(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記背景部材と前記パラボラ状ミラーとの間で検出した対象物の、前記パラボラ状ミラーの準線方向の検出位置又は大きさを計測するように構成されている請求項1に記載のエリアセンサ。
前記パラボラ状ミラーは、放物線を対称軸周りに回転させてできる回転放物面を有し、 前記回転放物面は、対称軸と平行な他の検出平面を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のエリアセンサ。
前記パラボラ状ミラーは、複数の平面鏡を、それぞれの反射面が前記放物線状の接平面となるように配置したもので構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のエリアセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記光電管を用いた検出手段の場合、基本的には1次元の線状の遮蔽検出しかできないため、対象物が検出平面の多くの位置で遮蔽したことを検出するためには、多くの光電管を配置しなければならず、多くのスペースを要する。また、検出分解能を高めるためには光電管の配置間隔を狭くする必要があるが、光電管を設けるためには多くの支持具が必要となり、配置が困難な場合があり現実的ではない。しかも、多くの光電管を設けると位置調整などが煩雑であり、配置作業に時間を要する。
【0008】
一方、レーザスキャナを用いた検出手段の場合、レーザを機械的に走査することで検出平面における遮蔽を検出することはできるが、1次元で検出平面を走査するため、場所によって検出するタイミングにずれを生じる。そのため、移動する対象物が検出平面と交差したときに全体を同時に検出することができない。
【0009】
なお、上記特許文献1の場合、反射鏡ホイールによって、レーザ及びカメラ光軸を走査するので、レーザスキャナと同様に、場所によって検出するタイミングにずれを生じる。その上、反射鏡ホイールの駆動装置などで構造が複雑化するため、スペースとコストが増大する。
【0010】
そこで、本願発明は、検出平面を遮蔽する対象物を、空間的に密な分解能で検出することができ、かつ時間的に検出平面全体を同じタイミングで検出できるエリアセンサと、それを備えた機械式駐車場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本願発明に係るエリアセンサは、検出平面を対象物が交差したことを検出するエリアセンサであって、前記検出平面での断面が放物線状となったパラボラ状ミラーと、前記パラボラ状ミラーの焦点位置に、該パラボラ状ミラーが写るように配置された撮影手段と、前記パラボラ状ミラーの準線と対向して配置された背景部材と、前記背景部材から出た前記パラボラ状ミラーの準線と直交する光を、前記パラボラ状ミラーで反射集光させて前記撮影手段で撮影し、該撮影した光から、前記背景部材と前記パラボラ状ミラーとの間を対象物が交差したことを検出する制御装置と、を備えている。この明細書および特許請求の範囲の書類中における「放物線状」は、放物線および放物線に近似した線をいう。また、「パラボラ状ミラー」は、パラボラミラーのように、放物面の対称軸と平行に反射面に入射する光が全て焦点へ集光されるパラボラ形状及びこれに近似したパラボラ状のミラーをいう。
【0012】
この構成により、パラボラ状ミラーの焦点位置に配置された撮影手段に入射した光から、検出平面において背景部材を遮蔽した対象物を検出することができる。しかも、検出平面の全体において同時に検出することができ、空間的に密な分解能で対象物を検出することができる。さらに、パラボラ状ミラーに入射した平行光線から対象物を検出するので、対象物の形状に影響されることなくパラボラ状ミラーの準線方向の大きさを正確に検出することができる。
【0013】
また、前記制御装置は、前記背景部材と前記パラボラ状ミラーとの間で検出した対象物の、前記パラボラ状ミラーの準線方向の検出位置又は大きさを計測するように構成されていてもよい。
【0014】
このように構成すれば、撮影手段で撮影した画像から、対象物の準線方向の位置又は大きさもしくは両方を計測することができる。
【0015】
また、前記パラボラ状ミラーは、焦点位置が等しい複数のパラボラミラーで構成されていてもよい。この明細書および特許請求の範囲の書類中における「焦点位置が等しい」は、略等しい構成を含む。
【0016】
このように構成すれば、フレネルレンズのように厚みの薄いパラボラ状ミラーを形成することができ、パラボラ状ミラーの配置スペースを小さくできる。
【0017】
また、前記パラボラ状ミラーは、前記放物線を対称軸周りに回転させてできる回転放物面を有し、前記回転放物面は、対称軸と平行な他の検出平面を有していてもよい。
【0018】
このように構成すれば、検出平面と、検出平面と交差する方向の面も検出することができる。そのため、対象物の検出平面と交差する方向で同時に対象物を検出することができる。
【0019】
また、前記パラボラ状ミラーは、複数の平面鏡を、それぞれの反射面が前記放物線状の接平面となるように配置したもので構成されていてもよい。
【0020】
このように構成すれば、検出の必要がある位置の光を集光するように部分的にパラボラ状ミラーを配置して対象物を検出することができる。これにより、各パラボラ状ミラーの小型化で費用の低減を図ることができる。この構成は、それぞれの平面鏡が前記フレネルレンズ状に配置された複数の放物線状の接平面となっているものでもよい。
【0021】
また、前記背景部材は、再帰性反射部材であり、前記パラボラ状ミラーの焦点位置近傍に、該パラボラ状ミラーへ向かって光を照射する投光器を有していてもよい。
【0022】
このように構成すれば、投光器から照射した光が再帰性反射部材で反射してパラボラ状ミラーへ戻るので、再帰性反射部材で反射した光から対象物をより安定して検出することができる。
【0023】
また、前記投光器は赤外線投光器で構成され、前記撮影手段は赤外線カメラで構成されていてもよい。
【0024】
このように構成すれば、人が利用する対象物であっても、対象物を検出するための光を人が気にならないようにして対象物の検出ができる。
【0025】
また、前記制御装置は、前記対象物の検出平面における法線方向の位置を測定する測定手段を有し、前記放物線状の準線方向の位置又は大きさの情報と、前記検出平面における法線方向の位置情報とを用いて、前記検出平面を通過する対象物の輪郭を測定するように構成されていてもよい。
【0026】
このように構成すれば、対象物の輪郭を測定して、対象物の大きさや形状を認識することができる。これにより、検出平面を通過した対象物を適切な位置に案内することもできる。
【0027】
一方、本願発明に係る機械式駐車場は、前記いずれかのエリアセンサを備えた機械式駐車場であって、前記エリアセンサを入出庫部の入口側に備え、前記エリアセンサは、車両の入庫と高さを検出できるように構成されている。
【0028】
この構成により、機械式駐車場に車両が入庫したことと、その車両の高さを検出することができ、入庫した車両の高さに応じて適切な車両収容部に格納することができる。
【発明の効果】
【0029】
本願発明によれば、1台の撮影手段で、検出平面における対象物の遮蔽を空間的に密な分解能で検出することが可能となる。また、検出平面全体において同じタイミングで遮蔽検出できるので、移動する対象物でも、測定タイミングによる測定位置のずれなどがなく検出することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、機械式駐車場において車両の入庫を検出するエリアセンサを例に説明する。また、撮影手段としてカメラを例にし、カメラの近傍に配置した投光器から光を発し、その光が背景部材としての再帰性反射部材で反射した光をカメラで撮影する例を説明する。さらに、検出平面として、鉛直方向の平面を例に説明する。
【0032】
まず、
図1〜
図3に基づいて、エリアセンサ10の構成を模式的に図示して説明する。
図1及び
図2に示すように、対象物Vの検出平面6の側方にパラボラ状ミラー3が配置されている。このパラボラ状ミラー3は、準線5が鉛直方向を向くように配置されている。このパラボラ状ミラー3の略焦点位置であって、且つ、パラボラ状ミラー上に映る検出範囲の全体を直接撮像できる所定位置にカメラ1が固定され、その近傍に投光器2が配置されている。カメラ1を配置するパラボラ状ミラー3の焦点位置は、焦点位置を中心としてカメラ1で撮影可能な略焦点位置の範囲であればよい。
【0033】
また、上記検出平面6の、上記パラボラ状ミラー3と対向する反対位置には、パラボラ状ミラー3の準線5と略平行に背景部材である再帰性反射部材4が配置されている。このように、再帰性反射部材4がパラボラ状ミラー3と対向するように配置されている。
【0034】
この実施形態のパラボラ状ミラー3は、放物線が曲線状に連続するようなパラボラ状ミラー3としているが、パラボラ状ミラー3は、焦点位置が略等しい複数のパラボラミラー(例えば、フレネルレンズのような構成)としてもよい。このようすれば、パラボラ状ミラー3の厚みを薄くして配置スペースを小さくすることができる。
【0035】
また、上記投光器2を赤外線投光器とし、カメラ1を赤外線カメラとすれば、人が利用する対象物であっても、人が気にならない光で対象物Vを検出することができる。
【0036】
上記カメラ1および投光器2は、制御装置7によって制御されている。この制御装置7は、画像処理コンピュータなどを含み、後述するように、カメラ1で撮影された画像の画像輝度値から対象物Vの有無を検出する機能を有している。この実施形態では、制御装置7でカメラ1および投光器2の制御と、撮影された画像から対象物Vを検出するようにしているが、カメラ1と投光器2の制御装置7とは別に制御装置を設けるようにしてもよい。これらの構成が、エリアセンサ10の主要構成である。
【0037】
このようなエリアセンサ10によれば、投光器2から発した光8をパラボラ状ミラー3で反射させ、平行光線とした上で再帰性反射部材4に照射される。この光8は、再帰性反射部材4で反射されて、再度、パラボラ状ミラー3で反射集光されてカメラ1によって撮影される。このように構成することで、パラボラ状ミラー3で反射させた広範囲の平行光線で対象物Vを検出するため、単純にカメラと背景部材を対向させた構成よりも、広範囲の検出平面6を設定している。
【0038】
図2に示すように、上記構成のエリアセンサ10によれば、検出平面6に対象物Vが進入すると、上記投光器2から照射した光8が対象物Vに遮られるため、上記再帰性反射部材4で反射してカメラ1によって撮影される部分の光8に比べて対象物Vの表面が反射する光のみとなってカメラの入射光が弱まり、検出平面6に対象物Vが存在することを検出することができる。このように、投光器2から光8を発してその反射した光8をカメラで撮影することにより、投光器2からカメラ1までの光路を対象物Vが遮ると、カメラ1への入射光の強度が小さくなるので、その差によって対象物Vによる遮蔽を検出できる。
【0039】
また、
図2の検出平面6の内、網掛けで示す部分では、カメラ1で撮影された映像から、対象物Vが検出平面と交差した断面形状について、放物線の準線5方向の位置又は大きさ(高さH1)を、パラボラ状ミラー3越しに撮影した画像から計測することができる。
【0040】
なお、
図3に示すように、網掛けで示す部分で対象物Vが検出平面6と交差した場合、カメラ1とパラボラ状ミラー3の間の光軸が遮られた部分が、パラボラ状ミラー3越しに撮影できない(クロスハッチ部が死角Xになるため)。しかし、この場合でも対象物Vが検出平面6と交差した部分のパラボラ状ミラー3で反射する部分(高さH2)などを計測することはできる。そのため、対象物Vの検出は可能である。また光軸は、死角X部分も含めて遮られているので、対象物Vと検出平面6との交差は検出できる。
【0041】
次に、
図4〜
図8に基づいて、本願発明に係るエリアセンサの適用例を説明する。この実施形態では、第2実施形態に係るエリアセンサ40を機械式駐車場50に適用した例を説明する。この機械式駐車場50は、入出庫部51内でパレット52上に対象物Vである車両Vを駐車し、その車両Vをパレット52ごと階上の車両収容部53へ移動させるパレット式を例にしている。また、エリアセンサ40としては、1台で、入庫中の車両Vの高さ検出と、停車後の車両Vのはみ出し検出との2つの機能を有する例を説明する。
【0042】
図4は、第2実施形態のエリアセンサ40の構成を示す図面である。機械式駐車場50の入出庫部51には、パレット52の入口側端部位置にエリアセンサ40が設けられている。このエリアセンサ40は、パレット52の左右位置の一方にパラボラ状ミラー23が配置され、他方にカメラ21、投光器22および再帰性反射部材24が配置されている。これにより、図に斜線で示すように、パレット52の端部位置にエリアセンサ40の検出平面26が設定されている。
【0043】
なお、以下の説明でも、入出庫部51の入口側に設けられたエリアセンサ40について説明するが、機械式駐車場50の場合には入出庫部51の奥側にもエリアセンサ40が設けられており、入庫車両Vが所定位置に停止したことを検出できるようになっている。
【0044】
図5(a),(b) および
図6は、上記エリアセンサ40と車両Vとの関係を示す図面である。機械式駐車場50に車両Vが入庫するときには、入口側のエリアセンサ40の位置を通過する。エリアセンサ40は、パラボラ状ミラー23および再帰性反射部材24が、車両Vの高さよりも高い位置まで設けられており、車両Vがパラボラ状ミラー23と再帰性反射部材24との間を通過して上記投光器22からの光を遮蔽すると、カメラ21で撮影した画像から制御装置7(
図1)で車両Vを検出できるようになっている。
【0045】
また、制御装置7(
図1)により、入口側のエリアセンサ40で検出平面26の位置で車両Vを検出したときから、車両Vがパレット52に乗込むまでの間、車両Vの検出平面26の法線方向(車両Vの前後方向)における位置情報を集め、パラボラ状ミラー23の準線方向の情報と検出平面26の法線方向の情報とから、車両Vの輪郭を測定できるようしてもよい。このようにすれば、車両Vの大きさや長さなどに応じて、入庫車両Vをパレット52のより適切な位置に乗入れるように案内することができる。
【0046】
図7に示すように、第2実施形態に係るエリアセンサ40のパラボラ状ミラー23は、この実施形態における機械式駐車場50において車両Vを検出するために適した簡易的な構成となっている。すなわち、この実施形態におけるパラボラ状ミラー23は、機械式駐車場50において車両Vの存在と高さを検出するために、3枚の平面鏡30,31,32が、低車高車両の車両検出高さA(例えば、約1550mm)、中車高車両の車両検出高さB(例えば、約1750mm)、高車高車両の車両検出高さC(例えば、約2000mm)を検出できる高さに配置されている。これらの平面鏡30,31,32は、それぞれがパラボラ状ミラー23の放物線の接平面となるように配置されている。
【0047】
これは、この実施形態における機械式駐車場50が、異なる車高の車両Vを、その車高に適した車両収容部53(車両の高さに応じて収容高さの異なる駐車棚)に格納するミックス型であるためである。そして、このエリアセンサ40によれば、上記各高さに配置された平面鏡30,31,32によって、低車高車両の車両検出高さA(例えば、車両高さ:約1550mm未満)、中車高車両の車両検出高さB(例えば、車両高さ:約1550mm以上−約1750mm未満)、高車高車両の車両検出高さC(例えば、車両高さ:約1750mm以上−約2000mm未満)、および車高オーバー(例えば、車両高さ:約2000mm以上、屋根上の付属部品の有無など)、という4つの範囲で車両Vを検出できるようになっている。そのため、この実施形態のパラボラ状ミラー23は、3枚の平面鏡30,31,32が、それぞれ車両検出高さA〜Cの高さで放物線の接平面となるように配置されている。なお、検出高さは一例であり、任意に設定すればよい。
【0048】
さらに、検出平面26の低いエリアをカバーするために、車両検出高さD(例えば、約200mm)の高さにも放物線の接平面となるように平面鏡33が配置されている。これらの平面鏡30,31,32,33は、準線25と直交する光28をカメラ21に向けて反射集光させて撮影できるようになっている。パラボラ状ミラー23に平面鏡30,31,32,33を採用することにより、パラボラ状ミラー23の小型化と製作費用低減を図っている。
【0049】
図8(a) 〜(e) は、各平面鏡30,31,32,33による検出範囲を示す図面である。
図8(a) の平面鏡33は、最も低いエリアを検出するものであり検出エリア(斜線部分)の最下部で反射光が平行光線となるようにして高さD(約200mm)を検出できるようにしている。また、
図8(b) の平面鏡30は、低車高車両(車両高さ:約1550mm未満)か否かを検出するものであり、検出エリア(斜線部分)のほぼ中心高さで反射光が平行光線となるようにして高さA(約1550mm)を検出できるようにしている。また、
図8(c) の平面鏡31は、中車高車両(車両高さ:約1750mm以上)か否かを検出するものであり、検出エリア(斜線部分)のほぼ中心高さで反射光が平行光線となるようにして高さB(約1750mm)を検出できるようにしている。また、
図8(d) の平面鏡32は、車高オーバー(車両高さ:約2000mm以上)か否かを検出するものであり、検出エリア(斜線部分)の最上部で反射光が平行光線となるようにして高さC(約2000mm)を検出できるようにしている。
【0050】
そして、
図8(e) に示すように、上記したように各高さA,B,C,Dを検出できるようにした平面鏡30,31,32,33により、再帰性反射部材4で反射する光軸の和集合(斜線部分)が検出エリアとなり、高さD,A,B,C(約200mm〜約2000mm)の範囲を検出できるようにしている。
【0051】
この実施形態では、4枚の平面鏡30,31,32,33を使ってパラボラ状ミラー23を構成しているが、車両Vの高さ検出の必要分解能によっては枚数を増減してもよい。また、車両Vの高さを連続的に計測したい場合には、放物曲面のミラーを用いてもよい。
【0052】
以上のように構成されたパラボラ状ミラー23を備えた第2実施形態のエリアセンサ40によれば、
図8(e) に示すように、投光器22から発した光28は、パラボラ状ミラー23で反射し、再帰性反射部材24へ到達する。そして、再帰性反射部材24で反射して元の光路へ反射された光28は、再度、パラボラ状ミラー23で反射してカメラ21へ到達する。このため、検出平面26に対象物Vがない場合は、カメラ21の画像としては、パラボラ状ミラー23越しに光る再帰性反射部材24が写ることとなる。
【0053】
そして、検出平面26を車両Vが通過すると、車両Vの高さに応じて光軸が遮られる。例えば、高さA(約1550mm)を超える車両Vが通過すると、高さA(約1550mm)を水平に横切る光軸が遮られることで、カメラ画像において
図7のAの位置に、パラボラ状ミラー23越しに写るはずの再帰性反射部材24が、車両Vで遮られ、画像輝度値が大きく低下する。この画像輝度値の低下を検出することで、車両Vが高さA(約1550mm)を超えることが検出できる。
【0054】
また、高さB(約1750mm)を水平に横切る光28が遮られると、カメラ画像において
図7のBの位置の画像輝度値が大きく低下するので、この画像輝度値の低下を検出することで、車両Vが高さB(約1750mm)を越えることが検出できる。さらに、上記
図7のAの位置の画像輝度値が大きく低下し、Bの位置の画像輝度値が低下していない場合、車両Vが高さA〜高さB(約1550mm〜約1750mm)の間にあることを検出することができる。同様に、
図7の高さCの位置の画像輝度値が大きく低下した場合、車両Vが高さC(約2000mm)を超えることが検出できる。
【0055】
従って、上記エリアセンサ40によれば、画像輝度値の低下する位置を検出することで、エリアセンサ40の位置を車両Vが通過していることと、通過している車両Vの高さを検出することができる。
【0056】
また、この実施形態のエリアセンサ40は、パレット52の前後部位置にそれぞれ設けられているため、車両Vの停車後に、車両Vがパレット52からはみ出していないかを検出するセンサとしての機能も有している。つまり、車両Vの停車後に、前後いずれかのエリアセンサ40のカメラ画像において、パラボラ状ミラー23越しに写るはずの再帰性反射部材24が車両Vで遮られている場合、はみ出していると判定される。車両Vがはみ出している場合、音声や映像などによって適切な位置に停車するように案内される。
【0057】
図9(a) 〜(c) は、第3実施形態に係るエリアセンサのパラボラ状ミラーを模式的に示す図面である。図示するように、この第3実施形態のパラボラ状ミラー63は、図示するような回転放物面70の一部を反射面71としたミラーで構成されている。
【0058】
このパラボラ状ミラー63は、回転放物面70の対称軸72と平行に反射面71に入射する光はすべて焦点へ集光されるので、パラボラ状ミラー63越しに撮影されたカメラ画像は、通過する車両Vを、回転放物面70の対称軸72と直交する平面へ射影した形状となる。つまり、パラボラ状ミラー63と再帰性反射部材64との間の、回転放物面70の対称軸72と平行な任意の面も検出平面として設定できる。
【0059】
図10は、上記第3実施形態に係るエリアセンサ80の使用例である。上記した機械式駐車場50(
図6)のように、車両Vをパレット52に載せて車両収容部53に格納する場合、車両収容部53に設けられた梁などと車両Vが干渉しない位置に停車させる必要がある。そのため、車両Vが、例えば、枠線65で示すようなエリアに収まるように停車させる必要がある。
【0060】
このような場合、上記
図9(c) に示すような、回転放物面70を有するパラボラ状ミラー63を備えたエリアセンサ80を用いれば、
図11に斜線部で示す平面を検出平面66として設定することができる。つまり、水平方向も検出平面66に含ませることができる。このように検出平面66を設定することで、上記
図10に示すような枠線65から車両Vがはみ出していないかを検出することが可能となる。これら
図10,11では、入口側のエリアセンサ80のみの説明をしたが、奥側のエリアセンサ40でも同様にはみ出し検出が行われる。
【0061】
図12は、上記第3実施形態に係るエリアセンサ80の使用例を示す斜視図である。この例では、エリアセンサ80でベルトコンベア90上を移動する対象物Vの射影形状を検出している。回転放物面70を有するパラボラ状ミラー63と背景部材64をベルトコンベア90を挟んで対向するように配置し、カメラ61と投光器62をパラボラ状ミラー63の焦点位置に配置している。
【0062】
このエリアセンサ80によれば、パラボラ状ミラー63越しにカメラ61で撮影した画像から、ベルトコンベア90上を移動する対象物Vが、例えば規定のサイズ内に収まるかどうかの検査を行うことができる。
【0063】
以上のように、上記エリアセンサ10,40,80によれば、1台のカメラ1,21,61と、パラボラ状ミラー3,23,63、背景部材4,24,64を用いた光学系により、撮影した画像から設定した検出平面6,26,66において対象物Vが光8,28を遮蔽したことを空間的に密な分解能で検出することができる。
【0064】
しかも、回転放物面70を有するパラボラ状ミラー63を用いることにより、検出平面66と交差した断面形状について、放物線の準線方向の位置又は大きさを計測することで対象物Vの位置、大きさを検出することが可能となる。すなわち、
図13に示すように、パラボラ状ミラー63を用いることなくカメラ1でのみで撮影した画像から対象物Va,Vb,Vcを検出した場合、対象物Va,Vb,Vcを検出することはできるが、カメラ1と対象物Va,Vb,Vcとの距離によって異なる大きさの対象物Vが同じ大きさと認識される。しかし、本願発明によれば、準線5と直交する光をパラボラ状ミラー63で反射させてカメラ1,21,61で撮影して対象物Vを検出するため、カメラ1,21,61から異なる距離に対象物Vが存在したとしても、対象物Vの正しい大きさを検出することができる。
【0065】
また、検出平面6,26,66の全体において同時に遮蔽検出ができるので、移動する対象物Vでも、測定タイミングによる測定位置のずれがなく検出することが可能となる。
【0066】
その上、上記エリアセンサ10,40,80によれば、投光器2,22,62から発した光8,28を再帰性反射部材4,24,64で反射させているため、カメラ1,21,61で撮影される映像に明確な輝度値の差を得ることができ、対象物Vの位置又は大きさの検出をより適切に行うことが可能となる。
【0067】
このように、上記したエリアセンサ10,40,80によれば、所定のエリアにおいて光を遮蔽する対象物Vを検出し、その位置又は大きさを検出することが可能であり、種々の対象物Vの検出に利用することができる。
【0068】
なお、上記実施形態では、機械式駐車場50におけるエリアセンサを例に説明したので、鉛直方向の検出平面6を主に説明したが、車両の高さや長さを検査する検査装置や、移送中の対象物の検出・大きさ検査などを行う検査装置など、他の用途におけるエリアセンサとして用いることもできる。このように、エリアセンサの用途は上記実施形態に限定されるものではなく、検出平面6も用途に応じて適切に設定すればよい。
【0069】
また、上記第2実施形態では、投光器2,22,62から光8,28を発し、パラボラ状ミラー3,23,63を介して再帰性反射部材4,24,64で反射させた光8,28を再びパラボラ状ミラー3,23,63を介してカメラ1,21,61で撮影する例を説明した。しかし、背景部材(例えば、白色の背景部材)からの外光や証明をパラボラ状ミラー3,23,63で反射させてカメラ1,21,61で撮影するようにしてもよく、使用条件に応じて投光器2,22,62を設けない構成としてもよい。
【0070】
さらに、上記第2実施形態では、パラボラ状ミラー23を複数の平面鏡30,31,32,33で形成した例を説明したが、パラボラ状ミラー23は検出結果が必要な位置に応じて分割形成すればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【0071】
また、上記実施形態は一例を示しており、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。