特許第6134072号(P6134072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134072
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】キサンチンオキシダーゼ阻害薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/427 20060101AFI20170515BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20170515BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   A61K31/427
   A61P19/06
   A61P35/00
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P25/28
   A61P43/00 111
【請求項の数】18
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2016-538476(P2016-538476)
(86)(22)【出願日】2015年7月29日
(86)【国際出願番号】JP2015072153
(87)【国際公開番号】WO2016017826
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-155029(P2014-155029)
(32)【優先日】2014年7月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503369495
【氏名又は名称】帝人ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】白倉 尚
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良昌
(72)【発明者】
【氏名】河名 旭
(72)【発明者】
【氏名】金澤 親志
【審査官】 横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第1996/031211(WO,A1)
【文献】 国際公開第1992/009279(WO,A1)
【文献】 特表2006−514051(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126899(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/043400(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/126770(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/054940(WO,A1)
【文献】 特表2010−519258(JP,A)
【文献】 特許第5734532(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00−33/44
A61P1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、キサンチンオキシダーゼ阻害薬。
【化1】
[式中、
は、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表し、ここで、NRR’が環を形成するとは、RおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になって含窒素飽和環を形成することであり、RおよびR’は、独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。]
【請求項2】
式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、キサンチンオキシダーゼに関連する疾患の治療薬または予防薬。
【化2】
[式中、
は、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表し、ここで、NRR’が環を形成するとは、RおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になって含窒素飽和環を形成することであり、RおよびR’は、独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。]
【請求項3】
疾患が、痛風、高尿酸血症、腫瘍崩壊症候群または腎疾患である、請求項2に記載の治療薬または予防薬。
【請求項4】
式(I)で表される化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、血管内皮機能改善薬。
【化3】
[式中、
は、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表し、ここで、NRR’が環を形成するとは、RおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になって含窒素飽和環を形成することであり、RおよびR’は、独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。]
【請求項5】
式(I)で表される化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、血管内皮機能障害に関連する疾患の治療薬または予防薬。
【化4】
[式中、
は、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表し、ここで、NRR’が環を形成するとは、RおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になって含窒素飽和環を形成することであり、RおよびR’は、独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。]
【請求項6】
疾患が、動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞または脳血管性痴呆である、請求項5に記載の治療薬または予防薬。
【請求項7】
がORである、請求項1〜6のいずれかに記載の薬。
【請求項8】
がSRである、請求項1〜6のいずれかに記載の薬。
【請求項9】
が、環を形成していてもよいNRR’である、請求項1〜6のいずれかに記載の薬。
【請求項10】
RおよびR’が、独立して、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基である、請求項1〜9のいずれかに記載の薬。
【請求項11】
RおよびR’が、独立して、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、請求項10に記載の薬。
【請求項12】
が、ORまたはSRであり、Rが、イソプロピル基、イソブチル基またはネオペンチル基である、請求項11に記載の薬。
【請求項13】
が、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である、請求項1〜12のいずれかに記載の薬。
【請求項14】
がメチル基である、請求項13に記載の薬。
【請求項15】
、X、およびXが、独立して、CRまたは窒素原子である、請求項1〜14のいずれかに記載の薬。
【請求項16】
が窒素原子であり、XがCRまたは窒素原子であり、XがCRである、請求項15に記載の薬。
【請求項17】
が水素原子である、請求項1〜16のいずれかに記載の薬。
【請求項18】
式(I)で表される化合物が、4−メチル−2−[4−(2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸、4−メチル−2−[4−(2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸、2−[4−(2,2−ジメチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸、または4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸である、請求項1〜6のいずれかに記載の薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する新規化合物の新規用途に関する。
【背景技術】
【0002】
キサンチンオキシダーゼは核酸代謝においてヒポキサンチンからキサンチン、さらに尿酸への変換を触媒する酵素である。
キサンチンオキシダーゼの作用に対して、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は尿酸合成を阻害することで血中尿酸値を低下させる。すなわち高尿酸血症およびこれに起因する各種疾患の治療に有効である。一方、高尿酸血症が持続して尿酸塩結晶が沈着した結果として起こる病態として、痛風と呼ばれる痛風関節炎、痛風結節がある。また、高尿酸血症は肥満、高血圧、脂質異常症および糖尿病などに関連した生活習慣病やメタボリックシンドロームの因子として重要視されており、最近では疫学調査により腎障害、尿路結石、心血管疾患の危険因子であることが明らかにされつつある(高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版)。また、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、その活性酸素種発生阻害活性により、活性酸素種が関与する疾患の治療への有用性、例えば、血管機能改善作用を通じた心血管疾患の治療への有用性、が期待されている(Circulation.2006;114:2508−2516)。
臨床では、高尿酸血症の治療薬としてアロプリノール、フェブキソスタットが使用されているが、アロプリノールには、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、肝障害、腎機能障害等の副作用が報告されている(Nippon Rinsho,2003;61,Suppul.1:197−201)。
キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物としては、例えば、2−フェニルチアゾール誘導体(特許文献1〜3)が報告されている。
一方、特許文献4および特許文献5には、中央にベンゼン環を有するジチアゾールカルボン酸誘導体が報告されている。また、特許文献6および特許文献7には、ビフェニルチアゾールカルボン酸誘導体が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第92/09279号
【特許文献2】特開2002−105067号
【特許文献3】国際公開第96/31211号
【特許文献4】国際公開第2011/139886号
【特許文献5】国際公開第2011/101867号
【特許文献6】国際公開第2010/018458号
【特許文献7】国際公開第2010/128163号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する新規化合物の新規用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは鋭意研究を行った結果、下記式(I)
で表される化合物、すなわち、3つの置換基を有するベンゼン構造であり、1位に2−チアゾール環を有し、3位に1,3−含窒素アゾール環を有するアゾールベンゼン誘導体が、キサンチンオキシダーゼ阻害薬として、また血管内皮機能改善薬として有用であることを見出して本発明を完成した。更に、このアゾールベンゼン誘導体は、痛風、高尿酸血症、腫瘍崩壊症候群、尿路結石、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、糖尿病性腎症等の腎疾患、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患、炎症性腸疾患、自己免疫性疾患等のキサンチンオキシダーゼの関連する疾患、および動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、脳血管性痴呆等の血管内皮機能障害に関連する疾患の良好な治療薬または予防薬になりうることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害薬である。
[式中、
は、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表し、ここで、RおよびR’は独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。
は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。]
また、本発明は、上記式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、キサンチンオキシダーゼに関連する疾患の治療薬または予防薬である。
また、本発明は、上記式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、血管内皮機能改善薬である。
また、本発明は、上記式(I)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、血管内皮機能障害に関連する疾患の治療薬または予防薬である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する新規化合物の新規用途を提供する。さらに本発明化合物は、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、血管内皮機能改善薬、痛風、高尿酸血症、腫瘍崩壊症候群、尿路結石、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、糖尿病性腎症等の腎疾患、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患、炎症性腸疾患、自己免疫性疾患等のキサンチンオキシダーゼの関連する疾患、および動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、脳血管性痴呆等の血管内皮機能障害に関連する疾患の良好な治療薬または予防薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で単独または組み合わせて用いられる用語を以下に説明する。特段の記載がない限り、各置換基の説明は、各部位において共通するものとする。なお、いずれかの変数が、任意の構成要素においてそれぞれ存在するとき、その定義はそれぞれの構成要素において独立している。また、置換基および変数の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に安定な化合物をもたらす限り許される。
「キサンチンオキシダーゼ」は、一般に、ヒポキサンチンからキサンチン、さらに尿酸への酸化反応を触媒する酵素という広義と、同反応を触媒する酵素の1つであるオキシダーゼ型のキサンチンオキシドレダクターゼという狭義で用いられるが、本発明において、「キサンチンオキシダーゼ」とは、特に断りのない限り、ヒポキサンチンからキサンチン、さらに尿酸への酸化反応を触媒する酵素を総称する。この反応を担うキサンチンオキシドレダクターゼには、オキシダーゼ型とデヒドロゲナーゼ型の2つの型が存在するが、いずれの型も本発明のキサンチンオキシダーゼに含まれる。「キサンチンオキシダーゼ阻害活性」、「キサンチンオキシダーゼ阻害剤」等においても、特に断りのない限り、「キサンチンオキシダーゼ」は上記定義と同じ意味を有する。
本発明において「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を意味する。
本発明において「アルキル基」とは、1価の飽和の直鎖、環状または分岐状脂肪族炭化水素基を意味し、「炭素数1〜8のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、およびシクロヘプチルメチル基等が挙げられる。「炭素数1〜3のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
本発明において「アルコキシ基」とは、1価の飽和の直鎖、環状または分岐状脂肪族炭化水素オキシ基を意味する。「炭素数1〜8のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−ヘキサオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、ネオペンチルオシキ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトシキ基、シクロペンチルメトキシ基、およびシクロヘキシルメトキシ基等が挙げられる。
本発明において「アリール基」とは、炭素数が6〜10個の単環性または二環性の芳香族炭化水素基を意味する。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、およびアズレニル基等が挙げられる
本発明において「ヘテロアリール基」とは、酸素原子、硫黄原子、および窒素原子より選択される1〜5個のヘテロ原子を有する単環性または二環性の芳香族複素環基を意味する。ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピラニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基等が挙げられる。
本発明において「置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基」とは、置換可能な位置に1または複数の置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基の置換基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本発明において「置換されていてもよいアリール基」とは、置換可能な位置に1または複数の置換基を有していてもよいアリール基を意味する。アリール基の置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本発明において「置換されていてもよいヘテロアリール基」とは、置換可能な位置に1または複数の置換基を有していてもよいヘテロアリール基を意味する。ヘテロアリール基の置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本発明において「カルボキシル基の保護基」とは、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS,THIRD EDITION、John Wiley&Sons,Inc.に記載の一般的なカルボキシル基の保護基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘプチル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基等を挙げることができる。
本発明において「フェノール性水酸基の保護基」とは、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS,THIRD EDITION、John Wiley&Sons,Inc.に記載の一般的なフェノール性水酸基の保護基であり、例えば、メチル基、イソプロピル基、アリル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、アセチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等を挙げることができる。
前記式(I)中、Rは、OR、環を形成していてもよいNRR’、またはSRを表す。ここで、R及びR’は独立して、水素原子、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいヘテロアリール基を表す。Rは、好ましくは、ORである。RがORまたはSRのとき、Rは、好ましくは、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基である。より好ましくは、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。特に好ましくは、イソプロピル基、イソブチル基、ネオペンチル基である。Rが環を形成していてもよいNRR’において、「NRR’が環を形成する」とは、RおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になって含窒素飽和環を形成することをいう。Rが環を形成していてもよいNRR’のとき、RおよびR’は、独立して、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、RおよびR’が、独立して、メチル基、エチル基、イソプロピル基であるか、またはRおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、モルホリン−1−イル基を形成する場合がより好ましい。
前記式(I)中、Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。「炭素数1〜8のアルキル基」の具体例は、前記の定義の通りである。好ましくは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。より好ましくは、水素原子およびメチル基である。特に好ましくは、メチル基である。
前記式(I)中、X、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であるか、またはXがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する。Rは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。XがCRもしくは窒素原子であり、XとXが一緒になってベンゼン環を形成する場合、以下の構造式で表すことができる。
、X、およびXは、独立して、CRもしくは窒素原子であることが好ましい。より好ましくは、Xは窒素原子であり、XはCRもしくは窒素原子であり、XはCRである組み合わせである。いずれの組み合わせにおいても、Rは水素原子であることが好ましい。Xは窒素原子であり、XはCHもしくは窒素原子であり、XはCHである場合、以下の構造式で表すことができる。
前記式(I)において、RがOR、環を形成していてもよいNRR’、またはSR、いずれの場合でも、好ましいR、R’、R、X、X、およびXの組み合わせは、それぞれについて上述した好ましい基同士を組み合わせたものであり、ここでRは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。かかる好ましいR、R’、R、X、X、およびXの組み合わせにおいて、Rが水素原子であることがより好ましい。
より好ましいR、R’、R、X、X、およびXの組み合わせは、より好ましいとした基を組み合わせたものであり、ここでRは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。かかるより好ましいR、R’、R、X、X、およびXの組み合わせにおいて、Rが水素原子であることがより好ましい。
さらに好ましいR、R’、R、X、X、およびXの組み合わせは、Rがイソプロピル基、イソブチル基またはネオペンチル基であり、Rがメチル基であり、Xは窒素原子であり、XはCRもしくは窒素原子であり、XはCRである組み合わせであり、ここで、Rは水素原子である。
上述のR、R’、R、X、X、およびXの好ましい組み合わせ、より好ましい組み合わせ、およびさらに好ましい組み合わせのいずれについても、RがORであることが好ましい。
本発明による式(I)における、R、R、R’、R、X、X、およびXの好ましい組み合わせの具体的なものとして、下記の組み合わせ1)〜9)を挙げることができる。
1)RがORであり;Rが、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基であり;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
2)RがORであり;Rが1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
3)RがORであり;Rがイソプロピル基、イソブチル基、ネオペンチル基であり;Rが水素原子およびメチル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
4)RがSRであり;Rが、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または1もしくは複数の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基であり;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
5)RがSRであり;Rが1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
6)RがSRであり;Rがイソプロピル基、イソブチル基、ネオペンチル基であり;Rが水素原子およびメチル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
7)Rが環を形成していてもよいNRR’であり;RおよびR’は、独立して、1もしくは複数の炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
8)Rが環を形成していてもよいNRR’であり;RおよびR’が、独立して、メチル基、エチル基もしくはイソプロピル基であるか、またはRおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、モルホリン−1−イル基を形成し;Rが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である;
9)Rが環を形成していてもよいNRR’であり;RおよびR’が、独立して、メチル基、エチル基もしくはイソプロピル基であるか、またはRおよびR’が、それらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、モルホリン−1−イル基を形成し;Rが水素原子およびメチル基であり;Xが窒素原子であり;XがCRまたは窒素原子であり;XがCRであり:Rが水素原子である。
本発明の化合物は優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示す化合物である。また、本発明の化合物は、優れた尿酸低下作用を有する。さらに、本発明の化合物は、長時間にわたる持続的な尿酸低下作用を有する。
好ましい化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
このうち、より好ましい化合物は、化合物番号1、2、3、4、5、6、9、10、11、12、13、14、16、17,18、19、20、21、24,25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52および53であり、さらに好ましくは、化合物番号1、9、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52および53であり、特に好ましくは、化合物番号17、24,25および26である。
<一般的合成法>
本発明の式(I)の化合物は、例えば、以下に記載されるような合成法のいずれかに従って合成することができる。なお、各式中、R、R、R’、R、X、XおよびXは、式(I)の定義のとおりである。また、化学式中に記載の条件としての試薬または溶媒などは、本文にも記載のとおり例示にすぎない。各置換基は必要に応じて、適切な保護基で保護されていても良く、適切な段階において脱保護を行ってよい。なお、適切な保護基およびその除去方法は、この分野で汎用される各置換基の保護基および公知の方法を採用することができ、例えば、PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS,THIRD EDITION、John Wiley&Sons,Inc.に記載されている。
合成法(A)
化合物(A−2)の合成
(式中、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、化合物(A−1)におけるフェノール性水酸基を塩基存在下で、脱離基を持ったアルキル化試薬と反応させることにより化合物(A−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。本反応は、0℃〜140℃下で、反応に不活性な溶媒中、化合物(A−1)に等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、等量あるいは過剰量のアルキル化試薬を加え、通常0.5〜16時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、化合物(A−2)は、例えば、以下に記載されるような合成法に従っても合成することができる。
化合物(A−2)の合成
(式中、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、アルコール類を塩基によりリチウム化、ナトリウム化あるいはカリウム化させた後に、化合物(A−3)と反応させることにより化合物(A−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。本反応は、−20℃〜120℃下で、反応に不活性な溶媒中、等量あるいは過剰量のアルコール類に等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、化合物(A−3)を加え、通常0.5〜16時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(A−5)の合成
(式中、Yは脱離基を表す。)本反応は、化合物(A−2)と(A−4)との置換反応により、化合物(A−5)を合成する方法である。Yで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、化合物(A−2)と(A−4)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(A−6)の合成
本反応は、シアノ基からチオアミド基への変換反応であり、上記式(A−5)で表される芳香族シアノ基誘導体と硫黄源とを酸性条件下で反応させることにより行われる。本反応は、化合物(A−5)と硫黄源を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、酸存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。硫黄源としては、硫化水素、チオアセトアミドまたはチオ酢酸を用いる。用いる酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、またはこれらの酸の水溶液が用いられる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、酢酸等の酸を溶媒として用いることもできる。
化合物(A−8)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。また、Yは脱離基を表す。)Yで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、チアゾール環の環形成反応であり、化合物(A−6)と(A−7)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行なわれる。また、等量あるいは過剰量の塩基を加えることもできる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などが挙げられる。
化合物(A−9)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(A−8)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、本発明化合物(A−9)を合成する方法である。本反応は、化合物(A−8)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。
合成法(B)
化合物(B−2)の合成
(式中、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、化合物(B−1)におけるフェノール性水酸基に塩基存在下で、脱離基を持ったアルキル化試薬を反応させることにより化合物(B−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。本反応は、0℃〜140℃下で、反応に不活性な溶媒中、化合物(B−1)に等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、等量あるいは過剰量のアルキル化試薬を加え、通常0.5〜16時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、化合物(B−2)は、例えば、以下に記載されるような合成法に従っても合成することができる。
化合物(B−2)の合成
(式中、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、アルコール類を塩基によりリチウム化、ナトリウム化あるいはカリウム化させた後に、化合物(B−3)と反応させることにより化合物(B−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。本反応は、−20℃〜120℃下で、反応に不活性な溶媒中、等量あるいは過剰量のアルコール類等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、化合物(B−3)を加え、通常0.5〜12時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(B−5)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Yは脱離基を表す。)本合成法は、化合物(B−2)と(B−4)とをカップリングさせることにより、化合物(B−5)を合成する方法である。Yで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は化合物(B−2)と(B−4)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基および遷移金属触媒存在下、場合により配位子、カルボン酸および銅(I価またはII価)塩を加えて、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等、炭素数1〜6のアルコキシドの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、炭素数1〜6のアルキルアニオンの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、テトラ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム塩(フッ化塩、塩化塩、臭化塩)、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、又はイミダゾール等が挙げられる。遷移金属触媒としては、銅、パラジウム、コバルト、鉄、ロジウム、ルテニウム、及びイリジウム等が挙げられる。配位子としては、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、t−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、ジ(t−ブチル)シクロヘキシルホスフィン、又はジ(t−ブチル)メチルホスフィン等が挙げられる。銅(I価またはII価)塩としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II),ヨウ化銅(II)、酢酸銅(II)及びこれらの水和物、ならびにこれらの混合物等が挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−ブチル酸、イソブチル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ピバル酸、及びトリフルオロ酢酸等が挙げられる。
化合物(B−6)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(B−5)のニトロ基を還元することにより、化合物(B−6)を合成する方法である。本反応は、化合物(B−5)を、反応に不活性な溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素ガス雰囲気下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチルまたはこれらの混合溶媒等が挙げられる。遷移金属触媒としては、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム、パラジウムブラック、白金−炭素、ラネーニッケル等が好ましい。
化合物(B−9)の合成
(式中、Rはメチル基またはp−トリル基を表す。)本合成法は、HETEROCYCLES,Vol.48,No.4,1998 P695−702を参考にすることができる。すなわち、化合物(B−7)と(B−8)を縮合させることにより、化合物(B−9)を合成する方法である。本反応は化合物(B−7)と(B−8)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、0℃〜加熱還流下で、通常0.5時間〜1日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、プロピオン酸またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(B−10)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Rはメチル基またはp−トリル基を表す。)本合成法は、化合物(B−6)と化合物(B−9)を反応させて1,2,3−トリアゾール環を合成する方法である。本反応は、化合物(B−6)と化合物(B−9)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。これらの反応に用いられる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ピリジン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(B−11)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(B−10)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、本発明化合物(B−11)を合成する方法である。本反応は、化合物(B−10)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。
合成法(C)
化合物(C−1)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Rはメチル基またはエチル基等のアルキル基を表す。)本合成法は、化合物(B−6)とオルソギ酸エステルとアジド化合物を反応させてテトラゾール環を合成する方法である。本反応は、化合物(B−6)、オルソギ酸エステルとアジド化合物を等量、あるいはいずれかを過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、酸存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。オルトギ酸エステルとしては、オルソギ酸トリメチル及びオルソギ酸トリエチル等が挙げられる。また、アジド化合物としては、ナトリウムアジド、トリメチルシリルアジド等が挙げられる。用いる酸としてはギ酸、酢酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸、インジウムトリフラート、イットリビウムトリフラート、亜鉛トリフラート、トリクロロインジウム等のルイス酸が挙げられる。これらの反応に用いられる溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、酢酸等の酸を溶媒として用いてもよい。
化合物(C−2)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(C−1)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、本発明化合物(C−2)を合成する方法である。本反応は、化合物(C−1)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。
化合物(C−4)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表し、Rはフェノール性水酸基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(C−3)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、化合物(C−4)を合成する方法である。本反応は、化合物(C−3)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。
また、化合物(C−1)は、例えば、以下に記載されるような合成法に従っても合成することができる。
化合物(C−1)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(C−4)とアルコール類を光延反応等により反応させることにより、化合物(C−1)を合成する方法である。本反応は、アルコール類をトリフェニルホスフィン、カルボジイミドと反応させた後に、化合物(C−4)と反応させることにより化合物(C−1)を合成する方法である。用いるカルボジイミドとしては、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド等が挙げられる。本反応は、−20℃〜120℃下で、反応に不活性な溶媒中、化合物(C−4)に等量、あるいは過剰量のアルコール類、トリフェニルホスフィン及びカルボジイミドを通常0.5〜12時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
合成法(D)
化合物(D−1)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本合成法は、化合物(B−3)と(B−4)をカップリングさせることにより、化合物(D−1)を合成する方法である。本反応は化合物(B−3)と(B−4)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基および遷移金属触媒存在下、場合により配位子、カルボン酸及び銅(I価またはII価)塩を加えて、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等、炭素数1〜6のアルコキシドの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、炭素数1〜6のアルキルアニオンの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、テトラ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム塩(フッ化塩、塩化塩、臭化塩)、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、又はイミダゾール等が挙げられる。遷移金属触媒としては、銅、パラジウム、コバルト、鉄、ロジウム、ルテニウム、及びイリジウム等が挙げられる。配位子としては、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、t−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、ジ(t−ブチル)シクロヘキシルホスフィン、又はジ(t−ブチル)メチルホスフィン等が挙げられる。銅(I価またはII価)塩としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II),ヨウ化銅(II)、酢酸銅(II)及びこれらの水和物、ならびにこれらの混合物等が挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−ブチル酸、イソブチル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ピバル酸、及びトリフルオロ酢酸等が挙げられる。
化合物(D−2)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Yは脱離基を表す。)Yで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、チオール類を塩基によりリチウム化、ナトリウム化、カリウム化あるいはセシウム化させた後に、化合物(D−1)と反応させることにより化合物(D−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミンが用いられる。本反応は、−20℃〜120℃下で、反応に不活性な溶媒中、化合物(D−1)に等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、等量あるいは過剰量のチオール類を加え、通常0.5〜12時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(D−3)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(D−2)のニトロ基を還元することにより、化合物(D−3)を合成する方法である。本反応は、化合物(D−2)を、反応に不活性な溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素ガス雰囲気下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。遷移金属触媒としては、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム、パラジウムブラック、白金−炭素、ラネーニッケル等が好ましい。
化合物(D−4)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Rはメチル基またはエチル基等のアルキル基を表す。)本合成法は、化合物(D−3)とオルソギ酸エステルとアジド化合物を反応させてテトラゾール環を合成する方法である。本反応は、化合物(D−3)、オルソギ酸エステルとアジド化合物を等量、あるいはいずれかを過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、酸存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。オルトギ酸エステルとしては、オルソギ酸トリメチル及びオルソギ酸トリエチル等が挙げられる。また、アジド化合物としては、ナトリウムアジド、トリメチルシリルアジド等が挙げられる。用いる酸としてはギ酸、酢酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸、インジウムトリフラート、イットリビウムトリフラート、亜鉛トリフラート、トリクロロインジウム等のルイス酸が挙げられる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、酢酸等の酸を溶媒として用いてもよい。
化合物(D−5)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(D−4)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、本発明化合物(D−5)を合成する方法である。本反応は、化合物(D−4)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。
合成法(E)
化合物(E−2)の合成
(式中、YおよびYは脱離基を表す。)YおよびYで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は、アミン類を塩基によりリチウム化、ナトリウム化あるいはカリウム化させた後に、化合物(B−3)と反応させることにより化合物(E−2)を合成する方法である。用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム等の金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジン、4−アミノピリジン、N‐エチル−N,N−ジイソプロピルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機アミン塩が用いられる。本反応は、−20℃〜120℃下で、反応に不活性な溶媒中、アミン類(E−1)に等量、あるいは小過剰に塩基を反応させた後に、化合物(B−3)を加え、通常0.5〜12時間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(E−3)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Yは脱離基を表す。)本合成法は、化合物(E−2)と(B−4)とをカップリングさせることにより、化合物(E−3)を合成する方法である。Yで示される脱離基としてはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。本反応は化合物(E−2)と(B−4)を等量、あるいは一方を過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、塩基および遷移金属触媒存在下、場合により配位子、カルボン酸及び銅(I価またはII価)塩を加えて、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等、炭素数1〜6のアルコキシドの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、炭素数1〜6のアルキルアニオンの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩)、テトラ(炭素数1〜4のアルキル)アンモニウム塩(フッ化塩、塩化塩、臭化塩)、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、又はイミダゾール等が挙げられる。遷移金属触媒としては、銅、パラジウム、コバルト、鉄、ロジウム、ルテニウム、及びイリジウム等が挙げられる。配位子としては、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、t−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、ジ(t−ブチル)シクロヘキシルホスフィン、又はジ(t−ブチル)メチルホスフィン等が挙げられる。銅(I価またはII価)塩としては、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II),ヨウ化銅(II)、酢酸銅(II)及びこれらの水和物、ならびにこれらの混合物等が挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n−ブチル酸、イソブチル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ピバル酸、及びトリフルオロ酢酸等が挙げられる。
化合物(E−4)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(E−3)のニトロ基を還元することにより、化合物(E−4)を合成する方法である。本反応は、化合物(E−3)を反応に不活性な溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素ガス雰囲気下で室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。遷移金属触媒としては、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム、パラジウムブラック、白金−炭素、ラネーニッケル等が好ましい。
化合物(E−5)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基、Rはメチル基またはエチル基等のアルキル基を表す。)本合成法は、化合物(E−4)とオルソギ酸エステルとアジド化合物を反応させてテトラゾール環を合成する方法である。本反応は、化合物(E−4)、オルソギ酸エステルとアジド化合物を等量、あるいはいずれかを過剰に用い、反応に不活性な溶媒中、酸存在下、室温〜加熱還流下で、通常0.5時間〜2日間反応させることによって行われる。本反応は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。オルトギ酸エステルとしては、オルソギ酸トリメチル及びオルソギ酸トリエチル等が挙げられる。また、アジド化合物としては、ナトリウムアジド、トリメチルシリルアジド等が挙げられる。用いる酸としてはギ酸、酢酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸、インジウムトリフラート、イットリビウムトリフラート、亜鉛トリフラート、トリクロロインジウム等のルイス酸が挙げられる。これらの反応に用いられる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、酢酸等の酸を溶媒として用いてもよい。
化合物(E−6)の合成
(式中、Rはカルボキシル基の保護基を表す。)本合成法は、化合物(E−5)の保護基Rを酸または塩基等により脱保護させることにより、本発明化合物(E−6)を合成する方法である。本反応は、化合物(E−5)に、反応に不活性な溶媒中、酸または塩基を等量、あるいは過剰に用い、室温〜加熱還流下で、通常0.5〜5日間反応されることによって行なわれる。ここに、溶媒としては特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、あるいはこれらの酸を水または有機溶媒で希釈した溶液等が挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド、あるいはこれらの塩基を水等で希釈した溶液等が挙げられる。
以下、前記式(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物およびその製薬学的に許容される塩としては、製薬学的に許容される塩であれば特に限定されないが、かかる塩としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸などの無機酸との塩;マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、安息香酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸などの有機酸との塩;グリシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸との塩;ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アルミニウム、亜鉛、鉄などの金属との塩;テトラメチルアンモニウム、コリンなどのような有機オニウムとの塩;アンモニア、プロパンジアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、エタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、4−ヒドロキシピペリジン、t−オクチルアミン、ジベンジルアミン、モルホリン、グルコサミン、フェニルグリシルアルキルエステル、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、グアニジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、プロカイン、ジエタノールアミン、N−ベンジルフェニルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの有機塩基との塩が挙げられる。
さらに、式(I)で表される化合物およびその塩には、各種の水和物や溶媒和物が包含される。溶媒和物の溶媒としては、特に限定されないが、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等を挙げることができる。
式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される前記各種の塩は、当技術分野の通常の知識に基づいて適宜製造することができる。
本発明の化合物には、式(I)で表される化合物およびその塩の立体異性体、ラセミ体、および可能なすべての光学活性体も含まれる。
本発明の式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、特に優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する。その優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性から、本発明の式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として有用である。
本発明の式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として臨床で応用可能な、痛風、高尿酸血症、腫瘍崩壊症候群、尿路結石、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、糖尿病性腎症等の腎疾患、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患、炎症性腸疾患、自己免疫性疾患等、キサンチンオキシダーゼの関与する疾患の治療または予防のための医薬として使用することができる。
本発明において、「予防」とは、未だ罹患または発症をしていない個体において、罹患または発症を未然に防ぐことであり、「治療」とは既に罹患または発症した個体において、疾患や症状を治癒、抑制または改善させることをいう
本発明において、血管内皮機能とは、血管内皮から放出されるさまざまな血管作動物質により引き起こされる血管壁の収縮および弛緩、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系を調節する機能のことであり、血管内皮機能障害とは何らかの要因により、これらの調節機能が障害を受けて正常に機能しない状態をいう。
本発明の式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、血管においてキサンチンオキシダーゼ阻害による活性酸素種発生阻害を介した血管内皮機能改善薬として有用である。ここで、血管内皮機能改善とは、血管内皮機能を正常な状態に近づけることをいう。
本発明の式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、血管内皮機能障害に関連する疾患の治療薬または予防薬として有用である。血管内皮機能障害に関連する疾患とは、血管内皮機能障害することにより引き起こされる疾患であり、例えば、動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、脳血管性痴呆が挙げられる。
前記式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、製薬学的に許容される担体および/または希釈剤とともに、医薬組成物とすることができる。この医薬組成物は種々の剤形に成形して、経口的または非経口的に投与することができる。非経口投与としては、例えば、静脈、皮下、筋肉、経皮、または直腸内への投与が挙げられる。
本発明の式(I)で表される化合物またはその塩の1種または2種以上を有効成分として含有する製剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体または液体いずれでも良く、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明の式(I)で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩は、疾患の種類、投与経路、患者の症状、年齢、性別、体重等により異なるが、通常成人1日あたり、0.01〜1000mgの範囲で、1回または数回に分けて、投与することができる。しかし、投与量は種々の条件により変動するため、上記投与量よりも少ない量で十分な場合もあり、また上記の範囲を超える投与量が必要な場合もある。
【実施例】
【0008】
本発明を以下、具体的な実施例に基づいて説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
単離された新規化合物の構造は、H NMRおよび/または電子スプレイ源を備えた単一四重極装置(single quadrupole instrumentation)を用いる質量分析、その他適切な分析法により確認した。
H NMRスペクトル(300MHzまたは400MHz、DMSO−dまたはCDCl)を測定したものについては、その化学シフト(δ:ppm)およびカップリング定数(J:Hz)を示す。質量分析の結果については、M+H、すなわち化合物分子質量(M)にプロトン(H)が付加した値として観測された測定値を示す。なお、以下の略号はそれぞれ次のものを表す。
s=singlet、d=doublet、t=triplet、q=quartet、brs=broad singlet、m=multiplet。
以下の実施例の方法に従って合成された化合物について、さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析、および電子スプレーイオン源を備えた飛行時間型質量分析計(TOF−MS:Time Of Flight−Mass Spectroscopy)を用いる質量分析法によっても分析を行った。
下記分析条件でのHPLC分析における化合物の保持時間(単位:分)を、HPLC保持時間として示す。
HPLC測定条件
測定装置:Hewlett−Packard 1100HPLC
カラム:Imtakt Cadenza CD−Cl8 100mm×4.6mm 3μm
UV:PDA検出(254nm)
カラム温度:40度
グラジエント条件:
溶媒:A:HO/アセトニトリル=95/5
0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)
B:HO/アセトニトリル=5/95
0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)
流速:1.0mL/分
勾配:0〜1分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
1〜14分、溶媒B:2%→100% 溶媒A:98%→0%
14〜17分、溶媒B:100% 溶媒A:0%
17〜19分、溶媒B:100%→2% 溶媒A:0%→98%
また、質量分析の結果については、以下に示す装置および分析条件により観測された「M+H」の値(Obs.Mass:すなわち化合物の分子質量(M)にプロトン(H)が付加した実測値)、「M+H」の計算値(Pred.Mass)と共に、実測された「M+H」の値から算出された組成式(Formula)も示す。
TOF−MS測定条件
質量分析装置:島津製作所 LCMS−IT−TOF
LC:Prominence
カラム:Phenomenex Synergi Hydro−RP 4.0mm×20mm 2.5μm
UV:PDA検出(254nm)
流量:0.6mL/分
カラム温度:40度
検出電圧:1.63kV
グラジェント条件:
溶媒:A:HO/アセトニトリル=95/5
0.1%HCOOH
B:HO/アセトニトリル=5/95
0.1%HCOOH
流速:0.5mL/分
勾配:0〜0.2分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
0.2〜2.5分、溶媒B:2%→100% 溶媒A:98%→0%
2.5〜3.8分、溶媒B:100% 溶媒A:0%
3.8〜4.0分、溶媒B:100%→2% 溶媒A:0%→98%
4.0〜5.0分、溶媒B:2% 溶媒A:98%
[参考例]N’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン(参考例化合物)の合成
p−トルエンスルホニルヒドラジン1.86gをプロピオン酸4mLに溶解し、0℃に冷却させた後に、ジクロロアセトアルデヒド水和物1.36gをプロピオン酸8mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下させた。この反応溶液を0℃で1時間撹拌させた後に、析出した固体を濾過し、トルエン10mLで洗浄後、減圧乾燥させることで、N’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン1.98gを得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.45(3H,s),6.11(1H,d,J=8.0Hz),7.19(1H,d,J=4.0Hz),7.35(1H,d,J=8.0Hz),7.80(1H,d,J=8.0Hz),7.92(1H,s)
[実施例1]2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号)の合成(合成法(A))
(1)3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル41.1mg、臭化イソブチル33.4mgおよび炭酸カリウム62.2mgをジメチルホルムアミド1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、110℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、3−フルオロ−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を得た。
(2)上記で得られた3−フルオロ−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体に水素化ナトリウム15.7mg、イミダゾール24.5mgを加え、ジメチルスルホキシド1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、110℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を得た。
ESI/MS m/e:242.1(M+H,C1416O).
(3)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゾニトリルの粗体を酢酸0.2mL、チオ酢酸0.5mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、50℃で14時間加熱した。その後、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体を得た。
ESI/MS m/e:276.1(M+H,C1418OS).
(4)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)ベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体にエチル−2−クロロアセトアセテート74.1mgを加え、エタノール1mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、エチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を得た。
ESI/MS m/e:386.1(M+H,C2024S).
(5)上記で得られたエチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体をテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で4時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸2.50mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):0.89(6H,d,J=6.4Hz),1.96−2.02(1H,m),2.65(3H,s),3.92(2H,d,J=6.4Hz),7.13(1H,s),7.37(1H,d,J=8.8Hz),7.55(1H,s),7.95−8.07(3H,m)
HPLC保持時間:8.15分
Obs Mass(M+H):358.1215
Pred Mass(M+H):358.1220
Formula(M):C1819
[実施例2−6]
実施例1と同様にして、化合物番号を合成した。
[実施例7]2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号)の合成(合成法(A))
(1)3−クロロ−4−フルオロベンゾニトリル77.8mg、フェノール51.8mgおよび炭酸カリウム82.9mgをジメチルスルホシキド2mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、100℃で14時間加熱した。続いて、反応混合液に水素化ナトリウム24.0mg、イミダゾール40.8mgを加え、窒素雰囲気下、140℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゾニトリル65.2mgを得た。
ESI/MS m/e:262.2(M+H,C1612O).
(2)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゾニトリル65.2mgを酢酸0.3mL、チオ酢酸1.0mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、50℃で14時間加熱した。その後、減圧濃縮を行い、3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体を得た。
ESI/MS m/e:296.1(M+H,C1614OS).
(3)上記で得られた3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシベンゼン−1−カルボチオアミドの粗体にエチル−2−クロロアセトアセテート123.2mgを加え、エタノール2mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート72.2mgを得た。
ESI/MS m/e:406.1(M+H,C2220S).
(4)上記で得られたエチル 2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート20.2mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、50℃で2時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)−4−フェノキシフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸9.0mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):2.61(3H,s),7.07−7.13(3H,m),7.20(1H,t,J=6.8Hz),7.42(2H,t,J=8.0Hz),7.59(2H,s),7.74(1H,d,J=7.6Hz),7.86(1H,dd,J=1.2,8.4Hz),8.08(1H,s)
HPLC保持時間:7.86分
Obs Mass(M+H):378.0906
Pred Mass(M+H):378.0907
Formula(M):C2015
[実施例8]
実施例7と同様にして、化合物番号を合成した。
[実施例9−14]
実施例1と同様にして、化合物番号14を合成した。
[実施例15]
実施例7と同様にして、化合物番号15を合成した。
[実施例16]4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号16)の合成(合成法(B))
(1)4−ブロモ−2−ニトロフェノール2.18gおよび炭酸カリウム2.07gをジメチルホルムアミド40mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、ヨウ化イソプロピル2.04gを加えて、110℃で14時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、4−ブロモ−2−ニトロ−1−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン2.08gを得た。
(2)上記で得られた4−ブロモ−2−ニトロ−1−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン2.08gに炭酸水素化カリウム1.05g、塩化パラジウム(II)22mg、臭化銅(I)ジメチルスフフィド錯体102mgを加え、トルエン15mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.02g、イソ酪酸46.2μL及びジ−t−ブチルシクロヘキシルホスフィン114mgを加えて、窒素雰囲気下、120℃で14時間加熱した。反応混合液をセライトろ過して不溶物を取り除き、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−[3−ニトロ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.38gを得た。
ESI/MS m/e:351.0(M+H,C1619S).
(3)エチル 4−メチル−2−[3−ニトロ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.38gをエタノール15mLに懸濁させ、パラジウム/炭素(10%wt)100mgを加えた後に、水素雰囲気下、50℃で14時間撹拌した。反応混合液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮することで、エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.26gを得た。
ESI/MS m/e:321.1(M+H,C1621S).
(4)エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.26gをメタノール10mLに懸濁させた後、トリエチルアミン1.12mLを加え、反応溶液を0℃に冷却した。その後にN’−[(1E)−2,2−ジクロロエチリデン]−4−メチルベンゼン−1−スルホンヒドラジン1.01gをメタノール10mLに溶解させた溶液をゆっくり加えて、窒素雰囲気下、40℃で2時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート501mgを得た。
ESI/MS m/e:373.1(M+H,C1821S).
(5)エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート501mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液10mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液1.35mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸1.35mLを加えて撹拌した後に、水8mLを加え、酢酸エチル20mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸415mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):1.28(6H,d,J=5.6Hz),2.66(3H,s),4.83−4.89(1H,m),7.46(1H,d,J=8.8Hz),7.95(1H,s),8.06(1H,dd,J=2.0,8.8Hz),8.22(1H,d,J=2.8Hz),8.52(1H,s),13.39(1H,s)
HPLC保持時間:9.96分
Obs Mass(M+H):345.1005
Pred Mass(M+H):345.1016
Formula(M):C1616
[実施例17−21]
実施例16と同様にして、化合物番号1721を合成した。
[実施例22−23]
実施例7と同様にして、化合物番号2223を合成した。
[実施例24]4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号24)の合成(合成法(C))
(1)エチル 2−[3−アミノ−4−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.23gを酢酸20mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム478mg、オルソギ酸トリエチル1.09gを加え、窒素雰囲気下、70℃で2時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.13gを得た。
ESI/MS m/e:374.1(M+H,C1720S).
(2)エチル 4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.13gをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液15mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液3.0mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸3.0mLを加えて撹拌した後に、水7mLを加え、酢酸エチル30mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−[4−(プロパン−2−イルオキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸920mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):1.28(6H,d,J=6.0Hz),2.65(3H,s),4.84−4.90(1H,m),7.50(1H,d,J=9.6Hz),8.13(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.27(1H,d,J=2.4Hz),9.79(1H,s),13.41(1H,s)
HPLC保持時間:9.99分
Obs Mass(M+H):346.0958
Pred Mass(M+H):346.0968
Formula(M):C1515
[実施例25−28]
実施例24と同様にして、化合物番号2528を合成した。
[実施例29]2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号29)の合成(合成法(C))
(1)実施例16および24と同様にして、4−ブロモ−2−ニトロフェノール4.36gからエチル[4−(メトキシメトキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.97gを得た。
ESI/MS m/e:376.0(M+H,C1618S).
H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.40(6H,d,J=7.2Hz),2.78(3H,s),3.48(3H,s),4.36(2H,q,J=6.8Hz),5.34(2H,s),7.45(1H,d,J=8.8Hz),8.05(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.44(1H,d,J=2.4Hz),9.17(1H,s)
(2)エチル[4−(メトキシメトキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.97gを1,4−ジオキサン25mLに溶解し、2M塩酸5.0mLを加えて、60℃で8時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後、析出した固体をろ過することにより、エチル2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.49gを得た。
ESI/MS m/e:332.0(M+H,C1414S).
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):1.39(6H,d,J=7.2Hz),2.76(3H,s),4.35(2H,q,J=7.2Hz),7.22(1H,d,J=8.4Hz),7.39(1H,s),7.90(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.45(1H,d,J=2.8Hz),9.44(1H,s)
(3)2−メチルプロパン−1,3−ジオール13.5mgをテトラヒドロフラン1mLに溶解し、トリフェニルホスフィン39.3mg、ジエチル アゾジカルボキシレートの40%トルエン溶液65μLを加えて、室温で30分間撹拌した後、エチル 2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート33.1mgを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート67.7mgを得た。
ESI/MS m/e:404.1(M+H,C1822S).
(4)エチル 2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1.0mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸15.4mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):0.82(3H,d,J=6.8Hz),1.90−1.98(1H,m),2.66(3H,s),3.25−3.28(2H,m),4.04−4.15(2H,m),4.62(1H,m),7.48(1H,d,J=8.8Hz),8.17(1H,dd,J=2.0,8.8Hz),8.28(1H,d,J=2.0Hz),9.80(1H,s),13.37(1H,brs)
HPLC保持時間:8.23分
Obs Mass(M+H):376.1074
Pred Mass(M+H):376.1074
Formula(M):C1617
[実施例30]2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号30)の合成(合成法(C))
(1)エチル 2−[4−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート33.1mgをジメチルホルムアミド1.0mLに溶解し、炭酸カリウム20.7mg、3−ブロモ−2−メチルプロペン16.2mgを加えて、100℃で4時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後に、水3mL、酢酸エチル4mLを加えて撹拌し、有機相を濃縮し、エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロペン−1−イル)オキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgを得た。
(2)エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロペン−1−イル)オキシ]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート34.1mgに35%硫酸水溶液1.0mLを加えて、80℃で4時間撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後に、水3mL、酢酸エチル4mLを加えて撹拌し、有機相を濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート9.9mgを得た。
ESI/MS m/e:404.1(M+H,C1822S).
(3)エチル 2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート9.9mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液1.0mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.2mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチル4mLで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸4.8mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):1.08(6H,s),2.66(3H,s),3.96(2H,s),4.80(1H,s),7.50(1H,d,J=8.8Hz),8.15(1H,dd,J=2.8,8.8Hz),8.31(1H,d,J=2.4Hz),9.90(1H,s),13.44(1H,brs)
HPLC保持時間:8.29分
Obs Mass(M+H):376.1073
Pred Mass(M+H):376.1074
Formula(M):C1617
[実施例31−32]
実施例24と同様にして、化合物番号31および32を合成した。
[実施例33]4−メチル−2−[4−フェノキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号33)の合成(合成法(C))
(1)5−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン2.20gに炭酸水素化カリウム2.10g、塩化パラジウム(II)44mg、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体205mgを加え、トルエン20mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート2.05g、イソ酪酸92.5μL及びジ−t−ブチルシクロヘキシルホスフィン228mgを加えて、窒素雰囲気下、120℃で14時間加熱した。反応混合液をセライトろ過して不溶物を取り除き、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート2.28gを得た。
ESI/MS m/e:311.0(M+H,C1312FNS).
(2)エチル 2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート931mg、フェノール339mgおよび炭酸カリウム622mgをジメチルホルムアミド15mLに懸濁させ、窒素雰囲気下、100℃で14時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮を行い、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.14gを得た。
ESI/MS m/e:385.0(M+H,C1917S).
(3)エチル 2−(3−ニトロ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.14gをエタノール15mLに懸濁させ、パラジウム/炭素(10%wt)300mgを加えた後に、水素雰囲気下、室温で14時間撹拌した。反応混合液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮することで、エチル 2−(3−アミノ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.05gを得た。
ESI/MS m/e:355.1(M+H,C1919S).
(4)エチル 2−(3−アミノ−4−フェノキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート1.05gを用いて、実施例24と同様にして、4−メチル−2−[4−フェノキシ−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸458mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):2.67(3H,s),7.11−7.29(4H,m),7.43−7.48(2H,m),8.15(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),8.42(1H,d,J=2.0Hz),9.97(1H,s)
HPLC保持時間:10.79分
Obs Mass(M+H):380.0803
Pred Mass(M+H):380.0812
Formula(M):C1813
[実施例34−48]
実施例33と同様にして、化合物番号3448を合成した。
[実施例49]4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号49)の合成(合成法(D))
(1)エチル 2−[4−フルオロ−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート155.2mgと炭酸セシウム244.4mgをN,N−ジメチルホルムアミド1.5mLに懸濁させ、2−メチルプロピルチオール49.6mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮することでエチル 2−[4−(2−メチルプロピルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を得た。
(2)上記で得られたエチル 2−[4−(2−メチルプロピルチオ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートの粗体を水素雰囲気下、パラジウム炭素で還元することによりエチル 2−[3−アミノ−4−(2−メチルプロピルチオ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
(3)上記で得られたエチル 2−[3−アミノ−4−(2−メチルプロピルチオ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを酢酸2.0mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム65mg、オルソギ酸トリエチル148mgを加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート123mgを得た。
(4)上記で得られたエチル 4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート123mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液2mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液0.5mLを加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸0.5mLを加えて撹拌した後に、水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮した後に常法により精製し、4−メチル−2−{4−[(2−メチルプロピル)スルファニル]−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸67.9mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):0.91(6H,d,J=8.0Hz),1.75(1H,septet,J=8.0Hz),2.66(3H,s),2.93(2H,d,J=8.0Hz),7.78(1H,d,J=8.0Hz),8.17−8.19(2H,m),9.89(1H,s),13.48(1H,brs)
HPLC保持時間:11.19分
Obs Mass(M+H):376.0887
Pred Mass(M+H):376.0896
Formula(M):C1617
[実施例50−51]
実施例49と同様にして、化合物番号5051を合成した。
[実施例52]4−メチル−2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(化合物番号52)の合成
(1)5−ブロモ−2−フルオロニトロベンゼン220mgと炭酸カリウム276mgをN,N−ジメチルホルムアミド2mLに懸濁させ、N,N−ジエチルアミン88mgを加え、窒素雰囲気下、40℃で14時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水3mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮することで5−ブロモ−2−(N,N−ジエチルアミノ)ニトロベンゼンの粗体を得た。
(2)上記で得られた5−ブロモ−2−(N,N−ジエチルアミノ)ニトロベンゼンの粗体に炭酸水素化カリウム210.3mg、塩化パラジウム(II)5.3mg、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体49.3mg、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル21.5mgを加え、トルエン2mLに懸濁させた。その後にエチル 4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート188.3mg、イソ酪酸10.6mgを加え、窒素雰囲気下、130℃で13時間加熱した。反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧濃縮した後に、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することで、エチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート256.1mgを得た
(3)上記で得られたエチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−ニトロフェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを水素雰囲気下、パラジウム炭素で還元することによりエチル 2−[3−アミノ−4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを得た。
(4)上記で得られたエチル 2−[3−アミノ−4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを酢酸3.0mLに懸濁させた後、アジ化ナトリウム91.6mg、オルソギ酸トリエチル209.2mgを加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間加熱した。室温まで冷却させた後に反応混合液に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄後、乾燥、減圧濃縮した後に常法により精製し、エチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート295.9mgを得た。
(5)上記で得られたエチル 2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート295.9mgをテトラヒドロフラン/メタノール=1/1の混合溶液3mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液2.0mLを加えて、室温で2時間撹拌した。反応混合液に2M塩酸2.0mLを加え、常法により精製することで4−メチル−2−[4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−(1H−1,2,3,4−テトラゾール−1−イル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸199.9mgを得た。
H−NMR(400MHz,DMSO d6)δ(ppm):0.85(6H,d,J=8.0Hz),2.64(3H,s),2.80(4H,d,J=8.0Hz),7.41(1H,d,J=8.0Hz),8.02(1H,d,J=4.0Hz),8.08(1H,dd,J=8.0,4.0Hz),9.82(1H,s)
HPLC保持時間:10.50分
obs Mass(M+H):359.1289
Pred Mass(M+H):359.1285
Formula(M):C1618
[実施例53]
実施例52と同様にして、化合物番号53を合成した。
[実施例54]
以上の実施例の方法に従って合成された化合物について、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を測定した。
(1)試験化合物の調製
試験化合物をDMSO(シグマ社製)に20mMの濃度になるように溶解した後、使用時の目的の濃度に調製して用いた。
(2)測定方法
本発明化合物のキサンチンオキシダーゼ阻害活性評価を文献記載の方法(Method Enzymatic Analysis,1,521−522,1974)を一部改変して実施した。本評価は、オキシダーゼ型のキサンチンオキシドレダクターゼ活性の測定により行われた。すなわち、あらかじめ20mM水酸化ナトリウム溶液にて10mMに調製したキサンチン(シグマ社製)溶液を100mMリン酸緩衝液を用いて30μMに調製し、96穴プレートに75μL/穴ずつ加えた。最終濃度の100倍になるようにDMSOにて希釈した各試験化合物を1.5μL/穴ずつ添加し、ミキシング後にマイクロプレートリーダーSPECTRA max Plus384(モレキュラーデバイス社製)にて290nmの吸光度を測定した。続けてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼ(バターミルク由来、Calbiochem社製)を100mMリン酸緩衝液を用いて30.6mU/mLに調製し、73.5μL/穴ずつ加えた。ミキシング後速やかに290nmにおける吸光度変化を5分間測定した。試験化合物溶液の代わりにDMSOを添加したときの酵素活性を100%として試験化合物の阻害率を計算し、用量応答曲線にフィットさせてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼに対する50%阻害濃度を計算した。
この結果を以下の表に示す。但し、表中の記号(+、++、+++)は以下の通りの阻害活性値を表しているものとする。
10.0nM≦IC50:+
5.0nM≦IC50<10.0nM:++
1.0nM≦IC50<5.0nM:+++
[実施例55]
血中尿酸低下作用(正常ラット)
化合物番号17、24、25および26の化合物について、血中尿酸低下作用を確認した。8〜9週齢のSprague−Dawley系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を経口ゾンデを用いて強制投与した。投与後2時間に尾静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値は尿酸測定キット(LタイプワコーUA・F:和光純薬工業)を用いて、ウリカーゼ法にて吸光度計を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。
尿酸低下率(%)=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値
化合物番号17、24、25および26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において尿酸低下率50%以上を示した。
さらに、化合物番号24、25及び26の化合物は1mg/kgの用量においても、尿酸低下率50%以上を示した。
この結果から、本発明の化合物が強力な血中尿酸低下効果を有することが示された。
[実施例56]
血中尿酸低下作用の持続性(正常ラット)
化合物番号17、25及び26の化合物を用いて、実施例55と同じ方法でSprague−Dawley系雄性ラットに試験化合物を投与した。投与後24時間に尾静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値は尿酸測定キット(LタイプワコーUA・F:和光純薬工業)を用いて、ウリカーゼ法にて吸光度計を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。尿酸低下率(%)
=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値 化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後24時間において、尿酸低下率50%以上を示した。
さらに、化合物番号25及び26の化合物はいずれも、3mg/kgの用量においても、投与後24時間において、尿酸低下率40%以上を示した。
この結果から、本発明の化合物が長時間にわたる持続的な血中尿酸低下効果を有することが示された。
[実施例57]
血中尿酸低下作用(高尿酸血症ビーグル犬)
化合物番号25について、オキソン酸により高尿酸血症を惹起したビーグル犬における血中尿酸低下作用を確認した。ビーグル犬(北山ラベス)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を強制経口投与した。化合物投与前および投与4時間後にオキソン酸カリウム(50mg/kg)を皮下投与した。化合物投与8時間後、橈側皮静脈より採血した後、血漿を分離した。血中尿酸値はLC−MS/MS法を用いて測定し、尿酸低下率を下式により求めた。
尿酸低下率(%)=(対照動物の尿酸値−試験化合物投与動物の尿酸値)x100/対照動物の尿酸値
投与8時間後において、化合物25は10mg/kgの用量において尿酸低下作用を示した。
この結果から、本発明の化合物がイヌにおいて強力な血中尿酸低下効果を有することが示された。
[実施例58]
組織および血漿におけるキサンチンオキシダーゼ阻害活性の持続性
本発明の「キサンチンオキシダーゼ」について、本実施例に限り、オキシダーゼ型のキサンチンオキシドレダクターゼが担う酸化反応触媒活性と、オキシダーゼ型とデヒドロゲナーゼ型両方のキサンチンオキシドレダクターゼが担う酸化反応触媒活性とを区別するために、前者を「XO活性」、後者を「XOR活性」と称する。「組織XO活性」、「血漿XO活性」、「組織XO阻害活性」、「組織XOR阻害活性」等についても、「XO活性」および「XOR活性」は同じ意味を有する。「組織」には、肝臓、腎臓、脂肪組織、腸、血管が含まれる。なお、下記の結果より、本発明の化合物について、同一サンプルにおけるXOR活性阻害率とXO活性阻害率は同程度の数値となるものと解される。
化合物番号17、25および26の化合物について、組織XO活性、組織XOR活性および血漿XO活性を確認した。7〜9週齢のSprague−Dawley系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に0.5%メチルセルロース液に懸濁した試験化合物を経口ゾンデを用いて強制投与した。投与後24時間または27時間後に腹大動脈からの採血および組織の採材を行った。得られた血液は遠心分離し、血漿を採取した。
組織XO活性、組織XOR活性および血漿XO活性は、pterinがそれぞれの型のキサンチンオキシドレダクターゼにより酸化され蛍光物質であるisoxanthopterinが生成される反応を用いて測定した。組織を各組織濃度が肝臓:25mg/mL、腎臓:25mg/mL、脂肪:5mg/mL、腸:5mg/mL、血管:30mg/mLとなるように、1mMEDTAおよびプロテアーゼ阻害剤を含んだpH7.4のリン酸カリウム溶液でホモジナイズし、4℃、12000rpmで15分遠心した。XO活性の測定時は組織ホモジネートの上清または血漿を50μM pterinを含んだ溶液と混合し37℃で反応させた。XOR活性の測定時は、組織ホモジネートの上清を50μM pterinおよび50μM Methylene Blueを含んだ溶液と混合し37℃で反応させた。コントロールとしてオキシダーゼ型キサンチンオキシドレダクターゼ(バターミルク由来、Calbiochem社製)と50μM pterinを含んだ溶液を同様の方法で反応させた。生成されたisoxanthopterinの蛍光強度を測定し、コントロールの酵素活性およびタンパク濃度で補正しXOまたはXOR活性として算出した。
XO阻害活性およびXOR阻害活性は下式により求めた。
XO阻害活性(%)=(対照動物のXO活性またはXOR活性−試験化合物投与動物のXO活性またはXOR活性)x100/対照動物のXO活性またはXOR活性
化合物17、25、および26投与約27時間後の組織および血漿XO阻害活性を次の表に示す。
化合物25および26投与24時間後の各組織のXOおよびXOR阻害活性を次の表に示す。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の肝臓のXO活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の腎臓のXO活性を対照動物と比較して70%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、10mg/kgの用量において、投与後27時間の血漿のXO活性を対照動物と比較して40%以上阻害した。
また、化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の肝臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の腎臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して70%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の腸のXOR活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の脂肪組織のXOR活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物25は10mg/kgの用量において、投与後24時間の血管のXOR活性を対照動物と比較して40%以上阻害した。
化合物26は10mg/kgの用量において、投与後24時間の血管のXOR活性を対照動物と比較して50%以上阻害した。
さらに、化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の肝臓のXO活性を対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の腎臓のXO活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物番号17、25及び26の化合物はいずれも、1mg/kgの用量において、投与後27時間の血漿のXO活性を対照動物と比較して25%以上阻害した。
また、化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の肝臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して80%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の腎臓のXOR活性およびXO活性それぞれを対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の腸XOR活性を対照動物と比較して60%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の脂肪組織XOR活性を対照動物と比較して30%以上阻害した。
化合物25は1mg/kgの用量において、投与後24時間の血管XOR活性を対照動物と比較して25%以上阻害した。
化合物26は1mg/kgの用量において、投与後24時間の血管のXOR活性を対照動物と比較して30%以上阻害した。
この結果から、本発明の化合物が各組織において長時間にわたる持続的なXO活性、XOR活性阻害作用を有することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明の前記式(I)で表される化合物、およびその製薬学的に許容される塩は、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、血管内皮機能改善薬、痛風、高尿酸血症、腫瘍崩壊症候群、尿路結石、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、糖尿病性腎症等の腎疾患、慢性閉塞性肺疾患等の呼吸器疾患、炎症性腸疾患、自己免疫性疾患等のキサンチンオキシダーゼの関連する疾患、および動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、脳血管性痴呆等の血管内皮機能障害に関連する疾患の良好な治療薬または予防薬として使用することができる。