特許第6133942号(P6133942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133942
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】防災倉庫
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20170515BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20170515BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20170515BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20170515BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20170515BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20170515BHJP
   H02J 9/00 20060101ALI20170515BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20170515BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
   H02J7/34 G
   H02J7/35 J
   H02J3/00 150
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H02J9/00 120
   H02J3/38 180
   B65G1/00 511Z
   E04H1/12 307
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-159325(P2015-159325)
(22)【出願日】2015年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-38490(P2017-38490A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【審査官】 木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/046638(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/165365(WO,A1)
【文献】 特開2004−352477(JP,A)
【文献】 実開昭59−114734(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3171131(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00− 1/133、 1/14− 1/20
E04H 1/00− 1/14
H02J 3/00− 7/12、 7/34−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の負荷及び第二の負荷を有する建物本体と、
蓄電能力を有し、前記第一の負荷及び第二の負荷へと電力を供給可能な蓄電ユニットと、
発電能力を有し、前記第一の負荷へと電力を供給可能な発電ユニットと、
前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットと前記第一の負荷とを結ぶ電路に介挿され、前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットからの電力の流通可否を切り替え可能な第一の切替盤と、
前記蓄電ユニットと前記第一の切替盤とを結ぶ電路に介挿される第二の切替盤と、
を具備し、
前記第二の負荷は、
前記蓄電ユニットと前記第二の切替盤とを結ぶ電路に接続され、非停電時に当該電路を介して電力が供給されると共に停電時に当該電路を介して前記蓄電ユニットから電力が供給され、
前記第二の切替盤は、
前記蓄電ユニットと前記第二の切替盤とを結ぶ電路から前記第一の切替盤への電力の流通許否を切り替えるものであり、非停電時に前記第一の切替盤への電力の流通を禁止すると共に、停電時に前記第一の切替盤への電力の流通を許可し、
前記第一の切替盤は、
非停電時に、前記発電ユニットからの電力の流通を禁止すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を許可するように切り替えられ、
停電時に前記発電ユニットが発電していると、前記発電ユニットからの電力の流通を許可すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を禁止するように切り替えられることによって、前記第一の負荷への給電元を前記発電ユニットに切り替え
停電時に前記発電ユニットが発電していないと、前記発電ユニットからの電力の流通を禁止すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を許可するように切り替えられることによって、前記第一の負荷への給電元を前記蓄電ユニットに切り替える、
防災倉庫。
【請求項2】
前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路に介挿され、当該電路の接続及び接続の解除を行う接点リレーをさらに具備し、
前記接点リレーは、
停電時に前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路を接続すると共に、非停電時に前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路の接続を解除する、
請求項に記載の防災倉庫。
【請求項3】
前記建物本体は、前記第一の負荷とは異なる第三の負荷を有し、
非停電時に前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットを、前記第一の切替盤を介さずに前記第一の負荷及び前記第三の負荷への給電元とする、
請求項1又は請求項2に記載の防災倉庫。
【請求項4】
前記第一の切替盤と前記第一の負荷とを結ぶ電路に介挿され、前記蓄電ユニット、前記発電ユニット又は商用電源の少なくともいずれか一つからの電力を充放電可能であると共に持ち運び可能な蓄電装置をさらに具備する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の防災倉庫。
【請求項5】
前記蓄電ユニットは、
発電能力を有する発電装置と、
前記発電装置の電力を充放電可能な蓄電装置と、
前記発電装置で発電された電力を前記蓄電装置及び前記第一の負荷へ供給可能であると共に前記蓄電装置から放電された電力を前記第一の負荷へ供給可能なパワーコンディショナーと、
を具備する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の防災倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電能力を有する蓄電ユニットと発電能力を有する発電ユニットとを具備する防災倉庫の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電能力を有する蓄電ユニットと発電能力を有する発電ユニットとを具備する防災倉庫の技術が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の防災倉庫は、非停電時に商用電源からの電力を負荷(内部に設けられる電灯や換気扇等)へ供給する。また、前記防災倉庫は、停電時に発電ユニット(太陽電池又は風力発電機)及び蓄電ユニット(蓄電池)からの電力を負荷へ供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−352477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の防災倉庫は、停電時に発電ユニットの発電状態を考慮することなく蓄電ユニットを放電してしまう。このため、前記防災倉庫は、発電ユニットからの電力で負荷の消費電力を賄える場合でも、蓄電ユニットを放電してしまう可能性がある。この場合、電力を安定して供給可能な蓄電ユニットの残量が短期間でなくなってしまう可能性がある。従って、前記防災倉庫は、停電時に負荷へ長期間電力を供給することができない可能性があった。
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は停電時に負荷へ長期間電力を供給することができる防災倉庫を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第一の負荷及び第二の負荷を有する建物本体と、蓄電能力を有し、前記第一の負荷及び第二の負荷へと電力を供給可能な蓄電ユニットと、発電能力を有し、前記第一の負荷へと電力を供給可能な発電ユニットと、前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットと前記第一の負荷とを結ぶ電路に介挿され、前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットからの電力の流通可否を切り替え可能な第一の切替盤と、前記蓄電ユニットと前記第一の切替盤とを結ぶ電路に介挿される第二の切替盤と、を具備し、前記第二の負荷は、前記蓄電ユニットと前記第二の切替盤とを結ぶ電路に接続され、非停電時に当該電路を介して電力が供給されると共に停電時に当該電路を介して前記蓄電ユニットから電力が供給され、前記第二の切替盤は、前記蓄電ユニットと前記第二の切替盤とを結ぶ電路から前記第一の切替盤への電力の流通許否を切り替えるものであり、非停電時に前記第一の切替盤への電力の流通を禁止すると共に、停電時に前記第一の切替盤への電力の流通を許可し、前記第一の切替盤は、非停電時に、前記発電ユニットからの電力の流通を禁止すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を許可するように切り替えられ、停電時に前記発電ユニットが発電していると、前記発電ユニットからの電力の流通を許可すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を禁止するように切り替えられることによって、前記第一の負荷への給電元を前記発電ユニットに切り替え、停電時に前記発電ユニットが発電していないと、前記発電ユニットからの電力の流通を禁止すると共に前記蓄電ユニットからの電力の流通を許可するように切り替えられることによって、前記第一の負荷への給電元を前記蓄電ユニットに切り替えるものである。
【0010】
前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路に介挿され、当該電路の接続及び接続の解除を行う接点リレーをさらに具備し、前記接点リレーは、停電時に前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路を接続すると共に、非停電時に前記第一の切替盤と前記第二の切替盤とを結ぶ電路の接続を解除することとしてもよい。
このような構成により、第一の負荷への給電元を蓄電ユニットと発電ユニットとに速やかに切り替えることができる。
【0011】
前記建物本体は、前記第一の負荷とは異なる第三の負荷を有し、非停電時に前記蓄電ユニット及び前記発電ユニットを、前記第一の切替盤を介さずに前記第一の負荷及び前記第三の負荷への給電元とすることとしてもよい。
このような構成により、停電時に供給する電力量を減らすことができる。
【0012】
前記第一の切替盤と前記第一の負荷とを結ぶ電路に介挿され、前記蓄電ユニット、前記発電ユニット又は商用電源の少なくともいずれか一つからの電力を充放電可能であると共に持ち運び可能な蓄電装置をさらに具備することとしてもよい。
このような構成により、停電時に所定の場所で電力を使用することができる。
【0013】
前記蓄電ユニットは、発電能力を有する発電装置と、前記発電装置の電力を充放電可能な蓄電装置と、前記発電装置で発電された電力を前記蓄電装置及び前記第一の負荷へ供給可能であると共に前記蓄電装置から放電された電力を前記第一の負荷へ供給可能なパワーコンディショナーと、を具備することとしてもよい。
このような構成により、停電時に第一の負荷へ長期間電力を供給することができる。
【発明の効果】
【0014】
停電時に負荷へ長期間電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】防災倉庫の内部を示した斜視図。
図2】防災倉庫の構成を示したブロック図。
図3】非停電時において、電力を負荷へ供給する様子を示した図。
図4】停電時において、第二の発電ユニットの電力を負荷へ供給する様子を示した図。
図5】停電時において、第一の発電ユニットの電力を負荷へ供給する様子を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0017】
以下では、本発明の一実施形態に係る防災倉庫1について説明する。
【0018】
図1及び図2に示す防災倉庫1は、災害や大規模停電が発生したときに防災の拠点となるものである。防災倉庫1は、建物本体10、蓄電装置30、第一の発電ユニット40、第二の発電ユニット50、第一の自動切替盤60、第二の自動切替盤70及び接点リレー80を具備する。
【0019】
建物本体10は、床部11及び屋根(不図示)を有する。建物本体10は、四方が複数の壁部により囲まれる。より詳細には、建物本体10は、前部に配置された前壁部12と、後部に配置された後壁部13と、左部に配置された左壁部14と、右部に配置された右壁部15とにより、前後方向及び左右方向を囲まれて形成される。建物本体10は、その長手方向を左右方向に向けた平面視略矩形状に形成される。本実施形態に係る建物本体10は、電気自動車の車庫としても利用できる程度に大きな内部形状を有する。
【0020】
このような建物本体10の前壁部12の左端部には棚16が設けられる。棚16には、防災用の備蓄用品16a(例えば、毛布やヘルメット等)が配置される。前壁部12及び左壁部14には、後述する特定負荷22のコンセント22aが設けられる。後壁部13は、その左部が開口され、当該開口された箇所に人が出入可能なドア17が設けられる。また、後壁部13は、その左右中途部から右端部に亘って開口され、当該開口された箇所に電気自動車が出入可能なシャッター18が設けられる。
【0021】
このように構成される建物本体10は、一般負荷21、特定負荷22及び充電コンセント23を有する。
【0022】
一般負荷21は、停電時に電力が供給されなくても大きな支障のない機器である。このような一般負荷21としては、例えば、防犯カメラや防犯灯等がある。一般負荷21には、配電線L1〜L3を介して商用電源100からの電力が供給される。
【0023】
配電線L1は、一端部が商用電源100と接続されると共に他端部が後述する第二の発電ユニット50のパワコン52と接続される。配電線L2は、一端部が配電線L1の中途部と接続されると共に他端部が分電盤B21と接続される。配電線L1・L2の中途部には漏電ブレーカーB11・B12が設けられる。配電線L3は、一端部が分電盤B21と接続されると共に他端部が一般負荷21と接続される。
【0024】
特定負荷22は、停電時に電力が供給されることが好ましい機器である。このような特定負荷22としては、例えば、室内照明、コンセント22a、換気扇及び日射計や気温計の信号を変換するトランスデューサ等がある。特定負荷22には、停電が発生していない場合に配電線L1・L2・L4・L5を介して商用電源100からの電力が供給される。
【0025】
配電線L4は、一端部が分電盤B21と接続されると共に他端部が後述する蓄電装置30と接続される。配電線L5は、一端部が蓄電装置30と接続されると共に他端部が特定負荷22と接続される。配電線L4・L5の中途部には、端子台T1・T2が設けられる。
【0026】
充電コンセント23は、電気自動車の蓄電装置を充電するためのものである。充電コンセント23には、停電が発生していない場合に配電線L1・L2・L6・L7を介して商用電源100からの電力が供給される。
【0027】
配電線L6は、一端部が配電線L2の中途部(漏電ブレーカーB12よりも商用電源100側)と接続されると共に他端部が後述する第一の発電ユニット40のパワコン43と接続される。配電線L6の中途部には漏電ブレーカーB13が設けられる。配電線L7は、一端部がパワコン43と接続されると共に他端部が充電コンセント23と接続される。配電線L7の中途部には端子台T3が設けられる。
【0028】
蓄電装置30は、商用電源100等からの電力を充放電可能に構成される装置である。蓄電装置30は、電力を充放電可能なリチウムイオン電池やニッケル水素電池等からなる蓄電池や、供給されてくる交流電力を整流して前記蓄電池に充電させる充電器や、前記蓄電池からの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータや、前記蓄電池の充放電を制御する制御部等を具備する。蓄電装置30は、例えば、取っ手等が設けられて持ち運び可能に構成される。蓄電装置30は、建物本体10の内部に配置される。蓄電装置30は、自立運転コンセント31を具備する。
【0029】
自立運転コンセント31は、停電時に前記蓄電池へ電力を供給するためのものである。自立運転コンセント31は、蓄電装置30の側面に設けられる。
【0030】
このように構成される蓄電装置30には、配電線L4・L5が接続される。また、自立運転コンセント31には、後述する配電線L9が接続される。蓄電装置30は、配電線L4・L9から供給される電力を充電しながら、配電線L5へ電力を放電可能に構成される。また、蓄電装置30は、満充電である場合等において、配電線L4・L9から供給される電力をそのまま(充電することなく)配電線L5へ流通可能に構成される。これによって、蓄電装置30は、商用電源100等からの電力を特定負荷22へ供給することができる。
【0031】
第一の発電ユニット40は、発電及び蓄電可能な設備である。第一の発電ユニット40は、太陽電池パネル41、蓄電装置42及びパワコン43を具備する。
【0032】
太陽電池パネル41は、太陽光を利用して発電するものである。太陽電池パネル41は、枠体に複数の太陽電池を取り付けること等によって構成される。太陽電池パネル41は、前記太陽電池に太陽光が当たることで発電する。太陽電池パネル41は、日当たりの良い場所、本実施形態では建物本体10の屋根に敷設される。
【0033】
蓄電装置42は、太陽電池パネル41で発電された電力及び商用電源100からの電力を充放電可能に構成される装置である。蓄電装置42は、蓄電池や、供給されてくる交流電力を整流して前記蓄電池に充電させる充電器や、前記蓄電池からの直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ等を具備する。蓄電装置42は、例えば、建物本体10の左方等に設置される。
【0034】
パワコン43は、太陽電池パネル41、蓄電装置42及び商用電源100からの電力を適宜変換するハイブリッドパワーコンディショナーである。パワコン43は、太陽電池パネル41及び蓄電装置42よりも商用電源100側に配置され、異なる二つの配電線を介して太陽電池パネル41及び蓄電装置42とそれぞれ接続される。パワコン43は、太陽電池パネル41で発電された直流電力を所定の電圧に適宜変換するコンバーターや直流電力を交流電力に変換するインバーターや動作を制御するための制御部等を具備する。パワコン43は、太陽電池パネル41で発電された電力を蓄電装置42へ供給可能に構成される。パワコン43は、配電線L1に設けられる電圧センサと接続される。パワコン43には、前記電圧センサから商用電源100からの供給電圧に関する信号が入力される。パワコン43は、前記信号に基づいて停電を検知可能に構成される。
【0035】
パワコン43は、配電線L7を介して充電コンセント23と接続される。パワコン43は、配電線L6・L2・L1を介して商用電源100と接続される。パワコン43は、配電線L6・L2・L3を介して一般負荷21と接続される。パワコン43は、配電線L6・L2・L4・L5を介して特定負荷22と接続される。また、パワコン43は、配電線L7〜L9・L5を介しても特定負荷22と接続される。
【0036】
配電線L8は、一端部が端子台T3(配電線L7の中途部)と接続されると共に他端部が配電線L9の中途部と接続される。配電線L9は、一端部が端子台T1(配電線L4の中途部)と接続されると共に他端部が蓄電装置30の自立運転コンセント31と接続される。
【0037】
このように構成されるパワコン43は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転は、商用電源100と連系して太陽電池パネル41及び蓄電装置42を運転させ、一般負荷21等へ電力を供給するものである。自立運転は、商用電源100から独立して太陽電池パネル41及び蓄電装置42を運転させ、特定負荷22等へ電力を供給するものである。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0038】
第二の発電ユニット50は、発電可能な設備である。第二の発電ユニット50は、太陽電池パネル51及びパワコン52を具備する。
【0039】
太陽電池パネル51は、第一の発電ユニット40の太陽電池パネル41と同じように構成される。
【0040】
パワコン52は、太陽電池パネル51で発電された直流電力を交流電力に変換するものである。パワコン52は、所定の配電線を介して太陽電池パネル51と接続される。また、パワコン52は、前記配電線L1に設けられる電圧センサと接続される。パワコン52には、前記電圧センサから商用電源100からの供給電圧に関する信号が入力される。パワコン52は、前記信号に基づいて停電を検知可能に構成される。パワコン52は、自立運転コンセント52aを具備する。
【0041】
自立運転コンセント52aは、停電時に太陽電池パネル51から電力が供給されるものである。
【0042】
パワコン52は、配電線L1を介して商用電源100と接続される。パワコン52は、配電線L1〜L3を介して一般負荷21と接続される。パワコン52は、配電線L1・L2・L6・L7を介して充電コンセント23と接続される。パワコン52は、配電線L1・L2・L4・L5を介して特定負荷22と接続される。また、パワコン52は、配電線L10・L9・L5を介しても特定負荷22と接続される。
【0043】
配電線L10は、一端部が自立運転コンセント52aと接続されると共に他端部が配電線L9の中途部と接続される。
【0044】
このように構成されるパワコン52は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0045】
第一の自動切替盤60は、特定負荷22への給電元を第一の発電ユニット40又は第二の発電ユニット50に切り替えるものである。第一の自動切替盤60は、配電線L9・L10の接続部に設けられる。第一の自動切替盤60は、第二の発電ユニット50のパワコン52と接続される。第一の自動切替盤60には、パワコン52から運転状態及び太陽電池パネル51の発電量に関する信号が入力される。第一の自動切替盤60は、前記信号に基づいて自立運転時に太陽電池パネル51が発電しているかどうかを検知可能に構成される。第一の自動切替盤60は、第一のリレー61及び第二のリレー62を具備する。
【0046】
第一のリレー61は、配電線L10の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第一のリレー61は、配電線L10の他端部(第一の自動切替盤60内)に設けられる。第一のリレー61が閉状態となると、配電線L10(第一のリレー61の接点同士)は、接続される。一方、第一のリレー61が開状態となると、配電線L10の接続は、解除される。
【0047】
第二のリレー62は、配電線L9の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第二のリレー62は、配電線L9の中途部(第一の自動切替盤60内)に設けられる。第二のリレー62が閉状態となると、配電線L9(第二のリレー62の接点同士)は、接続される。一方、第二のリレー62が開状態となると、配電線L9の接続は、解除される。
【0048】
このように構成される第一の自動切替盤60は、第一のリレー61及び第二のリレー62のいずれか一方を開状態にすると共に他方を閉状態にする排他制御を行う。
【0049】
第二の自動切替盤70は、第一の発電ユニット40から特定負荷22への給電許否を切り替えるものである。第二の自動切替盤70は、配電線L8・L9の接続部に設けられる。第二の自動切替盤70は、第一の自動切替盤60よりも第一の発電ユニット40側に配置される。第二の自動切替盤70は、前記配電線L1に設けられる電圧センサと接続される。第二の自動切替盤70には、前記電圧センサから商用電源100からの供給電圧に関する信号が入力される。第二の自動切替盤70は、前記信号に基づいて停電を検知可能に構成される。第二の自動切替盤70は、第一のリレー71及び第二のリレー72を具備する。
【0050】
第一のリレー71は、配電線L8の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第一のリレー71は、配電線L8の他端部(第二の自動切替盤70内)に設けられる。第一のリレー71が閉状態となると、配電線L8(第一のリレー71の接点同士)は、接続される。一方、第一のリレー71が開状態となると、配電線L8の接続は、解除される。
【0051】
第二のリレー72は、配電線L9の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第二のリレー72は、配電線L9の中途部(第二の自動切替盤70内)に設けられる。第二のリレー72が閉状態となると、配電線L9(第二のリレー72の接点同士)は、接続される。一方、第二のリレー72が開状態となると、配電線L9の接続は、解除される。
【0052】
このように構成される第二の自動切替盤70は、第一のリレー71及び第二のリレー72のいずれか一方を開状態にすると共に他方を閉状態にする排他制御を行う。
【0053】
接点リレー80は、配電線L9の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。接点リレー80は、第一の自動切替盤60と第二の自動切替盤70との間に設けられる。接点リレー80は、前記配電線L1に設けられる前記電圧センサと接続される。接点リレー80には、前記電圧センサから商用電源100からの供給電圧に関する信号が入力される。接点リレー80は、前記信号に基づいて停電を検知可能に構成される。接点リレー80が閉状態となると、配電線L9(接点リレー80の接点同士)は、接続される。一方、接点リレー80が開状態となると、配電線L9の接続は、解除される。
【0054】
次に、図3を用いて防災倉庫1における非停電時の電力の供給態様について説明する。
【0055】
パワコン43・52は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電が発生していないと判断し、連系運転を行う。このとき、パワコン52は、配電線L1〜L7を介して、太陽電池パネル51で発電された電力を商用電源100からの電力と共に一般負荷21、特定負荷22及び充電コンセント23へ供給する。また、パワコン43は、第二の発電ユニット50及び商用電源100からの電力を配電線L7を介してそのまま充電コンセント23へ供給すると共に、太陽電池パネル41で発電された電力を蓄電装置42に充電する。また、パワコン43は、蓄電装置42が満充電となった場合等に、配電線L2〜L7を介して太陽電池パネル41で発電された電力を商用電源100からの電力と共に一般負荷21、特定負荷22及び充電コンセント23へ供給する。
【0056】
第一の自動切替盤60は、第二の発電ユニット50のパワコン52からの信号に基づいてパワコン52が連系運転していることを確認する。そして、第一の自動切替盤60は、第一のリレー61を開状態にすると共に、第二のリレー62を閉状態にする。
【0057】
第二の自動切替盤70は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電が発生していないと判断し、第一のリレー71を開状態にすると共に第二のリレー72を閉状態にする。
【0058】
接点リレー80は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電が発生していないと判断し、開状態にする。
【0059】
ここで、配電線L4を流通する電力は、端子台T1を介して配電線L9にも流通する。第二の自動切替盤70の第二のリレー72が閉状態となっているため、前記電力は、第二の自動切替盤70から接点リレー80まで流通する。しかし、接点リレー80が開状態となっているため、前記電力は接点リレー80よりも下流側(蓄電装置30側)には流通しない。
【0060】
また、配電線L7を流通する電力は、端子台T3を介して配電線L8にも流通する。しかし、第二の自動切替盤70の第一のリレー71が開状態となっている(第一の発電ユニット40から特定負荷22への給電が禁止されている)ため、前記電力は、第二の自動切替盤70よりも下流側(蓄電装置30側)には流通しない。
【0061】
パワコン43・52は、非停電時において、太陽電池パネル41・51からの電力が余った場合に、当該余った電力を配電線L1等を介して商用電源100へ逆潮流(売電)する。また、パワコン43は、非停電時において、必要に応じて(太陽電池パネル41が発電していない場合や蓄電装置42の残量が少ない場合等に)第二の発電ユニット50及び商用電源100からの電力を蓄電装置42に充電する。
【0062】
次に、図4及び図5を用いて防災倉庫1における停電時の電力の供給態様について説明する。
【0063】
本実施形態に係る防災倉庫1は、停電時において、第二の発電ユニット50の発電状態(発電有無)に応じて電力の供給態様が変化する。このため、まず、図4を用いて、停電時に第二の発電ユニット50が発電している場合の電力の供給態様について説明する。なお、以下では、第二の発電ユニット50の発電中に停電が発生したものとする。
【0064】
パワコン43・52は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電を検知し、連系運転から自立運転に切り替える。このとき、パワコン43は、太陽電池パネル41で発電された電力を配電線L7へ流通させ、充電コンセント23へ供給する。また、パワコン52は、太陽電池パネル51で発電された電力を自立運転コンセント52aへ供給する。
【0065】
第一の自動切替盤60は、第二の発電ユニット50のパワコン52からの信号に基づいて、パワコン52が自立運転していることを確認すると共に、太陽電池パネル51が発電していることを確認する。そして、第一の自動切替盤60は、第一のリレー61を閉状態にすると共に、第二のリレー62を開状態にする。
【0066】
これにより、第二の発電ユニット50からの電力(自立運転コンセント52aへ供給される電力)は、配電線L10から第一の自動切替盤60を流通し、蓄電装置30の自立運転コンセント31へ供給される。当該電力は、蓄電装置30から配電線L5へ流通され、特定負荷22へ供給される。
【0067】
第二の自動切替盤70は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電を検知し、第一のリレー71を閉状態にすると共に第二のリレー72を開状態にする。
【0068】
接点リレー80は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて停電を検知し、開状態から閉状態に切り替える。
【0069】
これにより、配電線L7から配電線L8へ流通する第一の発電ユニット40からの電力は、第二の自動切替盤70及び接点リレー80から第一の自動切替盤60へ流通する。しかし、第一の自動切替盤60の第二のリレー62が開状態となっている(特定負荷22への給電元が第二の発電ユニット50になっている)ため、前記電力は、第一の自動切替盤60よりも下流側(蓄電装置30側)には流通しない。
【0070】
このように、防災倉庫1は、停電時に第二の発電ユニット50が発電している場合、第二の発電ユニット50からの電力を特定負荷22へ供給する。また、防災倉庫1は、第一の発電ユニット40からの電力を充電コンセント23へ供給する。すなわち、防災倉庫1は、第一の発電ユニット40からの電力を一般負荷21及び特定負荷22へ供給しない。これによれば、第一の発電ユニット40は、停電時であっても第二の発電ユニット50が発電していれば、充電コンセント23に電力を供給するだけで済むため、停電時に供給する電力量を減らすことができる。
【0071】
なお、パワコン43は、太陽電池パネル41で発電された電力だけで充電コンセント23の電力を賄えない場合だけ、蓄電装置42を放電させる。これによって、パワコン43は、蓄電装置42の残量を減り難くすることができる。
【0072】
また、第一の発電ユニット40は、太陽電池パネル41で発電された電力が余った場合に、当該電力を蓄電装置42に充電する。これによって、パワコン43は、停電時であっても蓄電装置42の残量を増やすことができる。
【0073】
次に、図5を用いて、停電時に第二の発電ユニット50(太陽電池パネル51)が発電していない場合の電力の供給態様について説明する。なお、以下においては、図4に示す状態(停電時に第二の発電ユニット50が発電している状態)から、第二の発電ユニット50の発電が停止したものとする。また、以下においては、第一の発電ユニット40の発電も停止したものとする。
【0074】
パワコン43・52は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて引き続き停電が発生していると判断する。このため、パワコン43・52は、引き続き自立運転を行う。この際、太陽電池パネル41の発電が停止しているため、パワコン43は、蓄電装置42を放電させ、当該放電させた電力を配電線L7を介して充電コンセント23へ供給する。また、太陽電池パネル51の発電が停止しているため、自立運転コンセント52aには電力が供給されない。
【0075】
第二の自動切替盤70及び接点リレー80は、前記配電線L1に設けられる電圧センサからの信号に基づいて引き続き停電が発生していると判断する。このため、第二の自動切替盤70及び接点リレー80は、第二の発電ユニット50の発電が停止しても動作しない(図4に示す状態を維持する)。
【0076】
第一の自動切替盤60は、第二の発電ユニット50のパワコン52からの信号に基づいて、パワコン52が自立運転していることを確認すると共に、太陽電池パネル51が発電していないことを確認する。そして、第一の自動切替盤60は、第一のリレー61を開状態にすると共に、第二のリレー62を閉状態にする。これによって、第一の自動切替盤60は、特定負荷22への給電元を第二の発電ユニット50から第一の発電ユニット40に切り替える。
【0077】
これにより、第一の発電ユニット40からの電力は、第二の自動切替盤70、接点リレー80及び第一の自動切替盤60から蓄電装置30の自立運転コンセント31へ供給される。当該電力は、蓄電装置30から配電線L5へ流通され、特定負荷22へ供給される。また、第一の発電ユニット40からの電力は、配電線L7を介して充電コンセント23へ供給される。一方、第一の発電ユニット40からの電力は、一般負荷21には供給されない。
【0078】
これによれば、第一の発電ユニット40は、停電時に必要なとき(太陽電池パネル41・51が発電しない時間帯や悪天候となったとき)だけ、蓄電装置42からの電力を特定負荷22へ供給することができる。このため、第一の発電ユニット40は、停電時に蓄電装置42から放電する電力量を減らすことができる。これにより、防災倉庫1は、天候等に関わらず電力を安定して供給可能な蓄電装置42の残量を長期間維持することができ、ひいては停電時に長期間電力を供給することができる。
【0079】
また、本実施形態に係る第二の自動切替盤70は、停電が発生したときに予め第一の発電ユニット40からの給電を許可している。これにより、防災倉庫1は、第一の自動切替盤60だけを動作させることで、停電時に第一の発電ユニット40又は第二の発電ユニット50から特定負荷22へ電力を供給することができる。これによれば、防災倉庫1は、停電時に給電元を速やかに(大きなタイムラグが生じることなく)切り替えることができる。
【0080】
また、防災倉庫1は、停電が発生したときに予め接点リレー80を動作させて配電線L9を接続することで、第二の自動切替盤70の場合と同様に、停電時に給電元を速やかに切り替えることができる。
【0081】
また、第一の発電ユニット40及び第二の発電ユニット50は、停電時に一般負荷21へ電力を供給しない(通常時のみ一般負荷21へ電力を供給する)。これによれば、第一の発電ユニット40及び第二の発電ユニット50は、停電時に供給する電力量を減らすことができる。
【0082】
また、本実施形態において、防災倉庫1は、持ち運び可能な蓄電装置30を具備している。このため、防災倉庫1の利用者は、災害や大規模停電が発生したときに、蓄電装置30を所望の場所(例えば、避難所等)へ運んで電力を使用することができる。なお、蓄電装置30を持ち出した場合、配電線L4・L5は所定のケーブルを用いて接続することができる。
【0083】
以上の如く、本実施形態に係る防災倉庫1は、特定負荷22(負荷)を有する建物本体10と、蓄電能力を有し、前記特定負荷22へと電力を供給可能な第一の発電ユニット40(蓄電ユニット)と、発電能力を有し、前記特定負荷22へと電力を供給可能な第二の発電ユニット50(発電ユニット)と、配電線L5・L7〜L10(前記第一の発電ユニット40及び前記第二の発電ユニット50と前記特定負荷22とを結ぶ電路)に介挿され、前記特定負荷22への給電元を前記第一の発電ユニット40又は前記第二の発電ユニット50に切り替える第一の自動切替盤60(第一の切替盤)と、を具備し、前記第一の自動切替盤60は、停電時に前記第二の発電ユニット50が発電していると前記特定負荷22への給電元を前記第二の発電ユニット50に切り替えると共に、停電時に前記第二の発電ユニット50が発電していないと前記特定負荷22への給電元を前記第一の発電ユニット40に切り替えるものである。
【0084】
このように構成することにより、停電時に特定負荷22へ長期間電力を供給することができる。
【0085】
また、配電線L7〜L9(前記第一の発電ユニット40と前記第一の自動切替盤60とを結ぶ電路)に介挿され、前記第一の発電ユニット40から前記特定負荷22への給電許否を切り替える第二の自動切替盤70(第二の切替盤)をさらに具備し、前記第二の自動切替盤70は、非停電時に前記第一の発電ユニット40から前記特定負荷22への給電を禁止すると共に、停電時に前記第一の発電ユニット40から前記特定負荷22への給電を許可するものである。
【0086】
このように構成することにより、特定負荷22への給電元を第一の発電ユニット40と第二の発電ユニット50とに速やかに切り替えることができる。
【0087】
また、配電線L9(前記第一の自動切替盤60と前記第二の自動切替盤70とを結ぶ電路)に介挿され、当該配電線L9の接続及び接続の解除を行う接点リレー80をさらに具備し、前記接点リレー80は、停電時に前記配電線L9を接続すると共に、非停電時に前記配電線L9の接続を解除するものである。
【0088】
このように構成することにより特定負荷22への給電元を第一の発電ユニット40と第二の発電ユニット50とに速やかに切り替えることができる。
【0089】
また、前記建物本体10は、一般負荷21(前記特定負荷22とは異なる負荷)を有し、非停電時に前記第一の発電ユニット40及び前記第二の発電ユニット50を、前記第一の自動切替盤60を介さずに前記特定負荷22及び前記一般負荷21への給電元とするものである。
【0090】
このように構成することにより、停電時に供給する電力量を減らすことができる。
【0091】
また、配電線L5・L9(前記第一の自動切替盤60と前記特定負荷22とを結ぶ電路)に介挿され、前記第一の発電ユニット40、前記第二の発電ユニット50又は商用電源100の少なくともいずれか一つからの電力を充放電可能であると共に持ち運び可能な蓄電装置30をさらに具備するものである。
【0092】
このように構成することにより、停電時に所望の場所で電力を使用することができる。
【0093】
また、前記第一の発電ユニット40は、発電能力を有する太陽電池パネル41(発電装置)と、前記太陽電池パネル41の電力を充放電可能な蓄電装置42と、前記太陽電池パネル41で発電された電力を前記蓄電装置42及び前記特定負荷22へ供給可能であると共に前記蓄電装置42から放電された電力を前記特定負荷22へ供給可能なパワコン43(パワーコンディショナー)と、を具備するものである。
【0094】
このように構成することにより、停電時に特定負荷22へ長期間電力を供給することができる。
【0095】
なお、本実施形態に係る特定負荷22は、負荷の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る蓄電ユニットは、第一の発電ユニット40の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る発電ユニットは、第二の発電ユニット50の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る配電線L5・L7〜L10は、蓄電ユニット及び発電ユニットと負荷とを結ぶ電路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一の自動切替盤60は、本発明に係る第一の切替盤の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る配電線L7〜L9は、蓄電ユニットと第一の切替盤とを結ぶ電路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二の自動切替盤70は、第二の切替盤の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る配電線L9は、第一の切替盤と第二の切替盤とを結ぶ電路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る配電線L5・L9は、第一の切替盤と負荷とを結ぶ電路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る太陽電池パネル41は、発電装置の実施の一形態である。
【0096】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0097】
例えば、第一の発電ユニット40は、太陽電池パネル41を具備する(発電能力を有する)必要はない。
【0098】
また、第二の発電ユニット50は、発電可能であれば、太陽電池パネル51を具備する必要はない。例えば、第二の発電ユニット50は、太陽電池パネル51に替えて燃料電池や風力発電装置を具備するものであっても良い。また、第一の発電ユニット40は、太陽電池パネル41に替えて燃料電池や風力発電装置を具備するものであっても良い。
【0099】
また、本実施形態において、第一の発電ユニット40及び第二の発電ユニット50は、停電時に特定負荷22及び充電コンセント23へ電力を供給するものとしたが、停電時に一般負荷21、特定負荷22又は充電コンセント23の少なくともいずれか一つへ電力を供給するものであっても良い。
【0100】
また、本実施形態において、蓄電装置30は、第一の発電ユニット40、第二の発電ユニット50及び商用電源100からの電力を充放電するものとしたが、第一の発電ユニット40、第二の発電ユニット50又は商用電源100の少なくともいずれか一つからの電力を充放電可能であれば良い。
【0101】
また、防災倉庫1は、必ずしも蓄電装置30を具備する必要はない。
【0102】
また、第一の発電ユニット40は、停電時に充電コンセント23に加えて、別途設けられた外部コンセントへも電力を供給可能に構成することも可能である。この場合、第一の発電ユニット40は、充電コンセント23が電気自動車と接続されていない場合に、外部コンセントへ電力を供給しても良い。また、第一の発電ユニット40は、充電コンセント23と外部コンセントとに給電先を切替可能な手動スイッチを具備していても良い。
【0103】
また、本実施形態において、パワコン43・52、第一の自動切替盤60及び第二の自動切替盤70は、配電線L1に設けられる電圧センサから入力される信号に基づいて、停電を検知するものとしたが、停電を検知するための手段はこれに限定されるものでない。例えば、パワコン43・52、第一の自動切替盤60及び第二の自動切替盤70は、停電を検知可能な所定の制御装置から入力される信号に基づいて停電を検知しても良い。
【符号の説明】
【0104】
1 防災倉庫
10 建物本体
22 特定負荷
40 第一の発電ユニット(蓄電ユニット)
50 第二の発電ユニット(発電ユニット)
60 第一の自動切替盤(第一の切替盤)
図1
図2
図3
図4
図5