(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スイッチ手段が、前記動作可能な状態または前記動作不可能な状態の内の他方であるときに、前記ピックアップコイルおよび補償コンデンサが共鳴するようになる、請求項1または2に記載のIPTピックアップ回路。
前記スイッチ手段が、前記動作可能な状態または動作不可能状態の他方であるときに、前記ピックアップコイルおよび前記補償コンデンサが前記複数のリアクタンス素子の少なくとも1つと共鳴する、請求項1から3のどれか1つに記載のIPTピックアップ回路。
前記直列で接続されたコンデンサおよびインダクタが、前記ピックアップコイルおよび前記補償コンデンサと並列で接続される、請求項8に記載のIPTピックアップ回路。
前記スイッチ手段が、2つのスイッチング素子を備え、それぞれのスイッチング素子が非並列ダイオードを有する、請求項1から18のどれか1つに記載のIPTピックアップ回路。
ピックアップコイル、補償コンデンサおよび複数の追加のリアクタンス素子を有する非接触給電(IPT)ピックアップ回路を制御する際の方法であって、スイッチ手段を動作させ、スイッチ手段が動作可能な状態または動作不可能な状態の内の一方であるときに、前記追加のリアクタンス素子が、選択された動作周波数で前記回路を共鳴させ、前記ピックアップ回路の出力に供給される電力を実質的に削減するまたは妨げることより、負荷に供給される電力を制御する、方法。
前記スイッチ手段を、前記動作可能な状態または動作不可能な状態の一方にして、前記リアクタンス素子によって前記回路を共鳴させ、前記ピックアップ回路の出力に供給される電力を実質的に妨げる、請求項21に記載の方法。
前記スイッチ手段を、前記動作可能な状態または動作不可能な状態の他方にして、前記ピックアップコイルおよび前記補償コンデンサを、共鳴するようにさせ、負荷に電力を供給することを含む、請求項22また請求項23に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
WO第2010/030195号に説明される並列同調ACコントローラ回路でのスイッチおよび電流定格は、負荷を駆動するために必要とされるトポロジおよび同調の量に左右される定格を有する。非常に高い電力用途では、スイッチ定格は法外かつ高価となることがある。たとえば、
図1の並列AC処理ピックアップ回路は、ピーク負荷電圧
【数1】
とともにピーク共振インダクタを処理するように定格されなければならない。一方、
図2に示される回路のようなAC処理ピックアップ回路の直列同調バージョンでのスイッチは、ピーク負荷電流
【数2】
とともにピーク共振インダクタ電圧を処理するように定格されなければならない。
【0004】
DC出力電圧が
図1の並列同調回路から引き出されることが必要とされる場合、整流器(不図示)へのAC電圧入力のピークは、出力DC電圧の157%でなければならない。同は、DC出力が必要とされるときに
図2の直列同調回路での電流に当てはまる。回路Q、出力電力および出力電圧が上昇するのに連れて、使用可能なスイッチ技術の制限は、標準的な並列同調AC処理トポロジと、標準的な直列同調AC処理トポロジの両方で設計するのがますます困難になる。
【0005】
WO第2010/030195A1号に説明される並列同調AC処理ピックアップでは、ACスイッチは、共振インダクタと直接的に並列であり、したがってピーク共振インダクタ電流およびピーク負荷電圧を乗り切るように定格されなければならない。したがって、
【数3】
となるように回路が動作するように設計されていると仮定すると、
【数4】
つまりスイッチが定格されなければならないVA積は
【数5】
・
,となり、
【数6】
をわずかに超えている。しかしながら、ACスイッチの目的は、回路Qを制御することである。
【数7】
以上が、AC負荷と並列でスイッチを通って流れることができる場合、回路Qは低下する。
【数8】
未満が、AC負荷と並列でスイッチを通って流れることができる場合、回路Qは上昇する。したがって、スイッチの最小VA定格は、ピックアップの最大出力電圧
【数9】
で乗算される、少なくとも短絡電流でなければならない。したがって、両方のスイッチのVA定格は、電力制御に必要とされる最小スイッチ定格の
【数10】
倍である。
【0006】
必要とされるピークスイッチ電圧および電流の定格を削減できる回路トポロジを提供することが有利となるだろう。
【0007】
スイッチ応力を削減するIPTシステム用のピックアップ回路と関連してピックアップ回路用の接続で装置または方法を提供することが、本発明の目的である。代わりに、既知の装置または方法に対する有用な代替策を少なくとも提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、選択された動作周波数で、一次導体から電力を受け取るための非接触給電(IPT)ピックアップ回路を提供し、回路は
ピックアップコイルおよび補償コンデンサと、
動作可能な状態と動作不可能な状態との間で制御可能なスイッチ手段と、
複数の追加のリアクタンス素子であって、スイッチ手段が動作可能な状態または動作不可能な状態の内の一方であるときに、追加のリアクタンス素子が、選択された動作周波数で共鳴し、ピックアップ回路の出力に供給されている電力を実質的に削減するまたは妨げる、追加のリアクタンス素子と、
を有する。
【0009】
好ましくは、スイッチ手段は、動作可能な状態または動作不可能な状態の他方となり、電力が負荷に供給される。好ましくは、スイッチ手段は、動作可能な状態または動作不可能な状態の他方であり、ピックアップコイルおよび補償コンデンサは共鳴する。
【0010】
スイッチ手段が動作可能な状態または動作不可能な状態の他方であるとき、補償コンデンサおよび複数のリアクタンス素子の内の少なくとも1つは、ともに共鳴する。
【0011】
一実施形態では、ピックアップコイルおよび補償コンデンサは並列で接続される。好ましくは、出力は、補償コンデンサと並列で提供される。
【0012】
好ましくは、複数の追加の無効成分は、直列で接続されるコンデンサおよびインダクタを含む。
【0013】
好ましくは、直列で接続されたコンデンサおよびインダクタは、ピックアップコイルおよび補償コンデンサと並列で接続される。
【0014】
スイッチ手段は、コンデンサと並列で接続される。好ましくは、出力は整流器を含み、DC電源を提供する。
【0015】
一実施形態では、ピックアップコイルおよび補償コンデンサは、直列で配列される。好ましくは、出力は補償コンデンサと直列で提供される。
【0016】
好ましくは、複数の追加の無効成分が、並列で接続されるコンデンサおよびインダクタを含む。好ましくは、並列で接続される導体およびインダクタは、ピックアップコイルおよび補償コンデンサと直列で接続される。
【0017】
好ましくは、スイッチ手段は、インダクタと直列で接続される。好ましくは、追加の補償コンデンサはインダクタと並列で接続されて、ピークスイッチ電圧を削減する。
【0018】
好ましくは、出力は整流器を含み、DC電源を提供する。
【0019】
追加の態様では、本発明は、上記説明の内の任意の1つにかかるピックアップ回路を含むIPTシステムを提供する。
【0020】
追加の態様では、本発明は、ピックアップコイルおよび補償コンデンサを有する非接触給電(IPT)ピックアップ回路を制御する上での方法を提供し、方法は、1つまたは複数の追加の無効成分が共鳴させるためにスイッチ手段を操作して、それによって負荷に対する電力供給を制御するステップを含む。
【0021】
好ましくは、方法は、スイッチ手段を動作可能な状態または動作不可能な状態の一方にして、無効成分を共鳴させ、実質的に、ピックアップ回路の出力供給される電力を妨げるようにすることを含む。
【0022】
好ましくは、方法は、スイッチ手段を動作可能な状態または動作不可能な状態の他方にして、負荷に対する電力を生じさせることを含む。
【0023】
好ましくは、方法は、スイッチ手段を動作可能な状態または動作不可能な状態の他方にして、ピックアップコイルおよび補償コンデンサを共鳴させ、負荷に電力を供給することを含む。
【0024】
別の態様では、本発明は、選択された動作周波数で一次導体から電力を受け取るための非接触給電(IPT)ピックアップ回路を提供し、回路は、
ピックアップコイルと、
ピックアップコイルと直列で接続される同調コンデンサと、
動作可能な状態と動作不可能な状態との間で制御可能であり、ピックアップ回路への電力の移動を制御するスイッチ手段と、
ピークスイッチ電圧を削減するためにピックアップコイルと並列で接続される補償コンデンサと、
を有する。
【0025】
好ましくは、補償コンデンサは、スイッチが動作不可能な状態にあるときに動作周波数でピックアップコイルと共鳴しない。好ましくは、スイッチ手段は、ピックアップコイルと直列で接続される。
【0026】
好ましくは、ピックアップ回路によって供給される負荷は、ピックアップコイルと直列で接続される。
【0027】
本発明の追加の態様は、以下の説明から明らかになる。
【0028】
本発明の1つまたは複数の例は、以下に、添付図面を参照して後述される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図5から
図11、
図14、および
図15に示される図は、それらが関係する回路の根本的なモデル図から引き出された。したがって、波長は切り替え過渡電流からの高調波を経験する可能性がある実際的な回路ではわずかに異なることがある。
【0031】
本書に、スイッチ応力を引き下げる2つの新しいコントローラトポロジが提案されている。一方は、WO第2010/030195A1号に説明されるAC処理コントローラの並列同調ケースに適用可能である。他方は、WO第2011/046453号に説明される
図2のものとのような直列同調回路に適用可能である。Q
2=5の共鳴同調係数で、現実的なIPTシステム要件を満たすために印加されるとき、新しいトポロジは、スイッチVA定格を、従来のAC処理調節器と比較して3.8倍以下低下させる。提案されているトポロジの下では、スイッチブロック電圧は、必要とされる出力電圧に関係なく設計者によって制御可能である。5を超えるQ
2の値の場合、相対的なスイッチ応力はさらに下がる。
【0032】
WO第2010/030195A1号およびWO第2011/046453号のACピックアップにおいてとは異なり、提案されている並列共鳴コントローラおよび直列共鳴コントローラからのAC出力電圧も正弦関数である。したがって、負荷全体でのRF1および高調波歪みも削減する。
【0033】
提案されている並列同調共鳴コントローラは、ACスイッチがオフであるときにはゼロ出力で動作するのに対し、提案されている直列同調共鳴コントローラは、ACスイッチがオフであるとき最大電力で動作し、これがこのトポロジで
図2の効率を超えるその効率を改善する。
【0034】
DCインダクタが必要とされていないため、新しい直列同調共振コントローラは、当然、より低いDC出力のための標準的な並列同調ピックアップで可能であるよりもより小さくより費用効果が高いDC出力ピックアップ設計を生じさせるが、両方のトポロジとも、制御DC出力を可能にするように構成できる。
改良されたAC制御並列同調共振コントローラ
【0035】
損失が最低の実際的なスイッチを使用して提案されているピックアップ回路の出力を調節するために、かかる高圧および高電流にスイッチをさらさない、上述されたAC処理回路に対する変形が本明細書に提案されている。並列同調ピックアップコイルに適用可能なかかる回路の一例が、
図3に示されている。当業者は、スイッチ応力を削減する潜在的に多くの異なる構成があることを理解する。ただし、概念が明確に理解され得るようにただ1つの例だけがここで説明され、本書の残りでは「並列同調共振コントローラ」と呼ばれる。このコントローラは、
図3のS
1、S
2、D
1およびDから構成されるACスイッチに基づいており、共振コンデンサ(この場合はC
3)を固定させる方法を使用して、WO第2010/030195A1号に説明されるような隣接するインダクタ‐コンデンサ対(L
3およびC
3)のインピーダンスを変更する。
【0036】
以下の説明は、
図3の回路がどのようにして機能するのかを説明する。ここで、L
2は、VLFからLFの範囲の周波数(通常は、中出力用途から高出力用途の10から140 KHz)で動作する、トラック(不図示)のようなIPT一次導体に緩やかに結合されているピックアップインダクタである。ピックアップインダクタL
2は、後述される補償コンデンサC
2 およびL
3を使用するトラック周波数で共鳴するように同調され、したがってL
2が共鳴するとき、電力は一次導体からピックアップ回路に給電される。
【0037】
図3のL
3およびC
3が、トラック周波数で共振に同調される追加のリアクタンス素子である場合、ACスイッチが開回路として残されるときに、L
3およびC
3は共鳴し、ピックアップインダクタL
2全体で短絡を形成することがわかる。この効果的な短絡回路が発生する場合、負荷(R
2)に届けられる電力はゼロになる。
図3の補償コンデンサC
2が、それが、トラック周波数でL
2およびL
3の結合された並列インピーダンスと共鳴するように選ばれる場合、ACスイッチが短絡される場合、並列共振タンクによってみられるL
3、C
3およびACスイッチの結合されたリアクタンスが、単にX
L3(つまり、L
3のリアクタンス)となることを観察できる。したがって、C
2、L
2およびL
3の結合された並列インピーダンスがトラック周波数で共鳴するため、負荷に届けられる電力は最大となる。したがって、ACスイッチが動作可能な(つまり、閉)状態にあるときに、電力は負荷に供給される。ACスイッチが動作不可能な(つまり、開)状態にあるとき、電力は一次導体から給電されず、したがって電力は負荷には供給されない。つまり、少なくとも負荷(つまり、出力)に対する電力の供給は実質的に削減または妨げられる。
【0038】
DC出力が所望される場合には、回路は、インダクタL
DCおよびC
DCの形で出力フィルタとともに同調コンデンサC
2全体で整流器を追加することによって
図4に示される回路に改良できる。
【0039】
図4の回路の模擬操作は、
図5に示され、出力はトラック周波数(T/2)の各半サイクルでスイッチのそれぞれがオンになる時間を変えることによって変えられる。スイッチがオンのままであるこの時間が、理論上は0からT/2に変化することがあるクランプ時間(T
c)と呼ばれる。このシミュレーションでは、トラック周波数は、25μsが理論上の最大クランプ時間を表すように20 kHzに設定される。クランプ時間がゼロである場合、負荷には電力は送達されない。一方、完全クランプ時間では、負荷に最大電力が利用できるようになる。
図5に示されるように、T
cは当初最大であり、ゆっくりとゼロ近くまで削減され、次いで最大近くまで勾配を付け直し、電力を変えることを可能にする。当初、完全電力が出力され、その後コントローラは半電力まで下方に勾配を付け、次いでゼロ電力まで下方に勾配を付け、次いで完全電力まで勾配を付け直す。出力が損害なく急速に増加できる一方、出力が無制御に急速に減少する場合、高い過渡電流スイッチ電圧が生じる。適切なスルーレートで電圧に勾配を付けると、
図5に示されるようにこの問題は排除され、照明制御の目的で、かかるスルーレートは、50Hz本線周波数で動作する照明コントローラで可能となるよりもはるかに高速で光出力の制御された削減を可能にすることに留意されたい。
【0040】
提案されている並列同調共振コントローラの特別の優位点は、それが、スイッチがオフである時にゼロ出力で動作する、つまりIPTシステムが最初にオンにされる起動期間中、コントローラは、共振電圧が抑えきれずに増大することなく、起動するためにそれが要するほど多くの時間を有するという点である。また、並列同調共振コントローラは当然、スイッチがオフ状態にあるときにピックアップを減結合するので、当然のことながらコントローラが故障してもそれは安全である。さらに、提案されている並列同調共振コントローラの出力電圧は、
図1の標準並列同調AC処理コントローラとは異なり、完全に正弦関数である。つまり、ピーク負荷電圧は所与のRSM値よりも低く、RFIは削減されることを意味する。
図6は、負荷全体での圧力が、クランピング制御のために歪められるとしても、正弦関数であることを示している。
図7および
図8は、それぞれ1.2 kWのPhillips 240舞台照明を駆動している、V
oc=85VおよびI
sc=6Aを有する共通のピックアップからきわめて抵抗動作する
図1の既知のコントローラと
図3の提案されている制御の動作の違いを示している。
図7に示されるように、
図1の回路から操作されるとき、スイッチ電圧および出力AC電圧は必ず同じであり、スイッチのクランプ動作のために電圧および電流には顕著な歪みがある。
図8は、
図3の回路の動作の下でのこのライト全体の同一出力RMS電圧のある動作を示す。示されているように、電圧または電流のどちらにも顕著な歪みはない。
【0041】
図3の提案されている並列同調共振コントローラ回路の実際的な欠点は、ここでは
【数11】
に比例しているとして示されているインダクタの体積と、スイッチに必要とされるブロック電圧定格とのトレードオフである。回路が完全出力を届けているケースを考える。ACスイッチのため、C
3は完全に短絡し、したがって同等な回路は並列でL
2、L
3、C
2およびR
2 から成り立つ。したがって、
【数12】
である。このようにして、
【数13】
であり、所与のV
o は負荷依存である。一方、ωは通常、IPT設計の要求事項に応じて固定され(両方に設計者の制御を大きく超えさせ)、
【数14】
は、
【数15】
を増加させることによって削減できる。ただし、L
3が増加するにつれて、シミュレーションは、
【数16】
(したがってスイッチ電圧
【数17】
)も増加する。最大
【数18】
の最大
【数19】
に対する比率は、以下の比率を使用して設計によって選ぶことができる。
【数20】
【0042】
K
L がスイッチ回路および電圧に与える影響は、それぞれ
図9および
図10に示される。
図9は、Qで固定されたK
Lの多様な値についてピックアップ短絡電流に比して正規化されるスイッチ電流定格を示す。
図10は、Qの多様な値についてピックアップ開回路電圧に比して正規化されたスイッチ電圧定格を示す。ここで、
図10(a)は、K
L=1を有するのに対し、
図10(b)は、値K
L=5を有する。示されているように、最大定常状態値が(動作Qとは関係なく)
【数21】
として与えられるのに対し、Q=3である
図9から、定常状態スイッチ電流
【数22】
が示される。したがって、K
Lは、スイッチ電圧および電流が、所与の用途について適切に使用可能なスイッチに適合できることを保証するために有用である。
図11は、K
L=3 ~ Q
2maxであり、それが1.2 kWライトに制御されている出力を提供しているときに、
図3のこの新しい回路の制御された動作を示す。予想されるように、スイッチ電流はI
scに類似したままである。
【0043】
例として、
図4のDC出力トポロジに基づいた回路が必要とされ、400V DC出力で以下のパラメータ、つまりf = 20 kHz、
【数23】
、P
o =2 kWを満たすために設計され、次いで既知の実際的なピックアップがL
2=157μH、V
oc=88.9VおよびI
sc=4.5Aを有すると仮定する場合、これらの仕様から、必要とされるQ
2=5であることが計算できる。L
3がL
2に等しいと設定される場合、L
3の
【数24】
定格はL
2の定格に等しくなる。シミュレーションに従って、ピークスイッチ電圧は次いで~166Vとなり、ピークスイッチ電流は32.5Aとなり、スイッチの総VA定格は少なくとも5.4 kVAである。実際的な高出力スイッチは、通常、電流定格よりも優れた電圧ブロック機能を有し、したがって低電圧であるが、高電流のスイッチを必要とする設計は望ましくない。スイッチブロック電圧(V
DS)およびピックアップコイル(V
C2)全体での共振電圧は、さまざまな出力レベルで
図4に示されるとおりである。ピークスイッチ電流は、I
L3を通って流れるピーク電流と同じである。 L
3=L
2 Q
2となるように設計を変更することによって、ピークスイッチ電圧は、それが
図1の従来のAC処理ピックアップ回路においてなるものであるほぼピークAC負荷電圧に変化する。しかしながら、ピークスイッチ電圧が648Vに上昇する一方で、ピークスイッチ電流は8.6Aに降下し、L
3の体積はL
2の体積の2.5倍少なく降下する。スイッチのVA定格は、最後の例に類似して現在5.6VAである。 従来の並列同調を使用する同じパラメータを満たすために、
図1のAC処理回路は、少なくとも
【数25】
、つまり628Vのスイッチ電圧定格を必要とする。ピークスイッチ電流定格は、
【数26】
、つまり32.4Aとなる必要があるだろう。したがって、スイッチの総VA定格は、少なくとも20.3 kVA、つまり図の共振コントローラ使用時よりも約3.8倍高くならなければならない。その結果、新規に提案されている回路のスイッチのVA定格は、大幅に下がり、所望されるスイッチ電圧はここで、インダクタ率
【数27】
の適切な選択によって出力電圧と無関係に設定できる。
改良されたAC制御直列同調共振コントローラ
【0044】
また、WO第2011/046453号に説明されるような
図2に示される直列同調AC処理コントローラは、ピークスイッチ電圧および電流の要件を削減するためにも改良できる。かかる改良されたコントローラの例は
図12に示され、ここでは「直列同調共振コントローラ」と呼ばれる。
【0045】
以下の説明は、
図12の回路がどのようにして機能するのかを説明する。ここで、L
2は、VLFからLFの範囲の周波数(通常は、中出力用途から高出力用途の10から140 KHz)で動作する、トラック(不図示)のようなIPT一次導体に緩やかに結合されているピックアップインダクタである。ピックアップインダクタL
2は同調され、以下にさらに説明されるように補償コンデンサC
2およびC
3を使用してトラック周波数で共振し、したがってL
2が共鳴するとき、電力が一次導体からピックアップコイルに給電される。
【0046】
インダクタL
3およびコンデンサC
3は、追加の無効成分である。インダクタL
3がトラック周波数でC
3と共鳴するように選ばれると仮定する。S
1、S
2、D
1およびD
2から構成されるACスイッチがオンであるケースを考える。C
3およびL
3は、トラック周波数で並列共振回路を形成するため、回路の残りに対してはともに開回路として表され、それによって負荷に送達される電力をゼロに削減する。ここで、コンデンサC
2が、それが、コンデンサC
3およびピックアップインダクタL
2と直列であるときにトラック周波数で共鳴するように選ばれると仮定する。ACスイッチがオフであるとき、インダクタL
3は回路の残りから切断され、C
2、C
3およびピックアップインダクタL
2がトラック周波数で共振するため、負荷に送達される電力は最大となる。したがって、この実施形態では、ACスイッチが動作不可能(つまり開)状態にあるとき、電力が負荷に印加される。ACスイッチが動作可能な(つまり閉)状態にあるとき、電力は一次導体から給電されず、したがって電力は負荷に供給されない、または負荷(つまり出力)に対する電力の供給は実質的に削減される、または妨げられる。
【0047】
上記に提案された並列同調共振コントローラにおいてのように、DC出力は、この場合、AC負荷の代わりにDCコンデンサが後に続く整流器を追加することによって、この回路から生じさせることができる。これは直列同調システムであるため、DCインダクタは必要とされない。このDC出力構成は、
図13に示される。
【0048】
220 V、1200 W AC負荷に電力を供給する、提案されている直列同調共振コントローラに基づく回路が、設計され、シミュレーションできる。タングステン‐ハロゲン白熱球によってそれらがオンになるときに必要とされる過渡的に高い電流のため、直列同調IPTピックアップは、並列同調回路よりもこれらの負荷を駆動するためにより適用可能であってよい。ただし、標準直列同調AC処理ピックアップの標準的な電圧が
【数28】
であるため、
図2の標準直列同調AC処理トポロジは高出力電圧が必要とされる用途には特に適していない。ただし、
図12の改良された回路は、この問題を克服する。
【0049】
例として、直列同調回路が以下の仕様、つまりVoc=220 V、Isc=1.09Aを有するピックアップインダクタL2=1.61 mHを使用して220V AC出力で、f=20kHz ピックアップコイルP
Su=240VA、P
o=1.2 kWを満たすために舞台照明に電力を供給するように設計され、次いでこれらの仕様を使用する場合、Q
2=5であると決定できる。シミュレーションに従って、C
3=QC
2,の場合、インダクタL
3の
【数29】
定格は、ピックアップインダクタコイルL
2の3.6倍小さくなる。その結果、L
3はL
2よりも~3.6倍少ない体積を有する。結果が
図14に示されるシミュレーションに従って、ピーク電圧は386Vとなり、ピークスイッチ電流は9.5Aとなる。したがって、スイッチの総VA定格は、少なくとも3.7 kVAでなければならない。実際、率K
c=C
2/C
3は、スイッチ電圧(
図15(b))に影響を及ぼさずに
図15(a)に示されるように定常状態動作の下で必要とされる最大スイッチ電流を調整するために選ぶことができる。ただし、RMS項I
sw=(K
c+1)I
scでは、ピークスイッチ電流は
【数30】
である。
【0050】
図2の従来の直列同調AC処理ピックアップ回路を使用して同じパラメータを満たすために、ピークスイッチ電圧は少なくとも
【数31】
となるだろう。スイッチ電流定格は、>Q
2I
sc=5.45Aとなる必要があるだろう。したがって、スイッチの総VA定格は、少なくとも8.7 kVA、つまり
図12の直列同調共振コントローラが使用される場合よりも2.4倍高くならなければならない。IPT用途に必要とされるVLF周波数で動作する一方、1.59kVをブロックできるスイッチは、
図2のかかる標準直列同調AC処理回路が提案されている仕様を満たすために適していないように、通常は実際的ではない。しかしながら、並列同調のケースでのように、
図12の直列同調コントローラは適切である場合がある。
図12は、スイッチがオフであるときに完全電力で動作するのに対し、スイッチがオンであるとき、スイッチ電流は相対的に小さい。その結果、提案されているピックアップの効率は、
図2の標準直列同調AC処理ピックアップよりも高くならなくてはならない。
【0051】
提案されている並列同調共振コントローラの場合と同様に、ピークスイッチ電圧とインダクタL
3の体積およびコストとの間にトレードオフがある。ただし、
図13の回路に示されるようなDC出力用の直列同調共振コントローラトポロジを使用しているとき、数百ボルトの出力が、過剰なスイッチブロック電圧を必要とせずに生じてよい。DCインダクタは直列同調ピックアップからDCを生じさせることを要求されていないため、L
3の任意の追加のサイズおよびコストは、DCインダクタの欠如によって部分的にまたは完全に相殺され得る。
直列共振回路で過渡電流を最小限に抑える
【0052】
上述されたように、
図12の出力電圧は、
図2の標準並列同調AC処理コントローラの出力電圧とは異なり、完全に正弦関数である。つまり、ピーク負荷電圧は、所与のRMS値よりも低く、RFIは削減される。切り替え電圧発振およびRFIは標準直列同調AC処理回路にとって特定の問題であり、ここでも同様に対処される必要がある。オフ状態スイッチのボディーダイオードが逆バイアスするときに、標準直列同調ACコントローラ(
図2)のターンオフが発生する。この点で、ダイオードの逆回復電流は、ピックアップインダクタコイルL
2を通って流れ始めるが、逆回復充電が枯渇するにつれ、急速にゼロに降下する。ピックアップインダクタを通るこの大きなδi/δt によって、ACスイッチのブロック半分全体で正の電圧スパイクが引き起こされる。電圧スパイクは、次いで、スイッチのキャパシタンスがピックアップインダクタC
DSと共鳴するにつれて、スイッチブロック電圧V
DSで高周波発振を誘発する。これはEMIを生じさせるだけではなく、スイッチ全体に存在するピーク電圧を大幅に上昇させる。スイッチの両方全体での単純なRCスナバは、この問題を矯正できるが、スナバの抵抗損失がピックアップの効率を削減する。
【0053】
新規の無損失手法は、
図16に示される直列同調コンデンサの前の最低限の量の電圧ブーストでピックアップインダクタを並列同調することである。これは、逆回復電流に、ピックアップインダクタコイル全体で低いインピーダンスの経路を与え、ACスイッチがオフになると電圧スパイクおよび発振を最小限に抑える。シミュレーションは、これが、ピークスイッチ電圧を最小限に抑えることによって効果的なスナバとして機能することを示す。シミュレーションで使用されるように、提案されている追加の並列補償コンデンサ(C
2P)(ACスイッチがオフであるとき、つまり開いている、つまり動作不能である時に動作周波数でピックアップコイルL
2 と共鳴しない)のインピーダンスは、−10X
L2に設定され、10%の電圧ブーストを生じさせた。実際には、このコンデンサの追加がL
2の効果的なインダクタンスを変更させ、これは回路内の他の同調成分の設計で考慮に入れらなければならない。C
2P=−10X
L2,の場合、C
2Pの存在を考慮に入れる効果的な新しい二次インダクタンス(L
2’)は、L
2’= 1.1L
2である。
【0054】
ここで概略されるスイッチブロック電圧発振問題は、
図12の提案されている直列同調コントローラのL
3にも当てはまるが、問題は、追加のコンデンサの使用によって緩和することができ、スイッチの選択で追加の自由を可能にし、結果的にスイッチ電圧およびVA要件を引き下げることができる。
【0055】
図17および
図18は、それぞれ
図12および
図13のトポロジであるが、インダクタL
3と並列の補償コンデンサC
L3Pを備えたトポロジを示す。先行する段落で説明されたように、C
L3Pは、ACスイッチが開かれているときにインダクタL
3を通る電流の経路を提供し、したがってスナバに対する必要性を回避する。たとえば、非共振並列コンデンサC
L3Pは、インダクタL
3のリアクタンスのほぼ10倍であるリアクタンスを有することがあり、したがってこれらの並列成分の結合されたリアクタンスは、誘導的であり、L
3のリアクタンスのほぼ110%である。
【0056】
上記から、本発明が、回路制御および効率において、ならびにスイッチ応力を最小限に抑える上でかなりの優位点を提供することがわかる。さらに、上記説明は、より多くのリアクタンス素子の内の1つと組み合わせてACスイッチを使用してピックアップ回路を制御して、制御された可変リアクタンス素子を達成することに焦点を当てているが、他の構成も可能である。たとえば、「飽和可能なインダクタ/リアクタ」を使用する、またはたとえばリレーを使用して二進重み付きコンデンサを切り替える等、可変リアクタンスを生成する構成も誘導移動の分野の中で既知である。本書に説明されるインダクタ/コンデンサ同調分岐もこれらの他の構成に適用可能であり、ACスイッチで回路を同調するときと類似したまたは同じ優位点を生じさせることがある。
【0057】
新しい回路は、かなり負荷全体で高調波歪みを。例は、照明負荷の場合の所与の出力の総高調波歪みのレベルを示す
図19に示される。線1は、標準的な商用調光器回路を表す。線2は、
図1のトロポジを使用する並列同調ピックアップ回路の使用を表す。非常に低いレベルの歪みを表す線3は、
図3のトポロジのような、本書に開示される新しい並列同調ピックアップトポロジの使用を表す。
【0058】
さらに、当業者は、WO第2010/030195号に説明された既知の回路がトラックにかかる容量負荷を反映するのに対し、本書に説明される回路がトラックの上への誘導負荷を反映していることを理解する。これらの無効負荷は、全体的なIPTシステムの同調態様を制御するために使用され得る。一例では、異なるピックアップ回路トポロジが別々のピックアップで使用され、所望される結果を達成し、それによって反映されたリアクタンスが効果的に互いを調子はずれにする。
【0059】
当業者は、WO第2010/030195号に説明される回路と同様に、本書に説明される新しい回路が、回路のQも制御する、および/または微調整できるようにすることも理解する。
【0060】
上記から、本書に説明される現在好ましい実施形態の変更形態に対する多様な変更は当業者に明らかになることがわかる。変更形態でのかかる変更は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、およびその意図される優位点に大きさを示すことなく加えられてよい。したがって、かかる変更および修正が本発明の中に含まれることが意図される。