特許第6133938号(P6133938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6133938ゲーム用物品、プログラム及びゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133938
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】ゲーム用物品、プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20170515BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20170515BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20170515BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20170515BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20170515BHJP
【FI】
   A63F13/79
   A63F13/69
   A63F13/80 B
   A63F13/20 A
   A63F13/95 A
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-141714(P2015-141714)
(22)【出願日】2015年7月15日
(65)【公開番号】特開2017-23177(P2017-23177A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2015年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】茂木 喜人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 啓
(72)【発明者】
【氏名】後藤 晃平
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−192722(JP,A)
【文献】 特許第4339486(JP,B2)
【文献】 特開2005−276086(JP,A)
【文献】 特許第5468155(JP,B1)
【文献】 特開2014−012195(JP,A)
【文献】 特開2007−229259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
A63F 1/02− 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の載置領域が形成されたボード上に載置することで進行するボードゲームの用に供されるゲーム用物品から情報を取得する取得手段を有するコンピュータに処理を実行させるためのプログラムであって、
前記ゲーム用物品は、
該ゲーム用物品に対応するキャラクタを示す可視状態の前記ボードゲーム用の第1のキャラクタ情報と、
該ゲーム用物品を一意に特定する識別情報と前記対応するキャラクタを示す第2のキャラクタ情報とを符号化した前記ボードゲームとは異なる電子ゲーム用の符号化情報を記録した記録部とを有し、
前記プログラムは、
前記電子ゲームに係るゲーム処理と、
前記ゲーム処理の演算結果に基づき前記コンピュータに接続された表示手段に表示させる表示制御処理と、
前記取得手段により取得された前記符号化情報により示される前記対応するキャラクタを前記電子ゲームにおいてプレイヤごとに使用可能な状態に登録する処理であって、該キャラクタを、前記符号化情報を前記取得手段に取得させた登録プレイヤについて使用可能な状態に登録する処理と、
前記登録する処理の実行に応じて、前記取得された符号化情報により示される前記対応するキャラクタが、過去にいずれかのプレイヤについて使用可能な状態に登録されていないことを条件に、前記登録プレイヤについて前記電子ゲームにおける第1の特典情報を付与する処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記表示制御処理において、登録された前記対応するキャラクタの第1のキャラクタ画像が、前記ボードに対応するゲームフィールドの画像とともに前記表示手段に表示される
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1のキャラクタ情報は、前記対応するキャラクタの第2のキャラクタ画像を含み、
前記第1のキャラクタ画像と前記第2のキャラクタ画像とは共通の画像である
ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1のキャラクタ情報及び前記第2のキャラクタ情報は、前記対応するキャラクタのゲーム上のパラメータを示す情報を含み、
前記ゲーム処理は、前記ゲーム上のパラメータを用いて前記電子ゲームを進行させる
ことを特徴とする請求項またはに記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム用物品は複数存在し、
前記プログラムは、前記複数のゲーム用物品の少なくともいずれかの前記識別情報を選択し、該識別情報に基づき使用可能な状態に登録されたキャラクタに第2の特典情報を付与する処理を、前記コンピュータにさらに実行させる
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2の特典情報を付与する処理において、予め定められた数の前記識別情報が前記第2の特典情報の付与対象として選択されることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示制御処理は、前記第2の特典情報が付与されたキャラクタを識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項またはに記載のプログラム。
【請求項7】
前記登録する処理において、前記取得された符号化情報に含まれる前記識別情報が前記第2の特典情報の付与対象として選択された前記識別情報である場合に、登録するキャラクタが前記第2の特典情報が付与されたキャラクタであることを前記表示手段に表示するよう、前記表示制御処理が制御されることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、1人のプレイヤについて前記第2の特典情報が付与されたキャラクタの数が予め定められた数となった場合に、所定の演出を開始する処理を、前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2の特典情報を付与する処理は、所定の期間の経過後に前記第2の特典情報を付与したキャラクタから、前記第2の特典情報を消去することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2の特典情報を付与する処理は、所定の期間ごとに、前記第2の特典情報の付与対象の前記識別情報を選択することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
複数の載置領域が形成されたボード上に載置することで進行するボードゲームの用に供されるゲーム用物品から情報を取得する取得手段を有するゲーム装置であって、
前記ゲーム用物品は、
該ゲーム用物品に対応するキャラクタを示す可視状態の前記ボードゲーム用の第1のキャラクタ情報と、
該ゲーム用物品を一意に特定する識別情報と前記対応するキャラクタを示す第2のキャラクタ情報とを符号化した前記ボードゲームとは異なる電子ゲーム用の符号化情報を記録した記録部とを有し、
前記ゲーム装置は、
前記電子ゲームに係るゲーム処理を実行する実行手段と、
前記ゲーム処理の演算結果に基づき前記ゲーム装置に接続された表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段と、
前記取得手段により取得された前記符号化情報により示される前記対応するキャラクタを前記電子ゲームにおいてプレイヤごとに使用可能な状態に登録する登録手段であって、該キャラクタを、前記符号化情報を前記取得手段に取得させた登録プレイヤについて使用可能な状態に登録手段と、
前記取得された符号化情報により示される前記対応するキャラクタが、前記登録手段により、過去にいずれかのプレイヤについて使用可能な状態に登録されていないことを条件に、前記登録プレイヤについて前記電子ゲームにおける第1の特典情報を付与する付与手段と、を有し、
前記表示制御手段は、登録された前記対応するキャラクタの第1のキャラクタ画像を、前記ボードに対応するゲームフィールドの画像とともに前記表示手段に表示させる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項12】
前記対応するキャラクタは、前記電子ゲームにおいて使用可能な状態に登録された後、前記ボードゲーム及び前記電子ゲームの双方にて使用可能な状態となることを特徴とする請求項11に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記ボードゲームと前記電子ゲームとにおいて、前記対応するキャラクタはゲーム上での効果が共通のキャラクタとして扱われることを特徴とする請求項11または12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記ボードゲームは、複数人のプレイヤが互いのゲーム用物品を各プレイヤに対応付けられた前記載置領域に載置することで進行するゲームであり、
前記電子ゲームは、前記第2のキャラクタ情報により示されるキャラクタをプレイヤに使用させ、前記ボードに対応するゲームフィールドに該キャラクタが配置されることで他のプレイヤとの間で進行するゲームである
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記第1のキャラクタ情報は、
前記対応するキャラクタの画像と、
前記対応するキャラクタの前記ボードゲームにおけるパラメータと、
前記対応するキャラクタについて、前記ボードゲームの進行を指示する説明情報と、
を含むことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記ゲーム用物品の前記記録部は、前記符号化情報を不可視状態で記録することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用物品、プログラム及びゲーム装置に関し、特に物品を使用したゲームプレイを実現するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カードゲームの1つのジャンルとして、予め定められた載置領域に手札のカードを載置しながらゲームが進行する所謂TCG(Trading Card Game)がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4339486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TCGでは、プレイヤ各自が入手した規定枚数のカードで構成される1つのデッキをシャッフルして山札とし、基本的にはターンごとに山札から順次取得したカードを手札に加え、プレイフィールド内において所望の効果を発動させる領域にカードが載置されることでゲームが進行する。TCGに使用されるカードには、キャラクタ画像に加え、相手プレイヤフィールドに載置されたカード(相手カード)のキャラクタにダメージを与えられるか否か、またそのダメージ量を決定するためのパラメータ等、ゲームを進行するために必要となる各種パラメータが記載されている。さらにTCGにおいて特徴的な要素は、使用されるカードの各々に、特にはカードのキャラクタの性格や性質等のストーリー上の役割に応じて固有に定められ、カード使用時や載置中に発動する特殊な行動やルールが記載されている点にある。
【0005】
ゲームは予め定められたルールに基づき、各プレイヤが攻防のターンのそれぞれで生じたイベント(自身または他人の行動に起因)に従って、自身のカードをプレイフィールドに載置したり、フィールド内で移動したり操作することで進行する。そして、いずれかのプレイヤの所定の領域に載置したカードにより示されるライフが0(該領域のカードが0枚となる)あるいはデッキのカード枚数が0枚になるまでゲームは継続する。
【0006】
このようにTCGでは、構成するデッキに含めるカードの選択、ゲームの進行状況に応じた複数の載置領域のいずれにカードを載置するかの決定、山札からカードを取得する順番、及びカードに記載の特殊な行動やルールの発動により、ゲームの勝敗が決定される。従って、有利なパラメータを有するキャラクタのカードをデッキに含んでいたとしても、特殊行動や運等の要素によって勝敗が左右されるため、幅広いプレイヤ層に親しまれている。
【0007】
一方で、TCGは各プレイヤが独自のデッキを組み、思考し、行動を起こすことが必須のゲームであるため、相手プレイヤがいることが前提であり、プレイヤは1人ではゲームをプレイすることはできなかった。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ゲーム用物品を現実のプレイフィールドに載置しながら進行するゲームに係るユーザ体験を拡張するゲーム用物品、プログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明のゲーム装置は、複数の載置領域が形成されたボード上に物品を載置することで進行するボードゲームの用に供されるゲーム用物品から情報を取得する取得手段を有するゲーム装置であって、ゲーム用物品は、ゲーム用物品に対応するキャラクタを示す、可視状態のボードゲーム用の第1のキャラクタ情報と、ゲーム用物品を一意に特定する識別情報と対応するキャラクタを示す第2のキャラクタ情報とを符号化した、ボードゲームとは異なる電子ゲーム用の符号化情報を記録した記録部と、を有し、ゲーム装置は、電子ゲームに係るゲーム処理を実行する実行手段と、ゲーム処理の演算結果に基づきゲーム装置に接続された表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段と、取得手段により取得された符号化情報により示される対応するキャラクタを、電子ゲームにおいてプレイヤごとに使用可能な状態に登録する登録手段であって、該キャラクタを、符号化情報を取得手段に取得させた登録プレイヤについて使用可能な状態に登録手段と、取得された符号化情報により示される対応するキャラクタが、登録手段により、過去にいずれかのプレイヤについて使用可能な状態に登録されていないことを条件に、登録プレイヤについて電子ゲームにおける第1の特典情報を付与する付与手段と、を有し、表示制御手段は、登録された対応するキャラクタの第1のキャラクタ画像を、ボードに対応するゲームフィールドの画像とともに表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような構成により本発明によれば、ゲーム用物品を現実のプレイフィールドに載置しながら進行するゲームに係るユーザ体験を拡張することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図
図2】本発明の実施形態に係るゲームサーバ100の機能構成を示したブロック図
図3】本発明の実施形態に係るゲームサーバ100において実行される登録処理を例示したフローチャート
図4】本発明の実施形態に係るゲームサーバ100において実行される第2特典付与処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態に係るゲームサーバ100において実行されるゲーム処理を例示したフローチャート
図6】本発明の実施形態に係るアナログゲームで使用されるゲームシートを説明するための図
図7】本発明の実施形態に係るアナログゲームにおいて使用され、かつデジタルゲームでのカード登録において使用されるゲームカードを説明するための図
図8】本発明の実施形態に係るアナログゲームにおけるゲーム進行を例示したフローチャート
図9】本発明の実施形態に係るゲームサーバ100において使用される各種のデータ構成を示した図
図10】本発明の実施形態に係るゲームシステムにおいて提供されるデジタルゲームの画面構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、本実施形態のゲームカードを使用するボードゲーム(TCG)と同様のゲーム体験を、ネットワークを介して接続されたクライアント装置においてゲーム体験を可能ならしめるゲームサーバに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ボードゲームの用に供されるゲーム用物品を登録することで、該ボードゲームと同様のゲーム体験をプレイヤに提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0013】
また、本明細書において、現実世界において物理的に実体を有する、カードや駒、及びゲームボード(ゲーム盤)やゲームシート(プレイマット)等の玩具(ゲーム用物品)を使用し、テーブル上等においてプレイヤにより遊戯(ゲームプレイ)が進行するボードゲーム(盤上ゲーム)を、「アナログゲーム」として記載する。一方、プレイヤが使用するクライアント装置に接続された表示装置の画面上において、所定のゲームプログラムの実行により、電子的なデータを使用する、上記ボードゲームと同等のゲーム体験を提供する遊戯が進行する電子ゲームを、「デジタルゲーム」として記載する。またアナログゲームに使用するゲーム用物品として、本実施形態ではゲーム上において各々異なる役割が対応付けられた複数の領域を有するゲームシートと、該ゲームシート上の領域に載置することでゲーム上の効力を発生するゲームカードとを用いるものとして説明する。
【0014】
《アナログゲーム、ゲーム用物品》
まず、本実施形態においてデジタルゲームにつき、カードの登録または該カードに対応するキャラクタの登録に用いられるゲームカードを、現実世界のゲームシート上に載置することにより2人のプレイヤ間で進行するアナログゲームについて説明する。従って、本実施形態のアナログゲームにおいてゲーム用物品とは、ゲームシートとゲームカードを指す。
【0015】
〈ゲームシート〉
本実施形態のアナログゲームは、所謂TCGのゲームジャンルに分類されるボードゲームである。アナログゲームでは、各プレイヤは、ゲーム中、対応するキャラクタをリーダーとして使用する1枚のゲームカード(リーダーカード)に加え、所定数(40枚)のゲームカード(バトルカード)で構成されたデッキを使用する。図6は、本実施形態のアナログゲームの1人のプレイヤにつき、ゲームカードを載置する複数の領域を有して構成されたゲームシートを例示した図である。リーダーカードは、ゲームシート上のリーダーエリア601にオモテ向きの状態でキャラクタとして載置される。またデッキのバトルカード群は、無作為の順番に編成(シャッフル)され、ウラ向きの状態でデッキエリア605に堆積される(山札)。
【0016】
ゲームシート上のその他の領域は、それぞれ以下の役割を有する。
1.キャラクタエリア604:所定枚数(4枚)までのバトルカードをキャラクタとして載置可能なエリア。載置されたカードに対応するキャラクタは、プレイヤの攻撃ターンにおいては攻撃行動を行うキャラクタとして選択可能であり、プレイヤの攻撃ターンではないターン(防御ターン)においては攻撃行動の対象として選択されうるキャラクタとなる。
2.補助エリア602:攻撃行動を行うキャラクタを選択する際に、または攻撃行動の対象としてキャラクタが選択された際に、キャラクタエリア604に既に配置されているバトルカードまたは手札のバトルカードから、これらのキャラクタの攻撃行動または攻撃行動に対抗する行動(防御行動)を補助するバトルカードを載置可能なエリア。
3.エネルギエリア606:手札のバトルカードをキャラクタエリア604に載置する際にコスト(代価)として消費されるポイント(単位を「エネルギ」とする)を蓄積するためのエリア。エネルギエリア606においては、載置されたバトルカードはそのキャラクタに依らず1枚につき1エネルギが蓄積されているものとして換算される。プレイヤは、後述の各ターンのチャージフェーズにおいて手札からバトルカードをエネルギエリア606に載置することによってエネルギを蓄積することができる。またプレイヤは、ターン中補助エリア602に載置したバトルカードを、補助エリア602に係る行動の判断が完了した後、エネルギエリア606に移動してエネルギを蓄積することができる。
4.ドロップエリア607:キャラクタエリア604へのバトルカードの載置に応じて消費されたエネルギと同数のバトルカードが、エネルギエリア606から移動されて載置されるエリア。ドロップエリア607に載置されたバトルカードは、基本的にその後ゲームプレイに使用することができない。
5.ライフエリア603:デジタルゲーム開始時に、山札から取得された所定枚数(7枚)のバトルカードが載置されるエリア。エネルギエリア606と同様、載置されたバトルカードがいずれのキャラクタであるかに依らず、枚数のみがライフ(行動可否を判断するための値)として考慮される。ライフエリア603に載置されるバトルカードは、ウラ向きの状態で載置され、いずれのバトルカードがデッキからライフとして使用されたかが不明なように構成される。またライフエリア603に載置されるバトルカードの数は、基本的にはゲーム中増加することはなく、プレイヤが防御ターンである場合の攻撃行動及び防御行動の結果に応じて減少する。
【0017】
〈ゲームカード〉
ゲームカードは、図7(a)及び(b)に示されるように基本的にはそのオモテ面に、
・該カードに対応するキャラクタのキャラクタ画像701
・該キャラクタを識別するキャラクタ名称702
・ゲーム中の攻撃行動及び防御行動に応じてライフを減少させる結果(攻撃成功イベント)を発生させるか否かを判定するためのカード種別703
・攻撃成功イベント発生時に相手プレイヤのライフ減少させる値を示すライフ減算値705
・ゲームにおけるキャラクタの種別等の情報を含む属性情報706
・ゲームシート上に載置されている場合に、対応するキャラクタについて定められた特殊効果及びその発生条件等、通常のゲーム進行とは異なる、キャラクタ固有の効果を記載した説明情報707
を可視状態の情報として含む。
【0018】
ゲームカードは、該カードがリーダーカードであるかバトルカードであるかに応じてウラ面の構成が異なる。ゲームカードがリーダーカード及びバトルカードのいずれであるかは、図7(a)及び(b)に示されるようにゲームカード上のカード種別703により判別することが可能に構成される(図7(a)がリーダーカード)。なお、本実施形態ではカード種別703は、リーダーカードである場合には、記載の面が「オモテ面」及び「ウラ面」のいずれであるかを示す情報を含む。この場合、オモテ面とウラ面のそれぞれについて、ライフ減算値705、属性情報706及び説明情報707が、1枚のゲームカードに含まれるものとする。
【0019】
図示しないが、バトルカードは手札等に加えられるまではデッキとしてデッキエリア605に堆積されるため、次にプレイヤが取得するバトルカードがいずれであるかが判別されないよう、ウラ面にはカードに依らず共通の図柄が付されている。該図柄は、例えばゲームタイトル等、バトルカードに対応するキャラクタとは無関係の画像であってよい。またバトルカードは、上述したようにエネルギを消費することを条件としてキャラクタエリア604への載置が可能となるため、該消費エネルギを示す載置コスト708をオモテ面に含む点でリーダーカードと相違する。
【0020】
一方でリーダーカードは、図7(a)に示されるように、ゲーム中においてカードの表裏を反転させることでオモテ面に記載の通常モードとウラ面に記載の特殊モードとが切り替え可能なように、カード両面の図柄が構成されている。上述したようにリーダーカードは、ゲーム開始時には通常モード(オモテ向き)として配置され、オモテ面の説明情報707に記載の条件を満たすことで、特殊モードへと切り替えることが可能である。即ち、リーダーカードのオモテ面に含まれる説明情報707には、少なくとも該カードを通常モードから特殊モードに切り替えるための条件の情報が含まれる。
【0021】
〈ゲーム進行〉
本実施形態のアナログゲームの進行は、このようなゲームシートと規定数のゲームカードで構成されたデッキとを使用することで、2人のプレイヤ間で進行する。以下、アナログゲームの進行について、図8のフローチャートを用いて概略的に説明する。なお、ゲーム開始前の準備として、各プレイヤは
・1枚のリーダーカードのリーダーエリア601への載置
・シャッフルしたデッキのデッキエリア605への載置(山札の載置)
・山札からの所定数(5枚)の初期手札の取得(基本的に山札の最も上に配置されたバトルカードを順に取得)
・山札から取得した所定数(7枚)のバトルカードのライフエリア603への載置
・攻防順序(先攻後攻)の決定
を行う。
【0022】
ゲーム開始前の準備が完了した後、各プレイヤは決定した攻防順序に従って、ターン性で以下のフェーズを交互に行う。以下の説明では、1ターンは、1人のプレイヤが攻撃ターンまたは防御ターンである場合の一連の進行を定めるものであり、攻防の交代が行われる際に次のターンに進行するものとして説明する。
【0023】
P801で、攻撃ターンにあるプレイヤ(攻撃プレイヤ)は、自身の山札から1枚バトルカードを取得し、手札に加える(ドローフェーズ)。
【0024】
P802で、攻撃プレイヤは、エネルギエリア606に手札のバトルカードを載置する(エネルギを蓄積する)か否かを選択できる(チャージフェーズ)。載置する場合は、攻撃プレイヤは山札からさらに1枚バトルカードを取得し、手札に加える。
【0025】
P803で、攻撃プレイヤは、キャラクタエリア604に手札のバトルカードをキャラクタとして載置する(アクティブ化する)か否かを選択できる(アクティブ化フェーズ)。キャラクタとして載置する場合は、攻撃プレイヤは手札から所望のバトルカードをキャラクタエリア604に載置し、該カードに記載の載置コスト708の数だけ、エネルギエリア606に載置されたバトルカードをドロップエリア607に移動する。この際、載置するバトルカードの説明情報707に、アクティブ化時に発生させる特殊効果が記載されている場合は、プレイヤは該記載に従った行動を行う。なお、本アクティブ化フェーズは、1枚のバトルカードのアクティブ化に限定されるものである必要はなく、対応して消費するエネルギが残存しているのであれば、複数のバトルカードをアクティブ化するものであってもよい。またゲーム開始前にリーダーエリア601に載置したリーダーカードは、既にリーダーキャラクタとしてアクティブ化されているものとして扱う。
【0026】
P804で、攻撃プレイヤは、自身がアクティブ化しているキャラクタのうちの1体を攻撃行動の主体(攻撃キャラクタ)として選択する(アタックフェーズ)。アタックフェーズでは、攻撃プレイヤは攻撃キャラクタの選択だけでなく、防御ターンにあるプレイヤ(防御プレイヤ)がアクティブ化しているキャラクタのうちの1体を攻撃行動の対象(対象キャラクタ)として選択する。さらに攻撃プレイヤは、攻撃行動を実行させるにあたり、攻撃キャラクタの補助を行う攻撃補助キャラクタに係るバトルカードを、補助エリア602に載置するか否かを選択できる。攻撃補助キャラクタに係るバトルカードは、上述したように手札またはキャラクタエリア604に載置されているバトルカードのうちから選択することが可能であり、この場合はエネルギの消費を要しない。この際、補助エリア602に載置するバトルカードの説明情報707に、攻撃補助キャラクタとして使用時に発生させる特殊効果が記載されている場合は、プレイヤは該記載に従った行動を行う。
【0027】
P805で、防御プレイヤは、アタックフェーズにて選択された対象キャラクタについて、防御行動に係る操作を行うことができる(ディフェンスフェーズ)。本実施形態のアナログゲームでは防御行動に係る操作として、防御プレイヤは、対象キャラクタの補助を行う防御補助キャラクタに係るバトルカードを補助エリア602に載置するか否かを選択できる。防御補助キャラクタに係るバトルカードは、攻撃補助キャラクタと同様、防御プレイヤの手札またはキャラクタエリア604に載置されているバトルカードのうちから選択することが可能であり、エネルギの消費を要しない。この際、補助エリア602に載置するバトルカードの説明情報707に、防御補助キャラクタとして使用時に発生させる特殊効果が記載されている場合は、プレイヤは該記載に従った行動を行う。また、防御プレイヤが既にリーダーエリア601またはキャラクタエリア604に載置しているキャラクタに係るゲームカードの説明情報707に、ディフェンスフェーズにおいて発生させる特殊効果が記載されている場合も、プレイヤは該記載に従った行動を行う。
【0028】
P806で、プレイヤは、攻撃キャラクタによる対象キャラクタへの攻撃行動が成功する(攻撃成功イベントが発生する)か否かを判定する(行動判定フェーズ)。基本的に本実施形態のアナログゲームでは、攻撃キャラクタ及び攻撃補助キャラクタに係るゲームカードの行動判定値704の合計値が、対象キャラクタ及び防御補助キャラクタに係るゲームカードの行動判定値704の合計値以上である場合に、攻撃行動が成功したと判定される。攻撃行動が成功した場合、防御プレイヤは対象キャラクタがリーダーカードであるかバトルカードであるかに応じて、異なる行動を行う。対象キャラクタがリーダーカードである場合、攻撃キャラクタのライフ減算値705の数だけ、防御プレイヤはライフエリア603に載置されているバトルカードをエネルギエリア606に移動する。また対象キャラクタがバトルカードである場合、防御プレイヤは該カードをキャラクタエリア604からエネルギエリア606に移動する。なお、攻撃行動が成功しないと判断した場合は、防御プレイヤはいずれの操作も行う必要がない。
【0029】
P807で、各プレイヤは、ターン終了に係る操作を行う(エンドフェーズ)。ターン終了に係る操作は、アタックフェーズまたは判定フェーズにて補助エリア602に載置されたバトルカードのエネルギエリア606への移動を含む。また既にリーダーエリア601またはキャラクタエリア604に載置しているキャラクタに係るゲームカードの説明情報707に、エンドフェーズにおいて発生させる特殊効果が記載されている場合も、プレイヤは該記載に従った行動を行う。
【0030】
P808で、プレイヤは、アナログゲームの終了条件を満たしたか判定する(終了判定フェーズ)。本実施形態のアナログゲームでは終了は、
・ライフエリア603に載置されたバトルカードが0枚(ライフが0)になった
・デッキエリア605に載置されたバトルカードが0枚(山札が0枚)になった
の少なくともいずれかの条件が満たされたことにより確定する。プレイヤは終了条件が満たされていないのであれば、攻撃ターン/防御ターンを交代(攻撃プレイヤと防御プレイヤの交代)し、再びP801から次のターンを行う。
【0031】
《ゲームシステムの構成》
次に、このようなアナログゲームに使用するゲームカードをプレイヤに登録させることで、該ゲームカードに対応するカードデータまたはキャラクタデータを使用した上記デジタルゲームに係るゲーム体験をプレイヤに提供するゲームシステムについて、図1を用いて説明する。
【0032】
本実施形態のゲームシステムでは、例えばPC、スマートフォン、ゲームコンソール等、自身の使用するクライアント装置200において、上記アナログゲームのゲーム用物品であるゲームカードの情報を読み取らせることにより、該カードの所有者であることをゲームサーバ100に登録することができる。クライアント装置200とゲームサーバ100とはネットワーク300を介して所定のタイミングで接続され、プレイヤは例えばクライアント装置200においてWebブラウジングアプリケーションや所定のゲームアプリケーションを起動することにより、ゲームサーバ100との間で情報の送受信を行い、デジタルゲームの体験を行うことができる。ゲーム体験は、ゲームサーバ100との間で送受信した情報に基づき生成された画面が、クライアント装置200に接続された表示装置220に順次表示されることでプレイヤに提供される。
【0033】
本実施形態ではゲームカードは、カード内部に近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグを内蔵して構成される。ゲームカードは通常1つの図柄について複数発行されるため、例えば図9(a)に示されるように、該ゲームカードを一意に特定する識別情報901に関連付けて、デジタルゲームにおいて該カードに対応するカードデータまたはキャラクタを特定するカードID902が符号化情報としてタグに記録(保持)される。即ち、同一のカードID902を有するが、識別情報901が異なる符号化情報を記録したゲームカードが、複数存在し得る。符号化情報は、例えば識別情報901及びカードID902の各々について定められた文字列を、二値化や所定の演算を適用して暗号化することで得られる情報であってよい。
【0034】
なお、本実施形態では符号化情報は、NFCタグを用いるため、ゲームカードの状態では不可視な状態に記録されるものとして説明するが、これはアナログゲームでの使用におけるゲームカードのデザイン性を考慮したことによる。しかしながら、本発明の実施においてデジタルゲームに係るゲームカードの登録用に記録される符号化情報は、この態様に限られるものではない。符号化情報は、例えば2次元コードやバーコード等の可視の図形パターンとしてゲームカードに記録・保持されるものであってもよいし、暗号化後の文字列が記載されることにより記録・保持されるものであってもよい。
【0035】
また本実施形態では、符号化情報が識別情報901及びカードID902で構成されるものとして説明する。しかしながら、例えば近年ではコンテンツのタイトル(ゲーム・小説・アニメーション・映画等の作品としての1単位)が異なるキャラクタの画像が付されたゲームカードを用いて、即ち複数の異なるタイトルに係るゲームカードを用いて、同一のルールにおいて進行するTCGも存在する。この場合、全てのタイトルに後述のようなカードDB105を管理することは装置規模を拡大しうるため、データベースは識別情報901とカードID902の整合性を確認するために限定的な情報を管理するものとして構成されてもよい。そしてゲームカードに記録される符号化情報に、識別情報901及びカードID902に加え、ゲームカードに記載の種々の可視情報(即ち、キャラクタ画像701、キャラクタ名称702、カード種別703、行動判定値704、ライフ減算値705、属性情報706、説明情報707、載置コスト708)がデジタルゲームの実行において使用可能な形態で含まれていてもよい。
【0036】
本実施形態ではゲームカードが有する符号化情報はクライアント装置200に接続されたカードリーダ210により取得可能であり、プレイヤはデジタルゲームの利用に際し、カードリーダ210にゲームカードを近接させることで該カードを所有していることをゲームサーバ100に登録することができる。具体的にはクライアント装置200が、カードリーダ210を介して取得した符号化情報を、(登録要求と共に)ゲームサーバ100に送信することで、ゲームサーバ100において登録に係る処理が実行される。符号化情報に基づくゲームカードの登録は、プレイヤが所有しているゲームカードをアナログゲームにおいて使用した場合と同様のゲーム上の効果がデジタルゲームにおいても示されるよう、ゲームゲームが可視状態で有している種々の情報のパラメータを有するカードデータの使用をプレイヤに可能ならしめるものである。即ち、ゲームカードの登録後は、プレイヤはアナログゲームにおいてもデジタルゲームにおいても、等価なゲームカードまたはカードデータを使用したゲーム体験が可能となる。
【0037】
また本実施形態のデジタルゲームに係るプレイヤのゲーム体験は、アナログゲームと同様に、ゲームシートに対応するグラフィックスデータに使用可能なゲームカード(カードデータ)を載置する操作を介しながら、他のクライアント装置200を使用するプレイヤとの間で対戦形式のゲームが進行する処理がゲームサーバ100において実行されることで実現される。なお、プレイヤの対戦相手は、他のクライアント装置200を使用するプレイヤである必要はなく、所定の思考プログラムに基づき操作を行うNPC(Non-Player Character)であってもよいことは容易に理解されよう。
【0038】
〈ゲームサーバ100の構成〉
ここで、本実施形態のゲームサーバ100の機能構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0039】
制御部101は、例えばCPU等であり、ゲームサーバ100が有する各ブロックの動作制御を行う。制御部101は、例えば記録媒体102に記憶されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0040】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲームサーバ100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や本ゲームサーバ100が実現するデジタルゲームに使用される各種のデータを記録する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0041】
プレイヤDB104は、本実施形態のデジタルゲームの提供サービスを利用するプレイヤの各々につき、必要な情報(プリ絵や情報)を管理するデータベースである。本実施形態ではプレイヤDB104には、図9(b)に示されるように、各プレイヤを識別するプレイヤID911に関連付けて、
・デジタルゲームにおいて該プレイヤが使用可能なカードデータを示す使用可能カード情報912
・プレイヤがデジタルゲームに使用するものとして登録しているデッキに含まれるカードデータを示すデッキ情報913
・後述の抽選部109による第1の抽選処理の実行に必要な第1種別ポイントの所有数を示す第1特典所有数914
・後述の抽選部109による第2の抽選処理の実行に必要な第2種別ポイントの所有数を示す第2特典所有数915
がプレイヤ情報として管理される。
【0042】
使用可能カード情報912は、使用可能なカードデータごとに、該カードデータを識別するカードID921と、第2種別ポイントが付与されているか否かを示す第2特典付与フラグ922とを管理する情報であってよい。
【0043】
カードDB105は、デジタルゲームにおいて使用可能なカードデータの各々につき、必要な情報(カード情報)を管理するデータベースである。本実施形態ではカードDB105には、図9(c)に示されるように、各カードデータを識別するカードID931に関連付けて、
・該カードデータに対応するキャラクタを識別するキャラクタID932
・デジタルゲームにおいて使用される、該カードデータに係る各種パラメータを示すパラメータ933
・現実世界に対応するゲームカードが発行されているか否かを示す実カード存在フラグ934
・発行されたゲームカードに付された識別情報(1以上)を示す実カード識別情報935
・いずれかのプレイヤについて、使用可能であるとして登録されているか否かを示す登録済みフラグ936
・第2種別ポイントが付与されているか否かを示す第2特典付与フラグ937
・第1の抽選処理及び第2の抽選処理のいずれの抽選結果として得られるカードデータであるか否かを示す種別情報938
がカード情報として管理される。
【0044】
なお、カードDB105において各カードデータについて管理される情報は、ゲーム提供態様に応じて他の情報を含むものであってもよい。また実カード識別情報935、登録済みフラグ936及び第2特典付与フラグ937は、現実世界に対応するゲームカードが発行されていることを実カード存在フラグ934が示す場合にのみ、情報を有するものであってもよい。また種別情報938は、現実世界に対応するゲームカードが発行されていない(されない)ことを実カード存在フラグ934が示す場合にのみ、情報を有するものであってもよい。本実施形態では実カード存在フラグ934により、対応するゲームカードの発行有無を判断可能であるものとして説明するが、発行を行うカードデータに付すカードID931と発行を行わないカードデータに付すカードID931とが、生成方法や構成が異なることにより判別可能なように構成されることで該判断が可能であってもよい。
【0045】
また、上述したように本実施形態のデジタルゲームでは、プレイヤがゲームカードの登録を行った場合に、該ゲームカードの使用についてアナログゲームにおいてもデジタルゲームにおいても遜色のないゲーム体験をプレイヤに提供する。このため、パラメータ933には、少なくとも登録の基準となったゲームカードに記載された可視の情報(キャラクタ画像701、キャラクタ名称702、カード種別703、行動判定値704、ライフ減算値705、属性情報706、説明情報707、載置コスト708)と、同一の情報またはデジタルゲームにおいて同様の効果を生じる形式の情報が含まれているものとする。
【0046】
本実施形態ではゲームサーバ100が、プレイヤDB104及びカードDB105を有しているものとして説明するが、プレイヤDB104やカードDB105は、ネットワーク300等を介してゲームサーバ100と接続可能に構成された外部の装置であってもよいことは言うまでもない。また、デジタルゲームの実施において、都度プレイヤDB104及びカードDB105から情報を取得する構成であるものとして説明するが、各データベースにおける情報保持の形態はこれに限定されるものである必要はない。即ち、デジタルゲームの実施に際し、必要な情報取得に係る通信量や回数を低減するため、例えば各プレイヤの使用可能カード情報912やデッキ情報913に、各カードデータのキャラクタID932やパラメータ933の情報が含まれるよう構成されていてもよい。
【0047】
特典付与部106は、上述した第1種別ポイント及び第2種別ポイントの付与を制御する。本実施形態のデジタルゲームでは、現実世界においてゲームプレイが可能な数のゲームカードを入手していないプレイヤがゲームプレイ可能なように、あるいは現実世界において対応するゲームカードを入手していないプレイヤであっても、よりバリエーションに富んだデッキを用いてゲームプレイが可能なように、上記ポイントを消費することで新たなカードデータを入手できる(使用可能な状態にする)よう構成されている。カードデータの入手については、後述の登録処理において詳細を説明する。
【0048】
なお、第1種別ポイントと第2種別ポイントとは、それぞれ付与のタイミング及び条件が次のように異なるポイントである。第1種別ポイントは、ゲームカードに記録された符号化情報に基づいて該カードの登録要求がなされた際に、該カードがいずれのプレイヤによっても登録されていないことを条件に付されるものであり、各ゲームカードについて1度に限り付与されるポイントである。一方、第2種別ポイントは、対応するゲームカードが現実世界に発行されているカードデータのうちのいずれかに対して期間を限定して付与されるものである。特典付与部106は、第2種別ポイントを付与するカードIDを決定する処理を、所定の期間ごとに行うため、1つのゲームカードについて第2種別ポイントが付与される回数は1回に限られるものではない。故に、プレイヤは入手したゲームカードをより多く登録することで、第2種別ポイントが付与される数及び確率を高めることができる。また第2種別ポイントが付与された状態にあるか否かは、対応するゲームカードの登録時に通知、または例えばデッキ編成のために使用可能なカード一覧を表示する際等に他のカードデータとは表示態様を異ならせることにより通知されればよい。このとき、第2種別のポイントの合計数をともに通知する構成としてもよい。
【0049】
登録部107は、クライアント装置200から受信した符号化情報に基づき、デジタルゲームにおける対応するカードデータの使用を、プレイヤに可能ならしめる後述の登録処理を行う。また登録部107は、後述の抽選部109による抽選処理の実行に係る抽選結果に基づいても登録処理を行う。
【0050】
表示制御部108は、クライアント装置200の表示装置220におけるデジタルゲームに係る画面の生成に必要な情報を構成することにより、クライアント装置200における表示の制御を行う。例えば、デジタルゲームがWebブラウジングアプリケーションを介して提供される場合は、画面の生成に必要な情報は、ゲームシートに対応するグラフィックスデータ、表示されるカードデータのグラフィックスデータ(対応するキャラクタ画像またはキャラクタ画像を含むカード画像)及びその配置位置等の情報を含んで構成される。本実施形態のデジタルゲームでは、アナログゲームと同様のゲーム体験をクライアント装置200においても提供可能なように、図10に示されるような画面構成でゲームが進行する。図10の例では、デジタルゲームのゲームプレイにおいてカードに対応するキャラクタの視認性を担保するため、ゲームシートが有する複数の載置領域のうちの少なくとも一部、具体的には
・リーダーエリア601に対応する配置エリア1001
・キャラクタエリア604に対応する配置エリア1002
・デッキエリア605に対応する配置エリア1003
・ドロップエリア607に対応する配置エリア1004
が各プレイヤに対応する画面領域に設けられる。また図示されるように各プレイヤに対応する画面領域内には、手札のカードを示す手札領域1005も含まれる。一方で、カードに対応するキャラクタがいずれであるかに依らない性質を有する、ゲームシートのライフエリア603及びエネルギエリア606については、載置されたゲームデータの数が認識されやすいよう、その数のみを通知する表示1006及び1007が各々設けられる。
【0051】
なお、本実施形態のデジタルゲームでは、カードデータのグラフィックスデータを表示しつつゲームプレイが進行することが好ましいものとして、配置エリア1001乃至1004、及び手札領域1005が、ゲームシートとはその位置関係を異ならせ、かつ画面内にカードに対応するキャラクタが視認可能なサイズで表示されるようゲーム画面が構成されるものとして説明するが、画面構成はこれに限られるものである必要はない。本発明の実施においてデジタルゲームでは、プレイヤがカードに対応するキャラクタを認識して載置に係る操作を行う必要がある、アナログゲームにおけるゲームシート上のエリアが、ゲーム画面においてもカードデータのグラフィックスデータを移動するエリアとして表示される構成であればよい。即ち、本発明の実施において、カードデータのウラ面のグラフィックスデータのみが表示されるデッキエリア605に対応するエリアや、ゲームの進行に関与しなくなったカードデータのグラフィックスデータのみが表示されるドロップエリア607に対応するエリアは、ゲーム画面に含まれない、あるいはカードデータのグラフィックスデータが識別可能ではない態様で含まれるものであってもよい。
【0052】
抽選部109は、プレイヤに関連付けられた第1または第2種別ポイントを予め定められた数消費することを条件として、それぞれ第1の抽選処理または第2の抽選処理を実行する。抽選処理は、デジタルゲームにおいて使用をプレイヤに可能ならしめるカードデータのカードIDを抽選結果として出力する。第1の抽選処理及び第2の抽選処理により出力されるカードIDは、カードDB105において管理される種別情報938により対象が限定される。本実施形態のデジタルゲームでは、ゲームカードについて予め定められたレアリティに応じて、いずれの抽選処理によりカードIDが出力されるかを種別情報938は定めている。故に、付与の可能性が低く、期間も限定的である第2種別ポイントの消費により実行される第2の抽選処理に対し、レアリティの高いゲームカードのカードIDが対象となるよう種別情報938は構成される。即ち、設定されるレアリティが所定のランクより高いカードデータに対し、第2の抽選処理による出力対象であることを示す種別情報938が該カードデータのカードID931に関連付けられる。
【0053】
なお、本実施形態のデジタルゲームでは、種別情報938がいずれの抽選処理により出力されるかを定めるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られる必要はない。例えば、レアリティの高いカードデータほど第1の抽選処理よりも第2の抽選処理の抽選リスト(当選確率に比例してカードIDが含められた配列であって、所定の処理に基づきいずれかの番号のカードIDが抽選結果として排出される配列)に含められる数が高くなるよう制御する情報が、種別情報938に定められるものであってもよい。
【0054】
通信部110は、本実施形態のゲームサーバ100が有する外部装置との通信インタフェースである。本実施形態では通信部110は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わないネットワーク300を介してクライアント装置200と接続し、データの送受信を行うことが可能である。
【0055】
《登録処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲームサーバ100の登録部107により実行される登録処理について、図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して登録部107に実行させることにより実現することができる。なお、本登録処理は、上述したようにクライアント装置200から通信部110が受信した符号化情報によりカードID902が得られた際、または抽選部109による抽選処理の抽選結果としてカードID931が得られた際に開始されるものとして説明する。
【0056】
S301で、登録部107は、得られたカードID(対象カードID)が現実世界のゲームカードから得られたものであるか否かを判断する。具体的には登録部107は、対象カードIDが登録用に受信した符号化情報から取得されたものであるか否かに従って、本ステップの判断を行う。登録部107は、対象カードIDが現実世界のゲームカードから得られたものであると判断した場合は処理をS302に移す。また登録部107は、対象カードIDが現実世界のゲームカードから得られたものではない、即ち、抽選結果として得られたものであると判断した場合は処理をS306に移す。
【0057】
S302で、登録部107は、符号化情報として対象カードIDと共に受信された識別情報901が正規の情報であるか否かを判断する。具体的には登録部107は、カードDB105において管理されるカード情報のうち、対象カードIDが関連付けられているカード情報(対象カード情報)を参照し、実カード存在フラグ934が対応するゲームカードの発行がなされていることを示し、かつ実カード識別情報935に取得された識別情報901が含まれている場合に、該識別情報が正規の情報であると判断する。登録部107は、取得された識別情報901が正規の情報であると判断した場合は処理をS303に移し、正規の情報ではないと判断した場合は符号化情報が不正であることをクライアント装置200に通知して本登録処理を終了する。
【0058】
S303で、登録部107は、対象カードIDに対応するカードデータが、既にデジタルゲームにおいて使用可能なように登録されているか否かを判断する。具体的には登録部107は、対象カード情報の登録済みフラグ936を参照して該判断を行う。登録部107は、対象カードIDに対応するカードデータが既に登録されていると判断した場合は登録済みであることをクライアント装置200に通知して本登録処理を終了し、まだ登録されていないと判断した場合は処理をS304に移す。なお、本実施形態では符号化情報に基づく使用可能カードデータの登録を行う際には、該カードデータがいずれのプレイヤによっても登録されていないことを条件に登録を行うものとして説明するが、例えばプレイヤにより使用権が放棄されたカードデータについては登録を認めるようにしてもよい。この場合、登録部107は、対象カード情報の登録済みフラグ936が登録済みであることを示していたとしても、プレイヤDB104に管理されるいずれのプレイヤ情報の使用可能カード情報912にも対象カードIDが含まれていない場合に、処理をS305に移せばよい。
【0059】
S304で、特典付与部106は、第1種別ポイントの付与に係る処理を行う。具体的には特典付与部106は、プレイヤDB104に管理される、登録を行ったプレイヤ(登録プレイヤ)に対応するプレイヤ情報の第1特典所有数914を増加させる。また特典付与部106は、対象カード情報の登録済みフラグ936を、登録済みであることを示す情報に変更する。
【0060】
S305で、登録部107は、対象カードIDと対象カード情報から取得した第2特典付与フラグ937とを取得し、登録プレイヤに係るプレイヤ情報の使用可能カード情報912に追加する。そして登録部107は、ゲームカードに対応するカードデータがデジタルゲームで使用可能な状態となったことの通知がクライアント装置200においてなされるよう、表示制御部108を制御する。なお、このとき、対象カード情報の第2特典付与フラグ937が第2種別ポイントの付与されている状態を示している場合は、第2種別ポイントが付与されていることをともに通知してよい。
【0061】
一方、S301において対象カードIDが抽選結果として得られたものであると判断した場合、登録部107はS306で、対象カードIDと第2種別ポイントが付与されていないことを示す第2特典付与フラグとを登録プレイヤに係るプレイヤ情報の使用可能カード情報912に追加する。そして登録部107は、抽選処理の結果得られたカードデータがデジタルゲームで使用可能な状態となったことの通知がクライアント装置200においてなされるよう、表示制御部108を制御する。
【0062】
《第2特典付与処理》
次に、本実施形態のゲームサーバ100の特典付与部106により実行される第2特典付与処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して特典付与部106に実行させることにより実現することができる。なお、本第2特典付与処理は、前回の実行から予め定められた時間経過した際に開始されるものとして説明する。
【0063】
S401で、特典付与部106は、第2種別ポイントの付与対象となるカードID(候補カードID)を抽出する。具体的には特典付与部106は、カードDB105において管理されるカード情報のうち、実カード存在フラグ934が対応するゲームカードの発行がなされていることを示し、かつ種別情報938にて第2の抽選処理の対象である種別が定められているカード情報のカードIDを、候補カードIDとして取得する。
【0064】
なお、特典付与部106は、対応するゲームカードの発行がなされていることを実カード存在フラグ934が示すか否か判断する処理において、発行がなされていると判断した場合には、第2特典付与フラグ937の情報を第2種別ポイントが付与されていない状態に更新する処理を行うものとする。即ち、特典付与部106は、新たな第2種別ポイントの付与に際し、前回の第2特典付与処理の実行において第2種別ポイントが付されたカード情報を付されていない状態にリセットする。この処理は、必ずしも本ステップにおいて行う必要はないが、今回の第2特典付与処理に係り第2種別ポイントの付与を行う処理よりも前に行う必要がある。またこの処理は、カードDB105からのカード情報を読み出す処理と共に実行されることが好ましい。
【0065】
S402で、特典付与部106は、候補カードIDのうちから一時期に第2種別ポイントを付与するとして予め定められた数のカードIDを付与対象として選択する。付与対象の選択は、抽選部109が行う抽選処理とは別の所定の抽選処理により行われるものであってよい。
【0066】
S403で、特典付与部106は、付与対象として選択したカードIDに対応するカードDB105のカード情報と、該カードIDを使用可能カード情報912に含むプレイヤのプレイヤ情報を更新する。具体的には特典付与部106は、カードDB105に管理されているカード情報のうち、付与対象として選択したカードIDを有するカード情報を選択し、第2特典付与フラグ937を第2種別ポイントが付与されていることを示す情報に更新する。また特典付与部106は、付与対象として選択したカードIDを使用可能カード情報912に含むプレイヤ情報をプレイヤDB104から取得し、同一のカードID921に関連付けられた第2特典付与フラグ922の情報を変更し、プレイヤDB104のプレイヤ情報を更新する。
【0067】
このようにすることで、対応するゲームカードが現実世界に発行されているカードデータの少なくともいずれかに所定の期間、第2の抽選処理を行わせることが可能な第2種別ポイントを付与するため、ゲームカードを入手して登録を行ったプレイヤに対し、デジタルゲームにおける優位性が与えられるように制御することができる。即ち、より多くのゲームカードを入手したプレイヤが、アナログゲームだけでなくデジタルゲームでも、より興趣性の高いゲーム体験を行えるよう、サービス提供を行うことができる。
【0068】
なお、本実施形態の第2特典付与処理では、種別情報938にて第2の抽選処理の対象である種別が定められているカード情報の全てのカードIDを候補カードIDとして抽出するものとして説明した。しかしながら、第2種別ポイントの付与が限定的であることを踏まえ、プレイヤ間での公平性を担保するよう、少なくとも前回の第2特典付与処理において第2種別ポイントが付与されたカード情報のカードIDは、候補カードIDから除外するようにしてもよい。
【0069】
《ゲーム処理》
次に、本実施形態のゲームサーバ100において実行されるゲーム処理について、図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、クライアント装置200からの第1のプレイヤによるゲーム開始要求の受信後、対戦相手となる第2のプレイヤが確定された際に開始されるものとして説明する。また以下の説明では簡単のため、各クライアント装置200ではプレイヤによりなされた操作入力のゲームサーバ100への送信、受信した表示制御用情報に基づく画面生成及び表示の処理のみを行い、ゲームに係る各種処理はゲームサーバ100において行われるものとして説明する。
【0070】
S501で、制御部101は、アナログゲームの開始前処理と同様、各プレイヤのプレイヤ情報からデッキ情報913を取得し、今回のゲームプレイに係るリーダーカードの設定、デッキ内カードデータの順序決定、初期手札の決定、ライフ値設定に係るカードデータ取得、攻防順序の決定に係る準備処理を実行する。
【0071】
そして制御部101は、以降、ゲームシートに対応するグラフィックスデータにカードデータに対応するグラフィックスデータの配置やライフ・エネルギ値の重畳、特殊効果等をクライアント装置200においてプレイヤに提示するための表示制御用情報の作成を、画面更新が必要な各タイミングで実行するS502の表示制御処理と、S503以降のデジタルゲームのゲームプレイに係る処理とを並行して実行する。
【0072】
S503で、制御部101は、1ターンに係るドローフェーズ、チャージフェーズ、アクティブ化フェーズ、アタックフェーズ、ディフェンスフェーズ、行動判定フェーズ、エンドフェーズに係るターン行動処理を、デッキ情報913及びデッキ情報913に含まれるカードIDに関連付けられてカードDB105に管理されるカード情報(特にパラメータ933)を参照することにより実行する。なお、アタックフェーズやディフェンスフェーズにおける補助キャラクタの選択は、特にカードデータのグラフィックスデータを所定のエリアに移動させる操作を要さず、手札領域1005もしくは配置エリア1002に配置されているグラフィックスデータを選択させる操作により実現されてよい。
【0073】
S504で、制御部101は、終了判定フェーズに係る終了判定処理を行う。制御部101は、今回のゲームプレイを終了すると判定した場合は処理をS505に移し、まだプレイが継続すると判断した場合は処理をS503に戻す。
【0074】
S505で、制御部101は、表示制御処理において結果表示がなされるようゲームプレイ結果の情報を構成し、本ゲーム処理を完了する。
【0075】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、物品を現実のプレイフィールドに載置しながら進行するゲームに係るユーザ体験を拡張することができる。特に、プレイヤが現実世界において入手したゲームカードを、該カードをアナログゲームにおいて使用した場合と同じ効果を示すように、デジタルカードにおいても使用可能とさせることができるため、プレイヤはゲームカードの入手及び登録を機に、アナログゲーム及びデジタルゲームの双方において、同一のカードを用いたゲームプレイを行うことができる。なお、本実施形態ではゲームサーバ100を介してデジタルゲームを提供するものとして説明したが、他のプレイヤとの対戦を要しないデジタルゲームを提供する場合は、1つのクライアント装置200内で処理が完結するようなゲームアプリケーションとして本発明は実現されるものであってもよい。また他のプレイヤとの対戦を行う場合であっても、ゲームサーバ100が主体となってゲームに係る処理を行う必要はなく、TCGのようにデッキにおけるカード順序さえ定まれば、あとはプレイヤ操作に基づく処理を行うことで結果が確定するようなゲームであれば、適宜クライアント装置200間の同期をとるための情報送受信を行い、各クライアント装置200においてゲーム処理を行う構成であっても本発明は実現可能である。
【0076】
また本実施形態では、第2種別ポイントにより第2の抽選処理が行える点のみ言及したが、例えば第2種別ポイントとして予め定められた数(7つ)の異なる種類のアイテムを設け、各種類のアイテムを1個ずつプレイヤが入手(7つ全てを入手)している状態にて、初めて第2の抽選処理が実行可能なように構成してもよい。この場合、プレイヤの好適なゲーム体験を優先するために特典付与部106はいずれの種類のアイテムを付与するかまで決定する必要はなく、第2種別ポイントを付与することが決定すれば、プレイヤが入手していない種類のアイテムを選択して付与するよう構成すればよい。また第2の抽選処理に係るプレイヤの興趣性をより高めるため、第2特典付与処理において1人のプレイヤに付与される第2種別ポイントは最大数−1(6つ)までとし、登録処理において第2種別ポイントが付与されたカードの登録がなされた際に、所定の演出を開始し、第2の抽選処理を実行するようにしてもよい。
【0077】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0078】
100:ゲームサーバ、200:クライアント装置、210:カードリーダ、220:表示装置、300:ネットワーク、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:プレイヤDB、105:カードDB、106:特典付与部、107:登録部、108:表示制御部、109:抽選部、110:通信部、601:リーダーエリア、602:補助エリア、603:ライフエリア、604:キャラクタエリア、605:デッキエリア、606:エネルギエリア、607:ドロップエリア、701:キャラクタ画像、702:キャラクタ名称、703:カード種別、704:行動判定値、705:ライフ減算値、706:属性情報、707:説明情報、708:載置コスト、901:識別情報、902:カードID、911:プレイヤID、912:使用可能カード情報、913:デッキ情報、914:第1特典所有数、915:第2特典所有数、921:カードID、922:第2特典付与フラグ
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