特許第6133865号(P6133865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6133865娯楽装置及びゲームのリスクに関するプログラム間連絡又はプロセス間通信を用いる電気コンピュータ及びデジタル処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133865
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】娯楽装置及びゲームのリスクに関するプログラム間連絡又はプロセス間通信を用いる電気コンピュータ及びデジタル処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20170515BHJP
【FI】
   G06Q50/34
【請求項の数】25
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-527271(P2014-527271)
(86)(22)【出願日】2012年8月22日
(65)【公表番号】特表2014-533385(P2014-533385A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】US2012051903
(87)【国際公開番号】WO2013028780
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】61/526,050
(32)【優先日】2011年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506361856
【氏名又は名称】シーエフピーエイチ, エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】フラハーティ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ガールード,アンドリュー
【審査官】 木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0177862(US,A1)
【文献】 特表2004−513409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の命令を記憶している非一時的な機械可読媒体を含む機器であって、前記命令は計算装置によって実行されるとき、
第1の賭博会場により二者間賭博提案の各サイドに賭けられる金額を算出すること、
第2の賭博会場により前記二者間賭博提案の各サイドに賭けられる第2の金額を算出すること、
第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャのレベルを算出することであって、前記リスクエクスポージャのレベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方により賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャのレベルを算出することを含むこと、
前記二者間賭博提案の第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの相殺レベルを算出することであって、前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方によりに賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することを含むこと、
前記リスクエクスポージャのレベル及び前記リスクエクスポージャの相殺レベルに基づき、リスクエクスポージャの合計レベルを算出すること、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定すること、及び
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定することに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルの少なくとも一部を負担軽減する為のヘッジ取引を促進すること
を前記計算装置に行わせる、機器。
【請求項2】
前記ヘッジ取引を促進することが、前記第1の賭博会場及び前記第2の賭博会場と異なる第3の賭博会場に対して賭博活動に参加するよう命令することを含み、その結果前記第1の、第2の、及び第3の賭博会場にわたるリスクの合計が前記賭博活動後に閾値レベルを下回る、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記ヘッジ取引が、1つ又は複数の賭博の責任を第3の賭博会場に売ることを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記ヘッジ取引が、賭けを売買することができる取引所を介して注文することを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項5】
前記ヘッジ取引が、第3の賭博会場と共に賭けを開始することを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記ヘッジ取引を促進することが、前記第1及び第2の賭博会場と異なる第3の賭博会場に対して賭博活動に参加するよう命令することを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項7】
ヘッジ取引を促進することが、前記リスクエクスポージャの合計レベルを減らす取引が前記第1の賭博会場の管轄区内で合法かどうかを判定し、前記取引が合法である場合は前記取引にローカルに参加し、前記取引が合法でない場合、前記リスクエクスポージャの合計レベルを別の管轄区内の集中的権限に、前記集中的権限が前記取引に参加できるように伝達することを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項8】
前記集中的権限を更に含み、前記集中的権限は様々な賭博会場から賭博提案に関する複数のリスクレベルを受け取り、前記様々なリスクレベルを合計し、前記合計したリスクのヘッジングを促進するように構成される、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記ヘッジ取引を促進することが、第3の賭博会場及び第4の賭博会場の両方を前記ヘッジ取引に参加させようと試みることを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項10】
前記計算装置に、前記第3の賭博会場は前記ヘッジ取引の一部に参加していると判定させ、前記ヘッジ取引の残りの部分に参加する試みだけを含めるように前記第4の賭博会場による前記試みを調節する、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
各サイドに賭けられる前記金額を算出することが、前記金額を示す報告を前記第1の賭博会場から受け取ることを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項12】
前記第1の賭博会場の第1の管轄区によって許可されている方法で前記報告が伝送され、前記第2の賭博会場によって賭けられる前記第2の金額が、第2の管轄区内で許可されているが前記第1の管轄区では許可されていない異なる方法で前記第2の管轄区内の前記第2の賭博会場から受け取られる、請求項11に記載の機器。
【請求項13】
前記リスクエクスポージャのレベルが、賭博提案の前記第1のサイドが勝者側である場合に前記第1及び第2の賭博会場が払い戻す責任を負う金額を含む、請求項1に記載の機器。
【請求項14】
前記二者間賭博提案は、スポーツイベントにおける固定されたオッズの賭博を含む、請求項1に記載の機器。
【請求項15】
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定することに応答し、前記計算装置が、異なるオッズで前記二者間賭博提案を提供するように前記第1の賭博会場及び前記第2の賭博会場に命令させられる、請求項1に記載の機器。
【請求項16】
第1の賭博会場により二者間賭博提案の各サイドに賭けられる金額を算出するステップと、
第2の賭博会場により前記二者間賭博提案の各サイドに賭けられる第2の金額を算出するステップと、
第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャのレベルを計算装置によって算出するステップであって、前記リスクエクスポージャのレベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方により賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャのレベルを算出することを含むステップと、
前記二者間賭博提案の第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの相殺レベルを前記計算装置によって算出するステップであって、前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方によりに賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することを含むステップと、
前記リスクエクスポージャのレベル及び前記リスクエクスポージャの相殺レベルに基づき、リスクエクスポージャの合計レベルを前記計算装置によって算出するステップと、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると前記計算装置によって判定するステップと、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定するステップに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルの少なくとも一部を負担軽減する為のヘッジ取引を前記計算装置によって促進するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
複数の命令を記憶している非一時的な機械可読媒体を含む機器であって、前記命令は計算装置によって実行されるとき、
第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを受け取ること、
第2の賭博会場において前記第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを受け取ること、
第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを受け取ること、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとを合計し、前記第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを算出すること、
前記リスクエクスポージャの合計レベルを算出することに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺賭博取引に参加するよう第4の賭博会場に命令すること
を前記計算装置に行わせる、機器。
【請求項18】
第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを計算装置によって受け取るステップと、
第2の賭博会場において前記第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを前記計算装置によって受け取るステップと、
第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを前記計算装置によって受け取るステップと、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとを合計し、前記第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを前記計算装置によって算出するステップと、
前記リスクエクスポージャの合計レベルを算出するステップに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺賭博取引に参加するよう第4の賭博会場に前記計算装置によって命令するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間リスク提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを算出するように構成される第1のリスクモジュールと、
第2の賭博会場において前記第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間リスク提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを算出するように構成される第2のリスクモジュールと、
第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間リスク提案の前記第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを算出するように構成される第3のリスクモジュールと、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとを合計し、前記第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを算出し、前記リスクエクスポージャの合計レベルを算出することに応答し、リスク相殺モジュールに命令して前記リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺リスク取引に、第4の賭博会場を参加させるように構成されるリスクマネージャと
を含む、機器。
【請求項20】
第1の賭博会場により二者間リスク提案の各サイドに賭けられる金額を算出し、第2の賭博会場により前記二者間リスク提案の各サイドに賭けられる第2の金額を算出し、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間リスク提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャのレベルを算出し、前記二者間リスク提案の第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間リスク提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの相殺レベルを算出し、前記リスクエクスポージャのレベル及び前記リスクエクスポージャの相殺レベルに基づき、リスクエクスポージャの合計レベルを算出するように構成される第1のリスクモジュールであって、前記リスクエクスポージャのレベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方により賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャのレベルを算出することを含み、前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することが、前記第1及び第2の賭博会場の両方によりに賭けられる金額に基づいて前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することを含む、第1のリスクモジュールと、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定し、前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定することに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルの少なくとも一部を負担軽減する為のヘッジ取引を促進するように構成されるリスクマネージャと
を含む、機器。
【請求項21】
前記リスクエクスポージャのレベルを算出することは、前記第1及び第2の賭博会場の両方により前記第1のサイドに賭けられる金額からリスクを合計することを含み、
前記リスクエクスポージャの相殺レベルを算出することは、前記第1及び第2の賭博会場の両方により前記第2のサイドに賭けられる金額からリスクを合計することを含み、及び、
前記リスクエクスポージャの合計レベルを算出することは、前記リスクエクスポージャのレベルから前記リスクエクスポージャの相殺レベルを減算した絶対値を算出することを含む、
請求項1に記載の機器。
【請求項22】
前記機器は、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定すること、及び、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定することに応答し、前記第4の賭博会場が前記相殺賭博取引に参加するよう命令されること、を行わせる、
請求項17に記載の機器。
【請求項23】
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定するステップ、及び、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定するステップに応答し、前記第4の賭博会場が前記相殺賭博取引に参加するよう命令するステップ、を含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記リスクマネージャは、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定し、及び、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが前記閾値を上回ると判定することに応答し、前記リスク相殺モジュールが前記相殺リスク取引に参加するよう命令される、ように構成されている、請求項19に記載の機器。
【請求項25】
複数の命令を記憶している非一時的な機械可読媒体を含む機器であって、前記命令は計算装置によって実行されるとき、
第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを受け取ること、
第2の賭博会場において前記第1のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを受け取ること、
第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、前記二者間賭博提案の前記第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを受け取ること、
前記第1のレベルと前記第2のレベルとを合計し、前記第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを算出すること、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定すること、
前記リスクエクスポージャの合計レベルが閾値を上回ると判定することに応答し、前記リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺賭博取引に参加するよう第4の賭博会場に命令すること
を前記計算装置に行わせる、機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照により本明細書に援用する、2011年8月22日に出願された米国仮特許出願第61/526,050号明細書の優先権を主張する。
【0002】
一部の実施形態は賭博に関する。
【背景技術】
【0003】
カジノは、1人又は複数のプレーヤに賭博を提供することがある。ゲームの中には、1人のプレーヤによって賭けが行われるものがあり、複数のプレーヤによって賭けが行われるものもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一部の実施形態による、ハンドリーディングシステムの構成要素のブロック図を示す。
図2】一部の実施形態による、ゲームをする為の機器を示す。
図3】一部の実施形態による方法の一例を示す。
図4】一部の実施形態による方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に記載する様々なプロセスを、例えば適切にプログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、及び計算装置によって実施できることが当業者には容易に明らかになる。典型的には、プロセッサ(例えば1個又は複数個のマイクロプロセッサ、1個又は複数個のマイクロコントローラ、1個又は複数個のデジタル信号プロセッサ)が(例えばメモリ等の装置から)命令を受け取り、それらの命令を実行し、それによりそれらの命令が定める1つ又は複数のプロセスを実行する。命令は、例えば1つ又は複数のコンピュータプログラム、1つ又は複数のスクリプトによって具体化することができる。
【0006】
「プロセッサ」は、そのアーキテクチャ(例えばチップレベルマルチプロセッシング/マルチコア、RISC、CISC、パイプラインステージがインターロックされないマイクロプロセッサ、パイプライン構成、同時マルチスレッディング)に関係なく、1個又は複数個のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、計算装置、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ若しくはそのような装置、又はそれらの任意の組合せを意味する。
【0007】
従ってプロセスについての記述は、同様に、そのプロセスを実行する為の機器についての記述である。プロセスを実行する機器は、例えばプロセッサ、並びにプロセスを実行するのに適した入力装置及び出力装置を含むことができる。
【0008】
更に、かかる方法を実装するプログラム(並びに他の種類のデータ)は、多岐にわたる媒体(例えばコンピュータ可読媒体)を用いて幾つもの方法で記憶し伝送することができる。一部の実施形態では、様々な実施形態のプロセスを実施可能なソフトウェア命令の一部又は全ての代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路又はカスタムハードウェアを用いることができる。従って、ソフトウェアだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの様々な組合せを用いることができる。
【0009】
用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ、プロセッサ、又は同様の装置が読み取ることができるデータ(例えば命令、データ構造)を与えることに関与する任意の媒体、複数の媒体、又は様々な媒体の組合せを指す。かかる媒体は、これだけに限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形態を取ることができる。不揮発性媒体には、例えば光学ディスク又は磁気ディスク、及び他の永続メモリが含まれる。揮発性媒体には、典型的にはメインメモリを構成するダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)が含まれる。伝送媒体には、プロセッサに結合されるシステムバスを構成するワイヤを含め、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが含まれる。伝送媒体は、音波、光波、並びに無線周波(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生じるもの等、電磁放射を含み又は伝えることができる。コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えばフロッピディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD−ROM、DVD、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEEPROM、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載する搬送波、又はコンピュータがそこから読取り可能な他の任意の媒体が含まれる。
【0010】
データ(例えば一連の命令)をプロセッサに運ぶ際、様々な形態のコンピュータ可読媒体を用いることができる。例えばデータは、(i)RAMからプロセッサに送ることができ、(ii)無線伝送媒体を介して運ぶことができ、(iii)イーサネット(又はIEEE802.3)、SAP、ATP、Bluetooth(登録商標)、TCP/IP、TDMA、CDMA、3G等、数多くの形式、規格、又はプロトコルに従ってフォーマットし且つ/又は伝送することができ、且つ/又は(iv)当技術分野で良く知られている様々な方法の何れかで暗号化し、プライバシを保護することも不正を防止することもできる。
【0011】
従ってプロセスについての記述は、同様に、そのプロセスを実行する為のプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体についての記述である。コンピュータ可読媒体は、本方法を実行するのに適したプログラム要素を(任意の適切な形式で)記憶することができる。
【0012】
プロセス内の様々なステップについての記述が、記載されている全てのステップが必要であることを示さないのと同様に、機器の実施形態は、記載するプロセスの(必ずしも全てではないが)一部を実行するように動作可能なコンピュータ/計算装置を含む。
【0013】
同じく、プロセス内の様々なステップについての記述が、記載されている全てのステップが必要であることを示さないのと同様に、プログラム又はデータ構造を記憶するコンピュータ可読媒体の実施形態は、実行時に、記載するプロセスの(必ずしも全てではないが)一部をプロセッサに実行させることができるプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体を含む。
【0014】
データベースについて記載する場合、(i)記載するデータベースに対する代替的データベース構造を容易に用いることができ、(ii)データベース以外の他のメモリ構造を容易に用いることができることを当業者なら理解されよう。本明細書に示す任意のサンプルデータベースについての何れの例示又は説明も、記憶されている情報表現に関する例示的構成である。例えば図面に示す表や他の箇所で提案するもの以外に、任意の数の他の構成を用いることができる。同様に、例示する任意のデータベースのエントリは例示的な情報を表すに過ぎず、当業者はエントリの数及び内容が本明細書に記載の数及び内容と異なっても良いことを理解されよう。更に、表としてのデータベースの任意の記述をよそに、本明細書に記載のデータの種類を記憶し操作する為に、(リレーショナルデータベース、オブジェクトベースモデル、及び/又は分散データベースを含む)他の形式を用いることができる。同様に、本明細書に記載等、様々なプロセスを実施する為に、オブジェクトメソッド又はデータベースの動作を使用することができる。更にデータベースは、局所的に又はかかるデータベース内のデータにアクセスする装置から離して既知の方法で保管することができる。
【0015】
様々な実施形態は、1つ又は複数の装置と(例えば通信ネットワークを介して)通信するコンピュータを含む、ネットワーク環境内で機能するように構成することができる。コンピュータはそれらの装置と直接、又は任意の有線媒体若しくは無線媒体(例えばインターネット、LAN、WAN又はイーサネット、トークンリング、電話回線、ケーブル回線、無線チャネル、光通信回線、商用オンラインサービスプロバイダ、掲示板システム、衛星通信回線、上記のものの任意の組合せ)を介して間接的に通信することができる。装置のそれぞれは、それ自体がコンピュータ、又はコンピュータと通信するようになされるインテル(Intel)(登録商標)ペンティアム(Pentium)(登録商標)若しくはセントリーノ(Centrino)(商標)プロセッサに基づくもの等、他の計算装置を含むことができる。任意の数及び種類の装置がコンピュータと通信することができる。
【0016】
一実施形態では、サーバコンピュータ又は集中的権限が必要でなく、又は望ましくない場合がある。例えば本発明は、一実施形態では、集中的権限なしに1つ又は複数の装置上で実施することができる。そのような実施形態では、サーバコンピュータによって実行されるものとして本明細書に記載する何れの機能も、サーバコンピュータ上に記憶されるものとして記載する何れのデータも、代わりに1つ又は複数のかかる装置によって実行し、又はかかる装置上に記憶することができる。
【0017】
プロセスについて記述する場合、一実施形態では、プロセスが利用者による一切の介入なしに機能し得る。別の実施形態では、プロセスが何らかの人間による介入を含む(例えば或るステップが人間によって実行されるか、人間の助けを借りて実行される)。
【0018】
コンピュータ、プロセッサ、計算装置、及び同様の製品は、多岐にわたる機能を実行することができる構造体である。かかる製品は、その製品のメモリ装置内又はその製品がアクセスするメモリ装置内に記憶されるプログラム等、1つ又は複数のプログラムを実行することにより指定した機能を実行するように動作可能であり得る。明示的に別段の定めがない限り、かかるプログラムは、本願の中で開示される場合がある或る特定のアルゴリズム等、或る特定のアルゴリズムに基づく必要はない。指定した機能は様々なアルゴリズムによって実施することができ、幾つかの異なるアルゴリズムのどれも、指定した機能を実行する為の単なる設計選択であることが当業者に良く知られている。
【0019】
図2は、ゲームをする為の機器を示す。インターネット等の通信システム41を介し、管理ユニット42、プレーヤレジスタ43、及びゲームユニット45を含むゲームプレイングシステムに結合される、複数のプレーヤユニット40−1から40−nがある。各ユニット40は、典型的には表示装置及び制御手段(キーボード及びマウス)を有するパーソナルコンピュータである。
【0020】
プレーヤがゲームプレイングシステムにログオンすると、そのプレーヤのユニット40が管理ユニットに対して自らを識別する。システムはプレーヤの詳細をレジスタ43内に保持し、レジスタ43は、潜在的な全てのプレーヤ、即ちシステムの全てのメンバ用の別々のプレーヤレジスタユニット44−1から44−nを含む。
【0021】
プレーヤが識別されると、プレーヤはゲームユニット45に割り当てられる。このゲームユニットは、1組のプレーヤデータユニット46−1から46−6、ディーラユニット47、制御ユニット48、及びランダムディーリングユニット49を含む。
【0022】
ゲームユニット45には最大7名のプレーヤを割り当てることができる。8名以上のシステムメンバが同時にログオンしている場合、幾つかのゲームを同時にプレーできるように、図示のユニットが幾つかあっても良い。プレーヤユニット40のプレーヤデータユニット46への割当は、どのプレーヤデータユニット46及びゲームユニット45が空いているのかに応じて任意又は無作為とすることができる。各プレーヤデータユニット46は、対応するプレーヤレジスタユニット44からロードされ、対応するプレーヤユニット40と本質的に同じ詳細を更に含み、プレーヤユニットとプレーヤデータユニットとのコンテンツを互いに更新し続ける為にプレーヤユニット40と通信する。更に、他のプレーヤデータユニット46及びディーラユニット47のコンテンツの適切な部分が、表示用にプレーヤユニット40に送られる。
【0023】
ゲームユニット45の論理ユニット48は、ディーラのアクションを開始し、プレーヤユニット40からの適切な応答を待ち、プレーの様々な段階にゲームユニットを進める。ランダムディーリングユニット49は、ディーラユニット47及びプレーヤデータユニット46に対して事実上無作為にカードを配る。勝負の終了時に、論理ユニットは勝負の結果、即ち勝ち負けをプレーヤデータユニット46に送り、プレーヤに自身の結果を知らせる。管理ユニット42もそれらの結果をとり、プレーヤレジスタユニット44をしかるべく更新する。
【0024】
プレーヤユニット40は、表示を示すように構成される。プレーヤを識別する為に、プレーヤの位置が強調表示される。プレーが進むにつれ、プレーヤは様々なボックスを選択し、それらのボックスに賭金を入力する等し、それらのアクションの結果が表示される。カードが配られると、一連の重複するカード記号がボーナスボックス内に表示される。プレーヤの自由選択で、カードをボックスの下に一列に表示させることができ、ディーラに配られるカードについても同様である。勝負の終了時に、プレーヤに自身の賭けの結果、即ち勝ち負けした金額を知らせるメッセージが表示される。
【0025】
様々な実施形態を作り、使用し、又は実施する為の本明細書に記載の技術は、同じ又は同様の目的で使用することができる可能な技術の一部に過ぎないことが理解される。本明細書に記載する特定の技術は、限定的であるものと解釈すべきでない。むしろ、様々な実施形態は、様々な実施形態を作り、使用し、又は実施する為の代替技術を考える。
【0026】
イベント賭博の例
一部の実施形態は、1つ又は複数の競技及び/又はイベントに対して賭けを行う為のスポーツブック又は他の会場における賭博を含む場合がある。競技及び/又はスポーツブックで賭けを行うことができる幾つかの例には、自動車レース、野球、バスケットボール、ボクシング、フットボール、ゴルフ、ホッケー、ポーカートーナメント、選挙戦、天気、及び競馬が含まれ得る。各競技及び/又はイベントの種類には、関連する1組の様々なオッズがあり得る。
【0027】
例えば自動車レースでは、スポーツブックは、数名の個別のドライバ及び/又はフィールド(他の全て)のオプションを一覧表示することができる。それぞれのドライバ及び/又はフィールドは、賭けの種類ごとの何らかのオッズに関連付けることができる。例えば、ジェフ・ゴードン(Jeff Gordon)を4−1で、ジェフ・バートン(Jeff Burton)を15−1で、ケーシー・アトウッド(Casey Atwood)を100−1等で一覧表示することができる。バートン15−1に$10賭けて彼がレースで勝った場合、プレーヤは$150と自身の$10、合計$160の支払いを勝ち取る。直接対決の賭博において2名以上のドライバが互いに対にされる対戦賭博も遊べる場合がある。かかる賭博のオッズも提供することができる。例えば対戦は、デール・ジャレット(Dale Jarrett)(マイナス145)対ボビー・ラボンテ(Bobby Labonte)(プラス125)とすることができる。人気のあるジャレットに$145賭けた場合、支払いは$100と自身の$145の合計$245になる。勝ち目の薄いラボンテに$100賭けた場合、支払いは$125と自身の$100の合計$225になる。例えばレース内の警告数のオーバ/アンダ、レースに勝つ自動車メーカ、ゲーム内賭博等、他の様々な賭博があっても良い。
【0028】
例えば野球では、スポーツブックは、各対戦の各チームに関連するオッズと共に各チームの対戦を一覧表示することができる。賭けたチームが対戦に勝つ場合、勝った者への支払いはオッズによって異なり得る。一部の実施形態では、野球のオッズがマネーラインを使って表示される。
【0029】
マネーラインでは、オッズが幾らかのドル値(例えば$1)に基づくことができる。マネーラインでは、或る数字の前に来る「マイナス」は、そのチームに人気があることを示す。或る数字の前に来る「プラス」は、そのチームの勝ち目が薄いことを示す。例えば、ブレーブス(Braves)のオッズが−120である場合、これは$12の賭金が$10の儲けとなり、$22返ってくることを意味し得る。別の例として、ドジャース(Dodgers)のオッズが+110である場合、これは$10の賭金が$11の儲けとなり、$21返ってくることを意味し得る。10セントラインや20セントライン等の様々な種類のマネーラインが存在し、様々な実施形態で使用され得る。実施形態によっては対戦の中で勝ち目の薄い方の価格を一覧表示しない場合があり、代わりに勝ち目の薄い方にはハウスラインを使用することがある。一部の実施形態は、例えば合計得点に対するオーバアンダ、ランライン、賭け手が複数の勝利チームを選択できるパーレイ、ゲーム内賭博等他の様々な賭博を含み得る。
【0030】
賭博が進むにつれマネーラインは変わり得る。一部の実施形態では、賭けの時点でマネーラインによって決定されるオッズが、賭博の終了時に賭けの払戻しを行う為に使用されるオッズであり得る。一部の実施形態では、例え賭けを行ったときにマネーラインが異なっていても、賭けを行う期間の終了時点のマネーラインを用いて賭けのオッズを決定する場合がある。
【0031】
例えばバスケットボールでは、スポーツブックは野球と同様に運営することができる。一部の実施形態では点差を用いることができ、その為、勝利チームへの賭けは、チームがその点差で勝つ場合にのみ獲得される。一部の実施形態では、オッズを全ての賭博について同じとすることができ、但し点差が変更され得る。例えば、野球に関して上記で論じたオッズの変化と同様に、より多くの賭け手が或る勝利チームに賭けるにつれて点差が開き得る。一部の実施形態は、オッズの変化の代わりに点差の「ティージング(teasing)」(即ち点差を変えること)を可能にし得る。パーレイ、合計点に対するオーバアンダ、ゲーム内賭博等、他の様々な賭博が一部の実施形態に含まれても良い。
【0032】
例えばボクシングでは、スポーツブックは、上記の野球のマネーラインと同様のマネーラインを運営することができる。例えばホッケーやフットボールでは、スポーツブックは、上記のバスケットボールのマネーラインと同様のマネーラインを運営することができる。
【0033】
例えばゴルフでは、スポーツブックは、上記の自動車レースと同様の賭博方法及び/又はシステムを運営することができる。例えばスポーツブックは、数名の個別のゴルファ及びフィールドを一覧表示することができる。各オプションは、賭けの種類(例えばトーナメントでの優勝)ごとのオッズに関連付けることができる。例えば、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)を2−1で、トム・レーマン(Tom Lehman)を25−1で、ボブ・メイ(Bob May)を100−1等で一覧表示することができる。25−1でレーマンに$10賭けて彼がトーナメントで優勝した場合、プレーヤは$250と自身の$10、合計$260の支払いを勝ち取る。スポーツブックは、2名以上のゴルファ間の対戦の提案も含むことができる。一部の実施形態では、かかる提案の中で或るゴルファを2名以上のゴルファと競わせる場合がある。ウィニングスコアに対するオーバアンダ、何れかのゴルファによる最少スコアに対するオーバアンダ、或るゴルファの最終順位に対するオーバアンダ、ゲーム内賭博等、他の様々な賭博が一部の実施形態に含まれても良い。
【0034】
例えば競馬では、スポーツブックは多岐にわたる賭けのオプションを提供することができる。例えば、単勝、2着払い複勝式、複勝式、複合勝馬投票、連勝単式、連勝複式、三連勝単式、四連勝単式、重勝式、ピックシックス等の賭けのオプション、並びに任意のゲーム内賭博が遊べる場合がある。賭けの各オプションは、上記に記載したようなマネーライン又は他の種類のオッズシステムに関連付けることができる。
【0035】
一部の実施形態は、選挙の結果、賞の獲得等、賭けの対象になり得る様々なイベント又は提案を含み得る。一部の実施形態は、ゲームのシーズンの結果、テレビ番組(例えばサバイバー(Survivor))のシーズンの結果等に対する賭けを含むことができる。一部の実施形態は、他のカジノゲーム(例えばクラップス、ブラックジャック、スロット、ポーカー)に対する賭けを含むことができる。そのような賭けには、個々のゲームに対する賭け、他者に対する賭け、ゲームの統計に対する賭け、かかるゲームのトーナメントに対する賭け等が含まれ得る。様々な賭博の種類及びオッズの種類は非限定的な例として与えるに過ぎず、様々な実施形態が所望の任意の賭博の種類及び/又はオッズの種類を含み得ることを理解すべきである。
【0036】
実施形態の例
一部のギャンブリングシステムは、利用者が試合の結果、例えばどちらのチームが勝つか及び/又はどの程度の差で勝つかに賭けることを可能にする。賭博運営者は、それぞれの結果に賭けることができる潜在的な賭け手に競争的なオッズを提供できるように、ゲームの結果(例えば、勝ち、負け、点差)ごとの正確な確率を算出しようと試みる。確率(及び/又はオッズ)は、典型的にはゲームの開始前及び/又はゲームに対する賭博の開始前に、各チーム、選手、コーチングスタッフに関する履歴データ、スポーツライタや他のコーチ等の専門家の評価や意見、ゲームに関する他の公開情報や専有情報等、試合前に存在する情報に基づいて算出される。例えば一部の賭博運営者は、複雑な専有コンピュータアルゴリズムを使い、既存の統計情報及び他の情報に基づいてオッズを算出する。このオッズは、或る事態が発生する(例えば選手が怪我をする等)に従って賭け手が結果の一方又は他方に賭けるとき等、賭けの期間中に変わり得る(例えば多くの人がチームAの勝利に賭け、殆どの人がチームBの勝利に賭けない場合、チームAが勝利する賭けのオッズは不利になり得る)。
【0037】
一部の賭博運営者は、野球の試合中の特定の打席で特定の選手が三振するかどうか、ボクシングの1ラウンド内の有効打数、ゴルフのラウンド内のゴルフボールの飛距離、ポーカーゲームのプロップでどのカードが配られるか等、試合中のパフォーマンスパラメータに利用者が賭けることを可能にする。賭けの市場は、典型的にはイベントが近づいているというデータストリーム又は決定の読取りに応答し、ゲーム内イベントの前に手動で及び/又は自動で開かれる。
【0038】
かかる賭博のオッズは、類似のイベントに関する履歴記録、選手の統計情報、気象情報等に基づき手動で又は自動で等、任意の方法で決定することができる。状況によっては、例え別の賭博運営者が同様の賭けを提供しても、かかる賭けの素早い時間調整により、提供される異なるオッズを賭博運営者及び賭け手が比較するのを防ぐことができる。これらの状況では、賭博運営者は、様々な結果の確率についての運営者の最良の評価に完全に基づき、競合する賭けの市場の助けを借りずにオッズを提供しようと試みることができる。
【0039】
実際、オッズは、特定の結果に賭ける賭け手に対する賭博運営者の「価格」である(高いオッズは賭け手にとって低い価格ということになる)。複数の賭け手に特定の結果のオッズを提供する賭博運営者が複数ある場合、それらの賭博運営者は互いに競合し、自身の賭金に対して最高の払戻しを得ようとする賭け手を引き付ける競争的な価格を提供することができる。従って賭博運営者は、競合する賭博運営者が提供するオッズに部分的に基づきオッズを決定することができる。賭ける行為もオッズに影響し得る。例えば、シカゴ・クラブ(Chicago Cubs)がフィリーズ(Phillies)との次の試合に勝つ賭けに対する高い需要は、その賭けの実効価格を上昇させる場合がある。従って他の競争市場と同様に、賭博運営者は自らのオッズを市場に基づいて調節するので、オッズの決定は各試合の結果の「市場価格」を大抵反映する。賭けの市場が変化し、試合前日のCubsの主要投手の怪我等の新たな関連情報が開示されるにつれ、実効市場価格は経時変化する。とりわけ、賭けの一方の敗者によって賭けられた金額を用いて賭けの他方の勝者への支払いに充てることができる。従って、賭けの両サイドに多数の賭け手がいる大規模な賭けの市場では、賭けの両サイドの潜在的な払戻しを平衡させる目的で賭博運営者は自らのオッズを調節することができる。
【0040】
本発明の様々な実施形態によれば、システムは、特定の野球選手が特定の打席で三振するかどうか、並びに/又はどちらのチームが勝つか及び/若しくはどの程度の差で勝つか等のよりオーソドックスな試合結果等のゲーム内イベントに利用者が賭けることを可能にし得る。システムは、全般的な試合情報(例えばチーム名、登録選手名簿、開始時間等)をデータフィード又は他の情報源から自動で受信することができる。このシステムは、経過時間、打順、得点、エラー、投球情報(ストライク、ボール、ファウル)等のリアルタイム試合情報のストリームも同じデータソース(又は別の情報源)から自動で受信することができる。
【0041】
三振や試合の勝者等の各イベントのオッズは、オッズデータベース及びシステム上に記憶されたアルゴリズムに基づいて、手動で、及び/又は任意の方法で計算することができる。このアルゴリズムは実際のスポーツの情報(選手の打率等)を使用することができ、ゲーム内イベントに基づいて更新されても良い。(例えばバリー・ボンズ(Barry Bonds)が同じ投手に対して4回三振した場合、その投手からヒットを打つオッズは低下し得る)。
【0042】
一部の実施形態では、特定の賭博イベントが完了すると(例えばバリー・ボンズが三振する又はホームランを打つことで打席を終了するや否や/その直後に、試合が終了するや否や/その直後に)システムはその賭けのイベントで賭けられた賭金を清算する。同時に(又は別の時点で)、システムは別のイベント(例えば次の打席)の賭けを開くことができる。一実施形態では、人間のオペレータが各イベント後に賭金を清算する。例えば、バリー・ボンズが三振した直後に人間の賭博仲介者が「三振」を選択することができる。この操作は、現在のバリー・ボンズの打席に対する全ての賭金をシステムに直ちに清算させ、更に次の賭けのイベント(例えば次の打者の打席の結果)に対する賭けをシステムに開かせることができる。他の実施形態では、システムが自動化情報(例えばデータフィード)を使用し、(三振等の)イベントの結果をリアルタイムで決定することができる。一部の実施形態では、システムが正しい結果を識別し、全ての賭金を適切に解決することを確実にする為に、人間の賭博仲介者が誤り訂正の手助けをすることができる。
【0043】
利用者は、任意選択的な接触式の賭けのインターフェイスオーバレイと共に野球の試合等のイベントの生のTVフィードを表示するように構成され得る、ゲーミングテーブルや携帯型タッチスクリーンゲーム機等のインターフェイスを介して賭けを行い、さもなければシステム及び他の利用者と対話することができる。一実施形態では、バリー・ボンズが打席に入ると、利用者はバリー・ボンズの画像(又は他の画像若しくはアイコン)をタッチし、バリーの打席に関する特定の賭けを利用者が選択し賭けることを可能にする、賭けのインターフェイスオーバレイをトリガすることができる。バリーが単打を打つことに賭けるには、利用者は一塁の画像にタッチする(又は他の適切な入力を与える)ことができる。一部の実施形態では、試合又はスポーツシーズンの前に、その初めに、及び/又はその間、プレーヤは1つ又は複数の試合又は他のイベントに賭けることができる。
【0044】
このシステムの様々な実施形態は、特定の走者が特定の塁に盗塁するかどうか、1イニングの得点数、投手が所与の投球でボールを投げるかストライクを投げるか等、1つの試合又は他のイベント内の多くの異なる種類の結果に対するギャンブル、及び/又は全試合若しくは1組の試合に関するギャンブルを可能にし得る(例えば誰がトーナメントで優勝するのか、誰が試合に勝つのか)。システムは、その特定のイベントの開始時点及び終了時点に基づいてそれぞれの賭けのイベントを開き、閉じることができる。このシステムは、多岐にわたるスポーツ並びに選挙等の他のイベントにも適用することができる(例えばバラク・オバマ(Barack Obama)が次の2008年の大統領選でニュー・ハンプシャーで勝つかどうか)。本発明の様々な実施形態は、多くの異なる賭けの市場を同時に又は重複する時間に管理できることを理解すべきである。それぞれの賭けの市場は、他の賭けの市場とは独立に、その特定の賭けの市場の条件に基づいて開き、閉じ、解決することができる。
【0045】
様々な実施形態は、例えばスポーツや他のイベントに対するゲーム内賭博、試合や他のイベントの結果に対する賭博等、任意の種類の賭博を含み得ることを理解すべきである。様々な実施形態は、任意の賭博の初期の及び/又は将来のオッズを決定する為に、例えば取引に基づくシステム、スポーツブックアルゴリズム及び/又は従業員によって設定される賭博ライン等、任意のシステム及び/又は方法を含み得ることを理解すべきである。様々な実施形態は、賭けを行い且つ/又は賭博を管理する為の任意のシステム及び/又は方法、例えば集中型コンピュータシステム、分散コンピュータシステム、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数のクライアントコンピュータ、対面システム、チケットシステム、モバイルシステム等を含み得ることを理解すべきである。賭博の種類、オッズを決定する為のシステム及び方法の幾つかの例が、ストーム(Storm)に付与され、参照により本明細書に援用する、賭博市場の創出及び運営(Wager Market Creation and Management)と題された米国特許出願第12/258,297号明細書の中で説明されている。
【0046】
一部の実施形態では、賭博運営者(例えば1つ又は複数のスポーツブックの運営者)が利用者からの賭けを受け付ける場合、賭博運営者が幾らかのリスクを引き受ける場合がある。例えば賭博運営者は、賭けを行うプレーヤが賭けに勝つ可能性があるリスクを引き受ける場合があり、その結果、賭博運営者は幾らかの金額をプレーヤに支払うことを要求され得る。賭博運営者が受け付ける賭博ごとに、賭けが行われるイベントの結果に関する幾らかの量のリスクを賭博運営者が引き受けることができる。
【0047】
一部の実施形態では、賭博運営者がリスクの量を管理することを望む場合がある。例えば一部の実施形態では、賭博運営者が各賭金、各勝ちの所定割合を取ることができ、及び又は他の方法でプレーヤの賭けに関する金を稼ぐことができ、かかる金は負けの賭金によって儲かった金額に追加されるものであり、及び/又はその代わりである。従ってかかる賭博運営者は、リスクを伴う賭博に関するリスクを最小限にしたい場合があり、それは賭博運営者がそのようなリスクなしで金を稼ぐことができるからである。一部の実施形態では、賭博運営者が幾らかのリスクを望み、リスクを最大限にすることを望み、且つ/又はビジネスモデルに適合し得るリスクに関する他の任意の操作を望む場合がある。例えば一部の実施形態では、賭博運営者が賭博の負けによって金を稼ぐことができ、従って賭博運営者が知る情報に基づき、プレーヤにとって負けの賭博になると賭博運営者が考える賭博を始めることを望み得る。そのような賭博運営者は、その賭博にプレーヤが勝つというリスクを引き受ける可能性がある。賭博運営者は、賭博ごとに及び時間ごとに異なり得るリスクに関する様々な願望を有し得ることを理解すべきである。
【0048】
一部の実施形態では、賭博運営者が複数の管轄区内及び/又は複数の場所で運営する場合がある。例えば或る賭博運営者は、複数の場所でスポーツブックを運営することができる。或る賭博運営者は、複数の場所(例えば複数のカジノ、複数のスポーツブック等)で行われる賭けのリスクを負う場合がある。そのような場所は、1つの都市又は管轄区の中にある場所を含むことができ、及び/又は複数の管轄区に及んでも良い。例えば、ラスベガス、マカオ、ロンドン及びニュー・ジャージーにあるスポーツブックが全て単一の賭博運営者によって運営される場合があり、その為、これらの場所のそれぞれに関連するリスクを賭博運営者が負うことがある。かかる賭博運営者は、実際の単一エンティティ並びに/又は何らかの事業形態及び/若しくは企業提携により単一のエンティティとして活動し得る複数のエンティティを含み得る。
【0049】
一部の実施形態では、場所及び/又は管轄区によっては異なる規則及び/又は法令がある場合がある。例えば或る規則は、一部の賭博を提供することを防ぎ、賭けを行う為の命令が特定の方法(例えば完全に、管轄区外等)で受信及び/又は伝送されることを防ぎ、賭博の取引等を防ぐ場合がある。
【0050】
一部の実施形態は、賭け及び/又はリスクの指示を1つ又は複数の賭博場所及び/又は賭博運営者から、1つ又は複数の他の場所、賭博運営者、計算装置等に伝送することを含み得る。例えば場所の幾つか(例えばそれぞれ)は、リスク及び/又は賭けの指示を集権的位置(例えばリスクマネージャ)に伝送することができる。かかるリスクマネージャは、その指示を受け取り、その指示に関係する1つ又は複数の所望のアクションを実行することができる。
【0051】
一部の実施形態では、一部の場所が場所レベルのリスクを統合し、かかる情報をリスクマネージャに伝送することができる。一部の実施形態では、幾つかの場所が個々の賭けのリスクを、リスクマネージャによる統合の為に伝送することができる。様々な実施形態において、統合であろうと、相殺であろうと、個別であろうと、他の方法であろうと、リスク及び/又は賭けに関する如何なる通信方法も使用できることを理解すべきである。
【0052】
一部の実施形態は、複数の場所のリスクの量を統合することを含み得る。例えば、或るイベントが発生する複数の賭博には、そのイベントが発生し、賭博運営者が幾らかの金額を払わなければならない同じリスクをそれぞれ関連させることができる。従ってかかるリスクは、そのイベントが発生する集合リスクへと合算することができる。それにより、或るイベントが発生する賭博運営者にとっての知覚リスクを算出することができる。かかる算出は、支払い義務があり得る金額、かかる金額に基づき得る加重指標、及び/又は他の任意の所望の指示を明らかにすることができる。
【0053】
一部の実施形態では、1つのリスク及び/又は賭けが、他のリスク及び/又は別の賭けを相殺し得る。例えば一部の実施形態では、或るイベントが発生する賭けが、そのイベントが発生するその賭けに関連するリスク(例えば10ドルのリスク)を有し得る。そのイベントが発生しない別の賭けは、そのイベントが発生しないその賭けに関連するリスク(例えば5ドルのリスク)を有し得る。そのイベントが2元イベントである場合、それらのリスクは(例えばそのイベントが発生する5ドルのリスクを残すように)互いを相殺し得る。
【0054】
一部の実施形態は、2元ではない及び/又は正確に同じではないが、それでもなお何らかの方法で相殺する賭けを含み得る。例えば一部の実施形態では、或るイベントが3つ以上の可能な結果(例えば勝ち、負け、引分けや、馬1、馬2、馬3等)を有し得る。そのような実施形態では、1つの結果に対する賭けが、別の結果に対する賭けのリスクを完全には相殺しない可能性がある。それでもなお、そのリスクの少なくとも一部(例えば半分、各結果が発生する確率に基づく金額等)が相殺され得る。一部の実施形態では、ゲーム内賭博がゲーム前賭博のリスクを部分的に相殺し得る(例えばチームAによる100ヤードラン等の或る大きなイベントがフットボールの試合で生じる賭けが、チームAが負ける賭けに関連するリスクを部分的に相殺し得る)。かかる相殺の額は、ゲーム内イベント及びゲーム前イベントの両方が同時に起こる確率に基づき得る(例えば、チームが100ヤードランを行いその試合で負ける確率は低く、その為かかる賭けは50ヤードランに対する賭けよりも大きい額互いを相殺することができ、その理由は50ヤードランと負けの両方が起こり得る確率の方がより高い可能性がある為である)。一部の実施形態では、例え同じ賭博ではない可能性があっても、マネーライン賭博が点差賭博を相殺し得る。例えば、ベアーズ(bears)が1点差で勝つ賭けは、ベアーズが部分的に負ける賭けを相殺し得る。かかる相殺の額は、賭博運営者が両方の払戻しを行う必要がある可能性がどの程度高いのかに基づき得る。
【0055】
支払い義務があり得る金額とリスクが同じであるという観点から幾つかの実施形態を説明してきたが、他の実施形態は、支払い義務があり得る金額に基づき得る又は基づかない指標等、リスクの任意の指標を含み得ることを理解すべきである。例えば一部の実施形態では、支払い義務があり得る額を、アルゴリズムが1つ又は複数の入力値に基づき何らかのリスクの指標に変換することができる。
【0056】
例えば一部の実施形態では、イベント及び/又は利用者に関する履歴情報を用いて1つ又は複数の賭けに重み付けし、それらの1つ又は複数の賭けに基づきリスクを算出することができる。一部の実施形態では、プレーヤが的確な賭けを行う可能性が高い(例えば平均的なプレーヤよりも可能性が高い、どちらかと言えば等)というプレーヤの過去の賭けに基づいて決定を行うことができる。かかる決定に応答し、そのプレーヤによって行われる賭けに関連するリスクを高めることができる。そのようなリスクの上昇は、そのプレーヤと同じサイドの全ての賭けに適用することができる。逆に、他方のサイドの賭けに関連するリスクは低下させることができ、且つ/又は不的確に賭ける可能性が高いと判定したプレーヤを用いて賭けのリスクを調節しても良い。賭けのパフォーマンスを求める為に任意の数のプレーヤを追跡することができ、任意のパフォーマンスレベルがプレーヤの賭け及び/又は他の賭けのリスクに対して所望の任意の影響を有し得ることを理解すべきである。例えば一部の実施形態では、アルゴリズムが様々な状況において、賭けに関する過去の様々な成功レベルをそれぞれ有する複数のプレーヤを考慮に入れることができ、1つ又は複数の同じ若しくは異なる結果にプレーヤのそれぞれが賭けたイベントに関する賭けのリスクを決定する為に、それぞれに重みを加えることができる(例えば成功している全ての賭け手が一方のサイドに賭ける場合、そのサイドのリスクを高めることができ、一部の者は両方のサイドにいる場合があり、それらの者の成功の重みはリスクがどのように影響を受けるのか等を決定し得る)。
【0057】
一部の実施形態は、リスクをしかるべく調節できるように、人々の賭けを追跡して予期される賭けの結果を算出することを含み得る。一部の実施形態では、追跡したかかる賭けの結果を記憶し、同様の又は異なる用途の為に他の賭博運営者に販売することができる。例えば、1人のプレーヤの賭けの履歴を販売することができ、特定の特性を有する一群の賭けの履歴を販売することができ、賭博運営者が特定のプレーヤ及び/又は或る特性(例えば成功している賭けの履歴)を有するプレーヤの賭けのフィードを購入しても良い。
【0058】
別の例として、1つ又は複数のイベント、知識、推測、予測等を使用し、1つ又は複数の賭けに重み付けする方法を決定することができる。例えば賭博運営者は、或るイベントが発生する可能性が低く、その為そのイベントに基づく賭けもそれ相応であり得るという内部知識を有する場合がある。
【0059】
1つ又は複数のイベントが発生する結果に関する集合リスク値を生成する為に、リスクを組み合わせ且つ/又は相殺する如何なる方法を使用しても良いことを理解すべきである。一部の実施形態は、或るイベントの1つ又は複数のサイドに残るリスクの量をイベントごとに算出することができる(例えば統合された及び相殺されたリスクは、ベアーズが次の試合に勝つことに5ドルのリスクが残ることを明らかにし得る)。
【0060】
統合レベルにおける幾らかのリスクの量が相殺されないままであることを突き止めることに応答し、残りのリスクの相殺を試みることができる。残りのリスクを相殺する様々な方法を使用することができる。
【0061】
例えば一部の実施形態では、相殺の為の賭けをプレーヤが受け入れることを促すように、相殺の為の賭けのオッズを調節することができる。かかるオッズは、賭博運営者の場所の1つ又は複数において調節され得る。例えば、リスクマネージャは、そのような相殺の為の賭けごとに所望のオッズの指示を伝送することができる。次いで各場所が、そのイベントの発生に関する合計リスクを相殺する為のかかる賭けをプレーヤが行うのを促すように、その相殺の為の賭けの賭博提供を調節することができる。
【0062】
別の例として、一部の実施形態では、リスクマネージャ及び/又はそのエージェントが賭博取引所で賭けの販売を試みることができ、且つ/又は賭博取引所で相殺の為の賭けを始めることができる。例えばリスクマネージャは、賭博取引所で相殺の為の賭けを始める為に入札を行うことができる。上記で論じたようなかかる相殺の為の賭けは、リスクの全て又は一部を相殺する賭けであり得る。一部の実施形態は、別の賭博運営者の所で相殺の為の賭けを始めることを含み得る。
【0063】
リスク及び/又はオッズ管理システムの一例が、アマティス(Amaitis)に付与され、参照により本明細書に援用する、娯楽装置及びゲームに関するプログラム間連絡又はプロセス間通信に関する電子コンピュータ及びデジタル処理システム(ELECTRICAL COMPUTERS AND DIGITAL PROCESSING SYSTEMS INVOLVING INTERPROGRAM OR INTERPROCESS COMMUNICATION REGARDING AMUSEMENT DEVICES AND GAMES)と題された米国特許出願第s12/687,980号明細書の中で説明されている。賭けに関する取引所のようなシステムの一例が、アッシャー(Asher)に付与され、参照により本明細書に援用する、賭けをベースとする譲渡可能な金融商品の為のシステム及び方法(System and method for wagering−based transferable financial instruments)と題された米国特許第7,233,922号明細書の中で説明されている。
【0064】
任意のアクション及び/又は相殺の試みが、任意の方法で任意のレベルにおいて如何なるエンティティによって実行されても良いことを理解すべきである。例えば一部の実施形態では、統合されたリスクが算出される前に及び/又は算出されることに応答し、ローカル施設がリスクの相殺を試みても良い。かかる施設での及び/又はリスクマネージャによる相殺は、新たなリスクレベルを算出する為のリスクモデルへの入力として用いることができ、その新たなリスクレベルは、オッズ及び/又は所望の更なる相殺を決定する為に使用することができる。
【0065】
一部の実施形態は、1つ又は複数の潜在的な相殺の為の賭けの流動性を求めることを含み得る。例えば、ベアーズが試合に勝つ相殺の為の賭けは、非常に流動性があり得る(例えば賭博取引所を介して容易に入手できる)という決定を下すことができる。一部の実施形態では、流動性のレベルを用いて、かかるイベントについて提供される賭けのオッズを決定することができる。例えば、相殺の為の賭けが非常に容易に入手可能である場合、相殺の為の賭けの流動性がない場合よりもプレーヤにとって良いオッズで賭けを提供することができる。一部の実施形態では、相殺の為の賭けの流動性対賭けの流動性を用いてオッズを決定することができる。
【0066】
一部の実施形態では、管轄区の規則に基づき、或る場所におけるリスクの指示が発行され、リスクマネージャによって受け取られても良い。かかるリスクの指示は、相殺の為の賭けを始める命令でなくても良い。一部の実施形態では、相殺の為の賭けを始める命令を或る場所からリスクマネージャに送ることができる。一部の実施形態では、場所及び/又は賭けの種類ごとに別々のリスクプールを維持することができる。一部の実施形態では、リスクマネージャがかかるリスクプールを所望のレベルに維持する為のエージェントとして働き得る。
【0067】
一部の実施形態では、相殺の為の賭け或いは相殺の為のリスクを探り且つ/又は始めることに関係するタイミングが、イベントの1つ又は複数の特性に基づいて異なり得る。例えば一部の実施形態では、相殺の為の賭けの市場が流動的であり及び/又は流動的であることが予期される場合、リスクマネージャは、イベントの発生近くまで相殺を遅らせても良いと判断することができる。対照的に、一部の実施形態では、相殺の為の賭けの市場が流動的でない及び/又は流動的でないことが予期される場合、リスクマネージャは、相殺をより早く(例えばできるだけ早く)行うべきだと判断することができる。一部の実施形態では、或るイベントに関係するより多くの数の賭けが将来予期される場合(例えば年内のスーパーボウルの試合及び非常に早く入ってくる賭け)、リスクマネージャは、そのイベントの発生近くまでリスクを相殺する試みを遅らせることができる。対照的に、或るイベントに関係する賭けが将来殆ど予期されない場合、リスクマネージャはより早くリスクの相殺を試みることができる。
【0068】
一部の実施形態は、サーバ、計算装置、人間、及び/又は他の任意のエンティティ等のリスク管理要素を含むことができる。かかる要素は、賭博システムのモジュールであり得る。図3は、一部の実施形態で使用することができるリスク管理モジュール及び/又は方法の一例を示す。1つ又は複数の賭博場所(例えば別の管轄区及び/又は別の場所内にあり得る運営)に関連するパトロン301が、1つ又は複数の賭け(例えばスポーツブックの試合及び/又はカジノのゲーム等の所望の任意のゲームの賭け)を行うことができる。一部の実施形態では、利用者は様々な場所で及び/又は様々な装置303によって賭けることができるが、賭博運営者は、全部合わせた賭けに関連する単一のリスクプール305を有し得る。例えば、単一の賭博運営者が複数の場所及び/又は管轄区から賭金を取る場合があり、その為、運営者はその賭金のリスクを負う可能性がある。他の実施形態では、様々な場所の又は様々なアカウントによる活動のリスクを単一の賭博運営者が負うのではなく、それぞれに異なる賭博場所が別途リスクの要素を別々に負うことができる。
【0069】
一部の実施形態では、307に示すように、1つ又は複数の賭博に関するリスクを維持するかどうかの判定を行うことができる。かかる判定は、賭博運営者のリスク許容度に基づいて行うことができる。例えば、賭博運営者は、発生している特定のイベント(例えば或るチームがスポーツの試合で勝つこと、或るプレーヤがカジノのゲームで勝つこと、或る結果がゲーム内で起こること等)についてXドル以下のリスクを負いたい場合がある。新たな賭けがその閾値を上回らない場合、リスクを維持する判定を行うことができる。新たな賭けがその閾値を上回る場合、リスクを維持すべきではないという判定を行うことができる。一部の実施形態では、異なることに対する賭けを少なくとも部分的に同じリスクとして扱うことができる(例えば或るプレーヤがゲームに勝つという賭けを、同じプレーヤがそのゲーム内でロイヤルフラッシュを得る賭けと同様に扱うことができ、或るチームが勝つという賭けを、或るチームが試合の前半勝つという同じリスクとして扱うこと等ができる)。
【0070】
一部の実施形態では、閾値を上回るリスクを賭博運営者が負っているという判定に基づき、リスクモニタ要素309が、イベントが発生する幾らかの量のリスクの負担を軽減しようと試みることができる。図示の例は、リスクの各部分が国内か海外かに基づいて判定311が行われ、その判定に基づいてリスクの負担を軽減する為の潜在的に異なる試みを行うことを示す。一部の実施形態では、任意のレベルの細分性の様々な管轄区がリスクの負担軽減に関する異なる規則を有する場合があり、その為、かかるリスクの負担軽減をどのように行うべきかに関する様々な決定を、管轄区の任意のレベルの細分性で(例えば州ごとに)行えることを理解すべきである。例えば一部の実施形態では、賭けを始める命令を或る管轄区について送ることができ、賭けの指示を別の管轄区から送ることができ、或る場所におけるリスクの指示を第3の場所から送ることができる。異なる規則に基づき、様々なアクションを取ることができ、且つ/又は賭け及び/若しくはリスクに関して情報を伝送できることを理解すべきである。図3では国内と海外を示すが、任意の数及び/又は構成の管轄区(例えば各州、各国、同じ規則を有する国の各組等)を使用できることを理解すべきである。
【0071】
一部の実施形態では、リスクの限度を超えたイベントに関する1つ又は複数の賭けが、1つ又は複数のリスク負担軽減及び/又は相殺システムにより、負担軽減及び/又は相殺を試みられる場合がある。例えば、リスクの限度を超えたイベントに関する賭けが、賭博取引所が合法である管轄区内で行われた場合、その賭けを売ることができ且つ/又はかかる賭博取引所により反対の賭けを開始することができる。一部の実施形態では、そのような負担軽減が合法でない管轄区内でかかる賭けが行われた場合、別の管轄区内で反対の賭けを開始することができる(例えば賭博運営者が、そのイベントが発生しないという賭けを別の賭博運営者において行うことができる(例えばその賭けが、そのイベントが発生するという賭けである場合)。リスクの負担軽減に関し、如何なるビジネス規則及び/又は管轄区規則にも準拠できることを理解すべきである。
【0072】
図4は、スポーツブック及び/又は賭博運営者により、賭けの責任を調節する為に一部の実施形態で実行され得る方法400の一例を示す。この方法は、中央システムによって、スポーツブックによって、及び/又は所望の任意の要素によって実行され得る。かかる責任の調節は、例えばリスクを所望のレベルに保つ為に用いることができ、その為スポーツブックは、莫大な金額的損失の危険を冒すことなしに賭けのコンセンサスオッズに基づき競争的なオッズを提供することができる。賭けの片方のサイドの責任は、賭けのもう一方のサイドの責任等と交換することができる。賭けの責任は、或る賭博会場から別の賭博会場に、及び/又は所望の任意のソース若しくは目的地との間で取引することができる。方法400はブロック401から開始することができる。
【0073】
賭けの一方の責任には、その賭けの一方の負けに基づき金又は他の貴重品の合法的な所有権を得る権利が含まれ得る。賭けの一方の責任には、その賭けの一方の勝ちに基づいて支払いを行う義務が含まれ得る。
【0074】
ブロック403に示すように、一部の実施形態は、二者間賭博提案の所望のオッズを特定することを含み得る。二者間賭博提案は、野球の試合、ゲーム内賭博等に誰が勝つのか等、競技の結果を含み得る。一部の実施形態は、任意の数のサイドがある賭博を含むことができる。所望のオッズを特定することは、オッズを選択すること、オッズの指示を受け取ること、オッズを決定すること等を含み得る。二者間賭博提案は、点差、オッズ等を含むスポーツイベントの賭博等、固定オッズ賭博(即ちパリミューチュエル式賭博ではない賭博)を含み得る。
【0075】
ブロック405に示すように、一部の実施形態は、二者間賭博提案の各サイドに賭けられ、第1の賭博会場が責任を負う金額を算出することを含み得る。かかる算出は、1つ又は複数の賭博インターフェイスから情報を受け取ること、1つ又は複数の賭博会場から情報を受け取ること等を含み得る。かかる算出は、賭けのそれぞれの結果が発生した場合に賭博会場が責任を負う可能性がある金額を合計することを含み得る。かかる算出は、賭けのそれぞれの結果が発生した場合に賭博会場が所有権を得ることができる金額を合計することを含み得る。
【0076】
ブロック407に示すように、一部の実施形態は、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関する第1の賭博会場にとってのリスクエクスポージャのレベルを算出することを含み得る。かかるリスクエクスポージャのレベルは、如何なる形態をとっても良い。一例では、かかるリスクエクスポージャのレベルは、賭博会場が払い戻す義務があり得る金額を含むことができる。一部の実施形態では、かかる算出は、ブロック405のアクション以外の追加のアクションを含まなくても良い。一部の実施形態は、ブロック405を実行した後にデータベースから読取りを行うことを含み得る。一部の実施形態は、ブロック405の結果に対して1つ又は複数の計算を行うことを含み得る。一部の実施形態は、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、賭けの第1のサイドが勝った場合に第1の賭博会場が払戻しの責任を負う可能性がある第1の金額を算出することを含み得る。
【0077】
ブロック409に示すように、一部の実施形態は、第2のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関する第1の賭博会場にとってのリスクエクスポージャの相殺レベルを算出することを含み得る。かかるリスクエクスポージャのレベルは、如何なる形態をとっても良い。一例では、かかるリスクエクスポージャのレベルは、賭博会場が所有権を得ることができる金額を含み得る。一部の実施形態では、かかる算出は、ブロック405のアクション以外の追加のアクションを含まなくても良い。一部の実施形態は、ブロック405を実行した後にデータベースから読取りを行うことを含み得る。一部の実施形態は、ブロック405の結果に対して1つ又は複数の計算を行うことを含み得る。一部の実施形態は、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、賭けの第2のサイドが勝った場合に第1の賭博会場が所有権を得ることができる第2の金額を算出することを含み得る。
【0078】
ブロック411に示すように、一部の実施形態は、リスクエクスポージャのレベル及びリスクエクスポージャの相殺レベルに基づく第1の賭博会場にとってのリスクエクスポージャの合計レベルが、所望のオッズに対して大き過ぎると判定することを含み得る。リスクエクスポージャの合計レベルを算出することは、リスクエクスポージャのレベル及びリスクエクスポージャの相殺レベルに対して1つ又は複数の数学的計算を行うことを含み得る。一部の実施形態では、かかる計算は、リスクエクスポージャから相殺するリスクエクスポージャを減算することを含み得る。一部の実施形態では、レベルが所望のオッズに対して大き過ぎると判定することは、レベルが一定の閾値を上回ると判定することを含み得る。一部の実施形態では、閾値は、所望のオッズにおいて将来予期される賭けに基づき得る(例えば、過去の賭け及び賭けの受付終了までの時間に基づき、将来の賭けが賭けの一方又は他方に高レベルのリスクエクスポージャを招く予想があるという計算が行われ得る)。一部の実施形態では、閾値は賭博会場で行われる他の賭けに基づいても良い。一部の実施形態では、例えば或る賭博会場が賭けの特定のサイドに100万ドル超の合計リスクを(現在及び/又は過去の賭けに基づいて予期されて)有する場合、その賭博会場は、そのオッズでそのサイドの賭けを引き続き提供することが賭博会場にとって大き過ぎるリスクを招き得ると判断し得る。様々な実施形態の中で、賭けの所与のオッズにおいてリスクレベルが大き過ぎると判定する如何なる方法を使用しても良いことを理解すべきである。一部の実施形態は、第1の金額及び第2の金額に基づき、第1の賭博会場がリスクを負う合計金額を算出することを含み得る。一部の実施形態は、所望のオッズにおいてその合計金額が大き過ぎると判定することを含み得る。一部の実施形態ではオッズが関係しなくても良い。例えば、発生しているイベント又は提案の片側が高レベルのリスクに関連するという判定を行うことができる(例えば合計され、1つ又は複数の異なる及び/又は同様のオッズを有するリスクを伴う賭博を相殺することによって相殺される、様々なオッズの様々な賭けを含む)。
【0079】
ブロック413に示すように、一部の実施形態は、第2の賭博会場との取引を促進し、第1の賭博会場が責任を負う第1のサイド及び第2のサイドの少なくとも一方に賭けられる金額を調節することを含み得る。一部の実施形態では、そのように促進することは、リスクエクスポージャの合計レベルが大き過ぎると判定することに応答して行われ得る。一部の実施形態では、そのように促進することは、1つ又は複数の賭博の責任を取引所で売買することを含み得る。かかる責任は、1つ又は複数の他の賭博会場及び/又は他の任意の所望のエンティティと売買することができる。例えば一部の実施形態では、賭けの或るサイドの責任に関する買い注文又は売り注文を取引所に出すことができる。取引所は買手と売手とをマッチングし、責任の売買を生じさせる任意の機能を実行することができる。かかる取引は、所望のオッズで賭けを提供できるように、賭博会場が自らのリスクレベルを再調節することを可能にし得る。
【0080】
一部の実施形態では、そのように促進することが、第2のサイドの賭けの責任を賭博取引所で買う注文、及び第1のサイドの賭けの責任を賭博取引所で売る注文の少なくとも1つを行うことを含み得る。任意のシステム上でかかる売買を行う如何なる方法も、又は如何なる取引方法も使用できることを理解すべきである。一部の実施形態では、まとまった賭けを売買することができる。一部の実施形態では、個々の賭けを売買することができる。一部の実施形態では、賭けの一部を売買することができる。一部の実施形態では、賭けのオークションを開催することができる。一部の実施形態では、証券取引所と同様の売り呼び値及びヒットアンドテイク(hits and takes)を使用することができる。一部の実施形態では、ダークプール取引システムを使用することができる。一部の実施形態では、注文有効期限、実行又はキャンセル、損切り、及び又は他の任意の所望の命令を使用することができる。
【0081】
一部の実施形態では、第1の賭博会場が賭けの責任を取る為に、別の賭博会場に支払いを行うことができ又は別の賭博会場による支払いを受け得る。支払われる額は、入札過程によって、逆オークションによって、取引所に基づくシステム等によって決定され得る。一部の実施形態では、第1の賭博会場が取引所を介してそのようなオファーを行う場合、オファーの一部が1つ又は複数の第2の賭博会場によって満たされ得る。例えば、10箇所の第2の賭博会場のそれぞれが、賭けのそれぞれ10パーセントの責任を負うことに合意し得る。一部の実施形態では、賭けの責任を変更することに関するオファーに複数の賭博会場が興味を示していると取引所が判断する場合、取引所は、一致する要求を決定する先入先出法、一致する要求を満たす按分比例方式等を使用することができる。取引について要求が一致することを明らかにする為に、取引所はマッチングエンジンを使用しても良い。
【0082】
一部の実施形態は、所望のオッズで賭けを提供することを含み得る。例えば、方法400を実行する賭博会場は、許容可能なリスクレベルに到達した後、そのオッズで賭けを提供することができる。
【0083】
一部の実施形態では、賭博会場によるアクションの代わりに及び/又はかかるアクションと共に、第3の賭博会場によってアクションが取られ得る。例えば、賭博運営者は、賭博会場及び第3の賭博会場を運営することができる(例えばその両方を所有することができ、何からの方法で提携するように何らかの契約上の合意等があっても良い)。一部の例では、賭博会場と第3の賭博会場とが別の管轄区内にある場合があり、別の管轄区内には、賭博の両賭けに関する異なる規則があり得る。例えば、賭博取引所又は会場間取引が、賭博会場の管轄区内では認められていないが、第3の賭博会場の管轄区内では認められている場合がある。
【0084】
第3の賭博会場は、賭博会場が高過ぎるリスクレベルを有することに応答して相殺取引を始めることができる(即ち或る会場が別の1つ又は複数の会場のリスクに基づいて行動し得る)。例え第2の賭博会場との相殺取引を実際に始めるのは第3の賭博会場であっても、この相殺取引は賭博会場にとってのリスクヘッジと見なすことができる。この異なる管轄区での負担軽減は、賭博運営者が異なる法的要件を上手く利用し、1組の多岐にわたる賭博会場を運営しながらリスクヘッジ能力を最大限にすることを可能にし得る。任意の数の賭博会場が一緒に運営し、互いの合算したリスクを任意の方法で相殺できることを理解すべきである。
【0085】
一部の実施形態では、集中的権限が複数の賭博会場の情報及び/又は相殺取引を管理することができる。それらの会場は、異なる場所及び管轄区にあり得る。集中的権限は、様々な賭博会場のリスクの合計を互いにどのように相殺するのか、及び全ての賭博会場の合計リスクがどうなり得るのかを決定することができる。相殺取引又はヘッジ取引を評価するとき、1つの会場のリスクではなく、様々な会場にわたるリスクの合計を関連リスクとして使用することができる。その集中的権限は、相殺取引を管理して合計リスクを所望の通りに相殺することができる。
【0086】
例えば集中的権限は、様々な賭博会場にわたるリスクの合計が閾値を上回ると判定することができる。集中的権限は、特定の管轄区内の賭博会場が最適に相殺取引を開始できると判断することができる(例えばその場所では相殺取引を開始することが合法である、その管轄区内にかかる取引を開始したい第2の賭博会場がある、その管轄区内でアクセス可能な賭博取引所を介して利用できる相殺取引がある等)。集中的権限は、その選択された賭博会場にその取引を開始する命令を伝送することができ、選択された賭博会場は、その命令を受け取ることに応答して命令を実行することができる。
【0087】
合計リスクを算出することは、様々な賭博会場からリスクデータを受け取ることを含み得る。かかるリスクデータは、公に報告されたリスクデータ、個人情報を明らかにするリスクデータ、個々の賭けに関するリスクデータ、リスクの合計等を含み得る。かかるデータは、ウェブサイト上に掲載し、インターネットを介して送り、電子メールで送り、郵便で送り、人が電話で伝える等することができる。そのようなリスクデータの伝送及び/又は受取は、様々な管轄区によって許可されている方法によって行うことができる。例えば或る管轄区は賭けを公に開示することを要求することがあり、その為集中的権限は、公示によってリスク情報を受け取ることができる一方で、別の管轄区はリスクデータを非公開で伝送することしか要求せず、集中的権限はその情報を非公開の伝送によって受け取ることができる。
【0088】
アクションを取る為の命令は、集中的権限による第2の賭博会場への直接の要求、取引に参加する為の電話、インターネット、郵便、公述、非公開の通達等によるローカル賭博会場への命令を含み得る。例えばかかる情報は、集中的権限が指定の管轄区内で相殺取引を望むという(例えばウェブサイトに掲載される)公式発表を含み得る。管理される賭博会場のそれぞれはそのウェブサイトをモニタすることができ、自らの管轄区が特定された場合はその取引を試みることができる。様々な形態の命令を様々な管轄区内で使用することができる。アクションを命令するかかる方法は、指定の管轄区によって許可されている形態を取ることができる。そのような様々な方法を使用することは、単一の集中的権限が、様々な賭博会場と、それらの会場が位置する様々な管轄区の法律に違反することなしに情報をやり取りすることを可能にし得る。
【0089】
そのような、受け取る及び命令する様々な方法は、様々な管轄区内で許される情報伝送に従って実行することができる。例えば管轄区によっては、郵便、公式宣言、ウェブサイト等による伝達しか許可しない場合がある。集中的権限は、それらの要件に従って各賭博会場に伝送を行い、及び/又は各賭博会場からデータを受け取るように構成することができ、各賭博会場はかかる伝送をしかるべく行い又は受け取るように構成され得る。
【0090】
集中的権限は、相殺取引の試みの結果に関する報告を受け取ることができ、リスク計算を適宜調節することができる。例えば集中的権限は、相殺取引が成功し、或るイベントのリスク計算にその相殺取引の額を使用できるという報告を受け取ることができる。
【0091】
集中的権限自体が、取引所による相殺取引を許可する場所内の賭博会場であり得る。集中的権限がその取引所を運営しても良い。そのような状況での集中的権限は、賭博運営者の相殺取引が行われる唯一の及び/又は主要な場所であり得る。取引所を運営することにより、賭博運営者は或る場所においてより多くの量の賭博取引の流動性を利用することができる。
【0092】
一部の実施形態では、相殺取引を様々な賭博会場で行うことができる。例えば、所望の相殺を複数の賭博会場によって探すことができる。或る賭博会場で部分的相殺が得られた場合、他の賭博会場における試みを適宜低下させても良い。
【0093】
様々な例を所望のオッズに関して与えたが、一部の実施形態は、あり得る任意の賭博の任意の要素に関する任意の要求を決定することを含み得ることを理解すべきである。一部の実施形態ではコンセンサスを使用できるが、実施形態によっては1つ又は複数の賭博会場からの個々の情報を使用しても良いことを理解すべきである。
【0094】
方法400は、ブロック415で終えることができる。方法400は一例として与えるに過ぎず、一部の実施形態では更に多くの、更に少ない、代わりの、異なる順序等のアクションを有する任意の代替的方法を実行できることを理解すべきである。
【0095】
一部の例をスポーツブックに関して与えたが、様々な実施形態は、例えばリモートコンピュータ端末、携帯型ゲーム機、カジノテーブル、カジノの任意のエリア等の所望の如何なる賭博会場も含み得ることを理解すべきである。様々なシステムの例を特定の要素を有して図示し説明したが、様々な実施形態において、任意の機能を有する任意の要素を備える如何なるシステムも使用できることを理解すべきである。行為の例を有する様々な方法の例について説明したが、様々な実施形態が、任意の順序で任意の行為を有する如何なる方法も含み得ることを理解すべきである。
【0096】
税金の例
一部の実施形態は、リスクと共に取ろうとするアクションを決定する際、賭博のリスクに関係する節税を取り入れることを含み得る。例えば一部の実施形態では、或る管轄区が儲けに課税することを必要とし得る一方で、別の管轄区は儲けに課税することを必要としない。賭けの一方が勝者側になる可能性が高いとリスク管理アプリケーションが判定する場合、リスク管理アプリケーションは、かかる儲けに課税しない管轄区内でより多くそのサイドに賭けることを試みることができる。例えば、その管轄区内のオッズはパトロンにとってより好ましいものにすることができ、そのサイドの賭けがその管轄区内で(例えば賭博取引所を介して又は別のスポーツブックから)購入され、及び/又は別の管轄区内で販売される等し得る。
【0097】
一部の実施形態は、税金の支払期限が来たときに、損失を用いて過去の儲け又は他の利益を相殺できる管轄区内で負けを出すことを試みることを含み得る。例えば、或る管轄区が多くの儲けを獲得し、一方が勝つよりも負ける可能性が高いとリスクマネージャが判定する場合、リスクマネージャはその管轄区における操作を管理して賭けのそのサイドのリスクを取ることができ、その結果、損失が発生した場合、その損失を用いて過去の儲けを相殺することができる。そのような調節は将来を考慮したものであり得る(例えば或る管轄区が将来の儲けを獲得すると予期される場合、それらの儲けを現在の損失と相殺する試みを行うことができる)。
【0098】
そのような一部の決定は、所望のオッズ計算に対する、プレーヤによる賭博行為の比較に基づいて行うことができる。例えばオッズが或るレベルにあるようにリスクマネージャ及び/又はオッズ作成システムが決定するが、プレーヤの賭博行為が異なるレベルに終わる(例えば予期されるものから逸脱するレベルであり、その為オッズ計算に基づいてそうであるべきよりも一方の人気がある)場合、リスクマネージャは、賭け手が間違って賭けていると実際の結果の可能性に基づいて判定することができる。賭博行為に適合するように、提供されるオッズは計算されるオッズから逸脱しても良い。この逸脱は、(例えば点差があり、賭けが提供され得るべきだとオッズ計算が示すよりも好ましい及び好ましくない賭け手の賭けを引き付ける為に点差が縮められ又は広げられる状況において)一方が予期される儲けとなり、一方が予期される損失となることを招き得る。
【0099】
一部の実施形態は、課税措置が他の管轄区よりも良いことに基づき、リスクを軽減する為の管轄区を選択することを含み得る。例えば、第3の管轄区から両賭けされることが望まれるリスクの両賭けを2つの管轄区が許可する場合、リスクの相殺を実際に試みる為に、あり得る儲け及び/又はあり得る損失を最も有益な課税措置によって処理する管轄区をその2つの管轄区から選択することができる。両賭けを(例えば或る期間内に)行うことができない場合、第2の管轄区を使用することができる。
【0100】
リスクを分散し且つ/又はリスクを計上する方法としてのかかる税金の使用例は、一例として与えるに過ぎないことを理解すべきである。
【0101】
最小規模の例
一部の実施形態は、特定のイベントに応答してリスク計算及び/又はアクションを行うことを含み得る。例えばリスク計算は、賭けが行われることに応答して実行され得る。一部の実施形態は、ありとあらゆる賭けに応答してリスク計算を行うことを含み得る。一部の実施形態は、賭けが幾らかの閾値を上回ることに応答してのみ、リスク計算を行うことを含み得る。(例えば賭けられる金額及び/又は潜在的な払戻し額)。例えばリスク計算は、1000ドル、100ドル、50ドル、10ドル、10000ドル、100万ドル超の賭け及び/又は所望の任意の閾値を上回る賭けについて行っても良い。リスク計算を賭けの閾値に限定することにより、リスクマネージャは、比較的釣合いの取れたリスクポートフォリオを相変わらず維持しながらより少ないシステム資源を消費することができる。
【0102】
一部の実施形態は、周期的にリスク計算を行うことを含み得る。例えば、リスク計算を幾らかの期間の後に及び/又は幾らかの数の賭けの後に行うことができる。かかるリスク計算は、リスクが非常に長い期間にわたって所望の範囲から余りに外れることを防ぎ得る。
【0103】
リスク計算トリガのかかる例は例として与えるに過ぎず、他のトリガ又はタイミングを所望の通りに使用しても良いことを理解すべきである。例えば一部の実施形態は、幾らかの閾値リスクレベルの賭けに応答して、及び周期的にの両方でリスク計算を行うことを含み得る。
【0104】
実施形態は、本明細書又は他の箇所に記載の任意の実施形態の1つ又は複数の構成要素を任意の組合せ及び/又は構成で含み得ることを理解すべきである。一部の実施形態は、かかる要素を一切含まなくても良いが、代わりの、異なる、追加の、更に少ない要素等を含み得る。他の一部の実施形態は、様々な特徴を任意の組合せで含み得ることを理解すべきである。他の実施形態は、異なる、追加の、代わりの、更に少ない、更に多くの特徴等を任意の組合せで含み得る。
【0105】
XXIII.実施形態
以下の内容は、特許請求の範囲ではなく実施形態として解釈すべきである。
【0106】
A.複数の命令を記憶している非一時的な機械可読媒体を含む機器であって、その命令は計算装置によって実行されるとき、第1の賭博会場により二者間賭博提案の各サイドに賭けられる金額を算出すること、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャのレベルを算出すること、二者間賭博提案の第2のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関する相殺リスクのレベルを算出すること、リスクエクスポージャ及び相殺リスクエクスポージャに基づき、リスクエクスポージャの合計レベルを算出すること、合計リスクエクスポージャが閾値を上回ると判定すること、及び合計リスクエクスポージャが閾値を上回ると判定することに応答し、合計リスクレベルの少なくとも一部を負担軽減する為のヘッジ取引を促進することを計算装置に行わせる、機器。
【0107】
A.1.計算装置が、第2の賭博会場により二者間賭博提案の各サイドに賭けられる第2の金額を算出させられ、リスクエクスポージャのレベルを算出することが、第1の賭博会場及び第2の賭博会場の両方により賭けられる金額に基づいてリスクエクスポージャのレベルを算出することを含み、相殺リスクエクスポージャのレベルを算出することが、第1の賭博会場及び第2の賭博会場の両方により賭けられる金額に基づいて相殺リスクエクスポージャのレベルを算出することを含む、請求項Aに記載の機器。A.1.1.ヘッジ取引を促進することが、第1の賭博施設及び第2の賭博施設と異なる第3の賭博施設に対して賭博活動に参加するよう命令することを含み、その結果第1の、第2の、及び第3の賭博施設にわたるリスクの合計が賭博活動後に閾値レベルを下回る、請求項A.1に記載の機器。
【0108】
A.2.ヘッジ取引が、1つ又は複数の賭博の責任を第2の賭博会場に売ることを含む、請求項Aに記載の機器。A.3.ヘッジ取引が、賭けを売買することができる取引所を介して注文することを含む、請求項Aに記載の機器。A.4.ヘッジ取引が、第2の賭博会場と共に賭けを開始することを含む、請求項Aに記載の機器。A.5.ヘッジ取引を促進することが、第1の賭博施設と異なる第2の賭博施設に対して賭博活動に参加するよう命令することを含む、請求項Aに記載の機器。A.6.ヘッジ取引を促進することが、合計リスクエクスポージャを減らす取引が第1の賭博会場の管轄区内で合法かどうかを判定し、取引が合法である場合は取引にローカルに参加し、取引が合法でない場合、合計リスクエクスポージャを別の管轄区内の集中的権限に、集中的権限が取引に参加できるように伝達することを含む、請求項Aに記載の機器。A.6.1.集中的権限を更に含み、その集中的権限は様々な賭博会場から賭博提案に関する複数のリスクレベルを受け取り、様々なリスクレベルを合計し、合計したリスクのヘッジングを促進するように構成される、請求項A.6に記載の機器。
【0109】
A.7.ヘッジ取引を促進することが、第2の賭博会場及び第3の賭博会場の両方をヘッジ取引に参加させようと試みることを含む、請求項Aに記載の機器。A.7.1.計算装置に、第2の賭博会場はヘッジ取引の一部に参加していると判定させ、ヘッジ取引の残りの部分に参加する試みだけを含めるように第3の賭博会場による試みを調節する、請求項A.7に記載の機器。A.8.各サイドに賭けられる金額を算出することが、金額を示す報告を第1の賭博会場から受け取ることを含む、請求項Aに記載の機器。A.8.1.第1の賭博会場の管轄区によって許可されている方法で報告が伝送され、第2の賭博会場によって賭けられる第2の金額が、第2の管轄区内で許可されているが第1の管轄区では許可されていない異なる方法で別の管轄区内の第2の賭博会場から受け取られる、請求項A.8に記載の機器。A.9.リスクエクスポージャのレベルが、賭博提案の第1のサイドが勝者側である場合に第1の賭博会場が払い戻す責任を負う金額を含む、請求項Aに記載の機器。A.10.二者間賭博提案が、スポーツイベントの結果に関する固定オッズ賭博を含む、請求項Aに記載の機器。A.11.合計リスクが閾値を上回ると判定することに応答し、計算装置が、異なるオッズで二者間賭博提案を提供するように第1の賭博会場及び第2の賭博会場に命令させられる、請求項Aに記載の機器。
【0110】
B.第1の賭博会場により二者間賭博提案の各サイドに賭けられる金額を算出するステップと、第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャのレベルを計算装置によって算出するステップと、二者間賭博提案の第2のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関する相殺リスクのレベルを計算装置によって算出するステップと、リスクエクスポージャ及び相殺リスクエクスポージャに基づき、リスクエクスポージャの合計レベルを計算装置によって算出するステップと、合計リスクエクスポージャが閾値を上回ると計算装置によって判定するステップと、合計リスクエクスポージャが閾値を上回ると判定するステップに応答し、合計リスクレベルの少なくとも一部を負担軽減する為のヘッジ取引を計算装置によって促進するステップとを含む、方法。
【0111】
C.複数の命令を記憶している非一時的な機械可読媒体を含む機器であって、その命令は計算装置によって実行されるとき、第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを受け取ること、第2の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを受け取ること、第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを受け取ること、第1のレベルと第2のレベルとを合計し、第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを算出すること、リスクエクスポージャの合計レベルを算出することに応答し、リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺賭博取引に参加するよう第4の賭博会場に命令することを計算装置に行わせる、機器。
【0112】
D.第1の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第1のレベルを計算装置によって受け取るステップと、第2の賭博会場において第1のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第1のサイドに関するリスクエクスポージャの第2のレベルを計算装置によって受け取るステップと、第3の賭博会場において第2のサイドに賭けられた金額に基づき、二者間賭博提案の第2のサイドに関するリスクエクスポージャの第3のレベルを計算装置によって受け取るステップと、第1のレベルと第2のレベルとを合計し、第3のレベルを減算することにより、賭博運営者のリスクエクスポージャの合計レベルを計算装置によって算出するステップと、リスクエクスポージャの合計レベルを算出するステップに応答し、リスクエクスポージャの合計レベルを低下させる相殺賭博取引に参加するよう第4の賭博会場に計算装置によって命令するステップとを含む、方法。
図1
図2
図3
図4