(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれのラベリングマシン(5)は、前記処理・制御基板(6)内に、前記ラベリングマシン(5)の各瞬間の状態を外部サーバー(8)に伝達するトレーサビリティエンジ
ン(7)を備えており、前記外部サーバー(8)は、データを記憶し、前記データの検索のための履歴保管所として必要となった場合に役目を果たす請求項1に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
近年、患者から採取した試料に対してテストを行って患者の健康状態を診断するために、病棟や研究所において、医師の指示に従って患者の生体物質を採取するプロセスのより高度な自動化及びコンピュータ化が要求されている。
【0003】
これに対し、患者の個人データ及び患者が受けるべきテストのリストを収集する臨床検査情報システム(LIS:Laboratory Information system)と通信するネットワークアーキテクチャに簡便に一体化でき、そのLISから指示を受信して、この指示に従って処理を行う装置が知られている(出願人による特許文献1を参照)。
【0004】
特に、病院や研究所の専門の担当者によって行われる採取より前の工程における、生体物質の容器(例えば、試験管)のラベリングについて述べる。
【0005】
この目的のための既存の装置は、各患者の情報、即ち、ある種のテストを受けるために、医師の指示に従い病院や研究所を訪れた人の個人データをLISから受信する。
【0006】
医師がコンピュータ化されたシステムを介して予約センターに繋がっている場合には、臨床検査情報システムは、このようなテストのリストを医師からリアルタイムで受信する。この場合、患者は、テストを受けるために病院又は研究所を訪れた際に、受付作業を省略することができる。しかし、これが不可能な場合(即ち、上述したような通信が行えず、採取日に患者が現地で登録しなくてはならない場合)には、受付を済ませた後、患者のデータがLISのデータベースに入力され、この時点から、患者の完全な個人情報及び行うべき全てのテストのリストがデータベースに記憶される。
【0007】
そして、採取場所において、患者はスマートカード又はリストバンドを用いて本人であることを証明し、その後、採取担当の作業者が、患者の情報及び実施すべき一連のテストを含む確認フォームを、自分のパーソナルコンピュータ(PC)上に呼び出す。
【0008】
このとき、所定数の試験管を上述の特許出願(即ち、ラベリングマシン)に記載されたような装置に挿入して、患者と試験管内の生体試料に対して行う特定のテストとを示すバーコードを有するラベルを貼り付ける。
【0009】
この処理は、上述の医師の指示に従ってLISにより示される患者が受けるべきテストの数に応じて患者の生体物質が分配される様々な試験管の全てに対して行われる。
【0010】
出願人による上述の特許出願に記載された実施形態では、生体物質の採取の後に、試験管のラベリング工程が行われる。この場合、生体物質がすでに入れられた試験管をラベリングすることになる。
【0011】
このような構成には問題がある。なぜなら、処理管理アプリケーション(ソフトウェア)は、採取作業担当の医療従事者(採血の場合は採血担当者(phlebotomist))のPC内にあり、このPC自体にインストールされることで、ドライバと、例えばUSB式の接続とを介してラベリングマシンと通信する。このため、処理全体において、専用のアプリケーションを使用する必要がある、即ち、アプリケーション(通常、装置自体の製造業者によって供給される)を、各作業者が使うPCにインストールしなくてはならない。
【0012】
当然ながら、このアプリケーションは、各PCで使用されるオペレーティングシステムに対応していなくてはならない。
【0013】
更に、ラベリングマシンは、プロセス全体における末端の装置であり、管理アプリケーションが作業者のPC内にありラベリングマシン自体の外にある。それ故、ラベリングマシンは、各患者の情報をLISから受信するPCから供給される指示を実行するだけのものとなる。
【0014】
また、バーコードラベルを試験管に貼り付ける処理が正確に行われないことがある。これは、ラベルを保持するリボンロールからラベルが物理的に剥がれるタイミングと、そのラベルが試験管に貼り付けられるタイミングとが正しく調整されていないことから起こる。典型的な例では、ラベルを試験管に接着させたとき、ラベルがねじれたり、シワが形成されたりして正しく貼り付けられないことがある。
【0015】
また、上記の既知のシステムでは、上述した個々の処理が行われた正確な時間を追跡する可能性は含まれていない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の上述した特徴及びその他の特徴は、以下の添付の図面における非限定的な例により示される、以下の実施形態の詳細な説明から更に明らかになる。
【0026】
発明に係る追跡可能ラベリング装置(
図1)は、計算及び記憶機能を有するマイクロプロセッサを備えた患者専用スマートカード1と、スマートカード1に含まれる患者の生体データ及び情報の読み取りが可能な生体認証装置2とを備えている。
【0027】
スマートカード1は、患者の個人データ及び生体データを含んでいる。個人データは、臨床検査情報システム(LIS:Laboratory Information system)のデータベース3にも含まれている。一方、生体データはスマートカード1のみに記憶されており、データベース3には情報は残らない。これによって、患者の機密が守られる。
【0028】
スマートカード1の代わりに、欧州特許第0712525号明細書や欧州特許第1292937号明細書に記載されているような、取り外し可能な、又は取り外し不可能なリストバンドや、計算及び記憶機能を有するマイクロプロセッサを備えた他の携帯式ハードウェア装置を用いてもよい。
【0029】
生体データは、好適には、1つ以上の指紋や、虹彩、顔、若しくは手の生体データ、又は患者の他の身体的特徴である。
【0030】
図1のシステムは、ナビゲーションブラウザを有し、インターネットを介してデータベース3へ接続されたパーソナルコンピュータ4と、生体認証装置2に接続されたラベリングマシン5とを更に備えている。
【0031】
ラベリングマシン5には、インターネットブラウザによって呼び出し可能な一義のネットワークアドレスが設けられた処理・制御基板6が内蔵されている。
【0032】
外部(遠隔)要素であるLISのデータベース3を除き、上述したシステムの各要素は、全てローカルコンピュータ化ネットワーク50(イントラネット)に接続されている。
【0033】
処理・制御基板6には、以下で詳細に説明する目的に従って外部サーバー8と通信可能なトレーサビリティエンジン7が更に設けられている。
【0034】
また、ラベリングマシン5は、ラベル10付きのリボンロール9(
図3及び
図8)と、バーコードプリンタ11と、生体物質の保持に向いており色付きキャップ14で閉じられた(
図3)、好ましくは試験管である生体物質容器13の配置・認識装置12(
図4)とを備える。
【0035】
装置12(
図4)は、上側に配置された試験管13用の第1存在センサ15、及び下側に配置され1枚の基板上に集約された、キャップ14用の色センサ16と、試験管13用の第2存在センサ17(確認センサ)と、既存ラベル用の存在センサ18と、試験管13用の長さセンサ19とを備える。
【0036】
センサ15、17、18、19は反射・赤外線型である。一方、センサ16は発光器20と受光器21とを備えており、それぞれがRGB(Red-Green-Blue)のカラーフィルタを有する16個のフォトダイオードを4列備える色変換器に基づくものである。
【0037】
ラベリングマシン5(
図3)には、要素41(バネが内蔵されている)と縦ブラケット42(
図5)との両方に接続されたブロック40に固定されているラック24に、ピニオン23を作動して係合させる電動モータ22が更に設けられている。
【0038】
固定された構造体25が設けられており(
図3、
図5、及び
図6)、互いに接続された前述の各要素が、一体的に構造体25に配置されている。
【0039】
試験管13を内部に収容するように形成された傾斜収容部26(
図5)が、縦ブラケット42に固定されている。
【0040】
試験管13を収容する際の最初の工程では、試験管13を、傾斜収容部26の開口の下方に位置する溝状のハウジング27(
図3、
図4、
図5)に置く。このようなハウジング27の「V」字形状によって、試験管13は、ハウジング27に置かれている間は静止できる。
【0041】
更に、ラック24の近傍には、ブラケット42及びブロック40を貫通する第1電磁石28が設けられている(
図5)。電磁石28は、一連の処理における様々な工程において、ピン29に係合する、又はその係合を解除することができる。ピン29は、傾斜収容部26が前方に移動することによって、構造体25の上部に設けられた孔(
図3)を介して落下してきた試験管13を収容する傾斜台31が置かれた棚30の端部に固定されている(
図6〜
図9)。
【0042】
更に、2つの受動補助ローラー32a、32bと、それらの補助ローラーよりも大きい電動の主ローラー33とが設けられている(
図6〜
図9)。以下で詳細に説明するように、このローラー系は、ラベル10を貼り付けるために試験管13を回転させるものである。
【0043】
また、ピン29、棚30、傾斜台31、及び2つの受動ローラー32a、32bは、ブロック40と一体的、つまり、ラック24、要素41、ブラケット42、及び傾斜収容部26と一体的に前後に移動する。
【0044】
ラベリングマシン5は、各試験管13の処理の終了時に、その試験管を、正しくラベリングされた試験管用の第1回収トレイ35と、除外された試験管を回収するための第2回収トレイ36との何れかに送るレバー34(
図2及び
図3)を更に備えている。前者の場合には、第2ソレノイド磁石37をピン38(
図10)から外す必要がある。
【0045】
最後に、バーコードリーダ39が設けられており、その下を回収後の各試験管13が通過することで、その試験管13自体の処理の終了を確認する(
図2)。
【0046】
生体物質の採取のために患者が訪れた研究施設や病院において、その患者が本人であることを確認する際に行う手順は、出願人による上述の特許出願に開示されたものに従う。
【0047】
この手順に先だって、患者の個人データ及び生体データを有するスマートカード1が作成され、患者に与えられる。その後は、医師の指示に従って、患者は施設の受付で医師からの指示データを入力する。このデータは、前述したように、医師の診療所が予約センターと接続していれば、コンピュータ化されたシステムを介して事前に受け取られていてもよい。この場合には、患者は研究所又は病院での受付作業を省略して、採取場所に直接行くことが可能である。
【0048】
彼/彼女の番になると、患者は生体認証装置2にスマートカード1を挿入し、自分の生体データで自分の個人データ及び臨床データが本物であることを証明することで、本人確認情報を入力する。
【0049】
装置2においてリアルタイムに検出された患者の生体データが、スマートカード1のもの(患者の本人確認情報)と一致する場合は、アプリケーション、即ち、採取場所にあるラベリングマシン5(好適には、USBを介して装置2に接続されている)に内蔵された処理・制御基板6は、LISのデータベース3に2回問い合わせる。最初は、データベース3から患者の個人データを呼び出すためであり、次は、患者に関連付けられた実施されるテストのリスト(受付工程においてデータベース3に入力されたもの)を取り出すためである。従って、この工程は、詳細には、指示を実行するだけでなく能動的にLISのデータベース3に問い合わせる処理・制御基板6に実装されたアプリケーションによって行われる、ラベリングマシン5の能動的な役割を示している。
【0050】
この工程が完了すると、処理・制御基板6は、作業者に与えられたPC4のモニタの映像にメッセージを映して、患者の本人確認情報、及び以下の情報を示す。
・実施されるテストのリスト、
・実施されるテストの数と種類に応じて生体物質が入れられる試験管13の数と種類(それぞれが大きさとキャップの色で区別される)、
・試験管のキャップの目的の色、そして試験管の大きさ(長いか短いか)がリスト上の各テストに関連付けられている、
・患者の個人データの一部。
【0051】
この情報を取得した後に、作業者はラベリングする1つ以上の空の試験管13を、ラベリングマシン5の上部に配置された傾斜収容部26に配置する(
図2及び
図3)。試験管13は、リスト上のいずれのものであってよい。即ち、リストに従って所定の順序で試験管を入れなくてよい。要するに、後の工程において試験管を上述の各センサで認識(そして、その後に正しくラベリング)するには、試験管は上述のリストに属してさえいれば十分なのである。試験管13は、
図3に示すように、キャップ14を下側にして入れなくてはならない。なお、以下で詳細に説明するように、複数の試験管13を傾斜収容部26に配置可能だが、ラベリングは1度に1つの試験管13を処理することで行われる。
【0052】
この工程において、試験管は収容部26の開口の下方に位置する溝状のハウジング27に置かれる。試験管は、「V」字形状によりハウジング27上で静止する。
【0053】
第1存在センサ15(
図4。試験管が外された状態)は、試験管13の有無を検出し、また、ピニオン23の反時計回りの回転を制御することで電動モータ22の作動を制御して始動させる(
図5〜
図7は、モータを始動させる直前の工程における構成を示している)。これにより、ラック24は、ラック24と一体になっている全ての要素、即ち、要素41、ブロック40、ブラケット42、及び傾斜収容部26と共に前方に変位する。収容部26の前方移動により、試験管13は溝状ハウジング27の載置部から解放され、本体構造25に設けられた孔に落下する。
【0054】
このとき、試験管13は、ブロック40の前方移動と一体的に前方に移動した傾斜台31上に少しの間だけ収容される。この後、モータ22の動作が反転される。これにより、ピニオン23は時計回りに回転し(
図5の斜視図を再度参照)、ラック24及びそれに一体の全ての要素は後退する。従って、台31も後退することになり、試験管13は構造体25に接触し、自然に処理空間に落下する。
【0055】
すぐ後に、モータの動作が再び反転され、互いに一体化された要素群が前方に変位する。詳細には、補助ローラー32a、32bが、反対側の主ローラー33と協働して試験管13を保持する。これにより、試験管13を傾斜台31上に落下させた際に行った前工程の移動に対して、基本的に半分の距離で上述の要素群が停止する。詳細には、この工程において、次に処理される2番目の試験管を開口に収容した傾斜収容部26が半分の距離で停止する。
【0056】
一方、処理中の試験管13は、その試験管13に圧接するローラーの動作によりわずかに持ち上げられ、前述の1枚の基板上に集約された各センサ(
図4)が読み取り動作を開始する。
【0057】
センサ16は試験管13のキャップ14の色を認識し、確認センサ17は試験管の有無を確認し、長さセンサ19は試験管13が長いか短いかを検出する。
【0058】
これと同時に、試験管13を時計回りに回転し、ラベル存在センサ18が動作するように、電動主ローラー33の回転が開始される(
図7〜
図9において反時計回り)。この工程においては、2つの補助ローラー32a、32bも反時計回りに回転するが、上述したように、主ローラー33から試験管13に与えられた回転で受動的に回転するだけである。実際には、補助ローラー32a、32bは、主ローラー33への密着を確保しながら試験管13を主ローラー33に対して保持する目的だけに用いられる。
【0059】
詳しくは、キャップ14用の色センサ16は、発光器20と、検出した光におけるRGB(Red-Green-Blue)の色成分の強度を測定して、キャップ14の色を決める受光器21とを備えている。
【0060】
一方、センサ17、18、19は(前述のセンサ15と同様に)、全て同じ種類のもの、即ち、反射型赤外線センサである。ダイオードが連続的に赤外線を放射し、赤外線が、センサの極近傍に配置されることもある物体によってフォトトランジスタに反射される。従って、確認センサ17の場合は、単純に赤外線が試験管13によって反射される。ラベル存在センサ18の場合は、試験管13が回転している間に、センサ18がラベルと向かい合った際に反射が起こる。最後に、長さセンサ19の場合は、長い試験管があるときには赤外線が反射される一方で、センサ19は、試験管が短いときには何も検出しない。
【0061】
特に、ラベル存在センサ18について詳説する。実際には、市場にある試験管には、ラベルがすでに設けてある。ラベルは、試験管の側部に貼り付けてあり、例えば、使用されるテストの分類を決定する、その試験管の中に含まれ得る反応物質に関するいくつかの情報を有する。
【0062】
従って、このような事前に設けられたラベルの上に、新たに作成したラベル10を重ねなくてはならない。
【0063】
ラベル存在センサ18は、試験管13がその軸心回りに回転している間に、試験管13自体の側壁を走査することで既存のラベルが占める領域を特定して、そのラベルの開始点、及びそれが占める領域を特定する。
【0064】
試験管13上のラベルの位置が特定されると、主ローラー33の回転を中断して、スロットから出てくる作成されたラベル10が試験管13に接着し、既存のラベルに重なるような位置で試験管13を止める。
【0065】
各センサ(詳細にはセンサ16、17、19)を組み合わせた動作により検出された試験管13のキャップ14の形状及び色の特徴が、想定される特徴(PC4のモニタに表示)の1つと一致している場合は、試験管13の処理は次へ進められる。
【0066】
それ以外の場合は、試験管が想定される特徴と一致していないことを検出するので、その試験管は除外されなくてはならない(同時にPC4の映像にエラーメッセージが現れる)。これは、処理・制御基板6を再び用いて、第2電磁石37の通電を制御し、その上端を後退させることによって行われる。電磁石37の上端を貫通し、レバー34の側面に設けたスロットに沿って摺動するピン38によって、レバー自体が逆に傾斜することになる。従って、試験管がラベリングされることなく排出されると、逆方向に傾斜して第2回収トレイ36に続く開口を後方に形成するレバーの上に、その試験管が落下する(
図10)。
【0067】
試験管13が、想定される種類の試験管と一致していない場合がある。これは、例えば、想定外のキャップの色を有する試験管、キャップの色は正しいが所定のキャップに対応する大きさと一致しない試験管、又は上下を逆に配置され、キャップが検出されない試験管など、作業者が間違えて装填してしまう場合である。即ち、処理前において作業者によるミスが存在する場合である。
【0068】
実際は、人為的なミスは、不適合な試験管として除外することで解消される。
【0069】
上述したように、想定された試験管の1つに一致した場合は、処理・制御基板6が作動され、ラベル10の印刷処理が開始される。
【0070】
従って、プリンタ11はラベル10を作成する。ラベル10は、生体試料の特定に必要な情報を含むバーコードを有し、また、ラベリング工程の前にシステムによって特定された作業者にとって有用な情報を含む文字、例えば、試料の持ち主である患者の名前、実施されるテスト、試験管の物理的特徴なども有している。
【0071】
試験管にラベル10を貼り付ける処理には、プリンタ11によってラベル10が作成された後に、その上端部を上述のリボンロール9の紙から剥がし、主ローラー33の直下の領域において利用できるようにすることが含まれる(
図8)。
【0072】
その後、ローラー33自体は反時計回り(再び
図8を参照)に回転を始め、試験管13を、前工程で既存のラベルを探す際に回転させた方向に沿って、逆に、即ち時計回りに回転させる。その結果、ラベル10が基本的に引っ張られ、主ローラー33と試験管13との間の小さな空間に挿入される。なお、ラベル10の印刷処理と、それに続く主ローラー33及び試験管13の回転とは、完璧に調整されている。これにより、試験管13に対するラベル10の確実な貼り付けが図られる。従って、ラベル10の上端部が、ローラー33の回転により引っ張られるまで非常に長い時間浮いた状態で放置され、予期しない湾曲が発生し、適切な形で試験管13に貼り付かない(ラベルが試験管に対して完全に貼り付かない、又はまっすぐに貼り付かない)ことが防止される。
【0073】
更に、試験管13は、それが回転している間は上下方向には変位されない。即ち、目的の動きはその軸心回りの回転のみであり、試験管13自体が落下して位置ずれしてしまうおそれが無い(これは、既存ラベルの端部を探す前段の工程でも同様である)。
【0074】
主ローラー33の反時計回りの回転(そして、間接的ではあるが2つの受動補助ローラー32a、32b)により、試験管13が所定回数だけ回転し、作成されたラベル10が試験管13に確実に貼り付けられたと判断されると、処理は終了する。
【0075】
このとき、電動モータ22の動作が再び反転され、ラック24と一体の要素群の全てが後方に変位する。詳細には、補助ローラー32a、32bが試験管13から離脱する。同時に、主ローラー33が停止する。
【0076】
この工程において、第1電磁石28は通電され、その薄い方の端部(即ち
図7〜
図9における左側の端部)が後退し、ピン29(
図9)から外れる。従って、この時点までピン29に係合していた電磁石28の左端部が下方にあったため揺動できなかった棚30(及びこれに接続されている台31と補助ローラー32a)が、拘束状態から解放され、傾くことが可能になる。
【0077】
この後、ラック24及びそれに一体の要素群は、再び前方に移動される。同時に、主ローラー33が動き始めることで、試験管13及び補助ローラー32a、32bも再び動き始める。
【0078】
上方の補助ローラー32aは自由状態になっており、即ち、上述したように、長手方向のみに移動するように拘束されておらず、試験管13の側面に対する回転動作によって、持ち上がる(
図9)。この結果、試験管13に対してトランポリンのように作用し、試験管13が主ローラー33に沿って摺動して排出される。そして、まずレバー34の上に落下し、そこから第1回収トレイ35に落下する(
図10)。
【0079】
この排出と同時に、傾斜収容部26内で処理を待つ次の試験管が、傾斜台31上に落下し、一連のラベリング処理が開始する。当然ながら、これは、電磁石28の通電を切って、ピン29と係合させ、棚30を再び揺動させないようにした後に行われる。
【0080】
このように、試験管をラベリングマシンに装填する機構は、「ワンバイワン」式(順次装填式、即ち、1回に1つの試験管)である。
【0081】
なお、前段の各工程以下の押圧力を与えることによって試験管13が排出される。これは、単純に、電磁石28をピン29から外すことによって、上側の補助ローラー32aが持ち上がり、試験管13に対してトランポリンのように動作するからである。
【0082】
開示した上述の工程は、必要な試験管の全てがラベリングされるまで繰り返される。試験管に対する一連のラベリング処理が終了すると、作業者はこの試験管を回収トレイ35から回収し、次の段階に進んで、患者から生体物質(血液など)を採取する。
【0083】
必要な試験管の全てに生体物質を充填すると、作業者はラベリングマシン5に戻り、充填済みの試験管をバーコードリーダ39(
図2)の下に1つずつ通して、各試験管13のラベリング及び採取処理が完了したことを確認して、想定される結果との整合性を確認する。実際には、バーコードリーダ39は、処理・制御基板6と通信し、処理・制御基板6は、各ラベルに印刷されたバーコードと、各試験管に対して想定されるものとの間に不一致が無いことを確認し、必要な試験管に対する一連の処理の終了を認める。
【0084】
このような処理は、特に重要である。なぜなら、各試験管をバーコードリーダ39の下に通すことによって、処理・制御基板6が試料を採取された正確な時間を記録することもできるからである。この情報は、LISのデータベース3に送信され、必要に応じて、後の工程で生体試料にテストを行う装置からの情報と相互参照させてもよい。実際には、テスト装置は、試料を処理した正確な時間をLISのデータベース3に伝えることができると更に好ましい。最終診断において、医師は採取からテストまでの経過時間を推測することで、そのテストが重要なものであったか否かを判断し、テストを再度行うことを依頼することができる。
【0085】
ラベリングマシン5に内蔵された処理・制御基板6は、ローカルコンピュータネットワーク50における一義のIPネットワークアドレスを有している。従って、ラベリングマシン5で作業している作業者や、ネットワーク50に接続されたPCを持つその他の作業者は、ラベリングマシン5自体の一義のネットワークアドレスをインターネットブラウザに入力するだけで、ラベリングマシン5、又は処理・制御基板6に実装されたアプリケーションと通信することが可能である。
【0086】
これにより、特定のソフトウェアアプリケーションがインストールされたPCを使う必要なしに、ラベリングマシン5の動作を制御することができる。更に、入力されたIPアドレスを変えるだけで、様々なラベリングマシンに対して異なるタイミングで接続できるという、大きな利点(特に研究所に設けられ得る中央コンピュータに対して)がある。
【0087】
更に、ラベリングマシン5の状態を任意のタイミングで外部サーバー8に伝えることができるトレーサビリティエンジン7が、処理・制御基板6に設けられている。この構成をネットワーク上の全てのラベリングマシンに設けることによって、各ラベリングマシンで行われた処理が、外部サーバー8に記録されることになる。よって、必要に応じて、外部サーバー8は、特定の日時及び患者に関連付けられた試験管に対して、どのような処理が行われたのかを示すデータを取り出す履歴記憶手段として機能することができる。
【0088】
外部サーバー8が様々なテスト装置によって行われた処理を同様に記録できると好ましく、この場合、所定の日時に各患者の試料に対して行われた様々な種類のテストを記録することが可能になる。
【0089】
このように、発明の革新的特徴は、採取担当の作業者に与えられたPC4に実装されたアプリケーションではなく、ラベリングマシン5内の処理・制御基板6を使うことにある。この特徴は、機械的要素の作動、そして何よりも、処理・制御基板6がLISのデータベース3と通信することで事前に設定した、一連の処理の全体における想定されたデータとの整合性の確認、即ち、正しいバーコードを有するラベル10が実際に所定の試験管13に貼り付けられているかを確認する上で、ラベリングマシン5の処理における全ての工程において、より良い制御を可能とする。これにより、ミス(試験管が正しくラベリングされないこと)の危険がなくなる。従って、正しく装填されなかった試験管がラベリングされる前に、それを排出することによって、作業者によるその他の起こり得る人為的なミスを解消することができる。
【0090】
更に、既知の解決手段に対し、アプリケーションをラベリングマシン5内に設けたことは、ラベリングマシン自体を、指示を受動的に実行する単純な装置ではなく、LISのデータベース3に問い合わせることができる能動的な装置にすることに貢献している。
【0091】
更に、図示したように、一義のネットワークアドレスを持つ処理・制御基板6が設けられたことによって、病院や研究所の作業者は、ローカルコンピュータネットワーク50にアクセス可能であればラベリングマシン5に遠隔接続して、マシンの状態や動作を管理することもできる。従って、ラベリングマシン5に接続する各PC4に特定のアプリケーションをインストールする必要はなくなり、PC4が、ラベリングマシン5のIPアドレスを入力するナビゲーションブラウザを有するだけで十分になる。作業者は、IPアドレスを変えることにより、各ラベリングマシンを管理することもできる。
【0092】
従って、作業者に与えられるPC4で使われるオペレーティングシステムにかかわらず、上述の解決手段を任意の形で適応させることができる。
【0093】
更に、ラベル10へのバーコードの印刷処理と、試験管13へのそのラベルの貼り付けとが同期されているため、不適切な貼り付け(ねじれたラベルや折れ曲がったラベル)の危険が回避される。試験管13がその後テストモジュールに送られ、バーコードを読み取ることが必要になる場合、この不適切な貼り付けは問題になる。
【0094】
よって、発明の革新的特徴は、所定の数の試験管に対する一連の処理の終了時に、回収トレイ35にある各試験管13のラベリングの整合を調べて、処理・制御基板6に含まれる想定されるデータとの一致を確認するラベリングマシン5に搭載されたバーコードリーダ39があっても、一連のラベリング処理が終了した時間や、その後に生体物質を採取した時間が、試験管毎に正しく記録される。
【0095】
ここで説明した本発明は、様々な変更や変形が可能であり、それらは全て発明的概念の範囲に含まれる。
【0096】
実際には、使用される材料や形状、そして寸法は、必要に応じて任意のものとなる。