特許第6134009号(P6134009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニムの特許一覧

<>
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000002
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000003
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000004
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000005
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000006
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000007
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000008
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000009
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000010
  • 特許6134009-計時器用プレート 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134009
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】計時器用プレート
(51)【国際特許分類】
   G04B 31/04 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   G04B31/04
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-555758(P2015-555758)
(86)(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公表番号】特表2016-505150(P2016-505150A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2014052784
(87)【国際公開番号】WO2014146832
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】13160026.4
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599040492
【氏名又は名称】ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ストランツル,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エスレ,ティエリ
(72)【発明者】
【氏名】エルフェ,ジャン−リュック
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−222135(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02015147(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 31/00 − 08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器用機構用の少なくとも1つのピボット(45)を有する計時器用プレート(2)であって、
前記ピボット(45)は、当該プレート(2)内においてアーバー(47)を半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバー(46)と、
前記アーバー(47)の端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバー(49)と、及び
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)に少なくとも作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)とを有し、
前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)は、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)ではない少なくとも1つの構造要素(451)と一体の形態で、マイクロ部品製造のためのMEMS、LIGA又はリソグラフィー製造技術によって、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石
英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られ、
前記ピボット(45)は、重なり合った第1のレベル及び第2のレベルを有し、
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)は、前記第1のレベルにおいて、第1のショックアブソーバー(48A)を少なくとも介して前記構造要素(451)に懸架されており、
前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、前記第2のレベルにおいて、第2のショックアブソーバー(48B)を少なくとも介して前記構造要素(451)に懸架されており、
当該プレート(2)は、当該プレート(2)に含まれる前記ピボット(45)の少なくとも1つに対応する構造要素(451)を形成し、
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は両方とも、マイクロ部品のためのMEMS、LIGA又はリソグラフィーの製造技術によって当該プレート(2)と一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られ、さらに、
前記第1のレベルにおいて、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)は、第1の接続要素(48C)によって上側軸受石座(26)に懸架され、
前記上側軸受石座(26)は、前記第1のショックアブソーバー(48A)によって前記構造要素(451)に懸架されてい
ことを特徴とするプレート(2)。
【請求項2】
前記第1の接続要素(48C)は、可撓性要素である
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項3】
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)、前記上側軸受石座(26)、前記第1の接続要素(48C)、及び前記第1のショックアブソーバー(48A)は、一体の部品を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項4】
前記第2のレベルにおいて、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、前記第2の接続要素(48D)によって下側軸受石座(27)に懸架され、
前記下側軸受石座(27)は、前記第2のショックアブソーバー(48B)によって前記構造要素(451)に懸架されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項5】
前記第2の接続要素(48D)は、可撓性要素である
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項6】
前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)、前記下側軸受石座(27)、前記第2の接続要素(48D)、及び前記第2のショックアブソーバー(48B)は、一体の部品を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項7】
前記第2のレベルにおいて、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、第2の接続要素(48D)によって下側軸受石座(27)に懸架され、
前記下側軸受石座(27)は、前記第2のショックアブソーバー(48B)によって前記構造要素(451)に懸架されており、
前記上側軸受石座(26)及び前記下側軸受石座(27)は、単一の剛性部品を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項8】
前記第1のショックアブソーバー(48A)及び前記第2のショックアブソーバー(48B)は、単一の部品を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項9】
前記第2のレベルにおいて、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、第2の接続要素(48D)によって下側軸受石座(27)に懸架され、
前記下側軸受石座(27)は、前記第2のショックアブソーバー(48B)によって前記構造要素(451)に懸架されており、
前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、前記アーバー(47)の方向の軸方向のショックを吸収するように構成する前記可撓性の第2の接続要素(48D)によって前記下側軸受石座(27)に懸架されており、
前記下側軸受石座(27)は、前記上側軸受石座(26)に固定されており、
前記上側軸受石座(26)は、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)を支え、
半径方向の成分を有するショックを吸収するように意図されている弾性ショックアブソーバー(48)によって前記プレート(2)に懸架されている
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)は、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)と一体の形態で作られる
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)は、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)と一体の形態で作られる
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)は、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)と一体の形態で作られ、
前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)は、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)及び前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)と一体の形態で作られる
ことを特徴とする請求項10に記載のプレート(2)。
【請求項13】
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は一緒に、単一の部品を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項14】
前記第2のレベルにおいて、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)は、第2の接続要素(48D)によって前記下側軸受石座(27)に懸架され、
前記下側軸受石座(27)は、前記第2のショックアブソーバー(48B)によって前記構造要素(451)に懸架されており、
前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)、前記下側軸受石座(27)、前記第2の接続要素(48D)、及び前記第2のショックアブソーバー(48B)は、一体の部品を形成し、
前記第1のショックアブソーバー(48A)及び前記第2のショックアブソーバー(48B)は、単一の部品を形成し、
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)、前記上側軸受石座(26)、前記第1の接続要素(48C)、前記第1のショックアブソーバー(48C)、前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)、前記下側軸受石座(27)、前記第2の接続要素(48D)、及び前記第2のショックアブソーバー(48B)は、一体の部品を形成する
ことを特徴とする請求項に記載のプレート(2)。
【請求項15】
前記ピボットは、独立したピボットアセンブリー(450)を形成し、
前記構造要素(451)は、当該プレート(2)の1つと連係するように構成する少なくとも1つの支持表面(453)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項16】
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)又は前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)の少なくとも一方は、DLC被覆で被覆された前記アーバー(47)のためのガイド面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート(2)。
【請求項17】
計時器用機構用のプレート(2)であって、
当該プレート(2)内においてアーバー(47)を半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバー(46)と、
前記アーバー(47)の端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバー(49)と、及び
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)に作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー(48)とを有し、
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)又は前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)の少なくともいずれかは、前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)及び前記前側ガイド用の第2のメンバー(49)ではない少なくとも1つの構造要素(451)と一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られ、さらに、
前記回転ガイド用の第1のメンバー(46)は、第1の接続要素(48C)によって上側軸受石座(26)に懸架され、
前記上側軸受石座(26)は、前記第1のショックアブソーバー(48A)によって前記構造要素(451)に懸架されていている
ことを特徴とするプレート(2)。
【請求項18】
請求項1に記載のプレート(2)を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする機械的な計時器用ムーブメント(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器用機構用の少なくとも1つのピボットを有する計時器用メインプレートに関し、前記ピボットは、当該プレート内においてアーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、前記アーバーの端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバーと、及び前記回転ガイド用の第1のメンバー及び/又は前記前側ガイド用の第2のメンバーに少なくとも作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーとを有し、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーは、前記回転ガイド用の第1のメンバー及び前記前側ガイド用の第2のメンバーではない少なくとも1つの構造要素と一体の形態で、マイクロ部品製造のためのMEMS、LIGA又はリソグラフィー製造技術によって、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られ、前記ピボットは、重なり合った第1のレベル及び第2のレベルを有し、前記回転ガイド用の第1のメンバーは、前記第1のレベルにおいて、第1のショックアブソーバーを少なくとも介して前記構造要素に懸架されており、前記前側ガイド用の第2のメンバーは、前記第2のレベルにおいて、第2のショックアブソーバーを少なくとも介して前記構造要素に懸架されており、当該プレートは、当該プレートに含まれる前記ピボットの少なくとも1つに対応する構造要素を形成する。
【0002】
本発明は、さらに、計時器用機構用のプレートであって、当該プレート内においてアーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、前記アーバーの端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバーと、及び前記回転ガイド用の第1のメンバー及び/又は前記前側ガイド用の第2のメンバーに少なくとも作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーとを有するものに関する。
【0003】
本発明は、さらに、この種のプレートを少なくとも1つ有する機械的な計時器用ムーブメントに関する。
【0004】
本発明は、計時器用機構の分野に関し、より詳細には、計時器用車セットのピボットに関する。
【背景技術】
【0005】
計時器用車セットのピボット回転は、ムーブメントの品質に重大な影響を与える。高精度の幾何学的構成の実装についての部品の数やコスト、加工費の点から、ピボットを作ることは高コストであり、また、ジュエルや緩衝デバイスのアセンブリーには特別な注意を必要とする。
【0006】
伝統的に、アーバーの端を回転可能にガイドするピボットは、プレートにあるボア又はカウンターボアに収容されるカボションを有し、このカボションは、軸受石座にともに収容された、アーバーのための放射状のガイドジュエルと、アーバーの軸方向の端用の支持受け石と、及びジュエル又は軸受石座のための懸架リングのような少なくとも1つの緩衝デバイスとを有している。潤滑が必要であれば、油つぼの存在を必要とする。その油つぼの形は、どの位置にあっても潤滑を確実にするものでなければ
ならない。
【0007】
PATEK PHILIPPE名義のスイス特許CH700496B1は、ジュエル穴に軸方向に作用する弾性手段を備えたショックアブソーバーベアリングを開示している。このショックアブソーバーベアリングは、ピボットを受ける穴と、及び弾性手段によって形成され、弾性戻し手段に対抗するように軸方向のみに移動することがジュエル穴に強いるガイド手段とを有する。
【0008】
ULYSSE NARDIN名義の欧州特許出願EP2015147A2は、ショックアブソーバーベアリングを開示している。これは、少なくとも1つの弾性アームと、及びピボットを受ける穴を有する中央部分とを有し、これらは、単結晶材料のディスク内において一体にて形成されている。ULYSSE NARDIN名義の国際特許WO2009/060074は、ベアリングを開示している。これにおいて、固定メンバーに回転メンバーを接続する弾性メンバーと、及びピボット回転メンバーの2つのジュエルのうちの1つとは、一体の形態で形成されている。
【0009】
SWATCH GROUP R&D名義の国際特許出願WO2011/161139A1は、ピボットが延伸しているピボットシャンクを有する車セットアーバー用のショックアブソーバーベアリングを開示している。これは、懸架されるピボットシステムを受けるように構成するハウジングが設けられた支持体を有しており、このピボットシステム内にピボットシャンクが挿入されている。このピボットシステムは、車セットが受けるあらゆるショックを吸収し、少なくとも1つの部分的に非晶質の金属合金で作られた一部品に形成されている。SWATCH GROUP R&D名義の欧州特許出願EP2400355A1は、さらに、同じ機能を満たすベアリングを開示しており、このベアリングは、弾性手段を有し、これは、ピボットシステムに対して少なくとも軸方向の力を及ぼすように構成し、少なくとも部分的に非晶質の材料で作られている。
【0010】
SWATCH GROUP R&D名義の欧州特許出願EP2607971A1は、凹部を有するベアリングを基板内にて作る方法を開示しており、これにおいて、基板の1つの領域の構造が変更されて、選択性を増している。これにおいて、この領域が化学的にエッチングされてベアリングが作られ、基板はレーザ波長透過性材料で作られている。少なくとも1つの凹部を用いて弾性構造体を形成し、この弾性構造体は中央部を有し、この中央部にアーバーのピボットシャンクを挿入することができ、この中央部から少なくとも1つの弾性アームが延在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記を鑑みて、本発明は、部品の数が少ないピボットを提供することを提案するものであり、これは、非常に信頼性が高く、好ましくは潤滑なしで動作し、吸収特性が良好で、ショックがあっても精密に再び位置合わせする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明は、マイクロ部品を作るための新技術であるMEMS、「LIGA」、リソグラフィーなどを使用し、この種のピボットの製造を最適化する。
【0013】
このために、第1の好ましい実施形態において、本発明は、計時器用機構用の少なくとも1つのピボットを有する計時器用メインプレートに関し、前記ピボットは、当該プレート内においてアーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、前記アーバーの端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバーと、及び前記回転ガイド用の第1のメンバー及び/又は前記前側ガイド用の第2のメンバーに少なくとも作用する
少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーとを有し、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーは、前記回転ガイド用の第1のメンバー及び前記前側ガイド用の第2のメンバーではない少なくとも1つの構造要素と一体の形態で、マイクロ部品製造のためのMEMS、LIGA又はリソグラフィー製造技術によって、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られ、前記ピボットは、重なり合った第1のレベル及び第2のレベルを有し、前記回転ガイド用の第1のメンバーは、前記第1のレベルにおいて、第1のショックアブソーバーを少なくとも介して前記構造要素に懸架されており、前記前側ガイド用の第2のメンバーは、前記第2のレベルにおいて、第2のショックアブソーバーを少なくとも介して前記構造要素に懸架されており、当該プレートは、当該プレートに含まれる前記ピボットの少なくとも1つに対応する構造要素を形成し、前記回転ガイド用の第1のメンバー及び前記前側ガイド用の第2のメンバーは両方とも、マイクロ部品のためのMEMS、LIGA又はリソグラフィーの製造技術によって当該プレートと一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られる。
【0014】
第2の実施形態において、本発明は、計時器用機構用のピボットに関し、プレート内においてアーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、前記アーバーの端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバーと、及び前記回転ガイド用の第1のメンバー及び/又は前記前側ガイド用の第2のメンバーに少なくとも作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバーとを有し、前記回転ガイド用の第1のメンバー又は前記前側ガイド用の第2のメンバーの少なくともいずれかは、前記回転ガイド用の第1のメンバー及び前記前側ガイド用の第2のメンバーではない少なくとも1つの構造要素と一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られている。
【0015】
本発明は、さらに、複数の従来のピボット部品が一体に集積されているいずれの組み合わせにも関する。
【0016】
本発明は、さらに、この種のプレートを少なくとも1つ有する機械的な計時器用ムーブメントに関する。
【0017】
モノリシック部品を、特にプレートを用いて作ることによって、部分の数を減らし、アセンブリー上の課題を回避することができるという利点を有する。本発明は、これらのモノリシック部品の製造精度の高さの恩恵を受けている(通常、これらの部分は、例えば、ケイ素で作られ、したがって、マイクロメーター的な精度の恩恵を受ける)。
【0018】
複数のピボットが集積されたモノリシックプレートは、中心間の距離を確実にし、機構のためにすぐに使用することができる精密な基礎が形成されるという主な利点を有する。この機構は、特に、好ましい用途では発振器である。
【0019】
本発明は、具体的には、可撓性ガイドメンバーを組み入れているものであり、以下の利点を有する。
−確実な精度
−摩擦レベルが大きく減少したりゼロになったりする
−潤滑なし
−遊びなし
−摩耗なし
【0020】
これらの可撓性ガイドメンバーの製造によって、制限を受ける。特に、移動距離が制限され、復帰力が低く、負荷が制限される。しかし、これらの制限は、多くの時計的な機能
を禁止するわけではない。特に、規制に関係する機能、そして、制限された移動距離のジュエル用のガイドメンバーに関係する機能についてである。
【0021】
これらの制限は、中心間距離の高い精度によって十分に補われ、部品の数が減り、したがって、複雑さが減り、アセンブリー時間が減る。このように、本発明に係る少なくとも1つのピボットを有するプレートは、大きな産業上の利点を有する。
【0022】
添付図面を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点を理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ピボットのアーバーを通る断面図を示しており、ショックアブソーバーベアリングがプレートと一部品となっている。
図2図1と同様な形態で、アーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、及びアーバーの端を制限する前側ガイド用の第2のメンバーとを備えたピボットを示す。この回転ガイド用の第1のメンバーは、上側の第1のレベルにおいて、上側の第1のショックアブソーバーによってプレートに懸架されており、この前側ガイド用の第2のメンバーは、下側の第2のレベルにおいて、下側の第2のショックアブソーバーによってプレートに懸架されている。
図3図2と同様な形態で、アーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、及びアーバーの端を制限する前側ガイド用の第2のメンバーとを備えたピボットを示す。この回転ガイド用の第1のメンバーは、第1の接続要素によって上側軸受石座に懸架され、この上側軸受石座は、上側の第1のレベルにおいて、上側の第1のショックアブソーバーによってプレートに懸架されている。この前側ガイド用の第2のメンバーは、第2の接続要素によって下側軸受石座に懸架され、この下側軸受石座は、下側の第2のレベルにおいて、下側の第2のショックアブソーバーによってプレートに懸架されている。
図4図2と同様な方法で、アーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、及びアーバーの1つの端の止めを制限する前側ガイド用の第2のメンバーとを備えたピボットを示す。この回転ガイド用の第1のメンバーは、上側の第1のレベルにおいて、上側の第1のショックアブソーバーによってカボションに懸架され、この前側ガイド用の第2のメンバーは、下側の第2のレベルよりも低いレベルにおいて、下側の第2のショックアブソーバーによって同じカボションに懸架され、このカボションは、ピボットをプレートに収容するセンタリング面を有する。
図5図2と同様な形態で、アーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、及びアーバーの端を制限する前側ガイド用の第2のメンバーとを備えたピボットを示す。この回転ガイド用の第1のメンバーは、上側の第1のレベルにおいて、上側の第1のショックアブソーバーによってプレートに懸架され、この前側ガイド用の第2のメンバーは、下側の第2のレベルにおいて、下側の第2のショックアブソーバーによってプレートに懸架されている。この下側の第2のショックアブソーバーは、上側の第1のショックアブソーバーと一体化されており、ピボットをプレートに収容するセンタリング面を有する。
図6図3と同様な形態で、上側の第1のレベルにおけるアーバーを半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバーと、及び下側の第2のレベルにおけるアーバーの端を制限する前側ガイド用の第2のメンバーとを備えたピボットを示す。この回転ガイド用の第1のメンバーは、第1の接続要素によって上側軸受石座に懸架され、この上側軸受石座は、上側の第1のショックアブソーバーによって構造要素に懸架されている。この前側ガイド用の第2のメンバーは、第2の接続要素によって下側軸受石座に懸架され、この下側軸受石座は、下側の第2のショックアブソーバーによって構造要素に懸架されている。
図7図1と同様な形態で、回転ガイド用の第1のメンバーを備えたピボットを示す。これは、前側ガイド用の第2のメンバーと単一の部品を形成する。
図8】ショックアブソーバーによってカボションに懸架されている図7の単一の部品を示す。これらは一体のアセンブリーを形成している。
図9】ショックアブソーバーによってプレートに懸架されている図7の単一の部品を示す。これらは一体のアセンブリーを形成している。
図10】アーバーの方向の軸方向のショックを吸収するように構成する可撓性の第2の接続要素によって下側軸受石座に懸架されている前側ガイド用の第2のメンバーを示す。この下側軸受石座は、上側軸受石座に固定されており、これは、回転ガイド用の第1のメンバーを支えており、弾性ショックアブソーバーによってプレートに懸架されている。この弾性ショックアブソーバーは、好ましくは、半径方向の成分を有するショックを吸収するように意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、計時器用機構の分野に関し、より詳細には、計時器用車セットのピボット回転に関する。
【0025】
本発明は、計時器用機構のためのピボット45に関し、このピボット45は、プレート2内においてアーバー47を半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバー46と、及びアーバー47の端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバー49とを有する。このピボット45は、少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48を有し、これは、回転ガイド用の第1のメンバー46及び/又は前側ガイド用の第2のメンバー49に少なくとも作用する。
【0026】
本発明によると、第1の好ましい実施形態において、この少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48は、回転ガイド用の第1のメンバー46や前側ガイド用の第2のメンバー49ではない少なくとも1つの構造要素451と一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られる。
【0027】
この構造要素451は、詳細には、プレート、ブリッジ、カボション又は他の要素からなることができる。
【0028】
本発明によれば、ピボット45は、互いに重なり合った第1のレベル及び第2のレベルを有する。第1のレベルでは、回転ガイド用の第1のメンバー46が、第1のショックアブソーバー48Aを少なくとも介して構造要素451に懸架されている。第2のレベルでは、前側ガイド用の第2のメンバー49が、第2のショックアブソーバー48Bを少なくとも介して構造要素451に懸架されている。
【0029】
本発明は、いくつかの基本的な機能的ピボット部品の一体アセンブリーから発生する変種をすべてカバーしている。
【0030】
具体的には、「基本的な機能的部品」とは、
−伝統的なピボットの場合にしばしば穴の開いたジュエルによって形成される回転ガイド用の第1のメンバー46
−アーバーの潤滑が必要であるようなよくある場合には、回転ガイド用の第1のメンバー及び前側ガイド用の第2のメンバー49の概して凹面の裏側によって限界が定められた空間で形成される油つぼ
−一般的には実質的に平坦な表面を備えたジュエルである前側ガイド用の第2のメンバー49
−各ジュエルを保持する軸受石座であって、これは、回転ガイド用の第1のメンバー46を保持する上側軸受石座26、前側ガイド用の第2のメンバー49を保持する下側軸受石座27、又は回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49を保持する単一の軸受石座のいずれかである
−剛性又は可撓性を有する任意の接続要素であって、これは、一方では、回転ガイド用の第1のメンバーと上側軸受石座26の間の第1の接続要素48C、他方では、前側ガイド用の第2のメンバー49と下側軸受石座27の間の第2の接続要素48Dである
−少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48であって、これは、上側ショックアブソーバー48Aと下側の第2のショックアブソーバー48Bに分けることができる
−任意のカボション452であって、これも、上側の第1のカボションと下側の第2のカボションに分けることができる
−回転が行われるプレート2
である。
【0031】
本発明は、非常に多数の組み合わせを範囲に含むことは明らかであり、これは、ピボットの従来の部品のすべて又は一部が他の部品(特に、プレート)と一体の形態で形成されるかどうかに依存する。
【0032】
具体的には、本発明のピボットは、1つ又は複数のレベルにて作ることができる。
【0033】
図9は、単一のレベルの実施形態を示す。これには、単一の部品があり、これにおいて、プレート2は、単一のユニットを支える単一の弾性ショックアブソーバー48を直接組み入れており、そのユニットの輪郭は、回転ガイド用の第1のメンバー46と前側ガイド用の第2のメンバー49の両方を形成するように構成している。
【0034】
伝統的には回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49は別個のジュエルによって形成されるが、2つの重なり合ったレベルがあるアーキテクチャも考えつくことができる。すなわち、本発明の複数の変種(これらに制限されない)を示す図2〜6に示すように、回転ガイド用の第1のメンバー46を支持する上側の第1のレベルと、前側ガイド用の第2のメンバー49を支持する下側の第2のレベルとである。アーキテクチャのレベルが2つあったとしても、その2つのレベルが別個であることを意味しない。このような2つのレベルの間のリンクは、例えば、回転ガイド用の第1のメンバー46と前側ガイド用の第2のメンバー49、又は上側軸受石座26と下側軸受石座27、又は第1の接続要素48Cと第2の接続要素48Dなどを連結することによって達成することができる。なぜなら、各レベルで同じ機能を満たさない機能的部品の間でもリンクが形成されることがあるからである。
【0035】
もちろん、レベルの数をもっと大きくすることも考えることができる。しかし、MEMSによる製造の場合では、重なり合った2つのレベルを有する実施形態においては、アーキテクチャを作ることができないことがあり、製造の複雑さが直接的に制限因子になる。しかし、ケイ素の面がアーバーと平行であるように部品を製造することができる。
【0036】
可撓性の形態であるような少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48及び前記少なくとも1つの接続要素の設計及び構成によって、半径方向及び軸方向の加速度を緩めるという点を用いて要素どうしを区別することが可能になる。
【0037】
図10は、アーバー47の方向における軸方向のショックを吸収するように構成する可撓性の第2の接続要素48Dによって、前側ガイド用の第2のメンバー49が下側軸受石座27に懸架されているような例を示している。下側軸受石座27は、上側軸受石座26に固定されており、この上側軸受石座26は、回転ガイド用の第1のメンバー46も支えており、弾性ショックアブソーバー48によってプレート2に懸架されている。この弾性ショックアブソーバー48は、好ましくは、半径方向の成分でショックを吸収するように意図されている。
【0038】
当然、本発明は、ピボットアセンブリー450が従来のプレートのボア又はカウンターボア内に収容される場合をも範囲に含むものである。このピボットアセンブリー450は、好ましくは、一体である。このピボットアセンブリー450は、マイクロ機械加工可能な材料でともに一部品内にて作られた少なくとも2つの部品を有する。
【0039】
単純化のために、本明細書は、特定のアーキテクチャにおいて(これに何ら制限されない)、プレートと一体となっているピボットについての例を少ない数のみ示している。
【0040】
特定の実施形態において、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48は、前側ガイド用の第2のメンバー49と一部品内にて作られる。
【0041】
特定の実施形態において、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48は、回転ガイド用の第1のメンバー46と一部品内にて作られる。
【0042】
組み合わせの実施形態において、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48は、前側ガイド用の第2のメンバー49及び回転ガイド用の第1のメンバー46と一部品内にて作られる。
【0043】
特定の実施形態において、ピボット45は第1のレベル及び互いに重なり合った第2のレベルを有する。第1のレベル上で、回転ガイド用の第1のメンバー46は少なくとも第1のショックアブソーバー48Aを介して構造要素451に懸架されている。レベル2上で、回転ガイド用の第1のメンバー49は第2のショックアブソーバー48Bを少なくとも介して構造要素451に懸架されている。
【0044】
特定の実施形態において、この第1のレベル上で、回転ガイド用の第1のメンバー46は、第1の接続要素48Cによって上側軸受石座26に懸架され、この上側軸受石座26は、第1のショックアブソーバー48Aを介して構造要素451に懸架されている。
【0045】
特定の実施形態において、第1の接続要素48Cは、可撓性要素である。
【0046】
特定の実施形態において、回転ガイド用の第1のメンバー46、上側軸受石座26、第1の接続要素48C及び第1のショックアブソーバー48Aはともになって、一体の部品を形成する。
【0047】
特定の実施形態において、この第2のレベルにおいて、前側ガイド用の第2のメンバー49は、第2の接続要素48Dによって下側軸受石座27に懸架され、この下側軸受石座27は、第2のショックアブソーバー48Bを介して構造要素451に懸架されている。
【0048】
特定の実施形態において、第2の接続要素48Dは、可撓性要素である。
【0049】
特定の実施形態において、前側ガイド用の第2のメンバー49、下側軸受石座27、第2の接続要素48D及び第2のショックアブソーバー48Bはともになって、一体の部品を形成する。
【0050】
特定の実施形態において、上側軸受石座26と下側軸受石座27はともになって、単一の剛性を有する部品を形成する。
【0051】
特定の実施形態において、第1のショックアブソーバー48A及び第2のショックアブソーバー48Bはともになって、単一の部品を形成する。
【0052】
特定の好ましい一実施形態において、回転ガイド用の第1のメンバー46、上側軸受石座26、第1の接続要素48C、第1のショックアブソーバー48A、前側ガイド用の第2のメンバー49、下側軸受石座27、第2の接続要素48D、及び第2のショックアブソーバー48Bはともになって、一体の部品を形成する。
【0053】
特定の実施形態において、ピボット45は、独立したピボットアセンブリー450を形成し、構造要素451は、プレート2と連係するように構成する少なくとも1つの支持表面453を有するカボション452である。
【0054】
好ましくは、摩擦学的な理由で、潤滑を取り除いたり減らしたりするためには、少なくとも回転ガイド用の第1のメンバー46又は前側ガイド用の第2のメンバー49が、硬質被覆、DLCなどの被覆で被覆されているアーバー47用のガイド面を有する。
【0055】
本発明の第2の実施形態において、計時器用機構のためのピボット45は、プレート2においてアーバー47を半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバー46と、及びアーバー47の端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバー49とを有し、これは、少なくとも回転ガイド用の第1のメンバー46及び/又は前側ガイド用の第2のメンバー49に作用する少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48を有する。ピボット45に関して、少なくとも回転ガイド用の第1のメンバー46又は前側ガイド用の第2のメンバー49は、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49ではない少なくとも1つの構造要素451と一体の形態で、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで作られる。具体的には、回転ガイド用の第1のメンバー46又は前側ガイド用の第2のメンバー49は、プレート2とともに一部品内にて作られる。当然、第1の実施形態にて説明した変種はすべて、第2の実施形態と組み合わせることができる。第2の実施形態において、弾性ショックアブソーバーは、ねじ込んだり溶接したりすることができる。構造要素(特に、プレート2)と一部品内にて作られていなければ、アーバーのガイドのうちの1つも同様である。
【0056】
このような付加的要素の一体化は、ピボット部品を支える構造要素が摩擦の観点で満足できないような場合には、両方の実施形態において必要となりうる。このことで、一体製造を避けることができるというわけではない。一体製造によって、ピボットの幾何学的構成とショック吸収特性を確実にすることができる。
【0057】
本発明は、さらに、この種のピボット45を少なくとも1つ有する計時器用プレート2に関する。
【0058】
特定の実施形態において、プレート2は、少なくとも1つのピボット45を有し、このピボット45用の構造要素451を形成する。
【0059】
特定の実施形態において、少なくとも回転ガイド用の第1のメンバー46又は前側ガイド用の第2のメンバー49は、マイクロ機械加工可能な材料又はケイ素又は石英又はダイヤモンド又はルビー又はコランダムで、プレート2と一体の形態で作られる。
【0060】
特定の実施形態において、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49は両方とも、プレート2と一部品内にて作られる。
【0061】
好ましい例を上で説明した。これにおいて、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49の両方は、少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48によって支持されており、主な変種においては、
−回転ガイド用の第1のメンバー46と前側ガイド用の第2のメンバー49のいずれかは、少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48によってともに運ばれ、
−又は、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49は、ショックアブソーバーによって別々に支持される。このショックアブソーバーは、2つの支持表面を備えた一般的なショックアブソーバー、又は各ガイドメンバーがそれ自身のショックアブソーバーによって支持されているような複数のショックアブソーバーであることができる。
【0062】
より一般的には、本発明は、さらに、回転ガイド用の第1のメンバー46又は前側ガイド用の第2のメンバー49のみがそれに特有の少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48によって支持されるような場合に関する。
【0063】
本発明は、さらに、この種の少なくとも1つのプレート2を有する機械的な計時器用ムーブメント100に関する。
【0064】
本発明は、さらに、複数の従来のピボット部品が一体にて集積されているいずれの組み合わせにも関する。
【0065】
本発明は、さらに、プレート上に又はプレート内にて位置するように意図されたピボットアセンブリー450に関し、このピボットアセンブリー450は、少なくとも、アーバー47をプレート2に半径方向にて保持する回転ガイド用の第1のメンバー46と、及び同じアーバー47の端を軸方向にて制限する前側ガイド用の第2のメンバー49と、及び少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48とを有する。本発明によると、弾性ショックアブソーバー48は、これらの肩部の少なくとも1つと一体の形態で作られる。
【0066】
好ましくは、弾性ショックアブソーバー48は、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49の両方と一体の形態で作られる。
【0067】
ピボットアセンブリー450とプレート2の間の界面は、カボション451によって、又はプレート2においてハウジングと連係するように構成するセンタリング面482を有する弾性ショックアブソーバー81によって形成される。
【0068】
カボション451は、回転ガイド用の第1のメンバー46及び前側ガイド用の第2のメンバー49、及び少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48を閉じ込める。好ましくは、カボションは、前記少なくとも1つの弾性ショックアブソーバー48と一体である。
【0069】
本発明は、さらに、この種のプレート2を少なくとも1つ有する機械的な計時器用ムーブメント100に関する。
【0070】
本発明の別の特定の実施形態において、下側プレート2及び/又は上側ブリッジ3及び/又はフレーム17は、カセット1、特に、エスケープ機構に、組み入れられた機構の部品のピボットを受ける少なくとも1つのショックアブソーバーベアリングと不可分の一体
の部品20を形成する。
【0071】
図1の特定の実施形態において、カセット1は、アーバー47のような機能的部品10を少なくとも1つ有する。これは、プレート2と一体的な下側ピボット45と、ブリッジ(図示せず)と一体的な上側ピボットとの間で回転運動可能であり、少なくとも1つの下側ピボット45又は上側ピボット44は、プレート2又はブリッジと一体の形態で作られ、回転運動可能な機能的部品10のアーバー47を半径方向にて保持する回転用肩部46と、及びアーバー47の端を軸方向にて制限する前側肩部49とを有する。好ましくは、回転用肩部46及び前側肩部49は両方とも、弾性ショックアブソーバー48によって支持される。弾性ショックアブソーバー48も、肩部と一体である。
【0072】
このように、ショックアブソーバーを、部分的に又は全面的にプレート内で作ることができる。このショックアブソーバーのばねを、プレートと一緒に作ることができる。2つのジュエルのうちの1つ(又は両方)を、プレートと一緒に作ることができる。そして、ケイ素内において回転が直接的に発生する。ピボット点は、DLC又は他の表面被覆が施されたケイ素内において真っ直ぐなものを作ることができる。このようにして、もはやジュエルはなくなり、また、回転点は非常に正確に位置合わせされる。
【0073】
ショックアブソーバーは、実質的に二次元のケイ素又は同様の部分で、この二次元の平面がアーバーに垂直であり、又はこの二次元の平面がアーバーと平行であるように、作ることができる。
【0074】
好ましい一実施形態において、ピボット45又はピボットアセンブリー450、一及び/又は他のものを含むプレート2のような取り外し不能な一体の部品が、ケイ素で作られ、取り外し不能な一体の部品の集積された弾性戻し手段は、酸化ケイ素状態であらかじめ応力をかけられる。
【0075】
プレート2、ブリッジ及び/又は分離不能な一体の部品の特定の構造によって、これらの構造要素又は機構の部品の膨張の影響を補償することができる。プレートを、例えば、ケイ素で作り、次に、固さのために酸化する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10