等)が表示されることを防止しやすい。
【0101】
(5−3)
本実施形態に係る電子棚札システム100では、電子棚札サーバ10は、識別コードと、各電子棚札40とリンク付けされた商品Pの商品コードと、を関連付けて棚札使用情報データベース14aに記憶する。識別コードは、第1電子棚札群G1および第2電子棚札群G2が配備されたそれぞれのエリアに固有のエリアコード、および、各電子棚札40に固有の棚札コード、をセットにしたものである。
【0102】
ここでは、電子棚札40と商品Pの商品コードとを関連付けて棚札使用情報データベース14aに記憶するにあたり、棚札コードとエリアコードとをセットにした識別コードが用いられる。棚札コードが同一であっても、エリアコードが異なる場合には、識別コードが異なると判断されるため、同一の電子棚札40を複数の商品コードと関連付けて記憶する処理を行うことが容易である。言い換えれば、店舗Aにおいて商品P(第1商品の一例)とリンク付けされている電子棚札40(第3電子棚札の一例)を、さらに、店舗Bにおいて商品P(第2商品の一例)とリンク付けすることが容易である。そして、その後、電子棚札40(第3電子棚札の一例)と商品P(第1商品の一例)とのリンク付けを強制解除することで、店舗Aにおいて、存在しない電子棚札40(第3電子棚札の一例)を探すためのローミング探索を行う必要がなくなり、店舗Aにおける無駄な通信の発生を抑制できる。
【0103】
一方、棚札コードおよびエリアコードの両方が一致する場合には、識別コードが同一となるので、同一エリアにおけるリンク付けの重複を容易に防止することができる。言い換えれば、店舗Aにおいて商品P(第3商品の一例)とリンク付けされている電子棚札40(第4電子棚札の一例)を、店舗Aにおいて商品P(第4商品の一例)とリンク付けすることを禁止することが容易である。
【0104】
(5−4)
本実施形態に係る電子棚札システム100では、電子棚札サーバ10は、各電子棚札40に固有の棚札コードと、各電子棚札40の総使用期間に関する情報と、を関連付けて、棚札総使用期間データベース14bに記憶する。
【0105】
ここでは、電子棚札40の総使用期間に関する情報が、その電子棚札40の棚札コードと関連付けて記憶されるため、電子棚札40が別のエリアに(例えば、店舗Aから店舗Bへと)移動されたとしても、総使用期間を正しく認識することができる。そのため、電子棚札40の劣化状態等(電池45の消耗度合等)を正しく認識することが容易である。
【0106】
(6)変形例
以下に本実施形態の変形例について説明する。なお、矛盾しない範囲で、複数の変形例が組み合わされてもよい。
【0107】
(6−1)変形例A
上記実施形態に係る電子棚札システム100では、電子棚札サーバ10が、店舗A,Bに陳列される全ての商品Pの商品情報を記憶すると共に、店舗A,Bに配備される電子棚札40(第1および第2電子棚札群G1,G2)を管理している。
【0108】
しかし、これに限定されるものではなく、例えば、電子棚札システムは、図10の電子棚札システム200のように構成されてもよい。
【0109】
電子棚札システム200では、統括サーバ210と、店舗Aおよび店舗Bにそれぞれ設置されたローカル電子棚札サーバ220と、店舗Aおよび店舗Bにそれぞれ設置された複数のトランシーバ30と、店舗Aおよび店舗Bにそれぞれ配備された複数の電子棚札40と、各店舗A,Bで用いられるハンディターミナル50と、を有する。統括サーバ210と、ローカル電子棚札サーバ220とは、インターネット等のネットワーク203により接続されており、互いの間で、各種情報の授受を行う。各店舗に設置されたローカル電子棚札サーバ220は、その店舗に設置されたトランシーバ30と、LAN(Local Area Network)等のネットワーク202により接続されている。トランシーバ30と、電子棚札40と、ハンディターミナル50とについては、上記実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0110】
統括サーバ210は、管理装置の一例である。統括サーバ210は、主に、上述のリンク処理/アンリンク処理を実行し、上記実施形態の電子棚札システム100における、棚札使用情報データベース14aおよび棚札総使用期間データベース14bに記憶される情報を管理する。具体的には、統括サーバ210は、各電子棚札40が、いずれの店舗A,Bで使用され(第1電子棚札群G1および第2電子棚札群G2のいずれに属し)、どの商品Pとリンク付けられており、その電子棚札40が現在使用されている店舗でいつから使用されているかを管理する。また、統括サーバ210は、電子棚札40が、いつから使用されているかを管理する。
【0111】
ローカル電子棚札サーバ220は、そのローカル電子棚札サーバ220が設置された店舗の電子棚札40の管理を行う。つまり、店舗Aに設置されたローカル電子棚札サーバ220は、第1電子棚札群G1の電子棚札40の、店舗Bに設置されたローカル電子棚札サーバ220は、第2電子棚札群G2の電子棚札40の管理を行う。ローカル電子棚札サーバ220は、自らが管轄する電子棚札40の管理に必要な情報だけを記憶する。例えば、店舗Aに設置されたローカル電子棚札サーバ220は、店舗Aに配備された電子棚札40についてのみ、いずれの商品Pと関連付けられているかを記憶している。つまり、店舗Aに設置されたローカル電子棚札サーバ220は、店舗Aに配備された電子棚札40の棚札コードと、その電子棚札40が商品情報を表示する商品Pの商品コードと、を関連付けたテーブル220aを記憶している(図11参照)。なお、このテーブル220aは、統括サーバ210に記憶されている情報と不一致が生じないよう管理されている。
【0112】
ローカル電子棚札サーバ220は、上記実施形態の電子棚札サーバ10の機能のうち、統括サーバ210が実行する機能(主にリンク処理/アンリンク処理)以外の部分を担当する。例えば、ローカル電子棚札サーバ220は、トランシーバ30を介して、ある電子棚札40に対し、その電子棚札40とリンク付けされた商品Pの商品情報の画像データを送信する。
【0113】
その他の点については、変形例Aに係る電子棚札システム200と、上記実施形態に係る電子棚札システム100とは同様であるため、説明は省略する。
【0114】
(6−2)変形例B
上記実施形態に係る電子棚札システム100では、電子棚札サーバ10は、2つの電子棚札群G1,G2を管理するものであったが、これに限定されるものではない。電子棚札サーバ10は、異なるエリアに配備される、3つ以上の電子棚札群を管理するものであってもよい。
【0115】
(6−3)変形例C
上記実施形態に係る電子棚札システム100では、異なるエリアに配備される電子棚札群の例として、異なる店舗A,Bに配備される電子棚札群G1,G2について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子棚札システムの電子棚札群は、それぞれ、同一店舗内の異なるフロアに配備される電子棚札群であってもよい。
【0116】
(6−4)変形例D
上記実施形態に係る電子棚札システム100では、棚札総使用期間データベース14bに、電子棚札40の総使用期間に関する情報として、電子棚札40の使用開始日時が記憶されるがこれに限定されるものではない。例えば、棚札総使用期間データベース14bには、電子棚札40の総使用期間に関する情報として、電子棚札40の使用開始からの経過時間が記憶されてもよい。また、例えば、棚札総使用期間データベース14bには、電子棚札40の総使用期間に関する情報として、店舗Aまたは店舗Bで実際に使用されていた時間(店舗Aまたは店舗Bで、商品Pとリンク付けされていた時間)の合計が記憶されるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係る電子棚札システムは、あるエリアで利用されていた電子棚札が、他のエリアで利用されることとなった場合に、もともと電子棚札が設置されていたエリアで、電子棚札が他のエリアに移動されたことに伴う無駄な通信の発生を抑制することが可能な電子棚札システムとして有用である。
【符号の説明】
【0118】
10 電子棚札サーバ(管理装置)
14a 棚札使用情報データベース
14b 棚札総使用期間データベース
40 電子棚札(第3電子棚札、第4電子棚札)
100,200 電子棚札システム
210 統括サーバ(管理装置)
A 店舗(第1エリア)
B 店舗(第2エリア)
G1 第1電子棚札群
G2 第2電子棚札群
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2008−282426号公報
図1
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図9
図10
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