(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パッドセンサは、それぞれが前記特徴の前記スペクトル応答の一部を検出する第一及び第二チャンネルを有する光検出器を含む、請求項4に記載の自律床清掃ロボット。
前記パッドセンサは、第一光及び第二光を放射するよう構成された光エミッタを含み、前記特徴の前記スペクトル応答を検出するために、該特徴からの該第一光及び該第二光の反射を検出する、請求項4に記載の自律床清掃ロボット。
【発明を実施するための形態】
【0021】
床面をこすり洗いしながら部屋内を移動することで部屋の床面を清掃することが可能な自律移動清掃ロボットを以下に更に詳細に説明する。ロボットは、床面に清掃液を散布し、ロボットの底面に取り付けられた清掃パッドを用いて床面をこすることができる。清掃液は、例えば、床面のデブリを溶かして浮かせることができる。ロボットは、取り付けられた清掃パッドに基づいて、自動的に清掃モードを選択することができる。清掃モードは、例えば、ロボットによって供給される水の量及び/又は清掃パターンを含み得る。いくつかの場合においては、清掃パッドは水を用いることなく床面を清掃することができ、その場合は、ロボットは、選択された清掃モードの一環として清掃液を床面に散布する必要がない。他の場合においては、床面の清掃に用いられる水の量は、ロボットによって識別された清掃パッドのタイプにより異なり得る。こする能力を向上させるために多くの清掃液を必要とする清掃パッドもあれば、相対的に少ない量の清掃液しか必要としない清掃パッドもある。清掃モードは、いくつかの動作パターンをロボットに実行させる様々なナビゲーション挙動を含んでもよい。例えば、清掃モードの一環としてロボットが床面に清掃液を散布する場合、ロボットは前後往復こすり動作を促す動作パターンに従って動作することで、浮き上がったデブリを含み得る清掃液を十分に広げ且つ吸収することができる。清掃モードのナビゲーション特性及び散布特性は、清掃パッドのタイプ毎に大きく異なり得る。ロボットは、取り付けられた清掃パッドのタイプを検出した際にこれらの特性を選択することができる。以下に詳細に説明するように、ロボットは、清掃パッドの識別用特徴を自動的に検出して取り付けられた清掃パッドのタイプを識別し、識別した清掃パッドのタイプに応じて清掃モードを選択する。
ロボットの全体構造
【0022】
図1Aを参照すると、いくつかの実施例において、5ポンド未満(例えば、2.26kg未満)の質量を有し、重心CGを有する自律移動ロボット100は、移動しながら床面10を清掃する。自律移動ロボット100は、例えば、x、y、及びθ成分を有する駆動指示に基づいてロボット100を床面10上で動かすことが可能な駆動部(不図示)に支持される本体102を含む。図に示されているように、本体102は正方形の形状を有する。他の実施例においては、本体102は、円形、楕円形、涙滴形、長方形、正方形又は長方形の前部と円形の後部の組み合わせ、又はこれらの形状を長手方向において左右非対称に組み合わせた形状といった別の形状を有し得る。本体102は、前方部104及び後方(後ろ側)部106を有する。本体102は、底部(不図示)及び上部108も含む。
【0023】
本体102の底部に沿って、ロボット100の二ヶ所の後部角の片方又は両方に配置された一つ以上の後部クリフ(cliff)センサ(不図示)及びロボット100の前部角の片方又は両方に配置された一つ以上の前部クリフセンサ(不図示)は、レッジ(ledge)やその他の床面10の急な高低差を検出し、このような床面端部からロボット100が落下するのを防止する。クリフセンサは、機械式落下センサや、一対のIR(赤外線)、デュアルエミッタ、シングルレシーバ又はデュアルレシーバ、シングルエミッタIR式近接センサといった、下方の床面10に向けられた光学式近接センサであってもよい。いくつかの例において、クリフセンサは、床面の閾値以上の高低差を検出するために、ロボット100の側壁間に広がり、角のできるだけ近くをカバーしつつ、前部及び後部角をカットするように、前部及び後部角に対して角度をつけて配置される。クリフセンサをロボット100の角に近接して配置することで、ロボット100が床面の落差上に突き出た際にクリフセンサを直ちに確実に反応させることができ、ロボットの車輪が落差の端に到達するのを防止することができる。
【0024】
本体102の前方部104は、縦方向(A,F)又は横方向(L,R)の衝突を検出するための可動バンパ110を担持する。バンパ110は、本体102を補完する形状を有し、本体102の前方に延びており、前方部104全体の幅方向の寸法を本体102の後方部106よりも大きくしている。本体102の底部は、取り付けられた清掃パッド120を担持する。
図1Bを参照すると、本体102の後方部106は、ロボット100が床面10上を移動する際に、回転可能に本体102の後方部106を支持する車輪121を含む。清掃パッド120は、ロボット100が床面10上を移動する際に、本体102の前方部104を支持する。一つの実施例において、清掃パッド120は、清掃パッド120の外縁を壁と床の境界といった届きにくい面や隙間に届かせ、またそれらに沿って清掃パッド120の外縁を配置することができるよう、バンパ110の幅を越えて延びる。別の実施例においては、清掃パッド120はロボットのパッドホルダ(不図示)の端部まで延びるが、パッドホルダを越えては延びていない。このような例では、清掃パッド120の端部を切り落とすことができ、端部を切り落とした端において吸収材を露出させることができる。ロボット100は、清掃パッド120の端部を壁面に押し当てることができる。この清掃パッド120の配置は、更に、ロボット100が壁面追従動作で移動中に、清掃パッド120の延長端部により、届きにくい面や隙間を清掃することを可能にする。このように、清掃パッド120の延長は、ロボット100が本体102では届かない裂け目や隙間の内部を清掃することを可能にする。
【0025】
本体102内の貯蔵部122は、清掃液124(例えば、清掃溶液、水、及び/又は洗浄剤)を保持するものであり、例えば、170−200mlの清掃液124を保持することができる。一つの例において、貯蔵部の容量は200mlである。ロボット100は、本体102内のチューブで貯蔵部122に連結された液体塗布器126を有する。液体塗布器126は、上部ノズル128a及び下部ノズル128bを有するスプレー又はスプレー機構であり得る。上部ノズル128a及び下部ノズル128bは、液体塗布器126の凹部129内に垂直方向に重ねられており、床面10と平行な水平面に対して角度がつけられている。ノズル128a−128bは、上部ノズル128aが、ロボット100の前方の床面10の一領域を覆うように、前方且つ下方に向けて相対的に長い範囲に液体を散布し、もう一方のノズル128bが、ロボット100の前方且つ上部ノズル128aによって散布塗布された領域よりロボット100に近い床面10の一領域に液体を後方塗布するように、前方且つ下方に向けて相対的に短い範囲に液体を散布するよう、互いに離して配置されている。いくつかの場合において、ノズル128a−128bは、各散布行程の後にノズル128a−128bから清掃液124が漏れたり滴ったりしないよう、ノズルの開口部にある少量の液体を吸引してから各散布行程を終了する。
【0026】
液体塗布器126の別の例では、複数のノズルが異なる方向に液体を散布するよう構成されている。液体塗布器は、外側方向ではなく、バンパ110の下部から下方に向けてロボットの前方に清掃液を直接滴らせたり散布したりすることで、液体を塗布してもよい。いくつかの例では、液体塗布器はマイクロファイバーの布又は小片、液体塗布ブラシ、又はスプレーである。別の場合において、ロボット100はノズルを一つだけ含む。
【0027】
清掃パッド120及びロボット100は、貯蔵部122から吸収性の清掃パッド120に清掃液を移動させる処理によっても、ロボット100が動的運動中にロボット100の前後バランスを維持するよう、サイズや形状が設定されている。液体供給は、徐々に飽和する清掃パッド120及び徐々に空になる液体貯蔵部122によるロボット100の後方部106の持ち上がり及びロボット100の前方部104の落ち込みが原因で生じる、移動を阻害する下向きの力に妨害されることなく、ロボット100が清掃パッド120を床面10上で継続的に移動させることができるよう設計されている。そのため、ロボット100は、清掃パッド120が液体で完全に飽和し、貯蔵部が空になった場合でも、清掃パッド120を床面10上で動かすことができる。ロボット100は、床面10を移動した距離及び/又は貯蔵部122内の液体の残量を監視することができ、清掃パッド120の交換及び/又は貯蔵部122への補給を促す可聴及び/又は可視アラームをユーザに提供する。いくつかの実施例において、ロボット100は、清掃すべき床が残っている時は、清掃パッド120が完全に飽和したか交換が必要な場合に移動を停止しその場にとどまる。
【0028】
ロボット100の上部108は、ユーザがロボット100を運ぶためのハンドル135を含む。図に示すハンドルは、運ぶために広げられた状態を示しており、畳まれた状態においては、ロボットの上部の凹みに収まる。上部108は、ハンドル135の下に配置された、パッド解放機構を作動させるトグルボタン136も含む。トグルボタン136の詳細は後述する。矢印38は、トグルの動作方向を示す。以下に説明するように、トグルボタン136をトグルさせることでパッド解放機構が作動し、清掃パッド120がロボット100のパッドホルダから外れる。ユーザは、清掃ボタン140を押すことで、ロボット100を起動し、清掃作業を開始するようロボット100に指示することができる。
【0029】
ロボット100の全体構成の別の詳細は、「自律表面清掃ロボット」と題して2013年11月12日に出願された米国特許出願第14/077,296号に、「清掃パッド」と題して2013年11月12日に出願された仮米国特許出願第61/902,838号に、及び「表面清掃パッド」と題して2014年8月3日に出願された仮米国特許出願第62/059,637号に記載されており、参照によって全てが本開示に組み込まれる。
清掃パッド構造
【0030】
図2Aを参照すると、清掃パッド120は、吸収層201、ラップ層204、及びカード裏打ち206を含む。清掃パッド120は、清掃パッド120の両端で吸収層201が露出するよう、切り落とした両端を有する。清掃パッド120の端部207がラップ層204で密閉されて吸収層201の端部207が圧縮されたものではないため、清掃パッド120を全長にわたって液体吸収及び清掃に供することができる。清掃パッド120の吸収層201がラップ層204によって圧縮されている部分が無く、従って清掃液を吸収できない部分が存在しない。加えて、清掃作業終了時には、清掃パッド120の吸収層201は、清掃パッドがびしょ濡れになるのを防止し、吸収した清掃液の過剰な重量によって清掃走行終了時に端部207がたわむのを防止する。吸収された清掃液は、清掃パッド120から滴らないよう、吸収層201によって確実に保持される。
【0031】
図2Bも参照すると、吸収層201は、第一層201a、第二層201b、及び第三層201cを含むが、これよりも多い又は少ない層数も可能である。いくつかの実施例においては、吸収層201a−201cは、互いに接着又は締め付けられ得る。
【0032】
ラップ層204は、吸収層201の周囲を覆う不織の多孔質材である。ラップ層204は、スパンレース(spunlace)層及び研磨層を含み得る。研磨層は、ラップ層の外面に配置され得る。スパンレース層は、水流交絡法(hydroentangling)、水交絡法(water entangling)、噴流絡合(jet entangling)、又は水圧縫製(hydraulic needling)としても知られている、繊維に複数の細い高圧の水流を当てることで繊維を絡ませてシート状にする処理によって形成され得る。水流交絡処理は、繊維状の材料を複合不織網状に絡ませることができる。このようにして得られる材料は、向上した性能や低費用の構造により、多くの拭き取り道具に要求される性能において優位性を示す。
【0033】
ラップ層204は、吸収層201の周囲を覆い、吸収層201が床面10に直接接するのを防止する。ラップ層204は、天然繊維や合成繊維を含む可撓性の材料(例えば、スパンレースやスパンボンド(spunbond))であり得る。清掃パッド120の下の床面10に塗布された液体は、ラップ層204を通して吸収層201に移動する。吸収層201の周囲に巻かれたラップ層204は、吸収層201内の吸収材原料の露出を防止するための転送層である。
【0034】
清掃パッド120のラップ層204の吸収性が高過ぎると、清掃パッド120が床面10上での動きに過剰な抵抗力を発生させ、移動を困難にする可能性がある。抵抗力が過剰になると、例えば、ロボットは、清掃パッド120を床面10上で動かそうとしても、抵抗力に勝てない可能性がある。
図2Aも参照すると、ラップ層204は、研磨性の外層によって遊離した埃やデブリを拾い上げ、筋状跡を残さずに空気乾燥する薄い光沢のある清掃液124を床面10上に残すことができる。薄い光沢のある清掃溶液は、例えば、1.5〜3.5ml/m
2の間であり、好適には、適度な時間(例えば、2分から10分)で乾燥する。
【0035】
好適には、清掃パッド120は清掃液124を吸収しても極端には膨張せず、最小限の合計パッド厚みの増加に留まる。この清掃パッド120の特性により、清掃パッド120が膨張した際のロボット100の後方への傾きやピッチングが防止される。清掃パッド120は、ロボットの前部の重量を支持するのに十分な剛性を有する。一つの例において、清掃パッド120は、180ml又は貯蔵部122に蓄えられる溶液の90%まで吸収することができる。別の例においては、清掃パッド120は約55〜60mlの清掃溶液124を保持し、完全飽和状態のラップ層204は約6〜8mlの清掃溶液124を保持する。
【0036】
いくつかのパッドのラップ層204は、溶液を吸収するよう構成され得る。いくつかの場合において、ラップ層204は、傷のつきやすい床面にひっかき傷を付けないよう滑らかになっている。清掃パッド120は、とりわけ、界面活性剤として、及びスケールやミネラルの堆積物に働きかける成分として、以下に示す清掃剤構成成分の一つ以上を含み得る:ブトキシプロパノール、アルキルポリグルコシド、ジアルキル‐ジメチル塩化アンモニウム、ポリオキシエチレンヒマシ油、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩。種々のパッドは、香料や抗菌、抗カビ剤を含んでもよい。
【0037】
図2A−2Cを参照すると、清掃パッド120は、清掃パッド120の天面に接着された厚紙裏打ち層又はカード裏打ち206を含む。以下に詳細に説明するように、カード裏打ち206(すなわち、清掃パッド)をロボット100に装着した場合、カード裏打ち206の取付面202は、ロボット100が装着された清掃パッド120のタイプを識別できるよう、ロボット100の方向を向く。カード裏打ち206は厚紙であると説明したが、別の実施例においては、カード裏打ちの材料は、ロボット100の動作中に清掃パッドが大きく動かないように清掃パッドをその場で保持できる、種々の硬い材質であり得る。いくつかの場合において、清掃パッドは、ポリカーボネートのような洗浄可能且つ再利用可能な剛性のあるプラスチック材であり得る。
【0038】
カード裏打ち206は、清掃パッド120の長手方向端部を越えて突き出ており、カード裏打ち206の突き出た長手方向端部210は、ロボット100の(
図3A−3Dに関して以下に詳細に説明する)パッドホルダに取り付けられる。カード裏打ち206は、厚さ0.02〜0.03インチ(0.5mm〜0.8mm)、幅68mm〜72mm、長さ90−94mmであり得る。一つの実施例では、カード裏打ち206は、厚さ0.026インチ(0.66mm)、幅70mm、長さ92mmである。カード裏打ち206は、濡れた際にカード裏打ち206が分解しないよう、ろうやポリマー、又はろう/ポリビニル・アルコール、ポリアミンのような耐水性材料の組み合わせといった、耐水性のコーティング剤で両面がコーティングされている。
【0039】
カード裏打ち206は、カード裏打ち206の突き出た長手方向端部210の中心に位置する切り抜き212を規定する。カード裏打ちは、カード裏打ち206の縦方向端部に設けられた二組目の切り抜き214も含む。切り抜き212、214は、それぞれカード裏打ち206の長手方向中心軸YP及びカード裏打ち206の縦方向中心軸XPを中心として対称に配置されている。
【0040】
多くの清掃パッド120が使い捨てである。別の清掃パッド120は、耐久性のあるプラスチック製裏打ちを有する、再利用可能なマイクロファイバークロスである。マイクロファイバークロスパッドは洗濯可能であり得る。また、裏打ちが溶けたり分解したりすることなく乾燥機で乾燥させることが可能であり得る。別の例では、洗濯可能なマイクロファイバークロスパッドは、清掃パッドをプラスチック製裏打ちに取り付けるための取付機構を有し、洗濯前に裏打ちを取り外すことができる。取付機構の一例として、清掃パッドとプラスチック製裏打ちの両方に設けられたベルクロ(登録商標)又は別の面ファスナー取付機構を含み得る。別の清掃パッド120は、使い捨ての乾いた布として用いることを意図しており、毛を捕集するための露出した繊維を有する単層のスパンボンド又はスパンレースニードルパンチ材を含む。清掃パッド120は、埃やデブリを保持するための粘着特性を付加する化学処理を含み得る。
【0041】
ロボット100は、識別された清掃パッド120のタイプに対し、対応するナビゲーション挙動及び散布スケジュールを選択する。清掃パッド120は、例えば、以下のいずれかであると識別され得る:
・香り付け及び予め石鹸を付けておくことが可能なウェットモッピング清掃パッド。
・香り付け及び予め石鹸を付けておくことが可能であり、ウェットモッピング清掃パッドより少ない清掃液で清掃可能なダンプモッピング清掃パッド。
・香り付けや鉱油を浸透させることが可能であり、清掃液を必要としないドライダスティング清掃パッド。
・再利用可能であり、水、清掃溶液、香り付けされた溶液、または別の清掃液を用いて床面を清掃可能なウォッシャブル清掃パッド。
いくつかの例において、ウェットモッピング清掃パッド、ダンプモッピング清掃パッド、及びドライダスティング清掃パッドは、一回用使い捨て清掃パッドである。ウェットモッピング清掃パッド及びダンプモッピング清掃パッドは、パッケージから取り出した時点で水又は別の清掃液を含むよう、あらかじめ湿らせた、又はあらかじめ濡らした清掃パッドであり得る。ドライダスティング清掃パッドは、個別にミネラルオイルを浸透させることが可能であり得る。清掃パッドのタイプとの関連付けが可能なナビゲーション挙動及び散布スケジュールは、
図4A−4B及び表1−3に関して更に詳細に後述する。
清掃パッドの保持及び取付機構
【0042】
図3A−3Dも参照すると、清掃パッド120は、パッドホルダ300によってロボット100に取り付けられている。パッドホルダ300は、パッドホルダ300の下面に、長手方向中心軸YHにおける中心且つ縦方向中心軸XHに沿って配置された凸部304を含む。パッドホルダ300は、パッドホルダ300の下面に、長手方向中心軸YHに沿って且つ縦方向中心軸XHにおける中心に配置された凸部306も含む。
図3Aにおいて、パッドホルダ300の長手方向端部に起立した凸部306は保持クリップ324aで隠れている。保持クリップ324aは、起立した凸部306が確認できるよう透視図で示されている。
【0043】
清掃パッド120の切り抜き214はパッドホルダ300の対応する凸部304と係合し、清掃パッド120の切り抜き212はパッドホルダ300の対応する凸部306と係合する。凸部304、306は、清掃パッド120をパッドホルダ300に対して位置決めし、長手方向及び/又は縦方向の滑りを防止することで清掃パッド120をパッドホルダ300に対して相対的に定位置に保つ。切り抜き212、214及び凸部304、306の構成は、清掃パッド120を二つの類似の向き(互いに180度反対の向き)のいずれからもパッドホルダ300に取り付け可能にする。また、パッドホルダ300は、パッド解放機構322が作動すると、清掃パッド120をより容易に取り外すことができる。協働する起立した凸部及び切り抜きの数は、別の例では異なっていてもよい。
【0044】
起立した凸部304、306は切り抜き212、214内まで延びているため、清掃パッド120は、切り抜き−凸部保持システムによって、回転力に対抗してその場に保持される。いくつかの場合において、ロボット100は本開示で説明するようにこする動作で移動し、いくつかの実施形態においては、さらにこするためにパッドホルダ300が清掃パッド120を振動させる。例えば、ロボット100は、取り付けられた清掃パッド120を12−15mmの軌道で振動させることによって床面10をこすってもよい。ロボット100は、清掃パッドに1ポンド以下の下向きの押圧力を加えることもできる。カード裏打ち206の切り抜き212、214を凸部304、306に揃えることで、使用中は清掃パッド120がパッドホルダ300に対して定位置を維持するため、振動を含むこすり動作がパッドホルダ300を通して清掃パッド120の各層に損失することなく直接伝達される。
【0045】
図3B−3Dを参照すると、パッド解放機構322は、カード裏打ち206の突き出た長手方向端部210をつかむことで清掃パッド120をその場でしっかり保持する可動保持クリップ324a又はリップを含む。否可動保持クリップ324bも清掃パッド120を支持する。パッド解放機構322は、可動保持クリップ324aと、パッドホルダ300のスロット又は開口内をスライドする取出用凸部326とを含む。いくつかの実施例においては、保持クリップ324a、324bは面ファスナーを含み得る。また、別の実施形態においては、保持クリップ324a、324bはクリップ又は保持ブラケットを含み得、選択的に清掃パッドを解放して取り外すために、選択的にクリップ又は保持ブラケットを動かすことができる。スナップ、クランプ、ブラケット、接着剤といった、パッド解放機構322の作動時等において清掃パッド120が解放されるように構成することが可能な異なるタイプの保持部材を、清掃パッド120とロボット100の接続に用いてもよい。
【0046】
パッド解放機構322を低位置(
図3D)まで押すことで、清掃パッドを解放することができる。取り出し凸部326は、清掃パッド120のカード裏打ち206を押し下げる。
図1Aに関して上述したように、ユーザはトグルボタン136をトグルさせることでパッド解放機構322を作動させることができる。トグルボタンをトグルさせると、バネアクチュエータ(不図示)がパッド解放機構322を回転させ、保持クリップ324aをカード裏打ち206から離すように動かす。次いで取り出し凸部326がパッドホルダ300のスロット内を通過してカード裏打ち206を押し、その結果、清掃パッド120がパッドホルダ300から押し出される。
【0047】
ユーザは、基本的には清掃パッド120をパッドホルダ300内にスライドさせる。本開示の実施例においては、清掃パッド120をパッドホルダ300に押し込むことで、保持クリップ324と係合させる。
ナビゲーション挙動及び散布スケジュール
【0048】
再度
図1A−1Bを参照すると、ロボット100は、パッドホルダ300に取り付けられた清掃パッド120のタイプに応じて様々なナビゲーション挙動及び散布スケジュールを実行することができる。ナビゲーション挙動及び散布スケジュールを含み得る清掃モードは、パッドホルダ300に取り付けられる清掃パッド120によって異なる。
【0049】
ナビゲーション挙動は、直進パターン、蔓状(vine)パターン、コーンロー(cornrow)パターン、またはこれらのパターンの組み合わせを含み得る。他のパターンも可能である。直進パターンにおいては、ロボット100は通常直線軌道に沿って移動し、壁といった直線で規定される障害物に追従する。バードフット(birdfoot)パターンを連続して繰り返す挙動は蔓状パターンと呼ぶ。蔓状パターンにおいては、ロボット100は、前後に動きながら全体として前進する軌道に沿って徐々に前進するバードフットパターンを繰り返す。バードフットパターンを繰り返す毎に全体として前進する軌道に沿ってロボット100を前進させ、バードフットパターンを繰り返すことで、全体として前進する軌道に沿ってロボット100を床面上で移動させることができる。蔓状パターン及びバードフットパターンの更なる詳細は、
図4A−4Eに関して後述する。コーンローパターンにおいては、ロボット100は、部屋を一回横切る毎にコーンローパターンの長手方向動作に対して垂直な方向に少し移動し、床面を横切る基本的に平行な一連の軌道を描くよう部屋内を往復する。
【0050】
以下に説明する例においては、各散布スケジュールは、濡らし期間、清掃期間、及び仕上げ期間を規定する。各散布スケジュールにおける異なる作業期間は、(移動距離に基づく)散布の頻度及び散布時間を定義する。濡らし期間は、ロボット100を起動し清掃作業を開始した直後から始まる。濡らし期間中は、清掃パッド120は、清掃パッド120が清掃作業を開始するのに十分な量の清掃液を吸収した状態になるよう、清掃パッド120を十分濡らすための追加の清掃液を必要とする。清掃期間中は、清掃パッド120は、濡らし期間より少ない量の清掃液しか必要としない。ロボット100は、基本的には、床面10に清掃液を溜まらせることなく清掃パッド120の湿潤状態を維持するよう、清掃液を散布する。仕上げ期間中は、清掃パッド120は、清掃期間より少ない量の清掃液しか必要としない。仕上げ期間中は、清掃パッド120は基本的に完全飽和状態であり、床面10から埃やデブリを取り除くのを妨げる蒸発やその他の乾燥を補完するのに十分な量の清掃液を吸収すればよい。
【0051】
以下に示す表1を参照すると、ロボット100によって識別された清掃パッド120のタイプにより、ロボット100が実行する清掃モードの散布スケジュール及びナビゲーション挙動が決定される。濡らし期間、清掃期間、及び仕上げ期間を含む散布スケジュールは、清掃パッド120のタイプによって異なる。ロボット100は、清掃パッド120がウェットモッピング清掃パッド、ダンプモッピング清掃パッド、又はウォッシャブル清掃パッドであると判断すると、一つのバードフットパターンの各段階又は複数のバードフットパターンにおいて散布を実行するべき時間が規定された散布スケジュールを実行する。ロボット100は、ロボット100が部屋を横切る際に蔓状及びコーンローパターンを用い、部屋の外周や部屋内の物体の端部の近くを移動する際に直進パターンを用いるナビゲーション挙動を実行する。散布スケジュールは三つの明確に異なる作業期間があると説明したが、いくつかの実施例においては、散布スケジュールは三つよりも多い又は少ない作業期間を有し得る。例えば、散布スケジュールは、濡らし期間及び仕上げ期間に加え、第一及び第二清掃期間を有し得る。別の場合においては、ロボット100があらかじめ湿らせた清掃パッドを用いて機能するよう構成されている場合、濡らし期間は無くてもよい。同様に、ナビゲーション挙動は、ジグザグパターンや螺旋パターンといった別の移動パターンを含み得る。
【0052】
ロボット100は、ロボット100が清掃パッド120はドライダスティング清掃パッドであると判断すると、ロボット100が清掃液124を散布しない散布スケジュールを実行する。ロボット100は、部屋を横切る際にコーンローパターンを用い、部屋の外周の近くを移動する際に直進パターンを用いるナビゲーション挙動を実行し得る。
【表1】
【0053】
表1で説明した例においては、ロボットは濡らし期間と清掃期間で同じパターン(例えば、蔓状パターンやコーンローパターン)を用いると説明したが、いくつかの例においては、濡らし期間において異なるパターンを用い得る。例えば、濡らし期間中は、ロボットは、より多くの清掃液からなる水溜りを形成し、前後に動いて清掃液の水溜りを横切りながら清掃パッドを濡らし得る。このような実施例においては、ロボットは、清掃期間に入るまでコーンローパターンを開始しない。
図4A−4Dを参照すると、ロボット100の清掃パッド120は、床面10をこすり、床面10上の液体を吸収する。
図1Aに関して上述したように、ロボット100は、床面10上に清掃液124を散布する液体塗布器126を含む。ロボット100は、汚れ22を溶かす及び/又は浮かせる塗布された清掃液124と共に清掃パッド120に吸収された汚れ22(例えば、埃、油、食べ物、ソース、コーヒー、コーヒーの粉)をこすって除去する。汚れ22の中には、粘性及び弾性の両方の性質を示す粘弾性特性を有するものも含まれ得る(例えば、蜂蜜)。清掃パッド120は吸収性を有し、汚れ22を研磨し床面10から遊離させるために研磨性も有し得る。
【0054】
上述したように、液体塗布器126は、床面10上に清掃液124を供給するための上部ノズル128a及び下部ノズル128bを含む。上部ノズル128a及び下部ノズル128bは、互いに異なる角度及び距離で清掃液124を散布するよう構成され得る。
図1及び
図4Bを参照すると、上部ノズル128aは、前方且つ下方に向けて相対的に長い範囲に液体124aを散布してロボット100の前方の床面10の一領域を覆うよう、凹部129内で角度をつけて離して配置されている。下部ノズル128bは、前方且つ下方に向けて相対的に短い範囲に液体124bを散布してロボット100の前方だがロボット100により近い床面10の一領域を覆うよう、凹部129内で角度をつけて離して配置されている。
図4Cを参照すると、上部ノズル128aは、清掃液124aを散布した後、清掃液124aを塗布液体402aの前方の領域に広げる。下部ノズル128bは、清掃液124bを散布した後、清掃液124bを塗布液体402aの後方の領域に広げる。
【0055】
図4A−4Cを参照すると、ロボット100は、障害物又は壁20に向かって前方向Fに移動し、次いで後又は反対方向Aに移動するとで、清掃作業を実行することができる。ロボット100は、前方駆動方向に第一距離F
D進んで第一位置L
1まで移動することができる。ロボット100が少なくとも距離Dだけ既に前方向Fに移動しながら辿った床面10上を後退し、ロボット100が第二距離A
D後退して第二位置L
2まで移動すると、ノズル128a、128bのそれぞれは、長い範囲の洗浄液124a及び短い範囲の洗浄液124bを、ロボット100の前方に、前方且つ下方に向けて同時に床面10上に散布する。清掃液124は、ロボット100の足跡領域AFと実質同じかそれ以下の領域に散布され得る。距離Dは少なくともロボット100の長さL
Rにわたるため、ロボット100は、ロボット100が辿った床面10の領域には、床面10に何も無いことをロボット100が事前に確認しなければ清掃液124が塗布されていたであろう家具、壁20、崖、カーペット又は他の面や障害物は無いと判断することができる。ロボット100は、清掃液124を塗布する前に前方向Fに移動し次いで反対方向Aに移動することで、床張りの変化や壁といった境界を識別し、液体による家具、壁20、崖、カーペット又は他の面や障害物への損傷を防止する。
【0056】
いくつかの実施例において、ノズル128a、128bは、一ロボット幅W
R及び少なくとも一ロボット長さL
Rの寸法にわたって広がる領域パターンで清掃液124を供給する。上部ノズル128a及び下部ノズル128bは、(
図4D−4Eに関して以下で説明する)角度づけられた前進及び後退こすり動作において清掃パッド120が帯状の塗布液402a、402bの外端を通過できるよう、ロボット100の全幅W
Rに満たない、明確な離れた二つの帯状の塗布液402a、402bを塗布する。別の実施例においては、帯状の塗布液402a、402bは、ロボット幅W
Rの75−95%の幅W
S、及びこれらと組み合わせたロボット長さL
Rの75−95%の長さL
Sを有する領域を覆う。いくつかの例において、ロボット100は、床面10の既に辿った領域にのみ散布する。別の実施例において、ロボット100は、床面10のロボット100が既に辿った領域にのみ清掃液124を塗布する。いくつかの例においては、帯状の塗布液402a、402bは、実質長方形又は楕円形でもよい。
【0057】
ロボット100は、前後動作することで、清掃パッド120を湿らせ及び/又は清掃液124を塗布した床面10をこすることができる。
図4Dを参照すると、一つの例においては、ロボット100はバードフットパターンで清掃液124を塗布した床面10上の足跡領域AFを通過する。図で示したバードフットパターンは、ロボット100を(i)中央軌道450に沿って前方向F及び後又は反対方向Aに動かし、(ii)左軌道460に沿って前方向F及び反対方向Aに動かし、(iii)右軌道455に沿って前方向F及び反対方向Aに動かすことを含む。左軌道460及び右軌道455は、中央軌道450上のスタート地点から外側に弧状に延びる、弓形の軌道である。左軌道460及び右軌道455は弓形の軌道であると説明し図示したが、別の実施例においては、左軌道及び右軌道は、中央軌道から外側に延びる直線軌道であり得る。
【0058】
図4Dに示す例においては、ロボット100は、位置Bで壁20に遭遇し衝突センサが作動するまで、位置Aから中央軌道450に沿って前方向Fに移動する。ロボット100は、次いで、液体塗布によって覆われるべき距離以上の距離を、中央軌道に沿って後方向Aに移動する。例えば、ロボット100は、中央軌道450に沿って少なくとも一ロボット長さL
Rだけ後退して位置Cまで移動する。位置Cは、位置Aと同位置であってもよい。ロボット100は、ロボット100の足跡領域AFと実質同一かそれ以下の領域に清掃液124を塗布し、壁20まで戻る。ロボット100が壁20まで戻る際に、清掃パッド120は清掃液124上を通過し床面10を清掃する。位置F又はDからは、ロボット100は、それぞれ位置D又は位置Fに移動する前に、左軌道460又は右軌道455に沿ってそれぞれ位置G又は位置Eに移動する。いくつかの場合においては、位置C、E、及びGは位置Aに相当し得る。ロボット100は、次いで移動を継続し、残りの軌道に沿った移動を完了させることができる。中央軌道450、左軌道460、及び右軌道455に沿って前後に移動する度に、清掃パッド120は塗布された清掃液124上を通過し、埃、デブリ、及び他の粒子状物質を床面10からこすりとり、床面10から汚れた液体を吸い取る。清掃液124の溶剤的性質と組み合わされた清掃パッド120のこすり動作により、乾燥したシミや汚れが分解されほぐされる。ロボット100によって塗布された清掃液124は、清掃パッド120がほぐされたデブリを吸収し床面10から取り除くよう、ほぐされたデブリを浮き上がらせる。
【0059】
ロボット100が前後に移動すると、ロボット100が辿っている領域が清掃され、それによって床面10が念入りにこすり洗いされる。ロボット100の前後動作によって、床面10上のシミ(例えば、
図4A−4Cの汚れ22)を分解することができる。清掃パッド120は、次いで分解されたシミを吸収することができる。清掃パッド120は、清掃パッド120が過剰に清掃液124といった液体を拾い上げた場合に発生する不均一な筋が防止されるよう、十分な量の散布された液体を拾い上げることができる。清掃パッド120は、こすられた床面10上に視認可能な光沢を与えるために、水又は洗浄剤を含有する溶液を含む他の洗浄剤といった液体を床面10に残すことができる。いくつかの例においては、清掃液124は、例えばアルコールを含んだ溶液といった、抗菌性溶液を含む。従って、残存液の薄い層を清掃パッド120に吸収させないことで、より高い割合の細菌を殺菌することができる。
【0060】
ある実施例においては、ロボット100が清掃液124を必要とする清掃パッド120(例えば、ウェットモッピング清掃パッド、ダンプモッピング清掃パッド、及びウォッシャブル清掃パッド)を使用する場合、ロボット100は、蔓状及びコーンローパターンと直進パターンとの間で切り替えることができる。ロボット100は、部屋清掃中は蔓状及びコーンローパターンを用い、周縁清掃中は直進パターンを用いる。
【0061】
図4Eを参照すると、別の実施例においては、ロボット100は、上述した蔓状パターン及び直進パターンの組み合わせを実行しながら、軌道467に沿って部屋465内を移動する。この例においては、ロボット100は、軌道467に沿って、ロボット100の前方に清掃液124を一気に塗布している。
図4Eに示す例においては、ロボット100は、清掃液124を必要とする清掃モードで作動している。ロボット100は、バードフットパターンの繰り返しを含む蔓状パターンを実行しながら軌道467に沿って進行する。各バードフットパターンは、より詳細に上述したように、基本的にはロボット100が最初にいた位置よりも前進した位置で終了する。ロボット100は、蔓状及びコーンローパターン散布スケジュール、及び直進パターン散布スケジュールにそれぞれ対応する、以下の表2及び表3に示した散布スケジュールに従って動作する。表2及び表3において、移動距離は、蔓状パターンにおけるロボット100の弓形軌道を計算に入れた、蔓状パターンで移動した合計距離として計算され得る。散布スケジュールは、濡らし期間、第一清掃期間、第二清掃期間、及び仕上げ期間を含む。いくつかの場合において、ロボット100は、移動距離を単に前進した距離として計算し得る。
【表2】
【表3】
【0062】
散布スケジュールにおける濡らし期間に相当する、ロボット100が床面に液体を塗布する最初の15回においては、ロボット100は、少なくとも344mm(約13.54インチ、又は1フィートより少し長い距離)移動する毎に清掃液124を散布する。各散布の時間は約1秒である。濡らし期間は、基本的には、部屋465の領域470に含まれる軌道467に相当し、この領域においては、ロボット100は、蔓状パターンとコーンローパターンとを組み合わせたナビゲーション挙動を実行する。
【0063】
基本的にロボット100が散布スケジュールにおける第一清掃期間を実行する時点に相当する、清掃パッド120が完全に濡れた状態になった時点で、ロボット100は、600〜1100mm(約23.63〜43.30インチ、又は2〜4フィート)移動する毎に1秒間散布する。この相対的に低頻度の散布により、清掃パッドは、過剰に濡れた状態又は液体が溜まった状態になることなく、濡れた状態が確実に維持される。第一清掃期間は、部屋465の領域475に含まれる軌道467で示されている。ロボット100は、所定の散布回数(例えば20回)までは、清掃期間の散布頻度及び散布時間に従う。
【0064】
ロボット100は、部屋465の領域480に入ると、第二清掃期間を開始し、900〜1600mm(約35.43〜約63インチ、又は約3〜約5フィート)移動する毎に0.5秒間散布する。この相対的に低頻度及び短時間の散布により、清掃パッドを過剰に濡らすことなく濡れた状態が維持され、これにより、いくつかの例においては、浮き上がったデブリを含み得る清掃液を更に吸収することが防止され得る。
【0065】
図に示されているように、領域480の地点491では、ロボット100は、アイランドキッチン492といった直線状の端部を有する障害物に遭遇する。ロボット100がアイランドキッチン492の直線状の端部に到達すると、ナビゲーション挙動が蔓状及びコーンローパターンから直進パターンに切り替わる。ロボット100は、直進パターンに対応する散布スケジュールにおける時間及び頻度に従って散布する。
【0066】
ロボット100は、直進パターン散布スケジュールにおける、清掃作業中にロボット100が散布した総合計散布回数に対応する作業期間を実行する。ロボット100は散布回数を記録することができるため、直進パターン散布スケジュールにおける、ロボット100が地点491に到達するまでに散布した回数に相当する作業期間を選択することができる。例えば、ロボット100が地点491に到達した時点で36回散布している場合、次の散布は37回目であり、37回目に対応する直進パターン散布スケジュールに分類される。
【0067】
ロボット100は、直進パターンを実行し、領域490に含まれる軌道467に沿って孤立部492の近傍を移動する。ロボット100は、37回目の散布に相当する作業期間、すなわち表3に示す直進パターン散布スケジュールにおける第二清掃期間も実行することができる。従って、ロボット100は、アイランドキッチン492の端部に沿って直進しながら、400〜750mm(15.75〜29.53インチ)移動する毎に0.6秒間液体を塗布する。直進パターンでは蔓状パターンより短い距離しかカバーされないため、いくつかの実施例においては、ロボット100が直進パターンにおいて塗布する清掃液の量は、蔓状パターンにおいて塗布する清掃液の量よりも少ない。
【0068】
ロボット100がアイランドキッチン492の周縁を移動しながら10回散布すると仮定すると、地点493で蔓状及びコーンローパターンを用いた床の清掃に戻る時点では、清掃作業における47回目の散布となる。地点493において、ロボット100は、47回目の散布を蔓状及びコーンローパターン散布スケジュールに従って実行するため、ロボット100は第二清掃期間に戻る。従って、ロボット100は、部屋465の領域495に含まれる軌道467に沿って900〜1600mm(約35.43〜約63インチ、又は約3〜約5フィート)移動する毎に散布する。
【0069】
ロボット100は、65回目の散布までは第二清掃期間を実行し続け、65回目の散布の時点から、蔓状及びコーンローパターン散布スケジュールにおける仕上げ期間の実行を開始する。ロボット100は、約1200−2250mm移動する毎に0.5秒間液体を塗布する。このより低頻度かつより少量の散布は、清掃パッド120が完全に飽和し、床面10から埃やデブリを取り除くのを妨げる蒸発やその他の乾燥を補完するのに十分な量の清掃液を吸収すればよいという段階である、清掃作業の最終段階に対応し得る。
【0070】
上記の例では、ロボットによって識別された清掃パッドのタイプに基づいて液体塗布及び/又は清掃パターンが変更されているが、他の要素が追加的に変更されてもよい。例えば、特定のパッドタイプでの清掃を補助するために、ロボットは振動を与えることができる。振動は、表面張力を解いて動きを補助すると言われており、振動無し(例えば拭き取りだけ)の場合よりも汚れをよく分解するため、振動は清掃の助けになり得る。例えば、濡れたパッドで清掃する場合は、パッドホルダはパッドを振動させ得る。乾燥した布で清掃する場合は、振動によってパッドから埃や毛が除去されてしまう可能性があるため、パッドホルダは振動しなくてもよい。従って、ロボットは、パッドを識別し、パッドタイプに基づいてパッドを振動させるかを判断してもよい。また、ロボットは、振動の周波数、振動の範囲(例えば、床に平行な軸に対するパッドの移動量)、及び/又は振動の軸(例えば、ロボットの移動方向に対して垂直な軸、ロボットの移動方向に対して平行な軸、又はロボットの移動方向に対して平行でも垂直でもない別の角度の軸)を変更してもよい。
【0071】
いくつかの実施例において、使い捨てウェットパッド及び使い捨てダンプパッドは、あらかじめ清掃溶剤、抗菌溶剤、及び/又は香料で湿らせ及び/又は満たされている。使い捨てウェットパッド及び使い捨てダンプパッドは、あらかじめ湿らせ及び/又は満たされていてもよい。
【0072】
別の実施例においては、使い捨てパッドはあらかじめ湿らせておらず、積層された層は木材パルプを含む。使い捨てパッドのエアレイド(airlaid)層は、木材パルプとポリプロピレンやポリエチレンといった結合剤を含んでもよく、この共同形成配合は、純木材パルプよりも密度が低く、従って水の保持力に優れている。使い捨てパッドのある実施例においては、ラップはポリプロピレン及び木材パルプを含むスパンボンド材であり、ラップ層は、ポリプロピレンメルトブローン層で覆われている。メルトブローン層は、埃や水分をパッド内に引っ張り上げる、親水性湿潤剤で処理されたポリプロピレンから形成されてもよく、いくつかの実施例においては、スパンボンドラップは、更に、ラップを飽和させずに、液体がメルトブローン層によってラップを通して上方のエアレイド層内に引き上げられるよう、疎水性となっている。ダンプパッドといった他の実施例においては、メルトブローン層は親水性湿潤剤で処理されていない。例えば、使い捨てパッドをロボットのダンプパッドモードで使用することは、床に少量の液体しか散布されないため床材が硬木であるユーザにとって望ましい可能性があり、この場合は使い捨てパッドには少量の液体しか吸収されない。エアレイド層への急速な引き上げは、この使用方法においてはそれほど重要ではない。
【0073】
いくつかの実施例において、使い捨てパッドは、木材パルプ、又は木材パルプとポリプロピレンやポリエチレンといった結合剤との共同形成混合材からなるエアレイド層を有するドライパッドである。ドライパッドは、使い捨てウェット/ダンプパッドと異なり、液体吸収による圧縮が生じないパッド上をロボットが最適な高さで移動できるよう、より薄く、使い捨てウェット/ダンプパッドよりもエアレイド層の量が少ないものであり得る。使い捨てドライパッドのいくつかの実施例において、ラップはスパンボンドニードルパンチ材であり、ごみ、埃、及び他のデブリをパッドに拘束し、ロボットが掃除を完了させている間に落ちないようにするのを補助するドラカソル(drakasol)といったミネラルオイルで処理されていてもよい。ラップは、同じ理由で静電処理されてもよい。
【0074】
いくつかの実施例において、ウォッシャブル清掃パッドは、パッドホルダと係合するための再利用可能なプラスチック製裏打ちが取り付けられたマイクロファイバーパッドである。
【0075】
いくつかの実施例において、パッドはメラミンフォームパッドである。
制御システム
【0076】
図5を参照すると、ロボットの制御システム500は、駆動システム510を操作する制御回路505(本明細書においては、「制御部」とも呼ぶ)と、清掃システム520と、パッド識別システム534を有するセンサシステム530と、挙動システム540と、ナビゲーションシステム550と、メモリ560とを含む。
【0077】
駆動システム510は、x、y、及びθ成分を有する駆動指示に基づいてロボット100を床面10上で動かす車輪を含み得る。駆動システム510の車輪は、床面上でロボット本体を支持する。制御部505は、更に、ロボット100を床面上で動かすよう構成されたナビゲーションシステム550を操作してもよい。ナビゲーションシステム550によるナビゲーション指示は、メモリ560に保存され得るナビゲーション挙動及び散布スケジュールを選択する挙動システム540に基づいている。ナビゲーションシステム550は、駆動指示を判断して駆動システム510に送るために、センサシステム530と通信し、衝突センサ、加速度計、及びロボットの他のセンサを利用する。
【0078】
センサシステム530は、加えて、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、及び車輪(例えば、
図1Bに示す車輪121)用のロータリーエンコーダを含み得る。制御部505は、3軸加速度計から検出した線形加速をx及びy方向の滑りの推定にも用いることができ、3軸ジャイロスコープを進行方向又はθ方向の滑りの推定に用いることができる。従って、制御部505は、ロータリーエンコーダ、加速度計、及びジャイロスコープから収集されたデータを組み合わせ、ロボット100の基本的な体勢(例えば、位置及び方向)を推定することができる。いくつかの実施例において、ロボット100は、ロボット100がコーンローパターンを実行する際に基本的に平行な列上に居続けるようにするために、エンコーダ、加速度計、及びジャイロスコープを用いることができる。加えて、ジャイロスコープ及びロータリーエンコーダは、組み合わせて、ロボット100が置かれている環境内におけるロボット100の位置を判断するための推測航法アルゴリズムに用いることができる。
【0079】
制御部505は、清掃システム520を操作し、ある頻度である時間の散布を実行させる散布指示を起動させる。散布指示は、メモリ560に保存されている散布スケジュールに従って発行され得る。
【0080】
メモリ560には、更に、清掃作業中にロボットに取り付けられ得る清掃パッドの特定のタイプに対応する散布スケジュール及びナビゲーション挙動が保存され得る。センサシステム530のパッド識別システム534は、ロボットに取り付けられた清掃パッドのタイプを判断するために清掃パッドの特徴を検出するセンサを含む。制御部505は、検出された特徴に基づいて清掃パッドのタイプを判断することができる。パッド識別システム534は、以下で詳細に説明する。
【0081】
いくつかの例において、ロボットは、ロボットの非一時的メモリ560、又は清掃走行中に有線又は無線手段によってロボットがアクセス可能な外部記憶媒体に保存されたマップに保存したカバレッジ位置に基づいて、どこに行ったかを知ることができる。センサは、空間のマップを構築するためのカメラ及び/又は一つ以上の測距レーザを含んでもよい。いくつかの例において、制御部505は、清掃液の塗布に先駆けて、障害物及び/又は床材変化から十分離れてロボットを配置し散布体勢をとるために、壁、家具、床材変化及びその他の障害物のマップを用いる。この構成は、既知の障害物が無い床面の領域に液体を塗布する際に有利である。
パッド識別システム
【0082】
パッド識別システム534は、ロボットの底面に取り付けられた清掃パッドのタイプをロボットに識別させるために用いられるパッド識別スキームのタイプによって異なり得る。以下では、様々な異なるタイプのパッド識別スキームについて説明する。
離散識別配列
【0083】
図6Aを参照すると、清掃パッド600は、取付面602と清掃面604とを含む。清掃面604は、清掃パッド600の底面に相当し、基本的には清掃パッドにおける床面に接し床面を清掃する面である。清掃パッド600のカード裏打ち606は、ユーザがロボットのパッドホルダに挿入することができる取付板として機能する。取付面602は、カード裏打ち606の天面に相当する。ロボットは、ロボットに取り付けられた清掃パッドのタイプを識別するためにカード裏打ち606を利用する。カード裏打ち606は、取付面602に付けられた識別配列603を含む。識別配列603は、ユーザが二つの向きのいずれからでもロボット(例えば、
図1A−1Bに示すロボット100)に清掃パッド600を挿入できるよう、対称的に複製されている。
【0084】
識別配列603は、ユーザがロボットに取り付けた清掃パッドのタイプを識別するためにロボットが利用することができる、取付面602における被検出部である。識別配列603は、ある有限個の離散状態を有してもよく、ロボットは、識別配列603を検出し、識別配列603がどの離散状態を示しているかを判断する。
【0085】
図6Aに示す例では、識別配列603は3つの識別要素608a−608cを含み、それらが組み合わさって識別配列603の離散状態が規定されている。各識別要素608a−608cは左ブロック610a−610cと右ブロック612a−612cとを含み、ブロック610a−610c、612a−612cは、カード裏打ち606の色と対照的な色のインク(例えば、暗い色のインクや明るい色のインク)を含み得る。インクの有無に基づいて、ブロック610a−610c、612a−612cは、暗状態又は明状態のいずれかの状態であり得る。従って、識別要素608a−608cは、明−明状態、明−暗状態、暗−明状態、及び暗−暗状態の4つの状態のうちの一つの状態であり得る。従って、識別配列603は64の離散状態を有する。
【0086】
左ブロック610a−610c及び右ブロック612a−612cの各々は、(例えば製造段階において)暗状態又は明状態に設定することができる。一つの実施例においては、各ブロックは、ブロックの領域内における暗い色のインクの有無によって、暗状態又は明状態に設定される。ブロックは、カード裏打ち606上のブロックで規定される領域が、その周囲のカード裏打ち606の材料よりも暗い色のインクで着色された場合、暗状態となる。ブロックは、カード裏打ち606が着色されておらず、カード裏打ち606の色のままである場合は、基本的には明状態である。その結果、典型的には、明るいブロックは暗いブロックよりも高い反射率を有することになる。ブロック610a−610c、612a−612cは、暗い色のインクの有無によって明状態又は暗状態に設定されると説明したが、いくつかの場合においては、製造段階で、カード裏打ちの色が明るくなるようにカード裏打ちを漂白するか、カード裏打ちを明るい色のインクで着色することで、カード裏打ちを明状態に設定することができる。従って、明状態のブロックは、周囲のカード裏打ちより高い輝度を有することになる。
図6Aにおいては、右ブロック612a、右ブロック612b、及び左ブロック610cは暗状態となっている。左ブロック610a、左ブロック610b、及び右ブロック612cは明状態となっている。いくつかの場合においては、暗状態と明状態は、実質的に異なる反射率を有し得る。例えば、暗状態は明状態よりも20%、30%、40%、50%等だけ反射率が低い。
【0087】
従って、各識別要素608a−608cの状態は、それらを構成するブロック610a−610c、612a−612cの状態によって判断することができる。各要素は、以下の4つの状態のうちの一状態を有すると判断され得る。
1.左ブロック610a−610cが明状態であり、右ブロック612a−612cが明状態である明−明状態。
2.左ブロック610a−610cが明状態であり、右ブロック612a−612cが暗状態である明−暗状態。
3.左ブロック610a−610cが暗状態であり、右ブロック612a−612cが明状態である暗−明状態。
4.左ブロック610a−610cが暗状態であり、右ブロック612a−612cが暗状態である暗−暗状態。
図6Aにおいて、識別要素608aは明−暗状態であり、識別要素608bは明−暗状態であり、識別要素608cは暗−明状態である。
【0088】
図6A−6Cに関して説明する実施例においては、明−明状態は、清掃パッド600がロボット100に正しく取り付けられているか、及び清掃パッド600がロボット100に対して移動したかを制御部505が判断するために用いられるエラー状態として確保され得る。例えば、いくつかの場合においては、使用中にロボット100が回転した際に清掃パッド600が水平方向に動く可能性がある。ロボット100が識別配列603ではなくカード裏打ち606の色を検出した場合、ロボット100は、その検出は清掃パッドが移動したことを意味すると解釈することができる。暗−暗状態も、単に左ブロック610a−610cの反射率と右ブロック612a−612cの反射率とを比較して識別要素608a−608cの状態を判断するという識別アルゴリズムをロボットに実行させるために、以下に説明する実施例では使用されていない。比較に基づいた識別アルゴリズムを用いて清掃パッドを識別するために、識別要素608a−608cは、明−暗状態及び暗−明状態の2つの状態の何れかであり得るビットとして機能する。エラー状態と暗−暗状態を含め、識別配列603は4
3個又は64個の状態のうちの一つを有し得る。エラー状態及び暗−暗状態を除くと、識別要素608a−608cは二つの状態を有し、従って識別配列603は2
3個又は8個の状態のうちの一つを有し得る。
【0089】
図6Bを参照すると、ロボットは、パッドホルダ本体622と、識別配列603を検出して識別配列603の状態を判断する際に用いられるパッドセンサアセンブリ624とを有するパッドホルダ620を含み得る。パッドホルダ620は、(
図2A−2C及び
図3A−3Dに示すパッドホルダ300及び清掃パッド120に関して説明したように)
図6Aに示す清掃パッド600を保持する。
図6Cを参照すると、パッドホルダ620は、回路基板626を収納するパッドセンサアセンブリハウジング625を含む。締結部材628a−628bは、パッドセンサアセンブリ624とパッドホルダ本体622とを連結する。
【0090】
回路基板626は(
図5に関して説明した)パッド識別システム534の一部であり、エミッタ/検出器アレイ629と制御部505とを電気的に接続する。エミッタ/検出器アレイ629は、左エミッタ630a−630c、検出器632a−632c、及び右エミッタ634a−634cを含む。各識別要素608a−608cに対し、左エミッタ630a−630cは識別要素608a−608cの左ブロック610a−610cを照射するよう配置され、右エミッタ634a−634cは識別要素608a−608cの右ブロック612a−612cを照射するよう配置され、検出器632a−632cは左ブロック610a−610c及び右ブロック612a−612cに入射した光の反射光を検出するよう配置されている。制御部(例えば、
図5に示す制御部505)が左エミッタ630a−630c及び右エミッタ634a−634cを起動すると、エミッタ630a−630c、634a−634cは実質等しい波長(例えば、500nm)の光を発する。検出器632a−632cは、光(例えば、可視光や赤外線)を検出し、検出した光の照度に対応する信号を生成する。エミッタ630a−630c、634a−634cからの光はブロック610a−610c、612a−612cで反射され、検出器632a−632cは反射された光を検出する。
【0091】
整列ブロック633は、識別配列603上でエミッタ/検出器アレイ629を整列させる。具体的には、整列ブロック633は、左エミッタ630a−630cをそれぞれ左ブロック610a−610c上で整列させ、右エミッタ634a−634cをそれぞれ右ブロック612a−612c上で整列させ、検出器632a−632cを左エミッタ630a−630c及び右エミッタ634a−634cから等距離に位置するよう整列させる。整列ブロック633の窓635は、エミッタ630a−630c、634a−634cが発する光を取付面602の方向に向かわせる。窓635は、検出器632a−632cが取付面602で反射した光を受信することも可能にする。いくつかの場合においては、窓635は、エミッタ/検出器アレイ629を、水分、異物(例えば、清掃パッドの繊維)、及びデブリから保護するために(例えば、プラスチック樹脂で)埋められている。左エミッタ630a−630c、検出器632a−632c、及び右エミッタ634a−634cは、清掃パッドがパッドホルダ620に取り付けられた場合に、左エミッタ630a−630c、検出器632a−632c、及び右エミッタ634a−634cが取付面602から等距離となるよう、整列ブロックによって規定される面に沿って配置されている。左エミッタ630a−630c、検出器632a−632c、及び右エミッタ634a−634cの位置は、ブロックで反射された光の照度を計測する際の距離の影響が最小限に抑えられるよう、エミッタ及び検出器から左及び右ブロック610a−610c、612a−612cまでの距離の違いが最小限に抑えられる位置が選択される。その結果、ブロック610a−610c、612a−612cを暗状態とするために塗布されるインクの暗さ及びカード裏打ち606の自然の色が、各ブロック610a−610c、612a−612cの反射率に影響を与える主な要因となる。
【0092】
検出器632a−632cは、左エミッタ630a−630c及び右エミッタ634a−634cから等距離の位置にあると説明したが、検出器はまた、若しくは代替的に、左ブロック及び右ブロックから等距離となるよう配置してもよいことが理解されよう。例えば、検出器は、検出器から左ブロックの右端までの距離が、右ブロックの左端までの距離と等しくなるよう配置され得る。
【0093】
図6Aを参照すると、パッドセンサアセンブリハウジング625は、清掃パッド600がパッドホルダ620に挿入された状態においてパッドセンサアセンブリ624を識別配列603の真上に整列させる検出窓640を規定する。検出窓640は、エミッタ630a−630c、634a−634cによって発せられた光が識別配列603の識別要素608a−608cを照射することを可能にする。検出窓640は、検出器632a−632cが識別要素608a−608cで反射した光を検出することも可能にする。検出窓640は、清掃パッド600がパッドホルダに取り付けられた際に、エミッタ/検出器アレイ629が清掃パッド600の取付面602に近接して配置されるよう、整列ブロック633を受け入れ可能な寸法及び形状とすることができる。各エミッタ630a−630c、634a−634cは、左ブロック610a−610c又は右ブロック612a−612cの一方の真上に位置させることができる。
【0094】
使用中に、検出器632a−632cは、エミッタ630a−630c、634a−634cによって発せられた光の反射の照度を判断することができる。左ブロック610a−610c及び右ブロック612a−612cに入射した光は検出器632a−632cに向かって反射し、検出器632a−632cは、反射された光の照度を判断するために制御部が処理し用いることが可能な信号(例えば、電流又は電圧の変化)を生成する。制御部は、エミッタ630a−630c、634a−634cを独立して起動させることができる。
【0095】
ユーザが清掃パッド600をパッドホルダ620に挿入した後、ロボットの制御部は、パッドホルダ620に挿入されたパッドのタイプを判断する。前述したように、清掃パッド600は、取付面602がエミッタ/検出器アレイ629の方向を向いている限り清掃パッド600をいずれの水平な方向からでも挿入可能となるよう、識別配列603と、識別配列603と対称な配列とを有する。清掃パッド600がパッドホルダに挿入されると、取付面602は、整列ブロック633から水分、異物、及びデブリを拭き取ることができる。識別配列603は、識別要素608a−608cの状態に基づいて、挿入されたパッドのタイプに関する情報を提供する。メモリ560には、典型的には、識別配列603がとり得る各状態を特定の清掃パッドタイプと関連付けるデータがあらかじめ保存されている。例えば、メモリ560は、(暗−明、暗−明、明−暗)という状態を有する三要素識別配列をダンプモッピング清掃パッドに関連付けることができる。ロボット100は、表1を参照し、ダンプモッピング清掃パッドと関連づけられている、保存されている清掃モードに基づいて、ナビゲーション挙動及び散布スケジュールを選択する形で応答する。
【0096】
図6Dも参照すると、制御部は識別配列アルゴリズムを開始し、識別配列603から提供される情報を検出し処理する。ステップ655では、制御部は左エミッタ630aを起動し、左エミッタ630aは左ブロック610aに向けた光を発する。光は左ブロック610aで反射する。ステップ660では、制御部は、検出器632aによって生成された第一信号を受信する。制御部は、検出器632aによる反射した光の照度の検出を可能にする時間(例えば、10ms、20ms、又はそれ以上)の間、左エミッタ630aを起動する。検出器632aは、反射した光を検出し、左エミッタ630aによって発せられ反射した光の照度に対応する強度を有する第一信号を生成する。従って、第一信号は、左ブロック610aの反射率及び左ブロック610aで反射した光の照度を示す。いくつかの例において、より高い照度を検出するとより強い信号が生成される。信号は制御部に送信され、制御部は第一信号の強度と比例する照度の絶対値を判断する。制御部は、第一信号を受信した後、左エミッタ630aを停止させる。
【0097】
ステップ665では、制御部は右エミッタ634aを起動し、右エミッタ634aは右ブロック612aに向けた光を発する。光は右ブロック612aで反射する。ステップ670では、制御部は、検出器632aによって生成された第二信号を受信する。制御部は、検出器632aによる反射光の照度の検出を可能にする時間の間、右エミッタ634aを起動する。検出器632aは、反射光を検出し、右エミッタ634aによって発せられ反射した光の照度に対応する強度を有する第二信号を生成する。従って、第二信号は、右ブロック612aの反射率及び右ブロック612aで反射した光の照度を示す。いくつかの例において、より高い照度を検出するとより強い信号が生成される。信号は制御部に送信され、制御部は第一信号の強度と比例する照度の絶対値を判断する。制御部は、第二信号を受信した後、右エミッタ634aを停止させる。
【0098】
ステップ675では、制御部は、測定した左ブロック610aの反射率を測定した右ブロック612aの反射率と比較する。第一信号の方が高い反射光の照度を示している場合、制御部は、左ブロック610aは明状態であり、右ブロック612aは暗状態であると判断する。ステップ680では、制御部は、識別要素の状態を判断する。上述した例の場合、制御部は、識別要素608aは明−暗状態であると判断する。第一信号が低い反射光の照度を示している場合、制御部は、左ブロック610aは暗状態であり、右ブロック612aは明状態であると判断する。従って、識別要素608aは暗−明状態である。制御部は単純にブロック610a、612aの測定した反射率の絶対値を比較するため、識別要素608a−608cの状態の判断は、例えば、暗状態に設定されたブロックに塗布されたインクの暗さの微妙な違いや、エミッタ/検出器アレイ629及び識別配列603の整列度合の微妙な違いから保護される。
【0099】
左ブロック610aと右ブロック612aが異なる反射率を有すると判断するために、第一信号と第二信号は、一方が暗状態でありもう一方が明状態であると制御部が判断するのに十分な程度に左ブロック610aの反射率と右ブロック612aの反射率が異なることを示す閾値分異なる。閾値は、暗状態のブロックの予測される反射率と明状態のブロックの予測される反射率に基づいて決定され得る。閾値には、周囲の光環境も考慮され得る。ブロック610a−610c、612a−612cの暗状態を規定する暗いインクは、暗状態と明状態に十分な差を出すように選択してもよく、カード裏打ち606の色に基づいて規定され得る。いくつかの場合において、制御部は、第一信号と第二信号の差が、識別要素608a−608cが明−暗状態又は暗−明状態であるとの結論を出すのに十分でないと判断し得る。制御部は、(上述したような)非決定的な比較結果をエラー状態であると解釈することでこのようなエラーを認識するようプログラムされ得る。例えば、清掃パッド600が正しく取り付けられていない状態や、清掃パッド600がパッドホルダ620からずり落ちて識別配列603が正しくエミッタ/検出器アレイ629と整列されていない状態があり得る。清掃パッド600がパッドホルダ620からずり落ちたことを検出した際に、制御部は、清掃作業を中止するか、清掃パッド600がパッドホルダ620からずり落ちていることをユーザに示すことができる。一つの例では、ロボット100は、清掃パッド600がずり落ちていることを示す警告(例えば、可聴警告や可視警告)を発することができる。いくつかの場合においては、制御部は、清掃パッド600がパッドホルダ620に正しく取り付けられた状態のままであるかを定期的(例えば、10ms毎、100ms毎、1s毎等)に確認することができる。その結果、左エミッタ630a−630c及び右エミッタ634a−634cの両方が単にカード裏打ち606のインクが塗布されていない部分を照射しているために、検出器632a−632cが受信した反射光によって、同等の照度測定値が生成され場合がある。
【0100】
制御部は、ステップ655、660、665、670、及び675を実行後、これらのステップを識別要素608b及び識別要素608cに対して繰り返し、それぞれの識別要素の状態を判断することができる。識別配列603の全ての要素に対するこれらのステップの実行完了後、制御部は識別配列603の状態を判断することができ、判断した状態から、(i)あるタイプの清掃パッドがパッドホルダ620に挿入されたと判断するか、(ii)清掃パッドエラーが発生したと判断する。ロボット100が清掃作業を実行している間、制御部は、清掃パッド600がパッドホルダ620上の所望の位置からずれていないことを確認するために、継続的に識別配列アルゴリズム650を繰り返すこともできる。
【0101】
制御部が各ブロック610a−610c、612a−612cの反射率を判断する順序が異なり得ることは理解されよう。いくつかの場合においては、各識別要素608a−608cに対してステップ655、660、665、670、及び675を繰り返す代わりに、制御部は、全ての左エミッタを同時に起動し、検出器によって生成された第一信号を受信し、全ての右エミッタを同時に起動し、検出器によって生成された第二信号を受信し、次いで第一信号と第二信号を比較する。他の実施例においては、制御部は、左ブロックのそれぞれを順に照射し、次いで右ブロックのそれぞれを順に照射する。制御部は、左ブロック及び右ブロックに対応する信号を受信した後に、左ブロックと右ブロックの比較を行うことができる。
【0102】
エミッタ及び検出器は、更に、可視光領域(例えば、400nmから700nm)の内外の光の他の波長も照射及び検出可能に構成されてもよい。例えば、エミッタは、紫外線領域(例えば、300nmから400nm)又は遠赤外線領域(例えば、15マイクロメーターから1mm)の光を発してもよく、検出器は同等の領域の光を検出可能であってもよい。
カラー識別マーク
【0103】
図7Aを参照すると、清掃パッド700は、取付面702と、清掃面704と、カード裏打ち706とを含む。清掃パッド700は基本的には上述したパッドと同じであるが、識別マークが異なっている。カード裏打ち706は、単色識別マーク703を含む。識別マーク703は、ユーザが二つの向きのいずれからでもロボット(例えば、
図1A−1Bに示すロボット100)に清掃パッド700を挿入できるよう、長手方向軸及び縦方向軸に関して対称に複製されている。
【0104】
識別マーク703は、ユーザがロボットに取り付けた清掃パッドのタイプをロボットが識別するために利用することができる、取付面702における被検出部である。識別マーク703は、カード裏打ち706の取付面702に(例えば、清掃パッド700の製造段階において)カラーインクでマーキングすることで形成される。カラーインクは、異なるタイプの清掃パッドを一意的に識別するために用いられる、様々な色のうちの一つであり得る。その結果、ロボットの制御部は、識別マーク703を用いて清掃パッド700のタイプを識別することができる。
図7Aは、取付面702に塗布されたインクで形成される、円形のドット状の識別マーク703を示す。識別マーク703は単色であると説明したが、他の実施例では、異なる色度のドットからなるドットパターンを含み得る。識別マーク703は、識別マーク703の色度、反射率、又は他の光学的特徴を差別化することが可能な異なるタイプのパターンを含み得る。
【0105】
図7B及び7Cを参照すると、ロボットは、パッドホルダ本体722と、識別マーク703を検出する際に用いられるパッドセンサアセンブリ724とを有するパッドホルダ720を含み得る。パッドホルダ720は(
図2A−2C及び
図3A−3Dに示すパッドホルダ300に関して説明したように)清掃パッド700を保持する。パッドセンサアセンブリハウジング725は、光検出器728を含む回路基板726を収納する。識別マーク703は、識別マーク703で反射した光を光検出器728に検出可させるのに十分なサイズを有する(例えば、識別マークは約5mmから約50mmの直径を有する)。パッドセンサアセンブリハウジング725は、更にエミッタ730を収納する。回路基板726は(
図5に関して説明した)パッド識別システム534の一部であり、検出器728及びエミッタを制御部に電気的に接続する。検出器728は光を検出可能であり、検出した光の赤、緑、及び青色成分を測定する。以下に説明する実施例においては、エミッタ730は三つの異なるタイプの光を発することができる。エミッタ730は可視光領域の光を発することができるが、別の実施例においては、エミッタ730は赤外線領域や紫外線領域の光を発してもよいことが理解されよう。例えば、エミッタ730は、約623nm(例えば、590nmから720nmの間)の波長の赤色光、約518nm(例えば、480nmから600nmの間)の波長の緑色光、及び約466nm(例えば、400nmから540nmの間)の波長の青色光を発し得る。検出器728は、赤、緑、及び青に対応するスペクトル領域をそれぞれ検出可能な、三つの個別のチャンネルを有し得る。例えば、第一チャンネル(赤チャンネル)は590nmから720nmの間の波長の赤色光を検出可能なスペクトル応答領域を有し、第二チャンネル(緑チャンネル)は480nmから600nmの間の波長の緑色光を検出可能なスペクトル応答領域を有し、第三チャンネル(青チャンネル)は400nmから540nmの間の波長の青色光を検出可能なスペクトル応答領域を有し得る。検出器728の各チャンネルは、反射光に含まれる赤、緑、又は青成分の量に対応する出力を生成する。
【0106】
パッドセンサアセンブリハウジング725は、エミッタ用窓733及び検出器用窓734を規定する。エミッタ730は、エミッタ730の起動によってエミッタ730がエミッタ用窓733を通して光を発するよう、エミッタ用窓733に対して整列されている。検出器728は、検出器用窓734を通過した光を検出器728が受信できるよう、検出器用窓734に対して整列されている。いくつかの場合においては、窓733、734は、エミッタ730及び検出器728を、水分、異物(例えば、清掃パッド700の繊維)、及びデブリから保護するために(例えば、プラスチック樹脂で)埋められている。清掃パッド700がパッドホルダ720に挿入されると、識別マーク703は、エミッタ730によって発せられた光がエミッタ用窓733を通り、識別マーク703を照射し、識別マーク703で反射し、検出器用窓734を通って検出器728に到達するよう、パッドセンサアセンブリ724の下に配置される。
【0107】
別の実施例においては、パッドセンサアセンブリハウジング725は、余剰を提供するために、追加のエミッタ及び検出器用に追加のエミッタ用窓及び検出器用窓を含み得る。清掃パッド700は、それぞれが対応するエミッタ及び検出器を有する二つ以上の識別マーク703を有し得る。
【0108】
エミッタ730が発する光のそれぞれに対し、検出器728の各チャンネルが識別マーク703で反射した光を検出し、光の検出に応答して、光の赤、緑、及び青成分の量に対応する出力を生成する。識別マーク703に入射した光は検出器728の各チャンネルに向かって反射し、各チャンネルは、次いで、反射光に含まれる赤、緑、及び青成分の量を判断するために制御部が処理し用いることが可能な信号(例えば、電流又は電圧の変化)を生成する。検出器728は、次いで、検出器の出力を伝達する信号を送信することができる。例えば、検出器728は、赤チャンネルの出力に対応する要素R、緑チャンネルの出力に対応する要素G、及び青チャンネルの出力に対応する要素Bからなるベクトル(R,G,B)の形式で信号を送信することができる。
【0109】
エミッタ730が発する光の数及び検出器728のチャンネル数によって、識別マーク703の識別次数が決定される。例えば、二つの発光と二つの検出チャンネルにより4次識別が可能である。別の実施例においては、二つの発光と三つの検出チャンネルにより6次識別が可能である。上述した実施例においては、三つの発光と三つの検出チャンネルにより9次識別が可能である。より高次の識別はより正確だが、計算量は多くなる。エミッタ730は三つの異なる波長の光を発すると説明したが、他の実施例においては、発することができる光の数は異なり得る。識別マーク703の色の分類に高い信頼性が要求される実施例では、色判断の信頼性を向上させるために追加の異なる波長の光が発せられ検出され得る。速い計算及び計測が要求される実施例では、計算量及び識別マーク703のスペクトル応答の測定に要する時間を減らすために、より少ない数の光が発生られ検出され得る。一つの光源と一つの検出器を識別マーク703の識別に用いることができるが、誤認が多くなる可能性がある。
【0110】
ユーザが清掃パッド700をパッドホルダ720に挿入した後、ロボットの制御部は、パッドホルダ720に挿入されたパッドの種類を判断する。上述したように、清掃パッド700は、取付面702がパッドセンサアセンブリ724の方向を向いている限り、いずれの水平な方向からでも挿入可能である。清掃パッド700がパッドホルダ720に挿入されると、取付面702は、窓733、734から水分、異物、及びデブリを拭き取ることができる。識別マーク703は、識別マーク703の色に基づいて、挿入されたパッドのタイプに関する情報を提供する。
【0111】
制御部のメモリは、典型的には、清掃パッド700の取付面702の識別マークとして用いられる予定のインクの色に対応する色の索引があらかじめ保存されている。色の索引に含まれる特定の色のインクは、エミッタ730によって発せられる光の色のそれぞれに対応する、(R,G,B)ベクトルの形式のスペクトル応答情報を有し得る。例えば、色の索引に含まれる赤色インクは、三つの識別用応答ベクトルを有し得る。第一ベクトル(赤色ベクトル)は、エミッタ730により発せられ赤色インクで反射した赤色光に対する検出器728のチャンネルの応答に対応する。第二ベクトル(青色ベクトル)は、エミッタ730により発せられ赤色インクで反射した青色光に対する検出器728のチャンネルの応答に対応する。第三ベクトル(緑色ベクトル)は、エミッタ730により発せられ赤色インクで反射した緑色光に対する検出器728のチャンネルの応答に対応する。清掃パッド700の取付面702の識別マークに用いられる予定のインクの色はそれぞれ、上述した三つの応答ベクトルに対応する、異なる特有の関連付けられた性質を有する。応答ベクトルは、カード裏打ち706と同等の材質に塗布した特定の色のインクに対して繰り返し試験を行うことで収集することができる。索引にあらかじめ保存するカラーインクは、色を誤認する確率を低減するために、光スペクトル上で互いに遠い位置にあるものを選択し得る(例えば、紫、緑、赤、及び黒)。あらかじめ規定されたカラーインクは、特定の清掃パッドタイプに対応する。
【0112】
図7Dも参照すると、制御部は、識別マーク703により提供される情報を検出し処理するために、識別マークアルゴリズム750を開始する。ステップ755では、制御部はエミッタ730を起動し、識別マーク703に向けて照射する赤色光を生成させる。赤色光は、識別マーク703で反射する。
【0113】
ステップ760では、制御部は、検出器728の三つのカラーチャンネルにより測定された(R,G,B)ベクトルを含む、検出器728により生成された第一信号を受信する。検出器728の三つのチャンネルは、識別マーク703で反射した光に応答し、赤、緑、及び青のスペクトル応答を測定する。検出器728は、次いでこれらのスペクトル応答の数値を含む第一信号を生成し、第一信号を制御部に送信する。
【0114】
ステップ765では、制御部はエミッタ730を起動し、識別マーク703に向けて照射する緑色光を生成させる。緑色光は、識別マーク703で反射する。
【0115】
ステップ770では、制御部は、検出器728の三つのカラーチャンネルにより測定された(R,G,B)ベクトルを含む、検出器728により生成された第二信号を受信する。検出器728の三つのチャンネルは、識別マーク703で反射した光に応答し、赤、緑、及び青のスペクトル応答を測定する。検出器728は、次いでこれらのスペクトル応答の数値を含む第二信号を生成し、第二信号を制御部に送信する。
【0116】
ステップ775では、制御部はエミッタ730を起動し、識別マーク703に向けて照射する青色光を生成させる。青色光は、識別マーク703で反射する。ステップ780では、制御部は、検出器728の三つのカラーチャンネルにより測定された(R,G,B)ベクトルを含む、検出器728により生成された第三信号を受信する。検出器728の三つのチャンネルは、識別マーク703で反射した光に応答し、赤、緑、及び青のスペクトル応答を測定する。検出器728は、次いでこれらのスペクトル応答の数値を含む第三信号を生成し、第三信号を制御部に送信する。
【0117】
ステップ785では、制御部は、ステップ760、770、及び780で受信した三つの信号に基づいて、識別マーク703とメモリに保存されている色の索引に含まれるカラーインクとの確率的一致を生成する。(R,G,B)ベクトルにより識別マーク703を規定するカラーインクが識別され、制御部は、三つのベクトルの組が色の索引に含まれるカラーインクに対応する確率を計算することができる。制御部は、色の索引に含まれる全てのカラーインクに対して確率を計算し、次いでカラーインクを確立が最も高いものから順にランク付けすることができる。いくつかの例において、制御部は、ベクトル処理を実行することで受信した信号を正規化する。いくつかの場合において、制御部は、ベクトルを索引に含まれるカラーインクとマッチングする前に、正規化したクロス積又はドット積を計算する。制御部は、例えば検出される識別マーク703の光学的特徴を歪め得る周囲の光といった、ノイズ源を考慮することができる。
【0118】
いくつかの場合においては、制御部は、最も高確率のカラーインクの確率が閾確率(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%)を超えている場合に限り、決断し一つの色を選択するようプログラムされ得る。閾確率を用いることで、パッドセンサアセンブリ724に対して識別マーク703が正しく整列されていないことを検出し、パッドホルダ720への清掃パッド700の装着エラーを防止することができる。例えば、清掃パッド700は、使用中にパッドホルダ720から外れて部分的にパッドホルダ720からずれ落ち、パッドセンサアセンブリ724による識別マーク703の検出を阻害する可能性がある。制御部がカラーインクの索引に含まれるカラーインクの確率を計算し、どの確率も閾確率を超えない場合、制御部は、パッド識別エラーが発生したと示すことができる。閾確率は、識別マークアルゴリズム750に要求される感度及び正確性に基づいて選択することができる。いくつかの実施例においては、どの確率も閾確率を超えないと判断すると、ロボットは警告を生成する。いくつかの場合においては、警告は、ロボットがその場で停止し及び/又はロボット上で光を点灯させる、可視警告である。別の場合においては、ロボットにエラーが発生していることを伝える言語警告を発することも可能な可聴警告である。可聴警告は、例えばアラームのような音の配列であってもよい。
【0119】
加えて又は代替的に、制御部は、算出された確率のそれぞれの誤差を計算することができる。最も高確率のカラーインクの誤差が閾誤差値より大きい場合、制御部は、パッド識別エラーが発生したと示すことができる。上述した閾確率と同様に、閾誤差値は清掃パッド700が正しく整列されていない状態や清掃パッド700の取付エラーを防止する。
【0120】
識別マーク703は、検出器728を用いて検出するのに十分な大きさを有するが、清掃パッド700がパッドホルダ720からずり落ちている場合に、識別マークアルゴリズム750によってパッド識別エラーが発生したことを示すことができるよう、十分小さい大きさとなっている。例えば、識別マークアルゴリズム750は、清掃パッド700の5%、10%、15%、20%、25%がパッドホルダ720からずり落ちた場合にエラーを示し得る。この場合、識別マーク703の寸法は、清掃パッド700の長さに対する所定の割合の寸法に対応し得る(例えば、識別マーク703は、清掃パッド700の長さの1%から10%の長さの直径を有し得る)。限定された範囲でしか識別マーク703を説明及び提示していないが、いくつかの場合においては、識別マーク703は単なるカード裏打ちの色であってもよい。カード裏打ちは全体が単色でもよく、異なる色のカード裏打ちのスペクトル応答が色の索引に保存されていてもよい。いくつかの場合においては、識別マーク703は円形ではなく正方形、長方形、三角形、又は他の光学的に検出可能な形状であり得る。
【0121】
識別マーク703の形成に用いるインクは単にカラーインクであると説明したが、いくつかの例においては、カラーインクは、制御部がインクを一意的に識別可能にし、それによって清掃パッドの一意的な識別も可能にする、追加の成分を含む。例えば、インクは、特定のタイプの光のもとで蛍光する蛍光マーカーを含んでもよく、蛍光マーカーは更にパッドのタイプの識別に用いることができる。インクは、検出器が検出可能な明確な位相シフトを反射光に生じさせるマーカーを含んでもよい。この例においては、制御部は、識別マークアルゴリズム750を識別処理及び認証処理の両方に用い、識別マーク703を用いて清掃パッドのタイプを識別し、次に蛍光マーカー又は位相シフトマーカーを用いて清掃パッドのタイプを認証することができる。
【0122】
別の実施例においては、同じタイプのカラーインクが異なるタイプの清掃パッドに用いられる。インクの量が清掃パッドのタイプによって異なり、光検出器が反射光の強度を検出することで、清掃パッドのタイプを識別することができる。
その他の識別構想
【0123】
図8A−8Fは、パッドホルダに取り付けられた清掃パッドのタイプをロボットの制御部が識別することを可能にする、検出可能な異なる特徴を有する清掃パッドを示す。
図8Aを参照すると、清掃パッド800Aの取付面802Aは、高周波識別(RFID)チップ803Aを含む。高周波識別チップは、使用中の清掃パッド800Aのタイプを一意的に区別する。ロボットのパッドホルダは、受信範囲が短い(例えば、10cm未満)RFIDリーダを含む。RFIDリーダは、清掃パッド800Aがパッドホルダに正しく取り付けられた場合にRFIDチップ803A上に位置するようにパッドホルダに配置され得る。
【0124】
図8Bを参照すると、清掃パッド800Bの取付面802Bは、使用中の清掃パッド800Bのタイプを区別するためのバーコード803Bを含む。ロボットのパッドホルダは、バーコード803Bを読み取り、パッドホルダに取り付けられた清掃パッド800Bのタイプを判断するためのバーコードスキャナを含む。
【0125】
図8Cを参照すると、清掃パッド800Cの取付面802Cは、使用中の清掃パッド800Cのタイプを区別する、マイクロプリント識別子803Cを含む。ロボットのパッドホルダは、マイクロプリント識別子803Cを画像として読み込み、清掃パッド800Cを一意的に区別するマイクロプリント識別子803Cの特徴を判断する、光学マウスセンサを含む。例えば、制御部は、読み込んだ画像を、マイクロプリント識別子803Cのある特徴(例えば、会社のロゴやその他の繰り返し画像)が向いている角度804Cの測定に用いることができる。制御部は、検出された画像の向きに基づいてパッドのタイプを選択する。
【0126】
図8Dを参照すると、清掃パッド800Dの取付面802Dは、使用中の清掃パッド800Dのタイプを区別するための機械式フィン803Dを含む。機械式フィン803Dは、取付面802Dに対して平らにすることができるよう、折り畳み可能な材料で形成され得る。機械式フィン803Dは、
図8Dの断面
図A−Aに示されているように、畳まれていない状態では取付面802Dから突き出ている。ロボットのパッドホルダは、複数のブレークビームセンサを含み得る。フィンに反応したブレークビームセンサの組み合わせによって、ある特定のタイプの清掃パッド800Dがロボットに取り付けられたことがロボットの制御部に示される。複数のブレークビームセンサのうちの一つが、
図8Dに示す機械式フィン803Dと接触し得る。制御部は、反応したブレークビームセンサの組み合わせに基づいて、パッドのタイプを判断することができる。制御部は、代替的に、反応したブレークビームセンサのパターンから、パッドのタイプに特有のフィン803D間の距離を判断してもよい。フィンや他の特徴の間の距離を用いる方法は、これらの特徴の正確な位置を用いる方法と対照的に、わずかな整列エラーの影響を受けにくい。
【0127】
図8Eを参照すると、清掃パッド800Eの取付面802Eは切り抜き803Eを含む。ロボットの清掃パッドは、切り抜き803Eの領域では作動しない機械式スイッチを含み得る。その結果、切り抜き803Eの配置及び寸法により、パッドホルダに取り付けられた清掃パッド803Eのタイプを一意的に識別することができる。例えば、制御部は、作動したスイッチの組み合わせに基づいて切り抜き803E間の距離を計算することができ、計算した距離を用いてパッドのタイプを判断することができる。
【0128】
図8Fを参照すると、清掃パッド800Fの取付面802Fは導電性領域803Fを含む。ロボットのパッドホルダは、清掃パッド800Fの取付面802Fに接触する、対応する導電率センサを含み得る。導電性領域803Fは取付面802Fより導電率が高いため、導電率センサは、導電性領域803Fに接触すると、導電率の変化を検出する。制御部は、導電率の変化を用いて清掃パッド800Fのタイプを判断することができる。
使用方法
【0129】
(
図1Aに示す)ロボット100は、(
図5Aに示す)制御システム500及びパッド識別システム534を実行することができ、パッド識別子(例えば、
図6Aに示す識別配列603、
図7Aに示す識別マーク703、
図8Aに示すRFIDチップ803A、
図8Bに示すバーコード803B、
図8Cに示すマイクロプリント識別子803C、
図8Dに示す機械式フィン803D、
図8Eに示す切り抜き803E、及び
図8Fに示す導電性領域803F)を用いて、(
図3A−3Dに示し、代替的なものをパッドホルダ620、720として説明した)パッドホルダ300に取り付けられた(
図2Aに示し、代替的なものを清掃パッド600、700、800A−800Fとして説明した)清掃パッド120のタイプに基づいて、賢く特定の挙動を実行することができる。以下に示す方法及び処理は、パッド識別システムを有するロボット100の使用方法の一例である。
【0130】
図9を参照すると、フローチャート900は、ロボット100及びその制御システム500とパッド識別システム534のユースケースを説明するフローチャートである。フローチャート900は、ユーザが起動させる又は実行するステップに対応するユーザステップ910と、ロボットが起動させる又は実行するステップに対応するロボットステップ920とを含む。
【0131】
ステップ910aでは、ユーザはロボットにバッテリを挿入する。バッテリは、例えば、ロボット100の制御システムに電力を供給する。
【0132】
ステップ910bでは、ユーザはパッドホルダに清掃パッドを取り付ける。ユーザは、清掃パッドがパッドホルダの凸部と係合するように清掃パッドをパッドホルダに滑り込ませることで、清掃パッドを取り付けることができる。ユーザは、例えば、上述したウェットモッピング清掃パッド、ドライダスティング清掃パッド、又はウォッシャブル清掃パッドといった、どのタイプの清掃パッドでも挿入することができる。
【0133】
ステップ910cでは、必要であれば、ユーザはロボットを清掃液で満たす。ユーザがドライダスティング清掃パッドを挿入した場合は、ロボットを清掃液で満たす必要は無い。いくつかの例では、ロボットは、ステップ910bの直後に清掃パッドを識別することができる。その場合、ロボットは、貯蔵部を清掃液で満たす必要があるかをユーザに示すことができる。
【0134】
ステップ910dでは、ユーザはスタート位置でロボット100の電源を入れる。ユーザは、例えば(
図1Aに示す)清掃ボタン140を一回又は二回押すことで、ロボットの電源を入れることができる。ユーザは、ロボットをスタート位置まで持ち運ぶこともできる。いくつかの場合においては、ユーザは、清掃ボタンを一回押すことでロボットの電源を入れ、もう一度清掃ボタンを押すことで清掃作業を開始させる。
【0135】
ステップ920aでは、ロボットは清掃パッドのタイプを識別する。ロボットの制御部は、例えば、
図6A−6D、
図7A−7D、及び
図8A−8Fに関して説明したパッド識別方法のうちの一つを実行することができる。
【0136】
ステップ920bでは、清掃パッドのタイプを識別した後、ロボットは清掃パッドのタイプに基づいて清掃作業を実行する。ロボットは、上述したように、ナビゲーション挙動及び散布スケジュールを実行することができる。例えば、
図4Eに関して説明した例では、ロボットは表2及び表3に対応する散布スケジュールを実行し、これらの表に関して説明したようにナビゲーション挙動を実行する。
【0137】
ステップ920c及び920dでは、ロボットは清掃パッドにエラーが発生していないかを定期的に確認する。ロボットは、ステップ920bの一部としてロボットが清掃作業を続けている間、清掃パッドにエラーが発生していないかを確認する。エラーが発生したとロボットが判断していない場合は、ロボットは清掃作業を継続する。エラーが発生したとロボットが判断した場合は、ロボットは、例えば、清掃作業の停止、ロボットの天面の視覚インジケータの色の変更、可聴警告の生成、又はエラーが発生したことの表現の組み合わせを実行することができる。ロボットは、ロボットが清掃作業を実行している間、継続的に清掃パッドのタイプを確認することで、エラーを検出することができる。いくつかの場合においては、ロボットは、現在の清掃パッドタイプの識別結果と、上述したステップ920bの一部として識別された初期の清掃パッドタイプとを比較することで、エラーを検出することができる。現在の識別結果が初期の識別結果と異なる場合、ロボットは、エラーが発生したと判断することができる。前述したように、清掃パッドはパッドホルダからずり落ちる場合があり、これがエラーの検出につながる場合がある。
【0138】
ステップ920eでは、ロボットは、清掃作業が完了すると、ステップ910dのスタート位置に戻って電源を切る。ロボットの制御部は、ロボットがスタート位置に戻ったことを検出したことに応じて、ロボットの制御システムからの電力供給を遮断することができる。
【0139】
ステップ910eでは、ユーザは、パッドホルダから清掃パッドを取り出す。ユーザは、
図3A−3Cに関して上述したように、パッド解放機構322を作動させることができる。ユーザは、清掃パッドに触れることなく、清掃パッドを直接ゴミ箱に入れることができる。
【0140】
ステップ910fでは、必要であれば、ユーザはロボットから余った清掃液を抜き出す。
【0141】
ステップ910gでは、ユーザはロボットからバッテリを取り出す。その後、ユーザは外部電源を用いてバッテリを充電することができる。ユーザは、今後の使用に備えてロボットを保管することができる。
【0142】
フローチャート900に関して説明した上記ステップは、ロボットの使用方法の範囲を限定するものではない。一つの例では、ロボットは、ロボットが検出した清掃パッドのタイプに基づいて、可視又は可聴の指示をユーザに出すことができる。ロボットがある特定のタイプの面に用いる清掃パッドを検出した場合、ロボットは、清掃パッドのタイプに推奨される面のタイプをユーザに優しく伝えることができる。ロボットは、貯蔵部を清掃液で満たす必要があることをユーザに警告することもできる。いくつかの場合においては、貯蔵部に入れるべき清掃液のタイプ(例えば、水や洗浄剤等)をユーザに知らせることができる。
【0143】
他の実施例においては、ロボットは、清掃パッドのタイプを識別した後、別のセンサを用いて、識別された清掃パッドを使用するのに適した作業環境にロボットが置かれているかを判断することができる。例えば、ロボットがカーペットの上に置かれていることをロボットが検出した場合、カーペットの傷みを防止するために、ロボットは清掃作業を開始しない。
【0144】
説明のためにいくつかの例を説明したが、前述の説明は本発明の範囲を限定することを目的としたものではない。特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、その他の例や変形が存在する。