【実施例】
【0031】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
参考例1 ビス(トリフルオロメチル)亜鉛・(ジメチルプロピレンウレア)
2錯体の調製
撹拌子を備えた50mlの丸底二口フラスコに、アルゴン雰囲気下、ヘキサン(15ml)及びN,N’−ジメチルプロピレンウレア(2.41ml、20mmol、以下DMPUと略す)を入れ、撹拌しながら−60℃に冷却した。次いでこれに、トリフルオロメチルヨージド(9.8g、50mmol)をバブリングして供給した後、ジエチル亜鉛(1.0M−ヘキサン溶液、10ml、10mmol)を滴下した。同温度で20分撹拌の後、−20℃で72時間反応を行った。
【0032】
反応終了後、余剰のトリフルオロメチルヨージド及び未反応のジエチル亜鉛を減圧下、留去することにより粗製のビス(トリフルオロメチル)亜鉛・(DMPU)
2錯体を白色固体として得、次いでジエチルエーテル(15ml×3回)で洗浄、減圧乾燥することによりビス(トリフルオロメチル)亜鉛・(DMPU)
2錯体を白色固体として得た(4.15g、収率90%)。
1H−NMR(300MHz,DMF−d
7)δ3.25(t,8H)、2.84(s,12H)、1.94(quin,4H)。
19F−NMR(282MHz,DMF−d
7)δ−42.8(s,3F)。
熱安定性は、DSC測定において、160〜180℃(Top:169℃)に発熱ピークが認められ、150℃以下では安定であった。なお、非特許文献1では、グライム錯体は20℃で分解し、ジグライム錯体は110℃で分解と記載されており、得られたDMPU錯体は熱安定が優れていることが判明した。
実施例1 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)−4−フルオロベンゼンの調製
【0033】
【化5】
【0034】
撹拌子を備えた試験管に、アルゴン雰囲気下、(CF
3)
2Zn・(DMPU)
2錯体(92mg、0.2mmol)、4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)及びジクロロメタン(1mL)を入れ、65℃で12時間反応を行った。反応終了後、冷却した反応液をベンゾトリフルオリドを内部標準として用いた
19F−NMRでの定量において、1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)−4−フルオロベンゼン(上記化学式(6)に示す)が76%の収率で生成していた。
実施例2 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンの調製
【0035】
【化6】
【0036】
実施例1の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、α−メチルスチレン(11.8mg、0.1mmol)用いた以外実施例1と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼン(上記化学式(7)に示す)を収率61%で得た。
実施例3 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンの調製
実施例2の反応温度を50℃とした以外実施例2と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンを収率35%で得た。
実施例4 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンの調製
実施例2のジクロロメタン(1mL)をトルエン(1mL)に替えた以外実施例2と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンを収率60%で得た。
実施例5 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンの調製
実施例2のジクロロメタン(1mL)をテトラヒドロフラン(1mL)に替えた以外実施例2と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンを収率29%で得た。
実施例6 1,1−ジフルオロ−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンの調製
【0037】
【化7】
【0038】
実施例1の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、2,3−ジメチル−2−ブテン(8.4mg、0.1mmol)用いた以外実施例1と同じ操作を行い、目的物の1,1−ジフルオロ−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン(上記化学式(8)に示す)を定量的に得た。
実施例7 1−フェニル−2,2−ジフルオロ−1−シクロプロペンの調製
【0039】
【化8】
【0040】
実施例1の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、フェニルアセチレン(10.2mg、0.1mmol)用いた以外実施例1と同じ操作を行い、目的物の1−フェニル−2,2−ジフルオロ−1−シクロプロペン(上記化学式(9)に示す)を収率32%で得た。
実施例8 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)−4−フルオロベンゼンの調製
【0041】
【化9】
【0042】
撹拌子を備えた試験管に、アルゴン雰囲気下、無水ヨウ化ナトリウム(30mg、0.2mmol)、(CF
3)
2Zn・(DMPU)
2錯体(92mg、0.2mmol)、4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)及びジクロロメタン(1mL)を入れ、室温下、12時間反応を行った。反応終了後反応液を、ベンゾトリフルオリドを内部標準として用いた
19F−NMRでの定量において、1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)−4−フルオロベンゼン(上記化学式(10)に示す)が85%の収率で生成していた。
実施例9 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンの調製
【0043】
【化10】
【0044】
実施例8の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、α−メチルスチレン(11.8mg、0.1mmol)用いた以外実施例8と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼン(上記化学式(11)に示す)を収率65%で得た。
実施例10 1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)−4−フルオロベンゼンの調製
実施例9の無水ヨウ化ナトリウム(29mg、0.1mmol)に替えて無水ヨウ化カルシウム(33mg、0.2mmol)を用いた以外実施例9と同じ操作を行い、目的物の1−(2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル)ベンゼンを収率33%で得た。
実施例11 1,1−ジフルオロ−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンの調製
【0045】
【化11】
【0046】
実施例8の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、2,3−ジメチル−2−ブテン(8.4mg、0.1mmol)用いた以外実施例8と同じ操作を行い、目的物の1,1−ジフルオロ−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン(上記化学式(12)に示す)を収率81%で得た。
実施例12 1−フェニル−2,2−ジフルオロ−1−シクロプロペンの調製
【0047】
【化12】
【0048】
実施例8の4−フルオロ−α−メチルスチレン(13.4μL、0.1mmol)に替えて、フェニルアセチレン(10.2mg、0.1mmol)用いた以外実施例8と同じ操作を行い、目的物の1−フェニル−2,2−ジフルオロ−1−シクロプロペン(上記化学式(13)に示す)を収率6%で得た。