特許第6134046号(P6134046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6134046-医療で使用されるインドール誘導体 図000106
  • 特許6134046-医療で使用されるインドール誘導体 図000107
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6134046
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】医療で使用されるインドール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/30 20060101AFI20170515BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20170515BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20170515BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   C07D209/30CSP
   C07D403/12
   A61K31/404
   A61K31/4155
   A61P9/00
   A61P13/12
   A61P25/00
   A61P31/00
   A61P35/00
   A61P37/08
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】147
(21)【出願番号】特願2016-233718(P2016-233718)
(22)【出願日】2016年12月1日
(62)【分割の表示】特願2016-560772(P2016-560772)の分割
【原出願日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】1406154.3
(32)【優先日】2014年4月4日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1502156.1
(32)【優先日】2015年2月10日
(33)【優先権主張国】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515326044
【氏名又は名称】イオメット ファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】カウリー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ワイズ,アラン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス,スーザン
(72)【発明者】
【氏名】キツン,マイケル
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−542679(JP,A)
【文献】 特開2012−107001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式のいずれかである化合物または該化合物の医薬として許容される塩。
【化1】
【請求項2】
下記式のいずれかである、請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項3】
請求項1に記載の医薬として許容される塩。
【請求項4】
請求項2に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項5】
請求項3に記載の医薬として許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項6】
癌、炎症状態、感染症、中枢神経系疾患もしくは障害、冠動脈性心疾患、慢性腎不全、麻酔後認知機能障害、女性の生殖に関する健康関連の疾患状態もしくは障害、および白内障から選択される疾患状態および/または障害を治療するための、請求項4または5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記炎症状態が、免疫B細胞、T細胞、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、および/または好中球調節不全に関係する状態である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記癌が、眼球、脳(神経膠腫、グリア芽腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫および星状細胞腫など)、脊髄、腎臓、口、唇、咽頭、口腔、鼻腔、小腸、結腸、副甲状腺、胆嚢、頭部および頸部、乳房、骨、胆管、子宮頸、心臓、下咽頭腺、肺、気管支、肝臓、皮膚、尿管、尿道、睾丸、膣、肛門、喉頭腺、卵巣、甲状腺、食道、鼻咽頭腺、脳下垂体、唾液腺、前立腺、膵臓、副腎の癌;子宮体癌、口腔癌、メラノーマ、神経芽細胞腫、胃癌、血管腫症、血管芽細胞腫、褐色細胞腫、膵嚢胞症、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍、扁平細胞癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、肝細胞癌、PTEN過誤腫症候群(PHTS)(レルミット・ダクロス病、カウデン症候群、プロテウス症候群、およびプロテウス様症候群など)、白血病およびリンパ腫(急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、T細胞前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病、若年性骨髄単球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、びまん性B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、および皮膚T細胞性リンパ腫など)などの固形腫瘍または液性腫瘍から選択される癌である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記癌が、急性骨髄性白血病(AML)、小細胞肺癌、メラノーマ、卵巣癌、結腸直腸癌、膵臓癌、子宮体癌および皮膚乳頭腫から選択される癌である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記癌が、神経膠腫および肝細胞癌から選択される癌である、請求項6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療で使用されるトリプトファン−2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)ま
たはインドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO[IDO1またはIDO2]
)阻害剤、特にはTDOおよびIDO阻害剤に関する。本発明の阻害剤は、医薬組成物、
特には癌、炎症状態、感染症、中枢神経系疾患もしくは障害および他の疾患、状態および
障害の治療のための医薬組成物で用いることができる。本発明はまた、そのような阻害剤
の製造方法、およびそのような阻害剤を用いる治療方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
トリプトファン代謝
キヌレニン経路(KP)は、必須アミノ酸トリプトファンの分解の>95%を担うもの
である。トリプトファン代謝のためのキヌレニン経路により、必須ピリジンヌクレオチド
NAD+および多くの神経刺激性代謝物、例えばキヌレニン(KYN)、キヌレン酸(K
YNA)、神経毒性フリーラジカル発生剤3−ヒドロキシキヌレニン(3−HK)、アン
トラニル酸、3−HAA、ピコリン酸(PIC)、および興奮性N−メチル−D−アスパ
ラギン酸(NMDA)受容体作動薬および神経毒、キノリン酸(QUIN)が生成される
図1参照)。残りの5%のトリプトファンは、トリプトファンヒドロキシラーゼによっ
て5−ヒドロキシトリプトファンに代謝され、そしてさらに5−ヒドロキシトリプタミン
(セロトニン)およびメラトニンに代謝される。
【0003】
トリプトファンの欠乏および免疫抑制性トリプトファン異化代謝産物の蓄積の両方が、
抗原特異的T細胞およびナチュラルキラー細胞応答を抑制する作用があり、制御性T細胞
の生成を誘発する。トリプトファン異化は炎症性メディエータ、特にはIFN−γによっ
て誘発されることから、それは、過剰の免疫応答を制限することで免疫病理を予防する内
因性機序を代表するものと考えられる。しかしながら、疾患状態では、このフィードバッ
クループが有効ではない可能性を示す証拠がある(Munn and Mellor,
2013に総覧)。
【0004】
IDO/TDO
トリプトファン異化の第1段階は、TDOまたはIDOのいずれかによって触媒される
。両方の酵素とも、インドール環における2,3二重結合の酸化的開裂を触媒して、トリ
プトファンをN−ホルミルキヌレニンに変換する。これは、キヌレニン経路によるトリプ
トファン異化における律速段階である(Grohmann et al., 2003;
Stone and Darlington, 2002)。TDOは分子量48kDa
を有する各単量体によるホモ四量体であり、IDOは分子量45kDaおよび単量体構造
を有する(Sugimoto et al., 2006; Thackray et
al., 2008; Zhang et al, 2007)。同一の反応に介在する
にも拘わらず、TDOおよびIDOは構造的に異なっており、主に活性部位内での相同性
は10%でしかない(Thackray et al., 2008)。
【0005】
TDOは肝臓において高レベルで発現され、全身トリプトファンレベルの調節を担う。
TDOは免疫系からのシグナルによる誘発や調節を受けないが、TDO発現はトリプトフ
ァンまたはコルチコステロイドによって誘発可能である(Miller et al,
2004;Salter and Pogson, 1985)。さらに最近、TDOは
脳内で発現され、キヌレン酸およびキノリン酸などの神経刺激性トリプトファン代謝物の
産生を調節することが認められている(Kanai et al., 2009)。
【0006】
IDOは、肝臓外では支配的なトリプトファン異化酵素であり、マクロファージ、小膠
細胞、ニューロンおよび星状膠細胞などの多くの細胞で認められる(Guillemin
et al., 2007;Guillemin et al., 2001;Gui
llemin et al., 2003;Guillemin et al., 20
05)。IDO転写は特異的炎症性メディエータに応答して厳密に制御される。マウスお
よびヒトIDO遺伝子プロモーターは、I型(IFN−α/β)およびより強力にはII
型(IFN−γ)インターフェロン(Chang et al., 2011;Dai
and Gupta, 1990;Hassanain et al., 1993;M
ellor et al., 2003)に対する応答性を与える複数の配列因子を含む
。各種細胞型、例えある種の骨髄細胞系列細胞(単球由来マクロファージおよびDC類)
、線維芽細胞、内皮細胞および一部の腫瘍細胞系は、IFN−γへの曝露後にIDOを発
現する(Burke et al., 1995; Hwu et al., 2000
; Mellor et al., 2003; Munn et al., 1999
; Varga et al., 1996)。しかしながら、IDO転写の制御は複雑
であり、細胞型特異的である。IDO活性は、ヒト絨毛外栄養膜細胞によって発現される
母体−胎児境界で構成的に認められる(Kudo and Boyd, 2000)。胎
盤を除き、機能性IDO発現は、マウス副睾丸、腸(遠位回腸および結腸)、リンパ節、
脾臓、胸腺および肺において最も高いことが報告されている(Takikawa et
al., 1986)。
【0007】
IDOの別の最近の変種酵素インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ2(IDO
2)が、同じ酵素段階を触媒することが明らかになっている。しかしながら、それの非常
に低い活性、全ての白人およびアジアジンの約半数におけるそれの酵素活性を失活させる
一般的な多形性の存在、および複数のスプライス変異体の存在のため、それの生理的関連
性は未解明のままである(Lob et al., 2008; Meininger
et al., 2011; Metz et al., 2007)。
【0008】
IDO欠乏マウスは、総レベルでは表現型が正常であるが(Mellor et al
., 2003)、自己免疫誘発および自然免疫系刺激の傾向が若干高い。IDO−/−
ノックアウトマウスは、高い炎症介在結腸癌発生を示し、炎症誘発性肺癌および皮膚癌に
対する抵抗性も示す(Chang et al., 2011;Yan et al.,
2010)。
【0009】
TDO−/−ノックアウトマウスは、表現型が正常であるように見える。しかしながら
、TDOノックアウトマウスではL−Trpの血漿濃度に9倍上昇があり、IDO−/−
ノックアウトマウスはWTレベルのL−Trpを有しており、このことはTDOは全身T
rpを調節するがIDOは調節しないことを示唆している。TDO除去により、脳におけ
るTrpならびにセロトニン(5−HT)が増加することから、それは不安関連挙動の調
節剤である(Kanai et al., 2009)。TDO−/−マウスが成体時に
おける海馬および脳室下帯での神経形成増加を示すことから、TDOは成体マウスでの脳
形態の維持においての役割も果たす(Funakoshi et al., 2011)
【0010】
免疫調節:トリプトファン欠乏およびキヌレニン蓄積
トリプトファン代謝による免疫調節は、微小環境におけるTDO/IDO基質(トリプ
トファン)の欠乏およびキヌレニンなどの産生物の蓄積によって免疫系を調節する。
【0011】
エフェクターT細胞は、低トリプトファン濃度に特に感受性が高いことから、局所微小
環境からの必須アミノ酸トリプトファンの欠乏により、エフェクターT細胞のアネルギー
およびアポトーシスに至る。トリプトファンの欠乏は、一般制御非脱抑制2キナーゼ(g
eneral control non−derepressible−2 kinas
e)(GCN2)によって検出される(Munn et al., 2005)。GCN
2の活性化は、ストレス−応答プログラムを誘発し、それによって細胞周期停止、分化、
適応またはアポトーシスが生じる。マウスにおけるGCN2欠乏のT細胞は、骨髄細胞、
例えば腫瘍潅流リンパ節での樹状細胞によるIDO介在アネルギーに対して感受性がない
(Munn et al., 2005)。
【0012】
キヌレニン、キヌレン酸、3−ヒドロキシ−キヌレニン、および3−ヒドロキシ−アン
トラニル酸などのトリプトファン代謝物は、T細胞機能を抑制し、T細胞アポトーシスを
誘発することができる。最近の研究によって、アリール炭化水素受容体(AHR)がキヌ
レニンの直接標的であることが明らかになっている(Mezrich et al.,
2010; Nguyen et al., 2010;Opitz et al.,
2011)。AHRは、ベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックスPer−Arnt
−Sim(PAS)ファミリー転写因子である。キヌレニンが腫瘍において蓄積するに連
れて、KYNはAHRに結合し、核に移行し、ダイオキシン応答性要素(DRE)によっ
て制御される標的遺伝子の転写を活性化する。T−ヘルパー細胞では、キヌレニンによっ
て、制御性T細胞(Treg)が発生する。
【0013】
TDOおよび/またはIDOの薬理学的阻害剤は、感染症、癌、神経学的状態および多
くの他の疾患などの広範囲の適応症において用途を有する。
【0014】
感染症および炎症
細菌、寄生生物またはウィルスによる感染は、強いIFN−γ依存性炎症応答を誘発す
る。IDOは保護的宿主免疫を弱めることができることから、間接的に病原体負荷が高く
なる。例えば、IDO活性は肺でのトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gon
dii)複製を弱め、炎症損傷は感染後のIDO阻害剤1MT投与によって大幅に低下す
る(Murakami et al., 2012)。さらに、マウス白血病ウィルス(
MuLV)に感染したマウスで、IDOが高度に発現されていることが認められており、
IDO除去によってウィルス複製の制御が高まり、生存率が上がった(Hoshi et
al., 2010)。インフルエンザ感染のモデルにおいて、IDOの免疫抑制効果
によって肺が二次細菌感染を起こし得ると考えられる(van der Sluijs.
et al., 2006)。トリパノソーマ・クルーズ(Trypanosoma
cruzi)寄生生物によって引き起こされるシャーガス病では、キヌレニンが患者にお
いて増加し、疾患重度と相関している(Maranon et al., 2013)。
従って、IDO阻害剤を用いて、非常に多様な感染症および炎症状態の患者の転帰を改善
することができると考えられる。全身Trpレベルを制御する上のTDOの役割を考慮す
ると、TDO阻害剤を用いても、非常に多様な感染症および炎症状態の患者の転帰を改善
することができると考えられる。
【0015】
IDOおよび腸バクテリアに対する免疫
IDOは、腸内微生物叢に対する粘膜免疫の調節において役割を果たす。IDOは、腸
において共生誘発抗体産生を調節することが示されており、IDO欠乏マウスは血清中の
免疫グロブリンA(IgA)および免疫グロブリンG(IgG)の基底線レベルが高く、
腸分泌でのIgAが高かった。高い抗体産生のため、IDO欠乏マウスは、WTマウスと
比較して、グラム陰性腸細菌病原体シトロバクター・ロデンチウム(Citrobact
er rodentium)による腸内コロニー形成に対する抵抗性が高かった。IDO
欠乏マウスは、C.ロデンチウム(C. rodentium)による感染によって生じ
る大腸炎に対する高い抵抗性も示した(Harrington et al., 200
8)。
【0016】
従って、IDO活性の薬理的ターゲティングは、腸免疫の操作および大腸炎などの腸病
原体によって生じる病態の管理への新たなアプローチを代表し得るものである(Harr
ington et al., 2008)。
【0017】
HIV感染
HIVに感染した患者は、慢性的に低レベルの血漿トリプトファンおよび高レベルのキ
ヌレニン、および高いIDO発現を有する(Fuchs et al., 1990およ
びZangerle et al., 2002)。
【0018】
HIV患者において、IDOの上昇は、ウィルスの免疫回避に寄与するHIV抗原に対
する免疫応答を抑制する作用がある。HIVは、それがイン・ビトロでヒトマクロファー
ジに感染すると高レベルのIDO発現を誘発し(Grant et al., 2000
)、イン・ビボでの脳のサル免疫不全ウイルス(SIV)感染はマクロファージ系統の細
胞によるIDO発現を誘発する(Burudi et al., 2002)。
【0019】
HIVの病因は、CD4+T細胞欠乏および慢性T細胞活性化を特徴として、最終的に
AIDSに至る(Douek et al., 2009)。CD4+Tヘルパー(TH
)細胞は、異なる免疫細胞機能サブセット、例えばTH1、TH2、T調節(Treg)
およびTH17細胞を介して防御免疫および免疫調節を提供する。進行性HIVは、TH
17細胞の喪失および免疫抑制性Treg細胞の画分における相互増加に関連する。TH
17/Tregバランスの喪失は、骨髄抗原提示樹状細胞によるIDOの誘発に関連する
(Favre et al., 2010)。イン・ビトロでは、TH17/Tregバ
ランスの喪失には、IDO代謝からの近位トリプトファン異化代謝産物、3−ヒドロキシ
アントラニル酸が直接介在している。従って、進行性HIVでは、IDOの誘発はTH1
7/Tregバランスの逆転および慢性炎症状態の維持に寄与する(Favre et
al., 2010)。従って、IDO阻害剤はHIVにおけるTH17/Tregバラ
ンスを扱う上で有用であり得ると考えられる。
【0020】
敗血症誘発低血圧
敗血症などの全身炎症は、動脈低血圧および全身炎症応答症候群を特徴とする(Rie
demann et al., 2003)。インターフェロン−γ(IFN−γ)など
の循環炎症誘発性サイトカイン類の関連する増加により、自体が病態に寄与し得る反応性
の酸素および窒素種などのエフェクター分子の未制御の産生が生じる(Riedeman
n et al., 2003)。
【0021】
内皮細胞で発現されるIDOによるトリプトファンのキヌレニンへの代謝は、動脈血管
弛緩および血圧制御に寄与する(Wang et al., 2010)。マウスのマラ
リア原虫(Plasmodium berghei)による感染、および内毒血症の実験
的誘発によって、IDOの内皮発現が生じて、血漿トリプトファン減少、キヌレニン増加
、および低血圧となった。IDOの薬理学的阻害によって、全身炎症マウスで血圧が上昇
したが、IDO誘発に必要なIDOまたはインターフェロン−γ欠乏のマウスでは上昇し
なかった。キヌレニンによる動脈弛緩には、アデニル酸および可溶性グアニル酸シクラー
ゼ経路の活性化が介在していた(Wang et al., 2010)。従って、ID
O(および全身Trpレベル制御における役割を考慮するとTDO)の阻害剤は、敗血症
誘発低血圧の治療において有用であると考えられる。
【0022】
CNS障害
中枢神経系で、キヌレニンおよびセロトニンへの前駆体として作用するTRPの両方の
運命は、興味深く重要な経路である。キヌレニン経路によって産生される代謝物は、神経
炎症および神経変性障害の病理学的機序において役割を果たすことが示唆されている(図
2にまとめてある)。キヌレニン経路からの最初の安定な中間体はKYNである。次に、
いくつかの神経刺激性中間体が発生する。それには、キヌレン酸(KYNA)、3−ヒド
ロキシキヌレニン(3−HK)、およびキノリン酸(QUIN)などがある。3−HKお
よびQUINは異なる機序による神経毒性であり、3−HKは強力なフリーラジカル発生
剤であり(Hiraku et al., 1995; Ishii et al.,
1992; Thevandavakkam et al., 2010)、QUINは
興奮毒性N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体作動薬である(Schwa
rcz et al., 1983; Stone and Perkins, 198
1)。他方、KYNAは、興奮性アミノ酸受容体の拮抗薬およびフリーラジカル捕捉剤と
して神経保護特性を有する(Carpenedo et al., 2001 ; Fo
ster et al., 1984; Goda et al., 1999; Ve
csei and Beal, 1990)。キヌレニンの濃度レベルにおける変化が、
バランスを病的状態に移動させ得る。キヌレニン経路の神経保護分岐への、すなわちキヌ
レン酸(YTSfA)合成への代謝に影響する能力は、神経変性疾患予防における一つの
選択肢となり得る。
【0023】
CNSでは、キヌレニン経路は、ほとんどの細胞型で多様な程度で存在する。浸潤性マ
クロファージ、活性化小膠細胞およびニューロンは、キヌレニン経路酵素の完全なレパー
トリーを有する。他方、神経保護星状膠細胞および乏突起膠細胞は酵素であるキヌレニン
3−モノオキシダーゼ(KMO)およびIDOそれぞれを欠いており、興奮毒であるキノ
リン酸(QUIN)を合成することができない(Guillemin et al.,
2000; Lim et al., 2007)。TDOは脳において低量で発現され
、TRPまたはコルチコステロイドによって誘導される(Salter and Pog
son 1985; Miller et al., 2004)。
【0024】
いくつかのCNS障害の病因におけるTDOおよびIDOの役割ならびに全身Trpレ
ベル制御におけるTDOの役割を考慮すると、IDOおよび/またはTDO阻害剤を用い
て、非常に多様なCNS疾患および神経変性患者の転帰を改善させることができると考え
られる。
【0025】
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、またはルー・ゲーリック病は、運動系を標的とする進
行性および致死性神経変性疾患である。ALSにより、運動皮質、脳幹および脊髄におけ
る運動ニューロンの選択的攻撃および破壊が生じる。
【0026】
複数の機序がALSに寄与する可能性があるが、神経炎症時に活性化されるキヌレニン
経路が寄与因子として登場している。初期炎症は、感受性の遺伝子構成を有する個体の運
動ニューロンに対して非致死性傷害を与える可能性があり、それが次に進行性炎症プロセ
スを誘発し、それが小膠細胞を活性化して神経毒性キヌレニン代謝物を産生し、それがさ
らに運動ニューロンを破壊する。
【0027】
ALS患者の脳および脊髄では、多数の活性化小膠細胞、反応性星状膠細胞、T細胞お
よび浸潤性マクロファージが認められている(Graves et al., 2004
;Henkel et al., 2004)。これらの細胞は、炎症メディエータおよ
び神経毒性メディエータ、特にはIDOの最も強力な誘発剤であるIFN−γを放出する
(McGeer and McGeer 2002)。ALS運動皮質および脊髄ではI
DOのニューロンおよび小膠細胞発現が増加する(Chen et al., 2010
)。免疫活性化剤の放出が神経毒QUINなどの代謝物を生じさせるKPの律速酵素であ
るIDOを活性化することが提案されている。従って、IDOの阻害は、ALSの病因で
明瞭に示唆されている神経毒性QUINの合成を減らすと考えられる。
【0028】
ハンチントン病
ハンチントン病(HD)は、ハンチンチン(htt)遺伝子におけるCAG繰り返しの
拡張によって生じる遺伝性常染色優性神経変性障害である。HDを罹患した患者は、随意
運動および不随意運動(舞踏病アテトーゼ)の異常ならびに精神障害および認知障害を特
徴とする進行性運動機能障害を示す。KYN経路での代謝物の生存モニタリングは、CA
G繰り返し数、従って障害の重度に相関するいくつかの生物マーカーを提供するものであ
る(Forrest et al., 2010)。死後、非常に高レベルのQUINが
神経変性の領域に局在していることが認められるが、QUINが興奮毒として作用する線
条体グルタミン酸作動性ニューロンは、この疾患で喪失される主要な種類である。重要な
点として、ハンチントン病のショウジョウバエモデルでのTDO除去によって、神経変性
が改善された(Campesan et al., 2011)。
【0029】
アルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は、ニューロン喪失および認知症を特徴とする加齢性神経変
性障害である。当該疾患の組織病理では、細胞内β−アミロイド(Αβ)の蓄積およびそ
れに続く老人斑の形成ならびに学習および記憶に関連する特定の脳領域での神経原線維の
もつれの存在が認められる。本疾患の基礎となる病理学的機序についてはいまだに議論が
あるが、ADの発達および進行においてKP代謝物を示唆する証拠が増えつつある。
【0030】
Αβ(1−42)が初代培養小膠細胞を活性化し、IDO発現を誘発し得ることが明ら
かになっている(Guillemin et al., 2003;Walker et
al., 2006)。さらに、IDO過剰発現およびQUINの産生増加が、AD患
者の脳におけるアミロイド斑関連の小膠細胞で認められている(Guillemin e
t al., 2005)。QUINが、ヒト皮質ニューロンでのタウ過剰リン酸化を生
じさせることが明らかになっている(Rahman et al., 2009)。従っ
て、IDOの過剰発現および小膠細胞でのKPの過剰活性化がADの病因において示唆さ
れている。
【0031】
アルツハイマー病でのTDOの関与を示す証拠もある。TDOは、患者およびADマウ
スモデルの脳では制御されない。さらに、TDOは、AD患者の海馬においてキノリン酸
、神経原線維のもつれおよびアミロイド沈着と共存している(Wu et al., 2
013)。従って、キヌレニン経路は、TDOおよびIDOの両方により、ADでは過剰
活性化され、恐らくは神経原線維のもつれ形成に関与し、老人斑形成に関連する。
【0032】
精神障害および疼痛
ほとんどのトリプトファンが、キヌレニン経路によって処理される。わずかな割合のト
リプトファンが処理されて5−HTとなり、従ってメラトニンとなり、それらの両方とも
IDOの基質である。かなり以前から、効果の中で特に、急性トリプトファン欠乏が鬱病
エピソードを誘発し、健常な個体であっても顕著な気分の変化を生じ得ることが知られて
いた。これらの所見は、気分の高揚および神経形成刺激の両方を行う上でのセロトニン作
動薬の臨床的有用性と関連している。
【0033】
抑鬱症状の併存、炎症におけるキヌレニン経路の示唆およびTDOとグルココルチコイ
ド介在性ストレス応答との間の新たな関連性も、慢性疼痛の治療における役割を示唆して
いる(Stone and Darlington 2013)。
【0034】
統合失調症患者は、CSFおよび脳組織、特には前頭葉の両方での高いKYNレベルを
示す。これには、統合失調症で認められる「前頭葉機能低下」が関連していた。実際、神
経遮断薬で処理した齧歯類は、前頭KYNレベルにおいて顕著な低下を示す。これらの変
化は、KMOおよび3HAOの低下と関連していた。証拠には、KMO多形、高いCSF
KYNおよび統合失調症の間の関連性などがある(Holtze etr al.,
2012)。総合すると、この経路での処置が認知促進性(pro−cognate)お
よび神経遮断性の両方である可能性がある。
【0035】
疼痛および抑鬱は非常に多くの場合、合併障害である。IDO1がこの共存症において
重要な役割を果たすことが明らかになっている。最近の研究で、IDO活性が(a)セロ
トニン含有量低下および抑鬱(Dantzer et al., 2008; Sull
ivan et al., 1992)および(b)キヌレニン含有量上昇およびグルタ
ミン酸受容体に対するキノリン酸などのそれの誘導体の効果による神経可塑性変化(He
yes et al., 1992)に関連することが明らかになっている。
【0036】
ラットにおいて、慢性疼痛が、抑鬱行動および両側海馬でのIDO上昇を誘発した。I
DOの上昇により、両側海馬でのキヌレニン/トリプトファン比の上昇およびセロトニン
/トリプトファン比低下が生じた。さらに、IDO遺伝子ノックアウトまたは海馬IDO
活性の薬理学的阻害により、侵害行動および抑鬱行動の両方が弱くなった(Kim et
al., 2012)。
【0037】
炎症性サイトカイン類が疼痛および抑鬱の両方の病態生理で示唆されていることから、
炎症性サイトカイン類による脳IDOの調節が、トリプトファン代謝の調節を介した疼痛
と抑鬱の間の共存関係における非常に重要な機序的連結要素として働く。
【0038】
多発性硬化症
多発性硬化症(MS)は、ミエリンシートに対する特異的免疫応答からなる神経系の白
質での炎症病変を特徴とする自己免疫疾患であり、結果的に炎症および軸索喪失となる(
Trapp et al., 1999; Owens, 2003)。
【0039】
免疫系の活性化によって引き起こされる神経毒性キヌレニン代謝物の蓄積が、MSの病
因において示唆されている。QUINは、MSの自己免疫動物モデルであるEAEのラッ
トの脊髄で選択的に上昇することが認められた(Flanagan et al., 1
995)。EAEにおけるQUIN上昇の起源は、マクロファージであると示唆された。
QUINは、脂質過酸化の開始剤であり、ミエリン付近のQUINに高い局所レベルは、
EAEおよび可能性としてMSにおける脱髄に寄与し得る。
【0040】
インターフェロンベータ1b(IFN−β1b)は、IFN−b処理患者の血清で認め
られる濃度と同等の濃度でマクロファージでのKP代謝を誘発し、これはMSの治療にお
けるそれの効力での制限因子であり得る(Guillemin et al., 200
1)。IFN−β投与後、健常対象者と比較して、IFN−b注射を受けたMS患者の血
漿でキヌレニンレベルおよびキヌレニン/トリプトファン比の上昇が認められており、I
FN−βによるIDOの誘発を示している(Amirkhani et al., 20
05)。IFN−β1bにより、ニューロンの樹状突起が入る信号を統合する能力を障害
するのに十分な濃度でのQUINの産生を生じ、乏突起膠細胞を殺す(Cammer 2
001)。IFN−β1b処理患者では、IDO/TDO阻害剤によるKPの同時遮断に
よって、それのIFN−β1bの効力を改善することができる。
【0041】
パーキンソン病
パーキンソン病(PD)は、ドーパミン作動性ニューロンの喪失および限局性神経炎症
を特徴とする良く見られる神経変性障害である。
【0042】
パーキンソン病は、小膠細胞の慢性活性化に関連している(Gao and Hong
, 2008)。小膠細胞活性化は、反応性酸素種(ROS)およびINF−γ(Blo
ck et al., 2007)などの炎症性サイトカイン類、IDO発現の誘発を介
しての強力なKP活性化剤のような神経毒性物質を放出する。活性化小膠細胞におけるK
Pにより、3HKおよびQUINの上昇が生じる。3HKは、主としてROSへの変換の
結果として有毒である(Okuda et al., 1998)。QUINによるRO
SおよびNMDA受容体介在興奮毒性の複合効果は、ニューロンの機能不全およびそれの
死に寄与する(Braidy et al., 2009; Stone and Pe
rkins, 1981)。しかしながら、ニューロンでのKP活性化によって産生され
るピコリン酸(PIC)は、QUIN誘発神経毒性に対してニューロンを保護する能力を
有し、NMDA作動薬である(Jhamandas et al., 1990)。小膠
細胞は、炎症メディエータおよび死亡するニューロンからの刺激によって過剰活性化にな
り、さらなる小膠細胞活性化小膠細胞症の持続サイクルを引き起こし得る。過剰の小膠細
胞症は、隣接するニューロンへの神経毒性を引き起こし、ニューロン死に至り、パーキン
ソン病の進行に寄与する(Zinger et al 2011)。従って、PDは、脳
内のKPの二つの主要な分岐間の不均衡を伴う。星状膠細胞によるKYNA合成が減り、
同時に、小膠細胞によるQUIN産生が増加する。
【0043】
HIV
HIV患者、特にHIV関連認知症患者(Kandanearatchi & Bre
w 2012)は多くの場合、CSFにおいて大幅に高いKYNレベルを有する。これら
のレベルは、神経認知低下の進行および多くの場合重大な精神病症状の存在に直接関係し
ている(Stone & Darlington 2013)。
【0044】

腫瘍が自体の抗原に対する耐性を誘発し得ることが明らかである。癌におけるトリプト
ファン異化は、抗腫瘍免疫応答を抑制する重要な微小環境因子として徐々に認識されつつ
ある。トリプトファンの欠乏およびキヌレニンなどの免疫抑制性トリプトファン異化代謝
産物の蓄積は、T細胞アネルギーおよびアポトーシスを誘発することで腫瘍および腫瘍流
入領域リンパ節での免疫抑制環境を作る。腫瘍微小環境におけるそのような免疫抑制は、
癌が免疫応答から逃れ、腫瘍形成能を高めるのに役立ち得る(Adam et al.,
2012で総覧)。
【0045】
最近、TDOおよびIDOの両方が、腫瘍進行において示唆されている。TDOまたは
IDOが個別に、各種癌で過剰発現されることが認められており、さらに、いくつかの癌
はTDOおよびIDOの両方を過剰発現する。TDOおよびIDOは、Trpからキヌレ
ニンへの代謝を介して免疫抑制効果に介在して、T細胞の分化および増殖に影響し得るG
CN2、mTORおよびAHRを介した下流シグナル伝達を誘発する。さらに、活性化樹
状細胞によるIDOの発現は、制御性T細胞(Tregs)を活性化させ、腫瘍特異的エ
フェクターCD8+T細胞を阻害する働きをすることで、免疫系が過剰なリンパ球反応性
を制限し得る機序を構成することができる(Platten et al., 2012
に総覧)。
【0046】
IDO
IDO発現増加は、急性骨髄性白血病(AML)、小細胞肺癌、メラノーマ、卵巣癌、
結腸直腸癌、膵臓癌および子宮体癌の患者における生存率低下における独立の予後変数で
あることが明らかになっている(Okamoto et al., 2005;Ino
et al., 2006)。実際、癌患者からの血清は、健常志願者からの血清より高
いキヌレニン/トリプトファン比を有する(Liu et al., 2010; We
inlich et al., 2007; Huang et al., 2002)。
IDO発現のレベルも、結腸直腸癌患者における腫瘍浸潤性リンパ球数と相関しているこ
とが明らかになっている(Brandacher et al., 2006)。
【0047】
前臨床モデルにおいて、免疫原性腫瘍細胞の組換えIDOによるトランスフェクション
によって、マウスでの拒絶が防止された(Uyttenhove et al., 20
03)。さらに、IDO発現がなくなることで、7,12−ジメチルベンズ(a)アント
ラセン誘発妊娠前皮膚乳頭腫の発生率および増殖が低下した(Muller et al
., 2008)。さらに、IDO阻害によって腫瘍増殖が鈍化し、抗腫瘍免疫が回復し
(Koblish et al., 2010)、IDO阻害が細胞毒性薬、ワクチンお
よびサイトカインと相乗作用して、強力な抗腫瘍活性を誘発する(Uyttenhove
et al., 2003; Muller et al., 2005; Zeng
et al., 2009)。
【0048】
TDO
TDOは、主として肝臓で発現され、全身Trp濃度を調節すると考えられているが、
TDOは、高頻度で活性化され、グリオーマ細胞で構成的に発現されることが認められた
。TDO由来ΚYNが、抗腫瘍免疫応答を抑制し、自己分泌的にAhRを介して腫瘍細胞
の生存率および運動性を促進することが明らかになっている(Opitz et al.
, 2011)。TDOはヒト肝細胞癌で上昇し、他の癌で散発的に検出されることも明
らかになっている。前臨床モデルで、TDO発現により、前免疫マウスによる腫瘍移植片
の拒絶が防止された。TDO阻害剤、LM10の全身投与により、マウスがTDO発現腫
瘍を拒絶する能力が回復された(Pilotte et al., 2012)。
【0049】
従って、TDOまたはIDOの阻害剤は、癌治療において広範囲の治療効力を有する可
能性があると考えられる。さらに、TDOおよびIDOの両方を遮断する二重阻害剤は、
これらの重要なTrp代謝酵素の両方を標的とすることで改善された臨床効力を示すこと
ができ、より広い患者群も治療するものと考えられる。各種組織型の一連の104のヒト
腫瘍系のうち、20の腫瘍がTDOのみを発現し、17がIDOのみを発現し、16が両
方を発現した。従って、IDOおよびTDOの両方を標的とすることで、IDO1単独の
32%やTDO単独の35%ではなく腫瘍の51%が網羅され得るものと考えられる(P
ilotte et al., 2012)。さらに、全身Trpレベルの制御における
TDOの役割を考慮すると、TDO阻害剤を用いて、TDOを発現しない多様な癌および
腫瘍性疾患の患者の転帰を改善することもできると考えられる。
【0050】
IDOおよび/またはTDOの阻害により、キヌレニンレベルが大幅に低下して、免疫
系に対する抑制が解除されて、その免疫系が腫瘍を攻撃および排除できるようになる。T
DO/IDO阻害剤が独立型の薬剤として有用であろうことを示す証拠があるが、この種
の阻害剤は、他の癌免疫療法と併用すると特に有効であると考えられる。実際、IDO発
現の上昇が、腫瘍がCTLA−4遮断抗体イピリムマブに対する抵抗性を獲得する機序と
して確認されている。イピリムマブは共刺激分子CTLA−4を遮断し、それによって腫
瘍特異性T細胞は活性化状態のままとなる。
【0051】
抗CTLA−4抗体で処理したIDOノックアウトマウスは、野生型マウスと比較して
、B16メラノーマ腫瘍増殖の著しい遅延および全体的な生存率上昇を示す。さらに、C
TLA−4遮断は、IDO阻害剤と強力な相乗作用を行って、腫瘍拒絶を媒介する。同様
のデータは、抗PD1抗体および抗PDL−1抗体と組み合わせたIDO阻害剤において
も報告されている(Holmgaard et al., 2013)。
【0052】
免疫抑制環境に影響する薬剤は、効力および患者応答を高めるためのキメラ抗原受容体
T細胞(CAR−T)療法にも関係し得る。
【0053】
他の疾患
これらの効果は感染および炎症に対処するための防御戦略であるが、トリプトファンの
IDOおよびTDO介在分解時に生成されるキヌレニン類がタンパク質を化学修飾するこ
とができ細胞傷害性であることが明らかになっていることから、それらは予期せぬ結果を
もたらす有する可能性がある(Morita et al., 2001;Okuda
et al., 1998)。冠動脈性心疾患において、炎症および免疫活性化が、恐ら
くはIDOのインターフェロン−γ介在活性化を介したキヌレニンの血中レベル上昇に関
連している(Wirleitner et al., 2003)。実験的慢性腎不全に
おいて、IDOの活性化により、キヌレニンの血中レベル上昇が生じ(Tankiewi
cz et al., 2003)、尿毒症患者において、キヌレニン修飾タンパク質が
尿中に存在する(Sala et al., 2004)。さらに、腎臓IDO発現は、
尿細管細胞傷害を促進するため、炎症時には有害となり得る。
【0054】
残念ながら、全身麻酔がストレスプロセスおよび炎症プロセスなどのこれらの効果の多
くに似た症状を呈する。麻酔後認知機能低下は、これらの続発症と関連している場合が多
かった。最近、これらの欠乏が、心臓手術後および回復期卒中患者でのキヌレニン経路マ
ーカーにおける変化と相関しているが、サイトカイン類についてはそれがないことが明ら
かになっている(Stone and Darlington 2013)。
【0055】
白内障
白内障は、視力低下をもたらす眼球内部のレンズの濁りである。最近の研究で、キヌレ
ニン類がヒト水晶体におけるタンパク質構造を変化させて、白内障発生に至る可能性があ
ることが示唆されている。ヒト水晶体において、IDO活性は、主として角膜上皮に存在
する(Takikawa et al., 1999)。キヌレニン(KYN)、3−ヒ
ドロキシキヌレニン(3OHKYN)、および3−ヒドロキシキヌレニングルコシド(3
OHKG)などのいくつかのキヌレニン類が水晶体において検出されており、それらはU
V光を吸収することで網膜を保護すると考えられており、従ってUVフィルターと一般に
称される。しかしながら、いくつかの最近の研究で、キヌレニン類が脱アミノ化および酸
化する傾向があり、α,β−不飽和ケトン類を生成し、それが水晶体タンパク質と化学反
応し、それを修飾することが明らかになっている(Taylor et al., 20
02)。キヌレニン介在修飾は、加齢および白内障発生時の水晶体タンパク質修飾に寄与
するものと考えられる。それらは水晶体の透明性を維持するのに必要なα−クリスタリン
のシャペロン機能も低下させ得る。
【0056】
水晶体においてヒトIDOを過剰発現するトランスジェニックマウス系は、生後3ヶ月
以内に両側白内障を発症した。IDO介在によるキヌレニン類産生により、線維細胞の分
化およびそれらのアポトーシスに欠陥が生じることが示されている(Mailankot
et al., 2009)。従って、IDの阻害により、白内障形成の進行を遅らせ
ることができる。
【0057】
女性の生殖に関する健康
子宮内膜症
子宮内膜症、すなわち子宮腔外に子宮内膜が存在することは、一般的な婦人科障害であ
り、腹痛、性交疼痛および不妊を引き起こす。マイクロアレイ解析により、IDO発現が
子宮内膜症の女性からの正所性子宮内膜において相対的に高いことが認められている(B
urney et al., 2007およびAghajanova et al.,
2011)。さらに、IDOが子宮内膜間質細胞の生存および侵襲性を高めることが明ら
かになっている(Mei et al., 2013)。従って、IDO/TDO阻害剤
を、子宮内膜症の治療として用いることが可能であると考えられる。
【0058】
避妊および中絶
胚の着床のプロセスには、同種移植の拒絶反応を防止する機序が必要であり、胎児同種
移植片に対する寛容は、妊娠を維持するための重要な機序を代表するものである。胎児−
母体境界におけるIDOを発現する細胞は、母体免疫応答による致死的拒絶反応から同種
胎児を保護する。妊娠マウスの1−メチル−トリプトファンへの曝露によるIDOの阻害
によって、同種受胎産物のT細胞介在拒絶反応が誘発されたが、同系受胎産物は影響され
なかった。これは、胎児−母体境界でのIDO発現が胎児同種移植片の拒絶反応を防ぐ上
で必要であることを示唆している(Munn et al., 1998)。胎児−母体
境界でのIDO産生および正常機能が妊娠寛容において大きな役割を果たし得ることを示
す証拠が多くなっている(Durr and Kindler., 2013)。従って
、IDO/TDO阻害剤を、避妊薬または中絶剤として用いることが可能であると考えら
れる。
【0059】
以上に基づき、本発明者らには、上記の疾患、状態および障害を治療する上での、TD
Oおよび/またはIDOの活性を遮断する薬剤の治療的有用性に関しては、強い根拠が存
在することが明らかになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0060】
上記を考慮して、本発明の目的は、医療で使用されるTDOまたはIDO阻害剤、特に
はTDOおよびIDO阻害剤を提供することである。さらに別の目的は、そのような阻害
剤を含む医薬組成物を提供すること、特には癌、炎症状態、感染症、中枢神経系疾患もし
くは障害および他の疾患、状態および障害を治療するための化合物および医薬組成物を提
供することである。その化合物の合成方法を提供することも目的である。
【0061】
WO2012/084971には、本発明で想到されるものと同様であるが、本発明の
化合物における置換基Rでは異なって酸素原子に二重結合した原子を持たない化合物が
開示されている。これらの化合物は、直接抗細菌剤であると開示されている。IDOおよ
びTDO阻害について言及されておらず、それら化合物がTDOまたはIDO阻害活性を
有するという開示も、TDOまたはIDO機序関連の薬理もない。
【0062】
WO94/19321およびWO2014/009794にはそれぞれ、HIVを治療
するための化合物が開示されている。それら化合物の一部は、本発明で想到されるものと
同様であるが、WO94/19321においては、直接逆転写酵素阻害剤であることが示
されており、WO2014/009794では、直接抗ウィルス薬であることが示されて
いる。IDOおよびTDO阻害について言及されておらず、それら化合物がTDOまたは
IDO阻害活性を有するという開示も、TDOまたはIDO機序関連の薬理もない。
【0063】
WO2008/002674およびWO03/035621には、特に癌の治療で用い
ることができるタンパク質キナーゼおよびホスファターゼ阻害剤が開示されている。一部
のそのような化合物は、本発明者らが検討したものと同様であるが、IDOおよびTDO
阻害については言及されておらず、それら化合物がTDOまたはIDO阻害活性を有する
という開示も、TDOまたはIDO機序関連の薬理、すなわちT細胞増殖および腫瘍免疫
応答における関連する増加を伴うトリプトファン欠乏/キヌレニン産生の消失もない。
【0064】
以前に、ドルシクら(Dolusic et al.)はインドール化合物を調べて、
それらのIDO阻害活性を求めている(European Journal of Me
dicinal chemistry 46(2011)3058−3065;Bioo
rganic and Medicinal Chemistry, Vol.19(4
), 2011, pp1550−1561)。その試験では、2位にケトン置換基を有
するある種のインドール化合物が有用なIDO阻害剤であると考えられると決定されてい
る。しかしながら、そのような化合物の活性は、せいぜいあってもわずかなものであるこ
とが認められている。発明者らが検討した種類のアミド化合物は、ケトン化合物と比較し
て友好な阻害剤ではないと結論付けられた。しかしながら、本発明者らは、ドルシックら
(Dolusic et al.)が、隣接するヘテロ原子を有するある種のカルボニル
化合物が非常に活性が高いという点で、そのようなアミド化合物について誤解していたこ
とを確認した。
【課題を解決するための手段】
【0065】
従って、本発明は、医療で使用されるトリプトファン−2,3−ジオキシゲナーゼ(T
DO)および/またはインドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤化
合物を提供するものであり、その化合物は下記式を有する。
【化1】
【0066】
式中、X、X、X、XおよびXは同一であるか異なっていることができ、そ
れぞれ独立に、C、NおよびOから選択され;点線を有する各原子は独立に二重結合もし
くは単結合を有することができ、ただし各原子での価数は維持され;各R、R、R
、R、RおよびRは存在していても非存在であっても良く、同一でも異なっていて
も良く、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基から選択され、ただし存在
するそのようなRの数はX、X、X、XおよびXの価数が維持されるようなも
のであり;1個もしくは2個のR基が存在していても良く、Hおよび置換されたもしく
は置換されていない有機基から選択され、ただし存在するR基の数は、それらが結合し
ている炭素原子の価数が維持されるようなものであり、ただし少なくとも1個のRがR
が結合しており、酸素原子に二重結合している原子もヘテロ原子に結合している炭素原
子に対してα位、β位もしくはγ位の酸素原子に二重結合している原子を含む有機基(好
ましくはカルボニル基またはスルホニル基)である。
【0067】
本発明の文脈において、2個の原子間の点線は、もう一つの結合が存在する可能性を示
している。2個の原子がすでに実践によって連結されているが点線も有する場合、それら
の原子は少なくとも単結合を有するが、場合により二重結合も有する可能性がある。従っ
て、そのような場合、点線を有する各原子は独立に二重結合または単結合を有することが
でき、ただし各原子での価数は維持される。2個の原子を連結する点線のみがある場合、
これらの原子は、場合によっては直接結合しているものが全くなくても良く、他の場合で
は、単結合によって連結されていても良い。
【0068】
本明細書における式では、環系の全ての互変異型(6員環の互変異型および5員環の互
変異型など)が含まれるものとする。
【0069】
本発明の文脈において、ヘテロ原子は炭素原子ではない原子である。代表的実施形態に
おいて、ヘテロ原子はN、O、S、P、BまたはSiから選択され、またはより代表的に
は、N、OおよびSから選択される。
【0070】
従って、当該化合物は下記式のいずれかを有することができる。
【化2】
【0071】
一部のより好ましい実施形態において、XはCであり、その場合に当該化合物は下記
式のうちの一つを有する。
【化3】
【0072】
他の実施形態において、XはNであり、その場合に当該化合物は下記式のうちの一つ
を有する。
【化4】
【0073】
他の実施形態において、XはOであり、その場合に当該化合物は下記式のうちの一つ
を有する。
【化5】
【0074】
本発明の化合物において、X、X、Xおよび/またはX基がCであることが代
表的であり、その場合に当該化合物は下記式のうちの一つを有する。
【化6】
【0075】
これらの式において、Xは上記のようにC、NまたはO(好ましくはC)であること
ができ、従って当該化合物は下記式を有する。
【化7】
【0076】
上記の構造の全てによって表される実施形態のある種のもので、存在する場合、R
よびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはR
がHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHである。さらに、ある種
の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態におい
て、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合
、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではなく、ま
たはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHである。
【0077】
本発明の文脈において、価数を維持するとは、原子が有機化合物においてそれの正常な
(代表的には最も一般的な)価数を有する(すなわち、酸素では2、窒素では3、炭素で
は4)ことが確保されることを意味する。窒素原子は、場合により4個の結合を有するこ
とができるが、そのような場合、その窒素原子は代表的には陽電荷を有することで、その
化合物が対イオンを有することができるようになっている。そのような化合物も本発明の
一部であり、その場合、その陽電荷のゆえに、窒素原子がなおもそれの正常な価数3を維
持することは明らかであろう。誤解を避けるため、X基の選択に従ってR基の数が変動し
可能である場合、それは次のように変動し得る。
【0078】
各Rは同一でも異なっていても良く、ただしXがOである場合はRは非存在であ
り;XがNである場合はRは非存在であり、環原子に二重結合しており;XがNで
ある場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合しておらず;XがCである場合は1
個のRが存在し、環原子に二重結合しており;XがCである場合は2個のRが存在
し、環原子に二重結合していない。好ましくはR(または、2個のそのような基がある
場合は両方のR)はHである。
【0079】
各Rは同一でも異なっていても良く、ただしXがOである場合はRは非存在であ
り;XがNである場合はRは非存在であり、環原子に二重結合しており;XがNで
ある場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合しておらず;XがCである場合は1
個のRが存在し、環原子に二重結合しており;XがCである場合は2個のRが存在
し、環原子に二重結合していない。各Rは同一でも異なっていても良く、ただしX
Oである場合はRは非存在であり;XがNである場合はRは非存在であり、環原子
に二重結合しており;XがNである場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合して
おらず;XがCである場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合しており;X
Cである場合は2個のRが存在し、環原子に二重結合していない。好ましくはRおよ
びRのうちの1個(または、適切な場合は、2個のRのうちの1個または2個のR
のうちの1個)はHではない。
【0080】
各Rは同一でも異なっていても良く、ただしXがOである場合はRは非存在であ
り;XがNである場合はRは非存在であり、環原子に二重結合しており;XがNで
ある場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合しておらず;XがCである場合は1
個のRが存在し、環原子に二重結合しており;XがCである場合は2個のRが存在
し、環原子に二重結合していない。好ましくはR(または、2個のそのような基がある
場合は、両方のR)はHである。
【0081】
各Rは同一でも異なっていても良く、ただしそれらが結合している炭素が環原子に二
重結合していない場合は2個のRが存在し、それが結合している炭素が環原子に二重結
合している場合は1個のRが存在する。2個のR基が存在する場合、一方がHまたは
有機基であることができ、他方は上記のようにRが結合している炭素原子に対してα位
、β位もしくはγ位で酸素原子に二重結合している原子を含む有機基である。2個のR
基がある場合、好ましくはそれらのうちの一つがHである。本発明における実施形態の全
てにおいて、少なくとも1個のRが、Rが結合している炭素原子に対してα位、β位
もしくはγ位で酸素原子に二重結合している原子を含む有機基を有する(好ましくは、カ
ルボニル基またはスルホニル基を形成している)。この文脈において、α位、β位または
γ位という用語は、有機化学における一般的な意味を有するものであり、すなわち、それ
らは隣接する原子(α)、または1個おいて次の原子(β)、または2個おいて次の原子
(γ)を指す。従って、酸素原子に二重結合した原子は、Rが結合している環原子に隣
接する原子であることができるか、Rが結合している環原子の1個おいて次の原子であ
ることができるか、Rが結合している環原子の2個おいて次の原子であることができる
。明瞭を期すためα位、β位およびγ位は次のように描かれる。
【化8】
【0082】
酸素原子に二重結合した原子は、C、SまたはPなどの有機基に一般的な原子(酸素お
よびハロゲンを除く)であっても良い。上記のように、好ましくは、酸素に二重結合した
原子が、カルボニル基またはスルホニル基を形成している。本発明の化合物において、酸
素原子に二重結合した原子(または場合によってはカルボニル基またはスルホニル基)は
さらに、隣接ヘテロ原子に結合している。この場合の隣接ヘテロ原子は、有機基に一般的
なヘテロ原子(すなわち、有機基に一般的な非炭素原子)であることができ、代表的には
N、O、S、P、BまたはSiから選択される原子であるが、ただしより好ましい実施形
態ではそれはNである。
【0083】
各Rは同一でも異なっていても良く、ただしXがOである場合はRは非存在であ
り;XがNである場合はRは非存在であり、環原子に二重結合しており;XがNで
ある場合は1個のRが存在し、環原子に二重結合しておらず;XがCである場合は1
個のRが存在し、環原子に二重結合しており;XがCである場合は2個のRが存在
し、環原子に二重結合していない。好ましくはR(または2個のそのような基がある場
合は、両方のR)はHである。
【0084】
これらの化合物において、そして本明細書の他の箇所で、一部の実施形態では、いずれ
かのR基が、隣接および/または近位原子上の他のR基とともに環を形成していても良い
が、ただしほとんどの実施形態では、それは好ましくない。従って、一部の実施形態にお
いて、次の置換基:RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、R
とR、および/またはRとRが一体となって環を形成していても良い。本発明の
文脈において、隣接および/または近位原子とは、ある原子に直接結合した別の原子(隣
接)を意味することができ、または中間に単一原子のみがある2個の原子(近位)である
ことができ、または環を形成可能なほど立体的に近い2個の原子(近位)を意味すること
ができる。従って、定義にはRとRが含まれる。好ましくは、同一原子に結合したR
基が一体となって環を形成しないが、ただしこれは排除されるものではない。好ましくは
およびRは別のR基と環を形成せず、代表的にはRは置換されたもしくは置換さ
れていない低級(C−C)アルキル基、より代表的にはHまたはMeである。
【0085】
同一原子に結合した2個のR基がある化合物では、本発明は、2個のR基(Rおよび
の場合を除く)が一体となって、その原子に二重結合した基を形成している化合物で
ある。従って、同一原子に結合した2個のR基が一体となって、=O基または=C(R′
基を形成していることができる(各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有
機基、好ましくはHまたは直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基である。)。これは
、R基がC原子に結合していることで、それらが一体となってC=O基もしくはC=C(
R′)基が形成されるようになっている場合により代表的である。従って、下記で述べ
る構造中のR63、R64およびR66で可能なように、R、R、R、Rおよび
は代表的には、=O基であることができる。
【0086】
本発明の文脈において、化合物は、その存在により、存在しない場合の同一の変換と比
較して、TDOによるトリプトファンのN−ホルミルキヌレニンへの変換を防止、低減ま
たは遅延させることができる場合はTDO阻害剤であると考えられる。同様に、本発明の
文脈において、化合物は、その存在により、存在しない場合の同一の変換と比較して、I
DOによるトリプトファンのN−ホルミルキヌレニンへの変換を防止、低減または遅延さ
せることができる場合はIDO阻害剤であると考えられる。好ましくは、化合物は、それ
の阻害活性が実施例に記載のA172ヒト膠芽腫細胞によるアッセイで「+」の評点を得
るだけ高い場合、TDO阻害剤であると考えられる。好ましくは、化合物は、それの阻害
活性が実施例に記載のSKOV−3卵巣腺癌細胞によるアッセイで「+」の評点を得るだ
け高い場合、IDO阻害剤であると考えられる。本発明の化合物は、選択的TDO阻害剤
もしくは選択的IDO阻害剤であることができ、またはIDOおよびTDOの両方の阻害
剤であることができる。
【0087】
本発明の実施形態の全てにおいて(本明細書で上記または下記の両方で)、別段の断り
がない限り、置換基(R基、X基、またはいずれか他の置換基など)は特に限定されない
が、ただしそれはTDOまたはIDO阻害機能が起こるのを防ぐものではない。本発明と
の関連で言及される実施形態の全てにおいて、上記および下記の両方で、別段の断りがな
い限り、置換基は、Hおよび有機基から選択される。従って、上記および下記の両方で、
「置換基」および「有機基」という用語は、特に限定されず、あらゆる官能基もしくはあ
らゆる原子、特別には有機化学で一般的なあらゆる官能基もしくは原子であることができ
る。従って、「置換基」および「有機基」は、下記の意味のいずれかを有することができ
る。
【0088】
置換基または有機基は、有機基および/または周期表のIIIA族、IVA族、VA族
、VIA族またはVIIIA族のいずれかからの1以上の原子、例えばB、Si、N、P
、O、またはS原子(例えば、OH、OR、NH、NHR、NR、SH、SR、SO
R、SOH、PO)またはハロゲン原子(例えば、F、Cl、BrまたはI)
を含むことができ、Rは置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の低級炭
化水素(1から6個のC原子)または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは
分岐の高級炭化水素(7個のC原子またはそれ以上、例えば、7から40個のC原子)で
ある。
【0089】
置換基が有機基を含む場合、その有機基は好ましくは炭化水素基を含む。炭化水素基は
、直鎖、分岐または環状基を含むことができる。独立に、当該炭化水素基は、脂肪族基ま
たは芳香族基を含むことができる。さらに独立に、当該炭化水素基は、飽和または不飽和
基を含むことができる。
【0090】
炭化水素が不飽和基を含む場合、それは1以上のアルケン官能基および/または1以上
のアルキン官能基を含むことができる。炭化水素が直鎖もしくは分岐基を含む場合、それ
は1級、2級および/または3級アルキル基を含むことができる。
【0091】
炭化水素が環状基を含む場合、それは芳香族環、非芳香族環、脂肪族環、複素環基、お
よび/またはこれら基の縮合環誘導体を含むことができる。それらの環は完全飽和、部分
飽和、または完全不飽和であることができる。従って、当該環状基は、ベンゼン、ナフタ
レン、アントラセン、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデ
ン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン
、アセフェナントリレン、アズレン、ヘプタレン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール
、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピロリジン、
フラン、テトラヒドロフラン、2−アザ−テトラヒドロフラン、3−アザ−テトラヒドロ
フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、1,2,4−オキサジアゾール、
1,3,4−オキサジアゾール、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、チオラン、
ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、2−アザピペリジン、3−
アザピペリジン、ピペラジン、ピラン、テトラヒドロピラン、2−アザピラン、3−アザ
ピラン、4−アザピラン、2−アザ−テトラヒドロピラン、3−アザ−テトラヒドロピラ
ン、モルホリン、チオピラン、2−アザチオピラン、3−アザチオピラン、4−アザチオ
ピラン、チアン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−アザインドール
、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソインドール、4
−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール、7−アザイ
ソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジン、3−アザ
インドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザインドリジン、
8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カルボリン、ベ
ンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、キノリン、
シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノリン、7−ア
ザキノリン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノリン、7−アザイソキノリン
、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェナントリジン、ペリミジン、
フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキサチインおよび/またはチア
ントレン、ならびに上記基の位置異性体を含むことができる。これらの基は、その基のい
ずれの箇所でも結合していることができ、ヘテロ電子でも炭素原子でも結合していること
ができる。一部の場合において、特定の結合箇所が好ましく、例えば1−イル、2−イル
などであり、これらは適切な場合は明瞭に特定される。全ての互変異環型がこれらの定義
に含まれる。例えば、ピロールは、1H−ピロール、2H−ピロールおよび3H−ピロー
ルを含むものとする。
【0092】
炭化水素基における炭素原子の数は特に限定されないが、好ましくは炭化水素基は1か
ら40個のC原子を含む。従って、炭化水素基は低級炭化水素(1から6個のC原子)ま
たは高級炭化水素(7個のC原子またはそれ以上、例えば、7から40個のC原子)であ
ることができる。低級炭化水素基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまた
はヘキシル基またはそれらの位置異性体、例えばイソプロピル、イソブチル、tert−
ブチルなどであることができる。環状基の環中の原子の数は特に限定されないが、好まし
くは環状基の環は、3から10個の原子、例えば3、4、5、6、7、8、9または10
個の原子を含む。
【0093】
上記のヘテロ原子を含む基ならびに上記で定義の他の基は、周期表のIIIA族、IV
A族、VA族、VIA族またはVIIA族のいずれかからの1以上のヘテロ原子、例えば
B、Si、N、P、OもしくはS原子またはハロゲン原子(例えば、F、Cl、Brまた
はI)を含むことができる。従って、当該置換基は、有機化学での一般的な官能基1以上
、例えばヒドロキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン
基、アミン基、アミド基、イミン基、チオール基、チオエーテル基、サルフェート基、ス
ルホン酸基、スルホニル基およびホスフェート基などを含むことができる。当該置換基は
、これらの基の誘導体、例えばカルボン酸無水物およびカルボン酸ハライドを含むことも
できる。
【0094】
さらに、いずれの置換基も、上記で定義の置換基および/または官能基の2以上の組み
合わせを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】KPでのトリプトファン異化の模式図を示す図である。
図2】CNS障害におけるキヌレニンの関与を模式的にまとめた図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
以下、ほんの一例として、下記の図を参照しながら、本発明についてより詳細に説明す
る。
【0097】
図1は、KPでのトリプトファン異化の模式図を示す図である(″The Kynur
enine Pathway in Brain Tumour Pathogenes
is″, Adam et al., 2012, Cancer Res 72:56
49−57から)。
【0098】
図2は、CNS障害におけるキヌレニンの関与を模式的にまとめた図である(″The
kynurenine pathway as a therapeutic tar
get in cognitive and neurodegenerative d
isorders″, Stone and Darlington. Br. J.
Pharmacol. 2013 169(6):121−27から)。
【0099】
以下、本発明で使用される化合物について、より詳細に説明する。
【0100】
上記で説明したように、本発明は、医療で使用されるトリプトファン−2,3−ジオキ
シゲナーゼ(TDO)および/またはインドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(I
DO)阻害剤化合物に関するものであり、当該化合物は下記式を有する。
【化9】
【0101】
式中、X、X、X、XおよびXは同一であるか異なっていることができ、そ
れぞれ独立に、C、NおよびOから選択され;点線を有する各原子は独立に二重結合もし
くは単結合を有することができ、ただし各原子での価数は維持され;各R、R、R
、R、RおよびRは存在していても非存在であっても良く、同一でも異なっていて
も良く、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基から選択され、ただし存在
するそのようなRの数はX、X、X、XおよびXの価数が維持されるようなも
のであり;1個もしくは2個のR基が存在していても良く、Hおよび置換されたもしく
は置換されていない有機基から選択され、ただし存在するR基の数は、それらが結合し
ている炭素原子の価数が維持されるようなものであり、ただし少なくとも1個のRがR
が結合しており、酸素原子に二重結合している原子もヘテロ原子に結合している炭素原
子に対してα位、β位もしくはγ位の酸素原子に二重結合している原子を含む有機基(好
ましくはカルボニル基またはスルホニル基を形成)である。
【0102】
環系の全ての互変異型(6員環の互変異型および5員環の互変異型、ならびにそれらの
全ての組み合わせなど)が含まれる。
【0103】
上記のように、この定義は、同一原子に結合した2個のR基(RおよびRを除く)
がある場合に、それらが一体となって、当該原子に二重結合した基、例えばカルボニル基
(=O)またはアルケン基(=C(R′))(各R′基は同一であるか異なっており、
Hまたは有機基であり、好ましくはHまたは直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基で
ある。)を形成していても良い化合物を含む。従って、一部の実施形態において、R
、R、R、および/またはRは=O基であることができ、下記で記載の一部の
実施形態でR63、R64および/またはR66でも同様であり得る。
【0104】
前述のように、以前、ドルシック(Dolusic)らは、インドール化合物について
調べてそれらのIDO阻害活性を求めており、その試験により、2位にケトン置換基を有
するある種のインドール化合物が、程度は高くないが有用なIDO阻害剤である可能性が
あることが明らかになっている。ドルシック(Dolusic)らは、類似のアミド化合
物は、ケトン化合物と比較して友好な阻害剤ではないと結論付けている。しかしながら本
発明者らは、ドルシックら(Dolusic et al.)が、隣接するヘテロ原子を
有するある種のカルボニル化合物が非常に活性が高いという点で、アミド化合物について
誤解していたことを確認した。ドルシック(Dolusic)の論文中のアミド化合物(
化合物REF)は活性ではないことから、活性化合物化合物のみに及ぶ本発明によって特
許請求されていない。しかしながら、それは、本発明の化合物の試験を行うにおいて基準
化合物として用いている。
【0105】
本発明の文脈において、好ましくはRおよびRは環状基を含まない。代表的には、
およびRはHおよび置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC
−Cアルキル基(メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピ
ル(i−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチ
ル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシルなど)から選択される。より好ましくは、R
およびRの両方がHであるか、RおよびRのうちの一方がHであり、他方がMeで
あり(例えば、R=HおよびR=Me、またはR=MeおよびR=H)、または
およびRの両方がMeである。
【0106】
上記式において、ある種の実施形態では、存在する場合、RおよびRは両方ともH
であり、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではなくRがH
であり、またはRがHではなくRがHである。さらに、ある種の実施形態において、
存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、R
はHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RおよびRが両
方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではなく
がHであり、またはRがHではなくRがHである。
【0107】
当該式からすると、X、X、XおよびXが2個のC原子と一体となって環を形
成しており、その環が6員環であるように全てが存在するということになる。この環は、
環系を架橋する2個の隣接するC原子間に少なくとも1個の不飽和結合を有するが、X原
子間の結合に応じて2個もしくは3個の不飽和結合を有することもできる。X、X
およびXはC、NおよびOから選択される。代表的には、X、X、Xおよび
の全てがCであるが、別形態として、X、X、XおよびXのうちの3個がC
であることができ、X、X、XおよびXのうちの2個がCであることができ、X
、X、XおよびXのうちの1個がCであることができるか、X、X、X
よびXのうちの全てがNであることができる。一部の実施形態において、X、X
およびXのうちの1個がNであることができ、またはX、X、XおよびX
のうちの2個がNであることができる。一部の実施形態において、X、X、Xおよ
びXのうちの1個がOであることができ、またはX、X、XおよびXのうちの
2個がOであることができる。
【0108】
は、1個のN原子および3個のC原子とともの5員環を形成している。その環は環
系を架橋する2個の隣接するC原子間に少なくとも1個の不飽和結合を有するが、X
の結合に応じて、そしてN原子での結合に応じてさらなる不飽和結合を有していても良い
。従って、一部の実施形態では、XとRを有する炭素原子との間に二重結合があって
も良く、他の実施形態では、N原子とRを有する炭素原子との間に二重結合があっても
良い。さらに別の実施形態において、5員環における唯一の二重結合は、環系を架橋する
2個の隣接するC原子間のものである。代表的にはXはC原子であり、代表的にはそれ
は隣接するC原子に二重結合している。しかしながら、ある種の実施形態において、X
がCであり、隣接するC原子に単結合しており、またはXがNであり、隣接するC原子
に二重結合しており、またはXがNであり、隣接するC原子に単結合しており、または
がOであり、隣接するC原子に単結合している。
【0109】
従って、すでに説明した代表的実施形態を考慮すると、ある種の実施形態において本発
明は、上記で定義の化合物に関するものであり、当該化合物は下記式のうちの一つを含む

【化10】
【0110】
一部のより好ましい実施形態において、XはCであり、その場合に当該化合物は下記
式のうちの一つを有する。
【化11】
【0111】
他の実施形態において、XはNであり、その場合に当該化合物は下記式のうちの一つ
を有する。
【化12】
【0112】
他の実施形態において、XはOであり、その場合に当該化合物は下記式のうちの一つ
を有する。
【化13】
【0113】
別の好ましい実施形態において、前記6員環は完全不飽和であることで、当該化合物は
下記式のうちの一つ:
【化14】
【0114】
を有するようになっており、XがC、NまたはOである場合は、下記式を有するように
なっている。
【化15】
【0115】
さらに別の好ましい実施形態において、上記式のいずれかで、5員環は少なくとも1個
の二重結合を有し、および/または6員環は完全不飽和であり、および/またはX、X
、XおよびXのうちの全てがCであるか、X、X、XおよびXのうちの1
個がNである。
【0116】
より好ましいこの種類の化合物には、下記のものなどがある。
【化16】
【0117】
これらの化合物において、ある種の実施形態では、存在する場合、RおよびRが両
方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではなく
がHであり、またはRがHではなくRがHである。さらに、ある種の実施形態に
おいて、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する
場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、Rおよび
が両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがH
ではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHである。
【0118】
本発明における実施形態の全てにおいて、上記で記載のように、Rが、Rが結合し
ている炭素原子に対してα位、β位もしくはγ位で酸素原子に二重結合している原子を含
む有機基を有する(好ましくは、カルボニル基またはスルホニル基を形成している)。こ
の文脈において、α位、β位またはγ位という用語は、有機化学における一般的な意味を
有するものであり、すなわち、それらは隣接する原子(α)、または1個おいて次の原子
(β)、または2個おいて次の原子(γ)を指す。従って、酸素原子に二重結合した原子
は、Rが結合している環炭素に隣接する原子であることができるか、Rが結合してい
る環炭素の1個おいて次の原子であることができるか、Rが結合している環炭素の2個
おいて次の原子であることができる。酸素原子に二重結合した原子は、C、SまたはPな
どの有機基に一般的な原子(酸素およびハロゲンを除く)であっても良い。上記のように
、好ましくは、酸素に二重結合した原子が、カルボニル基またはスルホニル基を形成して
いる。本発明の化合物において、酸素原子に二重結合した原子(または場合によってはカ
ルボニル基またはスルホニル基)はさらに、隣接ヘテロ原子に結合している。この場合の
隣接ヘテロ原子は、有機基に一般的なヘテロ原子(すなわち、有機基に一般的な非炭素原
子)であることができ、代表的にはN、O、S、P、BまたはSiから選択される原子で
あるが、ただしより好ましい実施形態ではそれはNである。
【0119】
前記カルボニル基またはスルホニル基は、それが、隣接するヘテロ原子に結合したカル
ボニル基またはスルホニル基である限りにおいて、カルボニル基またはスルホニル基であ
ることができる。より好ましい実施形態において、前記ヘテロ原子は窒素原子であり、代
表的実施形態では、Rは下記の基から選択される。
【化17】
【0120】
式中、R61は、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基から選択され;
62は、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基から選択され;X66
、C、O、NおよびSから選択され(X66は好ましくはCであり、複数のX66が存在
する場合、好ましくは少なくとも1個のX66がCである。);存在する場合、各R66
は同一でも異なっていても良く、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基か
ら選択され、存在するR66の数は、上記ですでに説明したように、X66の価数を維持
するのに十分である。存在するX66原子の数は、酸素原子に結合した原子が環系に対し
てα、βまたはγであるか否かを決定し得るものであり、それに応じて選択可能である。
2個のX66原子が存在する場合、それらは二重結合または単結合によって連結されてい
ても良い。
【0121】
本発明の文脈において、そして本明細書においては概して、括弧内にある構造の部分は
、その括弧の次の数字によって得られる回数繰り返すことができる。例えば、(X66
660、1、2の場合、X66(R66基は存在しないことができるか、1
回存在して−X66(R66−であっても良く;または2回存在して−X66(R
−X66(R66−、または−X66(R66)=X66(R66)−であっ
ても良い。
【0122】
代表的実施形態において、R62は下記式を有する基を含む。
【化18】
【0123】
式中、R63およびR64は同一でも異なっていても良く、独立にHおよび置換された
もしくは置換されていない有機基から選択される、R65はHおよび置換されたもしくは
置換されていない有機基から選択される。従って、二環式環系とR65基の間に1個の−
C(R6364)−基、または2個のそのような基または3個のそのような基が存在し
ても良い。1個の−C(R6364)−基がある場合(最も好ましい)、代表的にはR
63およびR64のうちの少なくとも1個がH以外である。より代表的には、R63およ
びR64が一体となって、3から6員の置換されたもしくは置換されていない飽和もしく
は不飽和炭素環もしくは複素環を形成している(例えば、シクロプロピル、シクロブチル
、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アジリジン
、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、テトラヒドロフラン
またはテトラヒドロピラン環)。
【0124】
複数の−C(R6364)−基がある場合、代表的には存在するR63およびR64
基のうちのいずれかの少なくとも一つがH以外である。より代表的には、少なくとも1個
のR63およびR64が一体となって、3から6員の置換されたもしくは置換されていな
い飽和もしくは不飽和炭素環もしくは複素環を形成している(シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アジリ
ジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、テトラヒドロフ
ランまたはテトラヒドロピラン環など)。これらの化合物において、HではないR63
しくはR64基、または3から6員の置換されたもしくは置換されていない飽和もしくは
不飽和炭素環もしくは複素環は、中央のものを含む−C(R6364)−基のいずれか
上であることができるが、好ましくは二環式環系に最も近い−C(R6364)−基上
、またはR65基に隣接する−C(R6364)−基上である。2以上のR63基また
は2以上のR64基がある場合、各R63は同一でも異なっていても良く、各R64は同
一でも異なっていても良い。一部の実施形態において、R63およびR64が一体となっ
て、それらが結合している炭素原子に二重結合している基を形成していても良い(カルボ
ニル基(=O)またはアルケン基(=C(R′))など、各R′基は同一であるか異な
っており、Hまたは有機基、好ましくはHまたは直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基
)。
【0125】
従って、既に上述した代表的実施形態を考慮すると、ある種の実施形態において、本発
明は、下記式のいずれかを含む、上記で定義の化合物に関する。
【化19】
【0126】
式中、R、R、R、R、R、R、R61、R63、R64、R65および
66は本明細書で定義の通りである。これらの化合物では、ある種の実施形態において
、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方とも
Hではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがH
である。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、
ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態
において、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびR
両方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなく
がHである。
【0127】
上記の代表的実施形態をさらに考慮すると、ある種の実施形態において本発明は、下記
式のいずれかを含む、上記で定義の化合物に関する。
【化20】
【0128】
式中、R、R、R、R、R、R、R61、R63、R64、R65および
66は本明細書で定義の通りである。これらの化合物では、ある種の実施形態において
、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方とも
Hではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがH
である。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、
ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態
において、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびR
両方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなく
がHである。
【0129】
より好ましい実施形態において、ある種の実施形態では、本発明は、下記式のいずれか
を含む上記で定義の化合物に関する。
【化21】
【0130】
式中、R、R、R、R、R、R、R61、R63、R64およびR65
本明細書で定義の通りである。これらの化合物では、ある種の実施形態において、存在す
る場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではな
く、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHである。
さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の
実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において
、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方とも
Hではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがH
である。
【0131】
好ましさは比較的低いが除外されない他の実施形態において、本発明は、下記式のいず
れかを含む上記で定義の化合物に関する。
【化22】
【0132】
式中、これらの化合物(上記のより好ましい化合物の場合とは異なり)、R65は−C
(R63)(R64)−型の基を介して構造の残りの部分に結合しておらず、R、R
、R、R、R、R、R61およびR65は他の点では本明細書で定義の通りであ
る。これらの化合物では、代表的にはR65は単環式複素環基ではない。これらの化合物
では、ある種の実施形態において、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、
またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであり、
またはRがHではなくRがHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場
合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである
。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RおよびRが両方ともHであ
り、またはRおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであ
り、またはRがHではなくRがHである。
【0133】
これらの他の実施形態は好ましさは比較的低いが、R65が環原子の一つを介して直接
結合している縮合環基を含む場合は、それらの好ましさが若干高くなる。従って、そのよ
うな若干より好ましい化合物では、R65は代表的には、下記のものから選択されても良
い。
【0134】
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(その環は置換されていても置
換されていなくとも良く、好ましくはその環は上記の芳香族基および芳香族または非芳香
族複素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダ
セン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナント
リレン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−
アザインドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソ
インドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドー
ル、7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリ
ジン、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザ
インドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、
カルボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェ
ン、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキ
ノリン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキ
ノリン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フ
ェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノ
キサチイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系))。
【0135】
より好ましい実施形態において、本発明は、下記式の一つを含む上記で定義の化合物:
【化23】
【0136】
[式中、R、R、R、R、R、R、R61、R63、R64およびR65
本明細書で定義の通りであり、ただし、X、X、XおよびXの全てがCであるか
、X、X、XおよびXのうちの一つがNであり、X、X、XおよびX
うちの残りのものがCである。]に関するものであり、例えば下記のものである。
【化24】
【0137】
式中、R、R、R、R、R、R、R6!、R63、R64およびR65
本明細書で定義の通りである。これらの化合物では、ある種の実施形態において、存在す
る場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともHではな
く、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHである。
さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の
実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態において
、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方とも
Hではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがH
である。
【0138】
本明細書における実施形態のいずれにおいても、特には上記の好ましいおよびより好ま
しい実施形態において、R、R、R、RおよびRは好ましくは、独立にHおよ
び:
−ハロゲン、例えば−F、−Cl、−Brおよび−I、好ましくは−Fおよび−Cl;
−−CN;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど)、好ましくは−CF;および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシ基(
−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu、−O−i−Bu、−
O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、−OCHF、−OC
、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−Ph、−CHOMe、
−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−CH
CHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCHCH
CHOMeなど)、好ましくは−OMe;
から選択され;
およびR61は好ましくは、独立にHおよび:
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−C
CF、−CHCCl、−CHCBrおよび−CHCIなど)、好まし
くは直鎖もしくは分岐のC−Cフッ素化アルキル基(−CHF、−CHF、−C
、−CHCHF、−CHCHFおよび−CHCFなど);および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコール基(
−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH(CH)CHOH、−C(
CHOH、CHCHCHCHOH、−CH(CH)CHCHOH、
−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CHCH)CHOH、−C(CH
CHOH、−CHCHCHCHCHOH、および−CHCHCH
CHCHCHOHなど);
から選択され、
61はさらに、置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよび
シクロオクチルなど)から選択されても良く;
は好ましくはHであり、R61は好ましくはHであり;
65は好ましくは、Hおよび
−環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリ
ジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル
、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−
3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル、2−
ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピ
ペリジニル、4−ケト−ピペリジニルなど)、2−ケト−ピペラジニル、および3−ケト
−ピペラジニル;
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);および
−飽和または不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族複
素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピ
ロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イ
ル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミダ
ゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1
,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4
−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリア
ゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピ
リダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−
イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジン
−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピ
ペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリジ
ン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−ア
ザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−イ
ル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、フ
ラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−4
−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4−
イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−イ
ル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イル
、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル、
4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イル
、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−アザ
−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−アザ
−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−アザ
−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−アザ
−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン
−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル
、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル
、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル
、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル
、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル
、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−
イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチア
ゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾール
−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、チ
オピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−アザ
チオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イル
、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラン
−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−アザ
チオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イル
、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イル
、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オキ
サゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾ
ール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザン
−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジア
ゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−オ
キサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イル
、テトラゾール−5−イルなど);および
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は上記の芳香族基および芳香族または非芳香族複
素環基のうちの1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、縮合環系、例えばナフ
タレン、アントラセン、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、イン
デン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテ
ン、アセフェナントリレン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズ
イミダゾール、4−アザインドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−ア
ザインドール、イソインドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6
−アザイソインドール、7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン
、2−アザインドリジン、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザイン
ドリジン、7−アザインドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリ
ン、カルバゾール、カルボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、
イソベンゾチオフェン、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキ
ノリン、6−アザキノリン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジ
ン、6−アザイソキノリン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメ
ン、アクリジン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、
キサンテン、フェノキサチイン、および/またはチアントレン)。);
から選択され;
63およびR64は好ましくは、独立にHおよび
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(M
e、Et、Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、ペンチルおよびヘキシルな
ど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−2−
イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジ
ン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、
モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピ
ロリジニル、2−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニ
ルなど)、2−ケト−ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニル;
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);
−置換されたもしくは置換されていない飽和または不飽和複素環基、例えば芳香族複素
環基(ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チオフェン−2
−イル、チオフェン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミ
ジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−
イル、テトラゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オ
キサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イ
ソオキサゾール−5−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,
4−オキサジアゾール)−4−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−5−イル、チ
アゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、フラン−2−イル
、およびフラン−3−イルなど);または例えば、置換されたもしくは置換されていない
飽和複素環基(ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、
ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、テトラヒドロフ
ラン−2−イル、およびテトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−2−イル
、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イルなど);および
−R63およびR64が一体となって3から6員の置換されたもしくは置換されていな
い飽和もしくは不飽和炭素環もしくは複素環を形成している基(シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アジ
リジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、テトラヒドロ
フランまたはテトラヒドロピラン環など)
から選択され;
さらに好ましくは、R63およびR64の一方がH以外である。
【0139】
本発明における実施形態のいずれにおいても、特には上記の好ましいおよびより好まし
い実施形態において、R、RおよびRがそれぞれ独立にHおよびFから選択され、
最も好ましくはHであり;および/またはRが−Cl、Br、−CN、−OMeおよび
−OEtから選択され;および/またはおよびRがHであり;および/またはRおよ
びR61がHおよびC−Cアルキルから選択され、最も好ましくはRおよびR61
が両方ともHであり;および/またはR65が、置換されたもしくは置換されていないフ
ェニル基、置換されたもしくは置換されていないピラゾール−4−イル基、置換されたも
しくは置換されていないオキサゾール−4−イル基、および置換されたもしくは置換され
ていないイソオキサゾール−3−イル基から選択され;および/またはR63およびR
が、R63およびR64が一体となって、3から6員の置換されたもしくは置換されて
いない飽和もしくは不飽和炭素環もしくは複素環を形成している基(シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、
アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、テトラヒ
ドロフランまたはテトラヒドロピラン環など)から選択されることがさらにより好ましい
。さらに、これらのより好ましい実施形態の一定のものではRはHである。さらに、こ
れらのより好ましい実施形態の一定のものではRはHである。さらに、これらのより好
ましい実施形態において、RおよびRが両方ともHではなく、またはRがHではな
くRがHであり、またはRがHではなくRがHである。
【0140】
R置換基のうちのより好ましいものの一部について上記で議論した。しかしながら、本
明細書における化合物および構造の全てで言及されるR置換基について、概論かつ詳細に
説明する。
【0141】
代表的には、以上記載のように、本明細書の化合物におけるR置換基は、別段の断りが
ない限り、Hおよび有機基から選択され、自体、置換されていても置換されていなくとも
良い。有機基は有機化学に一般的な基であることができ、上記ですでに詳細に定義してい
る。代表的実施形態では、存在する場合、R!、R、R、R、R、R、R
61、R62、R63、R64、R65およびR66はそれぞれ同一であるか異なって
おり、一部の実施形態において隣接および/または近位の基は、RからRに関して詳
細に既に上述のように環を形成していても良く、ただしRおよびRの場合、Rおよ
びRが環を形成しておらず、環を含まない場合が好ましい。誤解を避けるため、本明細
書での化合物において、R61はR66とまたはR63、R64もしくはR65と環を形
成していることができる。同様に、R63はR64またはR65と環を形成していること
ができ、R64はR65と環を形成していることができる。さらに、R66は別のR66
と環を形成していることができる。
【0142】
より代表的な実施形態において、R、R、R、およびRは独立に、Hおよび下
記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル−アリ
ール基(−CHPh、−CH(2,3または4)F−Ph、−CH(2,3または
4)Cl−Ph、−CH(2,3または4)Br−Ph、−CH(2,3または4)
I−Ph、−CHCHPh、−CHCHCHPh、−CHCHCHCH
Ph、−CHCHCHCHCHPh、および−CHCHCHCH
CHPhなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていないアミノ−アリール基(−NH−Ph、−NH−
(2,3または4)F−Ph、−NH−(2,3または4)Cl−Ph、−NH−(2,
3または4)Br−Ph、−NH−(2,3または4)I−Ph、−NH−(2,3また
は4)Me−Ph、−NH−(2,3または4)Et−Ph、−NH−(2,3または4
)Pr−Ph、−NH−(2,3または4)Bu−Ph、NH−(2,3または4)OM
e−Ph、−NH−(2,3または4)OEt−Ph、−NH−(2,3または4)OP
r−Ph、−NH−(2,3または4)OBu−Ph、−NH−2,(3,4,5または
6)F−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Cl−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Br−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)I−Ph、−
NH−2,(3,4,5または6)Me−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)
Et−Ph、−NH−2,(3,4,5、または6)Pr−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Bu−Phなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−
イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジ
ン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、
ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2
−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル4−ケト−ピペリジニルなど)、2−ケ
ト−ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニル;
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)Ph、−(CO)CHPh、−(CO)C
OH、−(CO)CHOCH、−(CO)CHNH、−(CO)CHNH
Me、−(CO)CHNMe、−(CO)−シクロプロピル、−(CO)−1,3−
エポキシプロパン−2−イル;−(CO)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NM
、−(CO)NHEt、−(CO)NEt、−(CO)−ピロリジン−N−イル、
−(CO)−モルホリン−N−イル、−(CO)−ピペラジン−N−イル、−(CO)−
N−メチル−ピペラジン−N−イル、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NH
CHCHOMe、−(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCH
NHMe、および−(CO)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニル
基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−B
u、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NH−CO−Ph、−NMe
−CO−Me、−NMe−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu、
−NMe−CO−ペンチル、−NMe−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Phなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシまた
はアリールオキシ基(−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu
、−O−i−Bu、−O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、
−OCHF、−OCF3、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−P
h、−O−CH−Ph、−O−CH−(2,3または4)−F−Ph、−O−CH
−(2,3または4)−Cl−Ph、−CHOMe、−CHOEt、−CHOPr
、−CHOBu、−CHCHOMe、−CHCHCHOMe、−CHCH
CHCHOMe、および−CHCHCHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノアルコキシ基(−O
CHCHNH、−OCHCHNHMe、−OCHCHNMe、−OCH
CHNHEt、および−OCHCHNEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニル基(−SO
e、−SOEt、−SOPr、−SOiPr、−SOPh、−SO−(2,3
または4)−F−Ph、−SO−シクロプロピル、−SOCHCHOCHなど
);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニルアミノ基(−S
NH、−SONHMe、−SONMe、−SONHEt、−SONEt
、−SO−ピロリジン−N−イル、−SO−モルホリン−N−イル、−SONH
CHOMe、および−SONHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノスルホニル基(−N
HSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−NHSOiPr、−NHSO
Ph、−NHSO−(2,3または4)−F−Ph、−NHSO−シクロプロピル
、−NHSOCHCHOCHなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミノスルホニル−基(−N(SO)(
CHおよび−N(SO)(CHなど);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、
ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−
イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミ
ダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリ
アゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、
ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4
−イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジ
ン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、
ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリ
ジン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−
アザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−
イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、
フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−
4−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4
−イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−
イル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イ
ル、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル
、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラ
ン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチ
アゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾー
ル−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、
チオピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−ア
ザチオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イ
ル、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラ
ン−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−ア
ザチオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イ
ル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イ
ル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オ
キサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサ
ゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザ
ン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−
オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イ
ル、テトラゾール−5−イルなど);
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は上記の芳香族基および芳香族または非芳香族複
素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される。)(例えば、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダ
セン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナント
リレン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−
アザインドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソ
インドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドー
ル、7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリ
ジン、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザ
インドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、
カルボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェ
ン、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキ
ノリン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキ
ノリン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フ
ェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノ
キサチイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系);
から選択される基から選択され;
−同一原子に結合した2個のR基がある場合、それらが一体となって、その原子に二重
結合した基を形成していても良い(カルボニル基(=O)またはアルケン基(=C(R′
)など、各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有機基であり、好ましくは
Hまたは直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基である。)。
【0143】
より代表的な実施形態では、Rは独立に、Hおよび下記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル−アリ
ール基(−CHPh、−CH(2,3または4)F−Ph、−CH(2,3または
4)Cl−Ph、−CH(2,3または4)Br−Ph、−CH(2,3または4)
I−Ph、−CHCHPh、−CHCHCHPh、−CHCHCHCH
Ph、−CHCHCHCHCHPh、および−CHCHCHCH
CHPhなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−アミノ−アリール基(−NH−Ph、−NH−(2,3または4)F−Ph、−NH
−(2,3または4)Cl−Ph、−NH−(2,3または4)Br−Ph、−NH−(
2,3または4)I−Ph、−NH−(2,3または4)Me−Ph、−NH−(2,3
または4)Et−Ph、−NH−(2,3または4)Pr−Ph、−NH−(2,3また
は4)Bu−Ph、NH−(2,3または4)OMe−Ph、−NH−(2,3または4
)OEt−Ph、−NH−(2,3または4)OPr−Ph、−NH−(2,3または4
)OBu−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)F−Ph、−NH−2,(3,
4,5または6)Cl−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Br−Ph、−
NH−2,(3,4,5または6)I−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)M
−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Et−Ph、−NH−2,(3,4
,5、または6)Pr−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Bu−Phなど
);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)Ph、−(CO)CHPh、−(CO)C
OH、−(CO)CHOCH、−(CO)CHNH、−(CO)CHNH
Me、−(CO)CHNMe、−(CO)−シクロプロピル、−(CO)−1,3−
エポキシプロパン−2−イル;−(CO)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NM
、−(CO)NHEt、−(CO)NEt、−(CO)−ピロリジン−N−イル、
−(CO)−モルホリン−N−イル、−(CO)−ピペラジン−N−イル、−(CO)−
N−メチル−ピペラジン−N−イル、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NH
CHCHOMe、−(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCH
NHMe、および−(CO)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニ
ル基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−
Bu、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NH−CO−Ph、−NM
e−CO−Me、−NMe−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu
、−NMe−CO−ペンチル、−NMe−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Phなど)

−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシまた
はアリールオキシ基(−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu
、−O−i−Bu、−O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、
−OCHF、−OCF、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−P
h、−O−CH−Ph、−O−CH−(2,3または4)−F−Ph、−O−CH
−(2,3または4)−Cl−Ph、−CHOMe、−CPhOEt、−CHOPr
、−CHOBu、−CHCHOMe、−CHCHCHOMe、−CHCH
CHCHOMe、および−CHCHCHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノアルコキシ基(−O
CHCHNH、−OCHCHNHMe、−OCHCHNMe、−OCH
CHNHEt、および−OCHCHNEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニル基(−SO
e、−SOEt、−SOPr、−SOiPr、−SOPh、−SO−(2,3
または4)−F−Ph、−SO−シクロプロピル、−SOCHCHOCHなど
);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニルアミノ基(−S
NH、−SONHMe、−SONMe、−SONHEt、−SONEt
、−SO−ピロリジン−N−イル、−SO−モルホリン−N−イル、−SONH
CHOMe、および−SONHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノスルホニル基(−N
HSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−NHSOiPr、−NHSO
Ph、−NHSO−(2,3または4)−F−Ph、−NHSO−シクロプロピル
、−NHSOCHCHOCHなど);
から選択される基から選択される。
【0144】
より代表的な実施形態において、R、R、R、R、およびRは、より一般的
な小有機置換基から選択することができる。特に好ましくは、R、R、RおよびR
のうちの少なくとも一つがH以外である。従って、ある種の実施形態において、R
、R、RおよびRは独立に、Hおよび:
−−F、−Cl、−Brおよび−I、好ましくは−Fおよび−Clなどのハロゲン(よ
り好ましくは、Rは−ClおよびBrから選択され、R、RおよびRは−Hおよ
び−Fから選択される。);
−−CN;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CHCB
、および−CHCIなど)、好ましくは−CF;および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシ基(
−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu、−O−i−Bu、−
O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、−OCHF、−OC
、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−Ph、−CHOMe、
−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−CH
CHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCHCH
CHOMeなど)、好ましくは−OMeまたは−OEt;
から選択される。
【0145】
これらの化合物および本明細書における他の化合物では、ある種の実施形態において、
存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともH
ではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHで
ある。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、あ
る種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態に
おいて、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両
方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくR
がHである。これらおよび他の実施形態において、これらの基のうちの一つがHではな
い場合、それはより代表的には−F、−Cl、−Br、−Me、−MeOおよび−CNか
ら選択される。さらに、存在する場合、両方のR66がHであることができるか、1個の
66がHであることができるか、両方のR66がHではない。3個もしくは4個のR
基がある場合、3個もしくは4個の全てがHであることができるか、1個、2個、3個
もしくは4個がH以外であることができる。
【0146】
より代表的な実施形態において、R66は、より一般的な小有機置換基から選択するこ
とができる。特に好ましくは、R66は、Hおよび:
−−F;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CHCB
、および−CHCIなど)、好ましくは−CF
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシ基(
−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu、−O−i−Bu、−
O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、−OCHF、−OC
、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−Ph、−CHOMe、
−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−CH
CHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCHCH
CHOMeなど)、好ましくは−OMe;
から選択され;
−同一原子に結合した2個のR66基がある場合、それらが一体となって、その原子に
二重結合した基を形成していても良い(カルボニル基(=O)またはアルケン基(=C(
R′))など、各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有機基であり、好まし
くはHまたは直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基である。)。
【0147】
これらの化合物および本明細書における他の化合物では、ある種の実施形態において、
存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両方ともH
ではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくRがHで
ある。さらに、ある種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、あ
る種の実施形態において、存在する場合、RはHである。さらに、ある種の実施形態に
おいて、存在する場合、RおよびRが両方ともHであり、またはRおよびRが両
方ともHではなく、またはRがHではなくRがHであり、またはRがHではなくR
がHである。これらおよび他の実施形態において、これらの基のうちの一つがH以外で
ある場合、それはより代表的には、−F、−Cl、−Br、−Me、−MeO、−OEt
および−CNから選択される。さらに、存在する場合、両方のR66がHであっても良く
、または1個のR66がHであっても良く、または両方のR66がH以外である。
【0148】
より代表的な実施形態において、RおよびR61は、本発明の化合物におけるN原子
に結合した基である。好ましい実施形態において、それらは大きい基ではなく、N原子に
直接結合したヘテロ原子も含まない。それらは代表的には、Hおよび低級アルキル基など
から選択される。従って、代表的な実施形態において、RおよびR61は同一でも異な
っていても良く、独立にHおよび
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−C
CF、−CHCCl、−CHCBr、および−CHCIなど)、好ま
しくは直鎖もしくは分岐のC−Cフッ素化アルキル基(−CHF、−CHF、−
CF、−CHCHF、−CHCHF、および−CHCFなど);および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコール基(
−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH(CH)CHOH、−C(
CHOH、CHCHCHCHOH、−CH(CH)CHCHOH、−
CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CHCH)CHOH、−C(CH
CHOH、−CHCHCHCHCHOH、および−CHCHCH
CHCHCHOHなど)
から選択することができる。
【0149】
61はさらに、置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよび
シクロオクチルなど)から選択することができる。
【0150】
より好ましくは、RはHである。さらに(独立に)好ましくは、R61はHである。
より好ましくは、RおよびR61の両方がHである。
【0151】
より代表的な実施形態において、R63、R64およびR65は独立に、Hおよび下記
の群から選択される基:
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル−アリ
ール基(−CHPh、−CH(2,3または4)F−Ph、−CH(2,3または
4)Cl−Ph、−CH(2,3または4)Br−Ph、−CH(2,3または4)
I−Ph、−CHCHPh、−CHCHCHPh、−CHCHCHCH
Ph、−CHCHCHCHCHPh、および−CHCHCHCH
CHPhなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−
イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジ
ン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、
ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2
−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニル、2−ケト−
ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニルなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)Ph、−(CO)CHPh、−(CO)C
OH、−(CO)CHOCH、−(CO)CHNH、−(CO)CHNH
Me、−(CO)CHNMe、−(CO)−シクロプロピル、−(CO)−1,3−
エポキシプロパン−2−イル;−(CO)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NM
、−(CO)NHEt、−(CO)NEt、−(CO)−ピロリジン−N−イル、
−(CO)−モルホリン−N−イル、−(CO)−ピペラジン−N−イル、−(CO)−
N−メチル−ピペラジン−N−イル、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NH
CHCHOMe、−(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCH
NHMe、および−(CO)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、
ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−
イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミ
ダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリ
アゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、
ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4
−イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジ
ン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、
ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリ
ジン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−
アザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−
イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、
フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−
4−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4
−イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−
イル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イ
ル、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル
、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラ
ン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチ
アゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾー
ル−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、
チオピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−ア
ザチオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イ
ル、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラ
ン−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−ア
ザチオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イ
ル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イ
ル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オ
キサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサ
ゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザ
ン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−
オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イ
ル、テトラゾール−5−イルなど);
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は1、2もしくはそれ以上から選択される上記の
芳香族基および芳香族または非芳香族複素環基(例えば、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダセン、
s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナントリレン
、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−アザイ
ンドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソインド
ール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール、7
−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジン、
3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザインド
リジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カルボ
リン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、キ
ノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノリン
、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノリン
、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェナン
トリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキサチ
イン、および/またはチアントレンなどの縮合環系));
から選択され;
−R63およびR64が一体となって、それらが結合している炭素原子に二重結合した
基を形成していても良い(カルボニル基(=O)またはアルケン基(=C(R′))な
ど、各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有機基であり、好ましくはHまたは
直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基である。)。
【0152】
一部の実施形態においてR65がHもしくは有機基、または上記のより代表的な基であ
ることができるが、好ましい実施形態ではR65は、置換されたもしくは置換されていな
い直鎖もしくは分岐の有機基;および置換されたもしくは置換されていない環状有機基か
ら選択される。より代表的には、R65は環状基を含む。従って、R65は、置換された
もしくは置換されていない飽和または不飽和脂肪族環状基;置換されたもしくは置換され
ていない芳香族環状基;置換されたもしくは置換されていない飽和または不飽和非芳香族
または芳香族の複素環基;および上記のうちの1以上から選択される2以上の縮合環を含
む縮合環系から選択することができる。
【0153】
ある種の実施形態においてR65は、
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−
イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジ
ン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、
ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2
−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニル、2−ケト−
ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニルなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);および
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、
ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−
イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミ
ダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1、2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリ
アゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、
ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4
−イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジ
ン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、
ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリ
ジン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−
アザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−
イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、
フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−
4−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4
−イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−
イル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イ
ル、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル
、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラ
ン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチ
アゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾー
ル−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、
チオピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−ア
ザチオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イ
ル、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラ
ン−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−ア
ザチオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イ
ル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イ
ル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オ
キサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサ
ゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザ
ン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−
オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イ
ル、テトラゾール−5−イルなど);および
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は上記の芳香族基および芳香族または非芳香族複
素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、ナフタレン、アントラセン、
フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダセン
、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナントリレ
ン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−アザ
インドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソイン
ドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール、
7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジン
、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザイン
ドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カル
ボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、
キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノリ
ン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノリ
ン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェナ
ントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキサ
チイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系)。)
から選択される。
【0154】
従って、一部の好ましい実施形態において、本発明は、下記式を有する医療で使用され
るトリプトファン−2ジオキシゲナーゼ(TDO)および/またはインドールアミン−2
、3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤化合物を提供する。
【化25】
【0155】
式中、X、X、X、X、およびXは同一でも異なっていても良く、それぞれ
独立に、C、NおよびOから選択され;点線を有する各原子は独立に二重結合もしくは単
結合を有することができ、ただし各原子での価数は維持され;各R、R、R、R
、RおよびRは存在していても非存在であっても良く、同一でも異なっていても良く
、上記で定義の基から選択され、ただし存在するそのようなRの数はX、X、X
およびXの価数が維持されるようなものであり;1個もしくは2個のR基が存在
していても良く、下記で定義の基から選択され、ただし存在するR基の数は、それらが
結合している炭素原子の価数が維持されるようなものであり、ただし少なくとも1個のR
がRが結合しており、酸素原子に二重結合している原子もヘテロ原子に結合している
炭素原子に対してα位、β位もしくはγ位の酸素原子に二重結合している原子を含む有機
基であり;
およびRは環状基を含まず;
存在する場合、R、R、RおよびRは独立に、Hおよび下記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル−アリ
ール基(−CHPh、−CH(2,3または4)F−Ph、−CH(2,3または
4)Cl−Ph、−CH(2,3または4)Br−Ph、−CH(2,3または4)
I−Ph、−CHCHPh、−CHCHCHPh、−CHCHCHCH
Ph、−CHCHCHCHCHPh、および−CHCHCHCH
CHPhなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていないアミノ−アリール基(−NH−Ph、−NH−
(2,3または4)F−Ph、−NH−(2,3または4)Cl−Ph、−NH−(2,
3または4)Br−Ph、−NH−(2,3または4)I−Ph、−NH−(2,3また
は4)Me−Ph、−NH−(2,3または4)Et−Ph、−NH−(2,3または4
)Pr−Ph、−NH−(2,3または4)Bu−Ph、NH−(2,3または4)OM
e−Ph、−NH−(2,3または4)OEt−Ph、−NH−(2,3または4)OP
r−Ph、−NH−(2,3または4)OBu−Ph、−NH−2,(3,4,5または
6)F−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Cl−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Br−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)I−Ph、−
NH−2,(3,4,5または6)Me−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)
Et−Ph、−NH−2,(3,4,5、または6)Pr−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Bu−Phなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−
イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジ
ン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、
ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2
−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニル、2−ケト−
ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニルなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)Ph、−(CO)CHPh、−(CO)C
OH、−(CO)CHOCH、−(CO)CHNH、−(CO)CHNH
Me、−(CO)CHNMe、−(CO)−シクロプロピル、−(CO)−1,3−
エポキシプロパン−2−イル;−(CO)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NM
、−(CO)NHEt、−(CO)NEt、−(CO)−ピロリジン−N−イル、
−(CO)−モルホリン−N−イル、−(CO)−ピペラジン−N−イル、−(CO)−
N−メチル−ピペラジン−N−イル、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NH
CHCHOMe、−(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCH
NHMe、および−(CO)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニ
ル基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−
Bu、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NH−CO−Ph、−NM
e−CO−Me、−NMe−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu
、−NMe−CO−ペンチル、−NMe−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Phなど)

−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシまた
はアリールオキシ基(−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu
、−O−i−Bu、−O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、
−OCHF、−OCF、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−P
h、−O−CH−Ph、−O−CH−(2,3または4)−F−Ph、−O−CH
−(2,3または4)−Cl−Ph、−CHOMe、−CHOEt、−CHOPr
、−CHOBu、−CHCHOMe、−CHCHCHOMe、−CHCH
CHCHOMe、および−CHCHCHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノアルコキシ基(−O
CHCHNH、−OCHCHNHMe、−OCHCHNMe、−OCH
CHNHEt、および−OCHCHNEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニル基(−SO
e、−SOEt、−SOPr、−SOiPr、−SOPh、−SO−(2,3
または4)−F−Ph、−SO−シクロプロピル、−SOCHCHOCHなど
);
−スルホニルアミノ基(−SONH、−SONHMe、−SONMe、−S
NHEt、−SONEt、−SO−ピロリジン−N−イル、−SO−モルホ
リン−N−イル、−SONHCHOMe、および−SONHCHCHOMeな
ど);
−アミノスルホニル基(−NHSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−
NHSOiPr、−NHSOPh、−NHSO−(2,3または4)−F−Ph、
−NHSO−シクロプロピル、−NHSOCHCHOCHなど);
−環状アミノスルホニル−基(−N(SO)(CHおよび−N(SO)(C
など);
−芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−
Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2−Br−Ph−、3−Br−Ph−、
4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph、4−I−Ph−、2,(3,4,5
または6)−F−Ph−、2,(3,4,5または6)−Cl−Ph−、2,(3,
4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4,5または6)−I−Ph−、2,
(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(3,4,5または6)−Et−Ph
−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−、2,(3,4,5または6)−Bu
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN)−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NH−Ph−、
2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph−、2,(3,4,5または6)−(
CF−Ph−、3,(4または5)−F−Ph−、3,(4または5)−Cl
−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、3,(4または5)−I−Ph−、
3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4または5)−Et−Ph−、3,(4
または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)−Bu−Ph−、3,(4または5
)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(NO−Ph−、3,(4または
5)−(NH−Ph−、3,(4または5)−(MeO)−Ph−、3,(4ま
たは5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−P
h−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3
−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−Ph−、3−Bu−Ph−、4−Bu−
Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−Ph−、4−(CN)−Ph−、2−(
NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−(NO)−Ph−、2−(NH
−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH)−Ph−、2−MeO−Ph−、3
−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(NH−CO)−Ph−、3−(NH
−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−、2−CF−Ph−、3−CF
Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph−、3−CFO−Ph−、および4
−CFO−Ph−など);
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、
ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−
イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミ
ダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリ
アゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、
ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4
−イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジ
ン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、
ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリ
ジン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−
アザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−
イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、
フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−
4−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4
−イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−
イル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イ
ル、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル
、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラ
ン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチ
アゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾー
ル−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、
チオピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−ア
ザチオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イ
ル、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラ
ン−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−ア
ザチオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イ
ル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イ
ル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オ
キサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサ
ゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザ
ン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−
オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イ
ル、テトラゾール−5−イルなど);
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は上記の芳香族基および芳香族または非芳香族複
素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、ナフタレン、アントラセン、
フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダセン
、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナントリレ
ン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−アザ
インドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソイン
ドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール、
7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジン
、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザイン
ドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カル
ボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、
キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノリ
ン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノリ
ン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェナ
ントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキサ
チイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系)。);
から選択される基から選択され;
−同一原子に結合した2個のR基がある場合、それらが一体となって、その原子に二重
結合した基を形成していても良く(カルボニル基(=O)またはアルケン基(=C(R′
)など、各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有機基であり、好ましくは
Hまたは直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基である。);
存在する場合、Rは独立に、Hおよび下記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)CHOH、−(CO)CHOCH、−
(CO)CHNH、−(CO)CHNHMe、−(CO)CHNMe、−(C
O)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NMe、−(CO)NHEt、−(CO
)NEt、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NHCHCHOMe、−
(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCHNHMe、および−(C
O)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニ
ル基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−
Bu、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Me、−N
Me−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu、−NMe−CO−ペ
ンチル、−NMe−CO−ヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシまた
はアリールオキシ基(−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu
、−O−i−Bu、−O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、
−OCHF、−OCF、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl−CH
Me、−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−C
CHCHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCH
CHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノアルコキシ基(−O
CHCHNH、−OCHCHNHMe、−OCHCHNMe、−OCH
CHNHEt、および−OCHCHNEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニル基(−SO
e、−SOEt、−SOPr、−SOiPr、−SOCHCHOCHなど
);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニルアミノ基(−S
NH、−SONHMe、−SONMe、−SONHEt、−SONEt
、−SONHCHOMe、および−SONHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノスルホニル基(−N
HSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−NHSOiPr、−NHSO
CHCHOCHなど);
から選択される基から選択され;
好ましくは、R、R、R、RおよびRは、Hおよび:
−−F、−Cl、−Brおよび−I、好ましくは−Fおよび−Clなどのハロゲン(よ
り好ましくは、Rは−ClおよびBrから選択され、R、RおよびRは−Hおよ
び−Fから選択される。);
−−CN;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど)、好ましくは−CF;および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシ基(
−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu、−O−i−Bu、−
O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、−OCHF、−OC
、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−Ph、−CHOMe、
−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−CH
CHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCHCH
CHOMeなど)、好ましくは−OMeまたは−OEt;
から選択され;
存在する場合、Rは独立に、Hおよび:
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−C
CF、−CHCCl、−CHCBr、および−CHCIなど)、好ま
しくは直鎖もしくは分岐のC−Cフッ素化アルキル基(−CHF、−CHF、−
CF、−CHCHF、−CHCHF、および−CHCFなど);および
−置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコール基(−CHCHOH
、−CHCHCHOH、−CH(CH)CHOH、−C(CHOH、C
CHCHCHOH、−CH(CH)CHCHOH、−CH(CH)C
H(CH)OH、−CH(CHCH)CHOH、−C(CHCHOH、
−CHCHCHCHCHOH、および−CHCHCHCHCHCH
OHなど);
から選択され;
好ましくは、RはHである。
【0156】
従って、一部のさらに好ましい実施形態において、本発明は、下記式を有する医療で使
用されるトリプトファン−2,3−ジオキシゲナーゼ(TDO)および/またはインドー
ルアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤化合物を提供する。
【化26】
【0157】
式中、R、R、R、R、R、R、R61、R63、R64、およびR65
は下記で定義の通りであり、ただし、RおよびRのどちらも環状基を含まず:
、R、R、およびRは独立に、Hおよび下記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル−アリ
ール基(−CHPh、−CH(2,3または4)F−Ph、−CH(2,3または
4)Cl−Ph、−CH(2,3または4)Br−Ph、−CH(2,3または4)
I−Ph、−CHCHPh、−CHCHCHPh、−CHCHCHCH
Ph、−CHCHCHCHCHPh、および−CHCHCHCH
CHPhなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていないアミノ−アリール基(−NH−Ph、−NH−
(2,3または4)F−Ph、−NH−(2,3または4)Cl−Ph、−NH−(2,
3または4)Br−Ph、−NH−(2,3または4)I−Ph、−NH−(2,3また
は4)Me−Ph、−NH−(2,3または4)Et−Ph、−NH−(2,3または4
)Pr−Ph、−NH−(2,3または4)Bu−Ph、NH−(2,3または4)OM
e−Ph、−NH−(2,3または4)OEt−Ph、−NH−(2,3または4)OP
r−Ph、−NH−(2,3または4)OBu−Ph、−NH−2,(3,4,5または
6)F−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)Cl−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Br−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)I−Ph、−
NH−2,(3,4,5または6)Me−Ph、−NH−2,(3,4,5または6)
Et−Ph、−NH−2,(3,4,5、または6)Pr−Ph、−NH−2,(3
,4,5または6)Bu−Phなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−1−
イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジ
ン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、
ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2
−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニル、2−ケト−
ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニルなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)Ph、−(CO)CHPh、−(CO)C
OH、−(CO)CHOCH、−(CO)CHNH、−(CO)CHNH
Me、−(CO)CHNMe、−(CO)−シクロプロピル、−(CO)−1,3−
エポキシプロパン−2−イル;−(CO)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NM
、−(CO)NHEt、−(CO)NEt、−(CO)−ピロリジン−N−イル、
−(CO)−モルホリン−N−イル、−(CO)−ピペラジン−N−イル、−(CO)−
N−メチル−ピペラジン−N−イル、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NH
CHCHOMe、−(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCH
NHMe、および−(CO)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニ
ル基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−
Bu、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NH−CO−Ph、−NM
e−CO−Me、−NMe−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu
、−NMe−CO−ペンチル、−NMe−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Phなど)

−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシまた
はアリールオキシ基(−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu
、−O−i−Bu、−O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、
−OCHF、−OCF、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−P
h、−O−CH−Ph、−O−CH−(2,3または4)−F−Ph、−O−CH
−(2,3または4)−Cl−Ph、−CHOMe、−CHOEt、−CHOPr
、−CHOBu、−CHCHOMe、−CHCHCHOMe、−CHCH
CHCHOMe、および−CHCHCHCHCHOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノアルコキシ基(−O
CHCHNH、−OCHCHNHMe、−OCHCHNMe、−OCH
CHNHEt、および−OCHCHNEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のスルホニル基(−SOMe
、−SOEt、−SOPr、−SOiPr、−SOPh、−SO−(2,3ま
たは4)−F−Ph、−SO−シクロプロピル、−SOCHCHOCHなど)

−スルホニルアミノ基(−SONH、−SONHMe、−SONMe、−S
NHEt、−SONEt、−SO−ピロリジン−N−イル、−SO−モルホ
リン−N−イル、−SONHCHOMe、および−SONHCHCHOMeな
ど);
−アミノスルホニル基(−NHSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−
NHSOiPr、−NHSOPh、−NHSO−(2,3または4)−F−Ph、
−NHSO−シクロプロピル、−NHSOCHCHOCHなど);
−環状アミノスルホニル−基(−N(SO)(CHおよび−N(SO)(C
など);
−芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−
Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2−Br−Ph−、3−Br−Ph−、
4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph、4−I−Ph−、2,(3,4,5
または6)−F−Ph−、2,(3,4,5または6)−Cl−Ph−、2,(3,
4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4,5または6)−I−Ph−、2,
(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(3,4,5または6)−Et−Ph
−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−、2,(3,4,5または6)−Bu
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN)−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NH−Ph−、
2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph−、2,(3,4,5または6)−(
CF−Ph−、3,(4または5)−F−Ph−、3,(4または5)−Cl
−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、3,(4または5)−I−Ph−、
3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4または5)−Et−Ph−、3,(4
または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)−Bu−Ph−、3,(4または5
)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(NO−Ph−、3,(4または
5)−(NH−Ph−、3,(4または5)−(MeO)−Ph−、3,(4ま
たは5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−P
h−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3
−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−Ph−、3−Bu−Ph−、4−Bu−
Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−Ph−、4−(CN)−Ph−、2−(
NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−(NO)−Ph−、2−(NH
−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH)−Ph−、2−MeO−Ph−、3
−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(NH−CO)−Ph−、3−(NH
−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−、2−CF−Ph−、3−CF
Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph−、3−CFO−Ph−、および4
−CFO−Ph−など);
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、
ピロール−3−イル、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−
イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミ
ダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、
1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,
4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリ
アゾール−5−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、
ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4
−イル、ピリミジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、ピラジン−2−イル、ピロリジ
ン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、
ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリ
ジン−1−イル、2−アザピペリジン−3−イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−
アザピペリジン−1−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリジン−4−
イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、
フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−
4−イル、2−アザピラン−2−イル、2−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4
−イル、2−アザピラン−5−イル、2−アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−
イル、3−アザピラン−4−イル、3−アザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イ
ル、4−アザピラン−2−イル、4−アザピラン−3−イル、4−アザピラン−4−イル
、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒドロフラン−2−イ
ル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−3−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、3−ア
ザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラ
ン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−2−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イ
ル、2−アザ−テトラヒドロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−3−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−5−イ
ル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3
−イル、モルホリン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチ
アゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾー
ル−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、
チオピラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−2−イル、2−ア
ザチオピラン−3−イル、2−アザチオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イ
ル、2−アザチオピラン−6−イル、3−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラ
ン−4−イル、3−アザチオピラン−5−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−ア
ザチオピラン−2−イル、4−アザチオピラン−3−イル、4−アザチオピラン−4−イ
ル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チオラン−2−イ
ル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン−4−イル、オ
キサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサ
ゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、フラザ
ン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、(1,2,4−
オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イ
ル、テトラゾール−5−イルなど);
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は、上記の芳香族基および芳香族または非芳香族
複素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、ナフタレン、アントラセン
、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダセ
ン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナントリ
レン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−ア
ザインドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソイ
ンドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール
、7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジ
ン、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザイ
ンドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カ
ルボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン
、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノ
リン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノ
リン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェ
ナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキ
サチイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系)。);
から選択される基から選択され;
−同一原子に結合した2個のR基がある場合、それらが一体となって、その原子に二重
結合した基を形成していても良く(カルボニル基(=O)またはアルケン基(=C(R′
)など、各R′基は同一であるか異なっており、Hまたは有機基、好ましくはHまた
は直鎖もしくは分岐C−Cアルキル基である。);
は独立に、Hおよび下記の基:
−ハロゲン(F、Cl、BrおよびIなど);
−−CN基;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど);
−−NH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2
級もしくは3級C−Cアミン基(−NMeH、−NMe、−NEtH、−NEtM
e、−NEt、−NPrH、−NPrMe、−NPrEt、−NPr、−NBuH、
−NBuMe、−NBuEt、−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NM
、−CH−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−N
PrH、−CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−−OH基または置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−C
アルコール基(−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH
(CH)CHOH、−C(CHOH、−CHCHCHCHOH、−C
H(CH)CHCHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CH
CH)CHOH、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCH
OH、および−CHCHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸基(
−COOH、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOO
H、−CHCHCHCHCOOH、および−CHCHCHCHCH
OOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のカルボニル基(−(CO)
Me、−(CO)Et、−(CO)Pr、−(CO)iPr、−(CO)nBu、−(C
O)iBu、−(CO)tBu、−(CO)CHOH、−(CO)CHOCH、−
(CO)CHNH、−(CO)CHNHMe、−(CO)CHNMe、−(C
O)NH、−(CO)NHMe、−(CO)NMe、−(CO)NHEt、−(CO
)NEt、−(CO)NHCHCHOH、−(CO)NHCHCHOMe、−
(CO)NHCHCHNH、−(CO)NHCHCHNHMe、および−(C
O)NHCHCHNMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cカルボン酸エス
テル基(−COOMe、−COOEt、−COOPr、−COO−i−Pr、−COO−
n−Bu、−COO−i−Bu、−COO−t−Bu、−CHCOOMe、−CH
COOMe、−CHCHCHCOOMe、および−CHCHCHCH
COOMeなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミド基(−C
O−NH、−CO−NMeH、−CO−NMe、−CO−NEtH、−CO−NEt
Me、−CO−NEt、−CO−NPrH、−CO−NPrMe、および−CO−NP
rEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアミノカルボニ
ル基(−NH−CO−Me、−NH−CO−Et、−NH−CO−Pr、−NH−CO−
Bu、−NH−CO−ペンチル、−NH−CO−ヘキシル、−NMe−CO−Me、−N
Me−CO−Et、−NMe−CO−Pr、−NMe−CO−Bu、−NMe−CO−ペ
ンチル、−NMe−CO−ヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のアミノスルホニル基(−N
HSOMe、−NHSOEt、−NHSOPr、−NHSOiPr、−NHSO
CHCHOCHなど);
から選択される基から選択され;
好ましくは、R、R、R、Rは、Hおよび
−−F、−Cl、−Brおよび−I、好ましくは−Fおよび−Clなどのハロゲン(よ
り好ましくはRは−ClおよびBrから選択され、R、RおよびRは−Hおよび
−Fから選択される。);
−−CN;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど)、好ましくは−CF;および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコキシ基(
−OMe、−OEt、−OPr、−O−i−Pr、−O−n−Bu、−O−i−Bu、−
O−t−Bu、−O−ペンチル、−O−ヘキシル、−OCHF、−OCHF、−OC
、−OCHCl、−OCHCl、−OCCl、−O−Ph、−CHOMe、
−CHOEt、−CHOPr、−CHOBu、−CHCHOMe、−CH
CHOMe、−CHCHCHCHOMe、および−CHCHCH
CHOMeなど)、好ましくは−OMe、または−OEt;
から選択され;
好ましくは、Rは、Hおよび
−−Fおよび−Clなどのハロゲン;
−−CN;
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基、例
えばメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)
、シクロプロピル(cy−Pr)、n−ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)
、tert−ブチル(t−Bu)、ペンチルおよびヘキシル、好ましくは−Me;および
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl、−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CH
Br、および−CHCIなど)、好ましくは−CF
から選択され;
およびR61は独立に、Hおよび
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(メ
チル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、n−
ブチル(n−Bu)、イソ−ブチル(i−Bu)、tert−ブチル(t−Bu)、ペン
チルおよびヘキシルなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−C
CF、−CHCCl、−CHCBr、および−CHCIなど)、好ま
しくは直鎖もしくは分岐のC−Cフッ素化アルキル基(−CHF、−CHF、−
CF、−CHCHF、−CHCHF、および−CHCFなど);および
−置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコール基(−CHCHOH
、−CHCHCHOH、−CH(CH)CHOH、−C(CHOH、C
CHCHCHOH、−CH(CH)CHCHOH、−CH(CH)C
H(CH)OH、−CH(CHCH)CHOH、−C(CHCHOH、
−CHCHCHCHCHOH、および−CHCHCHCHCHCH
OHなど);
から選択され;
61はさらに、置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよび
シクロオクチルなど)から選択されても良く;
は好ましくはHであり、R61は好ましくはHであり;
65は環状基であり、その環状基はそれの環原子の一つを介して直接、R63および
64に結合した炭素に結合しており、当該環状基は、
−環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリ
ジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−2−イル
、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、2−ケト−ピ
ロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2−ケト−ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニ
ル、4−ケト−ピペリジニル)、2−ケト−ピペラジニル、および3−ケト−ピペラジニ
ルなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(NH−CO)−Ph−
、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−、2−CF−Ph−
、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph−、3−CFO−P
h−、および4−CFO−Ph−など);および
−飽和もしくは不飽和の置換されたもしくは置換されていない複素環基、例えば芳香族
複素環基および/または非芳香族複素環基(ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、
ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール
−4−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イ
ル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、ピリ
ジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピ
リダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−
イル、ピラジン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン
−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、2−アザピペリジン−3−
イル、2−アザピペリジン−4−イル、3−アザピペリジン−2−イル、3−アザピペリ
ジン−4−イル、3−アザピペリジン−5−イル、ピペラジン−2−イル、フラン−2−
イル、フラン−3−イル、ピラン−2−イル、ピラン−3−イル、ピラン−4−イル、2
−アザピラン−3−イル、2−アザピラン−4−イル、2−アザピラン−5−イル、2−
アザピラン−6−イル、3−アザピラン−2−イル、3−アザピラン−4−イル、3−ア
ザピラン−5−イル、3−アザピラン−6−イル、4−アザピラン−2−イル、4−アザ
ピラン−3−イル、4−アザピラン−5−イル、4−アザピラン−6−イル、テトラヒド
ロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−
3−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−4−イル、2−アザ−テトラヒドロフラン−
5−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−
4−イル、3−アザ−テトラヒドロフラン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、
テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒド
ロピラン−3−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、2−アザ−テトラヒド
ロピラン−5−イル、2−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、3−アザ−テトラヒド
ロピラン−2−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−4−イル、3−アザ−テトラヒド
ロピラン−5−イル、3−アザ−テトラヒドロピラン−6−イル、モルホリン−2−イル
、モルホリン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イソチアゾー
ル−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、チアゾール−2
−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、チオピラン−2−イル、チオピ
ラン−3−イル、チオピラン−4−イル、2−アザチオピラン−3−イル、2−アザチオ
ピラン−4−イル、2−アザチオピラン−5−イル、2−アザチオピラン−6−イル、3
−アザチオピラン−2−イル、3−アザチオピラン−4−イル、3−アザチオピラン−5
−イル、3−アザチオピラン−6−イル、4−アザチオピラン−2−イル、4−アザチオ
ピラン−3−イル、4−アザチオピラン−5−イル、4−アザチオピラン−6−イル、チ
オラン−2−イル、チオラン−3−イル、チアン−2−イル、チアン−3−イル、チアン
−4−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イ
ル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5
−イル、フラザン−3−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル、(1,3
,4−オキサジアゾール)−5−イル、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル、
(1,2,4−オキサジアゾール)−5−イル;およびテトラゾール−5−イルなど);
および
−2もしくは3またはそれ以上の縮合環を含む縮合環系(環は置換されていても置換さ
れていなくとも良く、好ましくは当該環は、上記の芳香族基および芳香族または非芳香族
複素環基の1、2もしくはそれ以上から選択される(例えば、ナフタレン、アントラセン
、フェナントレン、フェナレン、ビフェニレン、ペンタレン、インデン、as−インダセ
ン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フルオランテン、アセフェナントリ
レン、アズレン、ヘプタレン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、4−ア
ザインドール、5−アザインドール、6−アザインドール、7−アザインドール、イソイ
ンドール、4−アザイソインドール、5−アザイソインドール、6−アザイソインドール
、7−アザイソインドール、インドリジン、1−アザインドリジン、2−アザインドリジ
ン、3−アザインドリジン、5−アザインドリジン、6−アザインドリジン、7−アザイ
ンドリジン、8−アザインドリジン、9−アザインドリジン、プリン、カルバゾール、カ
ルボリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン
、キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキザリン、5−アザキノリン、6−アザキノ
リン、7−アザキノリン、ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、6−アザイソキノ
リン、7−アザイソキノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、フェ
ナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェノキサジン、キサンテン、フェノキ
サチイン、および/またはチアントレンなどの縮合環系)。);
から選択され;
63およびR64は独立に、Hおよび下記の基:
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルキル基(M
e、Et、Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu、ペンチルおよびヘキシルな
ど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cハロゲン化アル
キル基(−CHF、−CHF、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF
、−CCl−CBr、−CI、−CHCF、−CHCCl、−CHCB
、および−CHCIなど);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐の1級、2級もしくは3級C
−Cアミン基(−CH−NH、−CH−NMeH、−CH−NMe、−C
−NEtH、−CH−NEtMe、−CH−NEt、−CH−NPrH、−
CH−NPrMe、および−CH−NPrEtなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状C−Cアルキル基(シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル
など);
−置換されたもしくは置換されていない直鎖もしくは分岐のC−Cアルコール基(
−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CH(CH)CH
OH、−C(CHOH、CHCHCHCHOH、−CH(CH)CH
CHOH、−CH(CH)CH(CH)OH、−CH(CHCH)CH
H、−C(CHCHOH、−CHCHCHCHCHOH、および−C
CHCHCHCHCHOHなど);
−置換されたもしくは置換されていない環状アミンまたはアミド基(ピロリジン−2−
イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジ
ン−4−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、
モルホリン−3−イル、2−ケト−ピロリジニル、3−ケト−ピロリジニル、2−ケト−
ピペリジニル、3−ケト−ピペリジニル、4−ケト−ピペリジニル)、2−ケト−ピペラ
ジニル、および3−ケト−ピペラジニルなど);
−置換されたもしくは置換されていない芳香族基(Ph−、2−F−Ph−、3−F−
Ph−、4−F−Ph−、2−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、4−Cl−Ph−、2
−Br−Ph−、3−Br−Ph−、4−Br−Ph−、2−I−Ph−、3−I−Ph
、4−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−F−Ph−、2,(3,4,5また
は6)−Cl−Ph−、2,(3,4,5または6)−Br−Ph−、2,(3,4
,5または6)−I−Ph−、2,(3,4,5または6)−Me−Ph−、2,(
3,4,5または6)−Et−Ph−、2,(3,4,5または6)−Pr−Ph−
、2,(3,4,5または6)−Bu−Ph−、2,(3,4,5または6)−(CN
−Ph−、2,(3,4,5または6)−(NO−Ph−、2,(3,4,5
または6)−(NH−Ph−、2,(3,4,5または6)−(MeO)−Ph
−、2,(3,4,5または6)−(CF−Ph−、3,(4または5)−F
Ph−、3,(4または5)−Cl−Ph−、3,(4または5)−Br−Ph−、
3,(4または5)−I−Ph−、3,(4または5)−Me−Ph−、3,(4ま
たは5)−Et−Ph−、3,(4または5)−Pr−Ph−、3,(4または5)
−Bu−Ph−、3,(4または5)−(CN)−Ph−、3,(4または5)−(
NO−Ph−、3,(4または5)−(NH−Ph−、3,(4または5)
−(MeO)−Ph−、3,(4または5)−(CF−Ph−、2−Me−Ph
−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、2−Et−Ph−、3−Et−Ph−、4−
Et−Ph−、2−Pr−Ph−、3−Pr−Ph−、4−Pr−Ph−、2−Bu−P
h−、3−Bu−Ph−、4−Bu−Ph−、2−(CN)−Ph−、3−(CN)−P
h−、4−(CN)−Ph−、2−(NO)−Ph−、3−(NO)−Ph−、4−
(NO)−Ph−、2−(NH)−Ph−、3−(NH)−Ph−、4−(NH
)−Ph−、2−MeO−Ph−、3−MeO−Ph−、4−MeO−Ph−、2−(N
−CO)−Ph−、3−(NH−CO)−Ph−、4−(NH−CO)−Ph−
、2−CF−Ph−、3−CF−Ph−、4−CF−Ph−、2−CFO−Ph
−、3−CFO−Ph−、および4−CFO−Ph−など);
−置換されたもしくは置換されていない飽和または不飽和複素環基、例えば芳香族複素
環基(ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チオフェン−2
−イル、チオフェン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミ
ジン−5−イル、ピリミジン−6−イル、テトラゾール−5−イル、オキサゾール−2−
イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル
、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、(1,3,4−オキサジ
アゾール)−2−イル、(1,3,4−オキサジアゾール)−5−イル、(1,3−チア
ゾール)−2−イル、(1,3−チアゾール)−4−イル、(1,3−チアゾール)−5
−イル、フラン−2−イル、およびフラン−3−イルなど);または例えば、置換された
もしくは置換されていない飽和複素環基(ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル
、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、テトラヒドロ
フラン−2−イル、およびテトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−2−イ
ル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イルなど);および
−R63およびR64が一体となって3から6員の置換されたもしくは置換されていな
い飽和もしくは不飽和炭素環もしくは複素環を形成している基(シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アジ
リジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、オキセタン、テトラヒドロ
フランまたはテトラヒドロピラン環など);
から選択され、ただしR63およびR64のうちの一つはH以外であり;
ただしR63およびR64がHであり、他方がMeである場合、R65は3−MeO−
Ph−以外であり、ただしR65が−Phであり、R63およびR64の一方がHである
場合、R63およびR64の他方は−CH(OH)−Ph以外である。
【0158】
従って本発明は、下記式のうちの一つから選択される式を有する、医療で使用されるT
DOまたはIDO化合物を提供する。
【化27】
【0159】
上記化合物において、立体化学がキラル中心で示されている場合、本発明は、可能な単
離エナンチオマーおよびラセミ混合物の両方も含む。さらに、キラル中心でラセミ混合物
が示されている場合(波線によって等)、本発明は、単離されたエナンチオマーおよびラ
セミ混合物の両方も含む。さらに、キラル中心で立体化学が提供されていない場合、本発
明は、単離されたエナンチオマーおよびラセミ混合物の両方も含む。従って、本発明の化
合物は、単離されたエナンチオマー、および/または2以上のエナンチオマーの混合物、
および/または2以上のジアステレオマーの混合物(例えば、複数のキラル中心がある場
合)、および/または2以上のエピマーの混合物、および/またはラセミ混合物に拡大さ
れるものである。これに加えて、上記式(および本明細書における全ての式)は、相当す
る式に等価である全ての互変異型を表すものとする。
【0160】
本発明の文脈において、医療用途には特に限定はないが、ただしそれは化合物のTDO
および/またはIDO阻害効果によって促進される用途である。従って、本発明の化合物
は、TDOおよび/またはIDO阻害剤を用いて予防、改善または治療可能な疾患、状態
もしくは障害での使用のためのものであることができる。代表的にはそれは、癌、炎症状
態、感染症、中枢神経系疾患もしくは障害、冠動脈性心疾患、慢性腎不全、麻酔後認知機
能障害、避妊または中絶などの女性の生殖に関する健康に関係する疾患状態および/また
は障害、および白内障から選択される疾患状態および/または障害を含む。
【0161】
疾患、状態または障害が炎症の疾患、状態または障害である場合、それは特に限定はな
いが、ただし、当該疾患、状態または障害はTDOおよび/またはIDO阻害剤を用いて
治療、予防または改善可能なものである。しかしながら、代表的には、当該炎症状態は、
免疫B細胞、T細胞、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、および/また
は好中球の調節不全に関係スル状態である。
【0162】
当該疾患、状態もしくは障害が癌である場合、それは特に限定されないが、ただし、当
該癌は、TDOおよび/またはIDO阻害剤を用いることで治療、予防または改善可能な
ものである。従って、当該癌は、固形腫瘍または液性腫瘍、例えば眼球、脳(神経膠腫、
グリア芽腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、および星状細胞腫など)、脊髄、腎臓、
口、唇、咽頭、口腔、鼻腔、小腸、結腸、副甲状腺、胆嚢、頭部および頸部、乳房、骨、
胆管、子宮頸、心臓、下咽頭腺、肺、気管支、肝臓、皮膚、尿管、尿道、睾丸、膣、肛門
、喉頭腺、卵巣、甲状腺、食道、鼻咽頭腺、脳下垂体、唾液腺、前立腺、膵臓、副腎の癌
;子宮体癌、口腔癌、メラノーマ、神経芽細胞腫、胃癌、血管腫症、血管芽細胞腫、褐色
細胞腫、膵嚢胞症、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍、扁平細胞癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫
、横紋筋肉腫、肝細胞癌、PTEN過誤腫症候群(PHTS)(レルミット・ダクロス病
、カウデン症候群、プロテウス症候群、およびプロテウス様症候群など)、白血病および
リンパ腫(急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨
髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、T細胞前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リ
ンパ球性白血病、成人T細胞白血病、若年性骨髄単球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホ
ジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、AI
DS関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、びまん性B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、
および皮膚T細胞性リンパ腫など)から選択される癌であることができる。しかしながら
、当該化合物がIDO阻害剤である場合、代表的には(それに限られるわけではない)そ
の癌は、急性骨髄性白血病(AML)、小細胞肺癌、メラノーマ、卵巣癌、結腸直腸癌、
膵臓癌、子宮体癌、および皮膚乳頭腫から選択される癌である。当該化合物がTDO阻害
剤である場合、代表的には(それに限られるわけではない)その癌は、神経膠腫、および
肝細胞癌から選択される癌である。
【0163】
疾患が感染症である場合、それは特に限定されないが、ただしその疾患はTDOおよび
/またはIDO阻害剤を用いることで治療、予防もしくは改善可能なものである。しかし
ながら、代表的には、当該感染症は、細菌感染およびウィルス感染、好ましくは腸感染、
敗血症、敗血症誘発低血圧、HIV感染およびHCV感染から選択される。
【0164】
当該疾患、状態もしくは障害が中枢神経系の疾患、状態もしくは障害である場合、それ
は特に限定されないが、ただし当該疾患、状態もしくは障害は、TDOおよび/またはI
DO阻害剤を用いることで治療、予防もしくは改善可能なものである。しかしながら、中
枢神経系の疾患、状態もしくは障害は代表的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハン
チントン病、アルツハイマー病、疼痛、精神障害、多発性硬化症、パーキンソン病、およ
びHIV関連神経認知障害から選択される。
【0165】
当該疾患、状態もしくは障害が女性の生殖に関する健康に関係するものである場合、そ
れは特に限定されないが、ただし当該疾患、状態もしくは障害は、TDOおよび/または
IDO阻害剤を用いることで治療、予防もしくは改善可能なものである。代表的な実施形
態において、当該疾患、状態もしくは障害は、子宮内膜症などの婦人科障害から選択され
る。本発明に含まれる女性の生殖に関する健康に関係する状態には、本発明の化合物を避
妊薬および/または中絶薬として用いることができるような避妊および中絶などがある。
【0166】
本発明は、上記で定義の化合物を含む医薬組成物も提供する。当該医薬組成物は特に限
定されないが、代表的には組成物はさらに、医薬として許容される添加剤および/または
賦形剤を含む。医薬組成物において、上記で定義の化合物は上記形態で存在し得るが、あ
るいは生物学的利用能、溶解度および/または活性の改善に好適な形態であることができ
、および/または製剤の改善に好適な形態であることができる。従って、当該化合物は、
医薬として許容される塩、水和物、酸、エステルの形態で、または他の別の好適な形態で
あることができる。代表的には、当該組成物は、上記で定義の疾患、状態もしくは障害を
治療するためのものである。一部の例では、当該化合物は、医薬として許容される塩、ま
たは化合物の他の別形態として組成物に存在することで、医薬製剤を改善することができ
る。
【0167】
一部の実施形態において、当該医薬組成物は、癌治療のためのさらなる薬剤をさらに含
む癌治療のための組成物である。癌治療のためのさらなる薬剤は特に限定されないが、た
だし、それは癌治療に何らかの有用性を提供するものである。しかしながら、代表的には
、当該癌治療のためのさらなる薬剤は、抗微小管剤、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生
物質剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、ホルモ
ンおよびホルモン類縁体、シグナル伝達経路阻害剤、非受容体型チロシンキナーゼ血管形
成阻害剤、免疫療法薬、アポトーシス促進剤および細胞周期シグナル伝達阻害剤から選択
される。免疫療法薬は、抗腫瘍ワクチン、腫瘍溶解性ワクチン、免疫刺激抗体、例えば抗
CTLA4、抗PD1、抗PDL−1、抗OX40、抗41BB、抗CD27、抗CD4
0、抗LAG3、抗TIM3、および抗GITR、新規補助剤、ペプチド、サイトカイン
、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR−T)、小分子免疫調節剤、腫瘍微小環境調節剤
および抗血管形成剤からなることができるが、これらに限定されるものではない。
【0168】
さらに、本発明によって、患者に上記で定義の化合物または組成物を投与することを含
む、疾患および/または状態および/または障害の治療方法が提供される。当該方法は代
表的には、本明細書で言及の疾患状態または障害の治療方法である。代表的な実施形態に
おいて、当該方法は癌の治療方法である。好ましくは、そのような方法は、患者に上記で
定義の化合物もしくは組成物および上記で定義の癌治療のためのさらなる薬剤を投与する
ことを含む。その化合物または組成物およびさらなる薬剤は、関与する薬剤および患者な
らびに適応の癌の種類に応じて、同時、順次または別個に投与することができる。
【0169】
代表的には、上記および下記の両方の本発明の全ての実施形態において、患者は動物、
代表的には哺乳動物、より代表的にはヒトである。
【0170】
さらに、本発明によって、置換されたもしくは置換されていないインドールまたはアザ
インドール化合物の2位の置換基またはそれの一部(代表的には、アミドその他のカップ
リング反応を行う場合)を異なる置換基(代表的にはH基)で置換し、および/または2
位における置換基上のカップリング反応(アミドカップリング反応など)を行う段階を含
む、上記で定義の化合物の合成方法も提供される。
【0171】
医療で使用される化合物に加えて、本発明、特には合成方法は、これまで知られていな
かった化合物を提供するものであり、そのような化合物は下記式のうちの一つから選択さ
れる式を有する。
【化28】
【0172】
一部の場合で、上記式(および本明細書における全ての式)は非立体異性体型で示され
ており、他の場合では立体異性体型で示されており、さらに別の例では両方のエナンチオ
マーを示すように示されている(波線を用いて)。誤解を避けるため、本発明の文脈にお
いて、単一の式は、当該式に相当する全ての可能な単離エナンチオマー、当該式に相当す
る全ての可能なエナンチオマーの混合物、当該式に相当する全ての可能なジアステレオマ
ーの混合物、当該式に相当する全ての可能なエピマーの混合物および当該式に相当する全
ての可能なラセミ混合物などの特定の構造の全ての可能な立体異性体を表すものとする。
これに加え、上記式(および本明細書における全ての式)は、相当する式と等価な全ての
互変異型を表すものである。
【0173】
これまで知られていない上記化合物に加えて、本発明および特に合成方法は、下記式の
うちの一つから選択される式を含むさらに別の化合物を提供する。
【化29】
【0174】
これらの化合物はこれまで、ラセミ混合物として合成されており、単離エナンチオマー
としてはなく、ラセミ体ではない立体異性体の他の混合物としてでもない。従って、本発
明は、当該式に相当する単離エナンチオマーを含むことができる、または当該式に相当す
るエナンチオマーの非ラセミ混合物、当該式に相当するジアステレオマーの混合物および
/または当該式に相当するエピマーの混合物を含むことができるそのような化合物に拡大
される。
【0175】
以下、下記の具体的な実施形態を参照しながら、例示のみを目的として、本発明につい
てより詳細に説明する。
【0176】
実施例
本発明の例示的化合物を製造し、試験を行って、それのTDOおよび/またはIDO阻
害剤としての効果を確認した。これら化合物について、基準化合物REFとの比較を行っ
た。
【化30】
【0177】
本発明の化合物の合成例
上述のように、本発明の化合物は、公知のカップリング反応を用い、容易に入手可能な
原料を用いて合成することができる。二つの本発明の化合物の合成例を下記に示す。
【0178】
下記の経路に従って、化合物48を合成した。
【化31】
【0179】
下記の経路に従って、化合物141を合成した。
【化32】
【0180】
アッセイ
二つの異なる種類のアッセイを行った。1.組換え産生および精製したTDOおよびI
DO酵素を酵素ホルムアミダーゼと組み合わせて用いるTDOおよびIDO生化学的結合
アッセイ。この結合酵素系により、TDOまたはIDO活性によって産生されるN−ホル
ミルキヌレニンのキヌレニンへの変換が可能となり、そしてそれを、エールリッヒ試薬を
加えてからの蛍光によって定量した。2.二つの異なる癌細胞型でのキヌレニン産生に対
する試験化合物の効果を検出するための細胞に基づくアッセイ。このアッセイは、TDO
またはIDOを発現し、それ自体、細胞系の文脈でこれら二つの酵素で化合物活性を調べ
る手段として用いられる癌細胞を利用したものである。これらに関するプロトコールにつ
いて下記で説明する。
【0181】
TDO生化学アッセイ
384ウェルプレートにおいて、室温の50mM KHPO、pH7.0、0.5
mM EDTA、0.5mM EGTA、0.05%Triton X−100、20m
Mアスコルビン酸、500U/mLカタラーゼ、10μMメチレンブルーの存在下に、2
μMのヒトTDOタンパク質を、試験化合物とともに室温で10分間前インキュベートし
た。0.05μg/μLキヌレニンホルムアミダーゼおよび330μMまたは178μM
L−トリプトファンを加え、アッセイ液を室温で(RT)17分間インキュベートした
。アッセイを停止し、エールリッヒ試薬とともに室温で5分間にわたり1.33%の最終
濃度までインキュベートすることでキヌレニンのレベルを求めた。蛍光強度を475nm
/530nmで読み取った。
【0182】
IDO生化学アッセイ
384ウェルプレートにおいて室温の50mM KPO、pH7.0、0.5mM
EDTA、0.5mM EGTA、0.05%Triton X−100、20mMアス
コルビン酸、500U/mLカタラーゼ、10μMメチレンブルーの存在下に、0.17
μMのヒトIDOタンパク質を、試験化合物とともに室温で10分間または120分間前
インキュベートした。0.05μg/μLキヌレニンホルムアミダーゼおよび45μMま
たは121μM L−トリプトファン(1−Trp)を加え、アッセイ液を室温で17分
間インキュベートした。アッセイを停止し、室温で5分間にわたりエールリッヒ試薬とと
もに1.33%の最終濃度までインキュベートすることで、キヌレニンのレベルを求めた
。蛍光強度を475nm/530nmで読み取った。
【0183】
TDOおよびIDO細胞に基づくアッセイ
A172ヒトグリア芽腫(ATCC)を10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM+2m
ML−グルタミン培地中で増殖させ、SKOV−3卵巣腺癌(ATCC)細胞を15%ウ
シ胎仔血清を補充したMcCoys5A+L−glutamax培地中で増殖させた。ア
ッセイ当日、トリプシン−EDTA(0.25体積%)を用いて細胞を脱離させ、アッセ
イ培地(10%透析ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640フェノールレッド非含有
+L−グルタミン)に再懸濁させた。500μM L−Trpとともに試験サンプル/媒
体対照を含む96ウェルプレートに、A172細胞を30K細胞/ウェルで接種し、SK
OV−3細胞は40K細胞/ウェルで接種した。次に、細胞を37℃、5%COで48
時間インキュベートした。SK−OV−3細胞では、IFNγも500ng/mLで加え
て48時間のインキュベーションを行って、IDOの発現を誘発した。プレートを遠心し
、上清を除去し、1%エールリッヒ試薬の存在下に5分間インキュベートした。次に、4
90nmで吸光度を測定することによって、キヌレニンレベルを定量した。
【0184】
各種試験化合物についてのpIC50値を表1に示す。
【0185】
表1−試験化合物について求めたIDO(SKOV−3細胞)およびTDO(A172
細胞)の阻害に関するpIC50
【表1】
【0186】
キー:
+++=pIC50≧5.50
++ =pIC50 5.00−<5.50
+ =pIC50 4.50−<5.00
− =pIC50<4.50
当該表から、多数の試験化合物が、細胞に基づくアッセイで強いTDOおよびIDO阻
害機能を示すことが明らかである。これは、TDO活性でもIDO活性でもないため、各
試験で「−」および「−」の評点されることから本発明においては放棄されるREF化合
物に匹敵する。
【0187】
上記で記載のプロトコールに従って生化学酵素アッセイを行い、結果から、それら化合
物の酵素阻害剤としての真の活性が確認された。化合物83、160、178、205、
215、230および231はいずれも、hIDOアッセイでのpIC50>5を示した
。例えば、化合物83は、hIDOでのpIC50 5.24を示した。これは、hTD
OおよびhIDO試験でそれぞれ<3.99および<3.99と評点されたREF化合物
に匹敵する。
【要約】
下記式を有する、医療で使用されるトリプトファン−2,3−ジオキシゲナーゼ(TD
O)および/またはインドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤化合
物が提供され、X、X、X、XおよびXは同一でも異なっていても良く、それ
ぞれ独立にC、NおよびOから選択され;点線を有する各原子は独立に、二重結合または
単結合を有することができ、ただし各原子での価数は維持され;各R、R、R、R
、RおよびRは存在していても非存在であっても良く、同一でも異なっていても良
く、Hおよび置換されたもしくは置換されていない有機基から選択され、ただし存在する
そのようなR基の数は、X、X、X、XおよびXの価数が維持されるようなも
のであり;1個もしくは2個のR基が存在することができ、Hおよび置換されたもしく
は置換されていない有機基から選択され、ただし存在するR基の数は、それらが結合し
ている炭素原子の価数が維持されるようなものであり、ただし少なくとも1個のRが、
が結合しており、酸素原子に二重結合している原子がヘテロ原子にも結合している炭
素原子に対してα位、β位もしくはγ位に酸素原子に二重結合した原子を含む有機基(好
ましくは、カルボニル基またはスルホニル基)である。
【化1】
【選択図】なし
図1
図2