(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
患者の心臓に埋込型人工弁を送達する方法であって、前記患者の心臓は、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有し、前記方法は、
人工弁を提供することであって、前記人工弁は、拡張可能なフレームを備え、前記拡張可能なフレームは、第1の端部、前記第1の端部と反対の第2の端部、前記拡張可能なフレームの前部分上の第1の前タブ、前記拡張可能なフレームの後部分上の後タブ、および前記拡張可能なフレームの前記第1の端部に隣接する心室スカートを有し、前記人工弁は、前記心臓に係合するための拡張構成、および折り畳み構成を有する、ことと、
前記折り畳み構成の前記人工弁を前記僧帽弁に隣接して前記患者の心臓に送達することと、
前記第1の前タブの先端部分が、前記僧帽弁の前記前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように、前記第1の前タブを半径方向外向きに拡張することであって、前記前尖および隣接する前腱索は、前記第1の前タブと前記心室スカートの外側前面との間に配置される、ことと、
前記第1の前タブを半径方向に拡張した後に、前記僧帽弁の前記後尖および隣接する後腱索が、前記後タブと前記心室スカートの外側後面との間に配置されるように、前記後タブを半径方向外向きに拡張することと、
前記後タブを半径方向に拡張した後に、前記心室スカートを半径方向外向きに拡張し、それによって、前記前および後尖に係合することと
を含み、
前記前尖および前記隣接する前腱索は、前記第1の前タブと前記心室スカートの前記外側前面との間に捕捉され、
前記後尖および前記隣接する後腱索は、前記後タブと前記心室スカートの前記後外面との間に捕捉される、方法。
(項目2)
送達カテーテルを提供することをさらに含み、前記人工弁は、前記送達カテーテルに解放可能に連結される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記人工弁を送達することは、前記心臓の外側の領域から前記心臓の左心室へ前記人工弁を経心尖的に送達することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記人工弁を送達することは、前記心臓の右心房から左心房へ前記人工弁を経中隔的に送達することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記人工弁を送達することは、前記拡張可能なフレームの前記第1の端部が前記僧帽弁の一部分より下にあり、前記拡張可能なフレームの前記第2の端部が前記僧帽弁の一部分より上にあるように、前記僧帽弁を横断して前記人工弁を位置付けることを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1の前タブを拡張することは、前記第1の前タブが自由に半径方向外向きに自己拡張できるように、前記第1の前タブから拘束シースを後退させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記人工弁はさらに、前記拡張可能なフレームの前記前部分上に第2の前タブを備え、前記方法はさらに、前記第2の前タブの先端部分が、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように、前記第2の前タブを半径方向外向きに拡張することを含み、
前記前尖および隣接する前腱索は、前記第2の前タブと前記心室スカートの外面との間に配置される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第2の前タブは、前記第1の前タブの拡張と同時に半径方向外向きに拡張する、項目7に記載の方法。
(項目9)
それぞれの前記第1または第2の前タブに対して前記第1の線維性三角または前記第2の線維性三角に係合することに先立って、および前記第1または第2の前タブと前記心室スカートの前記外面との間に前記前尖および前記隣接する腱索を配置することに先立って、前記方法は、前記第1または第2の前タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記第1または第2の前タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記第2の前タブを拡張することは、前記第2の前タブが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記第2の前タブから拘束シースを後退させることを含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記後タブと前記心室スカートの前記外側後面との間に前記僧帽弁の前記後尖および前記隣接する腱索を配置することに先立って、前記方法は、前記後タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記後タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記前尖および前記隣接する前腱索が、前記第1の前タブと前記心室スカートの前記外側前面との間に配置された後に、前記方法は、前記後タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記後タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含み、前記後タブは、前記後タブと前記心室スカートの前記外側後面との間に前記僧帽弁の前記後尖および前記隣接する後腱索を配置することなく、部分的に拡張される、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記心室スカートを半径方向に拡張することは、前記心室スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記心室スカートから拘束シースを後退させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記心室スカートは、複数の返しを備え、前記心室スカートを拡張することは、心臓組織の中へ前記複数の返しを係留することを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記人工弁はさらに、複数の交連を備え、前記心室スカートを拡張することは、前記前および後僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させ、それによって、前記交連と前記前および後尖の両方との間の干渉を防止する、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記心室スカートを拡張することは、前記左心室の内壁に接触することなく、かつ左心室流出路を塞ぐことなく、前記前および後弁尖を半径方向外向きに変位させる、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記心室スカートを半径方向に拡張することは、前記心室スカートの前部分が実質的に平坦であり、前記心室スカートの後部分が円筒形状であるように、前記心室スカートを非対称に拡張する、項目1に記載の方法。
(項目18)
僧帽弁逆流を低減または排除することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記人工弁は、治療薬を運搬し、前記方法はさらに、前記人工弁から隣接する組織の中へ前記治療薬を溶出することを含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記人工弁は、整合要素を備え、第2の線維性三角は、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記前尖の第2の側面に配置され、前記方法はさらに、前記整合要素を大動脈基部と整合させることと、前記第1および第2の線維性三角の間に前記整合要素を配置することとを含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記整合要素を整合させることは、前記人工弁を回転させることを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記人工弁はさらに、前記人工弁の上に配置された被覆を伴う複数の交連を備え、それによって、複数の人工弁尖が形成され、前記方法はさらに、送達カテーテルから前記複数の人工弁尖を解放することを含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記複数の人工弁尖は、三尖弁を形成し、前記三尖弁は、開放構成および閉鎖構成を有し、前記複数の人工弁尖は、前記開放構成で相互から離れて配置され、それによって、前記複数の人工弁尖を通る順行性血流を可能にし、前記複数の人工弁尖は、前記閉鎖構成で相互に係合し、それによって、前記複数の人工弁尖を通る逆行性血流を実質的に防止する、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記人工弁はさらに、心房スカートを備え、前記方法はさらに、
前記僧帽弁の上面を覆って位置するように前記心房スカートを半径方向外向きに拡張することと、
前記僧帽弁の前記上面に対して前記心房スカートを係合させることと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記心房スカートを拡張することは、前記心房スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記心房スカートから拘束シースを後退させることを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記心房スカートが前記僧帽弁の前記上面に係合することを確実にするように、前記僧帽弁に対して上流または下流に前記人工弁を移動させることをさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記上面に対して前記心房スカートを係合させることは、その間の血流を防止するか、または実質的に防止するように、前記僧帽弁の前記上面に対して前記心房スカートを密閉する、項目24に記載の方法。
(項目28)
前記人工弁はさらに、環状領域を備え、前記方法はさらに、
前記僧帽弁の弁輪と一致するように前記環状領域を半径方向外向きに拡張することと、
前記環状領域を前記僧帽弁輪と係合させることと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目29)
前記環状領域を拡張することは、前記環状領域が自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記環状領域から拘束シースを後退させることを含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記環状領域を拡張することは、前記環状領域の前部分が実質的に平坦であり、前記環状領域の後部分が円筒形状であるように、前記環状領域を非対称に拡張することを含む、項目28に記載の方法。
(項目31)
患者の心臓に埋込型人工弁を送達する方法であって、前記患者の心臓は、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有し、前記方法は、
人工弁を提供することであって、前記人工弁は、拡張可能なフレームを備え、前記拡張可能なフレームは、第1の端部、前記第1の端部と反対の第2の端部、前記拡張可能なフレームの前部分上の第1の前タブ、前記拡張可能なフレームの後部分上の後タブ、および前記拡張可能なフレームの前記第1の端部に隣接する心室スカートを有し、前記人工弁は、前記心臓に係合するための拡張構成、および折り畳み構成を有する、ことと、
前記折り畳み構成の前記人工弁を前記僧帽弁に隣接して前記患者の心臓に送達することと、
前記第1の前タブの先端部分が、前記僧帽弁の前記前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように、前記第1の前タブを半径方向外向きに拡張することであって、前記前尖および隣接する前腱索は、前記第1の前タブと前記心室スカートの外側前面との間に配置される、ことと、
前記第1の前タブを半径方向に拡張した後に、前記心室スカートを半径方向外向きに拡張し、それによって、前記前尖に係合することであって、前記前尖および前記隣接する前腱索は、前記第1の前タブと前記心室スカートの前記外側前面との間に捕捉される、ことと、
前記心室スカートを半径方向に拡張した後に、前記僧帽弁の前記後尖および隣接する後腱索が、前記後タブと前記心室スカートの外側後面との間に配置および捕捉されるように、前記後タブを半径方向外向きに拡張することと
を含む、方法。
(項目32)
送達カテーテルを提供することをさらに含み、前記人工弁は、前記送達カテーテルに解放可能に連結される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記人工弁を送達することは、前記心臓の外側の領域から前記心臓の左心室へ前記人工弁を経心尖的に送達することを含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記人工弁を送達することは、前記心臓の右心房から左心房へ前記人工弁を経中隔的に送達することを含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記人工弁を送達することは、前記拡張可能なフレームの前記第1の端部が前記僧帽弁の一部分より下にあり、前記拡張可能なフレームの前記第2の端部が前記僧帽弁の一部分より上にあるように、前記僧帽弁を横断して前記人工弁を位置付けることを含む、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記第1の前タブを拡張することは、前記第1の前タブが自由に半径方向外向きに自己拡張できるように、前記第1の前タブから拘束シースを後退させることを含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記人工弁はさらに、前記拡張可能なフレームの前記前部分上に第2の前タブを備え、前記方法はさらに、前記第2の前タブの先端部分が、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように、前記第2の前タブを半径方向外向きに拡張することを含み、
前記前尖および隣接する前腱索は、前記第2の前タブと前記心室スカートの外面との間に配置される、項目31に記載の方法。
(項目38)
前記第2の前タブは、前記第1の前タブの半径方向拡張と同時に半径方向外向きに拡張する、項目37に記載の方法。
(項目39)
それぞれの前記第1または第2の前タブに対して前記第1の線維性三角または前記第2の線維性三角に係合することに先立って、および前記第1または第2の前タブと前記心室スカートの前記外面との間に前記前尖および前記隣接する腱索を配置することに先立って、前記方法は、前記第1または第2の前タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記第1または第2の前タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記第2の前タブを拡張することは、前記第2の前タブが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記第2の前タブから拘束シースを後退させることを含む、項目37に記載の方法。
(項目41)
前記心室スカートを半径方向に拡張することは、前記心室スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記心室スカートから拘束シースを後退させることを含む、項目31に記載の方法。
(項目42)
前記心室スカートは、複数の返しを備え、前記心室スカートを拡張することは、前記心臓の中へ前記複数の返しを係留することを含む、項目31に記載の方法。
(項目43)
前記人工弁はさらに、複数の交連を備え、前記心室スカートを拡張することは、前記前および後僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させ、それによって、前記交連と前記前および後尖の両方との間の干渉を防止する、項目31に記載の方法。
(項目44)
前記心室スカートを拡張することは、前記左心室の内壁に接触することなく、かつ左心室流出路を塞ぐことなく、前記前および後弁尖を半径方向外向きに変位させる、項目31に記載の方法。
(項目45)
前記心室スカートを半径方向に拡張することは、前記心室スカートの前部分が実質的に平坦であり、前記心室スカートの後部分が円筒形状であるように、前記心室スカートを非対称に拡張する、項目31に記載の方法。
(項目46)
前記後タブと前記心室スカートの前記外側後面との間に前記僧帽弁の前記後尖および前記隣接する後腱索を配置することに先立って、前記方法は、前記後タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記後タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含む、項目31に記載の方法。
(項目47)
前記前尖および前記隣接する腱索が、前記第1の前タブと前記心室スカートの前記外側前面との間に配置された後に、前記方法は、前記後タブが前記人工弁の縦軸と直角であるように、前記後タブを半径方向外向きに部分的に拡張することを含み、前記後タブは、前記後タブと前記心室スカートの前記外側後面との間に前記僧帽弁の前記後尖および前記隣接する後腱索を配置することなく、部分的に拡張される、項目31に記載の方法。
(項目48)
僧帽弁逆流を低減または排除することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目49)
前記人工弁は、治療薬を運搬し、前記方法はさらに、前記人工弁から隣接する組織の中へ前記治療薬を溶出することを含む、項目31に記載の方法。
(項目50)
前記人工弁は、整合要素を備え、第2の線維性三角は、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記前尖の第2の側面に配置され、前記方法はさらに、前記整合要素を大動脈基部と整合させることと、前記第1および第2の線維性三角の間に前記整合要素を配置することとを含む、項目31に記載の方法。
(項目51)
前記整合要素を整合させることは、前記人工弁を回転させることを含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記人工弁はさらに、前記人工弁の上に配置された被覆を伴う複数の交連を備え、それによって、複数の人工弁尖が形成され、前記方法はさらに、送達カテーテルから前記複数の人工弁尖を解放することを含む、項目31に記載の方法。
(項目53)
前記複数の人工弁尖は、三尖弁を形成し、前記三尖弁は、開放構成および閉鎖構成を有し、前記複数の人工弁尖は、前記開放構成で相互から離れて配置され、それによって、前記複数の人工弁尖を通る順行性血流を可能にし、前記複数の人工弁尖は、前記閉鎖構成で相互に係合し、それによって、前記複数の人工弁尖を通る逆行性血流を実質的に防止する、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記人工弁はさらに、心房スカートを備え、前記方法はさらに、
前記僧帽弁の上面を覆って位置するように前記心房スカートを半径方向外向きに拡張することと、
前記僧帽弁の前記上面に対して前記心房スカートを係合させることと
を含む、項目31に記載の方法。
(項目55)
前記心房スカートを拡張することは、前記心房スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記心房スカートから拘束シースを後退させることを含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記心房スカートが前記僧帽弁の前記上面に係合することを確実にするように、前記僧帽弁に対して上流または下流に前記人工弁を移動させることをさらに含む、項目54に記載の方法。
(項目57)
前記上面に対して前記心房スカートを係合させることは、その間の血流を防止するか、または実質的に防止するように、前記僧帽弁の前記上面に対して前記心房スカートを密閉する、項目54に記載の方法。
(項目58)
前記人工弁はさらに、環状領域を備え、前記方法はさらに、
前記僧帽弁の弁輪と一致するように前記環状領域を半径方向外向きに拡張することと、
前記環状領域を前記僧帽弁輪と係合させることと
を含む、項目31に記載の方法。
(項目59)
前記環状領域を拡張することは、前記環状領域が自由に半径方向外向きに拡張できるように、前記環状領域から拘束シースを後退させることを含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記環状領域を拡張することは、前記環状領域の前部分が実質的に平坦であり、前記環状領域の後部分が円筒形状であるように、前記環状領域を非対称に拡張することを含む、項目58に記載の方法。
(項目61)
連続的に展開された人工心臓弁であって、前記弁は、
第1の端部、前記第1の端部と反対の第2の端部、前記第2の端部の付近の心房領域、および前記第1の端部の付近の心室領域を有する自己拡張式フレームであって、前記自己拡張式フレームは、拡張構成および折り畳み構成を有し、前記拡張構成が心臓組織に係合するように適合され、前記折り畳み構成が患者の心臓に送達されるように適合される、自己拡張式フレームと、
前記心房領域中に配置される自己拡張式心房スカートと、
前記心室領域中に配置される自己拡張式心室スカートと、
前記心房領域と前記心室領域との間に配置される自己拡張式環状領域と、
前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの前部分上に配置される第1の自己拡張式前タブと、
前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの後部分上に配置される自己拡張式後タブと
を備え、
前記第1の自己拡張式前タブの一部分および前記自己拡張式後タブの一部分は、拘束がそこから除去されたときに、半径方向外向きに部分的に自己拡張し、
前記第1の前タブは、前記拘束がそこから除去されたときに、前記後タブが半径方向外向きに完全に自己拡張する前に、半径方向外向きに完全に自己拡張し、
前記後タブは、前記拘束がそこから除去されたときに、前記心室スカートが自己拡張する前に、半径方向外向きに完全に自己拡張し、
前記心室スカートは、最後に完全に拡張する、人工心臓弁。
(項目62)
前記心房スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目63)
前記心房スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、前記患者の天然僧帽弁の上面を覆って位置するように適合され、それによって、左心房の一部分に対して前記心房スカートを係留する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目64)
前記心房スカートは、1つ以上の放射線不透過性マーカーを備える、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目65)
前記心房スカートは、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目66)
前記心房スカートの自己拡張後に、前記心房スカートは、前記自己拡張式フレームの前記第2の端部に隣接するフランジ付き領域を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目67)
自己拡張式後に、前記心房スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目68)
前記心房スカートの前部分に連結される整合要素をさらに備え、前記整合要素は、患者の心臓の大動脈基部と整合させられるように適合され、かつ前記患者の僧帽弁の前尖の2つの線維性三角の間に配置されるように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目69)
前記環状領域の少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目70)
前記環状領域は、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、前記患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、患者の天然僧帽弁の弁輪と一致するように適合され、かつそれに係合するように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目71)
自己拡張式後に、前記環状領域は、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目72)
前記環状領域は、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目73)
前記複数の軸方向に配向した支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴を備え、前記縫合糸穴は、縫合糸を受容するようにサイズ決定される、項目72に記載の人工心臓弁。
(項目74)
前記心室スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目75)
自己拡張式後に、前記心室スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を備える、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目76)
前記心室スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、前記患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、天然僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させるように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目77)
前記第1の前タブは、患者の僧帽弁の前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有し、前記第1の前タブは、前記第1の前タブと前記心室スカートの外側前面との間に前記前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目78)
前記人工心臓弁はさらに、前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの前記前部分上に配置される第2の自己拡張式前タブを備え、前記第2の前タブは、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記患者の僧帽弁の前記前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有し、前記第2の前タブは、前記第2の前タブと前記心室スカートの前記外面との間に前記前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合される、項目77に記載の人工心臓弁。
(項目79)
前記第1または第2の前タブを覆って配置される被覆をさらに備え、前記被覆は、前記心臓組織とのそれぞれの前記第1または第2の前タブの接触表面積を増加させる、項目78に記載の人工心臓弁。
(項目80)
前記被覆は、前記第1または第2の前タブに連結されるポリマータブを覆って配置される織物材料を含む、項目79に記載の人工心臓弁。
(項目81)
前記後タブが患者の心臓の後尖と心室壁との間に着座されるように、前記後タブは、前記患者僧帽弁の前記後尖を覆って係留されるように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目82)
前記後タブは、複数の支柱を備え、隣接する支柱は、複数の拡張可能なヒンジ連結接合部を形成するようにともに連結され、前記後タブの半径方向拡張時に、前記複数の支柱は、相互から離れて移動し、それによって、前記ヒンジ連結接合部を開放し、後尖と心室壁との間の前記僧帽弁の弁輪下領域との前記後タブの係合および係留を可能にする細長い水平区分を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目83)
前記心室スカートはさらに、前記心室スカートに連結される複数の返しを備え、前記複数の返しは、心臓組織の中へ前記心室スカートを係留するように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目84)
前記心室スカートは、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目85)
前記支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴を備え、前記縫合糸穴は、縫合糸を受容するようにサイズ決定される、項目84に記載の人工心臓弁。
(項目86)
複数の人工弁尖をさらに備え、前記弁尖のそれぞれは、第1の端部および自由端を有し、前記第1の端部は、前記自己拡張式フレームと連結され、前記自由端は、前記第1の端部の反対側にあり、前記人工弁尖は、前記人工弁尖を通り過ぎる順行性血流を可能にするように、前記人工弁尖の前記自由端が相互から離れて配置される開放構成と、前記人工弁尖の前記自由端が相互に係合し、前記人工弁尖を通り過ぎる逆行性血流を実質的に防止する閉鎖構成とを有する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目87)
前記複数の人工弁尖は、三尖弁を形成する、項目86に記載の人工心臓弁。
(項目88)
1つ以上の人工弁尖の少なくとも一部分は、組織または合成材料を含む、項目86に記載の人工心臓弁。
(項目89)
前記人工弁尖のうちの1つ以上は、交連タブを有する交連柱を備え、前記交連タブは、送達デバイスと解放可能に係合させられるように適合される、項目86に記載の人工心臓弁。
(項目90)
前記人工心臓弁は、治療薬を運搬し、前記治療薬は、前記人工心臓弁から溶出するように適合される、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目91)
連続的に展開された人工心臓弁であって、前記弁は、
第1の端部、前記第1の端部と反対の第2の端部、前記第2の端部の付近の心房領域、および前記第1の端部の付近の心室領域を有する自己拡張式フレームであって、前記自己拡張式フレームは、拡張構成および折り畳み構成を有し、前記拡張構成が心臓組織に係合するように適合され、前記折り畳み構成が患者の心臓に送達されるように適合される、自己拡張式フレームと、
前記心房領域中に配置される自己拡張式心房スカートと、
前記心室領域中に配置される自己拡張式心室スカートと、
前記心房領域と前記心室領域との間に配置される自己拡張式環状領域と、
前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの前部分上に配置される第1の自己拡張式前タブと、
前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの後部分上に配置される自己拡張式後タブと
を備え、
前記第1の自己拡張式前タブの一部分および前記自己拡張式後タブの一部分は、拘束がそこから除去されたときに、半径方向外向きに部分的に自己拡張し、
前記第1の前タブは、前記拘束がそこから除去されたときに、前記心室スカートが半径方向外向きに自己拡張する前に、半径方向外向きに自己拡張し、
前記心室スカートは、前記後タブが自己拡張し終える前に、半径方向外向きに自己拡張し、
前記後タブは、前記心室スカートが自己拡張した後に、自己拡張し終える、人工心臓弁。
(項目92)
前記心房スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目93)
前記心房スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、前記患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、患者の天然僧帽弁の上面を覆って位置するように適合され、それによって、左心房の一部分に対して前記心房スカートを係留する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目94)
前記心房スカートは、1つ以上の放射線不透過性マーカーを備える、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目95)
前記心房スカートは、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目96)
前記心房スカートの自己拡張後に、前記心房スカートは、前記自己拡張式フレームの前記第2の端部に隣接するフランジ付き領域を形成する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目97)
自己拡張式後に、前記心房スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目98)
前記心房スカートの前部分に連結される整合要素をさらに備え、前記整合要素は、前記患者の心臓の大動脈基部と整合させられるように適合され、かつ患者の僧帽弁の前尖の2つの線維性三角の間に配置されるように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目99)
前記環状領域の少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目100)
前記環状領域は、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、前記患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、患者の天然僧帽弁の弁輪と一致するように適合され、かつそれに係合するように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目101)
自己拡張式後に、前記環状領域は、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目102)
前記環状領域は、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目103)
前記複数の軸方向に配向した支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴を備え、前記縫合糸穴は、縫合糸を受容するようにサイズ決定される、項目102に記載の人工心臓弁。
(項目104)
前記心室スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われる、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目105)
自己拡張式後に、前記心室スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を備える、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目106)
前記心室スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有し、前記折り畳み構成は、前記患者の心臓への送達のために適合され、前記拡張構成は、前記折り畳み構成に対して半径方向に拡張され、天然僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させるように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目107)
前記第1の前タブは、患者の僧帽弁の前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有し、前記第1の前タブは、前記第1の前タブと前記心室スカートの外側前面との間に前記前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目108)
前記人工心臓弁はさらに、前記心室領域中で前記自己拡張式フレームの前記前部分上に配置される第2の自己拡張式前タブを備え、前記第2の前タブは、前記前尖の前記第1の側面と反対の前記患者の僧帽弁の前記前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有し、前記第2の前タブは、前記第2の前タブと前記心室スカートの前記外面との間に前記前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合される、項目107に記載の人工心臓弁。
(項目109)
前記第1または第2の前タブを覆って配置される被覆をさらに備え、前記被覆は、前記心臓組織とのそれぞれの前記第1または第2の前タブの接触表面積を増加させる、項目108に記載の人工心臓弁。
(項目110)
前記被覆は、前記第1または第2の前タブに連結されるポリマータブを覆って配置される織物材料を含む、項目109に記載の人工心臓弁。
(項目111)
前記後タブが患者の心臓の後尖と心室壁との間に着座されるように、前記後タブは、前記患者の僧帽弁の前記後尖を覆って係留されるように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目112)
前記後タブは、複数の支柱を備え、隣接する支柱は、複数の拡張可能なヒンジ連結接合部を形成するようにともに連結され、前記後タブの半径方向拡張時に、前記複数の支柱は、相互から離れて移動し、それによって、前記ヒンジ連結接合部を開放し、後尖と心室壁との間の前記僧帽弁の弁輪下領域との前記後タブの係合および係留を可能にする細長い水平区分を形成する、項目61に記載の人工心臓弁。
(項目113)
前記心室スカートはさらに、前記心室スカートに連結される複数の返しを備え、前記複数の返しは、心臓組織の中へ前記心室スカートを係留するように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目114)
前記心室スカートは、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の支柱を備え、前記複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目115)
前記支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴を備え、前記縫合糸穴は、縫合糸を受容するようにサイズ決定される、項目114に記載の人工心臓弁。
(項目116)
複数の人工弁尖をさらに備え、前記弁尖のそれぞれは、第1の端部および自由端を有し、前記第1の端部は、前記自己拡張式フレームと連結され、前記自由端は、前記第1の端部の反対側にあり、前記人工弁尖は、前記人工弁尖を通り過ぎる順行性血流を可能にするように、前記人工弁尖の前記自由端が相互から離れて配置される開放構成と、前記人工弁尖の前記自由端が相互に係合し、前記人工弁尖を通り過ぎる逆行性血流を実質的に防止する閉鎖構成とを有する、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目117)
前記複数の人工弁尖は、三尖弁を形成する、項目116に記載の人工心臓弁。
(項目118)
1つ以上の人工弁尖の少なくとも一部分は、組織または合成材料を含む、項目116に記載の人工心臓弁。
(項目119)
前記人工弁尖のうちの1つ以上は、交連タブを有する交連柱を備え、前記交連タブは、送達デバイスと解放可能に係合させられるように適合される、項目116に記載の人工心臓弁。
(項目120)
前記人工心臓弁は、治療薬を運搬し、前記治療薬は、前記人工心臓弁から溶出するように適合される、項目91に記載の人工心臓弁。
(項目121)
患者の心臓に人工心臓弁を送達するための送達システムであって、前記心臓は、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有し、前記送達システムは、
人工心臓弁と、
内側ガイドワイヤシャフトであって、前記内側ガイドワイヤシャフトは、それを通って延在する管腔を有し、前記管腔は、ガイドワイヤを摺動可能に受容するようにサイズ決定される、内側ガイドワイヤシャフトと、
前記内側ガイドワイヤシャフトの遠位部分に連結される遠位組織貫通先端であって、前記遠位先端は、前記心臓内の組織を通過して拡張するように適合され、連続的な広口領域は、前記内側ガイドワイヤシャフトを前記遠位先端と連結し、前記連続的な広口領域は、前記人工心臓弁を支持し、それによって、前記人工心臓弁の不要な屈曲を低減または排除するように構成される、遠位組織貫通先端と、
前記内側ガイドワイヤシャフトを覆って同心円状に配置されるハブシャフトであって、前記人工心臓弁は、前記ハブシャフトの遠位部分に解放可能に連結される、ハブシャフトと、
前記ハブシャフトを覆って摺動可能および同心円状に配置されるベルシャフトと、
前記ベルシャフトを覆って摺動可能および同心円状に配置される外側シースであって、前記人工心臓弁は、半径方向折り畳み構成で前記外側シースの中に収納される、外側シースと、
前記送達システムの近位端の付近のハンドルであって、前記ハンドルは、前記ベルシャフトおよび前記シースを前進および後退させるように適合されるアクチュエータ機構を備える、ハンドルと
を備える、送達システム。
(項目122)
前記ベルシャフトに対する前記外側シースの近位後退は、前記人工心臓弁から拘束を除去し、それによって、前記人工心臓弁が前記患者の僧帽弁と係合するように自己拡張することを可能にする、項目121に記載の送達システム。
(項目123)
前記人工心臓弁は、複数の交連柱を備え、前記交連柱は、前記ハブシャフトの遠位部分と解放可能に連結され、前記ハブシャフトに対する前記ベルシャフトの近位後退は、前記交連柱が前記ハブシャフトから分断することを可能にする、項目121に記載の送達システム。
(項目124)
前記アクチュエータ機構は、回転可能なホイールを備える、項目121に記載の送達システム。
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関し、より具体的には、僧帽弁逆流を治療するために使用される人工弁に関する。本開示は、僧帽弁逆流を治療するための人工弁の使用に焦点を当てているが、これは限定的であることを目的としていない。本明細書で開示される人工弁はまた、他の心臓弁または静脈弁を含む、他の身体弁を治療するために使用されてもよい。例示的な心臓弁は、大動脈弁、三尖弁、または肺動脈弁を含む。
【0015】
本発明の第1の側面では、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有する患者の心臓に埋込型人工弁を送達する方法は、人工弁を提供するステップを含み、人工弁は、第1の端部、第1の端部と反対の第2の端部、拡張可能なフレームの前部分上の第1の前タブ、拡張可能なフレームの後部分上の後タブ、および拡張可能なフレームの第1の端部に隣接する心室スカートを有する、拡張可能なフレームを備える。人工弁は、心臓に係合するための拡張構成、および折り畳み構成を有する。人工弁は、折り畳み構成で僧帽弁に隣接して患者の心臓に送達され、第1の前タブは、第1の前タブの先端部分が、僧帽弁の前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように、半径方向外向きに拡張される。前尖に隣接する前腱索は、第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に配置される。第1の前タブを半径方向に拡張した後に、後タブは、僧帽弁の後尖および隣接する後腱索が、後タブと心室スカートの外側後面との間に配置されるように、半径方向外向きに拡張される。後タブを半径方向に拡張した後に、心室スカートは、半径方向外向きに拡張され、それによって、前および後尖に係合する。前尖および隣接する前腱索は、第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に捕捉される。後尖および隣接する後腱索は、後タブと心室スカートの後外面との間に捕捉される。
【0016】
本発明の別の側面では、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有する患者の心臓に埋込型人工弁を送達する方法は、人工弁を提供するステップを含み、人工弁は、第1の端部、第1の端部と反対の第2の端部、拡張可能なフレームの前部分上の第1の前タブ、拡張可能なフレームの後部分上の後タブ、および拡張可能なフレームの第1の端部に隣接する心室スカートを有する、拡張可能なフレームを備える。人工弁は、心臓に係合するための拡張構成、および折り畳み構成を有する。人工弁は、折り畳み構成で僧帽弁に隣接して患者の心臓に送達される。第1の前タブは、第1の前タブの先端部分が、僧帽弁の前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように、半径方向外向きに拡張される。前尖および隣接する前腱索は、第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に配置される。第1の前タブを半径方向に拡張した後に、心室スカートは、半径方向に拡張され、それによって、前尖および隣接する前腱索が第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に捕捉されるように、前尖に係合する。心室スカートを半径方向に拡張した後に、後タブは、僧帽弁の後尖および隣接する後腱索が、後タブと心室スカートの外側後面との間に配置および捕捉されるように、半径方向外向きに拡張される。
【0017】
本方法はさらに、送達カテーテルを提供するステップを含んでもよく、人工弁は、それに解放可能に連結される。人工弁を送達するステップは、心臓の外側の領域から心臓の左心室への人工弁の経心尖送達を含んでもよく、または人工弁は、心臓の右心房から左心房へ経中隔的に送達されてもよい。人工弁を送達するステップは、拡張可能なフレームの第1の端部が僧帽弁の一部分より下にあり、拡張可能なフレームの第2の端部が僧帽弁の一部分より上にあるように、僧帽弁を横断して人工弁を位置付けるステップを含んでもよい。
【0018】
第1の前タブを拡張するステップは、第1の前タブが自由に半径方向外向きに自己拡張できるように、第1の前タブから拘束シースを後退させるステップを含んでもよい。人工弁はさらに、拡張可能なフレームの前部分上に第2の前タブを備えてもよく、本方法はさらに、第2の前タブの先端部分が、前尖の第1の側面と反対の前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように、第2の前タブを半径方向外向きに拡張するステップを含んでもよい。前尖および隣接する前腱索は、第2の前タブと心室スカートの外面との間に配置されてもよい。第2の前タブは、第1の前タブの拡張と同時に半径方向外向きに拡張してもよい。第1または第2の前タブに対して第1の線維性三角または第2の線維性三角に係合することに先立って、および第1または第2の前タブと心室スカートの外面との間に前尖および隣接する腱索を配置することに先立って、本方法は、第1または第2の前タブが人工弁の縦軸と直角であるように、第1または第2の前タブを半径方向外向きに部分的に拡張するステップを含んでもよい。第2の前タブを拡張するステップは、第2の前タブが自由に半径方向外向きに拡張できるように、第2の前タブから拘束シースを後退させるステップを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、後タブと心室スカートの外側後面との間に僧帽弁の後尖および隣接する後腱索を配置することに先立って、本方法は、後タブが人工弁の縦軸と直角であるように、後タブを半径方向外向きに部分的に拡張するステップを含んでもよい。前尖および隣接する腱索が、第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に配置された後に、本方法は、後タブが人工弁の縦軸と直角であるように、後タブを半径方向外向きに部分的に拡張するステップを含んでもよく、後タブは、後タブと心室スカートの外側後面との間に僧帽弁の後尖および隣接する後腱索を配置することなく、部分的に拡張される。
【0020】
心室スカートを半径方向に拡張するステップは、心室スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、心室スカートから拘束シースを後退させるステップを含んでもよい。心室スカートは、複数の返しを備えてもよく、心室スカートを拡張するステップは、心臓組織の中へ複数の返しを係留するステップを含んでもよい。人工弁はさらに、複数の交連を備えてもよく、心室スカートを拡張するステップは、前および後僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させ、それによって、交連と前および後尖の両方との間の干渉を防止してもよい。心室スカートを拡張するステップは、左心室の内壁に接触することなく、かつ左心室流出路を塞ぐことなく、前および後尖を半径方向外向きに変位させてもよい。心室スカートを拡張するステップは、心室スカートの前部分が実質的に平坦であり、心室スカートの後部分が円筒形状であるように、心室スカートを非対称に拡張してもよい。
【0021】
本方法はさらに、僧帽弁逆流を低減または排除するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、人工弁は、治療薬を運搬し、本方法はさらに、人工弁から隣接する組織の中へ治療薬を溶出するステップを含んでもよい。人工弁はまた、整合要素を備えてもよい。第2の線維性三角は、前尖の第1の側面と反対の前尖の第2の側面に配置され、本方法はさらに、整合要素を大動脈基部と整合させるステップと、第1および第2の線維性三角の間に整合要素を配置するステップとを含んでもよい。整合要素を整合させるステップは、人工弁を回転させるステップを含んでもよい。
【0022】
人工弁はさらに、その上に配置された被覆を伴う複数の交連を備えてもよく、それによって、複数の人工弁尖が形成され、本方法はさらに、送達カテーテルから複数の人工弁尖を解放するステップを含んでもよい。複数の人工弁尖は、開放構成および閉鎖構成を有する三尖弁を形成してもよい。複数の人工弁尖は、開放構成で相互から離れて配置されてもよく、それによって、それを通る順行性血流を可能にし、複数の人工弁尖は、閉鎖構成で相互に係合し、それによって、それを通る逆行性血流を実質的に防止してもよい。
【0023】
人工弁はさらに、心房スカートを備えてもよく、本方法はさらに、僧帽弁の上面を覆って位置するよう、心房スカートを半径方向外向きに拡張するステップと、僧帽弁の上面に対して心房スカートを係合させるステップとを含んでもよい。心房スカートを拡張するステップは、心房スカートが自由に半径方向外向きに拡張できるように、心房スカートから拘束シースを後退させるステップを含んでもよい。人工弁は、心房スカートが僧帽弁の上面に係合することを確実にするように、僧帽弁に対して上流または下流に移動させられてもよい。上面に対して心房スカートを係合させるステップは、その間の血流を防止するか、または実質的に防止するように、僧帽弁の上面に対して心房スカートを密閉してもよい。
【0024】
人工弁はさらに、環状領域を備えてもよく、本方法はさらに、僧帽弁の弁輪と一致するよう、環状領域を半径方向外向きに拡張するステップと、環状領域を僧帽弁輪と係合させるステップとを含んでもよい。環状領域を拡張するステップは、環状領域が自由に半径方向外向きに拡張できるように、環状領域から拘束シースを後退させるステップを含んでもよい。環状領域を拡張するステップは、環状領域の前部分が実質的に平坦であり、環状領域の後部分が円筒形状であるように、環状領域を非対称に拡張するステップを含んでもよい。
【0025】
本発明の別の側面では、連続的に展開された人工心臓弁は、第1の端部、第1の端部と反対の第2の端部、第2の端部の付近の心房領域、および第1の端部の付近の心室領域を有する、自己拡張式フレームを備える。自己拡張式フレームは、拡張構成および折り畳み構成を有する。拡張構成は、心臓組織に係合するように適合され、折り畳み構成は、患者の心臓に送達されるように適合される。人工弁はまた、心房領域中に配置される自己拡張式心房スカートと、心室領域中に配置される自己拡張式心室スカートと、心房領域と心室領域との間に配置される自己拡張式環状領域とを含む。第1の自己拡張式前タブが、心室領域中で自己拡張式フレームの前部分上に配置される。自己拡張式後タブが、心室領域中で自己拡張式フレームの後部分上に配置される。第1の自己拡張式前タブの一部分および自己拡張式後タブの一部分は、拘束がそこから除去されたときに、半径方向外向きに部分的に自己拡張する。第1の前タブは、拘束がそこから除去されたときに、後タブが完全に自己拡張する前に、半径方向外向きに完全に自己拡張する。後タブは、拘束がそこから除去されたときに、心室スカートが自己拡張する前に、半径方向外向きに完全に自己拡張し、心室スカートは、最後に完全に拡張する。
【0026】
本発明の別の側面では、連続的に展開された人工心臓弁は、第1の端部、第1の端部と反対の第2の端部、第2の端部の付近の心房領域、および第1の端部の付近の心室領域を有する、自己拡張式フレームを備える。自己拡張式フレームは、拡張構成および折り畳み構成を有する。拡張構成は、心臓組織に係合するように適合され、折り畳み構成は、患者の心臓に送達されるように適合される。人工心臓弁はまた、心房領域中に配置される自己拡張式心房スカートと、心室領域中に配置される自己拡張式心室スカートと、心房領域と心室領域との間に配置される自己拡張式環状領域とを備える。第1の自己拡張式前タブが、心室領域中で自己拡張式フレームの前部分上に配置される。自己拡張式後タブが、心室領域中で自己拡張式フレームの後部分上に配置される。第1の自己拡張式前タブの一部分および自己拡張式後タブの一部分は、拘束がそこから除去されたときに、半径方向外向きに部分的に自己拡張する。第1の前タブは、拘束がそこから除去されたときに、心室スカートが半径方向外向きに自己拡張する前に、半径方向外向きに自己拡張する。心室スカートは、後タブが自己拡張し終える前に、半径方向外向きに自己拡張し、後タブは、心室スカートが自己拡張した後に、自己拡張し終える。
【0027】
心房スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われてもよい。心房スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有してもよい。折り畳み構成は、患者の心臓への送達のために適合されてもよく、拡張構成は、折り畳み構成に対して半径方向に拡張されてもよく、かつ患者の天然僧帽弁の上面を覆って位置するように適合され、それによって、左心房の一部分に対して心房スカートを係留してもよい。心房スカートは、1つ以上の放射線不透過性マーカーを備えてもよく、かつコネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備え、それによって、相互接続された支柱を一連の頂点および谷部に形成してもよい。心房スカートの自己拡張後に、心房スカートは、自己拡張式フレームの第2の端部に隣接するフランジ付き領域を形成してもよい。また、自己拡張式後に、心房スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有してもよい。人工弁はさらに、心房スカートの前部分に連結される整合要素を備えてもよく、整合要素は、患者の心臓の大動脈基部と整合させられてもよく、かつ患者の僧帽弁の前尖の2つの線維性三角の間に配置されてもよい。
【0028】
環状領域の少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われてもよい。環状領域は、折り畳み構成および拡張構成を有してもよい。折り畳み構成は、患者の心臓への送達のために適合されてもよく、拡張構成は、折り畳み構成に対して半径方向に拡張されてもよく、患者の天然僧帽弁の弁輪と一致するように適合され、かつそれに係合するように適合されてもよい。自己拡張式後に、環状領域は、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を有してもよい。環状領域は、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の軸方向に配向した支柱を備えてもよく、複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成してもよい。複数の軸方向に配向した支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴を備えてもよく、縫合糸穴は、縫合糸を受容するようにサイズ決定されてもよい。
【0029】
心室スカートの少なくとも一部分は、組織または合成材料で覆われてもよい。自己拡張式後に、心室スカートは、実質的に平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有する、非対称D字形断面を備えてもよい。心室スカートは、折り畳み構成および拡張構成を有してもよい。折り畳み構成は、患者の心臓への送達のために適合されてもよく、拡張構成は、折り畳み構成に対して半径方向に拡張されてもよく、かつ天然僧帽弁尖を半径方向外向きに変位させるように適合されてもよい。
【0030】
第1の前タブは、患者の僧帽弁の前尖の第1の側面上の第1の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有してもよく、第1の前タブはまた、第1の前タブと心室スカートの外側前面との間に前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合されてもよい。人工心臓弁はさらに、心室領域中で自己拡張式フレームの前部分上に配置される第2の自己拡張式前タブを備えてもよい。第2の前タブは、前尖の第1の側面と反対の患者の僧帽弁の前尖の第2の側面上の第2の線維性三角に係合するように適合される先端部分を有してもよい。第2の前タブは、第2の前タブと心室スカートの外面との間に前尖および隣接する腱索を捕捉するように適合されてもよい。第1または第2の前タブは、タブと心臓組織との間の接触面積を増加させる、それを覆って配置される被覆を有してもよい。被覆は、第1または第2のタブに連結されるポリマータブを覆って配置される織物材料を含んでもよい。後タブが患者の心臓の後尖と心室壁との間に着座されるように、後タブは、患者僧帽弁の後尖を覆って係留されるように適合されてもよい。後タブは、複数の支柱を備えてもよく、隣接する支柱は、複数の拡張可能なヒンジ連結接合部を形成するようにともに連結されてもよい。後タブの半径方向拡張時に、複数の支柱は、相互から離れて移動し、それによって、ヒンジ連結接合部を開放し、後尖と心室壁との間の僧帽弁の弁輪下領域との後タブの係合および係留を可能にする、細長い水平区分を形成する。したがって、細長い水平区分は、支柱の間の単一のヒンジから形成される先細先端のみを有する後タブと比較して、弁輪下領域のより広い領域に接触する。心室スカートはさらに、それに連結される複数の返しを備えてもよい。複数の返しは、心臓組織の中へ心室スカートを係留するように適合されてもよい。心室スカートはまた、コネクタ要素を用いてともに接続される複数の支柱を備えてもよく、複数の相互接続された支柱は、一連の頂点および谷部を形成してもよい。支柱のうちの1つ以上は、それを通って延在する1つ以上の縫合糸穴であって、縫合糸を受容するようにサイズ決定される縫合糸穴を備えてもよい。
【0031】
人工心臓弁はさらに、複数の人工弁尖を備えてもよい。弁尖のそれぞれは、第1の端部および自由端を有してもよく、第1の端部は、自己拡張式フレームと連結されてもよく、自由端は、第1の端部の反対側にあり得る。人工弁尖は、それを通り過ぎる順行性血流を可能にするように、人工弁尖の自由端が相互から離れて配置される、開放構成を有してもよい。人工弁尖は、人工弁尖の自由端が相互に係合し、それを通り過ぎる逆行性血流を実質的に防止する、閉鎖構成を有してもよい。複数の人工弁尖は、三尖弁を形成してもよい。1つ以上の人工弁尖の少なくとも一部分は、組織または合成材料を含んでもよい。人工弁尖のうちの1つ以上は、交連タブを有する交連柱を備えてもよく、交連タブは、送達デバイスと解放可能に係合させられるように適合されてもよい。人工心臓弁は、そこから溶出するように適合される治療薬を運搬してもよい。
【0032】
本発明のなおも別の側面では、前尖および後尖を伴う僧帽弁を有する患者の心臓に人工心臓弁を送達するための送達システムは、人工心臓弁と、管腔がガイドワイヤを摺動可能に受容するようにサイズ決定される、それを通って延在する管腔を有する内側ガイドワイヤシャフトと、内側ガイドワイヤシャフトの遠位部分に連結される遠位組織貫通先端とを備える。遠位先端は、心臓内の組織を通過して拡張するように適合され、連続的な広口領域は、内側ガイドワイヤシャフトを遠位先端と連結する。連続的な広口領域は、人工心臓弁を支持し、それによって、人工心臓弁の不要な屈曲を低減または排除するように構成される。送達システムはまた、内側ガイドワイヤシャフトを覆って同心円状に配置されるハブシャフトも備える。人工心臓弁は、ハブシャフトの遠位部分に解放可能に連結される。ベルシャフトが、ハブシャフトを覆って摺動可能および同心円状に配置され、外側シースが、ベルシャフトを覆って摺動可能および同心円状に配置される。人工心臓弁は、半径方向折り畳み構成で外側シースの中に収納される。送達システムはまた、送達システムの近位端の付近にハンドルも有する。ハンドルは、ベルシャフトおよびシースを前進および後退させるように適合されるアクチュエータ機構を備える。ベルシャフトに対する外側シースの近位後退は、人工心臓弁から拘束を除去し、それによって、人工心臓弁が患者の僧帽弁と係合するように自己拡張することを可能にしてもよい。人工心臓弁は、複数の交連柱を備えてもよく、交連柱は、ハブシャフトの遠位部分と解放可能に連結されてもよい。ハブシャフトに対するベルシャフトの近位後退は、交連柱がハブシャフトから分断することを可能にする。アクチュエータ機構は、回転可能なホイールを備えてもよい。
【0033】
これらおよび他の実施形態が、添付図面に関係する以下の説明でさらに詳細に説明される。
【0034】
(参照による組み込み)
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0035】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項で詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態、および添付図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、矢印で収縮期中の血流を示す、心臓の左心室の概略図である。
【
図2】
図2は、僧帽弁に逸脱弁尖を有する心臓の左心室の概略図である。
【
図3】
図3は、心臓が拡張され、弁尖が交わらない、心筋症に罹患している患者の心臓の概略図である。
【
図4】
図4は、損なわれた乳頭筋を有する心臓の左心室内の僧帽弁逆流を図示する。
【
図6】
図6は、フレームが平らにされて広げられている、人工心臓弁内の覆われていないフレームの例示的実施形態を図示する。
【
図7】
図7は、フレームが平らにされて広げられている、人工心臓弁内の覆われていないフレームの別の例示的実施形態を図示する。
【
図8】
図8は、フレームが平らにされて広げられている、人工心臓弁内の覆われていないフレームのなおも別の例示的実施形態を図示する。
【
図9A】
図9Aは、拡張した後の人工心臓弁内の覆われていないフレームの斜視図を図示する。
【
図10】
図10は、被覆を伴い、それによって、人工心臓弁を形成する、
図9Aのフレームを図示する。
【
図11A】
図11A−11Dは、人工心臓弁を経心尖的に送達するために使用される送達システムの例示的実施形態を図示する。
【
図11B】
図11A−11Dは、人工心臓弁を経心尖的に送達するために使用される送達システムの例示的実施形態を図示する。
【
図11C】
図11A−11Dは、人工心臓弁を経心尖的に送達するために使用される送達システムの例示的実施形態を図示する。
【
図11D】
図11A−11Dは、人工心臓弁を経心尖的に送達するために使用される送達システムの例示的実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで、図面を参照して、開示されるデバイス、送達システム、および方法の具体的実施形態を説明する。この詳細な説明では、いかなる特定の構成要素、特徴、またはステップも、本発明の不可欠であると意図されない。
【0038】
心臓の生体構造。収縮期の正常な心臓Hの左心室LVが、
図1で図示されている。左心室LVは、収縮しており、血液は、矢印の方向へ大動脈AV、三尖弁を通って外向きに流動する。僧帽弁は、左心室内の圧力が左心房LA内の圧力よりも高いときに逆流を防止する「逆止弁」として構成されるため、僧帽弁MVを通る血液の逆流動または「逆流」が防止される。僧帽弁MVは、
図1で図示されるように、閉鎖するように均等に交わる、遊離縁FEを有する一対の弁尖を備える。弁尖LFの反対端は、弁輪ANと呼ばれる組織の環状領域に沿って、周辺心臓構造に付着している。尖LFの遊離縁FEは、弁尖LFのそれぞれの下面を覆って固着された複数の分岐腱を含む、腱索(chordae tendineae)CT(本明細書では「腱索(chordae)」とも呼ばれる)を通して、左心室LVの下部分に固着される。腱索CTは、ひいては、左心室および心室中隔IVSの下部分から上向きに延在する、乳頭筋PMに付着している。
【0039】
ここで
図2−4を参照すると、心臓内のいくつかの構造欠陥が、僧帽弁逆流を引き起こし得る。
図2に示されるように、不十分な張力が腱索を介して弁尖に伝達されるため、断裂した腱索RCTが、弁尖LF2を逸脱させ得る。他の弁尖LF1が正常な外形を維持する一方で、2つの弁尖は適正に交わらず、左心室LVから左心房LAの中への漏出が、矢印によって示されるように起こるであろう。
【0040】
逆流はまた、
図3に示されるように、心臓が拡張され、増大したサイズが、弁尖LFが適正に交わることを妨げる、心筋症に罹患している患者でも起こる。心臓の拡大は、僧帽弁輪を拡大させ、遊離縁FEが収縮期中に交わることを不可能にする。前尖および後尖の遊離縁は、通常、
図3Aに示されるように接合線Cに沿って交わるが、
図3Bに示されるように、有意な間隙Gが、心筋症に罹患している患者において残され得る。
【0041】
僧帽弁逆流はまた、
図4で図示されるように、乳頭筋PMの機能が損なわれている、虚血性心疾患に罹患した患者でも起こり得る。左心室LVが収縮期中に収縮すると、乳頭筋PMは、適正な閉鎖を達成するように十分接触しない。次いで、弁尖LF1およびLF2が、図示されるように逸脱する。再度、漏出が、矢印によって示されるように左心室LVから左心房LAへ起こる。
【0042】
図5Aは、前側ANTおよび後側POSTを有する二尖弁である、僧帽弁MVの生体構造をより明確に図示する。弁は、前(大動脈)尖ALおよび後(壁)尖PLを含む。腱索CTは、弁尖AL、PLを前外側乳頭筋ALPMおよび後内側乳頭筋PMPMと連結する。弁尖AL、PLは、前外側交連ALCおよび後内側交連PMCと呼ばれる線に沿って相互に接合する。弁輪ANは、弁尖を取り囲み、前尖の反対側で弁輪の前部分に隣接する2つの領域は、左線維性三角LFT、また、右線維性三角RFTと呼ばれる。これらの領域は、概して、黒三角形によって示される。
図5Bは、左右の線維性三角LFT、RFTをより明確に図示する。
【0043】
種々の外科的技法ならびに埋込型デバイスが提案されており、僧帽弁逆流にとって有望な治療であると考えられるが、外科的アプローチは、長期の回復期間を必要とし得、埋込型デバイスには、様々な臨床結果がある。したがって、依然として、僧帽弁逆流を治療するための改良型デバイスおよび方法の必要性がある。本明細書で開示される実施形態は、僧帽弁逆流を治療するための埋込型人工僧帽弁を対象とするが、当業者であれば、これが限定的であることを目的とせず、本明細書で開示されるデバイスおよび方法はまた、三尖弁、大動脈、肺動脈弁等の他の心臓弁、ならびに静脈弁等の体内の他の弁を治療するために使用されてもよいことを理解するであろう。
【0044】
人工弁。人工弁は、僧帽弁逆流の治療として、心臓に外科的に埋め込まれている。これらの弁のうちのいくつかは、ブタ弁等の動物から採取された弁であり、他の弁は、組織被覆を伴う、または伴わない人工機械弁であった。つい最近では、人工弁を心臓に送達するために、低侵襲カテーテル技術が使用されている。これらの弁は、典型的には、弁を患者の心臓に固着するためのアンカーと、機械弁、動物組織を伴う弁、またはそれらの組み合わせのいずれか一方である弁機構とを含む。人工弁は、いったん埋め込まれると、正常に機能していない天然弁の役割を引き継ぎ、それによって、弁閉鎖不全症を低減または排除する。これらの弁のうちのいくつかは有望と考えられるが、依然として、改良型弁の必要性がある。天然生体構造内に人工弁を位置付けて係留することが、課題のままである。以下の明細書は、既存の人工弁と関連付けられる課題のうちのいくつかを克服する、人工弁、人工弁用の送達システム、弁を送達する方法の例示的実施形態を開示する。
【0045】
図6は、折り畳み構成の人工心臓弁の例示的実施形態を図示する。フレームからの被覆(例えば、織物または組織)が、下層のフレーム600の観察を可能にするように除去されている。フレームは、広げられ、平らにされている。人工弁フレーム600は、心房領域606、環状領域608、および心室領域610を有する。フレーム600は、相互に対して拡張および収縮し、それによって、フレームが折り畳み構成で送達カテーテル上に装填され、次いで、埋込のための標的治療部位で半径方向に拡張されることを可能にすることができる、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱から形成される。好ましい実施形態は、自己拡張式であり、超弾性ニチノールまたは他の自己拡張式材料を使用して加工されてもよい。遷移温度以上で跳開する形状記憶合金もまた、使用されてもよく、フレームを開放するために弾性変形(例えば、バルーン膨張)が必要とされるときに、拡張可能な部材もまた、フレームを拡張するために使用されてもよい。
【0046】
心房領域606は、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱を含む、スカート616を有する。この領域中で、支柱は、相互に対して歪曲され、したがって、結果として生じるセルパターンは、拡大端を有し、反対側の端部は、より小さい端部まで先細になる。好ましい実施形態では、心房スカートの前部分は、後部分のようなフランジ付き領域を有さず、したがって、心房領域の前部分602は、後領域604よりも短い支柱を有してもよい。したがって、前部分における頂点および谷部は、心房領域の残りの後部分におけるものから軸方向にオフセットしている。これは、心房スカートの前部分における支柱が上向きに突出し、潜在的に左心房に対して衝突し、穿孔を引き起こすことを防止するため、有利であり得る。加えて、短縮された支柱ならびにオフセット頂点および谷部は、僧帽弁への人工弁の送達および人工弁の拡張に先立った人工弁の整合の可視化で医師を支援することができる、整合要素614を形成する。随意的な放射線不透過性マーカー614aが、オフセット頂点および谷部の両側に配置され、さらに、弁の埋込中の可視化に役立つ。心房領域は、好ましくは、円筒形状まで自己拡張するか、または前部分602が実質的に平坦であり、後部分604が円筒形状である、D字形断面を有し得るかのいずれかである。これは、心房スカートが天然僧帽弁の生体構造に一致することを可能にし、それによって、左心室流出路の閉塞を防止する。加えて、心房スカートもまた、拡張時に、スカートが外向きに広がり、僧帽弁の上面に対して静置することができるフランジを形成するように、形成されてもよい。フランジ付き領域は、好ましくは、心房スカートの後部分に沿っており、心房スカートの前部分は、フランジがないままである。または、フランジは、完全に心房スカートの周囲に延在してもよい。心房領域は、好ましくは、直線状であり、フレームの縦軸と実質的に平行である接続支柱を用いて、隣接する環状領域608に接続される。
【0047】
環状領域608もまた、半径方向拡張を可能にする頂点および谷部を形成する、複数の軸方向に配向して相互接続された支柱から成る。支柱は、好ましくは、相互と平行であり、かつフレームの縦軸と平行である。環状領域はまた、自己拡張式であり、円筒形状に拡張してもよく、またはより好ましくは、環状領域は、心房領域に関して上記で説明されるようにD字形断面を有するように拡張してもよい。したがって、環状領域は、同様に、平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有してもよい。送達時に、環状領域は、僧帽弁輪と整合させられ、それと係合するように拡張される。コネクタ支柱が、環状領域を心室領域610と接合する。
【0048】
心室領域610もまた、頂点および谷部を形成する複数の相互接続された支柱を含む。加えて、心室領域中の支柱は、人工弁尖を形成するように、織物、心膜組織、または他の材料で覆われる、弁尖交連613を形成する。交連内の穴は、縫合糸がそれに取り付けられることを可能にする。心室領域中の支柱はまた、前および後僧帽弁尖に係合するように外向きに拡張する心室スカート628も形成し、心室領域中の支柱はまた、前タブ624および後タブ630も形成する。前タブは、前タブの内面と心室スカートの外面との間に前僧帽弁尖を捕捉するように設計されている。任意の隣接する腱索もまた、その間に捕捉されてもよい。また、前タブの先端は、一方が左側、もう一方が右側で、僧帽弁の前部分上の線維性三角に係合する。後タブは、同様に、任意の隣接する腱索とともに、後タブの内面と心室スカートの外面との間に後僧帽弁尖を捕捉する。これを以下でさらに詳細に説明する。
【0049】
フレームに沿って前または後タブの支柱長または軸方向位置を制御することによって、タブの展開が制御されてもよい。したがって、この例示的実施形態では、前タブおよび後タブ624、630内の支柱の長さ、ならびにフレームに沿ったそれらの相対位置が相互と同一であるため、拘束シースがタブから離れて後退させられたとき、前および後タブは、部分的にともに外向きに跳出するであろう。拘束シースがさらに後退させられると、前タブの残りの部分は、半径方向外向きに自己拡張するであろう。次いで、拘束シースのさらなる後退は、後タブの残りの部分が、その半径方向拡張を終えることを可能にし、最終的に、心室スカートが、半径方向外向きに拡張するであろう。後タブおよび心室スカートの支柱長および軸方向位置が類似する一方で、内部支柱が、心室スカートを交連と接続し、これは、心室スカートの拡張をわずかに遅延させ、したがって、後タブが心室スカートの前に拡張を終える。人工弁を展開するこの順序を使用することにより、弁がより正確に送達され、また、よりしっかりと定位置に係留されることを可能にし得る。
【0050】
縫合糸穴621は、心膜あるいはDacronまたはePTFE等のポリマー等のカバーの付着を可能にするように、環状領域ならびに心室領域の支柱に沿って配置される。縫合糸穴はまた、フレームの任意の他の部分に沿って配置されてもよい。返し623は、人工弁を隣接する組織に係留するのに役立つように、心室スカート628に沿って配置される。交連タブまたはタブ612は、交連613の先端の上に配置され、以下で説明されるように、交連を送達システムと解放可能に連結するために使用されてもよい。これは、フレームが最初に拡張することを可能にし、次いで、その後に交連が送達システムから解放されてもよい。当業者であれば、いくつかの支柱の幾何学形状が使用されてもよく、加えて、剛性、半径方向粉砕強度、交連偏向等の所望の機械的性質を補綴に提供するために、長さ、幅、厚さ等の支柱の寸法が調整されてもよいことを理解するであろう。したがって、図示した幾何学形状は、限定的であることを目的としていない。
【0051】
フレームは、放電機械加工(EDM)、レーザ切断、光化学エッチング、または当技術分野で公知である他の技法によって形成されてもよい。皮下注射管または平板が、フレームを形成するために使用されてもよい。いったんフレームが切断されて(必要であれば)円筒に形成されると、それは、所望の幾何学形状に半径方向に拡張され、形状を設定するように既知のプロセスを使用して熱処理されてもよい。したがって、人工弁は、折り畳み構成で送達カテーテル上に装填され、拘束シースを用いて折り畳み構成で拘束されてもよい。拘束シースの除去は、補綴がその不偏事前設定形状に拡張することを可能にするであろう。他の実施形態では、補綴をその好ましい拡張構成に半径方向に拡張するために、バルーン等の拡張可能な部材が使用されてもよい。
【0052】
図7は、折り畳み構成の人工心臓弁の別の例示的実施形態を図示し、以前の実施形態に類似し、主な違いは、前タブ、後タブ、および心室スカートにおける支柱長である。支柱長を変化させることにより、前および後タブならびに心室スカートの拡張の順序が制御されることを可能にする。フレームからの被覆(例えば、織物または組織)が、下層のフレーム700の観察を可能にするように除去されている。フレームは、広げられ、平らにされている。人工弁フレーム700は、心房領域706、環状領域708、および心室領域710を有する。フレーム700は、相互に対して拡張および収縮し、それによって、フレームが折り畳み構成で送達カテーテル上に装填され、次いで、埋込のための標的治療部位で半径方向に拡張されることを可能にすることができる、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱から形成される。好ましい実施形態は、自己拡張式であり、超弾性ニチノールまたは他の自己拡張式材料を使用して加工されてもよい。遷移温度以上で跳開する形状記憶合金もまた、使用されてもよく、フレームを開放するために弾性変形(例えば、バルーン膨張)が必要とされるときに、拡張可能な部材もまた、フレームを拡張するために使用されてもよい。
【0053】
心房領域706は、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱を含む、スカート716を有する。この領域中で、支柱は、相互に対して歪曲され、したがって、結果として生じるセルパターンは、拡大端を有し、反対側の端部は、より小さい端部まで先細になる。心房領域の前部分702は、後領域704よりも短い支柱を有する。したがって、前部分における頂点および谷部は、心房領域の残りの後部分におけるものから軸方向にオフセットしている。これは、医師が人工弁を僧帽弁に送達し、人工弁の拡張に先立って人工弁を整合させるのに役立つように、整合要素714の生成を可能にする。心房領域706の他の側面は、
図6の心房領域606のものに類似する。随意的な放射線不透過性マーカー714aが、オフセット頂点および谷部の両側に配置され、弁の埋込中の可視化に役立つ。心房領域は、好ましくは、円筒形状まで自己拡張するか、または前部分702が実質的に平坦であり、後部分704が円筒形状である、D字形断面を有し得るかのいずれかである。これは、心房スカートが天然僧帽弁の生体構造に一致することを可能にし、それによって、左心室流出路の閉塞を防止する。加えて、心房スカートもまた、拡張時に、スカートが外向きに広がり、僧帽弁の上面に対して静置することができるフランジを形成するように、形成されてもよい。フランジ付き領域は、好ましくは、心房スカートの後部分に沿っており、心房スカートの前部分は、フランジがないままである。または、フランジは、完全に心房スカートの周囲に延在してもよい。心房領域は、好ましくは、直線状であり、フレームの縦軸と実質的に平行である、接続支柱を用いて、隣接する環状領域708に接続される。
【0054】
環状領域708もまた、半径方向拡張を可能にする頂点および谷部を形成する、複数の軸方向に配向して相互接続された支柱から成る。支柱は、好ましくは、相互と平行であり、かつフレームの縦軸と平行である。環状領域はまた、自己拡張式であり、円筒形状に拡張してもよく、またはより好ましくは、環状領域は、心房領域に関して上記で説明されるようにD字形断面を有するように拡張してもよい。したがって、環状領域は、同様に、平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有してもよい。送達時に、環状領域は、僧帽弁輪と整合させられ、それと係合するように拡張される。コネクタ支柱が、環状領域を心室領域710と接合する。
【0055】
心室領域710もまた、頂点および谷部を形成する複数の相互接続された支柱を含む。加えて、心室領域中の支柱は、人工弁尖を形成するように、織物、心膜組織、または他の材料で覆われる、弁尖交連713を形成する。交連内の穴は、縫合糸がそれに取り付けられることを可能にする。心室領域中の支柱はまた、前および後僧帽弁尖に係合するように外向きに拡張する心室スカート728も形成し、心室領域中の支柱はまた、前タブ724および後タブ730も形成する。前タブは、前タブの内面と心室スカートの外面との間に前僧帽弁尖を捕捉するように設計されている。任意の隣接する腱索もまた、その間に捕捉されてもよい。また、前タブの先端は、一方が左側、もう一方が右側で、僧帽弁の前部分上の線維性三角に係合する。後タブは、同様に、任意の隣接する腱索とともに、後タブの内面と心室スカートの外面との間に後僧帽弁尖を捕捉する。これを以下でさらに詳細に説明する。
【0056】
フレームに沿って前または後タブの支柱長または軸方向位置を制御することによって、タブの展開が制御されてもよい。したがって、この例示的実施形態では、前タブおよび後タブ724、730内の支柱の長さ、ならびにフレームに沿ったそれらの相対位置が相互と同一であるため、拘束シースがタブから離れて後退させられたとき、前および後タブは、部分的にともに外向きに跳出するであろう。拘束シースがさらに後退させられると、前タブの残りの部分は、心室スカートおよび後タブにおける支柱に対して最も短いため、半径方向外向きに自己拡張するであろう。次いで、拘束シースのさらなる後退は、心室スカートが半径方向に拡張することを可能にし、最終的に、シースのさらなる後退は、後タブの残りの部分が、その半径方向拡張を終えることを可能にする。人工弁を展開するこの順序を使用することにより、弁がより正確に送達され、また、よりしっかりと定位置に係留されることを可能にし得る。
【0057】
縫合糸穴721は、心膜あるいはDacronまたはePTFE等のポリマー等のカバーの付着を可能にするように、環状領域ならびに心室領域の支柱に沿って配置される。縫合糸穴はまた、フレームの任意の他の部分に沿って配置されてもよい。返し723は、人工弁を隣接する組織に係留するのに役立つように、心室スカート728に沿って配置される。交連タブまたはタブ712は、交連713の先端の上に配置され、以下で説明されるように、交連を送達システムと解放可能に連結するために使用されてもよい。これは、フレームが最初に拡張することを可能にし、次いで、その後に交連が送達システムから解放されてもよい。当業者であれば、いくつかの支柱の幾何学形状が使用されてもよく、加えて、剛性、半径方向粉砕強度、交連偏向等の所望の機械的性質を補綴に提供するために、長さ、幅、厚さ等の支柱の寸法が調整されてもよいことを理解するであろう。したがって、図示した幾何学形状は、限定的であることを目的としていない。フレームは、
図6に関して上記で説明されるように同様に形成されてもよい。
【0058】
図8は、折り畳み構成の人工心臓弁の別の例示的実施形態を図示し、以前の実施形態に類似し、主な違いは、後タブが、拡張して、後尖と心室壁との間の弁輪下領域との後タブの係合および係留を可能にする細長い水平区分を形成するように設計されていることである。したがって、細長い水平区分は、支柱の間の単一のヒンジから形成される先細先端のみを有する後タブと比較して、弁輪下領域のより広い領域に接触する。これは、人工弁の係留増進を提供する。この例示的実施形態では、前タブが、最初に完全に自己拡張し、それに続いて、後タブ、次いで、心室スカートが自己拡張する。しかしながら、状況によっては、送達システム、生体構造等の外部要因が、拡張の順序を変更し得、したがって、これは限定的であることを目的としていない。フレームからの被覆(例えば、織物または組織)が、下層のフレーム800の観察を可能にするように除去されている。フレームは、広げられ、平らにされている。人工弁フレーム800は、心房領域806、環状領域808、および心室領域810を有する。フレーム800は、相互に対して拡張および収縮し、それによって、フレームが折り畳み構成で送達カテーテル上に装填され、次いで、埋込のための標的治療部位で半径方向に拡張されることを可能にすることができる、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱から形成される。好ましい実施形態は、自己拡張式であり、超弾性ニチノールまたは他の自己拡張式材料を使用して加工されてもよい。遷移温度以上で跳開する形状記憶合金もまた、使用されてもよく、フレームを開放するために弾性変形(例えば、バルーン膨張)が必要とされるときに、拡張可能な部材もまた、フレームを拡張するために使用されてもよい。
【0059】
心房領域806は、一連の頂点および谷部を形成する、複数の相互接続された支柱を含む、スカート816を有する。この領域中で、支柱は、相互に対して歪曲され、したがって、結果として生じるセルパターンは、拡大端を有し、反対側の端部は、より小さい端部まで先細になる。心房領域の前部分802は、後領域804よりも短い支柱を有する。したがって、前部分における頂点および谷部は、心房領域の残りの後部分におけるものから軸方向にオフセットしている。これは、医師が人工弁を僧帽弁に送達し、人工弁の拡張に先立って人工弁を整合させるのに役立つように、整合要素814の生成を可能にする。心房領域806の他の側面は、
図6の心房領域606のものに類似する。随意的な放射線不透過性マーカー814aが、オフセット頂点および谷部の両側に配置され、弁の埋込中の可視化に役立つ。心房領域は、好ましくは、円筒形状まで自己拡張するか、または前部分802が実質的に平坦であり、後部分804が円筒形状である、D字形断面を有し得るかのいずれかである。これは、心房スカートが天然僧帽弁の生体構造に一致することを可能にし、それによって、左心室流出路の閉塞を防止する。加えて、心房スカートもまた、拡張時に、スカートが外向きに広がり、僧帽弁の上面に対して静置することができるフランジを形成するように、形成されてもよい。フランジ付き領域は、好ましくは、心房スカートの後部分に沿っており、心房スカートの前部分は、フランジがないままである。または、フランジは、完全に心房スカートの周囲に延在してもよい。心房領域は、好ましくは、直線状であり、フレームの縦軸と実質的に平行である、接続支柱を用いて、隣接する環状領域808に接続される。
【0060】
環状領域808もまた、半径方向拡張を可能にする頂点および谷部を形成する、複数の軸方向に配向して相互接続された支柱から成る。支柱は、好ましくは、相互と平行であり、かつフレームの縦軸と平行である。環状領域はまた、自己拡張式であり、円筒形状に拡張してもよく、またはより好ましくは、環状領域は、心房領域に関して上記で説明されるようにD字形断面を有するように拡張してもよい。したがって、環状領域は、同様に、平坦な前部分、および円筒形状の後部分を有してもよい。送達時に、環状領域は、僧帽弁輪と整合させられ、それと係合するように拡張される。コネクタ支柱が、環状領域を心室領域810と接合する。
【0061】
心室領域810もまた、頂点および谷部を形成する複数の相互接続された支柱を含む。加えて、心室領域中の支柱は、人工弁尖を形成するように、織物、心膜組織、または他の材料で覆われる、弁尖交連813を形成する。交連内の穴は、縫合糸がそれに取り付けられることを可能にする。心室領域中の支柱はまた、前および後僧帽弁尖に係合するように外向きに拡張する心室スカート828も形成し、心室領域中の支柱はまた、前タブ824および後タブ830も形成する。前タブは、前タブの内面と心室スカートの外面との間に前僧帽弁尖を捕捉するように設計されている。任意の隣接する腱索もまた、その間に捕捉されてもよい。また、前タブの先端は、一方が左側、もう一方が右側で、僧帽弁の前部分上の線維性三角に係合する。後タブは、同様に、任意の隣接する腱索とともに、後タブの内面と心室スカートの外面との間に後僧帽弁尖を捕捉する。これを以下でさらに詳細に説明する。後タブは、この実施形態では、後タブが2本の相互接続された支柱とは対照的に、4本の相互接続された支柱を備えることを除いて、
図6−7において上記で説明される後タブに類似する。したがって、この実施形態では、複数の相互接続された支柱が、タブに沿って3つのヒンジ連結領域836を形成する。後タブの拡張時に、ヒンジ連結領域も拡張し、それによって、後尖と心室壁との間の弁輪下領域との後タブの係合および係留を可能にする、細長い水平区分を形成するであろう。これは、僧帽弁の後部分と係合するためのより小さい設置面積または単一の先細先端のみを有する後タブよりも良好に人工弁を位置付け、係留するのに役立ち得る。この実施形態での後タブは、本明細書で説明される他の後タブのうちのいずれかと置換されてもよい。
【0062】
フレームに沿って前または後タブの支柱長または軸方向位置を制御することによって、タブの展開が制御されてもよい。したがって、この例示的実施形態では、前タブおよび後タブ824、830内の支柱の長さ、ならびにフレームに沿ったそれらの相対位置が相互と同一であるため、拘束シースがタブから離れて後退させられたとき、前および後タブは、部分的にともに外向きに跳出するであろう。拘束シースがさらに後退させられると、前タブの残りの部分は、心室スカートおよび後タブにおける支柱に対して最も短いため、半径方向外向きに自己拡張するであろう。次いで、拘束シースのさらなる後退は、後タブの残りの部分が自己拡張し終えることを可能にし、心室スカートの自己拡張が続く。人工弁を展開するこの順序を使用することにより、弁がより正確に送達され、また、よりしっかりと定位置に係留されることを可能にし得る。
【0063】
縫合糸穴821は、心膜あるいはDacronまたはePTFE等のポリマー等のカバーの付着を可能にするように、環状領域ならびに心室領域の支柱に沿って配置される。縫合糸穴はまた、フレームの任意の他の部分に沿って配置されてもよい。返し823は、人工弁を隣接する組織に係留するのに役立つように、心室スカート828に沿って配置される。交連タブまたはタブ812は、交連813の先端の上に配置され、以下で説明されるように、交連を送達システムと解放可能に連結するために使用されてもよい。これは、フレームが最初に拡張することを可能にし、次いで、その後に交連が送達システムから解放されてもよい。当業者であれば、いくつかの支柱の幾何学形状が使用されてもよく、加えて、剛性、半径方向粉砕強度、交連偏向等の所望の機械的性質を補綴に提供するために、長さ、幅、厚さ等の支柱の寸法が調整されてもよいことを理解するであろう。したがって、図示した幾何学形状は、限定的であることを目的としていない。フレームは、上記で説明されるように同様に形成されてもよい。
【0064】
図9Aは、拡張された後の人工心臓弁のフレーム900を図示する。上記のフレームのそれぞれが、類似幾何学形状を有するが、異なる順番で拡張するため、上記で説明されるフレームの実施形態のうちのいずれかは、この形態を成してもよい。フレームは、前部分914および後部分916を伴う心房スカート906を含む。フランジ付き領域が、後部分の周囲に形成され、前部分は、フランジがないままである。加えて、前部分が、略平坦である一方で、後部分は、円筒形状であり、それによって、僧帽弁の生体構造に適応するD字形断面を形成する。
図9Bは、
図9Aの実施形態の上面図であり、D字形断面をより明確に図示する。
【0065】
フレームはまた、環状領域910および心室スカート912も含む。前タブ904(この図では1つだけが可視的である)は、前タブの内面と心室スカートの外面との間に空間が存在するように、完全に拡張される。これは、前尖および隣接する腱索がその間に捕捉されることを可能にする。同様に、後タブ902の内面と心室スカートの外面との間に類似空間を伴って、後タブ902も完全に展開される。これは、後尖および隣接する腱索がその間に捕捉されることを可能にする。交連柱908もまた可視的であり、フレームによって形成される内側チャネルの中に配置される。交連柱は、人工僧帽弁尖を形成するために使用される。拡張したフレームの全体的形状は、前部分が平坦で後部分が円筒形状である、D字形である。
【0066】
図10は、心膜組織、またはePTFE等のポリマー、あるいはDacronのような織物等のカバー1002がフレームに取り付けられ、それによって、人工心臓弁1000を形成する、拡張したフレームを図示する。心房スカートは、材料によって完全に覆われてもよく、または好ましい実施形態では、被覆は、心房スカートのフランジ付き部分の中の隣接セル内の隣接支柱1012の間にのみ配置される。同一のセル内の隣接支柱の間の領域1014は、覆われないままになることができる。これは、人工弁が埋め込まれている間に血流が実質的に途切れないままとなることを可能にする。縫合糸1010が、カバーをフレームに取り付けるために使用されてもよい。この図では、後タブ1006が、心室スカート1008および心房スカート1004とともに、人工弁の後部分上で可視的である。
【0067】
送達システム。
図11A−11Dは、本明細書で開示される人工心臓弁のうちのいずれかを送達するために使用され得る、送達システムの例示的実施形態を図示する。送達システムは、好ましくは、人工心臓弁を経心尖的に送達するように設計されているが、当業者であれば、それはまた、経中隔経路を使用する等して、人工弁がカテーテルを介して経管腔的に送達され得るように修正されてもよいことを理解するであろう。当業者であれば、経中隔経路を使用することは、僧帽弁に対する送達システムの位置に適応するために、種々のシャフトの相対的運動が修正されることを要求し得ることを理解するであろう。
【0068】
図11Aは、送達システム1100の斜視図を図示する。送達システム1100は、送達システムの近位端の付近のハンドル1112と、遠位組織貫通先端1110とを含む。4本の細長いシャフトが送達システムに含まれ、外側シースカテーテルシャフト1102と、外側シースカテーテルシャフト1102の中に摺動可能に配置されるベルカテーテルシャフト1104と、他のシャフトに対して静止したままであるが、ベルカテーテルシャフトがハブシャフトに対して摺動する、ハブカテーテルシャフト1106と、最終的に、他のシャフトに対して固定もされ、それを通過して遠位組織貫通先端から退出するガイドワイヤを受容するようにサイズ決定される管腔を有する、内側ガイドワイヤカテーテルシャフト1108とを含む。アクチュエータ機構1114は、以下でさらに詳細に説明されるように、種々のシャフトの移動を制御するために使用され、ルアーコネクタを伴う洗浄ライン1116、1118が、隣接シャフトの間の環状領域を洗浄するために使用される。洗浄ライン1118は、外側シースカテーテルシャフト1102とベルカテーテルシャフト1104との間の環状空間を洗浄するために使用される。洗浄ライン1116は、ベルカテーテル1104とハブカテーテル1106との間の環状空間を洗浄するために使用される。内側ガイドワイヤカテーテルシャフト1108は、ハブカテーテル1106に対して静止しており、したがって、環状空間は、Oリングまたは他の材料で密閉されてもよい。ルアーコネクタ1122は、ガイドワイヤ管腔の洗浄を可能にし、止血を維持しながら、ガイドワイヤがガイドワイヤカテーテルシャフトを通して前進させられることを可能にするように、Tuohy−Borst等の止血弁が、ルアーコネクタに連結されてもよい。ネジ1120は、ともに連結されたままハンドル筐体を保つ。
図11Bは、送達システム1100の側面図を図示する。
【0069】
図11Cは、送達システム1100の部分分解図であり、ハンドル1112の中の構成要素およびそれらがどのようにして相互作用するかをより明確に図示する。ハンドル1112は、全ての構成要素を保持する2つの半体1112a、1112bを有する、筐体を含む。ハンドルは、好ましくは、ネジ1120およびナット1120bを用いてともに保持されるが、また、圧入、スナップ留め、接着接合、超音波溶接等の他の技法を使用して密閉されてもよい。アクチュエータホイール1114の回転は、ネジ山付き挿入物1124の直線運動に変換される。外側シースカテーテルシャフト1102は、ネジ山付き挿入物1124に連結され、したがって、1つの方向へのアクチュエータホイール1114の回転は、シースカテーテルシャフト1102を前進させ、反対方向への回転は、シースカテーテルシャフト1102を後退させるであろう。アクチュエータホイール1114のさらなる回転は、挿入物1128に連結されるピン1126に衝突し、それによって、挿入物1128も移動させるほど十分である、ネジ山付き挿入物1124を後退させる。ベルカテーテルシャフト1106は、挿入物1128に連結され、したがって、アクチュエータホイール1114のさらなる回転は、外側シャフト1102を移動させ、また、ベルカテーテルシャフト1106も移動させるであろう。反対方向へのアクチュエータホイールの回転は、シースを前進させ、ネジ山付き挿入物1124は、ピン1126から係脱する。バネ1130は、挿入物1128をその不偏位置に戻し、それによって、ベルカテーテルシャフトをその不偏位置に戻す。
【0070】
本明細書で開示される人工心臓弁のうちのいずれかは、送達システム1100によって運搬されてもよい。心房スカート、環状スカート、前タブ、後タブ、および心室スカートは、ベルカテーテルシャフトを覆って装填され、外側シースカテーテルシャフト1102の下に配置される。心室スカートは、ハンドル1112に最も近いように近位に装填され、心房スカートは、先端1110に最も近いように最も遠位に装填される。したがって、外側シースカテーテルシャフト1102の後退は、人工心臓弁の展開を制御することに有意な役割を果たす。したがって、心房スカートは、外側シースカテーテルが後退させられたときに最初に拡張する。人工弁交連は、ハブカテーテル1106の遠位部分上でハブ1106aと連結されてもよく、次いで、ベルカテーテルシャフトは、それを覆って配置され、それによって、交連を送達カテーテルと解放可能に係合させる。いったん人工心臓弁の他の部分が拡張すると、交連が解放されてもよい。
【0071】
図11Dは、送達システム1100の遠位部分を強調表示する。外側シースカテーテルシャフト1102は、外側シースカテーテルシャフト1102の中に摺動可能に配置される、ベルカテーテルシャフト1104に対して前進および後退する。ハブカテーテルシャフト1106は、人工弁交連を保持するスロット1106bを有するハブ1106aを露出するよう、ベルカテーテルシャフト1104が後退させられた状態で、ベルカテーテルシャフト1104の中に摺動可能に配置されるように示される。内側ガイドワイヤカテーテルシャフト1108は、最内シャフトであり、人工弁の円滑な移行を提供し、人工心臓弁フレームの不要な屈曲または座屈を防止する、先細円錐区分1130を有する。組織貫通先端1110は、特に、心臓の経心尖手技で、組織を貫通するように適合される。
【0072】
送達方法。いくつかの方法が、人工心臓弁を心臓に送達するために使用されてもよい。人工僧帽弁を送達する例示的方法は、心臓の右および左側の間の中隔を横断する経中隔技法でもあり得る、経管腔送達経路を含んでもよく、またはより好ましい実施形態では、
図12A−12Lで図示されるような経心尖経路が使用されてもよい。上記で以前に説明された送達デバイスが、本明細書で説明される人工弁の実施形態のうちのいずれかを送達するために使用されてもよく、または参照することにより本明細書に以前に組み込まれる、米国特許出願第13/096,572号で開示されるもの等の他の送達デバイスおよび他の人工弁もまた、使用されてもよい。しかしながら、この好ましい例示的実施形態では、前タブが最初に展開し、それに続いて後タブ、次いで、心室スカートが展開するように、
図6の人工心臓弁が使用される。
【0073】
図12Aは、左心房LAおよび左心室LVを含む、患者の心臓の左側の基本生体構造を図示する。肺静脈PVが、肺からの血液を左心房に戻し、次いで、血液が、左心房から僧帽弁MVを横断して左心室の中へ送出される。僧帽弁は、弁の前側Aに前尖ALと、弁の後側Pに後尖PLとを含む。弁尖が、腱索CTに付着し、後に、腱索は乳頭筋PMで心臓壁に固着される。次いで、血液が、逆流を防止する大動脈AVを伴う大動脈Aoの中へ左心室から送出される。
【0074】
図12Bは、左心室LVを介した左心房LAの中への心尖を通した送達システム1202の経心尖送達を図示する。送達システム1202は、ガイドワイヤGWを経由して左心房の中へ前進させられてもよく、組織貫通先端1204は、組織を拡張し、送達システムの残りの部分が通過するためにより大きいチャネルを生成することによって、送達システムが心尖を通過するのに役立つ。送達カテーテルは、人工心臓弁1208を運搬する。いったん送達システムの遠位部分が左心房の中へ前進させられると、外側シース1206は、近位に(例えば、オペレータに向かって)後退させられてもよく、それによって、人工弁1208の心房部分から拘束を除去してもよい。これは、心房スカート1210が半径方向外向きに自己拡張することを可能にする。
図12Cでは、外側シースがさらに後退させられると、心房スカートは、
図12Dで見られるように完全に展開するまで、自己拡張し、その一部が見え続ける。心房スカートは、円筒形状を有してもよく、または大動脈および左心室流出路の他の側面に干渉することを回避するよう、平坦な前部分および円筒形の後部分を伴って、上記で議論されるようなD字形であり得る。補綴は、補綴を回転させ、以前に説明された整合要素を可視化することによって、配向され、適正に位置付けられてもよい。また、人工心臓弁は、心房スカートを適正に位置付けるように上流または下流に前進させられてもよい。好ましい実施形態では、心房スカートは、僧帽弁の上面に対して静置するフランジを形成し、これは、人工弁を係留し、左心室の中への不要な下流の移動を防止する。
【0075】
外側シース1206が近位に後退させられ続けると、人工心臓弁の環状領域が、次に、弁輪と係合するように自己拡張する。環状領域もまた、好ましくは、D字形幾何学形状を有するが、また、円筒形であり得るか、または天然生体構造に合致する他の幾何学形状を有してもよい。
図12Eでは、シース1206の後退は、最終的に、好ましくは、前または後尖あるいは腱索に係合することなく、前1212および後1214タブの両方が部分的に外向きに自己拡張することを可能にする。この実施形態では、次いで、外側シース1206のさらなる後退は、
図12Fで図示されるように、前尖が前タブのそれぞれの内面と心室スカート1216の外面との間に捕捉されるように、前タブ1212(この図では1つだけが可視的である)がそれらの自己拡張を完了することを可能にする。後タブ1214は、部分的に開いたままであるが、その拡張をまだ完了していない。加えて、前タブの先端はまた、以下でさらに詳細に図示されるように、僧帽弁の左右の線維性三角の中に係留する。
【0076】
図12Gでは、次いで、外側シース1206のさらなる後退は、後タブ1214から拘束を解放し、その自己拡張を完了することを可能にし、それによって、後タブ1214の内面と心室スカート1218の外面との間に後尖PLを捕捉する。
図12Hでは、シースがさらに後退させられ、心室スカート1220を解放し、心室スカート1220が半径方向外向きに拡張することを可能にし、さらに、心室スカートの外面とそれぞれの前または後タブとの間に前および後尖を捕捉する。心室スカートの拡張はまた、前および後尖を外向きに押し、それによって、天然弁尖が人工弁または人工弁尖のいかなる部分にも干渉しないことを確実にする。ここで、人工弁は、僧帽弁の上方に、弁輪に沿って、弁尖に、および僧帽弁の下方に定位置で係留され、それによって、それを定位置で固着する。
【0077】
送達デバイスのさらなる作動は、
図12Iで図示されるように、ハブカテーテル1224から拘束を除去するよう、外側シース1206およびベルカテーテルシャフト1222を後退させる。これは、人工弁交連1226がハブカテーテルから解放されることを可能にし、したがって、交連がそれらの付勢構成まで拡張する。次いで、人工弁1208を定位置に残して、送達システム1202およびガイドワイヤGWが除去され、そこで、
図12Jで見られるように、天然僧帽弁の役割を引き継ぐ。
【0078】
図12Kおよび12Lは、それぞれの前および後尖との前および後タブの係合を強調表示する。
図12Kでは、前タブ1212が完全に拡張された後、それらは、前タブの内面と心室スカート1220の外面との間に前尖ALおよび隣接する腱索を捕捉する。また、前タブ1212の先端1228は、僧帽弁の前側の線維性三角FTと係合させられる。線維性三角は、弁の線維性領域であり、したがって、前タブはさらに、天然僧帽弁生体構造の中へ人工弁を係留する。一方の前タブが、左線維性三角の中へ係留し、他方の前タブが、右線維性三角の中へ係留する。三角は、弁尖の前側の反対側にある。
図12Lは、後タブの内面と心室スカート1220の外面との間に捕捉される後尖PLとの後タブ1214の係合を図示する。加えて、隣接する腱索もまた、後タブと心室スカートとの間に捕捉される。
【0079】
図13A−13Lは、送達方法の別の例示的実施形態を図示する。この実施形態は、以前に説明されたものに類似し、主な違いは、人工心臓弁が僧帽弁と係合するように自己拡張する順番である。本明細書で開示される任意の送達デバイスまたは任意の人工心臓弁が使用されてもよいが、好ましい実施形態では、
図7の実施形態が使用される。順番を変化させることにより、インプラントのより良好な位置付け、弁尖のより容易な捕捉、およびインプラントのより良好な係留を可能にし得る。この例示的方法はまた、好ましくは、経心尖経路も使用するが、経中隔も使用されてもよい。
【0080】
図13Aは、左心房LAおよび左心室LVを含む、患者の心臓の左側の基本生体構造を図示する。肺静脈PVが、肺からの血液を左心房に戻し、次いで、血液が、左心房から僧帽弁MVを横断して左心室の中へ送出される。僧帽弁は、弁の前側Aに前尖ALと、弁の後側Pに後尖PLとを含む。弁尖が、腱索CTに付着し、後に、腱索は乳頭筋PMで心臓壁に固着される。次いで、血液が、逆流を防止する大動脈AVを伴う大動脈AOの中へ左心室から送出される。
【0081】
図13Bは、左心室LVを介した左心房LAの中への心尖を通した送達システム1302の経心尖送達を図示する。送達システム1302は、ガイドワイヤGWを経由して左心房の中へ前進させられてもよく、組織貫通先端1304は、組織を拡張し、送達システムの残りの部分が通過するためにより大きいチャネルを生成することによって、送達システムが心尖を通過するのに役立つ。送達カテーテルは、人工心臓弁1308を運搬する。いったん送達システムの遠位部分が左心房の中へ前進させられると、外側シース1306は、近位に(例えば、オペレータに向かって)後退させられてもよく、それによって、人工弁1308の心房部分から拘束を除去してもよい。これは、心房スカート1310が半径方向外向きに自己拡張することを可能にする。
図13Cでは、外側シースがさらに後退させられると、心房スカートは、
図13Dで見られるように完全に展開するまで、自己拡張し、その一部が見え続ける。心房スカートは、円筒形状を有してもよく、または大動脈および左心室流出路の他の側面に干渉することを回避するよう、平坦な前部分および円筒形の後部分を伴って、上記で議論されるようなD字形であり得る。補綴は、補綴を回転させ、以前に説明された整合要素を可視化することによって、配向され、適正に位置付けられてもよい。また、人工心臓弁は、心房スカートを適正に位置付けるように上流または下流に前進させられてもよい。好ましい実施形態では、心房スカートは、僧帽弁の上面に対して静置するフランジを形成し、これは、人工弁を係留し、左心室の中への不要な下流の移動を防止する。
【0082】
外側シース1306が近位に後退させられ続けると、人工心臓弁の環状領域が、次に、弁輪と係合するように自己拡張する。環状領域もまた、好ましくは、D字形幾何学形状を有するが、また、円筒形であり得るか、または天然生体構造に合致する他の幾何学形状を有してもよい。
図13Eでは、シース1306の後退は、最終的に、好ましくは、前または後尖あるいは腱索に係合することなく、前1312および後1314タブの両方が部分的に外向きに自己拡張することを可能にする。この実施形態では、次いで、外側シース1306のさらなる後退は、
図13Fで図示されるように、前尖が前タブのそれぞれの内面と心室スカート1316の外面との間に捕捉されるように、前タブ1312(この図では1つだけが可視的である)がそれらの自己拡張を完了することを可能にする。後タブ1314は、部分的に開いたままであるが、その拡張をまだ完了していない。加えて、前タブの先端はまた、以下でさらに詳細に図示されるように、僧帽弁の左右の線維性三角の中に係留する。
【0083】
図13Gでは、次いで、外側シース1306のさらなる後退は、心室スカート1320から拘束を解放し、心室スカートが半径方向に拡張することを可能にする。次いで、これは、前タブ1312と心室スカート1316との間に前尖ALをさらに捕捉する。心室スカートの拡張はまた、前および後尖を外向きに押し、それによって、天然弁尖が人工弁または人工弁尖のいかなる部分にも干渉しないことを確実にする。
図13Hで図示されるようなシース1306のさらなる後退は、後タブ1314から拘束を解放し、その自己拡張を完了することを可能にし、それによって、後タブ1314の内面と心室スカート1318の外面との間に後尖PLを捕捉する。ここで、人工弁は、僧帽弁の上方に、弁輪に沿って、弁尖に、および僧帽弁の下方に定位置で係留され、それによって、それを定位置で固着する。
【0084】
送達デバイスのさらなる作動は、
図13Iで図示されるように、ハブカテーテル1324から拘束を除去するよう、外側シース1306およびベルカテーテルシャフト1322を後退させる。これは、人工弁交連1326がハブカテーテルから解放されることを可能にし、したがって、交連がそれらの付勢構成まで拡張する。次いで、人工弁1308を定位置に残して、送達システム1302およびガイドワイヤGWが除去され、そこで、
図13Jで見られるように、天然僧帽弁の役割を引き継ぐ。
【0085】
図13Kおよび13Lは、それぞれの前および後尖との前および後タブの係合を強調表示する。
図13Kでは、前タブ1312が完全に拡張された後、それらは、前タブの内面と心室スカート1320の外面との間に前尖ALおよび隣接する腱索を捕捉する。また、前タブ1312の先端1328は、僧帽弁の前側の線維性三角FTと係合させられる。線維性三角は、弁の線維性領域であり、したがって、前タブはさらに、天然僧帽弁生体構造の中へ人工弁を係留する。一方の前タブが、左線維性三角の中へ係留し、他方の前タブが、右線維性三角の中へ係留する。三角は、弁尖の前側の反対側にある。
図13Lは、後タブの内面と心室スカート1320の外面との間に捕捉される後尖PLとの後タブ1314の係合を図示する。加えて、隣接する腱索もまた、後タブと心室スカートとの間に捕捉される。
【0086】
タブ被覆。上記で説明される例示的実施形態では、タブ(前三角タブおよび後心室タブ)は、概して、狭く、いくぶん先がとがっている。
図8に関して以前に説明された実施形態は、より広い領域にわたって力を分配するのに役立ち、それによって、組織の外傷を低減させる、後タブ上の水平支柱を含む。
図14A−14Dは、好ましくは、外傷を低減させるように役立てるために前三角タブとともに使用される、別の実施形態を図示する。それはまた、所望であれば後タブとともに使用されてもよい。
【0087】
図14Aは、先端1404を有する前三角タブ1402を図示する。この先端は、狭く、いくぶん先がとがっており、それによって、組織の中へ展開されたときに組織外傷を誘発し得る。したがって、いくつかの実施形態では、組織外傷を低減させるのに役立つように、先端を覆ってカバーを配置することが望ましくあり得る。
図14Bは、三角タブ1402に取り付けられ得るポリマータブ1406を図示する。他の実施形態では、タブは、織物、金属、または当技術分野で公知である他の材料等の他の材料から形成されてもよい。ポリマータブは、ポリマーのシートからレーザ切断されてもよく、長軸部分1408と、拡大頭部領域1410とを含む。複数の縫合糸穴1412が、ポリマータブ1406に事前切断されてもよく、穴は、縫合糸材料を受容するようにサイズ決定される。ポリマータブ上の事前切断された穴は、三角タブ上の事前切断された穴と整合させられてもよく、次いで、ポリマータブは、縫合糸、接着剤、または当技術分野で公知である他の連結技法を用いて、三角タブに固着されてもよい。次いで、ヒンジ連結領域1416によって分離される2つの対称半体を有する、織物カバー1414が、ポリマータブに巻き付けられ、縫合糸によってポリマータブに取り付けられ、それによって、三角タブの周囲にシュラウドを形成する。織物は、Dacron、ePTFE、または当技術分野で公知である任意の他の生体適合性材料であってもよい。したがって、カバーは、三角タブと組織との間の接触の表面積を増加させ、それによって、潜在的な外傷および心臓壁の穿刺の可能性を低減させる。加えて、材料は、補綴を係留するのにさらに役立つ、組織内方成長を可能にし得る。材料および寸法はまた、折り畳み構成での送達中にデバイスの薄型外形を維持するために選択される。
【0088】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が、本発明を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。以下の請求項が本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの同等物内の方法および構造が、それによって対象とされることが意図される。