(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134002
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】移動中継隣接セル情報のメンテナンス方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/00 20090101AFI20170515BHJP
H04W 4/04 20090101ALI20170515BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20170515BHJP
【FI】
H04W36/00 110
H04W4/04 130
H04W88/04
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-544325(P2015-544325)
(86)(22)【出願日】2013年8月16日
(65)【公表番号】特表2015-535671(P2015-535671A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】CN2013081671
(87)【国際公開番号】WO2014082473
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年7月26日
(31)【優先権主張番号】201210498973.3
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】ガオ イン
(72)【発明者】
【氏名】シエ フェン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−103966(JP,A)
【文献】
特開2010−56934(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/131655(WO,A1)
【文献】
特表2014−512752(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/142579(WO,A2)
【文献】
国際公開第2012/158085(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中継MRに応用されるMR隣接セル情報のメンテナンス方法であって、
前記MRが指定の駅に常駐する場合の、前記MRの管轄下のユーザ機器UEが移転可能なセル情報を含む隣接セル関係情報を取得することと、
前記隣接セル関係情報に基づいて、前記MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うことと、を含み、
前記MRが前記指定の駅の次の駅に移動した場合、前記隣接セル関係情報の取得を停止することをさらに含むMR隣接セル情報のメンテナンス方法。
【請求項2】
前記MRが指定の駅に常駐する場合の隣接セル関係情報を取得することが、
前記指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された前記隣接セル関係情報を受信することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MRと前記DeNBとの間のX2インターフェースメッセージ又はS1インターフェースメッセージにより前記隣接セル関係情報を受信する方式で、前記指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された前記隣接セル関係情報を受信する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記MRが指定の駅に常駐する場合の隣接セル関係情報を取得することが、
前記指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスすることと、
前記UEに自動隣接セル関係ANR測定フローの開始を通知することと、
前記ANR測定フローを経て隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて前記隣接セル関係情報を確定することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記UEにANR測定フローの開始を通知することが、
前記UEに前記ANR測定フローの開始を指示するための指示情報を載せた下り専用メッセージによって、前記UEにANR測定フローの開始を通知することを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記隣接セルリストがLTEシステム間又は周波数間の隣接セル関係情報である場合、前記下り専用メッセージには、測定対象であるターゲットLTEシステム又は周波数帯域情報がさらに載せられる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
取得した前記隣接セル関係情報に基づいて、前記MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うことが、
取得した前記隣接セル関係情報に基づいて、前記MRの隣接セルリストを確立することと、
取得した前記隣接セル関係情報に基づいて、前記MRの既存の隣接セルリストを更新することの中の一つを含む請求項2乃至6の中のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記隣接セルリストが、
長期進化型LTEシステム内又は周波数内の隣接セル関係情報、LTE周波数間又はシステム間の隣接セル関係情報の中の一つを含む請求項1乃至5の中のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記MRが移動して指定の駅に常駐する場合の隣接セル関係情報を取得することが、
前記指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信することと、前記指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスすることと、前記UEにANR測定フローの開始を通知することと、前記ANR測定フローにより隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて、第2の隣接セル関係情報を確定することと、を含み、
取得した前記隣接セル関係情報に基づいて、前記移動中継の隣接セルリストのメンテナンスを行うことが、
前記第1の隣接セル関係情報に基づいて、初期隣接セルリストを確立することと、前記第2の隣接セル関係情報に基づいて、前記初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うことと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
移動中継MRに応用されるMR隣接セル情報のメンテナンス装置であって、
前記MRが指定の駅に常駐する場合の、前記MRの管轄下のユーザ機器UEが移転可能なセル情報である隣接セル関係情報を取得するように構成された取得モジュールと、
前記隣接セル関係情報に基づいて、前記MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うように構成されたメンテナンスモジュールと、を含み、
前記MRが前記指定の駅の次の駅に移動した場合、前記隣接セル関係情報の取得を停止するMR隣接セル情報のメンテナンス装置。
【請求項11】
前記取得モジュールが、
前記指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された隣接セル関係情報を受信するように構成された第1の受信ユニットを含む請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記取得モジュールが、
前記指定の駅に関連つけられたDeNBにアクセスするように構成された第1のアクセスユニットと、
前記UEに自動隣接セル関係ANR測定フローの開始を通知するように構成された第1の通知ユニットと、
前記ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて前記隣接セル関係情報を確定するように構成された第1の取得ユニットと、を含む請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記メンテナンスモジュールが、
取得した前記隣接セル関係情報に基づいて前記MRの隣接セルリストを確立し、又は、取得した前記隣接セル関係情報に基づいて前記MRの既存の隣接セルリストを更新するように構成された第1のメンテナンスユニットを含む請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記取得モジュールが、
前記指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信するように構成された第2の受信ユニットと、
前記指定の駅に関連つけられたDeNBにアクセスするように構成された第2のアクセスユニットと、
前記UEにANR測定フローの開始を通知するように構成された第2の通知ユニットと、
前記ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて第2の隣接セル関係情報を確定するように構成された第2の取得ユニットと、を含み、
前記メンテナンスモジュールが、
前記第1の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストを確立するように構成された確立ユニットと、
前記第2の隣接セル関係情報に基づいて前記初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うように構成させた第2のメンテナンスユニットと、を含む請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的には、移動中継(Mobile Relay、以下MRと略称)隣接セル情報のメンテナンス方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代移動通信システムの通信分野における競争力を保持するため、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3rd Generation Partnership Project、以下3GPPと略称)標準作業チームは、発展型パケットシステム(Evolved Packet System、以下EPSと略称)の研究に力を注いでいる。EPSシステム全体は主に、進化型地上無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、以下E−UTRANと略称)と、進化型パケットコアネットワーク(Evolved Packet Core、以下EPCと略称)との二つの部分を含む。該システムのEPCは、ユーザによるクロバール移動通信(Global system for Mobile Communication、以下GSM(登録商標)と略称)システム/GSM(登録商標)革新のための強化データレート(Enhanced Data Rate for GSM(登録商標) Evolution、以下EDGEと略称)無線アクセスネットワーク(GSM(登録商標) EDGE radio access network、以下GERANと略称)と汎用地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network、以下UTRANと略称)からのアクセスをサポートする。
【0003】
EPCパケットコアネットワークにおいて、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server、以下HSSと略称)と、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、以下MMEと略称)と、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、以下S−GWと略称)と、パケットデータネットワークゲートウェイ(PDN Gateway、以下P−GWと略称)と、サービングGPRS支援ノード(Serving GPRS Support Node、以下SGSNと略称)と、ポリシー及び課金ルール機能エンティティ(Policy and Charging Enforcement Function、以下PCRFと略称)と、を含み、その中において、
HSSは、ユーザの契約データを永久に記憶する箇所で、ユーザ契約が帰属されるネットワークであって、
MMEは、ユーザの契約データを現在のネットワークで記憶する箇所で、端末からネットワークの非アクセス層(Non−Access Stratum、以下NASと略称)へのシグナル管理、ユーザのアイドルモードでのトラッキング及び呼び出し管理機能とベアラ(ベアリング)管理を行っていて、
S−GWは、コアネットワークから無線システムへのゲートウェイで、端末からコアネットワークへのユーザインターフェースのベアラ、端末のアイドルモードでのデータバッファリング、ネットワーク側からサービス要求を発する機能、合法的な傍受、パケットデータルーティング、転送機能を実現し、
P−GWは、発展したパケットシステムと該システムの外部ネットワークのゲートウェイで、端末のIPアドレスの割り当て、課金機能、パケットフィルタリング、ポリシー応用等の機能を実現し、
SGSNは、GERANとUTRANのユーザがEPCネットワークへアクセスするサービス支援点で、その機能はMMEに類似し、ユーザの位置の更新、呼び出し管理、ベアラ管理等の機能を実現し、
PCRFは、ポリシー及び課金実行機能(Policy and Charging Enforcement Function、以下PCEFと略称)にポリシー制御及び課金ルールを提供する。
【0004】
ある場合には、無線カバー範囲を拡張するため、又はアクセスユーザの無線提供能力を一時的に補強するため、中継(Relay)ノードの概念を導入した。該ネットワークの構造は
図1に示し、ネットワークエレメントは、以下のようである:
中継ノード(Relay Node、以下RNと略称)は、ユーザ機器(User Equipment、以下UEと略称)と中継ノードの二つの機能を果たしている。RNは、UEアクセスネットワークとして、ベアラ等の関連する操作を確立する一方、進化型基地局(E−UTRAN NodeB、以下eNBと略称)として、UEにアクセスを提供する。
【0005】
ドナー基地局(Donor eNodeB、以下DeNBと略称)は、RNに無線アクセスを提供して、RN−UEの無線リソース制御(Radio Resource Control、以下RRCと略称)シグナルを終了させ、RN−eNBのS1APシグナル及びX2シグナルを終了させる。同時に、RN−UEのSGWとPGWを内蔵する。
【0006】
中継ノードのオペレータ管理(Relay Node Operator and Management、以下RN OAMと略称)システムは、RNがそれから必要な接続情報を取得するものである。
【0007】
事業者は、例えば辺ぴな未発達な地域、又は突然開催された大型会議又は試合等の有線接続を配置しにくい箇所に中継ノードを配置することによって基地局のカバー範囲を拡張するために上記の構造を配置する。この場合、中継ノードの位置は通常固定されている。しかし、中継ノードの応用につれて、事業者は当該技術をさらに多方面に応用し始め、例えば、高速鉄道において、列車が高速で移動するので、列車沿線に大量の有線通信施設を配置しなければならなく、それにより事業者の配置コストが増加される。一方、中継ノードとドナー基地局との間の無線リンクによると、該コストを低減させることができるので、事業者の注目を浴びていて、このような機器は移動中継と呼ばれる(
図1を参照)。高速鉄道の場合の特徴は以下のようである。
列車が高速に運転し、例えば350km/h、(ヨーロッパのEurostar列車の場合、その長さは393メートルで、速度は300km/hに達し、日本の新幹線の場合、その長さは480メートルで、速度は300km/hに達し、中国の高速鉄道の場合、長さは432メートルで、速度は350km/hに達する)、
一定の線路に沿って運転し、
列車車両の信号の透過損失が高く、
列車上のユーザが列車に対して静止状態又は徒歩速度で移動する。
【0008】
現在のMR使用状況の特別性、つまり、高速鉄道での使用に鑑みて、以下の方面からMRの自動隣接セル最適化を実現することができる。
MRが高速鉄道のユーザのみのためにサービスを提供するので、列車の走行中、ソースDeNBは該MRに対して明確な切替ターゲットセルがあって、且つ、列車の走行中に、MR下のユーザは相対静止状態であるので単独の切り換えを行う必要がないので、MRを列車走行中にUEとする場合、自動隣接セル関係(Automatic Neighbor Relation、以下ANRと略称)の測定を行う必要がなく、eNBとする場合も隣接セル関係テーブル(Neighbor Relation Table、以下NRTと略称)のメンテナンスを行う必要がない。ここでのANRは主にMRをeNBとした場合のみを考慮する。従って、MRにとって、列車が駅に到着して停止した場合、MR下のユーザは外部のマクロセルに移転しなければならないので、この時、隣接セル関係に基づいてユーザ移転を実現しなければならない。
【0009】
長期進化型(Long−Term Evolution、以下LTEと略称)ANRの需要との相違点は、MRのANRは特定のときのみ作動するが、LTE ANRは作動の制限を受けないことにある。列車の運転中にMRにNRTテーブルを記憶したりメンテナンスしたりする必要がなく、つまり、ANR機能を必要としない。移動環境で(例えば高速鉄道の運転環境)のMRが如何に、隣接セル自動生成及び最適化を実現するかについて未だに有効な解決案が提示されているとはいえない。よって、移動環境(高速鉄道環境)において移動中継ノードを配置する場合、如何に移動中継による隣接セル自動生成及び最適化を保証するかは解決すべき問題である。
関連技術における上記問題について、未だに有効な解決案が提示されていないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
関連技術において、移動環境(例えば高速鉄道環境)においてMRが如何に隣接セル自動生成及び最適化を実現するか等の技術問題に鑑みて、本発明の実施例は、少なくとも上記問題を解決できる移動中継隣接セル情報のメンテナンス方法及び装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例によると、MRに応用されるMR隣接セル情報のメンテナンス方法であって、MRが指定の駅にいる場合の、MRの管轄下のユーザ機器UEが移転可能なセル情報を含む隣接セル関係情報を取得することと、隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うことと、を含むMR隣接セル情報のメンテナンス方法を提供する。
【0012】
MRが指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報を取得することが、指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された隣接セル関係情報を受信することを含むことが好ましい。
【0013】
MRとDeNBとの間のX2インターフェースメッセージ又はS1インターフェースメッセージにより隣接セル関係情報を受信する方式で、指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された隣接セル関係情報を受信することが好ましい。
【0014】
MRが指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報を取得することが、指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスすることと、UEにANR測定フローの開始を通知することと、ANR測定フローを経て隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて隣接セル関係情報を確定することとを含むことが好ましい。
【0015】
UEにANR測定フローの開始を通知することが、UEにANR測定フローの開始を指示するための指示情報を載せた下り専用メッセージによってUEにANR測定フローの開始を通知することを含むことが好ましい。
【0016】
隣接セルリストがLTEシステム間又は周波数間の隣接セル関係情報である場合、下り専用メッセージには、測定対象であるターゲットLTEシステム又は周波数帯域情報がさらに載せられることが好ましい。
【0017】
取得した隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うことは、取得した隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストを確立することと、取得した隣接セル関係情報に基づいて、MRの既存の隣接セルリストを更新することの中の一つを含むことが好ましい。
【0018】
隣接セルリストが、長期進化型LTEシステム内又は周波数内の隣接セル関係情報、LTE周波数間又はシステム間の隣接セル関係情報の中の一つを含むことが好ましい。
【0019】
MRが移動して指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報を取得することが、指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信することと、指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスすることと、UEにANR測定フローの開始を通知することと、ANR測定フローをにより隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて、第2の隣接セル関係情報を確定することと、を含み、取得した隣接セル関係情報に基づいて、移動中継の隣接セルリストのメンテナンスを行うことが、第1の隣接セル関係情報に基づいて、初期隣接セルリストを確立することと、第2の隣接セル関係情報に基づいて、初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うことと、を含むことが好ましい。
【0020】
上記方法が、MRが指定の駅の次の駅に移動した場合、隣接セル関係情報の取得を停止することをさらに含むことが好ましい。
【0021】
本発明の他の実施例によると、MRに応用されるMR隣接セル情報のメンテナンス装置であって、MRが指定の駅にいる場合の、MRの管轄下のUEが移転可能なセル情報である隣接セル関係情報を取得するように構成された取得モジュールと、隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うように構成されたメンテナンスモジュールと、を含むMR隣接セル情報のメンテナンス装置を提供する。
【0022】
取得モジュールが、指定の駅に関連付けられたドナー基地局(DeNB)から送信された隣接セル関係情報を受信するように構成された第1の受信ユニットを含むことが好ましい。
【0023】
取得モジュールが、指定の駅に関連つけられたDeNBにアクセスするように構成された第1のアクセスユニットと、UEにANR測定フローの開始を通知するように構成された第1の通知ユニットと、ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて隣接セル関係情報を確定するように構成された第1の取得ユニットと、を含むことが好ましい。
【0024】
上記メンテナンスモジュールが、取得した隣接セル関係情報に基づいてMRの隣接セルリストを確立し、又は、取得した隣接セル関係情報に基づいてMRの既存の隣接セルリストを更新するように構成された第1のメンテナンスユニットを含むことが好ましい。
【0025】
取得モジュールが、指定の駅に関連付けられたドナー基地局DeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信するように構成された第2の受信ユニットと、指定の駅に関連つけられたDeNBにアクセスするように構成された第2のアクセスユニットと、UEにANR測定フローの開始を通知するように構成された第2の通知ユニットと、ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて第2の隣接セル関係情報を確定するように構成された第2の取得ユニットと、を含み、メンテナンスモジュールが、第1の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストを確立するように構成された確立ユニットと、第2の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うように構成させた第2のメンテナンスユニットと、を含むことが好ましい。
【0026】
本発明によると、MRが指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報を取得してMRの隣接セルリストのメンテナンスを行う技術手段を用いることによって、関連技術における移動環境(例えば高速鉄道環境)にてMRが如何に隣接セル自動生成及び最適化を実現するかの問題を解決し、MR下のUEが適切な隣接セルに高速に移転することができ、MRの切り換えプロセス及びネットワーク性能の最適化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここで説明する図面は本発明を理解させるためのもので、本発明の一部を構成し、本発明における実施例と共に本発明を解釈し、本発明を不当に限定するのではない。
【
図1】
図1は、関連技術に係わる移動中継配置状況を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス装置の構造を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス装置の他の構造を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例2に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施例3に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施例4に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の実施例5に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ実施例を結合して本発明を詳しく説明する。ここで、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例に記載の特徴を組み合わせることができる。
関連技術において、移動環境(例えば高速鉄道環境)にてMRが如何に隣接セル自動生成及び最適化を実現するかについての解決案を提示していない問題に鑑みて、以下、実施例を結合して関連する解決案を提示し、詳しく説明する。
【0029】
実施例1
図2は本発明の実施例1に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス方法を示すフローチャートである。該方法はMRに応用され、
MRが指定の駅にいる(常駐する)場合の隣接セル関係情報を取得するステップS202と、ここで、隣接セル関係情報はMRの管轄下のUEが移転可能なセル情報を含み、
隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うステップS204と、を含む。
【0030】
上記処理ステップによって、MRが駅にいる際に上記隣接セル関係情報を取得し、該隣接セル関係情報に基づいてMRの隣接セルリストのメンテナンスを行うので、MRが隣接セル自動生成及び最適化を実現することができる。
【0031】
ステップS202において、上記隣接セル関係情報を取得する方式はさまざまであって、例えば、MRに予め設定して、上記指定の駅への到着時をトリガーして有効にすることができ、本実施例において、以下の方法で実現することもできる:
第1種方法について、
指定の駅に到着して常駐した後、DeNBが隣接セル関係情報をMRに送信し、つまり、MRの場合、上記指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された隣接セル関係情報を受信する。該方法によると、MRとDeNBとの間のX2インターフェースメッセージ又はS1インターフェースメッセージを介して隣接セル関係情報を受信する。具体的に応用する場合、上記処理ステップを以下のような実現することができる。
MRが駅に移動した時、駅位置のDeNB(即ち、駅に関連つけられたDeNB)が地上インターフェースを介して、MRに隣接セル情報(即ち、隣接セル関係情報)を伝送する。MRとDeNBとの間にX2インターフェースが存在すると、DeNBはX2インターフェースメッセージを介して、ローカルの隣接セル情報、例えばX2確立要求、応答メッセージ、基地局配置更新メッセージ等をMRに伝送する。MRとDeNBとの間にX2インターフェースがないと、DeNBはS1インターフェースを介して伝送することができる。
【0032】
第2種方法について
該方法は、UEにANR測定の開始を通知して上記隣接セル関係情報を取得しなければならなく、具体的に、上述したMRが指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報の取得は以下のステップによって実現される。
(1)指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスする。
(2)UEに自動隣接セル関係ANR測定フローの開始を通知する。
(3)ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて、上記隣接セル関係情報を確定する。
【0033】
該方法において、下り専用メッセージによって、UEにANR測定フローの開始を通知し、ここで、下り専用メッセージに、UEにANR測定フローの開始を指示するための指示情報が載せられる。
【0034】
該方法において、隣接セルリストがLTEシステム間又は周波数間の隣接セル関係情報である場合、下り専用メッセージに、測定対象であるターゲットLTEシステム又は周波数帯域の情報がさらに載せられる。
【0035】
該方法の実現過程はUEに基づく解決案であって、具体的には以下のプロセスによって実施される。
(1)LTE内/周波数内(Intra−LTE/frequency)隣接セル自動生成及び最適化
テーブルの一時的な構築であって且つ地域性が強いので、DeNBの指導で行うことができる。例えば、列車が駅に到着し、MRが駅DeNBに切り換えし、駅DeNBで属性配置を設定して、該DeNBが一つの駅に関連つけられたDeNBであると判定する。MRは、MR OAMからDeNBリストを取得する際、該属性配置情報、例えば駅のDeNBマーク情報等を取得し、
MRが該DeNBにアクセスした後、MRがUEにANR測定及び処理の開始を通知する。つまり、MRがエアインターフェースで下り専用メッセージを介してUEに測定を行うことを通知し、メッセージには指示情報、例えばANR測定のオン等が載せられ、
UEがセルBに関する測定結果を送信する。結果は、クロバール識別子(Global−CID、以下GCIと略称)ではなく、セルBのセル物理識別子(Phy−CID、以下PCIと略称)を含み、
MRがUEから送信されたPhy−CIDを含む測定結果を受信し、以下のステップを実行する。
MRがUEに、新しく発現したPhy−CIDをパラメータとして、関連する隣接セルのGlobal−CID、トラッキング領域コード(Tracking Area Code、以下TACと略称)、全ての利用可能な公共地上移動ネットワーク(Public Land Mobile Network、以下PLMNと略称) IDを読み取ることを通知し、UEが隣接セルのGlobal−CIDを取得すると、UEがそれをサービングセルのMRに報知し、
MRが当該隣接セル関係に加入すると決定し、Phy−CIDとGlobal−CID及びUEが報知した他の情報を用いて、システム内/周波数内の隣接セルリストを更新することができる。
【0036】
(2)システム間/周波数間(Inter−RAT/Inter−frequency)の隣接セル自動生成及び最適化
テーブルの一時的な構築であって且つ地域性が強く、且つ、Inter−RAT/Inter−frequency測定を行うので、DeNBの指導で行わなければならない。例えば列車が駅に到着し、MRが駅のDeNBに切り換えし、駅のDeNBに属性配置を設定して、該DeNBが一つの駅に関連つけられたDeNBであると判定する。MRは、MR OAMからDeNBリストを取得する際に該属性配置情報、例えば駅DeNBマーク情報を取得することができる。
A)MRが該DeNBにアクセスした後、UEにANR測定及び処理の開始を通知することができる。つまり、MRがエアインターフェースで下り専用メッセージを介してUEに測定を通知する。ここで、指示情報、例えばANR測定のオンをを含むと共に、測定対象であるターゲットシステム/周波数帯域の測定情報も含むべきである。
B)UEが測定して得たターゲットシステム/周波数帯域セルのPhy−CIDを報知する。
MRは、UEが報知したセルPhy−CIDを受信した後、以下のステップを実行する。
C)MRがUEに、新しく発現したPhy−CIDをパラメータとして、検出されたターゲットシステムのGlobal−CID、又は検出されたターゲット周波数帯域のGlobal−CID、TAC、全ての利用可能なPLMN IDを読み取ることを通知する。従って、MRは、UEが検出された隣接セルの放送チャネルを介してGlobal−CIDを読み取るように、適切な空き周期をスケジューリングしなければならない。
D)UEが検出されたターゲットシステムのGlobal−CID、又は検出されたのターゲット周波数帯域のGlobal−CID、TAC、全ての利用可能なPLMN IDを読み取った後、それをサービングセルのMRに報知する。
MRが当該隣接セル関係に加入すると決定し、Phy−CIDとGlobal−CID及びUEが報知した他の情報に基づいて、システム間/周波数間の隣接セルリストを更新する。
【0037】
本実施例において、ステップS204中の「メンテナンス」は、確立と更新の二つの意味を持つことができ、具体的に、ステップS204が、取得した隣接セル関係情報に基づいてMRの隣接セルリストを確立することと、取得した隣接セル関係情報に基づいてMRの既存の隣接セルリストを更新することの中の一つを含むことができる。
【0038】
本実施例において、上記隣接セルリストは、LTEシステム内又は周波数内の隣接セル関係情報、LTE周波数間又はシステム間の隣接セル関係情報の中の一つを含むことができる。
【0039】
第3種方法について
該方法は第1種方法と第2種方法を結合した方案に相当する。先ず、第1種方法で初期隣接セルリストを確立し、その後、第2種方法で初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うことができ、具体的には、
MRが移動して指定の駅にいた(常駐した)場合の隣接セル関係情報を取得し、以下のプロセスによって実現することができる:指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信し、指定の駅に関連付けられたDeNBにアクセスし、UEにANR測定フローの開始を通知し、ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し該隣接セル情報に基づいて第2の隣接セル関係情報を確定する。
取得した隣接セル関係情報に基づいて移動中継の隣接セルリストのメンテナンスを行って、以下のプロセスによって実現することができる:第1の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストを確立し、第2の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストの完全化又は更新を行う。
【0040】
本実施例において、MRが指定の駅の次の駅に移動した場合、隣接セル関係情報の取得を停止する。具体的に実施する場合、上記処理ステップを以下の形式で実現することができる:
ANRを作動させた後、MRが駅DeNBの次のDeNBに移動して自動的に停止し、ローカルNRTテーブルを空きにする。下り専用メッセージを介して、UEに通知することができ、例えばメッセージに停止指示を載せることができれば、RRC再配置メッセージによって測定重配置、例えばサービングセルの信号品質のみを検出することもできる。
【0041】
本実施例においてさらに、MR隣接セル情報のメンテナンス装置を提供し、該装置はMRに応用されるものであって、上記実施例及び好適な実施形態を実現するものであって、既に説明した部分の説明は省略する。以下、該装置におけるモジュールを説明する。以下の使用する用語「モジュール」は、所定の機能を実現できるのソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せである。以下の実施例で説明する装置をソフトウェアで実現することが好ましいが、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組合せで実現することも可能である。
図3は本発明の実施例1に係わるMR隣接セル情報のメンテナンス装置の構造を示すブロック図である。
図3に示すように、該装置は、
メンテナンスモジュール32に接続されて、MRが指定の駅にいる場合の隣接セル関係情報を取得するように構成された取得モジュール30と、ここで、隣接セル関係情報はMRの管轄下のUEが移転可能なセル情報であり、
上記隣接セル関係情報に基づいてMRの隣接セルリストのメンテナンスを行うように構成されたメンテナンスモジュール32と、を含む。
【0042】
上記各モジュールにより実現できる機能によると、同じく、MRが駅にいる場合に上記隣接セル関係情報を取得することができ、また、該隣接セル関係情報に基づいて、MRの隣接セルリストのメンテナンスを行うので、該装置によってもMRが隣接セル自動生成及び最適化を実現することができる。
【0043】
本実施例において、
図4に示すように、上記取得モジュールは、指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された隣接セル関係情報を受信するように構成された第1の受信ユニット300を含むことができる。
【0044】
本実施例において、
図4に示すように、上記取得モジュールは、第1の通知ユニット304に接続されて、指定の駅に関連するDeNBにアクセスするように構成された第1のアクセスユニット302と、第1の取得ユニット306に接続されて、UEにANR測定フローの開始を通知するように構成された第1の通知ユニット304と、ANR測定フローを介して隣接セル情報を取得し、該隣接セル情報に基づいて第2の隣接セル関係情報を確定するように構成された第1の取得ユニット306と、をさらに含むことができる。
【0045】
本実施例において、
図4に示すように、上記メンテナンスモジュール32は、
取得した隣接セル関係情報に基づいて、移動中継の隣接セルリストを確立し、又は、取得した隣接セル関係情報に基づいて、移動中継の既存の隣接セルリストを更新するように構成された第1のメンテナンスユニット320を含むことができる。
【0046】
本実施例において、
図4に示すように、上記取得モジュール30は、
指定の駅に関連付けられたDeNBから送信された第1の隣接セル関係情報を受信するように構成された第2の受信ユニット308と、
第2の通知ユニット312に接続されて、指定の駅に関連つけられたDeNBにアクセスするように構成された第2のアクセスユニット310と、
第2の取得ユニット314に接続されて、UEにANR測定フローの開始を通知するように構成された第2の通知ユニット312と、
ANR測定フローを介して第2の隣接セル関係情報を取得するように構成された第2の取得ユニット314と、をさらに含み、
メンテナンスモジュール32が、
第2のメンテナンスユニット324に接続されて、第1の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストを確立するように構成された確立ユニット322と、
第2の隣接セル関係情報に基づいて初期隣接セルリストの完全化又は更新を行うように構成された第2のメンテナンスユニット324と、をさらに含むことができる。
【0047】
上記実施例を一層理解させるため、以下、実施例2〜5と関連する図面を結合して詳しく説明する。以下の実施例で説明する解決案は、一時的なNRTテーブルで高速の確立の求められる、NRTテーブルの地域性が強く、各駅のNRが全て異なっている、ANRがネットワーク側の指導によって行われる、等のMR ANRの特徴に基づいて行われる。
【0048】
実施例2
本実施例の目的は、高速鉄道の状況下、ネットワーク側に基づく解決案又はUEによる報知に基づく解決案、又は混合した解決案によって、MRが駅に進入した後の隣接セル自動生成及び最適化を実現し、MR下のユーザが適切な隣接セルに高速且つ有効に移転することができ、また、UEの電気消費を最大限に節約でき、移動中継の切り換えの最適化及びネットワーク性能の向上を実現できる。
【0049】
本実施例で提供するMR隣接セル情報のメンテナンス方法によると、インターフェースによる伝送又はエアインターフェースでの報知の方式で、MRの隣接セル自動生成及び最適化を実現することができ、ネットワークの性能の最適化に有利であって、ユーザの満足度を高める。
【0050】
上記目的を実現するため、本実施例において以下の技術案を利用する。
MRとDeNBとの間いにX2インターフェースが存在すると仮説すると、
図5に示すように、該方法は以下のステップを含む。
MRが駅に移動した場合、即ち、MRが駅位置のDeNBに切り換えした場合、該DeNBはX2インターフェースを介して、MRに隣接セル情報を伝送し、X2インターフェースプロセスメッセージ又はeNB基地局配置更新メッセージによって伝送することができ、前者である場合はステップS504に移行し、後者の場合はステップS508に移行する(ステップS502)。
MRがDeNBにX2インターフェース確立要求を送信する(ステップS504)。
【0051】
DeNBが、MRにX2インターフェース確立応答を送信し、該応答にDeNBの全てのサービングセル情報が載せられる(ステップS506)。
DeNBが、X2確立要求メッセージを介して、MRに駅配置更新メッセージ送信し、該メッセージにDeNBの全てのサービングセル情報が載せられる(ステップS508)。
MRは、X2インターフェースメッセージを受信した後、選択的に応答メッセージ中のサービングセルを自分の隣接セルとして配置することができ(ステップS510)、例えばOAMと交換する方式で、隣接セルの黒白テーブルに基づいて制限することができる。
【0052】
さらに、MRと駅DeNBとの間にX2インターフェースがないと、S1インターフェースを介して上記プロセスを実現することができる。
【0053】
MR下のUEが他の基地局に移転する場合にいずれもDeNBのセルを介して移行しなければならないと仮説すると、MRに記憶された隣接セル関係がDeNBと一致すればよい。
【0054】
上記仮説が成立しないと、つまり、MR下のユーザが直接にDeNB以外のeNBセルに移転し又はDeNBのサービングセルを介して外部のeNBに移転する。通常、駅地域DeNBのカバー領域には必ず、UEがMRから離れた後の移動領域が含まれている。ここで、DeNBのセルが必ずMRセルの隣接セルとして配置されるとは限らない。この時、実施例3〜5の解決案を利用しなければならない。
【0055】
実施例3
本実施例はUEによる報知に基づいてLTE内/周波数内(Intra−LTE/frequency)隣接セル自生成及び最適化を実現し、
図6に示すように、該方法は以下のステップを含む。
テーブルの一時的な構築であって且つ地域性が強いので、DeNBの指導で行う。このようにすると、走行中にUEがMRと一緒に移動し外部のeNBに移転することがないので、列車の走行中にUEが別途の測定及び報知を行う必要がなく、UEの電気量を節約するメリットを有する。例えば、列車が駅に到着すると、MRが駅DeNBに切り換えし、駅DeNBに属性配置を設定して、該DeNBが駅に関連するDeNBであると確定することができる。MRはMR OAMからDeNBリストを取得する際に該属性配置情報、例えば駅DeNBマーク情報を取得することができる(ステップS602)。
【0056】
MRが該DeNBにアクセスした後、MRがUEにANR測定の開始及び処理を通知する。つまり、MRがエアインターフェースで下り専用メッセージを介して、UEに測定を通知することができ、メッセージに、例えばANR測定のオン等の指示情報を載せることができる(ステップS604)。
【0057】
UEがセルBに関する測定結果を送信する。当該結果は、Global−CIDではなく、セルBのセル物理識別子(Phy−CID)を含む(ステップS606)。
【0058】
MRがUEから送信されたPhy−CIDを含む測定報告を受信し、MRがUEに、新しく発現したPhy−CIDをパラメータとして関連する隣接セルのGlobal−CID、TAC(トラッキング領域コード)、全ての利用可能なPLMN IDを読み取ることを通知する。よって、UEが測定した隣接セルのGlobal−CIDを読み取るように、MRが適切な空き周期をスケジューリングしなければならない(ステップS608)。
【0059】
UEが隣接セルのGlobal−CIDを取得し、それをサービングセルのMRに報知する。MRが必要である場合、UEはさらに測定した隣接セルのTAC、全てのPLMN IDを報知する(ステップS610)。
【0060】
MRが当該隣接セル関係に加入すると決定し、Phy−CIDとGlobal−CID及びUEが報知した他の情報に基づいて、システム内/周波数内の隣接セルリストを更新する(ステップS612)。
【0061】
実施例4
本実施例はUEによる報知に基づいてシステム間/周波数間(Inter−RAT/Inter−frequency)の隣接セル自生成及び最適化を実現する。
図7に示すように、本実施例で提供するMR隣接セル情報のメンテナンス方法は以下のステップを含む。
テーブルの一時的な構築であって且つ地域性が強いので、DeNBの指導で行うことができる。このようにすると、走行中にUEがMRと一緒に移動し外部のeNBに移転することがないので、列車の走行中にUEが別途の測定及び報知を行う必要がなく、UEの電気量を節約するメリットを有する。例えば、列車が駅に到着すると、MRが駅DeNBに切り換えし、駅DeNBに属性配置を設定して、該DeNBが駅に関連するDeNBであると確定することができる。MRはMR OAMからDeNBリストを取得する際に該属性配置情報、例えば駅DeNBマーク情報を取得することができる(ステップS702)。
【0062】
MRが該DeNBにアクセスした後、UEにANR測定の開始及び処理を通知する。つまり、MRがエアインターフェースで下り専用メッセージを介して、UEに測定を通知することができる。ここで、例えばANR測定のオン等の指示情報を載せることができれば、測定対象であるターゲットシステム/周波数帯域測定情報を載せることもできる。MRがUEに、ターゲットシステム/周波数帯域で相隣接セルを測定することを通知する。よって、UEがターゲットシステム/周波数帯域中の利用可能なセルを検出するように、MRが適切な空き周期をスケジューリングしなければならない(ステップS704)。
【0063】
UEがセルBに関する測定結果を送信する。当該結果はセルBのセル物理識別子(Phy−CID)を含む。Phy−CIDは、UTRAN 周波数分割複信(Frequency Division Duplexing、以下FDDと略称)セルである場合は、キャリア周波数、プライマリースクランブリングコード(Primary Scrambling Code、以下PSCと略称)により、UTRAN 時分割複信(Time Division Duplexing、以下TDDと略称)セルである場合は、キャリア周波数、セルパラメータIDにより、GERANセルである場合は、基地局識別子(Base Station Identity Code、以下BSICと略称)と放送制御チャネル(Broadcast Control Channel、以下BCCHと略称)のARFCN(絶対無線周波数チャネル番号)により、CDMA2000 cellである場合は、PN Offsetにより定義される(ステップS706)。
【0064】
MRは、UEから送信されたPhy−CIDを含む測定報告を受信し、UEに、新しく発現したPhy−CIDをパラメータとして、検出されたターゲットシステムのGlobal−CID又は検出されたターゲット周波数帯域のGlobal−CID、TAC、全ての利用可能なPLMN IDを読み取ることを通知する。GERANセルである場合は、汎用ゲートウェイインターフェース(Common Gateway Interface、以下CGIと略称)、相対アドレス符号化(Relative Address Coding、以下RACと略称)を読み取り、UTRANセルである場合は、CGI、位置エリアコード(Location Area Code、以下LACと略称)、RACを読み取り、CDMA2000セルである場合は、CGIを読み取る。LTE周波数間セルの場合、ECGIと、TACと、全ての利用可能なPLMN IDとを含む。従って、eNodeBは、UEが検出した隣接セルの放送チャネルによってGlobal−CIDを読み取るように、適切な空き周期をスケジューリングしなければならない(ステップS708)。
【0065】
UEがステップS708中の情報を取得した後、UEはそれをサービングセルのMRに報知する(ステップS710)。
【0066】
MRが当該隣接セル関係に加入すると決定し、Phy−CIDとGlobal−CID及びUEが報知した他の情報に基づいて、システム内/周波数内の隣接セルリストを更新する(ステップS712)。
【0067】
実施例5
図8に示すように、本実施例で提供するMR隣接セル情報のメンテナンス方法は以下のステップを含む。
MRは、駅のDeNBに進入した後、実施例2の方案に従って初期のNRTテーブルを確立する(ステップS802)。
【0068】
実施例3〜4の方案に従って、UEによる報知に基づいて、NRTテーブルの完全化を実現する(ステップS804)。
なお、実施例2〜5において、ANRが開始された後、MRは駅DeNBの次のDeNBに移動した場合に自動停止し、ローカルNRTテーブルを空きにする。例えばメッセージに停止指示を載せる等、下り専用メッセージによってUEに通知することができれば、RRC再配置メッセージによって測定の再配置、例えばサービングセルの信号品質のみを測定すると再配置することができる。
【0069】
他の実施例において、上記実施例及び好適な実施形態に記載の技術案を実行するためのソフトウェアを提供する。
また、他の実施例において、上記ソフトウェアが格納された記憶媒体を提供し、当該記憶媒体は光ディスク、フロッピ、ハードディスク、書き込み・消去可能なメモリ等を含むが、これらの限定されることはない。
【0070】
当業者にとって、上記の本発明の各ブロック又は各ステップは共通の計算装置によって実現することができ、単独の計算装置に集中させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに計算装置が実行可能なプログラムのコードによって実現することもできるので、それらを記憶装置に記憶させて計算装置によって実行することができ、又は夫々集積回路ブロックに製作し、又はそれらにおける複数のブロック又はステップを単独の集積回路ブロックに製作して実現することができることは明らかなことである。このように、本発明は如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合にも限定されない。
【0071】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。