(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
通常使用される増粘剤と併用しても必要とする増粘効果が得られないアニオン界面活性剤(難増粘性アニオン界面活性剤と呼称、特にN−アシルアミノ酸系界面活性剤)を主基材とする液体洗浄剤組成物は、一般に低刺激性であるものの、その使用において必要とされる適度な粘度の付与が困難であり、一般的には、単独では満足できる起泡力を有しておらず、すすぎ時にヌルつく性質があることが知られている。
【0004】
目的とする粘度を得るために難増粘性アニオン界面活性剤と増粘が比較的容易なサルフェート型アニオン界面活性剤とを併用する方法も試みられたが、この場合には、刺激性が増大し、満足し得るものではなかった。
【0005】
難増粘性アニオン界面活性剤の一例であるN−アシルアミノ酸系界面活性剤においては、増粘に良く用いられるヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グァー等の高分子増粘剤を組み合わせて増粘させる場合でも、通常液体洗浄剤組成物の粘度として有用な300〜2000mPa・s に達するまで高分子増粘剤を加えると、ヌルつき感が大きくなり使用感が満足できない。更にシャンプー等に用いると高分子増粘剤の一部が髪に吸着されるためか、洗髪後の髪の光沢が無くなるなどの不都合を生じる。
【0006】
そのためこれまでに難増粘性アニオン界面活性剤(特にN−アシルアミノ酸系界面活性剤)に粘度を付与することを目標とした様々な技術が公開されている。
【0007】
難増粘性アニオン界面活性剤の例としてN−アシルアミノ酸系界面活性剤の粘度付与に関する従来技術について述べる。
【0008】
N−アシルアミノ酸系界面活性剤に脂肪酸ジエタノールアミド及び水溶性無機塩を配合した弱酸性の液体洗浄剤処方が開示されている(特許文献1)。同技術によると、N−アシルアミノ酸系界面活性剤の使用感を悪化させること無く、洗浄剤組成物の粘度を上昇させる事が可能であるが、特に十分な粘度付与を行うため無機塩濃度が上限に近い部分の洗浄剤組成物の低温安定性は十分なものではなかった。
【0009】
水溶性無機塩の配合量を少なく粘度付与を行う目的で、無機塩と分子内にカチオン中心を持つ、両性界面活性剤、双性界面活性剤、半極性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤とを併用する液体洗浄剤処方が開示されている(特許文献2)。低温安定性の改善等が見られるが、やはり無機塩は必須成分なのでコンディショニング剤の併用が困難になる等の点があるため満足いくものではなかった。
【0010】
一方、ポリオキシアルキレンアルキルアミンはノニオン界面活性剤であり、液体漂白組成物に増粘性界面活性剤の一種として紹介されているが(特許文献3)、ポリオキシアルキレンアルキルアミンのアニオン界面活性剤に対する増粘効果に関して詳細な記載はない。
【0011】
アミドアミン化合物は、特定構造のアミドアミン化合物が増粘剤として用いられることが開示されているが(特許文献4)、その効果は不十分であり、特定のポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物との組み合わせに関する記載はない。
【0012】
脂肪酸アルカノールアミド類は古くから使用されている増粘剤である。アシルアミノ酸系界面活性剤と脂肪酸アルカノールアミドの一種である脂肪酸ジエタノールアミドとを配合した系に関しては、先に述べている(特許文献1)。脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノアルカノールアミドの増粘効果は、サルフェート型アニオン界面活性剤と組み合わせた場合優れた効果を示すが、増粘効果の強い配合物は低温安定性との両立が困難であり、特に脂肪酸モノエタノールアミドは優れた増粘性を示すが高融点であるため配合時のハンドリング性が悪いという欠点がある。これらの欠点を改善するためN−アルキル脂肪酸モノエタノールアミドの技術が公開されている(特許文献5)が、難増粘性アニオン界面活性剤に添加した場合の増粘効果は不十分であり、現在に至るまでアニオン界面活性剤、特に難増粘性アニオン界面活性剤を通常液体洗浄剤組成物の粘度として有用な300〜2000mPa・s程度に増粘し、起泡性を改善し、すすぎ時のさっぱり感に優れる高粘度液体洗浄剤組成物を提供する方法が求められている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
本発明において増粘剤組成物の第一成分である一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物混合物(A1)において、疎水基であるR
1の炭素数は増粘に影響を与える重要な因子である。単一鎖長の場合R
1が22より大きい場合、増粘剤組成物のハンドリング性が悪くなるほか、増粘剤組成物を含有する液体洗浄剤組成物の低温での安定性が阻害する恐れがあり好ましくない。また、R
1の炭素数が8より小さい場合は親水性が高すぎるために、これを用いた増粘剤組成物は、難増粘性アニオン界面活性剤(特にN−アシルアミノ酸系界面活性剤)に対する増粘効果を発現しない為好ましくない。より好ましくはR
1の炭素数が、8から14の間である。
【0024】
本発明の脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物(A1)におけるアルキレンオキサイド付加モル数に呼応するm,nは互いに独立に0以上の数であって、混合物全体の平均値で1≦(m+n)≦2の関係であることが重要である。
【0025】
m+nが1未満である場合、原料であるアルキルアミン由来の経時着色が生じ、激しいアミン臭も発生する。m+nが2より大きい場合、アルキレンオキサイド付加物自身に着色が見られ、増粘剤組成物配合組成物の色相悪化にも繋がり、増粘剤組成物を配合した液体洗浄剤組成物の色相悪化にもつながるため好ましくない。
【0026】
本発明の脂肪族第1級アミンのア
ルキレンオキサイド付加物混合物(A1)は、
(i) 対応するアルキルアミン1モルに
(ii) エチレンオキサイド及び/又は
(iii) プロピレンオキサイドを
(iv) (ii)及び(iii)を合計で1モル以上、2モル以下で付加反応させる
ことにより得ることができる。
【0027】
脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物の好適な例としては、例えばPEG−2ドデシルアミン、PEG−1/PPG−1ドデシルアミン、PPG−2ドデシルアミン、PEG−2ココナッツアミン、PEG−1/PPG−1ココナッツアミン、PPG−2ココナッツアミン、PEG−2テトラデシルアミン、PEG−1/PPG−1テトラデシルアミン、PPG−2テトラデシルアミン、PEG−2ペンタデシルアミン、PEG−1/PPG−1ペンタデシルアミン、PPG−2ペンタデシルアミンが挙げられる。これらの好適な例が脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物全体(A1)の平均として、一般式(1)に示されるnとmが1≦(m+n)≦2となるように混合されている。
【0028】
特に好ましくは、PEG−2オクチルアミンやPEG−2ドデシルアミン、PEG−2ココナッツアミン、PEG−2テトラデシルアミンである。
【0029】
本発明において増粘剤組成物の第二成分である一般式(1)の脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物を除く窒素含有ノニオン界面活性剤に関して詳細に述べる。
【0030】
本発明増粘剤組成物の第二成分に該当する窒素含有ノニオン界面活性剤としては、下記一般式(2)で示されるアミドアミン化合物、下記一般式(3)及び一般式(4)で示される脂肪酸アルカノールアミド類が挙げられる。
【0032】
〔但し式中R
2COは炭素数1〜14のアシル基を示し、R
3は炭素数1〜3のアルキレン基、R
4は水素原子、又は、ヒドロキシル基、又はシアノ基、又はチオール基を含有してもよい炭素数1〜14の直鎖乃至は分枝鎖のアルキル基であってR
2CO基における炭素数とR
4基の炭素数の和が、11〜19の間であり、R
5、R
6はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。〕
【0034】
[但し式中R
7COは炭素数8〜20のアシル基直鎖若しくは分枝鎖の炭素数8〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、A
3O、A
4Oが同時にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の混合でも良い。o,pは互いに独立な整数であり0≦o≦10の整数であり、1≦p≦10の整数である。
【0035】
中R
8COは炭素数8〜20のアシル基直鎖若しくは分枝鎖の炭素数8〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、R9はメチル基乃至はエチル基を示し、A
5Oは同時にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の混合でも良い、1≦q≦10の整数である。]
【0036】
一般式(2)で示されるアミドアミン化合物は、R
2COのアシル基における炭素数が15を超えた場合、低温での安定性が阻害する恐れがあり好ましくない。R
4基は末端にヒドロキシル基、又はシアノ基、又はチオール基を含有してよい炭素数1〜14の直鎖乃至は分枝鎖のアルキル基であるが、R
4基の炭素数が14を超えた場合、低温での安定性が阻害する恐れがありの点で好ましくない。また、R
1COのアシル基における炭素数と末端にヒドロキシル基、又はシアノ基、又はチオール基を含有してよいR
4基の炭素数の和が、10より小さい場合は親水性が高すぎるために、20より多い場合は油脂性が高すぎるために、本発明増粘剤組成物は、難増粘性アニオン界面活性剤(特にアミノ酸系界面活性剤)に対する増粘効果を発現しない為好ましくない。より好ましくはR
2COのアシル基における炭素数と末端にヒドロキシル基、又はシアノ基、又はチオール基を含有してよいR
4基の炭素数の和が、11から19の間である。また、R
3は炭素数2乃至は3で、R
5とR
6はメチル基がより好ましい。
【0037】
本発明の一般式(2)で表されるアミドアミン化合物は、N,N−ジアルキルアルキレンジアミンやN,N,N’−トリアルキルアルキレンジアミンに特定の鎖長の脂肪酸又はその脂肪酸アルキルエステル、あるいは脂肪酸クロライド、脂肪酸無水物とを反応させることにより容易に得ることができる。
【0038】
好ましいN,N−ジアルキルアルキレンジアミンとしては、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピレンジアミン等が挙げられる。
【0039】
好ましいN,N,N’−トリアルキルアルキレンジアミンとしては、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルプロピレンジアミン、N−エチル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチル−N’,N’−ジメチルプロピレンジアミン等が挙げられる。
【0040】
特定の鎖長の脂肪酸としてはデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ脂肪酸が挙げられる。
【0041】
一般式(3)及び(4)で示されるアルカノールアミド類に関して述べる。
【0042】
一般式(3)で示される窒素含有ノニオン界面活性剤としては、脂肪酸ジアルカノールアミド、脂肪酸モノアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノアルカノールアミド等が挙げられる。
【0043】
一般式(4)で示される窒素含有ノニオン界面活性剤としては、N−アルキル脂肪酸モノアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン−N−アルキル脂肪酸モノアルカノールアミドが挙げられる。
【0044】
一般式(3)及び(4)で示されるアルカノールアミド類は、従来より増粘剤として用いられてきた界面活性剤であるが、アニオン界面活性剤に対して特に強い増粘作用のある物質は融点が高く、ハンドリング性が悪いばかりか、そのものを単独でアニオン界面活性剤と配合しても洗浄剤組成物の低温安定性が悪くなり、その改善のために、例えば多価アルコールを多量に併用したり、アルカノールアミド類の中でも増粘効果は弱いが低温安定性に優れる疎水基長の短いアルカノールアミドやポリオキシアルキレン鎖長の長いアルカノールアミド類を使用又は併用してきた。
【0045】
本発明増粘剤組成物は、(A1)成分及び(A2)成分を含有するものであるが、(A1)成分は、(A2)成分に混合することにより、混合物凝固点を降下させる作用があり、(A1)成分及び(A2)成分を混合した本発明増粘剤組成物は、配合時のハンドリング性が著しく改善され、液体洗浄剤組成物の配合時に工業的に極めて有利である。
【0046】
この効果は、比較的高凝固点の(A2)成分を液体洗浄剤に配合する際、液体洗浄剤の低温安定性を改善する効果につながっていることをいることを本発明者らは確認した。
【0047】
即ち、本発明技術を用いることにより、これまで液体洗浄剤組成物の低温安定性により配合が困難とされていた従来の窒素含有ノニオン界面活性剤を安定に液体洗浄剤組成物に配合することを可能とする技術でもある。
【0048】
本発明増粘剤組成物において(A1)成分と(A2)成分の配合比率(重量%)は、(A2)/(A1)=30/70〜80/20であり、より好ましくは、40/60〜70/30である。
【0049】
なお、(A2)成分の含量が少ないと、十分な増粘性が得られない場合があり好ましくなく、逆に多いと、(A1)成分と(A2)成分を混合した増粘剤組成物のハンドリング性の改善が十分ではなく、更に増粘剤組成物を配合した液体洗浄剤組成物の低温保存時に白濁沈殿を起こして経時安定性に問題を生じる恐れがある。
【0050】
本発明の高粘度液体洗浄剤組成物に関して述べる。
【0051】
本発明高粘度液体洗浄剤組成物はアニオン性界面活性剤と本発明増粘剤組成物の組み合わせからなるが、本発明増粘剤組成物を構成する(A1)特定の脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物及び(A2)脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物を除く窒素含有ノニオン界面活性剤の2成分は、あらかじめ混合して増粘剤組成物として液体洗浄剤組成物に配合しても良いし、場合によっては、本発明の比率に合うように(A1)成分と(A2)成分を別々に液体洗浄剤組成物に配合しても良い。
【0052】
アニオン性界面活性剤(B)と、(A1)、(A2)成分の混合物の配合比率(重量%)は、(B)/(A1+A2)=90/10〜50/50であり、より好ましくは80/20〜60/40で、90/10以下の配合量である場合、その添加効果は現れず、50/50を超えて配合されると、洗浄剤組成物の使用感が損なわれたり、泡のきめが大きくなるなどの問題が発生し、使用感が損なわれ好ましくない。
【0053】
本発明高粘度液体洗浄剤組成物における(A1)成分と(A2)成分の配合比率は、先に述べたとおりである。
【0054】
本発明において、B、(A1)及び(A2)成分の合計は、液体洗浄剤組成物全体に対して7〜50重量%、好ましくは10〜40重量%が増粘性、低温安定性及び経済性の面で特に望ましい。
【0055】
本発明の(A1)ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物混合物及び(A2)ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物混合物を除く窒素含有ノニオン界面活性剤との混合物である本発明増粘剤組成物は、他の同様な使用法で使われる増粘剤、たとえば、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、高分子増粘剤等の既知の増粘剤に比較して、低添加量で粘度構築でき増粘剤としての性能に優れる。
【0056】
また、本発明増粘剤組成物の(A1)成分は、速泡性、増泡性に優れていることが、本発明者らの検討により明らかになっているが、本発明増粘剤組成物を含有する高粘度液体洗浄剤組成物にもそれらの効果が付与され、液体洗浄剤組成物の起泡性を改善し、すすぎ時にさっぱり感を与え、特に難増粘性アニオン界面活性剤の使用感をより優れたものに改善する。
【0057】
本発明増粘剤組成物は、サルフェート型アニオン界面活性剤との混合により容易に粘度構築するのみならず、従来より粘度構築が困難とされる難増粘性アニオン界面活性剤(特にアミノ酸系界面活性剤)の粘度構築において、実用的な粘度構築が可能で、従来の増粘剤に比較してより優れたれた増粘機能を有している。
【0058】
難増粘性アニオン活性剤としては、以下のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
(B1)脂肪酸塩
(B2)N−アシル中性アミノ酸塩
(B3)N−アシル酸性アミノ酸塩
(B4)アルキルエーテルカルボン酸塩
(B5)アミドエーテルカルボン酸塩
(B6)ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩
(B7)ポリオキシエチレンアミドエーテルスルホコハク酸塩
【0059】
(B1)脂肪酸塩
脂肪酸塩類は、一般式(5)
【0061】
〔式中、R
10は炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を表し、M
1 はアルカリ金属、アルカノールアミンを表す。〕
で示される化合物であって、より好適には、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、パーム核油脂脂肪酸塩、パーム油脂肪酸塩、等が挙げられそれらの混合物も用いられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0062】
(B2)N−アシル中性アミノ酸塩
N−アシル中性アミノ酸塩は、一般式(6)
【0064】
〔式中、R
11は炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を表し、R
12は水素原子、メチル基を示し、Z
-は−COO
−基又は−SO
3−基を示す。M
2はZ
−基のカウンターイオンでアルカリ金属、アルカノールアミンを表し、aは1又は2の整数を示す。〕
で示されるアニオン界面活性剤であって、好適には、N−ラウロイルサルコシン塩、N−ヤシ油脂肪酸サルコシン塩、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニン塩、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチル−β−アラニン塩、等が挙げられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0065】
(B3)N−アシル酸性アミノ酸塩
N−アシル酸性アミノ酸塩は、一般式(7)
【0067】
〔式中、R
13は炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を表し、M
3、M
4は同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカノールアミンを表す。但し、M
3 、M
4 が共に水素原子であることはない。bは1又は2の整数で示す。〕
で示される多価アニオン界面活性剤であって、好適には、N−ラウロイル−L−グルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸塩、N−ラウロイルアスパラギン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸塩、等が挙げられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0068】
(B4)アルキルエーテルカルボン酸塩
アルキルエーテルカルボン酸塩は、一般式(8)
【0070】
〔式中、R
14は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、M
5はアルカリ金属、アルカノールアミンを表す。cは1〜10を示す。〕
で示されるアニオン界面活性剤であって、好適には、ポリ(1〜10)オキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンヤシ油アルキルエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレントリデシルエーテル酢酸塩、等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0071】
(B5)アミドエーテルカルボン酸塩
アミドエーテルカルボン酸塩は、一般式(9)
【0073】
〔式中、R
15 は炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を表し、R
16は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、M
6 はアルカリ金属、アルカノールアミンを表す。dは1〜10を示す。〕
で示されるアニオン界面活性剤であって、好適には、ポリ(1〜10)オキシエチレンラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)N−メチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)N−エチル−ラウロイルエタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、ポリ(1〜10)オキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドエーテル酢酸塩、等が挙げられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0074】
(B6)ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩
ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩は、一般式(10−1)、(10−2)
【0076】
〔式中、R
16 は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を表し、M
7,M
8は同一又は異なっても良く、アルカリ金属、アルカノールアミンを表す。eは0〜10を示す。〕
で示される多価アニオン界面活性剤であって、好適には、ポリ(0〜10)オキシエチレンラウリルスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸スルホコハク酸塩等が挙げられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0077】
(B7)ポリオキシエチレンアミドエーテルスルホコハク酸塩
ポリオキシエチレンアミドエーテルスルホコハク酸塩は、一般式(11−1)、一般式(11−2)
【0078】
【化10】
〔式中、R
17は炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を表し、R
18は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、M
9、M
10は同一又は異なっても良く、アルカリ金属、アルカノールアミンを表す。fは0〜10を示す。〕
で示される多価アニオン界面活性剤であって、好適には、ポリ(0〜10)オキシエチレンラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−メチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−メチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−エチル−ラウロイルエタノールアミドスルホコハク酸塩、ポリ(0〜10)オキシエチレンN−エチル−ヤシ油脂肪酸エタノールアミドスルホコハク酸塩、等が挙げられ、その塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0079】
これらの難増粘性アニオン活性剤の中でも(B2)アシル中性アミノ酸塩及び(B3)アシル酸性アミノ酸塩のN−アシルアミノ酸系界面活性剤は既知の増粘剤では粘度付与が特に困難であったが、本発明増粘剤組成物は、従来の増粘剤に比較して効果的にこれらの難増粘性アニオンを増粘する。
【0080】
難増粘性アニオン界面活性剤を主剤として含有する液体洗浄剤組成物にもアニオン界面活性剤合計配合量に対して本発明増粘剤又は増粘剤組成物を2.5〜20重量%含有させることにより液体洗浄剤組成物に実用的な粘度を付与する。
【0081】
難増粘性アニオン界面活性剤を従来の増粘剤により増粘する際、両性界面活性剤を同時に配合することにより、粘度付与性の改善が報告されているが、本発明増粘剤においてもその性質が確認された。
【0082】
本発明洗浄剤組成物において、成分(C)として分子内にカチオン中心を持つ、両性界面活性剤、双性界面活性剤、半極性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を併用することにより、到達粘度の上昇、増粘剤添加効果の上昇がみられる。
【0083】
これらの分子内にカチオン中心を持つ界面活性剤を併用することにより、より少ない本発明増粘剤の添加により洗浄剤組成物の増粘が可能となり、N−アシルアミノ酸系界面活性剤の起泡性、泡質、低温安定性を改善する効果がある。
【0084】
両性又は双性界面活性剤としては、下記一般式(12)で示されるベタイン型両性及び双性界面活性剤及び下記一般式(13)、(14)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤が好ましい。
【0086】
[但し、式中R
19は炭素数7〜19のアルキル基またはアルケニル基を示し、R
20、R
22は互いに独立にメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基を示し、R
21は水酸基を含んで良い炭素数1〜3のアルキレン基を示し、gは1〜3の数、hは1又は0を示し、Z
−は−COO
−基又は−SO
3−基を示す。]
【0087】
好適例としては、例えばラウリルジメチル酢酸ベタイン、ラウリルジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン、ラウリン酸アミドジメチル酢酸ベタイン、ラウリン酸ジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン等が挙げられる。
【0089】
[式中R
23R
24は炭素素数7〜19のアルキル基又はアルケニル基、uは2乃至は3の整数、v,wは互いに独立に1〜3の整数、M
11はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミンを示し、yは1または2の整数を表す。]
【0090】
これらは、通常イミダゾリニウムベタイン類と称される界面活性剤群を包含する。イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤は、その合成経路の中間段階でイミダゾリン環が加水分解を起こし、上記一般式(13)または(14)の構造を持つことが明らかにされている(例えば特公昭59−51532号公報、特公昭35−4762号公報、及びCosmetics & Toiletries,Vol95,No11,p45−48,1980)。
【0091】
これらのアミドアミン型両性界面活性剤の好適例は、例えば2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が用いられる。
【0092】
半極性界面活性剤としては下記一般式(15)
【0094】
[但し、式中R
25は炭素数7〜19のアルキル基またはアルケニル基を示し、R
26,R
27は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を示し、sは1〜3の整数、tは1または0を示す。]
で示されるものが好ましい。
【0095】
半極性界面活性剤は、分子内にδ
+に荷電する窒素原子を有しており、これがカチオン中心として働くと推定される。半極性界面活性剤の好適例としては、例えばラルリルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ミリスチン酸アミドプロピルアミンオキサイド、ヤシアルキルジメチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0096】
カチオン性界面活性剤としては、下記一般式(16)で示されるものが好ましい。
【0098】
[但し、式中R
28は炭素数7〜19のアルキル基またはアルケニル基を示し、sは1〜3の整数、tは1または0を示す。R
29,R
30,R
31は炭素数1〜3のアルキル基または式(17)
【0100】
を示し、B
-は塩素イオン、臭素イオンなどのカチオン基に対する対イオンを表す。]
【0101】
好適例を示せば、例えば塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0102】
成分(C)として、分子内にカチオン中心を持つ、両性界面活性剤、双性界面活性剤、半極性界面活性剤および、カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の配合量は、洗浄剤組成物中において0.5〜30重量%配合することが好ましい。
【0103】
更に分子内にカチオン中心を持つ、両性界面活性剤、双性界面活性剤、半極性界面活性剤および、カチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の洗浄剤組成物に対する配合量は、洗浄剤組成物に配合されるアニオン界面活性剤成分に対して重量比で9/1〜1/1、より好ましくは8/2〜6/4の範囲内にあることが好ましい。
【0104】
分子内にカチオン中心を持つ、両性界面活性剤、双性界面活性剤、半極性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の洗浄剤組成物あたりの配合量が、アニオン界面活性剤に対して9/1以下の配合量である場合、その添加効果は現れず、1/1を超えて配合されると、洗浄剤組成物の使用感が損なわれたり、泡のきめが大きくなるなどの問題が発生し、使用感が損なわれ好ましくない。
【0105】
本発明高粘度液体洗浄剤組成物は、シャンプー組成物として配合する時、コンディショニング剤の配合特性に優れる。
【0106】
好ましいコンディショニング剤としては、分子量40万〜150万、カチオン性窒素含量1〜2.5%(質量%)であるカチオン化セルロースが好ましい。
【0107】
市販品として、例えば、ポイズC−H60(分子量60万、N含量2.2%)、ポイズC−M80(分子量80万、N含量1.5%)、ポイズC−L150(分子量150万、N含量1.3%)(以上、花王社製);ポリマーJR400(分子量40万、N含量1.7%)(ユニオン・カーバイド社製);カチナールLC−100(分子量40万、N含量1.0%)、カチナールHC−100K(分子量40万、N含量2.0%)、カチナールLC−200(分子量150万、N含量1.2%)(以上、東邦化学社製)などが挙げられる。コンディショニング剤の配合量は組成物全体に対して0.1〜1.0重量%、好ましくは0.3〜0.6重量%が望ましい。配合量が0.1重量%未満では十分なコンディショニング効果が得られず、1.0重量%を超えると洗髪後にゴワツキ感を感じる等使用感の悪化を招くことがあるので好ましくない。
【0108】
また、カチオン化セルロースの分子量が40万以下でも十分なリンスイン効果が得られず、カチオン性窒素含量が1%(質量%)未満だと毛髪への吸着性が不十分で十分なコンディショニング効果が得られず好ましくない。
【0109】
本発明の(A1)ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物混合物及び(A2)ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物混合物を除く窒素含有ノニオン界面活性剤との混合物である本発明増粘剤組成物を含有する液体洗浄剤組成物には、他の同様な使用法で使われる増粘剤、たとえばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、高分子増粘剤等の既知の増粘剤を併用しても良い。本発明増粘剤組成物と既知の増粘剤同時に配合することにより、既知の増粘剤を単独で配合するより効果的に粘度構築できる。即ち本発明増粘剤組成物は、液体洗浄剤に配合することにより易増粘化の効果を有する。
【0110】
更に本発明の効果を妨害しない範囲で他のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および通常洗浄剤あるいは化粧品に用いられる他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級アルコール、エステル類、シリコーン、保湿剤、水溶性高分子、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH 調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、抗菌剤、香料などを必要に応じて一種あるいは2種以上用いても良い。
【実施例】
【0111】
本発明の効果に関して以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
【0112】
以下の方法により本件発明の一般式(1)乃至は一般式(2)に関わる物質を製造し、
1H−NMRで同定した。
【0113】
製造例1 ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの製造
1リットルの四つ口フラスコにN,N−ジメチルプロピレンジアミン1.3モルとラウリン酸1.0モルを仕込み、130〜150℃でアミド化反応を行った後、過剰に加えたN,N−ジメチルプロピレンジアミンを留去してラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミドを取り上げた。
【0114】
製造例2 PEG−2オクチルアミンの合成
1リットルのオートクレーブにオクチルアミンアミン(1mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。
【0115】
製造例3 PEG−2ドデシルアミンの合成
1リットルのオートクレーブにドデシルアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。
【0116】
製造例4 PEG−2ココナッツアミンの合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(1.9mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。
【0117】
製造例5 N-ラウロイル-N,N’,N’-トリメチルエチレンジアミンの合成
100mLの四つ口フラスコにN,N,N’-トリメチルプロピレンジアミン0.18モルとラウリン酸0.14モルを仕込み、130〜150℃でアミド化反応を行った後、過剰に加えたN,N,N’-トリメチルプロピレンジアミンを留去してN-ラウロイル-N,N’,N’-トリメチルプロピレンジアミンを取り上げた。
【0118】
製造例1〜5で製造したサンプル、及びアミゾールCME(川研ファインケミカル社製 ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド)、アミゾールCDE(川研ファインケミカル社製 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)、アミゼット2L−Y(川研ファインケミカル社製 ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド)を表1に示した配合比で混合し、本発明増粘剤組成物を配合した。なお、実施例1〜19についての凝固点についても確認した実施例1〜15、及び18、19は20℃でも液体形態を保持しており、実施例16〜17については加温することで容易に溶解させられるハンドリング性を示すことを確認した。
【0119】
【表1】
【0120】
実施例1〜19のサンプル、比較対象としてアミゾールCME及びゲナポールDEL(クラリアント・ジャパン社製 ラウリン酸PEG−2)とを各種アニオン界面活性剤に添加してその性能を評価し表2〜表8にまとめた。なお、測定項目の測定条件は以下の方法に従った。
【0121】
粘度測定
測定装置 TOKIMEC社製 B型回転粘度計 model B8M
測定温度 25℃
【0122】
低温安定性
増粘性試験で試作した各サンプルを−5℃で12時間静置したのち、サンプルを取りだし状態を観察する。評価は以下の2段階
× 白濁、結晶析出のあったもの
○ 透明な溶液形態を保持しているもの
【0123】
泡量評価(ミキサー起泡力)
増粘性試験で試作した各サンプルを水で20倍に希釈した試験液100mLをミキサーにより30秒間泡立てた後、1000mLのメスシリンダーに移して、泡の量を測定し、以下の判定基準により評価した。
【0124】
◎:泡の量が600mL以上
○:泡の量が500以上600mL未満
△:泡の量が400以上500mL未満
×:泡の量が400mL未満
【0125】
使用感試験(泡立ちと泡量)(すすぎ時のサッパリ感)
増粘性試験で試作した各サンプルについて、パネラー15名により、手洗いによる使用試験を行い、使用時の泡立ちと泡量、すすぎ時のサッパリ感の官能試験を行った。
【0126】
評価は表2と3では比較例1を、表4では比較例8を、表5と6では比較例12を、表7と8では比較例18を、各々標準3点とした5段階相対評価とし、パネラー15名の評価結果の平均点を算出し、算出された平均値を以下の通り分類して評価した。
【0127】
◎:4.5以上の場合を非常に良好
○:4.5未満3.5以上の場合を良好
△:3.5未満3.0以上の場合を普通
×:3.0未満の場合を不良
【0128】
表2、3は、シャンプー組成物などに使用されているN−アシルアミノ酸系界面活性剤のN−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム塩をベースとした洗浄剤組成物の評価結果を示したものである。各サンプルは全て界面活性剤総量が20%に調整されている。
【0129】
実施例群と比較例群を比較すると本配合例のサンプルはN−アシルアミノ酸系界面活性剤に対して少量の添加で優れた粘度付与効果を示し、従来より使用されてきた増粘剤(ラウリン酸PEG−2,ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド)と比較して優れた増粘効果を持つことがわかる。また、本発明の組成物はN−アシルアミノ酸系界面活性剤の特有の優れた使用感を損なうことが無く、優れた使用感試験結果を示し、更に比較例5と比較すると、低温安定性も良好で、比較例1及び2と比較すると、泡量、すすぎ時のサッパリ感において非常に良好であることがわかる。加えて、実施例48、49に示した通り、低温安定性に問題があるヤシ脂肪酸モノエタノールアミドを配合した系においても増粘性、使用感に優れ、且つ低温安定性にも優れた処方系を構築することができる。
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
表4は、難増粘性アニオン界面活性剤であるココイルグルタミン酸塩系界面活性剤をベースとした洗浄剤組成物の評価結果を示したものである。各サンプルは全て界面活性剤総量が20%に調整されている。いずれも優れた増粘性、低温安定性、泡量、すすぎ時のサッパリ感を示している。
【0133】
【表4】
【0134】
表5、6は、シャンプー組成物などに多用されているエーテル硫酸塩型界面活性剤をベースとした洗浄剤組成物の評価結果を示したものである。各サンプルは全て界面活性剤総量が20%に調整されている。
【0135】
実施例群と比較例群を比較すると本配合例のサンプルはエーテル硫酸塩型界面活性剤に対して少量の添加で優れた粘度付与効果を示し、従来より使用されてきた増粘剤(ラウリン酸PEG−2,ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド)と比較して優れた増粘効果を持つことがわかる。また、本発明の組成物は、低温安定性が良好で、泡量、すすぎ性等の使用感の数値も優れている。
【0136】
【表5】
【0137】
【表6】
【0138】
表7、8は、難増粘性アニオン界面活性剤と配合例のサンプルとの組み合わせに両性界面活性剤であるベタイン系両性を配合した系での評価結果を示したものである。各サンプルは全て界面活性剤総量が20%に調整されている。本発明の組成物は、いずれも優れた増粘性、低温安定性、泡量、すすぎ時のサッパリ感を示していることがわかる。
【0139】
【表7】
【0140】
【表8】