(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134207
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】ガス検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/03 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
G01N21/03 B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-120458(P2013-120458)
(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公開番号】特開2014-238307(P2014-238307A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】北原 晴生
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雄三
(72)【発明者】
【氏名】吉田 友子
【審査官】
横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−516329(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0287041(US,A1)
【文献】
特表2003−532071(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0058439(US,A1)
【文献】
特表2013−508721(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0199744(US,A1)
【文献】
特開2005−337878(JP,A)
【文献】
特開2007−333567(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0239322(US,A1)
【文献】
米国特許第05973326(US,A)
【文献】
特開2013−002966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源と、
前記光源が発した光を反射する第1の反射鏡と、
前記第1の反射鏡で反射された光を反射する第2の反射鏡と、
前記第2の反射鏡で反射された光を反射する第3の反射鏡と、
少なくとも前記第3の反射鏡で反射された光を受光するデテクタと、
前記デテクタで受光された前記光における赤外域における光量に基づき、前記光が通過した空間における二酸化炭素濃度を算出する濃度算出部と、
を備え、
前記第1の反射鏡が第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡であり、前記光源の位置と、前記第1の反射鏡の第1の焦点と、が一致し、
前記第2の反射鏡が第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡であり、前記第1の反射鏡の第2の焦点と、前記第2の反射鏡の第1の焦点と、が一致し、
前記第3の反射鏡が、前記第2の反射鏡の非焦点位置に配置されている、
二酸化炭素検出装置。
【請求項2】
前記第3の反射鏡が第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡であり、前記第2の反射鏡の第2の焦点と、前記第3の反射鏡の第1の焦点と、が一致する、請求項1に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項3】
前記デテクタが、前記第3の反射鏡の第2の焦点に配置されている、請求項2に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項4】
前記デテクタが、前記第3の反射鏡の非焦点位置に配置されている、請求項2に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項5】
前記デテクタが、赤外域の受光部と、非赤外域の受光部と、を備える、請求項4に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項6】
前記第3の反射鏡が一つの焦点を有する放物面鏡であり、前記第2の反射鏡の第2の焦点と、前記第3の反射鏡の一つの焦点と、が一致する、請求項1に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項7】
前記第3の反射鏡が円弧鏡である、請求項1に記載の二酸化炭素検出装置。
【請求項8】
前記デテクタが、赤外域の受光部と、非赤外域の受光部と、を備える、請求項6又は7に記載の二酸化炭素検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境評価技術に関し、特にガス検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば日本においては、ビルの中の人の居住空間の二酸化炭素濃度は1000ppm以下にすることとされている。また、工場等においても、二酸化炭素濃度を所定の値に管理する例がある。そのため、部屋に二酸化炭素検出装置が設けられ、部屋の内部の二酸化炭素濃度を監視する例がある。二酸化炭素検出装置は、例えば、非分散赤外線吸収法(NDIR:Non−dispersive Infrared absorptio method)により、二酸化炭素濃度を計測する。この方法は、二酸化炭素が赤外域の特定の波長帯(4.3μm付近の波長帯)の光を吸収する特性を利用する。すなわち、二酸化炭素に吸収される赤外域の特定の波長帯を含む光を測定対象の気体に照射し、測定対象の気体に含まれる二酸化炭素によって吸収された赤外域の光の量を計測することによって、二酸化炭素濃度を計測する(例えば、特許文献1参照。)。なお、非分散赤外線吸収法が計測対象とするガス種は、二酸化炭素に限られない(例えば、特許文献2、3参照。)。一酸化炭素濃度を計測する際には、波長4.7μm付近における光の吸収を計測する。二酸化硫黄濃度を計測する際には、波長8.5〜8.8μmの光の吸収を計測する。一酸化窒素を計測する際には、波長5.3μm付近における光の吸収を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000−517055公報
【特許文献2】特許第3990733号公報
【特許文献3】特許第4726954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、検出精度の高いガス検出装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、(a)光を発する光源と、(b)光源が発した光を反射する第1の反射鏡と、(c)第1の反射鏡で反射された光を反射する第2の反射鏡と、(d)第2の反射鏡で反射された光を反射する第3の反射鏡と、(e)少なくとも第3の反射鏡で反射された光を受光する検出器と、(f)検出器で受光された光量に基づき、光が通過した空間における計測対象ガス種の濃度を算出する濃度算出部と、を備え、(g)第1の反射鏡が第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡であり、光源の位置と、第1の反射鏡の第1の焦点と、が一致し、(h)第2の反射鏡が少なくとの一つの焦点を有する凹面鏡であり、第1の反射鏡の第2の焦点と、第2の反射鏡の少なくとの一つの焦点と、が一致し、(i)第3の反射鏡が凹面鏡又は平面鏡であり、第2の反射鏡の非焦点位置に配置されている、ガス検出装置が提供される。なお、凹面鏡とは、楕円鏡及び放物面鏡等を含む、湾曲した曲面の内側を鏡面とした鏡のことを指し、回転体及び非回転体のいずれかに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検出精度の高いガス検出装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るガス検出装置の模式図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係るガス検出装置の模式図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態に係るガス検出装置の模式図である。
【
図7】本発明の第2の実施の形態の第1の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態の第2の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態に係るガス検出装置の模式図である。
【
図10】本発明の第3の実施の形態の第1の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【
図11】本発明の第3の実施の形態の第2の変形例に係るガス検出装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0009】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係るガス検出装置は、
図1に示すように、光を発する光源1と、光源1が発した光を反射する第1の反射鏡11と、第1の反射鏡11で反射された光を反射する第2の反射鏡12と、第2の反射鏡12で反射された光を反射する第3の反射鏡13と、少なくとも第3の反射鏡13で反射された光を受光する検出器2と、検出器2で受光された光量に基づき、光が通過した空間における検出対象ガス種の濃度を算出する濃度算出部と、を備える。
【0010】
第1の反射鏡11は、第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡である。光源1の位置と、第1の反射鏡11の第1の焦点と、は、一致する。第2の反射鏡12は、少なくとの一つの焦点を有する凹面鏡である。第1の反射鏡11の第2の焦点と、第2の反射鏡12の少なくとの一つの焦点と、は、一致する。第3の反射鏡13は、第2の反射鏡12の非焦点位置に配置されている。
【0011】
図2に示すように、光源1、第1の反射鏡11、第2の反射鏡12、及び第3の反射鏡13は、例えばセル3に覆われている。あるいは、第1の反射鏡11、第2の反射鏡12、及び第3の反射鏡13が、セル3の一部をなしていてもよい。セル3の内部の空間における気体が、検出対象ガス種の濃度の測定対象となる。
【0012】
第1の実施の形態に係るガス検出装置は、非分散赤外線吸収法により、検出対象ガス種の濃度を計測する。すなわち、ガス検出装置は、二酸化炭素等の検出対象ガス種が赤外域の特定の波長帯の光を吸収する特性を利用し、セル3内部の検出対象ガス種に吸収されることによる光の減衰量を計測することによって、検出対象ガス種の濃度を計測する。検出対象ガス種は、二酸化炭素に限られず、一酸化炭素、二酸化硫黄、及び一酸化窒素等も含む。
【0013】
光源1は、少なくとも検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域を含む光を発する。光源1としては、赤外線ランプ及びLED等が使用可能である。光源1は、参照用に、検出対象ガス種によって吸収されない波長帯の光を、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と共に発してもよい。なお、当該参照用の、検出対象ガス種によって吸収されない波長帯の光を発することは任意であり、光源1は、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域を含む光のみを発してもよい。第1の反射鏡11の反射面には、例えば、アルミニウム等の金属が蒸着されている。光源1は、第1の反射鏡11の第1の焦点に配置されている。したがって、光源1が発した光は、拡散して第1の反射鏡11で反射され、第1の反射鏡11の第2の焦点に向けて集束される。
【0014】
凹面鏡である第2の反射鏡12は、例えば、第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡である。第2の反射鏡12の反射面には、例えば、アルミニウム等の金属が蒸着されている。第1の反射鏡11と、第2の反射鏡12と、は、第1の反射鏡11の第2の焦点と、第2の反射鏡12の第1の焦点と、が一致するよう、配置されている。そのため、第1の反射鏡11の第2の焦点で集束された光は再び拡散し、第2の反射鏡12で反射され、第2の反射鏡12の第2の焦点に向けて集束される。
【0015】
第3の反射鏡13は、例えば、第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡である。第3の反射鏡13の反射面には、例えば、アルミニウム等の金属が蒸着されている。第2の反射鏡12と、第3の反射鏡13と、は、第2の反射鏡12の第2の焦点と、第3の反射鏡13の第1の焦点と、が一致するよう、配置されている。そのため、第2の反射鏡12の第2の焦点で集束された光は再び拡散し、第3の反射鏡13で反射され、第3の反射鏡13の第2の焦点に向けて集束される。
【0016】
検出器2は、例えば、第3の反射鏡13の第2の焦点に配置されている。検出器2は、例えば、少なくとも検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光を検出可能な光検出器を備える。検出器2は、さらに、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を検出可能な光検出器を備えていてもよい。なお、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を検出可能な光検出器を備えることは任意であり、検出器2は、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光を検出可能な光検出器のみを備えていてもよい。
【0017】
濃度算出部は、例えば、中央演算処理装置(CPU)及び記憶装置等で構成され、検出器2に電気的に接続されている。濃度算出部は、例えば検出対象ガス種が二酸化炭素である場合、0ppm、2000ppm等、基準となるガス濃度の気体がセル3内部に存在する際、検出器2が受光する光の強度の値を基準値として記憶装置に記憶している。検出器2が受光する光の強度は、セル3内部に存在する気体に含まれる検出対象ガス種の濃度が上昇するにつれて低下する。したがって、濃度算出部は、検出器検出器2が受光した光の強度の実測値と、基準値と、の差分に基づいて、セル3内部の気体の検出対象ガス種の濃度を算出する。
【0018】
なお、光源1が、参照用に、検出対象ガス種によって吸収されない波長帯の赤外域の光を、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と共に発した場合、濃度算出部は、検出器2による検出対象ガス種によって吸収されない波長帯の赤外域の光の受光強度によって、バックグラウンドノイズの除去や、検出対象ガス種の吸収による光の減衰以外の光の減衰(例えば、光源の発光量の減衰、及び反射鏡の反射率の低下)等を補正してもよい。
【0019】
非分散赤外線吸収法においては、光路長が長くなるほど、ガス濃度の検出精度が高くなる。しかし、光路長が長くなるほど、ガス検出装置のサイズが大きくなり、また光の強度が低下する。これに対し、第1の実施の形態に係るガス検出装置によれば、第1乃至第3の反射鏡11、12、13で光を折り返すため、セル3の限られたサイズの中で、光源1から検出器2までの光路長を確保することが可能となる。また、第1乃至第3の反射鏡11、12、13が楕円鏡であるため、光源1から発せられた拡散光を集光し、光強度の低下を抑制することが可能となる。
【0020】
さらに、第1の実施の形態に係るガス検出装置においては、第3の反射鏡13が、第2の反射鏡12の非焦点位置に配置されている。ここで、仮に、第3の反射鏡13を、第2の反射鏡12の焦点位置に配置した場合、第3の反射鏡13が第2の反射鏡12からの反射光を受ける部分の面積が極めて小さくなる。そのため、第3の反射鏡13の鏡面の一部でも劣化した場合、劣化した箇所が反射鏡12からの反射光を受けている箇所であれば、第3の反射鏡13からの反射光は大きく減衰し、検出器2が受ける光量は大きく低下する。これに対し、第1の実施の形態に係るガス検出装置においては、第3の反射鏡13が、第2の反射鏡12の非焦点位置に配置されているため、第3の反射鏡13が第2の反射鏡12からの反射光を受ける部分の面積は広い。そのため、第3の反射鏡13の鏡面の一部が劣化した場合においても第3の反射鏡13からの反射光の減衰は小さく、検出器2が受ける光量の低下は小さい。そのため、反射鏡の劣化に伴う検出精度の低下を抑制することが可能となる。
【0021】
(第1の実施の形態の第1の変形例)
図1及び
図2では、検出器2が第3の反射鏡13の第2の焦点に配置される例を説明したが、検出器2は、第3の反射鏡13の非焦点位置に配置されていてもよい。例えば、光源1が、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と共に、参照用に、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を照射する場合、例えば並列に配置された検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光を受光する受光部と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を受光する受光部と、を備える検出器2を第3の反射鏡13の非焦点位置に配置することにより、検出器2が、所定の幅を有する光を受光することが可能となる。そのため、検出器2が、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光と、を、効率的に受光することが可能となる。
【0022】
(第1の実施の形態の第2の変形例)
図1及び
図2では、ガス検出装置が3つの反射鏡を備える例を説明した。これに対し、
図3に示すように、ガス検出装置は、第4の反射鏡14をさらに備えていてもよい。第4の反射鏡14は、例えば、第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円鏡である。第4の反射鏡14の反射面には、例えば、アルミニウム等の金属が蒸着されている。第3の反射鏡13と、第4の反射鏡14と、は、第3の反射鏡13の第2の焦点と、第4の反射鏡14の第1の焦点と、が一致するよう、配置されている。そのため、第3の反射鏡13の第2の焦点で集束された光は再び拡散し、第4の反射鏡14で反射され、第4の反射鏡14の第2の焦点に向けて集束される。
【0023】
この場合は、検出器2は、例えば、第4の反射鏡14の第2の焦点に配置されており、第3の反射鏡13で反射された後、第4の反射鏡14で反射された光を受光する。なお、検出器2は、第4の反射鏡14の非焦点位置に配置されていてもよい。反射鏡の数を増やすことによって、光路長が長くなり、セル3内部の気体に含まれるガスによる赤外域の光の吸収に対する感度を上昇させることが可能となる。
【0024】
(第1の実施の形態の第3の変形例)
図4に示すガス検出装置は、第4の反射鏡114が、一つの焦点を有する放物面鏡である点で、
図3に示すガス検出装置と異なる。
図4に示すガス検出装置のその他の構成要素は、
図3と同様である。
図4に示す第4の反射鏡114の反射面には、例えば、アルミニウム等の金属が蒸着されている。第3の反射鏡13と、第4の反射鏡14と、は、第3の反射鏡13の第2の焦点と、第4の反射鏡14の焦点と、が一致するよう、配置されている。そのため、第3の反射鏡13の第2の焦点で集束された光は再び拡散し、第4の反射鏡14で平行光として反射される。
【0025】
図4に示すガス検出装置は、さらに、第5の反射鏡115を備える。第5の反射鏡115は、平行光を反射して集束させる。検出器2は、集束された光を受光してもよいし、幅のある光を受光してもよい。
図4に示すガス検出装置においても、反射鏡の数を増やすことによって、光路長が長くなり、セル3内部の気体に含まれる検出対象ガス種による赤外域の光の吸収に対する感度を上昇させることが可能となる。
【0026】
楕円鏡の曲面の曲率の変化が小さい場合、代わりに円弧鏡又は球面鏡を用いても、楕円鏡を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0027】
(第1の実施の形態の第4の変形例)
例えば、
図5に示すように、第3の反射鏡113に、円弧鏡又は球面鏡を用いても、
図1に示した楕円鏡を用いた場合と同様の性能をガス検出装置は有することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図6に示すように、第2の実施の形態に係るガス検出装置においては、第3の反射鏡23が一つの焦点を有する放物面鏡であり、第2の反射鏡12の第2の焦点と、第3の反射鏡23の一つの焦点と、が一致している。そのため、第2の反射鏡12の第2の焦点で集束された光は再び拡散し、第3の反射鏡23で平行光として反射される。検出器2は、第3の反射鏡23で反射された平行光を受光する。例えば並列に配置された検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光を受光する受光部と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を受光する受光部と、を備える検出器2で、第3の反射鏡23で反射された平行光を受光することにより、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光と、を、効率的に受光することが可能となる。第2の実施の形態に係るガス検出装置のその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。
【0029】
第2の実施の形態に係るガス検出装置によれば、放物面鏡である第3の反射鏡23の焦点距離を変えることにより、検出器2が受光する光の幅を変えることが可能である。
【0030】
放物面鏡の曲面の曲率の変化が小さい場合、代りに円弧鏡又は球面鏡を用いても、放物面鏡を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0031】
(第2の実施の形態の第1の変形例)
例えば、
図7に示すように、第3の反射鏡123は、円弧鏡又は球面鏡を用いても、
図6に示した放物面鏡を用いた場合と同様の性能をガス検出装置は有することができる。
【0032】
(第2の実施の形態の第2の変形例)
図6では、検出器2が、第3の反射鏡23で反射された平行光を受光する例を説明した。これに対し、
図8に示すように、ガス検出装置は、第3の反射鏡23で反射された平行光を収束光に変える第4の反射鏡24をさらに備えていてもよい。この場合、検出器2は、収束光を受光する。光を収束させることにより、検出器2によって受光される光の強度を強めることが可能となる。
【0033】
(第3の実施の形態)
図9に示すように、第3の実施の形態に係るガス検出装置においては、凹面鏡である第2の反射鏡32が一つの焦点を有する放物面鏡であり、第3の反射鏡33が平面鏡である。第1の反射鏡11の第2の焦点と、第2の反射鏡32の一つの焦点と、は、一致している。そのため、第2の反射鏡32は、第1の反射鏡11で反射された光を平行光として反射する。第3の反射鏡33は、第2の反射鏡32で反射された平行光を、平行光として反射する。この場合、例えば並列に配置された検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光を受光する受光部と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光を受光する受光部と、を備える検出器2で、第3の反射鏡33で反射された平行光を受光することにより、検出対象ガス種に吸収される特定の波長帯の赤外域の光と、検出対象ガス種に吸収されない波長帯の光と、を、効率的に受光することが可能となる。
【0034】
(第3の実施の形態の第1の変形例)
図9では、検出器2が、第3の反射鏡33で反射された平行光を受光する例を説明した。これに対し、
図10に示すように、ガス検出装置は、第3の反射鏡33で反射された平行光を収束光に変える第4の反射鏡34をさらに備えていてもよい。この場合、検出器2は、収束光を受光する。光を収束させることにより、検出器2によって受光される光の強度を強めることが可能となる。
【0035】
(第3の実施の形態の第2の変形例)
図9では、検出器2が、第3の反射鏡33で反射された平行光を受光する例を説明した。これに対し、
図11に示すように、ガス検出装置は、第3の反射鏡33で反射された平行光を平行光として反射する第4の反射鏡134と、第4の反射鏡134で反射された平行光を収束光に変える第5の反射鏡135と、をさらに備えていてもよい。これにより、光路長が長くなり、セル3内部の気体に含まれる検出対象ガス種による赤外域の特定の波長帯の光の吸収に対する感度を上昇させることが可能となる。
【0036】
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、楕円鏡である第2の反射鏡で反射された光を、平面鏡である第3の反射鏡で反射してもよい。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0037】
1 光源
2 検出器
3 セル
11 第1の反射鏡
12、32 第2の反射鏡
13、23、33、113、123 第3の反射鏡
14、24、34、114、134 第4の反射鏡
115、135 第5の反射鏡