(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラッチ部材の先端部は、前記ラッチ部材の先端部を貫通する先端部貫通孔と、前記先端部貫通孔の周囲に位置して、前記先端部貫通孔を取囲み、前記ラッチ部材が前記係合位置にあるときに前記係合凹部形成部の底部形成部に当接する周囲枠部と、を有する請求項2又は請求項3に記載の基板収納容器。
前記ラッチ部材は、剛体により構成されたラッチ部材本体部と、剛体により構成され、前記ラッチ駆動部に係合する駆動部係合部と、前記ラッチ部材本体部と前記駆動部係合部とを接続し、前記ラッチ部材の移動方向において弾性的に伸縮可能である弾性接続部とを有する請求項2に記載の基板収納容器。
前記ラッチ部材は、ラッチ部材本体部と、前記ラッチ部材の先端部において前記ラッチ部材本体部から突出し、前記ラッチ部材が前記係合位置にあるときに前記係合凹部形成部の底部形成部に当接するラッチ先端部当接部とを有し、
前記ラッチ先端部当接部の部分であって前記係合凹部形成部の底部形成部に当接する部分は、前記係合凹部形成部の部分であって前記ラッチ先端部当接部が当接する部分である底部形成部に一致する形状を有する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板収納容器。
前記係合凹部形成部の部分であって前記ラッチ部材の先端部が当接する部分は、前記係合凹部の開口と底部とを結ぶ側壁であって開口から底部へ向かって縮径する部分を有する側壁である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板収納容器。
前記係合凹部形成部の部分であって前記ラッチ部材の先端部が当接する部分は、前記係合凹部の開口を形成している部分である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板収納容器。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1を示す分解斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1のラッチ回転部材31及びラッチアーム32を示す斜視図である。
図4Aは、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1において蓋体3が開口周縁部28から取り外し可能な状態のときの、ラッチ回転部材31及びラッチアーム32の状態を示す正面図である。
図4Bは、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1において蓋体本体30が開口周縁部28に対して固定されている状態のときの、ラッチ回転部材31及びラッチアーム32の状態を示す正面図である。
【0022】
図5Aは、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1において、蓋体3が開口周縁部28から取り外し可能な状態を示す断面図である。
図5Bは、
図5Aの二点鎖線Aで囲まれた部分を示す拡大断面図である。
図5Cは、
図5Aの二点鎖線Bで囲まれた部分を示す拡大断面図である。
図6Aは、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1において、蓋体本体30が開口周縁部28に対して固定されている状態を示す断面図である。
図6Bは、
図6Aの二点鎖線Cで囲まれた部分を示す拡大断面図である。
図6Cは、
図6Aの二点鎖線Dで囲まれた部分を示す拡大断面図である。
【0023】
ここで、説明の便宜上、後述の容器本体2から蓋体3へ向かう方向(
図1における左下方向)を前方向D11と定義し、その反対の方向を後方向D12と定義し、これらを前後方向D1と定義する。また、後述の下壁24から上壁23へと向かう方向(
図1における上方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これらを上下方向D2と定義する。また、後述する第2側壁26から第1側壁25へと向かう方向(
図1における左上方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらを左右方向D3と定義する。
【0024】
また、基板収納容器1に収納される基板(図示せず)は、円盤状のシリコーンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。本実施形態における基板は、直径300mm〜450mmのシリコーンウェーハである。
【0025】
図1、
図2に示すように、基板収納容器1は、容器本体2と蓋体3とを有している。容器本体2は、一端部に容器本体開口部21が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部20を有する。容器本体2内には基板収納空間27が形成されている。基板収納空間27は、壁部20の内面からなる本体内面により取り囲まれて形成されている。壁部20の部分であって基板収納空間27を形成している部分には、基板支持板状部5が配置されている。基板収納空間27には、複数の基板を収納可能である。
【0026】
基板支持板状部5は、基板収納空間27内において左右方向D3に対をなすように壁部20に設けられている。基板支持板状部5は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されていないときに、隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板の縁部を支持可能である。基板支持板状部5の奥側には、奥側基板支持部6(
図5A等参照)が設けられている。奥側基板支持部6は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板の縁部の後部を支持可能である。
【0027】
蓋体3は、容器本体開口部21に対して着脱可能であり、容器本体開口部21を閉塞可能である。蓋体3が容器本体開口部21を閉塞しているときに、蓋体内面(
図1に示す蓋体3の裏側の面)が容器本体2の内面(容器本体2の内側の面により構成される本体内面)と共に基板収納空間27を形成する。蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分(蓋体内面)には、フロントリテーナ7が設けられている。フロントリテーナ7は、奥側基板支持部6と対をなすように配置されている。
【0028】
フロントリテーナ7は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板の縁部の前部を支持可能である。フロントリテーナ7は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、奥側基板支持部6と協働して複数の基板を支持することにより、隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板を保持する。以下、各部について、詳細に説明する。
【0029】
図1〜
図2に示すように、容器本体2の壁部20は、奥壁22と上壁23と下壁24と第1側壁25と第2側壁26とを有する。奥壁22、上壁23、下壁24、第1側壁25、及び第2側壁26は、プラスチック材等により構成されており、第1実施形態では、ポリカーボネートにより一体成形されて構成されている。
【0030】
第1側壁25と第2側壁26とは対向しており、上壁23と下壁24とは対向している。上壁23の後端、下壁24の後端、第1側壁25の後端、及び第2側壁26の後端は、全て奥壁22に接続されている。上壁23の前端、下壁24の前端、第1側壁25の前端、及び第2側壁26の前端は、奥壁22に対向する位置関係を有し、略長方形状をした容器本体開口部21を形成する開口周縁部28を構成する。
【0031】
開口周縁部28は、壁部20により構成される容器本体2の一端部に設けられており、奥壁22は、容器本体2の他端部に位置している。壁部20の外面により形成される容器本体2の外形は箱状である。本体内面を構成する壁部20の内面、即ち、奥壁22の内面、上壁23の内面、下壁24の内面、第1側壁25の内面、及び第2側壁26の内面は、これらによって取り囲まれた基板収納空間27を形成している。開口周縁部28に形成された容器本体開口部21は、壁部20により取り囲まれて容器本体2の内部に形成された基板収納空間27に連通している。基板収納空間27には、最大で25枚の基板を、基板の上面及び下面が略水平となる位置関係で収納可能である。
【0032】
図1、
図2、
図5Cに示すように、上壁23及び下壁24により構成される開口周縁部28の部分は、基板収納空間27の外方へ向かって窪んで形成された、係合凹部としてのラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bを有している。ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bは、上壁23及び下壁24の左右両端部近傍に1つずつ、二対で計4つ形成されており、上下方向D2において、互いに対向する位置関係を有している。従って、開口周縁部28に蓋体3が装着されているときには、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bは、蓋体3に対向している。ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bを形成している開口周縁部28の部分は、係合凹部形成部を構成する。
【0033】
上壁23の外面においては、フランジ固定部(図示せず)が、上壁23と一体成形されて設けられている。フランジ固定部(図示せず)は、上壁23の中央部に配置されている。フランジ固定部(図示せず)には、
図1、
図2に示すように、トップフランジ236が固定されている。トップフランジ236は、上壁23の中央部に配置されている。トップフランジ236は、AMHS(自動ウェーハ搬送システム)、PGV(ウェーハ基板搬送台車)等において基板収納容器1を吊り下げる際に、吊り上げ部材としてのこれらの機械のアーム(図示せず)に掛けられ、これにより基板収納容器1は、アームに吊り下げられる。なお、
図5A、
図6Aにおいては、便宜上、フランジ固定部及びトップフランジ236の図示を省略する。
【0034】
図1に示すように、蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28の形状と略一致する略長方形状を有している。蓋体3は容器本体2の開口周縁部28に対して着脱可能であり、開口周縁部28に蓋体3が装着されることにより、蓋体3は、開口周縁部28によって取り囲まれる位置関係で、容器本体開口部21を閉塞可能である。
図5A等に示すように、蓋体3は、蓋体本体30(
図5A等参照)を有している。
【0035】
蓋体本体30は、略長方形状の板状を有する内側板状部301と、略長方形状の板状を有する外側板状部302と、周壁部303とを有している。内側板状部301の後方向D12の側の面は、蓋体内面を構成し、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、容器本体内面と共に基板収納空間27を形成する。内側板状部301(
図5A等参照)の周縁部には、当該周縁部を一周するように当該周縁部に沿って、内側板状部301の蓋体内面に対して直交する方向である前方向D11へ延びる周壁部303が設けられている。内側板状部301と周壁部303とは、ポリカーボネートにより一体成形されて接続されている。
【0036】
前方向D11における周壁部303の延出端部には、外側板状部302が配置されている。外側板状部302は、外側板状部302の周縁が周壁部303に取囲まれた状態で、内側板状部301に固定されている。この構成により、
図5A等に示すように、内側板状部301と、周壁部303と、外側板状部302とにより箱状の構造が構成され、内側板状部301と、周壁部303と、外側板状部302とにより囲まれる蓋体内部空間304が形成されている。また、外側板状部302の前方向D11の側の面は、蓋体外面を構成する。従って蓋体3は、全体として蓋体外面及び蓋体内面を有する略長方形状の板状(薄い直方体形状)を有している。
【0037】
蓋体本体30を構成する内側板状部301の周縁には、環状のシール部材4が取り付けられている。シール部材4は、蓋体本体30の周壁部303を一周するように配置されている。シール部材4は、弾性変形可能なポリエステル系、ポリオレフィン系など各種熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム製、シリコーンゴム製等である。
【0038】
蓋体3が開口周縁部28に装着されたときに、シール部材4は、容器本体2に形成された段部201(
図2参照)と蓋体本体30の内面とにより挟まれて弾性変形する。即ち、蓋体3と容器本体2との間にシール部材4が介在することにより、蓋体本体30と開口周縁部28とが互いに当接せずに離間した状態で、蓋体3は、容器本体開口部21を閉塞可能である。開口周縁部28から蓋体3が取り外されることにより、容器本体2内の基板収納空間27に対して、基板を出し入れ可能となる。
【0039】
図5A等に示すように、蓋体本体30の蓋体内部空間304には、ラッチ駆動部としてのラッチ回転部材31、及び、ラッチ部材としてのラッチアーム32を有するラッチ機構が設けられている。ラッチ機構は、蓋体内部空間304において左方向D31寄りの位置と右方向D32寄りの位置に配置されている。ラッチアーム32は、上下方向D2において対をなして計2対配置されている。
図3に示すように、一対のラッチアーム32の基端部321は、ラッチ駆動部としてのラッチ回転部材31にそれぞれ係合している。ラッチアーム32は、ラッチ回転部材31に係合するラッチアーム32の基端部321から上方向D21、下方向D22にそれぞれ延びている。
【0040】
より具体的にはラッチ回転部材31は、主成分がPOM(ポリアセタール)の樹脂により一体成形されている。従って、ラッチ回転部材31は、後述のようにラッチアーム32が係合位置と係合解除位置との間で移動する際に、ラッチアーム32から作用する反力等によっては、ほとんど弾性変形しない剛体により構成されている。ラッチ回転部材31は、円形状部311を有しており、円形状部311の中心を回転軸心として回転可能に蓋体本体30の内側板状部301(
図5A等参照)に支持されている。ラッチ回転部材31は、このように回転可能ではあるが、上下方向D2や左右方向D3へ移動不能に内側板状部301に支持されている。円形状部311の周縁近傍の位置には、点対称の位置関係で、略周縁に沿って円形状部311の中心角で略90°の弧状を有する一対の長穴312が形成されている。
【0041】
図4A等に示すように、長穴312においては、円形状部311の中心から長穴312までの直線距離は、長穴312の場所によって異なる。例えば、円形状部311の中心から長穴312の時計回り方向における端部までの直線距離は、最大の値を採る。また、円形状部311の中心から長穴312の反時計回り方向における端部までの直線距離は、最小の値を採る。ラッチ回転部材31の中央部には、一直線状に窪んだ直線状凹部313が形成されている。直線状凹部313には、蓋体3を開閉するための装置(図示せず)のアームの先端に設けられた一直線状の凸部が係合可能である。この一直線状の凸部(図示せず)が直線状凹部313に係合している状態でアーム(図示せず)が回転することにより、ラッチ回転部材31を回転させることができる。ラッチ回転部材31が回転することによって、円形状部311の中心から長穴312までの直線距離の違いにより、後述のように、ラッチ回転部材31は、ラッチアーム32を、係合位置と係合解除位置との間で移動させることができる。
【0042】
また、ラッチ回転部材31の周縁部には、弾性突出部314が設けられている。弾性突出部314は、ラッチ回転部材31の周縁部に形成された切欠きを部分的に覆うように形成された、ラッチ回転部材31の周方向に延びる部材により構成されており、その部材の一部が、ラッチ回転部材31の半径方向外方へ突出している。弾性突出部314は、円柱状の凸部325が長穴312の時計回り方向もしくは反時計回り方向の端部に位置するときに、外側板状部302に形成された係合部(図示せず)に係合可能であり、この係合により、ラッチ回転部材31は、一時的に回転されにくい状態とされる。ラッチアーム32が係合位置以外の位置にあるときには、弾性突出部314は、特に外側板状部302の一部には係合しておらず、ラッチ回転部材31は、容易に回転可能な状態にある。
【0043】
2対のラッチアーム32は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、上下方向D2において対をなしている2対のラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bにそれぞれ係合して蓋体本体30を容器本体2に固定する係合位置と、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bに対して係合が解除され容器本体2に対する蓋体本体30への固定が解除される係合解除位置との間で、蓋体本体30に対して移動可能である。
【0044】
具体的には、一対のラッチアーム32は、ラッチ回転部材31の回転軸心を通り左右方向D3及び前後方向D1に平行な面に関して対称形状を有している。このため、一方のラッチアーム32についてのみ説明し、特に必要が無い場合には、他方のラッチアーム32については、説明を省略する。
【0045】
ラッチアーム32は、
図4A、
図4Bに示すように、正面視で略長方形状を有している。
図3に示すように、ラッチアーム32は、基端部321と先端部322とラッチアーム本体部323とを有しており、これらは、主成分がPBT(ポリブチレンテレフタレート)の樹脂により一体成形されている。ラッチ回転部材31の下方向D22の側にあるラッチアーム32の基端部321は、ラッチアーム本体部323の左方向D31の側の部分から上方向D21へ延びる基部延出部324を有している。基部延出部324の延出端部には、
図4A等に示すように、前方向D11へ延びる円柱状の凸部325が設けられている。円柱状の凸部325は、ラッチ回転部材31の一対の長穴312に1つずつ係合しており、長穴312内を長穴312に対して相対的に移動可能である。
【0046】
図4Aに示すように、円柱状の凸部325が長穴312の反時計回り方向における端部に位置しているときには、ラッチアーム32は、係合解除位置にある。このとき、ラッチアーム32の先端部322は、蓋体3の上辺を構成する周壁部303に形成された貫通孔303A、303B(
図5B、
図5C等参照)から上方向D21、下方向D22へそれぞれ突出していない状態となる。
図4Bに示すように、円柱状の凸部325が長穴312の時計回り方向における端部に位置しているときには、ラッチアーム32は、係合位置にある。このとき、ラッチアーム32の先端部322は、
図2、
図6B、
図6Cに示すように、蓋体3の上辺を構成する周壁部303に形成された貫通孔303A、303Bから上方向D21、下方向D22へ突出する。
【0047】
また、
図3に示すように、ラッチアーム本体部323には、ラッチアーム32の基端部321近傍から先端部322近傍に至るまで延び、前方へ突出する複数本のリブ326が設けられている。また、ラッチアーム本体部323には、ラッチアーム32の移動方向に直交する方向である左方向D31及び右方向D32にそれぞれ突出する被ガイド凸部327が、2つずつ、計4つ形成されている。被ガイド凸部327は、蓋体本体30に形成されたガイド部(図示せず)に係合しており、これにより、ラッチアーム32は、上下方向D2へ移動可能に蓋体本体30の内側板状部301に支持されている。被ガイド凸部327がガイド部(図示せず)に案内されることにより、ラッチアーム32は、上下方向D2へ移動する。この構成により、ラッチアーム32は、係合位置と係合解除位置との間を移動する。
【0048】
また、ラッチアーム32の先端部322の端縁は、
図4A等に示すように、左右方向D3に延びる直線状を有している。ラッチアーム32は、長手方向(上下方向D2)において、
図4Bに示すように、円柱状の凸部325が時計回り方向における長穴312の端部に位置しているとき、即ち、ラッチアーム32が係合位置にあるときには、一対のラッチアーム32の先端部322が、
図6A〜
図6Cに示すように、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bに係合して、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bの底部230A、240A等を形成する係合凹部形成部の部分(以下「底部形成部232A」という)に同時に当接する程度の長さを有している。
【0049】
蓋体3の蓋体内面を構成する内側板状部301の部分には、基板収納空間27の外方(前方向D11)へ窪んだ凹部(図示せず)が形成されている。凹部(図示せず)には、フロントリテーナ7が固定されて設けられている。
【0050】
フロントリテーナ7は、フロントリテーナ基板受け部を有している。フロントリテーナ基板受け部は、左右方向D3に所定の間隔で離間して対をなすようにして2つずつ配置されている。このように対をなすようにして2つずつ配置されたフロントリテーナ基板受け部は、上下方向D2に25対並列した状態で設けられている。基板収納空間27内に基板が収納され、蓋体3が閉じられることにより、フロントリテーナ基板受け部は、基板の縁部の端縁を挟持して支持する。
【0051】
上記構成の基板収納容器1において、容器本体2の開口周縁部28への蓋体3の固定は、以下のようにして行われる。先ず、ラッチ回転部材31を回転させて、
図4Aに示すように、円柱状の凸部325を反時計回り方向における長穴312の端部に位置した状態とする。これにより、ラッチアーム32の先端部322は、蓋体3の上辺、下辺を構成する周壁部303に形成された貫通孔303A、303Bから、上方向D21、下方向D22へそれぞれ突出していない状態となる。このとき、ラッチアーム32は、係合解除位置にある。この状態を維持して、
図5Aに示すように、蓋体3を開口周縁部28に装着する。
【0052】
このとき、
図5Bに示すように、上側の蓋体3の周壁部303の部分は、間隙S1を介して容器本体2の開口周縁部28から離間しているが、
図5Cに示すように、下側の蓋体3の周壁部303の部分は、容器本体2の開口周縁部28に当接している。
【0053】
次に、蓋体3を開閉するための装置(図示せず)のアームの先端に設けられた一直線状の凸部を、ラッチ回転部材31の直線状凹部313(
図4A等参照)に係合させ、当該アームを回転させて、ラッチ回転部材31を回転させる。すると、ラッチ回転部材31の長穴312内において長穴312に対して、ラッチアーム32の基端部321の凸部が相対的に移動し、これにより、ラッチ回転部材31の上側のラッチアーム32が上方向D21へ移動すると同時に、ラッチ回転部材31の下側のラッチアーム32は、下方向D22へ移動する。このとき、ラッチアーム32の先端部322は、蓋体3の上辺、下辺を構成する周壁部303に形成された貫通孔303A、303Bから、上方向D21、下方向D22へそれぞれ突出している状態となる。そして、
図4Bに示すように、円柱状の凸部325が時計回り方向における長穴312の端部に位置することにより、ラッチアーム32は、係合位置にあり、ラッチアーム32の先端部322は、
図6A〜
図6Cに示すように、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bに係合し、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bの底部形成部232A、242A、底部形成部(図示せず)に当接する。
【0054】
この際、より詳細には、先ず下側のラッチアーム32の先端部322がラッチ係合凹部241A、241Bの底部形成部242A、底部形成部(図示せず)に当接する。これにより、蓋体本体30が上方向D21へ押し上げられて、蓋体3の下側の周壁部303の部分は、
図6Cに示すように、間隙S2を介して容器本体2の開口周縁部28から離間する。そして、上側のラッチアーム32の先端部322がラッチ係合凹部231A、231Bの底部形成部232A、底部形成部(図示せず)に当接して、ラッチアーム32は、係合位置に存在する。このように、ラッチアーム32が係合位置にあるときに、蓋体3の下側の周壁部303の部分は、容器本体2の開口周縁部28から間隙S2を介して離間するとともに、蓋体3の上側の周壁部303の部分も、
図6Bに示すように、容器本体2の開口周縁部28から間隙S2を介して離間している。
【0055】
このように、上側のラッチアーム32が蓋体3の上辺から上方向D21へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部231A、231Bに係合し、且つ、下側のラッチアーム32が蓋体3の下辺から下方向D22へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部241A、241Bに係合することにより、蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28に固定される。
【0056】
上記構成の実施形態に係る基板収納容器1によれば、以下のような効果を得ることができる。基板収納容器1は、複数の基板を収納可能な基板収納空間27が内部に形成され、一端部に基板収納空間27に連通する容器本体開口部21が形成された開口周縁部28を有する容器本体2と、開口周縁部28に対して着脱可能であり、開口周縁部28によって取り囲まれる位置関係で容器本体開口部21を閉塞可能な蓋体3と、を備える。開口周縁部28は、互いに対向する位置関係を有して蓋体3に対向して形成された二対のラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bを有し、蓋体3は、蓋体本体30と、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、少なくとも一対のラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bにそれぞれ係合して蓋体本体30を容器本体2に対して固定する係合位置とラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bに対して係合が解除され容器本体2に対する蓋体本体30の固定が解除される係合解除位置との間で蓋体本体30に対して移動可能な少なくとも一対のラッチ部材(ラッチアーム32)と、を備える。そして、ラッチアーム32が係合位置にあるときに、少なくとも一対のラッチアーム32の先端部322が、少なくとも一対のラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bの底部形成部232A、242A、底部形成部(図示せず)にそれぞれ当接することにより、蓋体本体30を、容器本体開口部21を形成する開口周縁部28から離間させる。
【0057】
即ち、上記構成により、ラッチアーム32が係合位置にあるときに、蓋体3の下側の周壁部303の部分を、容器本体2の開口周縁部28から離間させることができるとともに、蓋体3の上側の周壁部303の部分をも、容器本体2の開口周縁部28から離間させることができる。このため、基板収納容器1を搬送しているときに、蓋体3の下側の周壁部303の部分が、容器本体2の開口周縁部28に対して擦れることを防止することができ、擦れることにより発塵する(パーティクルが発生する)ことを防止することができる。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態による基板収納容器について、
図7〜
図8を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aのラッチアーム32Aを示す斜視図である。
図8は、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aを示す断面図である。第2実施形態では、ラッチアーム32Aの先端部322Aは、
図7等に示すように、V字形状の端面を有している点、及び、
図8等に示すように、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部230C、230D、240C、240Dが、ラッチアーム32Aの先端部322AのV字形状の端面と一致するV字形状の底面を有する点において、第1実施形態におけるラッチアーム32の先端部322とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の符号については、同一の符号を付して説明する。
【0059】
基板収納容器1Aの容器本体2Aのラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部230C、230D、240C、240Dは、
図8に示すように、それぞれ、蓋体外面又は蓋体内面に平行な断面(上下方向D2及び左右方向D3に平行な断面)では、V字形状を有している。V字形状の底部230C、230D、240C、240Dは、ラッチ回転部材31から離間する方向(上方向D21又は下方向D22)へそれぞれ窪んで形成されている。
【0060】
図8に示すように、蓋体3Aのラッチアーム32Aの先端部322Aの部分であってラッチアーム32Aが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接する部分は、V字形状の端面を有している。V字形状の端面は、ラッチ回転部材31から離間する方向へ突出しており、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部230C、230D、240C、240Dに一致する形状を有している。V字形状の端面は、先端突き当て部面328Aと、一対のズレ防止面329Aとを有している。先端突き当て部面328Aは、左右方向D3におけるV字形状の端面の中央の部分の面により構成されている。一対のズレ防止面329Aは、先端突き当て部面328Aの略左右方向D3における両側に位置している。先端突き当て部面328Aがラッチ係合凹部231C、231D、241C、241DのV字形状の底面の最も深い部分に係合する。一対のズレ防止面329Aは、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241DのV字形状の底面の斜面を形成している底部形成部232C、232D、242C、242Dにそれぞれ面当接可能である。
【0061】
上記構成の第2実施形態に係る基板収納容器1Aによれば、以下のような効果を得ることができる。ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部230C、230D、240C、240Dは、蓋体外面又は蓋体内面に平行な断面(上下方向D2及び左右方向D3に平行な断面)ではV字形状を有している。そしてラッチ部材としてのラッチアーム32Aの先端部322Aの部分であってラッチアーム32Aが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接する部分は、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部230C、230D、240C、240Dに一致するV字形状の端面を有する。
【0062】
この構成により、蓋体外面又は蓋体内面に平行な方向(上下方向D2及び左右方向D3に平行な方向)において、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dに対してラッチアーム32Aを位置決めすることができ、同方向において、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dに対してラッチアーム32Aが位置ずれすることを抑えることができる。
【0063】
次に、本発明の第3実施形態による基板収納容器について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Bを示す斜視図である。第3実施形態では、ラッチアーム32Bの先端部322Bは、
図9に示すように、先端部貫通孔331Bを有する点において、第2実施形態におけるラッチアーム32Aの先端部322Aとは異なる。これ以外の構成については、第2実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0064】
ラッチアーム32Bの先端部322Bは、先端部貫通孔331Bと周囲枠部332Bとを有している。先端部貫通孔331Bは、ラッチアーム32Bの先端部322Bを前後方向D1に貫通している。周囲枠部332Bは、先端部貫通孔331Bの周囲に位置して、先端部貫通孔331Bを取囲む枠を構成する。周囲枠部332Bは、ラッチアーム32Bが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242D(
図8参照)に当接する。周囲枠部332Bは、第2実施形態のラッチアーム32Aの先端部322Aの部分であってラッチアーム32Aが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接する部分と同様の、V字形状端面を有している。
【0065】
周囲枠部332Bは、ラッチアーム本体部323と一体成形されて接続されているが、周囲枠部332Bは、ラッチアーム本体部323に対して、厚さの薄い枠部により構成されているため、ラッチアーム32Bの移動方向(上下方向D2)において、弾性的に変形可能である。このため、ラッチアーム32Bの先端部322Bは、ラッチアーム32Bの移動方向において弾性的に伸縮可能である。
【0066】
上記構成の第3実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。基板収納容器1は、剛体により構成されラッチ部材としてのラッチアーム32Bを係合位置と係合解除位置との間で移動させるラッチ駆動部としてのラッチ回転部材31を備える。
【0067】
そして、ラッチアーム32Bの先端部322Bは、ラッチアーム32Bの先端部322Bを貫通する先端部貫通孔331Bと、先端部貫通孔331Bの周囲に位置して、先端部貫通孔331Bを取囲み、ラッチアーム32Bが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242D(
図8参照)に当接する周囲枠部332Bと、を有する。
【0068】
この構成により、ラッチアーム32Bの先端部322Bを、ラッチアーム32Bの移動方向において弾性的に伸縮可能とすることができる。このため、ラッチアーム32Bが係合位置にあるときに、僅かな寸法誤差に因って、対をなしているラッチアーム32Bのうちの一方のラッチアーム32Bの先端部322Bは、ラッチ係合凹部231C、231Dの底部形成部232C、232Dに当接しているのに、他方のラッチアーム32Bの先端部322Bはラッチ係合凹部241C、241Dの底部形成部242C、242Dに当接していない、という不具合の発生を防止することができる。この結果、確実に、対をなしている両方のラッチアーム32Bの先端部322Bを、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接させることができる。
【0069】
次に、本発明の第4実施形態による基板収納容器について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Cを示す斜視図である。第4実施形態では、ラッチアーム32Cの先端部322Cは、
図10に示すように、周囲枠部332Cを二分する切欠き333Cを有する点において、第3実施形態におけるラッチアーム32Bの先端部322Bとは異なる。これ以外の構成については、第3実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0070】
ラッチアーム32Cの先端部322Cを構成する周囲枠部332Cの部分であってラッチアーム32Cが係合位置にあるときに、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241DのV字形状の底部形成部232C、232D、242C、242D(
図8参照)の最も深い部分に当接する部分には、この部分を二分する切欠き333Cが形成されている。切欠き333Cは、第3実施形態の先端突き当て部面328Bに相当する部分に形成されている。切欠き333Cの存在により、周囲枠部332Cの左側の部分と右側の部分とは、切欠き333Cを介して離間している。
【0071】
上記構成の第4実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。ラッチ部材としてのラッチアーム32Cの先端部322Cは、周囲枠部332Cの部分であってラッチアーム32Cが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241D(
図8参照)の底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接する部分を二分する切欠き333Cを有する。このため、ラッチアーム32Cの移動方向において弾性的に伸縮可能なラッチアーム32Cの先端部322Cを、同方向において、より弾性的に伸縮可能とすることができる。
【0072】
次に、本発明の第5実施形態による基板収納容器について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本発明の第5実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Dを示す斜視図である。第5実施形態では、ラッチアーム32Dは、ラッチアーム本体部323Dとラッチ先端部当接部322Dとを有する点、及び、ラッチアーム本体部323Dの先端の部分は略三角形状部3231Dを有している点において、第1実施形態におけるラッチアーム32とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0073】
ラッチアーム本体部323Dの先端の部分は、略三角形状部3231Dを有しており、ラッチ回転部材31から離間するように突出している。略三角形状部3231Dにおいて最も突出している頂角の部分には、ラッチ先端部当接部322Dが、ラッチアーム本体部323Dの略三角形状部3231Dに一体成形されて接続されている。ラッチ先端部当接部322Dは、突き当て部328Dとズレ防止部329Dとを有している。
【0074】
突き当て部328Dは、ラッチ回転部材31から離間するようにラッチアーム本体部323Dの略三角形状部3231Dの頂角から細く突出している。ズレ防止部329Dは、一対設けられており、ズレ防止部329Dの一端部は、突き当て部328Dに一体成形されて接続されている。ズレ防止部329Dは、ズレ防止部329Dの他端部に近づくにつれて、ラッチアーム本体部323Dの先端の略三角形状部3231Dの2つの斜辺にそれぞれ沿って、左右方向D3におけるラッチアーム本体部323Dの端縁の位置に相当する位置に至るまで延びている。従って、一対のズレ防止部329Dは、それぞれ片持ちバネを構成しており、容易に弾性変形可能である。
【0075】
ラッチ先端部当接部322Dの部分であってラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242D(
図8参照)に当接する部分、即ち、ラッチアーム32Dの先端端面に相当する突き当て部328Dの端面及びズレ防止部329Dの端面は、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242D(
図8参照)に一致する形状を有する。
【0076】
上記構成の第5実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。ラッチアーム32Dは、ラッチアーム本体部323Dと、ラッチアーム32Dの先端部においてラッチアーム本体部323Dから突出し、ラッチアーム32Dが係合位置にあるときにラッチ係合凹部231C、231D、241C、241D(
図8参照)の底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接するラッチ先端部当接部322Dと、を有し、ラッチ先端部当接部322Dの部分であってラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに当接する部分は、ラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底部形成部232C、232D、242C、242Dに一致する形状を有する。
【0077】
この構成により、ラッチ先端部当接部322Dを、突き当て部328Dと、突き当て部328Dから延び片持ちバネを構成するズレ防止部329Dとにより構成することができ、より柔軟にラッチ係合凹部231C、231D、241C、241Dの底面に追従させた状態で当接させることができる。
【0078】
次に、本発明の第6実施形態による基板収納容器について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、本発明の第6実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Eを示す斜視図である。第6実施形態では、ラッチアーム本体部323Eと、駆動部係合部としてのラッチアーム32Eの基端部321Eと、を接続する弾性接続部335Eを有する点において、第2実施形態におけるラッチアーム32Aとは異なる。これ以外の構成については、第2実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0079】
ラッチアーム32Eは、互いに一体成形されている基端部321Eと先端部322Aとラッチアーム本体部323Eとを有している。また、ラッチアーム32Eは、弾性接続部335Eを有している。弾性接続部335Eは、ラッチアーム本体部323Eと駆動部係合部とを接続し、ラッチアーム32Eの移動方向において弾性的に伸縮可能である。
【0080】
具体的には、ラッチアーム32Eの基端部321Eは、第1実施形態と同様に、円柱状の凸部325及び基部延出部324を有する。基部延出部324は、左右方向に延びる基端部左右延出部326Eに一体成形されて接続されている。ラッチアーム本体部323Eの下方向D22の側における端部と基端部左右延出部326Eとは、弾性接続部335Eと一体成形されることによって、これらは互いに接続されている。弾性接続部335Eの厚さは、基端部左右延出部326Eやラッチアーム本体部323Eの下方向D22の側における端部よりも遥かに薄く構成されている。弾性接続部335Eの途中の部分は、前後方向D1へ波状に湾曲している。これに対して、ラッチアーム本体部323Eの下方向D22の側における端部や、基端部左右延出部326Eは、ラッチアーム32Eが係合位置と係合解除位置との間で移動する際に、ほとんど弾性変形しない剛体により構成されている。
【0081】
上記構成の第6実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。ラッチ部材としてのラッチアーム32Eは、剛体により構成されたラッチアーム本体部323Eと、剛体により構成され、ラッチ駆動部としてのラッチ回転部材31に係合する駆動部係合部としての基端部321Eと、ラッチアーム本体部323Eと基端部321Eとを接続する弾性接続部335Eとを有する。この構成により、ラッチ部材としてのラッチアーム32Eを、ラッチアーム32Eの移動方向(上下方向D2)において弾性的に伸縮可能とすることができる。
【0082】
次に、本発明の第7実施形態による基板収納容器について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本発明の第7実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Fの先端部322Fが係合凹部231Fに係合している状態を示す要部概略断面図である。第7実施形態におけるラッチアーム32Fの先端部322Fの形状、係合凹部231Fの形状は、第1実施形態におけるラッチアーム32の先端部322の形状、係合凹部231Aの形状とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0083】
図13に示すように、係合凹部231Fの開口236Fと底部230Fとは、係合凹部231Fを形成する係合凹部形成部を構成する垂直部分233Fとテーパ形状部234Fとを有する側壁により結ばれて接続されている。即ち、側壁のテーパ形状部234Fは、開口236Fから底部230Fへ向かって縮径する部分を構成する。具体的には、テーパ形状部234Fは、開口236Fから底部230Fへ向かって所定の深さに至るまで延びている。テーパ形状部234Fにおいては、左右方向D3において係合凹部231Fの幅が徐々に狭くなる。そして、テーパ形状部234Fの下端と底部形成部232Fとは、左右方向D3において係合凹部231Fの幅が一定となる形状を有する垂直部分233Fにより接続されている。
【0084】
ラッチアーム32Fの先端部322Fは、ラッチ側テーパ形状部332Fを有している。ラッチ側テーパ形状部332Fは、ラッチアーム32Fの先端328Fよりもラッチアーム32Fの基部寄り(下方向D22)に位置している。ラッチ側テーパ形状部332Fのテーパ面は、ラッチアーム32Fが係合位置にあるときには、テーパ形状部234Fのテーパ面に面で当接する。このとき、ラッチアーム32Fの先端328Fは、係合凹部231Fの底部形成部232Fには当接しない。
【0085】
次に、本発明の第8実施形態による基板収納容器について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、本発明の第8実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Gの先端部322Gが係合凹部231Fに係合している状態を示す要部概略断面図である。第8実施形態におけるラッチアーム32Gの先端部322Gは、第3実施形態における先端部貫通孔331Bと同様の先端部貫通孔331Gを有する点において、第7実施形態におけるラッチアーム32Fの先端部322Fとは異なる。これ以外の構成については、第7実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0086】
ラッチアーム32Gの先端部322Gは、第3実施形態におけるラッチアーム32Bの先端部322Bと同様に、先端部貫通孔331Gと周囲枠部332Gとを有している。先端部貫通孔331Gは、ラッチアーム32Gの先端部322Gを前後方向D1に貫通している。周囲枠部332Gは、ラッチアーム32Gの先端328Gを構成する部分よりも基部側の部分に、テーパ形状部234Fのテーパ面に当接するラッチ側テーパ形状部334Gを有している。従って、ラッチアーム32Gが係合位置にあるときには、ラッチアーム32Gの先端328Gは、係合凹部231Fの底部形成部232Fには当接しない。
【0087】
上記構成の第8実施形態に係る基板収納容器によれば、ラッチアーム32Gの先端部322Gは、ラッチアーム32Gの先端部322Gを貫通する先端部貫通孔331Gと、ラッチアーム32Gが係合位置にあるときにテーパ形状部234Fのテーパ面に当接する周囲枠部332Gと、を有する。この構成により、ラッチアーム32Gの先端部322Gを、ラッチアーム32Gの移動方向において弾性的に伸縮可能とすることができる。
【0088】
次に、本発明の第9実施形態による基板収納容器について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本発明の第9実施形態に係る基板収納容器のラッチアーム32Hの先端部322Hが係合凹部231Aに係合している状態を示す要部概略断面図である。第9実施形態におけるラッチアーム32Hの先端部322Hは、係合凹部の開口236Aを形成する係合凹部形成部の一部である開口形成部235Aの部分に当接する弾性部材332Hを有する点において、第1実施形態におけるラッチアーム32の先端部322とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態の構成と同一であるため、説明を省略する。同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0089】
ラッチアーム32Hの先端部322Hは、括れ部334Hと弾性部材332Hとを有している。括れ部334Hは、ラッチアーム32Hの先端部322Hにおいて細く括れている。括れ部334Hよりもラッチアーム32Hの先端側(上方向D21の側)の部分は、左右方向D3において、ラッチアーム32Hの基部側(下方向D22の側)の部分よりも幅が小さく構成されている。弾性部材332Hは、ラッチアーム32Hと同材質で薄い厚さで一体成形されたり、ラッチアーム32Hとは別材質のゴム等が嵌め込まれて構成されており、括れ部334Hに配置されている。弾性部材332Hは、環状を有しており、括れ部334Hを一周するように括れ部334Hに装着されている。ラッチアーム32Hが係合位置にあるときに、括れ部334Hよりもラッチアーム32Hの基部側の部分は、弾性部材332Hを介して開口236Aを形成する開口形成部235Aに当接する。このとき、ラッチアーム32Hの先端328Hは、係合凹部231Aの底部形成部232Aには当接しない。
【0090】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、円柱状の凸部325が長穴312の時計回り方向もしくは反時計回り方向の端部に位置するときに、ラッチ駆動部としてのラッチ回転部材31が一時的に回転しにくくなるような構成は、上述の実施形態の構成に限定されない。具体的には、
図4Bに示すように、円柱状の凸部325が時計回り方向における長穴312の端部に位置しているときに、当該長穴312の端部に、円柱状の凸部325が係合可能な、ラッチ回転部材31の円形状部311の中心方向へ窪んだ凹部が形成されていてもよい。
【0091】
また、基板収納容器、蓋体、及びラッチ部材の材料や形状や構成は、上述した実施形態の材料や形状や構成に限定されない。例えば、ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bは、2対形成されていたが、これに限定されない。少なくとも一対形成されていればよい。また、ラッチアームの形状は、上述の実施形態におけるラッチアーム32の形状に限定されない。
【0092】
同様に、ラッチ係合凹部の形状は、上述した実施形態におけるラッチ係合凹部の形状や構成に限定されない。例えば、係合凹部形成部の部分であってラッチ部材の先端部が当接する部分は、第7、第8実施形態においては、テーパ形状部234Fにより構成されていたが、これに限定されない。係合凹部形成部の部分であってラッチ部材の先端部が当接する部分は、係合凹部の開口と底部とを結ぶ側壁であって開口から底部へ向かって縮径する部分を有する側壁であればよい。