【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、熱電装置は、前記高温回路および/または前記低温回路と熱交換関係にあるフィンを備え、前記熱電素子は、少なくとも前記フィンと接触状態にある。
【0009】
熱電素子とフィンとを関連付けることによって、温度勾配にさらされるのに必要である熱電素子と熱電装置の高温および/または低温のコンポーネントとの間の接触の親密性が促される。実際、熱電素子とコンポーネントとの間に密接な連結を確立し、動作に必要な温度勾配を生じさせる必要性は、流体循環パイプによってではなく、特定のコンポーネントであるフィンが担い、したがって、少なくとも前記高温または低温回路の1つに対して選択が可能である。したがって、一方では、フィンとパイプの間、他方では、フィンと熱電素子との間の効果的な熱ブリッジを確立するために使用される技術的解決策は、別々に最適化できるようになる。
【0010】
前記フィンの少なくともいくつかは、対になって関連付けられ、同一の対のフィンの間に圧縮性材料が設けられる。フィン間に圧縮性材料を設けることによって、前記圧縮性材料で、パイプの熱膨張によって発生する機械的応力が吸収可能になる解決策が得られる。
これにより、熱電素子への熱膨張の伝播が防止される。
【0011】
前記圧縮性材料は、電気的に絶縁性でありうる。
【0012】
熱電素子は、1つの部分に対して、熱電素子が所与の温度勾配にさらされると、正と呼ばれる一方向に電位差を確立することが可能である、P型と呼ばれる第1のタイプのものであり、もう1つの部分に対して、熱電素子が同じ温度勾配にさらされると、負方向と呼ばれる反対方向に電位差を生じるように使用可能である、N型と呼ばれる第2のタイプのものでありうる。
【0013】
第1の実施形態によれば、
−高温回路は、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−前記低温回路は、低温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−前記フィンは、低温パイプと熱交換関係にあり、
−熱電素子は、一方で、高温パイプと熱交換関係にあり、他方で、低温フィンと熱交換関係にあり、
−前記低温フィンが、対になってグループ化され、前記圧縮性材料が、1つの健全な(one and the sane)対のフィンの間に設けられる。
【0014】
第2の実施形態によれば、
−前記高温回路は、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−前記低温回路は、低温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−1つの部分に対して、低温フィンと呼ばれる前記フィンは、前記低温パイプと熱交換関係にあり、
−もう1つの部分に対して、高温フィンと呼ばれる前記フィンは、前記高温パイプと熱交換関係にあり、
−前記熱電素子は、一方で、低温フィンと熱交換関係に設けられ、他方で、高温フィンと熱交換関係に設けられる。
【0015】
前記低温パイプおよび前記高温パイプは、例えば、Y方向と呼ばれる同一の方向に延伸し、高温フィンおよび低温フィンは、Y方向に対して直交する平面において互いに平行に配設され、フィンは、Z方向と呼ばれる第1の方向およびX方向と呼ばれる第2の方向に延伸する。
【0016】
この第2の実施形態の第1の例示的な実施例によれば、低温フィンのみが、低温対と呼ばれる対になってグループ化され、前記圧縮性材料が、低温対と同一の対のフィン間に設けられる。
【0017】
第1の例示的な実施例によれば、
−低温対は、少なくとも1つのいわゆる低温対が、1つのいわゆる高温フィンのいずれかの側の位置にあるように、Y方向に高温フィンと交互に設けられ、前記高温フィンは、前記高温フィンの一方側の位置にある上流と呼ばれる1つまたは複数の前記低温対の低温フィンと対面させて設けられるとともに、前記高温フィンの他方側の位置にある下流と呼ばれる1つまたは複数の他方の低温対の低温フィンと対面させて設けられ、
−X方向の互いの拡張部に、互いから電気的に絶縁された少なくとも2つの低温対が設けられ、
−以下の構成が採用され、すなわち、
−1つ以上のP型素子は、前記高温フィンと、第1の上流低温対と呼ばれる上流低温対の1つの、前記高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のN型素子は、前記高温フィンと、前記第1の上流低温対の拡張部に位置する上流低温対の第2の上流低温対と呼ばれる別の、前記高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のP型素子は、高温フィンと、第1の下流低温対と呼ばれる下流低温対の1つの、高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のN型素子は、高温フィンと、前記第1の下流低温対の拡張部に位置する下流低温対の第2の下流低温対と呼ばれる別の、高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−P型、N型のそれぞれ、熱電素子は、高温フィンの両側で互いに対面する。
【0018】
さらに詳しく言えば、
−同じ電位になるようにされる第2の上流低温対の低温フィンおよび第2の下流低温対の低温フィンと、
−同じ電位になるようにされる第1の上流低温対の低温フィンおよび第1の下流低温対の低温フィンと、を提供することが可能になる。
【0019】
Y方向に後続する高温フィンに関連したものと同じ電位に設定される前記高温フィンの1つの第1の上流および下流低温対のフィンを提供することも可能である。同じことが、第2の上流および下流低温対の低温フィンにも当てはまる。
【0020】
第2の実施例の第2の例示的な実施形態によれば、低温フィンおよび高温フィンは、それぞれ低温対/高温対と呼ばれる対にグループ化され、前記圧縮性材料が、低温対および高温対の同一の対のフィン間に設けられる。
【0021】
高温対および低温対は、例えば、少なくとも1つの前記低温対が、1つの前記高温対のいずれかの側の位置にあるように、Y方向に交互に設けられ、前記高温対の高温フィンが、前記高温対の一方側の位置にある上流と呼ばれる1つまたは複数の低温対の低温フィンと対面させて設けられ、同じ高温対の他方のフィンが、前記高温対の他方側の位置にある前記低温対の下流と呼ばれる1つまたは複数の他方の対の低温フィンと対面する。
【0022】
特に、X方向の互いの拡張部に、互いから電気的に絶縁された少なくとも2つの低温対を設けて、X方向に一連の低温フィンを形成することが可能になる。
【0023】
例えば、以下の構成が採用され、すなわち、
−1つ以上のP型素子は、いわゆる、高温対の高温フィンの1つと、第1の上流低温対と呼ばれる上流低温対の1つの、高温フィンと対面した位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のN型素子は、高温フィンの前記第1の高温フィンと、前記第1の上流低温対の拡張部に位置する上流低温対の第2の上流低温対と呼ばれる別の、高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のN型素子は、前記高温対のもう1つの高温フィンと、第1の下流低温対と呼ばれる下流低温対の1つの、高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−1つ以上のP型素子は、前記高温対の前記高温フィンと、前記第1の下流低温対の拡張部に位置する下流低温対の第2の下流低温対と呼ばれる別の、高温フィンと対面する位置にある低温フィンとの間に設けられ、
−P型熱電素子は、高温対の両側でN型熱電素子と対面する。
【0024】
さらに詳しく言えば、X方向の互いの拡張部に、互いから電気的に絶縁された複数の高温対を設け、X方向に一連の高温対を形成することが可能になる。前記高温対は、高温対がY方向において交互に続く列にも分布されうる。
【0025】
低温対は、低温対がY方向において交互に続く列にも分布されうる。高温対および低温対を互い違いに分布させて配列することもできる。
【0026】
高温パイプ、低温パイプのそれぞれは、例えば、X方向に対して直交する平面に延伸する列にグループ化される。
【0027】
高温パイプは、低温対のY方向の2つの列の間に設けられ、および/または、低温パイプは、高温対のY方向の2つの列の間に設けられうる。
【0028】
さらに、例示的な実施形態によれば、
−第2の上流低温対の低温フィンおよび第2の下流低温対の低温フィンとは、一連の低温対の一方の端部に設置された低温対のフィンに対して、同じ電位に設定され、
−高温対の1つの第1の下流低温対の低温フィンは、一連の低温対の他方の端部に設置された低温対のフィンに対して、Y方向の後続する高温対の前記第1の上流低温対の低温フィンと同じ電位に設定され、前記低温フィンは、同一の低温フィン対の部分を形成する。
【0029】
低温対のフィンは、長手側面の一方および/または他方に沿って、対面する高温パイプからの熱放射からフィンの残りを熱的に絶縁可能にする折返し縁部を含みうる。
【0030】
本発明による装置はまた、特に、高温パイプが端部で開口する高温流体用の収集箱を備える。
【0031】
低温パイプおよび高温パイプは、Z方向に直交する平面において延伸する列に分布されることができ、Z方向に対して直交する同一の列の低温パイプは、Z方向に対して直交する前記列に低温流体の曲がりくねった循環を規定するように、屈曲ダクトによって対になって連結される。
【0032】
曲がりくねったパイプの端部は、パイプが開口する収集箱に片側で連結される。
【0033】
以下、本発明は、指示として単に与えられ、添付の図面を伴うことで、本発明に制限を課すことを意図したものではない以下の記載の点からより深く理解されるであろう。